JP2010214032A - ジャー炊飯器 - Google Patents

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Kazuhiro Ukita
和宏 浮田
Hiroshi Oya
弘 大矢
Yuka Nakao
由佳 中尾
Takayoshi Yamanaka
崇義 山中
Yasuyuki Mimura
泰幸 三村
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Abstract

【課題】ゴキブリによる基板パターン間のショートを未然に防ぎ、放熱しやすく電子部品等の温度上昇を防止して製品を大きくすることなく高電力出力できること。
【解決手段】鍋2を誘導加熱する誘導加熱手段7に高周波電力を供給する高周波電力供給手段12は、片側にパターン面を有する基板50と、基板50上に設けられた電子部品51と、基板50のパターン面側を覆う基板ベース21を有し、基板ベース21と基板50のパターン面50aとの間で略密閉空間21aを形成するとともに、基板ベース21は幅0.5mm以下のスリット穴21b、21cを設けて略密閉空間と外部を連通状態としたことにより、ゴキブリがパターン部と基板ベースの間に侵入できず、ゴキブリの侵入による基板パターン間のショートを未然に防ぎつつ、パターン部を放熱しやすく、周囲の電子部品の温度上昇を防止することで、製品を大きくすることなく高電力出力が可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は一般家庭、あるいは業務用に使用するジャー炊飯器に関するものである。
従来、この種のジャー炊飯器は炊飯器本体と、炊飯器本体に着脱自在に収納される内鍋と、前記内鍋を加熱するための加熱手段と、前記加熱手段を制御する制御装置を備えた制御基板と、炊飯操作するための入力装置を備えた操作基板と、前記制御基板と前記操作基板を炊飯器本体に支持する一面が開口した略角柱形状の基板ベースとを備え、前記基板ベースの開口面に少なくとも前記制御基板と前記操作基板の一方を設置している(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−55564号公報
しかしながら、前記従来の構成では、誘導加熱方式の炊飯器では、炊飯あるいは保温動作を行う際に電子部品は発熱するため、本体に電子部品を冷却するために外気を取り込む穴が設けてある。ここで、炊飯器は台所などのゴキブリ等が発生しやすい周囲環境にある場所に設置されることが多いが、ゴキブリの習性として、およそ30℃から50℃雰囲気であって、隙間が1mmから10mm程度の暗い空間を好んで生息する。炊飯器の炊飯あるいは保温動作時における回路基板周辺はちょうどゴキブリが好んで生息しやすい環境にある。ゴキブリの体は半導電性であり、もし電子部品の導電部間にゴキブリが触れると、導電部間が導通状態となり電子回路がショートしてしまうため、導電箇所によっては炊飯器が故障してしまう。特に基板パターン面と基板ベースの間は隙間が1mmから6mm程度の空間でありゴキブリが好んで滞在しやすく、基板パターン面は平面のため、導電部であるパターン部はゴキブリにより導通状態になりやすい。
パターン部は厚さ15から50ミクロンの銅箔で構成されるため、大電流が流れると発熱する。誘導加熱方式の炊飯器は高電力出力をその特徴とするが、パターン部にも5A以上の大電流が流れる。特許文献1に開示された従来例の炊飯器は、基板パターン面と基板ベースで略密閉空間を構成しゴキブリが侵入しないようにしているが、パターン部を略密閉空間で覆ったため、パターン部より発生する熱が放熱しにくく、周囲の電子部品温度が耐熱温度異常に上昇するのを防止するために、高電力出力に制限を設けるか、ごはんをおいしく炊くために必要な高電力出力を確保するためにパターンの幅を拡げ、パターン部を発熱ロスを抑えることが必要であった。高電力出力に制限を設けるとおいしくごはんを炊けず、パターンの幅を拡げると回路基板が大きくなってしまい、製品が大きくなってしまうという課題を有していた。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、ゴキブリがパターン部と基板ベースの間に侵入できない構成をとることにより、ゴキブリによる基板パターン間のショートを未然に防ぎ、故障しない炊飯器を提供しつつ、パターン部より発生する熱が放熱しやすくし、周囲の電子部品の温度上昇するのを防止することで、製品が大きくすることなく高電力出力でおいしいごはんの炊けるジャー炊飯器の提供を目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明のジャー炊飯器は、…着脱自在な鍋と、上面に有底筒状の鍋収納部を有する本体と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記誘導加熱手段に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、前記高周波電力供給手段を冷却
する冷却ファンとを有し、前記高周波電力供給手段は、片側にパターン面を有する基板と、前記基板上に設けられた電子部品とから構成され、前記基板のパターン面側を覆う基板ベースを有し、前記基板ベースと前記基板のパターン面との間で略密閉空間を形成するとともに、前記基板ベースは幅0.5mm以下のスリット穴を設けて前記略密閉空間と外部を連通状態としたものである。
これによって、ゴキブリがパターン部と基板ベースの間に侵入できない構成をとることができ、ゴキブリによる基板パターン間のショートを未然に防ぎ、故障しない炊飯器を提供しつつ、パターン部より発生する熱が放熱しやすくし、周囲の電子部品の温度上昇するのを防止することで、製品が大きくすることなく高電力出力でおいしいごはんの炊ける炊飯器を提供できる。
本発明のジャー炊飯器は、ゴキブリがパターン部と基板ベースの間に侵入できない構成をとることにより、ゴキブリによる基板パターン間のショートを未然に防ぎ、故障しない炊飯器を提供しつつ、パターン部より発生する熱が放熱しやすくし、周囲の電子部品の温度上昇するのを防止することで、製品が大きくすることなく高電力出力でおいしいごはんの炊ける炊飯器を提供することができる。
第1の発明は着脱自在な鍋と、上面に有底筒状の鍋収納部を有する本体と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記誘導加熱手段に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、前記高周波電力供給手段を冷却する冷却ファンとを有し、前記高周波電力供給手段は、片側にパターン面を有する基板と、前記基板上に設けられた電子部品とから構成され、前記基板のパターン面側を覆う基板ベースを有し、前記基板ベースと前記基板のパターン面との間で略密閉空間を形成するとともに、前記基板ベースは幅0.5mm以下のスリット穴を設けて前記略密閉空間と外部を連通状態としたことにより、ゴキブリがパターン部と基板ベースの間に侵入できない構成をとることにより、ゴキブリによる基板パターン間のショートを未然に防ぎ、故障しない炊飯器を提供しつつ、パターン部より発生する熱が放熱しやすくし、周囲の電子部品の温度上昇するのを防止することで、製品が大きくすることなく高電力出力でおいしいごはんの炊ける炊飯器を提供することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の高周波電力供給手段は、高周波電力発生用半導体素子と、前記高周波電力発生用半導体素子に密着し、かつ前記高周波電力発生用半導体素子の放熱を促すヒートシンクとを有し、前記冷却ファンは前記ヒートシンクに隣接するように配するとともに、前記スリット穴を前記冷却ファンと対向する面およびそれ以外の少なくとも1つ以上の面に配置したことにより、より効率的にパターン部分の放熱を促進でき、さらなる製品のコンパクトかと高電力出力でおいしいごはんの炊ける炊飯器を提供することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明の冷却ファンは本体底面側に配するとともに、前記電力供給手段の基板パターン面は略鉛直に配し、前記スリット穴は前記基板ベースの本体上方側に臨む面には設けないことにより、万が一、回路基板上方より水などが基板へかかっても、パターン部への水侵入を防止し、水侵入によるリークで基板が破損し炊飯器が故障することを防止できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の断面図、図2は、本発明の第1の実施の形態の炊飯器の底面目視図、図3は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の高周波電力供給手段の電子部品面側の斜視図、図4は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の高周波電力供給手段のパターン面側の斜視図、図5は、本発明の第1の実施の形態における炊飯器の蓋体部断面図を示すものである。
図1において、炊飯器本体1は上面を構成する上枠3と側面および底面を構成するボディ4でその外郭が構成されている。上枠3は円筒状の穴部3aを有し、穴部3aより連なる筒状で金属製の保護枠胴5と皿状の保護枠6により有底筒状の鍋収納部1aを構成し、着脱自在に鍋2を収納する。保護枠6の底部に設けられた底誘導コイル7が鍋加熱手段となり、鍋2を誘導加熱し炊飯・保温を行う。
ここで磁性材料にて構成された複数の底フェライト8が底誘導コイル7に対向しかつ底誘導コイル7に直交した配置で鍋2と反対側に設けられている。
底センサー9は鍋2の底面に当接して、鍋2の温度を検知し、マイコン10へ信号を送る。マイコン10は底センサー9の信号より底誘導コイル7の通電量を変化させ、鍋2の高周波電力供給手段12から底誘導コイル7へ供給する高周波電流を可変することで鍋2の温度を炊飯・保温時に適温に制御する。
底誘導コイル7の外周には反射枠32が環状に設けてある。そして保護枠胴5の外周には側面加熱手段である側面ヒーター20が巻かれている。
高周波電力供給手段12は、片側にパターン面50aを有する基板50と、パターン面50aと反対側の面に取り付けられる電子部品51とアルミやアルミダイキャスト等でできたヒートシンク13からなる回路基板49と、ヒートシンク13に外気を送風する冷却ファン11と、基板50のパターン面側を覆う基板ベース21で構成される。冷却ファン11は冷却ファン排気部11aがヒートシンク13と隣接するように配置される。ヒートシンク13は冷却ファン排気部11aからの風の吹き出し方向に沿った複数のフィン13aを有している。
図1及び図2に示すように、高周波電力供給手段12を内蔵するボディ4の冷却ファン吸気部11bと対向する面に本体吸気口4aがあり、炊飯器本体1外から外気を吸気する。吸気口4aは冷却ファン吸気部11bと対向する部分のほぼ全域に格子穴形状で設けられている。ボディ4の底面であって本体吸気口4aからもっとも離れた位置の近傍には排気口4bがある。本実施の形態では、図2に示すように、炊飯器本体1の底面視で排気口4bは、本体吸気口4aと炊飯器本体1中心を挟んでほぼ対向する位置に形成されている。
図3に示すように、電子部品51の中には、高周波電力発生用半導体素子51aと高周波コンデンサ51bがある。そして高周波電力発生用半導体素子51aはヒートシンク13と密着して配設されている。
高周波コンデンサ51bはヒートシンク13に対して冷却ファン11に対向する位置に配置されている。また高周波コンデンサ51bは不燃カバー52で周囲を覆われている。また高周波コンデンサ51b周囲には各種電子部品が配置されている。
そして、図1に示すように基板ベース21は、基板50と隙間が0.5mm以下となるように基板50のパターン面50aを覆い、密閉空間21aを構成している。そして基板50上の電流が流れるパターン部はすべて密閉空間21a内に収められている。
また、図4に示すように基板ベース21の冷却ファン11と対向する面にはその幅が0.5mm以下のファン側スリット穴21bが複数設けてある。また、冷却ファン11と対向する面21b以外の面であって、本体上面側でない面に同じく幅0.5mm以下の排気用スリット穴21cが設けてある。
図1において、本体後方で上枠3の上面にはヒンジ部14が設けられており、蓋体15がヒンジ部14に取り付けたヒンジ軸16にて軸支され、開閉自在に本体上面を覆っている。ヒンジ部14にはヒンジバネ17が蓋体15と本体1双方に係合するように取り付けてあり、蓋体15に対し開放する方向の付勢力を有している。そして、ヒンジ部14の後部はヒンジカバー19がその外郭を覆い、外部よりヒンジ軸16やヒンジバネ17が見えないようにしている。
本体前方のフックレバー18はヒンジバネ17の力に対し、蓋が開かないよう蓋体15先端に設けたフック嵌合部15aと嵌合し、閉蓋状態を保つ。フックレバー18を押すと、フック嵌合部15aとフックレバー18の嵌合が外れ、蓋はヒンジバネ17の力で開く。
図5に示すように、蓋体15はその表面を外蓋22で構成し、鍋2側は外蓋カバー23で構成されている。
外蓋カバー23は筒状に穴部を有し、穴部には非磁性金属かつその厚さが0.5mm以下の薄板でできた蒸気加熱板24が取り付けられている。ここで非磁性金属の代表的なものとしてはオーステナイト系ステンレスなどがある。蒸気加熱板24の上部には蓋コイル支え25に載置された環状の蓋誘導コイル26が設けてある。蓋コイル支え25と蓋コイル26に挟持される形で蓋温度ヒューズ27が設置されている。蓋誘導コイル26の上方には蓋反射板34があり、蓋誘導コイルからの高周波磁界が外部に漏れ出すのを防止している。
外蓋カバー23の鍋側には加熱板支え28にカシメ結合で一体に保持され、蓋体15より加熱板支え28と一体となった状態で着脱自在な磁性金属製の加熱板29がある。ここで磁性金属の代表的なものとしては、鉄板やフェライト系ステンレスなどがある。
加熱板29と鍋2のフランジ部2aの間は加熱板支え28で加熱板29と一体に結合された鍋パッキン31が加熱板29と鍋2のフランジ部2aを水密にシールしている。また、蒸気加熱板24と加熱板29の間には蒸気加熱板パッキン47がその外周部に設けてあり、加熱板29と蒸気加熱板24の間を水密にシールする。
蓋センサー30は蓋センサーバネ33による押圧で加熱板29に当接し、加熱板の温度を検知する。また蓋センサー30と蒸気加熱板24の間には蓋センサーパッキン46が設けてある。
外蓋22の内部には、操作部15bと表示部15cを構成する操作基板35が基板カバー36に覆われて設置されている。操作基板35上の液晶39は炊飯器の設定状態や動作状態を表示する。外蓋22はその一部を透明な樹脂で構成されており、その表面をフィルム22bで一体に覆われている。そして、部分的にフィルムのみの部分からなるエンボス部22aを有している。エンボス部22aは上下に撓み、エンボス部22aと操作基板35上に設けたキートップ37およびタクトSW38で操作スイッチを構成し、複数の操作スイッチにより操作部15bを構成している。
基板カバーパッキン40は基板カバー36の外周部と外蓋22に設けた基板カバーシールリブ22cで挟持され、基板カバー36と外蓋22の間を水密にシールし、万が一、蓋体15内に蒸気が侵入しても基板35が結露しないようにしてある。
基板カバー36のおよそ中心部分には蒸気通路部36aが設けてある。蒸気通路部36aは外蓋を貫通して外部へと臨む形の筒状で、蒸気筒41を着脱自在に保持する。蒸気通路部36a外周と外蓋22の間は蒸気通路パッキン42で水密にシールされている。この基板カバーパッキン40と蒸気通路パッキン42によるシールで蓋体15内部に配置した操作基板35は外部からの水や蒸気が直接かからない構成となっている。また蒸気板パッキン45は蒸気通路部36aと蒸気加熱板24および加熱板29を水密にシールする。
次に上記構成において動作を説明する。フックレバー18を押し、蓋を開け、炊飯を行う米とその米量に対応する水を鍋2に入れ、鍋収納部1aの所定の状態に内挿する。
引き続き、操作部15bの炊飯開始スイッチ(図示せず。)を使用者が操作すると、マイコン10が炊飯開始スイッチよりの入力を受け、炊飯工程が実施される。このとき液晶39に動作状態が表示され、液晶39上の透明な樹脂を透過して、外部より液晶39の表示を目視可能にすることで表示部15cを構成し、使用者に炊飯器の動作状態を知らせる。
底センサー9は鍋2の底面の温度を検知し、マイコン10へと信号を送る。底センサー9よりの信号を受けマイコン10は浸水、炊き上げ、蒸らしの各工程に大分された炊飯工程のそれぞれにおいて鍋2の内部の水と米の状態が適正値として設定された温度に所定時間に維持されるよう、高周波電力供給手段12より通電される底誘導コイル7や蓋誘導コイル26および側面ヒーター20の通電量を出力として制御する。
蓋誘導コイル26は高周波電力供給手段12より供給される電流で誘導加熱により蒸気加熱板24と加熱板29を同時に発熱させる。ここで蒸気加熱板24は前出のとおり非磁性金属かつ0.4mm以下の薄板で構成されるため、蓋誘導コイル26から発生する高周波磁界を透過しつつ誘導加熱で自己発熱する。蒸気加熱板24を透過した高周波磁界は磁性金属でできた加熱板29の誘導加熱を引き起こし、加熱板29を自己発熱させる。これにより、蒸気加熱板24と加熱板29は同時発熱が可能となる。また蒸気加熱板24と加熱板29の発熱比は蓋誘導コイル26からの距離と蒸気加熱板24の材料物性や板圧にて任意に設定が可能である。また蓋誘導コイル26の上方の蓋反射板34が蓋誘導コイルからの高周波磁界が外部に漏れ出すのを防止し、マイコン10や周囲の機器に影響を及ぼさないような工夫がなされている。
側面ヒーター20は高周波電力供給手段12より供給される電流で自己発熱し、保護枠胴を加熱する。保護枠胴が熱せられることによる輻射熱および対流熱で鍋2の側面を加熱する。
底誘導コイル7は高周波電力供給手段12より供給される電流で誘導加熱により鍋2の底面を発熱させる。ここで、底フェライト8は磁性材料で構成されており、底誘導コイル7から発生する磁界を効率よく鍋側へ集める。これにより鍋2周辺に高密度の磁界が発生し、鍋はより高効率に高発熱する。また、反射枠32が底誘導コイル7からの高周波磁界が本体1の外部に漏れ出すのを防止し、周囲の機器に影響を及ぼさないような工夫がなされている。
つづいて各工程での炊飯器の動作を説明する。まず、浸水工程では米の糊化が開始しない温度まで米と水の温度が上昇するように底誘導コイル7を通電し鍋2を発熱させる。そ
して所定の温度で所定時間米を浸水し、米全体に十分な吸水を促す。浸水工程において、鍋2の米全体を目的の温度で均一に維持し、鍋2の米の吸水条件を均一に保つことがおいしいごはんを炊くため重要である。
次に炊き上げ工程では、底誘導コイル7で鍋2の底面を発熱させるとともに、蓋誘導コイル26では蒸気加熱板24および加熱板29を発熱させ、側面ヒーター20では鍋側面を加熱し、鍋2全体を包み込むように加熱する。強火の加熱で一気に炊き上げ、米の芯まで熱を伝えることが重要である。誘導加熱方式だと熱板によって鍋を加熱する方式に比べ高火力で鍋を加熱することができ、よりおいしいごはんが炊き上がる。
鍋2の水が沸騰することにより発生した蒸気は、加熱板29に設けた加熱板蒸気口(図示せず)から蒸気通路部36aの蒸気筒41へと流れる。
また、鍋パッキン31と蒸気板パッキン45により蒸気筒41以外から蒸気が外部に流出したり、蓋体15内部に流入したりすることはない。
最後に、むらし工程では底誘導コイル7が鍋2の底面の飯が乾燥したりこげたりしない程度に鍋2の底面を発熱させる。
炊飯が終了すると、保温工程へと移行する。保温工程では、底誘導コイル7が底センサー9の検知した温度にもとづき、鍋2内のごはんの温度を所定の温度に維持するよう鍋2を加熱する。
誘導加熱方式は、各誘導コイルに通電した高周波電流から発生する高周波磁界が被加熱金属を通過する際に誘導加熱を引き起こし発熱する。ここで、高周波電力供給手段12のうち、高周波電力発生用半導体素子51aと高周波コンデンサ51bは高周波電流を各誘導コイルへ供給する際、電気抵抗ロスおよび高周波発生時のスイッチングロスで自己発熱するのであるが、高周波電力発生用半導体素子51aと高周波コンデンサ51bは自己発熱により許容温度以上に高温となると破壊する場合があり、特に高周波電力発生用素子51aは自己発熱量が大きい。そのため、図3に示すように自己発熱による熱で破壊しないよう高周波電力発生用半導体素子51aはヒートシンク13と密着させてあり、自己発熱による熱はヒートシンク13に伝わり、冷却ファン11の風によって冷却されることで放熱され、高周波電力発生用半導体素子51aが破壊に至るようなことはない。
また、高周波電力発生用半導体素子51aほどではないものの、高周波コンデンサ51bも自己発熱する。そのため、自己発熱による熱で破壊しないように冷却ファン排気部11aの風を高周波コンデンサに当てる必要がある。本実施例では高周波コンデンサ51bは冷却ファン11から風があたり、自己発熱による熱を放熱させる。
ここで、炊飯器は台所などのゴキブリ等が発生しやすい周囲環境にある場所に設置されることが多いが、ゴキブリの習性として、およそ30℃から50℃雰囲気であって、隙間が1mmから10mm程度の暗い空間を好んで生息する。上述のように誘導加熱方式の炊飯器では、炊飯あるいは保温動作を行う際に電子部品は発熱するため、回路基板49の周辺は暖かくなる。本体に電子部品を冷却するために外気を取りこんだり、排気するために本体吸気口4aや本体排気口4bが設けてあるが、炊飯器の炊飯あるいは保温動作時における回路基板周辺はちょうどゴキブリが好んで生息しやすい環境にあるので、本体吸気口4aや本体排気口4bからゴキブリが侵入しやすい。ゴキブリの体は半導電性であり、もし電子部品の導電部間にゴキブリが触れると、導電部間が導通状態となり電子回路がショートしてしまい、導電箇所によっては炊飯器が故障してしまう。特に基板50のパターン面50aと基板ベース21の間は隙間が1mmから6mm程度の空間でありゴキブリが好
んで滞在しやすく、基板50のパターン面50aは平面のため、導電部であるパターン部はゴキブリにより導通状態になりやすい。しかしながら、本実施例によれば、基板ベース21は基板50と隙間が0.5mm以下となるように基板50のパターン面50aを覆い、密閉空間21aを構成しているので、ゴキブリが侵入する恐れはない。
また、パターン部は厚さ15から50ミクロンの銅箔で構成されるため、大電流が流れると発熱し、誘導加熱方式の炊飯器は高電力出力をその特徴とするが、パターン部にも5A以上の大電流が流れるため、パターン部より発生する熱が放熱しにくく、周囲の電子部品温度が耐熱温度異常に上昇するのを防止するために、高電力出力に制限を設けるか、ごはんをおいしく炊くために必要な高電力出力を確保するためにパターンの幅を拡げ、パターン部の発熱ロスを抑えることが従来の炊飯器であれば必要であった。しかしながら本実施例によれば、図4に示すように基板ベース21の冷却ファン11と対向する面21bにはその幅が0.5mm以下のファン側スリット穴21bが複数設けてある。また、冷却ファン11と対向する面21b以外の面であって、本体上面側でない面に同じく幅0.5mm以下の排気用スリット穴21cが設けてある。特にパターン部での発熱が大きい炊飯中は冷却ファン11が動作し、冷却用の風を回路基板49へ送るが、基板ベース21に設けたファン側スリット穴よりファンの風が密閉空間21aに入るとともに、排気用スリット穴21cから排気され、パターン部が冷却される。これにより、高電力出力による大電流を流しても、パターン部の温度上昇が防止でき、パターン部の面積を広げるなどで製品を大きくすることなく、高電力出力でおいしいごはんの炊ける炊飯器を提供する。
また、保温時はパターン部への通電量は少なく、冷却ファン11は動作するほどではないものの、回路基板49の電子部品51および基板50のパターン部が発熱する。しかしながら、本実施例によればパターン部の発熱により暖まった密閉空間21の空気は、暖かい空気は上方へ上昇する原理より、排気用スリット穴21cより外部へ排気され、逆に冷たい空気がファン側スリット穴21bより供給される。これによりパターン部の温度上昇は抑えられ、パターン部が耐熱温度以上に上昇することはない。
そして、排気用スリット穴21cは基板ベース21の本体上面側には設けられていない。このことは、万が一上枠3にクラックなどが発生し、回路基板49上に水などが浸入してもパターン面側への水浸入を防止し、水侵入によるリークで基板が破損し炊飯器が故障することを防止する。
以上のように、本発明にかかるジャー炊飯器は、ゴキブリによる基板パターン間のショートを未然に防ぎつつ、効率的に放熱することで部品等の温度上昇を防止して製品を大きくすることなく高電力出力が可能となるので、家庭用又は業務用の炊飯器等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における炊飯器の断面図 本発明の実施の形態1における炊飯器の底面目視図 本発明の実施の形態1における炊飯器の高周波電力供給手段の電子部品面側の斜視図 本発明の実施の形態1における炊飯器の高周波電力供給手段のパターン面側の斜視図 本発明の実施の形態1における炊飯器の蓋体部断面図
1 炊飯器本体
1a 鍋収納部
2 鍋
7 底誘導コイル(誘導加熱手段)
11 冷却ファン
12 高周波電力供給手段
13 ヒートシンク
21 基板ベース
21a 密閉空間
21b ファン側スリット穴
21c 排気用スリット穴
49 回路基板
50 基板
50a パターン面
51 電子部品
51a 高周波電力発生用半導体素子

Claims (3)

  1. 着脱自在な鍋と、上面に有底筒状の鍋収納部を有する本体と、前記鍋を誘導加熱する誘導加熱手段と、前記誘導加熱手段に高周波電力を供給する高周波電力供給手段と、前記高周波電力供給手段を冷却する冷却ファンとを有し、前記高周波電力供給手段は、片側にパターン面を有する基板と、前記基板上に設けられた電子部品とから構成され、前記基板のパターン面側を覆う基板ベースを有し、前記基板ベースと前記基板のパターン面との間で略密閉空間を形成するとともに、前記基板ベースは幅0.5mm以下のスリット穴を設けて前記略密閉空間と外部を連通状態としたジャー炊飯器。
  2. 高周波電力供給手段は、高周波電力発生用半導体素子と、前記高周波電力発生用半導体素子に密着し、かつ前記高周波電力発生用半導体素子の放熱を促すヒートシンクとを有し、前記冷却ファンは前記ヒートシンクに隣接するように配するとともに、前記スリット穴を前記冷却ファンと対向する面およびそれ以外の少なくとも1つ以上の面に配置した請求項1に記載のジャー炊飯器。
  3. 冷却ファンは本体底面側に配するとともに、前記電力供給手段の基板パターン面は略鉛直に配し、前記スリット穴は前記基板ベースの本体上方側に臨む面には設けない請求項2に記載のジャー炊飯器。
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