JP2010213488A - 永久磁石型回転電機 - Google Patents

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Abstract

【課題】磁極のずれを発生させることなく回転子の界磁磁束を変化させることによって、回転数で規定される運転領域を拡大することが可能な永久磁石型回転電機を提供する。
【解決手段】本発明の永久磁石型回転電機は、内部に回転磁界を発生させる円筒状の固定子12と、回転子コア(1311、1321、1331)と界磁用磁石(1312、1322、1332)とを有し、固定子12の内部に設けられるとともに、回転磁界によって固定子12の円周方向に回転する回転子13と、を備え、回転子13は、回転軸方向に並んだ複数の層(131〜133)に分割されており、回転子の両端の2つの層(131、133)のうち、少なくとも1つの層を回転軸方向に移動可能に構成したことを特徴とするものである。
【選択図】図1

Description

本発明は、回転子の界磁磁束を変化させることにより、回転数で規定される運転領域を拡大することが可能な永久磁石型回転電機に関する。
従来、界磁用の永久磁石(以下、界磁用磁石と称す)が設置された回転子を有する永久磁石型回転電機は、一般的に界磁用磁石が回転子に固定されている。つまり、回転子内で界磁用磁石は移動せず、回転子の界磁磁束は変化しない。ここで、永久磁石型回転電機の誘起電圧は、回転子の界磁磁束と回転子の回転数に比例する。よって、回転子の界磁磁束が変化しない永久磁石型回転電機では、単純に誘起電圧が回転子の回転数に比例する関係となるから、回転数に対する誘起電圧の関係は、図7の直線abで示したような特性となる。そのため、仮に永久磁石型回転電機の電源電圧が電圧cで制限されるとすると、永久磁石型回転電機の最高回転数は、回転数dで制限される。このように、回転子の界磁磁束が変化しない永久磁石型回転電機の運転領域は、回転数a〜回転数dの範囲となる。
そこで、この回転数で規定される運転領域を拡大するために、回転子の界磁磁束を回転子の回転数に応じて変化させる永久磁石型回転電機が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
図8は、特許文献1に示された永久磁石型回転電機の分解斜視図であり、図8(a)は磁極ずれが無い状態、図8(b)は磁極ずれ状態をそれぞれ示している。図8において、永久磁石型回転電機は、固定子91、回転子92を備える。固定子91は、円筒状の固定子コア911と、固定子コア911の磁極911aに巻回された巻線912とからなる。巻線912には、固定子コア911の内側に回転磁界を発生させるように電流が流れる。回転子92は、シャフト921、円柱状の回転子コア922、第1界磁用磁石923、第2界磁用磁石924、及びセンサ磁石925からなる。
このような永久磁石型回転電機において、第1界磁用磁石923と第2界磁用磁石924は、低速回転時には図8(a)に示すように同極性の磁極が回転軸方向に並んだ状態(磁極のずれが無い状態)となり、高速回転時には回転子92の回転方向に移動して図8(b)に示すように同極性の磁極がずれた状態(磁極のずれが有る状態)となる。
図8に示した永久磁石型回転電機によれば、高速回転時には第1界磁用磁石923の磁束と第2界磁用磁石924の磁束とが相殺するので、高速回転時には誘起電圧が低下する。これにより、仮に永久磁石型回転電機の電源電圧が電圧cで制限されたとしても、回転数は回転数dよりも大きくなり、結果、永久磁石型回転電機の運転領域を拡大することができる。
特開平10−155262号公報
ところが、特許文献1に示した永久磁石型回転電機では、第1界磁用磁石923または第2界磁用磁石924を回転子92の回転方向に移動させ、磁極のずれを発生させている。このため、コギングトルクの脈動を減らすためにスキューを施した場合、磁極のずれとともにスキューもずれてしまうことになり、スキューの効果が低下するという問題があった。
また、磁極のずれを発生させているため、誘起電圧の偶数次成分が発生し、誘起電圧の偶数次成分によってトルク脈動が発生するという問題もあった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、磁極のずれを発生させることなく回転子の界磁磁束を変化させることによって、回転数で規定される運転領域を拡大することが可能な永久磁石型回転電機を提供することを目的とする。
上記問題を解決するため、本発明は、次のように構成した。
請求項1に記載の発明は、内部に回転磁界を発生させる円筒状の固定子と、回転子コアと当該回転子コアに設けられた界磁用磁石とを有し、固定子の内部に設けられるとともに、回転磁界によって固定子の円周方向に回転する回転子と、を備える永久磁石型回転電機において、回転子は、回転軸方向に並んだ複数の層に分割されており、回転子の両端の2つの層のうち、少なくとも1つの層を回転軸方向に移動可能に構成したことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、回転子は、回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、回転軸方向に移動不可能に構成された第2層とに分割されており、第1層から見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、第1層と接続された磁性板と、巻線を有し、第1層と磁性板との間に設けられた電磁石と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項3に記載の発明は、回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、回転数検出回路において検出された回転数に応じて巻線に流れる電流を制御する制御回路と、を備え、制御回路は、検出された回転数が所定数以下である場合のみ、巻線に電流を流すことを特徴とするものである。
また、請求項4に記載の発明は、回転子は、回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、回転軸方向に移動可能に構成された第2層とに分割されており、第1層から見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、第1層と接続された第1磁性板と、第1巻線を有し、第1層と第1磁性板との間に設けられた第1電磁石と、第2層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、第2層と接続された第2磁性板と、第2巻線を有し、第2層と第2磁性板との間に設けられた第2電磁石と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項5に記載の発明は、回転子は、回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、回転軸方向に移動不可能に構成された第2層と、当該第2層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、回転軸方向に移動可能に構成された第3層とに分割されており、第1層から見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、第1層と接続された第1磁性板と、第1巻線を有し、第1層と第1磁性板との間に設けられた第1電磁石と、第3層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、第3層と接続された第2磁性板と、第2巻線を有し、第3層と第2磁性板との間に設けられた第2電磁石と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項6に記載の発明は、回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、回転数検出回路において検出された回転数に応じて第1巻線及び第2巻線に流れる電流を制御する制御回路と、を備え、制御回路は、検出された回転数が所定数以下である場合のみ、第1巻線及び第2巻線に電流を流すことを特徴とするものである。
また、請求項7に記載の発明は、回転子は、固定子の内面と対向する面に固定子の内面と接触する第1のOリングを有し、回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられるとともに、固定子の内面と対向する面に固定子の内面と接触する第2のOリングを有し、回転軸方向に移動不可能に構成された第2層とに分割されており、第1層から見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられた支持部材と、第1層と支持部材との間に設けられた弾性部材と、固定子の内面、第1層、第2層で囲まれた密閉空間に、任意の油圧で油を供給する油圧ポンプと、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項8に記載の発明は、回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、回転数検出回路において検出された回転数に応じて油圧ポンプの油圧を制御する制御回路と、を備え、制御回路は、検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、検出された回転数に応じた移動量で第1層が移動するように、油圧ポンプの油圧を制御することを特徴とするものである。
また、請求項9に記載の発明は、第1層は、固定子の内面と対向する面に設けられた検出用磁石をさらに有し、固定子コアから見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、検出用磁石の磁界を検出する磁界検出素子を備えることを特徴とするものである。
また、請求項10に記載の発明は、回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、回転数検出回路において検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、検出された回転数に応じた移動量で第1層が移動するように、油圧ポンプの油圧を決定する油圧決定回路と、磁界検出素子において検出された磁界に基づいて第1層が実際に移動した実移動量を算出する移動量算出回路と、を備え、油圧決定回路は、実移動量に基づいて油圧ポンプの油圧を補正することを特徴とするものである。
また、請求項11に記載の発明は、回転子は、固定子の内面と対向する面に固定子の内面と接触する第1のOリングを有し、回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられるとともに、固定子の内面と対向する面に固定子の内面と接触する第2のOリングを有し、回転軸方向に移動可能に構成された第2層とに分割されており、第1層から見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられた第1支持部材と、第1層と第1支持部材との間に設けられた第1弾性部材と、第2層から見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられた第2支持部材と、第2層と第2支持部材との間に設けられた第2弾性部材と、固定子の内面、第1層、第2層で囲まれた密閉空間に、任意の油圧で油を供給する油圧ポンプと、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項12に記載の発明は、回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、回転数検出回路において検出された回転数に応じて油圧ポンプの油圧を制御する制御回路と、を備え、制御回路は、検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、検出された回転数に応じた移動量で第1層及び第2層が移動するように、油圧ポンプの油圧を制御することを特徴とするものである。
また、請求項13に記載の発明は、第1層は、固定子の内面と対向する面に設けられた第1検出用磁石をさらに有し、第2層は、固定子の内面と対向する面に設けられた第2検出用磁石をさらに有し、固定子コアから見て永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、第1検出用磁石の磁界を検出する第1磁界検出素子と、固定子コアから見て永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、第2検出用磁石の磁界を検出する第2磁界検出素子と、を備えることを特徴とするものである。
また、請求項14に記載の発明は、回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、回転数検出回路において検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、検出された回転数に応じた移動量で第1層及び第2層が移動するように、油圧ポンプの油圧を決定する油圧決定回路と、第1及び第2磁界検出素子において検出された磁界に基づいて第1層及び第2層が実際に移動した実移動量を算出する移動量算出回路と、を備え、油圧決定回路は、実移動量が回転数に応じた移動量と異なる場合、実移動量に基づいて油圧ポンプの油圧を補正することを特徴とするものである。
請求項1に記載の発明によると、回転子が高速で回転するときに回転子の界磁磁束を低下させる場合、回転子の少なくとも1つの層を回転軸方向に移動させることによって回転子の界磁磁束を低下させることができる。よって、回転子の界磁磁束を低下させる場合、磁極のずれが発生しないので、スキューを施した場合でも、スキューの角度が変化せず、スキューの効果が減少しない。このように、回転子の界磁磁束を低下させる場合でも、コギングトルクとトルク脈動を小さくすることができる。さらに、回転子の界磁磁束を低下させる場合、磁極のずれが発生しないので、誘起電圧の偶数次成分が発生せず、トルク脈動を小さくすることもできる。さらに、回転子の界磁磁束を低下させる場合、固定子の内周面と対向する回転子コアの総体積が減少するので、回転子が低速で回転するとき(つまり、回転子の界磁磁束を低下させない場合)と比べて回転子コアによる鉄損を減少させることもできる。
請求項2に記載の発明によると、回転子が低速で回転するときに回転子の第1層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させて回転子の界磁磁束を増大させるために、電磁石の磁気吸引力を利用することができる。
請求項3に記載の発明によると、回転子が低速で回転するとき、回転子の第1層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させることができる。
請求項4に記載の発明によると、回転子が低速で回転するときに回転子の第1層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させ、第2層を永久磁石型回転電機の負荷側に移動させて回転子の界磁磁束を増加させるために、電磁石の磁気吸引力を利用することができる。
請求項5に記載の発明によると、回転子が低速で回転するときに回転子の第1層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させ、第3層を永久磁石型回転電機の負荷側に移動させて回転子の界磁磁束を増加させるために、電磁石の磁気吸引力を利用することができる。
請求項6に記載の発明によると、回転子が低速で回転するとき、回転子の第1層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させ、請求項4に記載の発明においては第2層を、請求項5に記載の発明においては第3層を、永久磁石型回転電機の負荷側に移動させることができる。
請求項7に記載の発明によると、回転子が高速で回転するときに回転子の第1層を永久磁石型回転電機の負荷側に移動させて回転子の界磁磁束を低下させるために、密閉空間に満たされた油の圧力を利用することができる。
請求項8に記載の発明によると、回転子が高速で回転するとき、回転子の第1層を永久磁石型回転電機の負荷側に移動させることができる。
請求項9に記載の発明によると、第1層の実際の移動量を算出する場合、磁界検出素子で検出された検出用磁石の磁界を利用することができる。
請求項10に記載の発明によると、回転子の第1層をより精度良く移動させることができる。
請求項11に記載の発明によると、回転子が高速で回転するときに回転子の第1層を永久磁石型回転電機の負荷側に移動させ、第2層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させて回転子の界磁磁束を低下させるために、密閉空間に満たされた油の圧力を利用することができる。
請求項12に記載の発明によると、回転子が高速で回転するとき、回転子の第1層を永久磁石型回転電機の負荷側に移動させ、第2層を永久磁石型回転電機の反負荷側に移動させることができる。
請求項13に記載の発明によると、第1層の実際の移動量を算出する場合、第1磁界検出素子で検出された第1検出用磁石の磁界を利用し、第2層の実際の移動量を算出する場合、第2磁界検出素子で検出された第2検出用磁石の磁界を利用することができる。
請求項14に記載の発明によると、回転子の第1層及び第2層をより精度良く移動させることができる。
本発明の実施例1に係る永久磁石型回転電機の分解斜視図 実施例1に係る永久磁石型回転電機の側断面図 本発明の実施例2に係る永久磁石型回転電機の分解斜視図 実施例2に係る永久磁石型回転電機の側断面図 本発明の実施例3に係る永久磁石型回転電機の分解斜視図 実施例3に係る永久磁石型回転電機の側断面図 従来の永久磁石型回転電機における回転数に対する誘起電圧の関係を示す図 特許文献1に示された永久磁石型回転電機の分解斜視図
以下、本発明の実施の形態について図を参照して説明する。
図1は、本発明の実施例1に係る永久磁石型回転電機の分解斜視図である。図2は、実施例1に係る永久磁石型回転電機の側断面図であり、図2(a)は、低速回転時の側断面図であり、図2(b)は、高速回転時の側断面図である。なお、図2は、図1に示した永久磁石型回転電機を組み立てた後、線AOBを含む平面で切断したときの側断面図であり、線AAに対し線OB側の側断面が主に示されている。
まず、図1及び図2を参照して、永久磁石型回転電機の構造について説明する。図1及び図2において、永久磁石型回転電機は、フレーム11、固定子12、回転子13、シャフト14、第1固定部材15、第1磁性板16、第1電磁石17、第2固定部材18、第2磁性板19、第2電磁石20、エンコーダ(図示なし)、及び制御回路(図示なし)を備える。
フレーム11は、図1では便宜上点線で示されているが、その内部に、固定子12、回転子13、シャフト14、第1固定部材15、第1磁性板16、第1電磁石17、第2固定部材18、第2磁性板19、第2電磁石20、エンコーダ、及び制御回路が設けられる。
固定子12は、円筒状の固定子コア121と、固定子コア121の磁極部121aに巻回された固定子巻線122とを備える。固定子巻線122には、固定子コア121の内側に回転磁界を発生させるように電流が流れる。図1では、便宜上、一部の固定子巻線122しか記載されていない。固定子12は、外周がフレーム11の内周に接するように、フレーム11内に設けられる。
回転子13は、円筒状の回転子コアと、当該回転子コア内に挿入された界磁用磁石とを有する。回転子13は、外周が固定子12の内周面と空隙を介して対向するように、固定子12の内部に設けられる。回転子13は、線AAを回転軸として、固定子12の円周方向に回転する。回転子13は、回転軸方向に並んだ第1〜第3層131〜133に分割される。第1層131は、円柱状の第1回転子コア1311と、第1回転子コア1311内部に設けられた複数の第1界磁用磁石1312とを備える。第2層132は、高さが第1回転子コア1311よりも高い円柱状の第2回転子コア1321と、第2回転子コア1321内部に設けられた複数の第2界磁用磁石1322とを備え、第1層131の反負荷側に設けられる。第3層133は、高さが第1回転子コア1311と同じ円柱状の第3回転子コア1331と、第3回転子コア1331内部に設けられた複数の第3界磁用磁石1332とを備え、第2層132の反負荷側に設けられる。
第1〜第3層131〜133は、回転子13を分割したものであるため、それぞれの表面磁極は、回転軸方向(線AAと平行な方向)において同極となっている。第1層131と第3層133は、回転軸方向に移動可能となるように、かつシャフト14の回転とともに回転するように、シャフト14と接続され、第2層132は、回転軸方向には移動できないように、かつシャフト14の回転とともに回転するように、シャフト14と接続される。一例として、シャフト14には、回転軸方向に沿って溝部(凹部)が形成され、第1層131と第3層133のシャフト14との接続部には、凹部と係合する凸部が形成されている。これにより、第1層131と第3層133は、回転軸方向に移動可能となるように、かつシャフト14の回転とともに回転するように、シャフト14と接続される。
第1磁性板16の形状は、中心に開口部が形成された円板形状である。第1磁性板16は、円筒状の第1固定部材15を介して第1層131の負荷側の面に接続される。第1電磁石17は、円環状の第1磁性部材171と、第1磁性部材171に設けられた第1巻線172とを備え、第1磁性板16と第1層131の間に設けられる。第1電磁石17は、外周がフレーム11の内周に接するように、フレーム11内に設けられる。
第2磁性板19の形状は、中心に開口部が形成された円板形状である。第2磁性板19は、円筒状の第2固定部材18を介して第3層133の反負荷側の面に接続される。第2電磁石20は、円環状の第2磁性部材201と、第2磁性部材201に設けられた第2巻線202とを備え、第2磁性板19と第3層133の間に設けられる。第2電磁石20は、外周がフレーム11の内周に接するように、フレーム11内に設けられる。
エンコーダは、回転子13の回転数を検出する回転数検出回路であり、例えば、フレーム11内に設けられたホールICと、ホールICからの信号に基づいて回転子13の回転数に応じたパルス状の回転数信号を出力するパルスジェネレータ回路とからなる。
制御回路は、入力がエンコーダの出力と接続され、出力が第1電磁石17の第1巻線172と第2電磁石20の第2巻線202とに接続される。制御回路は、エンコーダからの回転数信号が示す回転数に応じて、第1巻線172と第2巻線202とに流れる電流を制御する。
次に、回転子13が固定子12に与える界磁磁束(回転子13の界磁磁束)を変化させる動作について説明する。
制御回路は、エンコーダからの回転数信号が示す回転数が所定数以下である場合(低速回転時)、第1巻線172と第2巻線202とに所定値の電流を流す。このとき、第1電磁石17及び第2電磁石20に磁気吸引力が発生するので、図2(a)に示すように、第1磁性板16は第1電磁石17に引き寄せられ、第2磁性板19は第2電磁石20に引き寄せられる。このため、第1層131は第2層132と接触するまで反負荷側に移動し、第3層133は第2層132と接触するまで負荷側に移動する。
このように、低速回転時、第1層131及び第2層132間、第2層132及び第3層133間には、ギャップがなくなる。これにより、回転子13の界磁磁束は最大となり、高トルクを得ることができる。
一方、エンコーダからの回転数信号が示す回転数が所定数よりも高い場合(高速回転時)、制御回路は、第1巻線172と第2巻線202とに電流を流さない。よって、高速回転時、第1電磁石17及び第2電磁石20には磁気吸引力が発生しない。
しかしながら、第1〜第3層131〜133の表面磁極は回転軸方向において同極になっている(図1)ので、第1層131及び第2層132間、第2層132及び第3層133間それぞれに、磁気的な反発力が発生する。このため、図2(b)に示すように、第1層131は負荷側に移動して第2層132から離れ、第3層133は反負荷側に移動して第2層132から離れる。
このように、高速回転時、第1層131及び第2層132間、第2層132及び第3層133間には、キャップが形成される。これにより、回転子13の界磁磁束は小さくなり、誘起電圧を低下させることができる。その結果、永久磁石型回転電機の運転領域を拡大することができる。
なお、高速回転時、固定子12の内周面と対向する回転子コアの総体積が減少するので、低速回転時と比べて回転子コアによる鉄損を減少させることもできる。
以上のように、実施例1によれば、回転子13の界磁磁束を変化させるにあたり、第1層131及び第3層133が回転子13の回転方向に回転しない。つまり、回転子13の界磁磁束を変化させるにあたり、磁極のずれが発生しない。このため、仮に第1〜第3層131〜133にスキューを施した場合でも、スキュー角度が変化せず、スキュー効果は低下しない。このため、コギングトルクとトルク脈動を小さくすることが可能となる。さらに、磁極のずれが発生しないので、誘起電圧の偶数次成分も発生せず、トルク脈動を防止することもできる。さらに、高速回転時、固定子12の内周面と対向する回転子コアの総体積が減少するので、低速回転時と比べて回転子コアによる鉄損を減少させることもできる。
なお、上述では、2つの電磁石(第1電磁石17及び第2電磁石20)を用いて、2つの層(第1層131及び第3層133)を回転軸方向に移動させていたが、これに限定されない。1つの電磁石を用いて、1つの層を回転軸の軸方向に移動させる構成であってもよい。この場合、永久磁石型回転電機は、第1層131、第1固定部材15、第1磁性板16、第1電磁石17のセットと、第3層133、第2固定部材18、第2磁性板19、第2電磁石20のセットのうち、いずれか1つのセットを省略した構成となる。
また、上述では、回転軸方向に移動可能に構成された2つ層(第1層131及び第3層133)の間に、回転軸方向に移動不可能に構成された1つの層(第2層132)を設けた構成を説明したが、回転軸方向に移動不可能に構成された1つの層(第2層132)を省略した構成であってもよい。
図3は、本発明の実施例2に係る永久磁石型回転電機の分解斜視図である。図4は、実施例2に係る永久磁石型回転電機の側断面図であり、図4(a)は、低速回転時の側断面図であり、図4(b)は、高速回転時の側断面図である。なお、図4は、図2に示した永久磁石型回転電機を組み立てた後、線AOBを含む平面で切断したときの側断面図であり、線AAに対し線OB側の側断面が主に示されている。
まず、図3及び図4を参照して、永久磁石型回転電機の構造について説明する。図3及び図4において、永久磁石型回転電機は、フレーム31、筐体32、固定子33、回転子34、シャフト35、第1ばね36、第1支持部材37、第2ばね38、第2支持部材39、油圧ポンプ40、エンコーダ(図示なし)、及び制御回路(図示なし)を備える。
実施例2に係る永久磁石型回転電機は、上述した実施例1に係る永久磁石型回転電機に対し、回転子の層を回転軸方向に移動させる機構、ならびに移動制御の方法が大きく異なる。
フレーム31は、図3では便宜上点線で示されているが、その内部に、固定子33、回転子34、シャフト35、第1ばね36、第1支持部材37、第2ばね38、第2支持部材39、油圧ポンプ40、エンコーダ、及び制御回路が設けられる。
固定子33は、円筒状の固定子コア331と、固定子コア331の磁極部331aに巻回された固定子巻線332とを備える。固定子巻線332には、固定子コア331の内側に回転磁界を発生させるように電流が流れる。図3では、便宜上、一部の固定子巻線332しか記載されていない。固定子33は、外周がフレーム31の内周に接するように、フレーム31内に設けられる。
回転子34は、略円筒状の回転子コアと、当該回転子コア内に挿入された界磁用磁石とを有する。回転子34は、外周の一部が固定子33の内周面と接するように、固定子33の内部に設けられる。回転子34は、線AAを回転軸として、固定子33の円周方向に回転する。回転子34は、回転軸方向に並んだ第1層341と第2層342とに分割される。第1層341は、略円柱状の第1回転子コア3411と、第1回転子コア3411内部に設けられた複数の第1界磁用磁石3412と、複数の第1のOリング3413とを備える。第2層342は、高さが第1回転子コア3411と同じ略円柱状の第2回転子コア3421と、第2回転子コア3421内部に設けられた複数の第2界磁用磁石3422と、複数の第2のOリング3423とを備え、第1層341の反負荷側に設けられる。
第1層341及び第2層342は、回転子34を分割したものであるため、それぞれの表面磁極は、回転軸方向(線AAと平行な方向)において同極となっている。第1層341及び第2層342は、回転軸方向に移動可能となるように、かつシャフト35の回転とともに回転するように、シャフト35と接続される。一例として、シャフト35には、回転軸方向に沿って溝部(凹部)が形成され、第1層341及び第2層342のシャフト35との接続部には、凹部と係合する凸部が形成されている。これにより、第1層341及び第2層342は、回転軸方向に移動可能となるように、かつシャフト35の回転とともに回転するように、シャフト35と接続される。また、シャフト35には、中空部35aが形成され、中空部35aによって、後述する空洞R1と、後述する油圧ポンプ40の開口部40aとが接続される。
また、第1層341及び第2層342には、図4(a)に示すように、円筒状の空洞部が形成され、第2層342には、さらに、第1層341の空洞部と嵌合する円筒状の突起部が設けられている。第1層341と第2層342が嵌合したとき、これらの空洞部によって空洞R1が形成される。空洞R1は、油圧ポンプ41から供給された油で満たされている。
なお、第1のOリング3413は、第1層341のうち、固定子33の内周面と接する箇所、第2層342と接する箇所、シャフト35と接する箇所にそれぞれ設けられ、空洞R1内の油が外部に漏れることを防ぐ。第2のOリング3423は、第2層342のうち、固定子33の内周面と接する箇所、シャフト35と接する箇所にそれぞれ設けられ、空洞R1内の油が外部に漏れることを防ぐ。
第1支持部材37は、中心に開口部が形成された円板形状である。第1支持部材37は、第1層341の負荷側のシャフト35に固定される。第1ばね36は、弾性部材であり、第1層341の負荷側であって、第1支持部材37と第1層341との間に設けられる。第1ばね36は、第1層341及び第2層342の表面磁極による反発力よりも大きな力で、第1層341を反負荷側に押している。第2支持部材39は、中心に開口部が形成された円板形状である。第2支持部材39は、第2層342の反負荷側のシャフト35に固定される。第2ばね38は、弾性部材であり、第2層342の反負荷側であって、第2支持部材39と第2層342との間に設けられる。第2ばね38は、第1層341及び第2層342の表面磁極による反発力よりも大きな力で、第2層342を負荷側に押している。
筐体32は、フレーム31の反負荷側に設けられる。油圧ポンプ40は、任意の油圧で、シャフト35の中空部35aを介して空洞R1に油を供給する装置である。油圧ポンプ40からの油は、開口部40aから放出される。
エンコーダは、回転子34の回転数を検出する回転数検出回路であり、例えば、フレーム31内に設けられたホールICと、ホールICからの信号に基づいて回転子34の回転数に応じたパルス状の回転数信号を出力するパルスジェネレータ回路とからなる。
制御回路は、入力がエンコーダの出力と接続され、出力が油圧ポンプ40とに接続される。制御回路は、エンコーダからの回転数信号が示す回転数に応じて、油圧ポンプ40の油圧を制御する。
次に、回転子34が固定子33に与える界磁磁束(回転子34の界磁磁束)を変化させる動作について説明する。
制御回路は、エンコーダからの回転数信号が示す回転数が所定数以下である場合(低速回転時)、油圧ポンプ40の油圧を0とする。このとき、図4(a)に示すように、第1層341は第1ばね36の力によって反負荷側に移動し、第2層342は第2ばね38の力によって負荷側に移動し、第1層341及び第2層342は嵌合する。
このように、低速回転時、第1層341及び第2層342が嵌合する。これにより、回転子34の界磁磁束が最大となり、高トルクを得ることができる。
一方、エンコーダからの回転数信号が示す回転数が所定数よりも高い場合(高速回転時)、制御回路は、第1層341及び第2層342が回転数に応じた移動量で移動するように、油圧ポンプ40の油圧を変化させる。具体的には、制御回路には、回転数と、当該回転数に応じた1つの移動量と、当該移動量で第1層341及び第2層342を移動させることが可能と予測される油圧とが対応付けされたテーブルが予め記憶されている。制御回路は、自身に記憶されたテーブルから、エンコーダからの回転数信号が示す回転数に対応する油圧を抽出し、抽出した油圧を油圧ポンプ40の油圧として決定する。これにより、図4(b)に示すように、第1層341は、空洞R1を満たす油の圧力によって、回転数に応じた移動量だけ負荷側に移動し、第2層342は、空洞R1を満たす油の圧力によって、回転数に応じた移動量だけ反負荷側に移動する。
このように、高速回転時、第1層341及び第2層342が互いに離れる。これにより、回転子34の界磁磁束は小さくなり、誘起電圧を低下させることができる。その結果、永久磁石型回転電機の運転領域を拡大することができる。
なお、高速回転時、固定子33の内周面と対向する固定子コアの総体積が減少するので、低速回転時と比べて回転子コアによる鉄損を減少させることもできる。
以上のように、実施例2によれば、実施例1と同様、回転子34の界磁磁束を変化させるにあたり、第1層341及び第2層342が回転子34の回転方向に回転しない。このため、仮に第1層341及び第2層342にスキューを施した場合でも、スキュー角度が変化せず、スキュー効果は低下しない。このため、コギングトルクとトルク脈動を小さくすることが可能となる。さらに、磁極のずれが発生しないので、誘起電圧の偶数次成分も発生せず、トルク脈動を防止することもできる。さらに、高速回転時、固定子33の内周面と対向する回転子コアの総体積が減少するので、低速回転時と比べて回転子コアによる鉄損を減少させることもできる。
なお、上述では、2つのばね(第1ばね36及び第2ばね38)と油圧ポンプ40を用いて、2つの層(第1層341及び第2層342)を回転軸方向に移動させていたが、これに限定されない。1つのばねと油圧ポンプ40を用いて、一方の層を回転軸方向に移動させ、他方の層を回転軸方向に対し固定する構成であってもよい。この場合、永久磁石型回転電機は、第1ばね36及び第1支持部材37のセットと、第2ばね38及び第2支持部材39のセットのうち、いずれか1つのセットを省略し、省略したセットに関わる層を回転軸方向に対し固定した構成となる。
また、上述では、第1支持部材37と第1層341との間、第2支持部材39と第2層342との間に挿入する弾性部材としてばねを用いていたが、これの代わりに、ゴム部材などを用いてもよい。
図5は、本発明の実施例3に係る永久磁石型回転電機の分解斜視図である。図6は、実施例3に係る永久磁石型回転電機の側断面図であり、図6(a)は、低速回転時の側断面図であり、図6(b)は、高速回転時の側断面図である。なお、図6は、図5に示した永久磁石型回転電機を組み立てた後、線AOBを含む平面で切断したときの側断面図であり、線AAに対し線OB側の側断面が主に示されている。
まず、図5及び図6を参照して、永久磁石型回転電機の構造について説明する。図5及び図6において、永久磁石型回転電機は、フレーム31、筐体32、固定子33、回転子34、シャフト35、第1ばね36、第1支持部材37、第2ばね38、第2支持部材39、油圧ポンプ40、第3磁性部材51、第1磁界検出素子52、第4磁性部材53、第2磁界検出素子54、エンコーダ(図示なし)、及び制御回路(図示なし)を備える。
実施例3に係る永久磁石型回転電機は、上述した実施例2に係る永久磁石型回転電機に対し、第1層341が第1検出用磁石3414をさらに備え、第2層342が第2検出用磁石3424をさらに備え、第3磁性部材51、第1磁界検出素子52、第4磁性部材53、第2磁界検出素子54が追加された点、ならびに、移動制御の方法が大きく異なる。その他の構成部品は、実施例2と同様であり、同じ符号を付して説明を省略する。
第1層341は、略円柱状の第1回転子コア3411と、第1回転子コア3411内部に設けられた複数の第1界磁用磁石3412と、複数の第1のOリング3413と、第1回転子コア3411の外周に設けられた複数の第1検出用磁石3414とを備える。第2層342は、略円柱状の第2回転子コア3421と、第2回転子コア3421内部に設けられた複数の第2界磁用磁石3422と、複数の第2のOリング3423と、第2回転子コア3421の外周に設けられた複数の第2検出用磁石3424とを備える。
第3磁性部材51は、円環状であり、固定子33の負荷側に設けられる。第1磁界検出素子52は、回転軸方向に並ぶように、第3磁性部材51の内周に複数設けられ、第1検出用磁石3414が形成する磁界を検出する。第4磁性部材53は、円環状であり、固定子33の反負荷側に設けられる。第2磁界検出素子54は、回転軸方向に並ぶように、第4磁性部材53の内周に複数設けられ、第2検出用磁石3424が形成する磁界を検出する。
エンコーダは、回転子34の回転数を検出する回転数検出回路であり、例えば、フレーム31内に設けられたホールICと、ホールICからの信号に基づいて回転子34の回転数に応じたパルス状の回転数信号を出力するパルスジェネレータ回路とからなる。
制御回路は、エンコーダからの回転数信号が示す回転数に応じて、油圧ポンプ40の油圧を決定する油圧決定回路と、第1磁界検出素子52及び第2磁界検出素子53からの検出磁界を示す電圧に基づいて、第1層341及び第2層342が実際に移動した移動量(以下、実移動量と称す)をそれぞれ算出する移動量算出回路とを有する。移動量算出回路の入力は、第1磁界検出素子52及び第2磁界検出素子53と接続され、出力は、油圧決定回路と接続される。油圧決定回路の入力は、エンコーダの出力、移動量算出回路の出力と接続され、出力は、油圧ポンプ40に接続される。
次に、回転子34の界磁磁束を変化させる動作について説明する。
油圧決定回路は、エンコーダからの回転数信号が示す回転数が所定数以下である場合(低速回転時)、油圧ポンプ40の油圧を0とする。このとき、図6(a)に示すように、第1層341は第1ばね36の力によって反負荷側に移動し、第2層342は第2ばね38の力によって負荷側に移動し、第1層341及び第2層342は嵌合する。
このように、低速回転時、第1層341及び第2層342が嵌合する。これにより、回転子34の界磁磁束が最大となり、高トルクを得ることができる。
一方、エンコーダからの回転数信号が示す回転数が所定数よりも高い場合(高速回転時)、油圧決定回路は、第1層341及び第2層342が回転数に応じた移動量で移動するように、油圧ポンプ40の油圧を変化させる。具体的には、油圧決定回路には、回転数と、当該回転数に応じた1つの移動量と、当該移動量で第1層341及び第2層342を移動させることが可能と予測される油圧とが対応付けされたテーブルが予め記憶されている。油圧決定回路は、自身に記憶されたテーブルから、エンコーダからの回転数信号が示す回転数に対応する油圧を抽出し、抽出した油圧を油圧ポンプ40の油圧として決定する。これにより、図6(b)に示すように、第1層341は、空洞R1を満たす油の圧力によって、回転数に応じた移動量だけ負荷側に移動し、第2層342は、空洞R1を満たす油の圧力によって、回転数に応じた移動量だけ反負荷側に移動する。
このように、高速回転時、第1層341及び第2層342が互いに離れる。これにより、回転子34の界磁磁束は小さくなり、誘起電圧を低下させることができる。その結果、永久磁石型回転電機の運転領域を拡大することができる。
ここで、移動量算出回路は、第1磁界検出素子52及び第2磁界検出素子53からの電圧に基づいて、第1層341及び第2層342の実移動量をそれぞれ算出する。油圧決定回路は、移動量算出回路から入力された第1層341及び第2層342の実移動量の平均値である平均移動量を算出する。油圧決定回路は、算出した平均移動量と、決定していた油圧に対応する移動量とが一致するか否か判断する。一致しない場合、油圧決定回路は、平均移動量と、決定していた油圧に対応する移動量とが一致するように、決定していた油圧ポンプ40の油圧を補正する。
このように、第1層341及び第2層342の実移動量に基づき油圧ポンプ40の油圧が補正されることで、回転子34の界磁磁束を精度高く変化させることができる。
以上のように、実施例3によれば、回転子34の界磁磁束を精度高く変化させることができる。
本発明に係る永久磁石型回転電機は、電気自動車用モータ、工作機械等に使用される高速回転型の永久磁石型回転電機等に適用可能である。
11、31 フレーム
12、33 固定子
121、331 固定子コア
122、332 固定子巻線
13、34 回転子
131、341 第1層
132、342 第2層
133 第3層
1311、3411 第1回転子コア
1312、3412 第1界磁用磁石
1321、3421 第2回転子コア
1322、3422 第2界磁用磁石
1331 第3回転子コア
1332 第3界磁用磁石
14、35 シャフト
15 第1固定部材
16 第1磁性板
17 第1電磁石
171 第1磁性部材
172 第1巻線
18 第2固定部材
19 第2磁性板
20 第2電磁石
201 第2磁性部材
202 第2巻線
32 筐体
36 第1ばね
37 第1支持部材
38 第2ばね
39 第2支持部材
40 油圧ポンプ
3413 第1のOリング
3423 第2のOリング
3414 第1検出用磁石
3424 第2検出用磁石
51 第3磁性部材
52 第1磁界検出素子
53 第4磁性部材
54 第2磁界検出素子

Claims (14)

  1. 内部に回転磁界を発生させる円筒状の固定子と、
    回転子コアと当該回転子コアに設けられた界磁用磁石とを有し、前記固定子の内部に設けられるとともに、前記回転磁界によって前記固定子の円周方向に回転する回転子と、を備える永久磁石型回転電機において、
    前記回転子は、回転軸方向に並んだ複数の層に分割されており、
    前記回転子の両端の2つの層のうち、少なくとも1つの層を回転軸方向に移動可能に構成したことを特徴とする永久磁石型回転電機。
  2. 前記回転子は、前記回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記回転軸方向に移動不可能に構成された第2層とに分割されており、
    前記第1層から見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、前記第1層と接続された磁性板と、
    巻線を有し、前記第1層と前記磁性板との間に設けられた電磁石と、を備えることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  3. 前記回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、
    前記回転数検出回路において検出された回転数に応じて前記巻線に流れる電流を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記検出された回転数が所定数以下である場合のみ、前記巻線に電流を流すことを特徴とする請求項2記載の永久磁石型回転電機。
  4. 前記回転子は、前記回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記回転軸方向に移動可能に構成された第2層とに分割されており、
    前記第1層から見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、前記第1層と接続された第1磁性板と、
    第1巻線を有し、前記第1層と前記第1磁性板との間に設けられた第1電磁石と、
    前記第2層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記第2層と接続された第2磁性板と、
    第2巻線を有し、前記第2層と前記第2磁性板との間に設けられた第2電磁石と、を備えることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  5. 前記回転子は、前記回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記回転軸方向に移動不可能に構成された第2層と、当該第2層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記回転軸方向に移動可能に構成された第3層とに分割されており、
    前記第1層から見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、前記第1層と接続された第1磁性板と、
    第1巻線を有し、前記第1層と前記第1磁性板との間に設けられた第1電磁石と、
    前記第3層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記第3層と接続された第2磁性板と、
    第2巻線を有し、前記第3層と前記第2磁性板との間に設けられた第2電磁石と、を備えることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  6. 前記回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、
    前記回転数検出回路において検出された回転数に応じて前記第1巻線及び前記第2巻線に流れる電流を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記検出された回転数が所定数以下である場合のみ、前記第1巻線及び前記第2巻線に電流を流すことを特徴とする請求項4または5記載の永久磁石型回転電機。
  7. 前記回転子は、前記固定子の内面と対向する面に前記固定子の内面と接触する第1のOリングを有し、前記回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられるとともに、前記固定子の内面と対向する面に前記固定子の内面と接触する第2のOリングを有し、前記回転軸方向に移動不可能に構成された第2層とに分割されており、
    前記第1層から見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられた支持部材と、
    前記第1層と前記支持部材との間に設けられた弾性部材と、
    前記固定子の内面、前記第1層、前記第2層で囲まれた密閉空間に、任意の油圧で油を供給する油圧ポンプと、を備えることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  8. 前記回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、
    前記回転数検出回路において検出された回転数に応じて前記油圧ポンプの油圧を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、前記検出された回転数に応じた移動量で前記第1層が移動するように、前記油圧ポンプの油圧を制御することを特徴とする請求項7記載の永久磁石型回転電機。
  9. 前記第1層は、前記固定子の内面と対向する面に設けられた検出用磁石をさらに有し、
    前記固定子コアから見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、前記検出用磁石の磁界を検出する磁界検出素子を備えることを特徴とする請求項7記載の永久磁石型回転電機。
  10. 前記回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、
    前記回転数検出回路において検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、前記検出された回転数に応じた移動量で前記第1層が移動するように、前記油圧ポンプの油圧を決定する油圧決定回路と、
    前記磁界検出素子において検出された磁界に基づいて前記第1層が実際に移動した実移動量を算出する移動量算出回路と、を備え、
    前記油圧決定回路は、前記実移動量に基づいて前記油圧ポンプの油圧を補正することを特徴とする請求項9記載の永久磁石型回転電機。
  11. 前記回転子は、前記固定子の内面と対向する面に前記固定子の内面と接触する第1のOリングを有し、前記回転軸方向に移動可能に構成された第1層と、当該第1層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられるとともに、前記固定子の内面と対向する面に前記固定子の内面と接触する第2のOリングを有し、前記回転軸方向に移動可能に構成された第2層とに分割されており、
    前記第1層から見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられた第1支持部材と、
    前記第1層と前記第1支持部材との間に設けられた第1弾性部材と、
    前記第2層から見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられた第2支持部材と、
    前記第2層と前記第2支持部材との間に設けられた第2弾性部材と、
    前記固定子の内面、前記第1層、前記第2層で囲まれた密閉空間に、任意の油圧で油を供給する油圧ポンプと、を備えることを特徴とする請求項1記載の永久磁石型回転電機。
  12. 前記回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、
    前記回転数検出回路において検出された回転数に応じて前記油圧ポンプの油圧を制御する制御回路と、を備え、
    前記制御回路は、前記検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、前記検出された回転数に応じた移動量で前記第1層及び第2層が移動するように、前記油圧ポンプの油圧を制御することを特徴とする請求項11記載の永久磁石型回転電機。
  13. 前記第1層は、前記固定子の内面と対向する面に設けられた第1検出用磁石をさらに有し、
    前記第2層は、前記固定子の内面と対向する面に設けられた第2検出用磁石をさらに有し、
    前記固定子コアから見て前記永久磁石型回転電機の負荷側に設けられ、前記第1検出用磁石の磁界を検出する第1磁界検出素子と、
    前記固定子コアから見て前記永久磁石型回転電機の反負荷側に設けられ、前記第2検出用磁石の磁界を検出する第2磁界検出素子と、を備えることを特徴とする請求項11記載の永久磁石型回転電機。
  14. 前記回転子の回転数を検出する回転数検出回路と、
    前記回転数検出回路において検出された回転数が所定数よりも高い場合のみ、前記検出された回転数に応じた移動量で前記第1層及び第2層が移動するように、前記油圧ポンプの油圧を決定する油圧決定回路と、
    前記第1及び第2磁界検出素子において検出された磁界に基づいて前記第1層及び第2層が実際に移動した実移動量を算出する移動量算出回路と、を備え、
    前記油圧決定回路は、前記実移動量に基づいて前記油圧ポンプの油圧を補正することを特徴とする請求項13記載の永久磁石型回転電機。
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