JP2010212618A - 半導体装置 - Google Patents

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正靖 宮田
Masamichi Suzuki
正道 鈴木
Tatsuo Shimizu
達雄 清水
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弘剛 西野
Atsuhiro Kinoshita
敦寛 木下
Yoshifumi Nishi
義史 西
Kosuke Tatsumura
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Abstract

【課題】ゲート絶縁膜とゲート電極との間の界面層にカーボン層を導入して、低い閾値電圧を実現している例では、カーボン層中のカーボンはSi半導体基板中に入り、欠陥準位を形成するため、EWFが不安定であった。本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、p−metalを用いたMIS型半導体装置において、EWFを安定して増加させることが可能な半導体装置を提供する。
【解決手段】半導体基板10と、半導体基10上に形成された絶縁膜20と、絶縁膜20上に形成され、且つ、CN基又はCO基を含む界面層30と、界面層30上に形成された金属層40とを備えて半導体装置を構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、MIS(Metal Insulator Semiconductor)構造を備えた半導体装置に関する。
金属ゲート電極を用いたMIS電界効果トランジスタ(Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor。以下、MISFETと称する。)において、デバイス動作を容易ならしめるため、印加電圧の閾値(以下、閾値電圧と称する。)を制御することが求められている。即ち、金属電極材料の違いによって閾値電圧が変動するところ、この閾値電圧を制御することが求められている。
一方、ゲート絶縁膜には、LSI微細化を追求するため、実効酸化膜厚(Equivalent Oxide Thickness。以下、EOTと称する。)を減少させる高誘電率絶縁膜(high−k膜)が必要とされている。特に、Hf(ハフニウム)系のhigh−k膜が検討されている。
しかるに、Hf系のhigh−k膜はキャリア活性化等の高温熱処理を経ると、実効的な仕事関数(Effective Workfunction。以下、EWFと称する。)が変調されることが知られている。一般に、NMISFET用金属ゲート材料(以下、n−metalと称する。)のEWFは上昇し、PMISFET用金属ゲート材料(p−metal)のEWFは低下する。
従来技術として、ゲート絶縁膜とゲート電極との間の界面層にカーボン層を導入して、低い閾値電圧を実現している例がある(例えば、特許文献1を参照)。
特開2008−244331公報
しかしながら、特許文献1に記載の例では、カーボン層中のカーボンはSi半導体基板中に入り、欠陥準位を形成するため、EWFが不安定であった。
そこで、本発明は上記問題点を解決するためになされたもので、p−metalを用いたMIS型半導体装置において、EWFを安定して増加させることが可能な半導体装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の半導体装置は半導体基板と、前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、前記絶縁膜上に形成され、且つ、CN基又はCO基を含む界面層と、前記界面層上に形成された金属層とを備えた半導体装置であることを特徴とする。
本発明によれば、p−metalを用いたMIS型半導体装置において、EWFを増加させることが可能な半導体装置を提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係わる半導体装置を示す断面図。 第1の実施形態の界面層の概略図。 第1の実施形態の金属層と絶縁膜の界面付近の状態密度を示す図。 第1の実施形態の金属層と絶縁膜の界面付近の状態密度を示す図。 第1の実施形態の金属層と絶縁膜の界面付近の状態密度を示す図。 第1の実施形態の金属層と絶縁膜の界面付近の状態密度を示す図。 第1の実施形態の金属の仕事関数と実効仕事関数との関係を示す図。 第1の実施形態の金属の仕事関数と界面エネルギーとの関係を示す図。 本発明の第2の実施形態の半導体装置を示す断面図。 本発明の第3の実施形態に係る半導体装置を示す断面図。 第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第3の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 本発明の第4の実施形態に係わる半導体装置を示す断面図。 第4の実施形態に係わる半導体装置の変形例。 本発明の第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 第5の実施形態の半導体装置の製造工程を示す断面図。 実施例の結晶構造を示す図。 実施例の界面層導入によるVBO値と界面エネルギー計算結果を示す図。
以下、図面を参照しつつ本発明の実施形態について説明する。また、以下説明する図面において、符号が一致するものは、同じものを示しており、重複した説明は省略する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明を用いた半導体装置の第1の実施形態を示す。
本実施形態の半導体装置は、半導体基板10上に絶縁膜20、界面層30及び金属層40が形成されている。
半導体基板10としては、単結晶Siが一般的であるが、他には多結晶Si、アモルファスSi、Ge、化合物半導体、SOI(Silicon On Insulator)、有機高分子等が挙げられる。
絶縁膜20としては、Hfを含む金属酸化物が対象となる。例えば、Al、Hf、Y、Ti、Zr、Si、Ta、及びランタノイド元素から選ばれる少なくとも一種類以上の元素を含む酸化物、窒化物、及び酸窒化物等の高誘電率の金属酸化物(high−k膜)が挙げられる。ここで、ランタノイド元素は、La、Ce、Pr、Nd、Pm,Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、及びLuを示す。また、high−k膜を構成するHfシリケート等に窒素を添加することにより、これらhigh−k膜を非晶質とすることができる。これにより、high−k膜の耐熱性を向上させるとともに、ゲートリーク電流を抑制することができる。
界面層30としては、Hfを含むもので、全体的な電気陰性度(Averaged Electron Negativity。以下AENと称する。)が絶縁膜20のAENよりも大きいものを用いる。Hf以外の構成要素としてはO、F、CN、COを含むものを用いることができる。例えば、これらの構成要素で界面層30を形成すると、図2のような概略図になる。O、CN、COと結合しているMは金属層40を構成しているp−metalを示し、Hfは絶縁膜20を構成している元素を表している。p−metalとはシリコンのミッドギャップ(4.5eV)よりも大きなものを示す。
また、元素Xを仮定すると、元素Xの電気陰性度(Electro Negativity。以下ENと称する。)は、マリケンの電気陰性度によると、イオン化ポテンシャル(Ionization Potential。以下IPと称する。)と電子親和力(Electron Affinity。以下EAと称する。)から以下の(式1)で定義される。
EN(X)=(EA(X)+IP(X))/2…(式1)
続いて、MXn(MはXとは異なる元素)という組成の膜の全体的なAENは、サンダーソンの電気陰性度によると、以下の(式2)で定義される。
AEN(MX)=(EN(M)xEN(X)1/n…(式2)
(式1)から、OのENは7.54、Fは10.41、CNは8.97、COは7.71、Hfは3.39となる。上記した、O、F、CN、COは金属層40を構成しているp−metalと安定した結合を形成することができる。これはO、F、CN、COは全体的なAENが大きいために、金属層40を構成しているp−metalと静電的な結合をしやすくなるからである。
また、金属層40については、例えば、Pt、Au、Co、Be、Ni、Rh、Pd、Te、Re、Mo、Hf、Mn、Zn、Zr、In、Bi、Ru、W、Ir、Er、La、Ti、及びYのうちから選ばれる一種類以上の元素を含む金属単体または金属化合物を用いることができる。さらに、これらの金属のケイ化物、ホウ化物、窒化物、または炭化物等の金属系導電材料を用いることができる。また、上記した中では、Wを用いることが好ましい。
次に、界面層30が導入された場合の効果について概略図を用いて説明する。
図3は、界面層30がない状態における金属層40及び絶縁膜20との界面付近の電荷の授受前の状態密度分布図を示し、図4は、電荷の授受後の界面付近の状態密度分布図を示している。絶縁膜20はHfO2が主成分のHigh−k膜として、エネルギーバンド構造は主に伝導帯がHfの5d軌道、価電子帯がOの2p軌道で構成されることを表している。また、図3から図6において、Mは金属原子を、Oはhigh−k膜側終端酸素を、XはOよりENが大きいhigh−k膜終端の構成要素を表している。Xは例えば、F、CN、CO等を表している。界面のAENは図3よりも図4の方が大きい。
電荷の授受が行われる前は、図3に示すように金属MよりもOの方がENが大きいので、金属Mの電荷がOの2p軌道に移動する。(図3の矢印の方向)その結果、図4に示すように、界面付近にダイポールDPが生じる。
図5は、界面層30を絶縁膜20及び金属層40間に導入した場合の金属層40及び絶縁膜20との界面付近の電荷の授受前の状態密度分布図を示し、図6は電荷の授受後の界面付近の状態密度分布図を示している。
この場合、図3、図4を用いて説明した場合と同様の振る舞いをしてダイポールDPを生じるが、このときのダイポールDPは界面層30を導入していない場合に比べて大きい。よって、界面にXを用いた場合のEWFは、界面が酸素の場合に比べて増加する。さらに、金属層40とXは、酸素の場合より安定な界面を形成する。
図7は、界面層のAENの変化による金属の仕事関数と実効仕事関数との振る舞いを示す。我々は第一原理計算による検討を行った。具体的には、密度汎関数理論に基づく第一原理擬ポテンシャルを用いた第一原理電子構造計算ソフトにより、構造緩和シミュレーションを行った。その結果、界面層のAENが大きくなると、EWFが増加することを見出した。図7にその概略図を示す。
界面エネルギー(以下、Eintと称する)は、下記に示す式3のように定義される。
int=Etot―(nEHfO2+mE+lEO2)…(式3)
ここで、Etotは系の単位胞当たりの全エネルギー、EHfO2はHfO単位当たりのエネルギー、Eは金属M原子当たりのエネルギー、EO2はO分子あたりのエネルギーである。(n、m、l)は各々、単位胞に含まれる各単位構造の数である。
図8は、界面層のAENの変化による金属の仕事関数と界面エネルギーとの振る舞いを示す。金属の仕事関数が大きくなると、界面エネルギーが増加することが知られている。(例えば、Phys.Rev.Lett., Vol.99,086805(2007)を参照)我々は第一原理計算による検討を行った結果、界面層のAENが大きくなると、界面エネルギーが減少することを見出した。図8にその概略図を示す。
なお、EOT抑制の観点からは、界面層30は薄い方が好ましい。具体的には、界面層30は2原子層(モノレイヤーとも称する)以下であれば、EOTの増加は更に抑えられる。
(第2の実施形態)
図9は、本発明に係わる第2の実施形態を示す。
図9は、第2の実施形態のMISFETの構成図である。
第2の実施形態に係わるMISFET構造の半導体装置は、半導体基板10上に形成された絶縁膜20上に、界面層30を介してゲート電極50(第1の実施形態で説明した金属層40と同義)が形成され、絶縁膜20、界面層30及びゲート電極50の両側壁にゲート側壁60が形成されている。また、絶縁膜20の下にはチャネル領域70が形成されており、チャネル領域70を挟むように浅い拡散領域80が対向して形成されている。また、浅い拡散領域80の外側に対向してソース・ドレイン領域90が形成されている。さらに、ソース・ドレイン領域90上にはゲート側壁60の下部に接してサリサイド100が形成されている。また、このMISFETの両脇には、例えば、隣の素子との間を電気的に絶縁する素子分離領域(図示せず)が形成されている。
ゲート電極50は、第1の実施形態で記述したp−metal金属層40の材料であっても構わない。
また、本実施形態における半導体装置は、NMISFETあるいはPMISFETとすることが可能であり、NMISFET及びPMISFETを含むCMISFET(Complementary Metal Insulator Semiconductor Field Effect Transistor)とすることも可能である。
本実施形態を用いれば、EOTの増加を抑制し、EWTを増加させるとともに、特にPMISFETに対して、高温熱処理後のEWF低下を抑制することが可能となる。
(第3の実施形態)
図10は、本発明に係わる第3の実施形態を示す。
図10は、第3の実施形態のNMISFET及びPMISFETを含むCMISFETである。
本実施形態に係わるCMISFET構造の半導体装置は、半導体基板10上に設けられ、この半導体基板10の中央表層部に素子分離領域110が選択的に形成されている。素子分離領域110にはSiO等の絶縁膜が埋め込まれており、素子分離領域110を挟んで、NMISFET形成領域120及びPMISFET形成領域130が形成されている。
NMISFET形成領域120においては、通常のNMISFETと構造は同様である。一方、PMISFET形成領域130においては、対向する2つの側壁絶縁膜60及びN型ウエル領域170上に沿って絶縁膜20が形成され、絶縁膜20とゲート電極50との間に界面層30が形成されている以外は、通常のPMISFETと同じである。
次に、本実施形態に係わるCMISFETの製造方法について説明する。
図11〜図14には、第3の実施形態に係わるCMISFETの製造工程を示す。
図11に示すように、半導体基板10上に、STI(Shallow Tranch Isolation)構造の素子分離領域110によって分離されたP型ウエル領域140及びN型ウエル領域170を形成する。
続いて、P型ウエル領域140及びN型ウエル領域170にそれぞれ、ダミーゲート(図示せず)を形成する。これらダミーゲートをマスクとして、P型ウエル領域140にN型不純物を注入してN型エクステンション層150を形成するとともに、N型ウエル領域170にP型不純物を注入してP型エクステンション層180を形成する。
その後、上記したダミーゲートの側面部に側壁絶縁膜60を形成する。そして、ダミーゲート及び側壁絶縁膜60をマスクとして、P型ウエル領域140にN型不純物を注入してN型拡散層160を形成するとともに、N型ウエル領域170にP型不純物を注入してP型拡散層190を形成する。
さらに、層間絶縁膜200を堆積し、層間絶縁膜200を平坦化する。次に、ダミーゲートを除去して図11に示す構造を得る。
また、図11から分かるように、ダミーゲートが除去された後に溝210が形成される。なお、N型拡散層160上及びP型拡散層190上に、サリサイド層(図示せず)形成されてもよい。
次に、図12に示すように絶縁膜20を堆積する。本実施形態においては、例えば、Hfの原子濃度が30%のハフニウムシリケートから構成される絶縁膜20を3nm堆積する。堆積方法としてはALD(Atomic Layer Deposition:原子層堆積)法を用いることができる。堆積方法は、ダミーゲートが除去された後の溝210の底面及び側面に沿って絶縁膜20を形成可能な方法であればよく、例えば、CVD(Chemical Vapor Deposition:化学気相堆積)法等でもよい。
次に、図13に示すように、絶縁膜20上に、界面層30を堆積する。このとき、界面層30の膜厚は2原子層以下であることが好ましい。なお、図13は、NMISFET形成領域120上の界面層30を除去した図を示している。以下、その工程について説明する。なお、ここでは、界面層30にCNを導入することを例として説明する。
界面層30は、Hf[N(C前駆体を用いて、HfSiON上にALDにより作製できる。Hf[N(C前駆体を導入する際、キャリアガスとしてHを用いることで、組成としてHfNxとなる膜の形成を抑制し、組成としてHfCxNyとなる膜を形成できる。さらに、膜の形成温度を300℃から400℃にすることで、500℃以上で急増するHf−N及びC−Cの結合を抑制し、Hf−C結合が優先的に形成される。なお、原料ガスにおいてNはCと結合しているので、Hf−C結合のCは、同時にNとも結合している。また、この膜厚を2原子層以下とすることで、図2に示すように、Hf原子と後に堆積するゲート電極50層との間にCN基を挟んだ安定した構造を形成しやすくなる。その結果、HfCxNy組成をとる構造ではHfとゲート電極50との間にCN基を含む界面層30が自己整合的に形成される。なお、表面へのCN基の導入は他のCN基を含む原料ガスを用いてもよいし、イオン化したCN基を持つガス種を低エネルギーで打ち込んでもよい。
その後、NMISFET形成領域120上に形成された界面層30を選択的エッチングにより除去して図13に示す構造を得ることができる。なお、界面層30の堆積方法はALDに限定されることなく、ラジカル補助型原子層堆積法(RA−ALD)、若しくはプラズマ励起原子層堆積法(PEALD)等を用いてもよい。
次に、図14に示すように、溝210を埋め込むようにゲート電極50層を堆積する。ゲート電極50は、例えば、Wを用いることができるが、第1の実施形態で説明した金属層40の材料であっても構わない。なお、Wを用いた場合、Wの仕事関数は4.1〜5.2eVであるため、NMISFET形成領域120及びPMISFET形成領域130の両形成領域においてWをゲート電極50として用いることができる。堆積方法としては、例えばMOCVD法が挙げられる。その後、通常のCMP(Chemical Mechanical Polishing:化学機械研磨)法によって絶縁膜20の表面が現れる程度に平坦化する。これにより、NMISFET形成領域120とPMISFET形成領域130を有するCMISFETが形成された図14に示す構造を得ることができる。
本実施形態を用いれば、EOTの増加を抑制し、EFTを増加させるとともに、特にPMISFETに対して、高温熱処理後のEWFを抑制することが可能となる。
(第4の実施形態)
図15(a)は、本発明に係わる第4の実施形態を示す。
図15(a)は、本実施形態に係わる半導体装置は、半導体基板10上に、下から順に第1の絶縁膜(トンネル絶縁膜220)、第1の導電層(浮遊ゲート層230)、第2の絶縁膜(電極間絶縁膜240)、界面層30、第2の導電層(制御ゲート層250)が形成されている。これは、不揮発性半導体メモリセル、例えば、NAND型不揮発性半導体メモリ装置の一つのセル部分を示している。なお、電極間絶縁膜240は第1の実施形態で説明した絶縁膜20に相当し、電極間絶縁膜240の電気陰性度よりも界面層30の電気陰性度の方が大きい。それぞれの構成の説明については第5の実施形態で説明する。
また、図15(b)に示すように、浮遊ゲート層230にシリコン窒化膜を用いるMONOS(Metal Oxide Nitride Oxide Silicon)型の不揮発性半導体メモリ装置であってもよい。
上記の場合、半導体基板10内に、ソース・ドレイン領域90が互いに離間して配置される。ソース・ドレイン領域90は、半導体基板10内のウエル領域内に形成してもよい。ソース・ドレイン領域90の間のチャネル領域上には、第1の絶縁膜(トンネル絶縁膜220(例えば、酸化シリコン))を介してトラップ層235(例えば、窒化シリコン)が形成されている。また、トラップ層235上には、第2の絶縁膜(ブロック膜245)、界面層30、導電層(制御ゲート層255)が下から順に形成されている。
トラップ層235は、電荷が蓄積される層であり、ブロック膜245は、トラップ層235に電荷を蓄積するための障壁である。
(第5の実施形態)
図16は、本発明に係わる第5の実施形態を示す。
図16の左図はチャネル長方向の断面図を、右図はチャネル幅方向の断面図を示しており、チャネル長方向とチャネル幅方向はそれぞれ互いに直行する関係にある。
チャネル長方向の断面おいては、半導体基板10上に、トンネル絶縁膜220を介して浮遊ゲート層230の電極が形成されている。そして、電極間絶縁膜240上に界面層30が形成され、その上に制御ゲート層250の電極が形成されている。さらに、トンネル絶縁膜220等が形成されていない半導体基板10の表面、トンネル絶縁膜220、ゲート層230、電極間絶縁膜240、界面層30及び制御ゲート層250を覆うように電極側壁酸化膜320が形成され、さらに電極側壁酸化膜320を覆うように層間絶縁膜200が形成されている。
また、チャネル幅方向の断面においては、半導体基板10に複数の素子分離絶縁膜300の下部が埋め込んで形成されており、その素子分離絶縁膜300の上部が半導体基板10から突出している。そして、その隣り合う素子分離絶縁膜300間における半導体基板10上にトンネル絶縁膜220が素子分離絶縁膜300に挟まれ、接するように形成されている。また、そのトンネル絶縁膜220上に浮遊ゲート層230が形成され、浮遊ゲート層230の下部側面の一部が素子分離絶縁膜300の上部突出部分に接触している。さらに、その浮遊ゲート層230の上面及び上部側面の一部、及び素子分離絶縁膜300の上面を連続して電極間絶縁膜240が覆っている。また、その電極絶縁膜240を覆って電極間絶縁膜240の電気陰性度よりも大きな電気陰性度を有する界面層30が形成され、さらに、界面層30を覆うように制御ゲート層250が形成されている。制御ゲート層250上には、シリコン酸化膜から構成される電極側壁酸化膜320が形成され、その電極側壁酸化膜320上に層間絶縁膜200が形成されている。
半導体基板10としてはp型Si基板を用いて、トンネル絶縁膜220としては、熱酸窒化膜(SiON膜)を用いている。
浮遊ゲート層230としては、本実施形態ではn型多結晶Si層を用いているが、それ以外に、例えば、Au、Pt、Co、Be、Ni、Rh、Pd、Te、Re、Mo、Al、Hf、Ta、Mn、Zn、Zr、In、Bi、Ru、W、Ir、Er、La、Ti、及びYから選ばれる一種類以上の元素を含む金属単体または金属化合物を用いることができる。また、これらのケイ化物、ホウ化物、窒化物、または炭化物等の金属系導電材料を用いることもできる。
制御ゲート層250としては、p−metalを用いている。本実施形態ではAuを用いているが、それ以外に、例えば、Pt、Co、Be、Ni、Rh、Pd、Te、Re、Mo、Al、Hf、Ta、Mn、Zn、Zr、In、Bi、Ru、W、Ir、Er、La、Ti、及びYから選ばれる一種類以上の元素を含む金属単体または金属化合物を用いることができる。また、これらのケイ化物、ホウ化物、窒化物、または炭化物等の金属系導電材料を用いることもできる。また、上記した中ではWを用いることが好ましい。
電極間絶縁膜240を構成する高誘電率材料については、本実施形態ではHfAlOxを用いているが、それ以外に、例えばAl、Hf、La、Y、Ce、Ti、Zr、Si、及びTaから選ばれる少なくとも一種類以上の元素を含み、Hfを含む酸化物、窒化物、または酸窒化物を用いることができ、それらの膜の積層物を用いることもできる。また、これらの高誘電体絶縁膜と、Si酸化膜、Si窒化膜、またはSi酸窒化膜を組み合わせた積層物を用いてもよい。
また、膜厚の設計値について、トンネル絶縁膜220の膜厚は、例えば、7〜8nm程度である。浮遊ゲート層230と制御ゲート層250の膜厚は、例えば、30〜60nm程度である。電極間絶縁膜240の膜厚は、例えば、10〜30nm程度である。このとき、浮遊ゲート層230を構成するn型多結晶Si層の仕事関数は約4eVであり、制御ゲート層250を構成するAuの仕事関数は約5eVである。
次に、第5の実施形態の半導体装置の製造方法について説明する。
図17〜図21は、第5の実施形態に係わる不揮発性半導体メモリセルの製造工程について示す。なお、図17〜図21の左図はチャネル長方向の断面図を、右図はチャネル幅方向の断面図を示している。
まず、図17に示すように、所望の不純物をドーピングした半導体基板10上に、トンネル絶縁膜220となるSiON膜を熱酸化法により、膜厚が7〜8nm程度形成する。このとき、半導体基板10にp型Si基板を用いる。次に、トンネル絶縁膜220上に浮遊ゲート層230電極となるリンドープのn型多結晶Si層をCVDで法を用いて60nm程度堆積する。このときの、成長温度は、620℃程度で行うと良い。その後、素子分離加工のためのマスク材280をCVD法により堆積する。
次に、レジストマスク(図示せず)を用いたRIE(Reactive Ion Etching:反応性イオンエッチング)法により、マスク材280、浮遊ゲート層230、トンネル絶縁膜220を順次エッチング加工を施す。その後、半導体基板10の露出領域をエッチングして、深さ100nmの素子分離溝290を形成する。
次に、図18に示すように、シリコン酸化膜から構成される素子分離絶縁膜300をマスク材280上に堆積し、それと同時に、素子分離溝290を素子分離絶縁膜300で完全に埋め込む。その後、素子分離絶縁膜300の表面をCMP法で平坦化する。このとき、マスク材280の上面が露出する程度にCMP法を用いて平坦化する。
次に、図19に示すように、露出したマスク材280を、選択的にエッチング除去する。その後、素子分離絶縁膜300の露出表面を希フッ酸溶液で浮遊ゲート層230の上部が10〜30nm程度露出するようにエッチング除去する。その後、電極間絶縁膜240となる膜厚が10〜30nm程度のHfAlO膜を形成する。このとき、電極間絶縁膜240の膜厚が15nm程度であることが好ましい。また、HfAlO膜は、例えば、Al(CH、Hf[N(CHとHOを原料として250℃でALD法を実施し、続いて1000℃、N、1気圧の雰囲気でアニールを行うことによって形成することができる。
次に、図20に示すように、電極間絶縁膜240上に界面層30となるHfCNのモノレイヤーを堆積する。このとき、界面層30は2原子層以下であることが望ましい。そして、界面層30上に制御ゲート層250の電極となるAuを堆積する。界面層30の形成方法は、第2の実施形態と同様の方法を用いると良い。
なお、これらの膜の形成方法は、ここに例示した方法には限られない。他の原料ガスを用いてもよい。また、ALD、CVD法以外の、例えば、スパッタ法、蒸着法、レーザーアブレーション(Laser ablation)法、もしくはMBE(Molecular Beam Epitaxy:分子線エピタキシー成長)法、またはこれらの手法を組み合わせた成膜形成法を用いてもよい。
その後、レジストマスク(図示せず)を用いたRIE法により、制御ゲート層250電極、界面層30、電極間絶縁膜240、浮遊ゲート層230、トンネル絶縁膜220を順次エッチング加工して、チャネル長方向に沿ってスリット部310を形成する。これにより、制御ゲート層250電極、界面層30、電極間絶縁膜240、浮遊ゲート層230、トンネル絶縁膜220の形状が確定する。
次に、図21に示すように、露出表面に電極側壁酸化膜320となるシリコン酸化膜を熱酸化法で形成する。そして、イオン注入法を用いてn+型のソース・ドレイン領域90を形成して、全面を覆うようにシリコン酸化膜等の層間絶縁膜200をCVD法で形成する。その後は、配線層等を形成して、不揮発性半導体メモリセルを完成させる。
本実施形態を用いれば、EOTの増加を抑制し、EFTを増加させるとともに、特にp−metalの制御ゲート層250に対して、高温熱処理後のEWF低下を抑制することが可能となる。
本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、発明の要旨を逸脱しない範囲において、適宜設計変更することができる。
以下、実施例に基づいて本発明の一例を具体的に説明する。
(実施例)
本発明において、界面層30を導入することの効果を検証するため、以下の通りシミュレーションを行った。
金属層40には、p−metalを用いた。ここでは、白金(Pt)を用いた。また、絶縁膜20にはHfOを用いた。金属層40と絶縁層20の間にCNを含むことを特徴とするHfCNのモノレイヤー層、つまり界面層30を導入することにより、金属層40のEWFについて調べた。
図22は、Pt結晶とHfO結晶との間にHfCNから構成される界面層30が導入されている場合と、されていない場合を示した結晶構造の単位格子についての模式図である。
図22(a)は、Pt結晶とHfO結晶との間にHfCNから構成される界面層30が導入されている場合の結晶構造の模式図を示し、図22(b)はPt結晶とHfO結晶との間にHfCNから構成される界面層30が導入されていない場合の結晶構造の単位格子についての模式図を示している。また、界面は酸素原子から構成されている。なお、図22に、HfCNから構成される界面層30が導入されている場合と導入されていない場合の構造を比較しやすくするため、界面層30にあたる部分を破線で囲って示す。
これらの単位格子について、三次元周期境界条件の下で解析を行った。最上層のPt結晶の表面は真空に接し、最下層のHfO結晶の底面を中心に、上下対称となる構造をモデルとして用いた。即ち、図22(a)では、Pt/HfCN/HfO/HfCN/Ptという構造をモデルとして用い、図22(b)では、Pt/HfO/Ptという構造をモデルとして用いた。
HfCNから構成される界面層30を導入した場合と導入していない場合の構造モデルの実効仕事関数を求めるため、密度汎関数理論に基づく第一原理擬ポテンシャルを用いた第一原理電子構造計算ソフトにより、構造緩和シミュレーションを行った。このソフトでは、基底関数に平面波基底を用いている。
EWFの変化は、界面の双極子モーメントにより、金属及び絶縁体のバンド端の準位が相対的に変化する結果生じると考えられている。ここで、EWFはフェルミ準位をゼロとして測った価電子帯上端(VBM)のエネルギー値(価電子帯バンドオフセット:Valence Band Offset:VBO)を用いて、次の理論式から予測することができる。
EWF=χ+(kα+1)E’−VBO’
k=E/E’―1
α=D/(D+D
VBO’=−VBO
ここで、χは電子親和力であり、Eは実測のバンドギャップ、E’は計算で得られるバンドギャップ、Dは絶縁体の伝導体の実効的状態密度、Dは絶縁体の価電子帯の実効的な状態密度である。
Pt/HfO構造については、上記に記載した値は次のようになった。
χ=2.5、k=0.667、α=0.838、E’=3.6
次に、HfCNから構成される界面層30が導入された場合の構造(Pt/HfCN/HfO/HfCN/Pt)と導入されていない場合の構造(Pt/HfO/Pt)のそれぞれについて、VBO値を求めた。
一般に、バンド端は、状態密度(Density Of States:DOS)から求めることができる。金属/絶縁体界面の構造モデルには、バンドギャップは存在しない。このために、絶縁体領域のバンド端を、界面から離れた場所にある原子周りの状態密度を調べて求める。さらに、HfOの場合はHfの5s軌道の深い準位が鋭いピークとなり、この位置をバルク結晶の値と比較することで、正確なVBO値を求めることができる。
図23は、上記方法によって求めたHfCNから構成される界面層30を導入した場合と導入していない場合のVBO値(Hfの5s軌道準位のシフト)と界面エネルギー値の計算結果を示す図である。
HfCNから構成される界面層30の導入によって、VBO値が−1.1eVから−0.5eVに増加した。これは、界面のダイポールが0.6eV増加したことを示し、EWFが増加したことに値する。また、これと同時に、界面エネルギーが−2eVから−3eVに減少した。これは、1eV安定化したことを示している。
以上のことから、本実施例によって、HfCNから構成される界面層30挿入の効果が確認された。
以上、本発明を実施例に基づいて具体的に説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。上記の実施例に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、本発明の実施例が備える各要素およびその配置などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
10 … 半導体基板
20 … 絶縁膜
30 … 界面層
40 … 金属層
50 … ゲート電極
60 … 側壁絶縁膜
70 … チャネル領域
80 … 浅い拡散領域
90 … ソース・ドレイン領域
100 … サリサイド
110 … 素子分離領域
120 … NMISFET形成領域
130 … PMISFET形成領域
140 … P型ウエル領域
150 … N型エクステンション層
160 … N型拡散層
170 … N型ウエル領域
180 … P型エクステンション層
190 … P型拡散層
200 … 層間絶縁膜
210 … 溝
220 … 第1の絶縁膜(トンネル絶縁膜)
230 … 第1の導電層(浮遊ゲート層)
235 … トラップ層
240 … 第2の絶縁膜(電極間絶縁膜)
245 … 第2の絶縁膜(ブロック膜)
250 … 第2の導電層(制御ゲート層)
255 … 導電層(制御ゲート層)
280 … マスク材
290 … 素子分離溝
300 … 素子分離絶縁膜
310 … スリット部
320 … 電極側壁酸化膜

Claims (8)

  1. 半導体基板と、
    前記半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、且つ、CN基又はCO基を含む界面層と、
    前記界面層上に形成された金属層と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  2. 半導体基板上に形成された絶縁膜と、
    前記絶縁膜上に形成され、且つ、CN基又はCO基を含む界面層と、
    前記界面層上に形成されたゲート電極と、
    前記半導体基板内に形成され、且つ、前記絶縁膜の下に形成されたチャネル領域と、
    前記半導体基板内に形成され、且つ、前記チャネル領域を挟んで形成されたソース・ドレイン領域と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  3. 半導体基板と、
    前記半導体基板内で互いに離間して形成されたソース・ドレイン領域と、
    前記ソース・ドレイン領域の間であって、前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、
    前記トンネル絶縁膜上に形成された浮遊ゲート層と、
    前記浮遊ゲート層上に形成された電極間絶縁膜と、
    前記電極間絶縁膜上に形成され、且つ、CN基又はCO基を含む界面層と、
    前記界面層上に形成された制御ゲート層と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  4. 半導体基板と、
    前記半導体基板内で互いに離間して形成されたソース・ドレイン領域と、
    前記ソース・ドレイン領域の間であって、前記半導体基板上に形成されたトンネル絶縁膜と、
    前記トンネル絶縁膜上に形成されたトラップ層と、
    前記トラップ層上に形成されたブロック膜と、
    前記ブロック膜上に形成され、且つ、CN基又はCO基を含む界面層と、
    前記界面層上に形成された制御ゲート層と、
    を備えたことを特徴とする半導体装置。
  5. 前記界面層が、2原子層以下であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置。
  6. 前記界面層がHfを含むことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置。
  7. 前記半導体基板上に形成された前記絶縁膜がHfOを含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  8. 前記金属層、又は前記ゲート電極、又は前記制御ゲート層がシリコンのミッドギャップよりも大きな仕事関数を有する金属であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012160723A (ja) * 2011-01-13 2012-08-23 Semiconductor Energy Lab Co Ltd 半導体メモリ装置
JP2019079907A (ja) * 2017-10-24 2019-05-23 東京エレクトロン株式会社 半導体装置およびcmosトランジスタ

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