JP2012223238A - 炊飯器 - Google Patents

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Abstract

【課題】
美味しいご飯を炊ける炊飯器を提供する。
【解決手段】
真空層6hを形成した真空容器6と、真空容器6内に収納される内釜2と、内釜2を加熱する加熱コイル9と、内釜2の底面の温度を検出する温度センサ16と、温度センサ16の情報に基づいて加熱コイル9の電力を制御する制御部14と、内蓋4と、外蓋3とを備え、外蓋3には排気口23と、内釜2内を所定の圧力に調圧する調圧弁21と、調圧弁21から放出された蒸気を排気口23に導く蒸気通路24と、蒸気通路24に調圧弁21から放出された蒸気を検出する沸騰検出手段22とを設け、制御部14は、調圧弁21により調圧を開始した後、沸騰検出手段22によって蒸気を検出すると、温度センサ16の情報を基に加熱コイル9に供給する電力を制御して内釜2内のご飯の温度を102℃〜107℃に維持した状態で16分間〜22分間加熱することを特徴とする炊飯器。
【選択図】図1

Description

本発明は炊飯器に係り、特に内釜から逃げる熱量を抑制し、省エネルギー性を向上させるとともに、ご飯の品質劣化を抑制する炊飯器に関する。
従来の炊飯器では、炊飯時に、ヒータ加熱や誘導加熱によって内釜を加熱して炊飯を行い、保温時に、温度が低下したら再加熱を行って保温を行うのが一般的である。このような炊飯器においては、炊飯時や保温時に内釜の熱が本体外に逃げるのを抑制するために、内釜を真空容器や真空断熱材で覆うものがある。
例えば、特許文献1には、鍋と電磁誘導加熱コイルを真空内容器で覆ったIHジャー炊飯器(図1)や、鍋を真空内容器で覆い、その真空内容器の外側に電磁誘導加熱コイルを設けたIHジャー炊飯器(図3)など、外部へ逃げる熱量を少なくして、炊飯時及び保温時における消費電力を効果的に抑制するための構成が開示されている。
また、特許文献2の図1には、外側を真空断熱材で覆った鍋を、鍋の収納部である保護枠の外側に設けた加熱コイルで誘導加熱する炊飯器が開示されている。
さらに、特許文献3では内釜の周囲を樹脂製の保護枠で覆い、炊飯時の蒸らし工程にも内釜内を加圧してご飯を高温に維持することでご飯をおいしくした炊飯器が開示されている。
特開2001−224494号公報(特に、図1,図3) 特開2001−78883号公報(特に、図1) 特開2010−246657号公報(特に、図6)
特許文献1の炊飯器では、鍋のみならず、加熱コイルも真空内容器に覆われている。加熱コイルは、電力が供給されると自らの電気抵抗によってジュール熱を発するため、加熱コイルの絶縁層の破壊を防ぐために冷却風によって冷却する必要がある。
しかし、特許文献1の構成を採った場合には、真空容器内の加熱コイルに冷却風を供給できないため、加熱コイルの自己発熱によって、加熱コイルの絶縁層が破壊される虞がある。また、特許文献1の段落0014でも説明されるように、加熱コイルによって真空内容器が誘導加熱されるのを防ぐため、加熱コイルと真空内容器の距離を大きく取る必要があるので、特許文献1の構成を採った場合、炊飯器の小型化を図ることが困難である。
また、特許文献2に示す炊飯器は、真空断熱材を通して鍋を誘導加熱するため、鍋を覆う真空断熱材の厚みを厚く設けると、鍋と鍋を誘導加熱する加熱コイルとの間隔が大きくなり、鍋を加熱する効率が悪くなる。
さらに、特許文献3に示す炊飯器は、内釜の周囲を樹脂製の保護枠で覆っているが、内釜から保護枠を伝わって加熱されたご飯からの放熱があるため(構造による保温性能が低いため)、蒸らし工程時にご飯の温度を102〜107℃で15分間以上分を維持するには、多くの電力が必要となり、また、内釜に接したご飯が焦げる課題があった。
本発明は、以上の課題を鑑みなされたものであって、炊飯時の、内釜からの熱漏洩の抑制、加熱コイルの絶縁破壊の防止、高い加熱効率を実現するとともに、内釜からの熱漏洩の抑制、省エネ化、ご飯の品質劣化の抑制を実現できる炊飯器を提供することを目的とする。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、その特徴は、炊飯時に発生する蒸気を排出する排気口と、内蓋で塞がれた内釜内を所定の圧力に調圧する調圧弁と、調圧弁から放出された蒸気を検出する沸騰検出手段とを設けるとともに、炊飯の加熱工程に入ると調圧弁による内釜内の圧力の調圧を開始した後、沸騰検出手段によって蒸気を検出すると、温度センサの情報を基に内釜内のご飯の温度を102℃〜107℃に維持した状態で16分間〜22分間加熱するように前記加熱コイルに供給する電力を制御する機能を有する制御装置を備えた炊飯器にある。
本発明によれば、内釜の側面に設けられた真空容器によって内釜の側面からの熱漏洩を抑制できるので、省エネルギーを実現できる。また、蒸らし工程時にも少ない電力でご飯の温度を高くした状態で長時間維持できるので美味しいご飯を提供することができる。
本発明の一実施例になる炊飯器の断面図である。 図1のA断面図である。 本発明の一実施例になる炊飯器に使用される真空容器の断面図である。 本発明の一実施例になる炊飯器の炊飯工程を示す説明図である。 本発明の一実施例になる炊飯器の制御ブロック図である。 ご飯に含まれる甘味成分を示す説明図である。 加熱時間と甘味成分との関係を示す説明図である。
以下、本発明の一実施例について添付図面を用いて詳細に説明する。
まず、図3の断面図を用いて、本実施例の炊飯器で用いられる真空容器6について説明する。ここに示すように、略円筒状の真空容器6は、ともにステンレス製の内ケース6aと外ケース6bの間に真空層6hを形成した中空構造の容器であり、上部開口部6fと、それより直径の小さい下部開口部6gを備える。上部開口部6fは、後述する内釜2を挿入するための開口であり、下部開口部6gは、後述する加熱コイル9に冷却風を供給するための開口である。
ここに示すように、内ケース6aと外ケース6bの上端を接合し上端部6dを形成し、下端を接合し下端部6eを形成している。上端部6dは、内釜2から構造的に遠ざけるように外側に向け水平方向に設けられ、下端部6eは、後述する加熱コイル9の設置位置より下方で内側に向けて水平方向に設けられる。また、真空容器6には、上端部6d近傍に外側に向けて設けた逃部6kと、下方内側の内側に向けて設けた段差部6cの二つの段差が設けられている。なお、段差部6cは、図3のように、真空容器6の内径を絞り細くしたものであっても良いし、内側に突出した凸形状にして設けても良い。
次に、真空容器6が組み込まれた本実施例の炊飯器を、図1の断面図を用いて説明する。本実施例の炊飯器は、本体1の内壁を構成する真空容器6に内釜2が着脱自在に挿入され、その内釜2が外蓋3と内蓋4からなる蓋によって閉鎖される構造となっている。
真空容器6の下部には底面容器7が組み込まれ、底面容器7の下面に設けられた加熱コイル9によって、鉄などの強磁性金属を含む内釜2が誘導加熱される。
内釜2は上面開口の全周にフランジ部2aを備えている。このフランジ部2aが後述する内釜載置部8aに載置されることで、内釜2が本体1内部に保持される。このとき、内釜2と真空容器6の間には空気層17が形成される。外蓋3は本体1の上部に開閉自在に取り付けられた蓋であって、下面に取り付けられた内蓋4およびパッキン5によって内釜2の上面開口部を封鎖する。底面容器7は、内釜2の誘導加熱に障害とならないように、例えば、PETやPBT等の磁力線が透過する耐熱樹脂で形成される。
また、底面容器7の中央には、内釜2の温度を検出する温度センサ16が設けられている。温度センサ16は、底面容器7の中央部に設けられた筒状の保持部7dに保持され、穴7cを介して内釜2に接触する。制御部14は、加熱コイル9に電力を供給するインバータ回路を備えており、温度センサ16が検出した温度情報や制御プロセスに応じて、加熱コイル9へ供給する電力を制御する。
本体1内部には、取り込んだ外気で加熱コイル9や制御部14などの発熱部品を冷却する冷却ファン15が設けられている。ここで、図1に示すように、温度センサ16は筒状の保持部7dで囲まれ、保持部7dの下部開口は保護部材18によって塞がれている。従って、冷却ファン15からの冷却風が温度センサ16に直接当たることはなく、冷却風が温度センサ16に与える影響が低減される。保護部材18の設置には、加熱コイル9から本体1の外殻への熱移動を抑制する目的もあり、保護部材18を発泡樹脂、ゴム、グラスウール、スポンジの何れかで構成することでその断熱性能を高めている。なお、図示しないが、保護部材18には、保持部7dに侵入した水を外部へ排出するための通路が設けられており、保護部材18を介して排出された水は本体1の底面に設けられた開口を通して外部に排出される。
外蓋3内部には、調圧弁21が設けられ、加熱手段である加熱コイル9によって内釜2が加熱され、該内釜2内の圧力が高まると調圧弁21が動作し、内釜2内を所定の圧力(本実施例では1.3気圧)に調整しながら蒸気を排出する。調圧弁8から排出された蒸気は外蓋3に設けられた蒸気通路24を経て排気口23から排気される。
また、内釜2内の圧力を制御するために調圧弁制御部20を設け、調圧弁制御部20を駆動することで調圧弁21を自在に開閉可能としている。
さらに、蒸気が通過する蒸気通路24内には沸騰検出手段22が設けられ、内釜2内の圧力が高まり調圧弁21から洩れ出た蒸気の温度を検出してお米を浸水している水が沸騰し、内釜2内が所定の圧力に到達したことを検出する。
次に、本体1に真空容器6を固定する構造を説明する。本体1の上面には、真空容器6の上端部6dおよび逃部6kを覆う枠体8が設けられている。枠体8は、凸状の内釜載置部8aを上面の全周に設けるとともに、内釜載置部8aの内周側を下方に伸ばした内側下垂部8bと、真空容器6の外周側で下垂れる外側下垂部8cのそれぞれを全周に設けて構成される。
図1では、内側下垂部8bと外側下垂部8cで上端部6dを挟んで真空容器6を固定する例を示すが、真空容器6を接着して固定することとしても良い。枠体8と真空容器6の上端部6dの間には、全周に渡って断熱部材11が設けられており、真空容器6から枠体8への伝熱を抑制するとともに、真空容器6と枠体8の隙間を封鎖している。
なお、本実施例では、内釜載置部8a、内側下垂部8b、外側下垂部8c、断熱部材11を全周に渡って設けた例を示したが、前述した各々の作用を果たす限り、一部でこれらが欠落しても良い。
また、図1から分かるように、真空容器6の逃部6kは、内側下垂部8bに対応させて真空容器6の内径を大きくしたものであり、これにより、内側下垂部8bと真空容器6の内周面の段差を小さくできる。なお、枠体8は、本体1の一部として構成しても良いし、本体1と別体で構成しても良い。
真空容器6の下部には、内釜2の底面を覆う底面容器7が設けられている。底面容器7は、浅い凹状の断面形状をしており、上側には、フランジ状の外周部7aを設け、下面には、真空容器6の下部開口部6gより僅かに大きい外径の円筒状のリブ7bを設けている。底面容器7は、真空容器6の上部開口部6fから挿入され取り付けられる。
真空容器6に底面容器7を取り付けると、外周部7aと段差部6cが全周に渡って隙間無く接触するとともに、リブ7bと下端部6eが全周に渡って隙間無く接触することで、真空容器6と底面容器7の間に密閉された空間部12が形成される。
また、内釜2と真空容器6の間に密閉された空気層17が形成される。この結果、図1から明らかなように、真空容器6の内ケース6aは、密閉された空気層17と空間部12に接することになり、冷却ファン15からの冷却風が内ケース6aに吹き付けられるのを避けることができる。
なお、以上の構成において、真空容器6の上端部6dおよび下端部6eを水平方向に設け、各々を固定する断熱部材11やコイル保持部10の鍔10bと平面で接触させたので、炊飯器本体1を移動して机や台に置く時に生じる上下方向の衝撃が、上端部6dと下端部6eに与える影響を低減することができる。
次に、図1および図2を用いて、底面容器7の下方に設けられた加熱コイル9について説明する。図2は、図1の矢印A方向から見た真空容器6、加熱コイル9などの平面図である。図1および図2に示されるように、加熱コイル9の下方には、複数のコイル保持部10が放射状に設けられている。
各コイル保持部10は、フェライト10aと、フェライト10aを覆うように埋設した鍔10bで構成され、加熱コイル9は鍔10bの上面に固定される。また、図1に示すように、真空容器6の下端部6eは、鍔10bの外周部と底面容器7のリブ7bで挟まれており、それらの位置関係が固定される。
尚、図1、図2から明らかなように、冷却ファン15からの冷却風は、本体1の底面に沿って流れた後、真空容器6の下部開口部6gを介して加熱コイル9の近傍に供給される。加熱コイル9の下面は、コイル保持部10と接触する部分以外が露出しているため、冷却ファン15からの冷却風によって効率的に冷却されるので、加熱コイル9の過熱を防止でき、絶縁層の熱破壊を防ぐことができる。
ここで、内釜2の加熱効率を高めるため、内釜2と加熱コイル9を近接させることが望ましい。本実施例では、内釜2と加熱コイル9の間に中空構造を設けなかったので、両者を近接させることができ、内釜2の加熱効率を容易に高めることができる。
また、真空容器6の下端部6eの内径を加熱コイル9の外径より大きくするとともに、加熱コイル9を下部開口部6gの上方に設けることで、真空容器6と加熱コイル9を遠ざけ、ステンレス製の真空容器6が誘導加熱されるのを抑制し、結果的に内釜2の加熱効率の低下を抑制している。
以上で説明した本実施例の構成によれば、真空容器6の高い断熱性能によって、内釜2の熱が外部に漏洩するのを効果的に抑制できる。
また、内釜2と真空容器6の間に略密閉空間となる空気層17を形成したので、内釜2の熱が外部に漏洩したり内釜2が冷却ファン15によって冷却されたりするのを抑制できる。
さらに、真空容器6の内ケース6aと外ケース6bの接合部となる上端部6dには断熱部材11が設けられているので、高温の内ケース6aから低温の外ケース6bへの伝熱を抑制することができる。
また、真空容器6は、加熱コイル9による内釜2の誘導加熱を阻害しないような形状となっているため、真空容器6の存在によって、加熱効率が低減することはない。
また、真空容器6の下部開口部6gの周囲で、底面容器7と真空容器6の間に空間部を形成し空間部12を設けたことによって、冷却ファン15による加熱コイル9の冷却の促進と、内ケース6aの冷却の抑制を同時に実現することができる。
本実施例の炊飯器は以上の構成よりなるもので、次にその動作について説明する。
炊飯器による炊飯は、大きく分けて、「浸し」、「加熱」、「蒸らし」、「保温」の四つの工程から成り立っている。
制御部14は、事前に組み込まれた制御シーケンス、および、温度センサ16で検出された内釜2の温度に基づいて、夫々の工程に応じた加熱制御を行う。以下では、加熱工程と蒸らし工程における動作を中心に図4を用いて説明を行う。
まず、使用者は内釜2内に米と適量の水を入れ、本体1内に収納して外蓋3を閉じる。次いで、本体1の操作部(図示無し)で「炊飯」スイッチを操作し炊飯が開始する。
制御部14は、予め定められた炊飯動作に従い、最初にお米への吸水を促進させる浸し工程が実施される。
温度センサ16の所定温度(本実施例では60℃)に応じて加熱コイル9が内釜2を加熱(本実施例では、例えば400W)して、内釜2内部の水温が55〜60℃に維持してお米への吸水を促進する。
所定時間(本実施例では例えば、16分)が経過すると加熱工程に入り、制御部14は加熱コイル9の加熱量を増大(本実施例では例えば1000W)させるとともに、調圧弁制御部20が動作して調圧弁21で内釜2内の圧力を調整するように動作する。
やがて内釜2内部の水温が高まると蒸気の発生によって内釜2内部の圧力が高まり、調圧弁21の動作圧である1.3気圧まで高まると、1.3気圧に応じた107℃の沸点で沸騰を開始するとともに、調圧弁21の動作で放出された蒸気が蒸気通路24へと放出される。
蒸気通路24には調圧弁21の近傍に沸騰検出手段22が設けられているので、蒸気によって加熱された沸騰検出手段22の温度上昇により、制御部14は蒸気の流入を検出し沸騰を認識すると共に内釜2内部の圧力が設定圧力に上昇したことを認識する(図4のα1)。その後、更に沸騰を維持すると水がなくなり、内釜2底部の温度が上がったことを温度センサ16で捉え(ドライアップ)、制御部14は次の工程である蒸らし工程へと進む。
加熱工程では、制御部14によって加熱コイル9に電力が供給され、内釜2が誘導加熱され炊飯が進行する。このとき、冷却ファン15を駆動し、発熱部品である制御部14や加熱コイル9を冷却するが、加熱コイル9に供給する電力が小さい場合には、これらの発熱部品の発熱も小さいため、冷却ファン15を停止することとしても良い。
炊飯の進行に伴い、熱源である内釜2の熱が空気層17を介して真空容器6の内ケース6aに伝わり、さらには、外ケース6bにも伝導しようとする。しかし、本実施例の真空容器6を用いると、次の各理由によって、外ケース6bの高温化、すなわち、真空容器6内部からの熱漏洩を効果的に抑制できる。
第一の理由として挙げられるのは、内ケース6aと外ケース6bの間に真空層6hが設けられており、真空層6hの断熱性能は非常に高いため、真空層6hを介した内ケース6aから外ケース6bへの熱移動を非常に小さく抑えることができることである。
第二の理由として挙げられるのは、水平方向を向いた真空容器6の上端部6dが、枠体8の内側下垂部8bと断熱部材11によって覆われることで、高温の空気層17から隔離されており、空気層17の熱が外ケース6bの上端に直接伝わるのを防いでいることである。
第三の理由として挙げられるのは、真空容器6の下端部6eが、真空容器6と底面容器7の間に形成される空間部12によって、高温の空気層17から隔離されており、空気層17の熱が外ケース6bの下端に直接伝わるのを防いでいることである。
第四の理由として挙げられるのは、内ケース6a、外ケース6b共に、熱伝導率の低いステンレス製であり、高温の空気層17に接する内ケース6aの領域から上端部6d、下端部6eへ伝導する熱量が少なく、結果的に、高温の空気層17から外ケース6bへの上端部6d、下端部6eを介した熱伝達を抑制できることである。
第五の理由として挙げられるのは、真空容器6の下端部6eが、底面容器7のリブ7bによって高温の空気層17から構造的に遠ざけられ、真空容器6の下部では、第四の理由でも挙げた、ステンレスの熱伝導率の低さがより有効に働くことである。
次に、空気層17と空間部12について更に詳細に説明する。
まず、空気層17について説明する。図1に示すように、空気層17の上方側では、内釜2のフランジ部2aと枠体8の内釜載置部8aが全周に渡り接触しており、さらに、枠体8と真空容器6の間には全周に渡り断熱部材11が設けられているため、各々の間に空気が漏洩するような隙間は生じない。従って、加熱工程中に高温空気が上方に向けて対流しても、空気層17の上方から高温空気が漏洩することはない。
また、例え、一部の高温空気が断熱部材11を抜けて漏洩しても、高温空気は外側下垂部8cの内周側に留まるため、ここから高温空気が漏洩し続けることはない。一方、空気層17の下方側でも、底面容器7の外周部7aと真空容器6の段差部6cは全周に渡り接触しているため、両者の間には空気が漏洩するような隙間はない。
従って、空気層17の下方から高温空気が漏洩することはない。また、例え、外周部7aと段差部6cの間の一部に隙間が生じたとしても、空気層17の上方からの空気の漏洩はないため、空気層17内部の空気に動きはなく、当然に下方から冷却風が侵入することもない。
次に、空間部12について説明する。図1に示すように、加熱コイル9には下部開口部6gを介して冷却ファン15からの冷却風が供給され、加熱コイル9自身の発熱による絶縁膜の破壊を防止している。
加熱コイル9を冷却するための冷却風が真空容器6の内ケース6aに当たり、内ケース6aの低温が低下すると、内ケース6aが空気層17を冷却することになるため、内ケース6aを冷却風から保護する必要がある。
そこで、本実施例では、底面容器7に真空容器6の下端部6eに接するリブ7bを設け、内ケース6aを冷却風から保護する構成を採った。なお、リブ7bは冷却風によって冷却されるが、リブ7bの外周側に空間部12が形成されているため、リブ7bが空気層17から奪う熱量を少なく留めることができる。
また、例え、リブ7bと下端部6eの間の一部に隙間が生じたとしても、隙間を介して侵入した冷却風は空間部12に留まるため、更に空気層17に侵入することはなく、空気層17が冷却されることはない。
なお、空間部12への冷却風の浸入をより完全に防ぐために、複数のコイル保持部10と一体に形成したリング状の平板を用いて、真空容器6の下端部6eの全周を押さえ、リブ7bと下端部6eの間に隙間が生じにくい構造としても良い。
以上で説明したように、加熱工程においては、本実施例の構成を用いることで、真空容器6内部からの熱漏洩を抑制し火力を高めると同等の効果を容易に得ることができるとともに、加熱コイル9に十分な冷却風を供給できるので、自身の発熱によって加熱コイル9が破壊される状況を回避することができる。
次いで加熱工程が終了し、蒸らし工程に入った後もご飯の温度が102〜107℃になるように温度センサ16によって内釜2の底の温度を検出しながら加熱コイル9への供給電力を維持する。
該維持する時間は、加熱工程で内釜2内部の水温が上昇し内釜2内部の圧力が調圧弁21の動作圧である1.3気圧まで高まり、1.3気圧に応じた107℃の沸点で沸騰を開始し調圧弁21の調圧動作で放出された蒸気が蒸気通路に設けられた沸騰検出手段22によって蒸気を検出(図4のα1)してから16〜22分間(図4のα1〜α2の期間で時間にして16〜22分間)である。
ここで、図4の16分〜22分の間はご飯の温度を102℃〜107℃の温度範囲に維持するため加熱コイル9に与える電力量(ワット数)を高め、かつ時間制御されることで達成される。これは温度センサ16によるフィードバック制御によって実施することができる。
このように、ご飯を前記102〜107℃の温度で前記16〜22分間維持することでご飯の持つ甘味成分が上昇し大変美味しいご飯を炊き上げることが出来る。
図6は前記102〜107℃の温度で前記16〜22分間を決定する為に、前記温度と前記時間を変化させて炊き上げたご飯の甘味成分の変化を示したもので(出願人による測定)、測定した要素は、ご飯に含まれるショ糖・ブドウ糖・果糖について測定しその合計を従来の制御方式で炊いたご飯と比べたものである。
従来の条件(ご飯の温度が平均温度102℃で15分間維持)でご飯を炊いた時の甘味成分を合計した値(合計64.1mg/ご飯100g)を100(基準)とすると、条件1(ご飯の温度を102〜107℃で15分間維持)の比率は103(合計65.8mg/ご飯100g)、条件2(ご飯の温度を102〜107℃で20分間維持)の比率は115(合計73.6mg/ご飯100g)、条件3(ご飯の温度を102〜107℃で25分間維持)の比率は91(合計58.2mg/ご飯100g)となる。
この結果から、従来の条件で炊いたご飯に比べご飯が甘くなる条件は、確実性を加味して従来比率で105以上となる時間の範囲に決定した。すなわち、図7で示す16分から22分の間である。
そして、前記蒸らし工程に入った後も102〜107℃の温度で前記16〜22分間維持する条件で炊飯を行っても、内釜2の保温性能が高いので、ご飯を焦がすことなく、少ない供給電力で美味しいご飯を炊くことができる。
前記時間が経過すると制御部14は加熱停止し、内釜2内部の圧力が大気圧に戻るのに十分な時間(例えば5分)経過してから、調圧弁制御部20により調圧弁21を無効な状態にする。これにより大気と通じた状態となるが、内釜2内部の圧力が大気圧まで低下しているため、蒸気が勢い良く流出することはない。この後、制御部5は約20分間の蒸らし工程(炊飯)を終了する。
蒸らし工程や保温工程では、加熱コイル9への供給電力は小さくなり、また、電力の供給時間も短くなるため、加熱コイル9や制御部14の発熱も小さくなる。
これにより、加熱コイル9や制御部14の冷却の必要性が小さくなるので、蒸らし工程や保温工程では制御部14は冷却ファン15を停止する。この結果、底面容器7や加熱コイル9の温度を長時間に渡り維持することができ、真空容器6の内ケース6aや内釜2の熱が、底面容器7や加熱コイル9に奪われるのを抑制することができる。
また、蒸らし工程や保温工程においても、真空容器6、空気層17、空間部12等の、上述した作用によって、真空容器6の内部は高温に保たれるため、真空容器6等を有しない構成に比べ、加熱コイル9に供給する電力の総量を小さくしても、同等の蒸らし、或いは、保温効果があり容易に省エネルギーを実現することができる。
また、保温工程において、温度センサ16が内釜2の温度低下を検出した場合、加熱コイル9を用いて再加熱を行うが、本実施例の構成では真空容器6等の保温性能が高いため、温度低下までの時間が長くなり、再加熱の回数も少なくすることができる。
再加熱によって、ご飯が劣化することが知られているが、本実施例の構成を採ることによって、再加熱の回数を少なくすることができ、ご飯の品質を長時間に渡り良い状態に保つことができる。
以上で説明したように、蒸らし工程や保温工程においては、本実施例の構成を用いることで、真空容器6の内部を少ない消費電力で高温に保つことができ、再加熱の回数も抑制できるので、低消費電力化、ご飯の品質劣化の防止を容易に実現することができる。
上記した本実施例によれば、内釜2からの熱の放散を少なく抑えて、高温で蒸らして美味なごはんに仕上げるとともに、保温時も無駄な加熱しないで済むので、加熱によるごはんの乾燥や劣化を少なくするとともに、加熱に必要とする電力量を少なく抑えて省エネルギー性も向上させることができる。また、内釜2を誘導加熱する加熱コイル9を十分に冷却することができる。さらに、内釜2を高い断熱効果で保温しながら内釜2を効率よく誘導加熱することができる。
2…内釜、3…外蓋、4…内蓋、6…真空容器、6a…内ケース、6b…外ケース、6f…上部開口部、6g…下部開口部、9…加熱コイル、10…コイル保持部、14…制御部、16…温度センサ、20…調圧弁制御部、21…調圧弁、22…沸騰検出手段。

Claims (1)

  1. 本体と、前記本体の内壁を構成する真空層を形成した真空容器と、前記真空容器内に着脱自在に収納される内釜と、前記内釜の底部方向に配置され前記内釜を誘導加熱する加熱コイルと、前記内釜の底面の温度を検出する温度センサと、前記温度センサの情報に基づいて前記加熱コイルの電力を制御する制御部と、前記内釜の上面開口部を塞ぐ内蓋と、前記本体の上面を塞ぎ前記内蓋と連結した外蓋とを備えた炊飯器であって、
    前記外蓋の表面には炊飯時に発生する蒸気を排出する排気口が設けられ、
    前記外蓋の内部には前記内蓋で塞がれた前記内釜内を所定の圧力に調圧する調圧弁と、前記調圧弁から放出された蒸気を前記排気口に導く蒸気通路と前記蒸気通路に前記調圧弁から放出された蒸気を検出する沸騰検出手段とが設けられ、
    前記制御部は、炊飯の加熱工程に入ると前記調圧弁による前記内釜内の圧力の調圧を開始した後、前記沸騰検出手段によって蒸気を検出すると、前記温度センサの情報を基に前記内釜内のご飯の温度を102℃〜107℃に維持した状態で16分間〜22分間加熱するように前記加熱コイルに供給する電力を制御する機能を備えている
    ことを特徴とする炊飯器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2017054224A1 (zh) * 2015-10-01 2017-04-06 史利利 真空电热容器
CN107224191A (zh) * 2017-07-20 2017-10-03 吴联凯 一种自动保温的电饭锅及其保温控制方法
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JP2018011808A (ja) * 2016-07-22 2018-01-25 三菱電機株式会社 炊飯器

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