JP2010212515A - 面発光レーザ及びその製造方法、面発光レーザアレイ、光走査装置並びに画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】GaAsコンタクト層の厚さが20nm程度以下である780nm帯又は780nm帯以下に発光波長を有する面発光レーザにおいて、GaAsコンタクト層がダメージを受けることによるコンタクト抵抗の増大や黒色化現象を回避し、低抵抗で安定した特性が得られる面発光レーザ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】化合物半導体基板1上に、下部半導体多層膜反射鏡3、下部スペーサ層4、活性層5、上部スペーサ層6、上部半導体多層膜反射鏡8、コンタクト層9を順に積層した積層膜を形成する積層膜形成工程と、コンタクト層9上に化合物半導体を含む第1の保護膜10を形成する第1の保護膜形成工程と、積層膜の形状を加工する形状加工工程と、形状加工工程の後、第1の保護膜10をエッチングしてコンタクト層9を露出させる第1の保護膜エッチング工程とを有する。
【選択図】図1
【解決手段】化合物半導体基板1上に、下部半導体多層膜反射鏡3、下部スペーサ層4、活性層5、上部スペーサ層6、上部半導体多層膜反射鏡8、コンタクト層9を順に積層した積層膜を形成する積層膜形成工程と、コンタクト層9上に化合物半導体を含む第1の保護膜10を形成する第1の保護膜形成工程と、積層膜の形状を加工する形状加工工程と、形状加工工程の後、第1の保護膜10をエッチングしてコンタクト層9を露出させる第1の保護膜エッチング工程とを有する。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子写真システム、光通信システム及び光インターコネクトシステムに用いられる面発光レーザ及びその製造方法に関し、また、面発光レーザを複数有する面発光レーザアレイを用いた光走査装置並びに画像形成装置に関する。
面発光レーザ(Vertical Cavity Surface Emitting LASER;VCSEL)は、半導体基板の表面にレーザ共振器を形成したものであり、レーザ共振器で発振させた発振光を、半導体基板の表面と垂直な方向に出射するように構成されている。具体的には、面発光レーザ(VCSEL)は、基板側及び表面側に、出射するレーザ光に対して高い反射率を有し、対向する一対の反射鏡が設けられている。一対の反射鏡の間に活性層が設けられ、更に、一対の反射鏡のそれぞれの反射鏡と活性層との間には、それぞれスペーサ層が設けられている。
面発光レーザ(VCSEL)は、次のような利点を有する。第1に、活性層の体積を小さくすることができるため、駆動電流が低く、駆動する際の消費電力が低い。第2に、共振器のモード体積が小さいため、数十GHzの変調が可能であり、高速伝送に適している。第3に、面発光レーザは、端面発光型レーザに比べ、製造プロセスにおいて基板をへき開する必要がなく、素子面積が小さいため、並列配置させ、二次元高密度アレイを容易に構成することができる。
上記のような利点を有するため、面発光レーザは、LAN(Local Area Network)等のネットワーク上の光伝送用光源への適用のみならず、電子機器のボード間又はボード内、更にはLSI(Large Scale Integrated circuit)チップ間又はチップ内の光伝送用光源へ適用することも可能であると期待されている。また、面発光レーザを複数有する面発光レーザアレイを用いて光走査装置を形成することにより、レーザプリンタ等の画像形成装置への適用することも可能であると期待されている。
図14は、従来の面発光レーザの素子構造を示す図である。図14に示すように、面発光レーザ120は、n−GaAs単結晶基板101上に、下部半導体多層膜反射鏡(Distributed Bragg Reflector:DBR)層103と、ドープしていないアンドープ下部AlGaAsスペーサ層104と、AlGaAs/GaAsの活性層105と、ドープしていないアンドープ上部AlGaAsスペーサ層106と、p−AlAs選択酸化層107と、上部半導体多層膜反射鏡(DBR)層108と、p−GaAsコンタクト層109とを、順に積層し、メサ構造に形状加工された積層膜を有する。下部DBR層103は、例えば数十対のn−Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asよりなる。ドープしていないアンドープ下部AlGaAsスペーサ層104は、例えばAl0.6Ga0.4Asよりなる。活性層105は、例えばAl0.1Ga0.9As/Al0.3Ga0.7As多重量子井戸構造(Multi-Quantum Well:MQW)活性層よりなる。ドープしていないアンドープ上部AlGaAsスペーサ層106は、例えばAl0.6Ga0.4Asよりなる。p−AlAs選択酸化層107は、AlAs層を選択酸化して電流狭窄構造を構成するためのものである。上部DBR層108は、例えば数十対のp−Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asよりなる。
また、図14に示すように、従来の面発光レーザ120においては、メサ構造に形状加工された積層膜は、素子の絶縁のための保護膜112で被覆されている。保護膜112としては、例えばSiO2膜又はSiN膜が用いられる(例えば特許文献1、2参照)。また、保護膜112の一部は、メサ構造に形状加工された積層膜の上面において開口された開口部を有し、開口部においてp−GaAsコンタクト層109と接続されるようにp側電極113が形成される。また、n−GaAs単結晶基板101の下面には、n側電極102が形成される。
ところが、上記の面発光レーザにおいて、次のような問題があった。
面発光レーザを製造する製造工程の途中の工程において、積層膜の最表層であるp−GaAsコンタクト層109は、種々のダメージを受ける。例えば、保護膜112を成膜する工程のように、p−GaAsコンタクト層109表面にCVD法によりSiO2膜、SiN膜等を成膜する工程が数工程あり、それらの工程において、プラズマに曝されプラズマダメージを受ける場合がある。
また、熱履歴によりp−GaAsコンタクト層109の表層においてGaAsからAsが脱離させられることによって、p−GaAsコンタクト層109の表層から10nm程度の深さにわたり、GaAsの組成がストイキオメトリ(化学量論組成)の組成からずれたり、あるいはGaAsの内部に結晶欠陥が生成し、GaAs変質層になる場合がある。
GaAs変質層はバッファードフッ酸によりエッチングされやすいため、その後保護膜の一部を開口し、コンタクトホールを形成する工程を行う際に、基板がバッファードフッ酸に曝される際に、GaAs変質層が10nm程度エッチングされてしまう場合がある。
p−GaAsコンタクト層が厚い場合には、ダメージを受けたp−GaAsコンタクト層の表層10nm程度がエッチングされても下層のAlGaAs層が露出することはない。しかしながら、780nm帯又は780帯以下に発光波長を有する面発光レーザの場合、p−GaAsコンタクト層における発振光の吸収分が増加してしまうため、コンタクト層の厚さは20nm程度と薄くせざるを得ない。すなわち、780nm帯又は780nm帯以下に発光波長を有する面発光レーザの場合、下層のAlGaAs層が露出しないようにp−GaAsコンタクト層を厚くすることができないため、ダメージを受けたp−GaAsコンタクト層の表層10nm程度がエッチングされて下層のAlGaAs層が露出してしまうという問題があった。
p−GaAsコンタクト層がエッチングされて露出されたAlGaAs層の表面に上部電極が形成される場合、コンタクト抵抗が増大し、面発光レーザの素子の駆動電圧が高くなってしまうか、又はp−GaAsコンタクト層が黒色化して変質してしまうという問題があった。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、GaAsコンタクト層の厚さが20nm程度以下である780nm帯又は780nm帯以下に発光波長を有する面発光レーザにおいて、GaAsコンタクト層がダメージを受けることによるコンタクト抵抗の増大や黒色化現象を回避し、低抵抗で安定した特性が得られる面発光レーザ及びその製造方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために本発明では、次に述べる各手段を講じたことを特徴とするものである。
第1の発明に係る面発光レーザの製造方法は、化合物半導体基板上に、下部半導体多層膜反射鏡、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、上部半導体多層膜反射鏡、コンタクト層を順に積層した積層膜を形成する積層膜形成工程と、前記コンタクト層上に化合物半導体を含む第1の保護膜を形成する第1の保護膜形成工程と、前記積層膜の形状を加工する形状加工工程と、前記形状加工工程の後、前記第1の保護膜をエッチングして前記コンタクト層を露出させる第1の保護膜エッチング工程とを有する。
第2の発明は、第1の発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記コンタクト層はGaAsを含み、前記第1の保護膜はInGaPを含むことを特徴とする。
第3の発明は、第1又は第2の発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記形状加工工程の後、前記第1の保護膜エッチング工程の前に、前記第1の保護膜の上に第2の保護膜を形成する第2の保護膜形成工程と、前記第2の保護膜をエッチングする第2の保護膜エッチング工程とを有する。
第4の発明は、第1から第3のいずれかの発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記第2の保護膜は、SiO2、SiNx、SiOxNyのいずれか1つからなることを特徴とする。
第5の発明は、第2の発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記第1の保護膜のエッチング工程において、塩酸または硫酸をエッチャントとして用いることを特徴とする。
第6の発明は、第1から第5のいずれかの発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記積層膜形成工程と前記第1の保護膜形成工程とを同一のチャンバ内で連続して行うことを特徴とする。
第7の発明は、第1から第6のいずれかの発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記活性層より得られる発振光の波長は、780nm帯又は780nm以下であることを特徴とする。
第8の発明は、第1から第7のいずれかの発明に係る面発光レーザの製造方法において、前記第1の保護膜の光学長は、前記活性層より得られる発振光の波長の1/2の整数倍であることを特徴とする。
第9の発明に係る面発光レーザは、化合物半導体基板上に形成され、下部半導体多層膜反射鏡、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、上部半導体多層膜反射鏡、コンタクト層が順に積層された積層膜と、前記コンタクト層上に化合物半導体を含む第1の保護膜を介して形成された第2の保護膜とを有する。
第10の発明は、第9の発明に係る面発光レーザにおいて、前記コンタクト層はGaAsを含み、前記第1の保護膜はInGaPを含むことを特徴とする。
第11の発明は、第9又は第10の発明に係る面発光レーザにおいて、前記第2の保護膜は、SiO2、SiNx、SiOxNyのいずれか1つからなることを特徴とする
第12の発明は、第9から第11のいずれかの発明に係る面発光レーザにおいて、前記活性層より得られる発振光の波長は、780nm帯又は780nm以下であることを特徴とする。
第12の発明は、第9から第11のいずれかの発明に係る面発光レーザにおいて、前記活性層より得られる発振光の波長は、780nm帯又は780nm以下であることを特徴とする。
第13の発明は、第9から第12のいずれかの発明に係る面発光レーザにおいて、前記第1の保護膜の光学長は、前記活性層より得られる発振光の波長の1/2の整数倍であることを特徴とする。
第14の発明に係る面発光レーザアレイは、第9から第13のいずれかの発明に係る面発光レーザを複数有する。
第15の発明は、光ビームによって被走査面上を走査する光走査装置であって、第14の発明に係る面発光レーザアレイを有する光源ユニットと、前記光源ユニットからの光ビームを偏向する偏向手段と、前記偏向手段で変更された光ビームを被走査面上に集光する走査光学系とを備える。
第16の発明に係る画像形成装置は、光ビームにより静電潜像を形成する像担持体と、前記像担持体に対して画像情報が含まれる光ビームを走査する請求項15に記載の光走査装置と、前記像担持体に形成された静電潜像を転写対象物に転写する転写手段とを備える。
本発明によれば、GaAsコンタクト層の厚さが20nm程度以下である780nm帯又は780nm帯以下に発光波長を有する面発光レーザにおいて、GaAsコンタクト層がダメージを受けることによるコンタクト抵抗の増大や黒色化現象を回避し、低抵抗で安定した特性が得られる。
次に、本発明を実施するための形態について図面と共に説明する。
(第1の実施の形態)
最初に、本発明の第1の実施の形態に係る面発光レーザ及びその製造方法について説明する。
(第1の実施の形態)
最初に、本発明の第1の実施の形態に係る面発光レーザ及びその製造方法について説明する。
図1は、本実施の形態に係る面発光レーザの構造を模式的に示す断面図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る面発光レーザ20は、化合物半導体基板1上に、下部DBR層3と、下部スペーサ層4と、活性層5と、上部スペーサ層6と、選択酸化層7と、上部DBR層8と、コンタクト層9とを、順に積層した積層膜を有する。化合物半導体基板1は、n−GaAs単結晶基板よりなる。下部DBR層3は、例えば数十対のn−Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asよりなる。下部スペーサ層4は、ドープしていないアンドープ下部AlGaAsスペーサ層4であり、例えばAl0.6Ga0.4Asよりなる。活性層5は、例えばAl0.1Ga0.9As/Al0.3Ga0.7As多重量子井戸構造(MQW)活性層よりなる。上部スペーサ層6は、ドープしていないアンドープ上部AlGaAsスペーサ層6であり、例えばAl0.6Ga0.4Asよりなる。選択酸化層7は、p−AlAsよりなり、AlAs層を選択酸化して電流狭窄構造を構成するためのものである。上部DBR層8は、例えば数十対のp−Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asよりなる。コンタクト層9は、例えばp−GaAsよりなる。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る面発光レーザ20においては、積層膜は、素子の絶縁のための保護膜12で被覆されている。保護膜12は、本発明における第2の保護膜に相当するものである。保護膜12としては、例えばSiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜が用いられる。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る面発光レーザ20においては、積層膜のコンタクト層9と保護膜12との間に、コンタクト層保護層10、メサマスク11を有する。コンタクト層保護層10は、InGaPよりなり、積層膜をメサ構造に形状加工する際及びメサ構造に形状加工された積層膜を保護膜12で被覆する際に、コンタクト層9を保護するためのものである。コンタクト層保護層10の材料としては、InGaPの他に、例えば、AlInGaP、AlInPが用いられる。メサマスク11は、積層膜をメサ構造に形状加工する際のマスクとなるものである。メサマスク11としては、例えばSiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜が用いられる。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る面発光レーザ20においては、保護膜12、メサマスク11、コンタクト層保護層10は、メサ構造の中心部において、開口され、開口部が設けられている。開口部の周縁及び保護膜12を被覆するように、p側電極13が形成される。p側電極13は、コンタクト層9をメサ構造の外部と電気的に接続するためのものである。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る面発光レーザ20においては、化合物半導体基板1の裏面に、n側電極2が形成されている。
次に、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法について説明する。
図2は、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法の各工程の手順を説明するための工程図である。図3A及び図3Bは、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法の各工程における面発光レーザの構造を模式的に示す断面図である。また、図2のステップS11からステップS19の各々の工程が行われた後の面発光レーザの構造は、図3A(a)から図3C(i)の各々の断面図で示される構造に対応する。
本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法は、図2に示されるように、積層膜形成工程と、第1の保護膜形成工程と、メサマスク形成工程と、形状加工工程と、酸化工程と、第2の保護膜形成工程と、第2の保護膜エッチング工程と、第1の保護膜エッチング工程と、p側電極形成工程とを含む。積層膜形成工程はステップS11を含み、第1の保護膜形成工程はステップS12を含み、メサマスク形成工程はステップS13を含み、形状加工工程はステップS14を含み、酸化工程はステップS15を含み、第2の保護膜形成工程はステップS16を含み、第2の保護膜エッチング工程はステップS17を含み、第1の保護膜エッチング工程はステップS18を含み、p側電極形成工程はステップS19を含む。
始めに、ステップS11を含む積層膜形成工程を行う。ステップS11は、化合物半導体基板1上に、下部DBR層3、下部スペーサ層4、活性層5、上部スペーサ層6、選択酸化層7、上部DBR層8、コンタクト層9を順に積層した積層膜を形成する工程である。図3A(a)は、ステップS11が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS11では、図3A(a)に示されるように、化合物半導体基板1の上に、下から順に下部DBR層3、下部スペーサ層4、活性層5、上部スペーサ層6、選択酸化層7、上部DBR層8、コンタクト層9を積層した積層膜を形成する。具体的には、MOCVD(Metal Organic Chemical Vapor Deposition)法(有機金属化学気相成長法)やMBE(Molecular Beam Epitaxy)法(分子ビームエピタキシー法)等の成膜方法を用い、n−GaAs単結晶基板よりなる化合物半導体基板1上に、数十対のn−Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asよりなる下部DBR層3と、ドープしていないアンドープAl0.6Ga0.4Asよりなる下部スペーサ層4と、Al0.1Ga0.9As/Al0.3Ga0.7As多重量子井戸構造(MQW)活性層よりなる活性層5と、ドープしていないアンドープAl0.6Ga0.4Asよりなる上部スペーサ層6と、p−AlAsよりなる選択酸化層7と、数十対のp−Al0.3Ga0.7As/Al0.9Ga0.1Asよりなる上部DBR層8と、p−GaAsよりなるコンタクト層9とを順に積層した積層膜を形成する。
次に、ステップ12を含む第1の保護膜形成工程を行う。ステップS12は、積層膜のコンタクト層9上に化合物半導体を含む第1の保護膜であるコンタクト層保護層10を形成する工程である。図3A(b)は、ステップS12が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS12では、図3A(b)に示すように、積層膜のp−GaAsよりなるコンタクト層9の上に、InGaPよりなるコンタクト層保護層10を積層する。具体的には、MOCVD法やMBE法等の成膜方法を用いる。また、積層膜形成工程であるステップS11と第1の保護膜形成工程であるステップS12とを、同一のチャンバ内で連続して行うことができる。
次に、ステップS13を含むメサマスク形成工程を行う。ステップS13は、InGaPよりなるコンタクト層保護層10の上にマスク材を形成し、メサ構造に形状加工してメサマスク11を形成する工程である。メサマスク11は、ステップS14を含む形状加工工程において、第1の保護膜であるコンタクト保護層10及び積層膜をエッチングして形状を加工し、活性層近傍に電流及び光を閉じ込めるため、又は寄生容量を低減して高速変調を可能にするためのメサ構造を形成するためのマスクである。図3A(c)は、ステップS13が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS13では、図3A(c)に示すように、CVD(Chemical Vapor Deposition)法(化学気相成長法)等により、コンタクト層保護層10が形成された化合物半導体基板1の全面にCVD法等により、SiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜等のマスク材を成膜し、成膜されたマスク材の上にレジストを塗布、パターン露光、現像を行うフォトリソグラフィを行ってレジストのパターニングを行い、パターニングされたレジストをエッチングマスクに用いてマスク材のエッチングを行ってメサマスク11を形成する。又は、パターニングされたレジスト自体をメサマスクとしてもよい。
次に、ステップS14を含む形状加工工程を行う。ステップS14は、積層膜をメサ構造に形状加工する工程である。本実施の形態では、積層膜はコンタクト層保護層10で被覆されているため、ステップS14は、メサマスク11をマスクに用い、コンタクト層保護層10で被覆された積層膜をメサ構造(柱状構造)に形状加工するエッチング工程を行う工程である。図3B(d)は、ステップS14が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ドライエッチング法とウェットエッチング法とでは、側壁を基板面に対して垂直に近い角度に加工することができること、メサ構造を形成する積層膜の基板面内の寸法を高い精度で加工することができること、等の利点があるため、ドライエッチング法がより好適に用いられる。また、通常は、積層膜の表面から内部に進行するエッチングの先端が、下部DBR層3に達するように、エッチング加工が行われる。
ステップS14では、図3B(d)に示すように、Cl2、BCl3、SiCl4等のガスをエッチングガスとして用いる反応性イオンエッチング法、誘導結合プラズマエッチング法等のドライエッチング法、ウェットエッチング法又はドライエッチング法及びウェットエッチング法を組合せることによってコンタクト層保護層10及び積層膜をエッチングし、メサ構造の形成を行う。ステップS15の酸化工程を行って選択酸化層7の周縁部を酸化させるため、少なくともコンタクト層保護層10及び積層膜のコンタクト層9から選択酸化層7までの各層が形状加工され、メサ構造が形成される。図3B(d)に示す例では、積層膜のコンタクト層9から下部スペーサ層4までが形状加工されている。これは、下部スペーサ層4がその下層である下部DBR層3に対して高いエッチングの選択比を有しており、その高い選択比を利用して、下部DBR層3をエッチングストップ層として用いるためである。
次に、ステップS15を含む酸化工程を行う。ステップS15は、形状加工工程の後、メサ構造を有するAlAsよりなる選択酸化層7の周縁部を酸化する工程である。図3B(e)は、ステップS15が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS15では、図3B(e)に示すように、水蒸気中で熱処理して酸化を行うことにより、形状加工工程によりメサ構造が形成され側面が露出した積層膜のAlAsよりなる選択酸化層7の周縁部を酸化させ、AlxOyの絶縁層にすることができる。AlAsよりなる選択酸化層7の周縁部を酸化させることにより、メサ構造を有する素子を駆動する駆動電流の経路を、AlAsよりなる選択酸化層7の中心部であって酸化されていない領域のみに制限する電流狭窄構造を形成することができる。
次に、ステップS16を含む第2の保護膜形成工程を行う。ステップS16は、第1の保護膜の上に第2の保護膜である保護膜12を形成する工程である。図3B(f)は、ステップS16が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS16では、図3B(f)に示すように、メサ構造を被覆するように、CVD法等によりSiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜等よりなる保護膜12を形成する。なお、ステップS15を含む酸化工程の後、メサマスク11を除去し、ステップS16を含む第2の保護膜形成工程において、メサマスク11の除去されたメサ構造を被覆するように、保護膜12を形成してもよい。
次に、ステップS17を含む第2の保護膜エッチング工程を行う。ステップS17は、第2の保護膜である保護膜12をエッチングして第1の保護膜であるコンタクト層保護層10を露出させる工程である。図3C(g)は、ステップS17が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS17では、図3C(g)に示すように、保護膜12及びメサマスク11で被覆されたメサ構造の電極取出し部と光出力部よりなる開口部となる領域を除いた領域をフォトレジスト等でパターニングし、SiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜等の保護膜12及びメサマスク11を、例えばバッファードフッ酸等のエッチャントを用いてエッチング除去する。
次に、ステップS18を含む第1の保護膜エッチング工程を行う。ステップS18は、第1の保護膜であるコンタクト層保護層10をエッチングしてコンタクト層9を露出させる工程である。図3C(h)は、ステップS18が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS18では、図3C(h)に示すように、InGaPよりなるコンタクト層保護層10をp−GaAsよりなるコンタクト層9に対して高い選択比を維持しながらエッチングすることができるエッチャント、例えば加熱した硫酸、加熱した塩酸等によりエッチングを行い、メサ構造の電極取出し部と光出力部よりなる開口部となる領域において、p−GaAsよりなるコンタクト層9を露出させる。
次に、ステップS19を含むp側電極形成工程を行う。ステップS19は、メサ構造の開口部のうち電極取出し部となる領域において、p側電極を形成する工程である。図3C(i)は、ステップS19が行われた後の面発光レーザの構造を示す断面図である。
ステップS19では、図3C(i)に示すように、従来と同様のプロセスを行うことにより、メサ構造の開口部のうち電極取出し部となる領域において、p側電極13を形成する。
また、p側電極形成工程の後は、従来と同様なプロセスを行うことにより、n側電極を所定の箇所に形成することができ、図1に示すような構造を有する面発光レーザを製造することができる。
次に、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法において、メサマスク形成工程、形状加工工程、酸化工程、第2の保護膜形成工程、第2の保護膜エッチング工程、第1の保護膜エッチング工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果について説明する。
まず、本実施の形態に係る面発光レーザにおいて、メサマスク形成工程、酸化工程、第2の保護膜形成工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果について説明する。
最初に、CVD法等によりSiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜等よりなるマスク材又は保護膜12を形成する工程であるメサマスク形成工程及び第2の保護膜形成工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果を説明する。
ここで、比較のため従来の面発光レーザの製造方法について説明する。図4は、従来の面発光レーザの製造方法の各工程の手順を説明するための工程図である。図5A及び図5Bは、従来の面発光レーザの製造方法の各工程における面発光レーザの構造を模式的に示す断面図である。また、図4のステップS111からステップS118の各々の工程が行われた後の面発光レーザの構造は、図5A(a)から図5B(h)の各々の断面図で示される構造に対応する。
従来の面発光レーザの製造方法は、図14に示す従来の面発光レーザを製造する製造方法であり、図4に示すように、積層膜形成工程と、メサマスク形成工程と、形状加工工程と、酸化工程と、メサマスクエッチング工程と、保護膜形成工程と、保護膜エッチング工程と、p側電極形成工程とを含む。積層膜形成工程はステップS111を含み、メサマスク形成工程はステップS112を含み、形状加工工程はステップS113を含み、酸化工程はステップS114を含み、メサマスクエッチング工程はステップS115を含み、保護膜形成工程はステップS116を含み、保護膜エッチング工程はステップS117を含み、p側電極形成工程はステップS118を含む。
始めに、ステップS111を含む積層膜形成工程を行う。ステップS111は、図5A(a)に示すように、化合物半導体基板101上に、下部DBR層103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、選択酸化層107、上部DBR層108、コンタクト層109を順に積層した積層膜を形成する工程である。
次に、ステップS112を含むメサマスク形成工程を行う。ステップS112は、図5A(b)に示すように、コンタクト層109の上にマスク材を形成し、メサ構造に形状加工してメサマスク111を形成する工程である。
次に、ステップS113を含む形状加工工程を行う。ステップS113は、図5A(c)に示すように、Cl2、BCl3、SiCl4等のガスをエッチングガスとして用いる反応性イオンエッチング法、誘導結合プラズマエッチング法等のドライエッチング法、ウェットエッチング法又はドライエッチング法及びウェットエッチング法を組合せることによって積層膜をエッチングし、メサ構造の形成を行う。積層膜の少なくともコンタクト層109から選択酸化層107までの各層が形状加工され、メサ構造が形成される。
次に、ステップS114を含む酸化工程を行う。ステップS114は、図5A(d)に示すように、形状加工工程の後、水蒸気中で熱処理して酸化を行い、メサ構造を有するAlAsよりなる選択酸化層107の周縁部を酸化する工程である。
次に、ステップS115を含むメサマスクエッチング工程を行う。メサマスクエッチング工程は、図5B(e)に示すように、バッファードフッ酸等のエッチャントを用いて、メサマスク111をエッチングする工程である。
次に、ステップS116を含む保護膜形成工程を行う。ステップS116は、図5B(f)に示すように、メサ構造を被覆するように、CVD法等によりSiO2膜、SiN膜等よりなる保護膜112を形成する工程である。
次に、ステップS117を含む保護膜エッチング工程を行う。ステップS117は、図5B(g)に示すように、保護膜112をエッチングし、メサ構造の電極取出し部と光出力部よりなる開口部となる領域においてメサ構造のコンタクト層109を露出させる工程である。
最後に、ステップS118を含むp側電極形成工程を行う。ステップS118は、図5B(h)に示すように、メサ構造の開口部のうち電極取出し部となる領域において、p側電極113を形成する工程である。
従来の面発光レーザの製造方法では、保護膜形成工程を行って、CVD法等によりSiO2膜、SiN膜等よりなる保護膜112を成膜する際に、p−GaAsよりなるコンタクト層109はプラズマに曝されプラズマにより劣化、変質されるプラズマダメージを受ける。
一方、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法では、積層膜のコンタクト層9が第1の保護膜であるコンタクト層保護層10で被覆されているため、メサマスク形成工程又は第2の保護膜形成工程を行って、CVD法等によりSiO2膜、SiNx膜、又はSiOxNy膜等よりなるマスク材又は保護膜12を成膜する際に、コンタクト層保護層10自体がプラズマダメージを受けることはあっても、コンタクト層9がプラズマダメージを受けることがない。従って、メサマスク形成工程及び第2の保護膜形成工程を行う際に、コンタクト層9は劣化、変質されることがない。
次に、メサ構造を有するAlAsよりなる選択酸化層7の周縁部を酸化する工程である酸化工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果を、図6A及び図6Bを用いて説明する。図6A及び図6Bは、従来の別の面発光レーザの製造方法の各工程における面発光レーザの構造を模式的に示す断面図である。
図6A及び図6Bに示す従来の別の面発光レーザの製造方法では、従来の面発光レーザの製造工程を簡略化するために、メサマスクを単層のレジストとしている。図6A(a)から図6A(c)までは、図5A(a)から図5A(c)に示す従来の面発光レーザの製造工程と同一である。また、図6B(f)から図6B(h)までは、図5B(f)から図5B(h)に示す従来の面発光レーザの製造工程と同一である。
メサマスク111をレジスト単層とした場合には、図6B(e)に示す酸化工程の前に、図6A(d)に示すようにレジストよりなるメサマスク111を除去し、p−GaAsコンタクト層の表面を露出させ、その後、図6B(e)に示すようにレジストよりなるメサマスク111が除去されたメサ構造を酸化する酸化工程を行う。その結果、コンタクト層109は、図6A(b)に示すメサマスク形成工程、図6B(f)に示す保護膜形成工程においてプラズマダメージを受け、図6B(g)に示す保護膜エッチング工程においてバッファードフッ酸によるダメージを受けるのに加え、図6B(e)に示す酸化工程において、水蒸気による酸化のダメージを受ける。
一方、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法では、積層膜のコンタクト層9が第1の保護膜であるコンタクト層保護層10で被覆されているため、第2の保護膜成膜工程を行う際に、コンタクト層9がプラズマに曝されて劣化、変質等のダメージを受けることがなく、酸化工程を行う際にも、酸化によって劣化、変質等のダメージを受けることがない。従って、第1の保護膜エッチング工程を行う際に、コンタクト層9がバッファードフッ酸等のエッチャントに曝されて膜厚が減少するおそれがない。
次に、バッファードフッ酸等のエッチャントを用いて第2の保護膜である保護膜12をエッチングして第1の保護膜であるコンタクト層保護層10を露出させる工程である第2の保護膜エッチング工程、更に第1の保護膜であるコンタクト層保護層10をエッチングしてコンタクト層9を露出させる第1の保護膜エッチング工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果を説明する。
まず、バッファードフッ酸等のエッチャントを用いて第2の保護膜である保護膜12をエッチングして第1の保護膜であるコンタクト層保護層10を露出させる工程である第2の保護膜エッチング工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果を説明する。
従来の面発光レーザの製造方法では、保護膜エッチング工程を行って、保護膜112をエッチングしてコンタクト層109を露出させる際に、コンタクト層109は、例えばバッファードフッ酸等のエッチャントに曝される。コンタクト層109がバッファードフッ酸等のエッチャントによってエッチングされる結果、コンタクト層109の膜厚が減少する。図7、表1及び図8を用いてコンタクト層109がエッチングされるエッチング量及びその結果コンタクト抵抗が増大する効果を説明する。
上述したように、従来の面発光レーザを製造する製造工程の途中の工程において、積層膜の最表層であるp−GaAsよりなるコンタクト層109は、種々のダメージを受ける。例えば、保護膜112を成膜する保護膜形成工程のように、p−GaAsよりなるコンタクト層109の表面にCVD法によりSiO2膜、SiN膜等を成膜する工程が数工程あり、それらの工程において、プラズマに曝されプラズマダメージを受ける場合がある。
また、熱履歴によりp−GaAsよりなるコンタクト層109の表層においてGaAsからAsが脱離させられることによって、p−GaAsよりなるコンタクト層109の表層から10nm程度の深さにわたり、GaAsの組成がストイキオメトリ(化学量論組成)の組成からずれたり、あるいはGaAsの内部に結晶欠陥が生成し、GaAs変質層になる場合がある。
GaAs変質層はバッファードフッ酸によりエッチングされやすいため、その後保護膜の一部を開口し、コンタクトホールを形成する保護膜エッチング工程において、基板がバッファードフッ酸に曝される際に、GaAs変質層が10nm程度エッチングされてしまう場合がある。また、GaAsがメサ構造の面内で不均一に変質されていた場合、ピンホール状にエッチングが進行し、ピンホール状にエッチングが進行する場所においては20〜30nm程度までエッチングされる場合もある。
図7は、従来の面発光レーザの製造方法における保護膜エッチング工程におけるGaAsコンタクト層の膜厚の減少量のエッチング時間依存性を示すグラフである。具体的には、保護膜エッチング工程を行う前のGaAsコンタクト層の膜厚をT0とし、エッチング時間を55秒、1分30秒、2分と変えて保護膜エッチング工程を行った素子のGaAsコンタクト層の膜厚をT1としたときの、T0−T1をGaAsコンタクト層の膜厚の減少量ΔTとした。また、図7において、同じエッチング時間に対応する複数のデータは、複数の素子のそれぞれのGaAsコンタクト層の膜厚の減少量ΔTを示しており、Aveで示されるデータは、複数の素子のそれぞれのGaAsコンタクト層の膜厚の減少量ΔTの平均値を示す。図7に示すように、エッチング時間が増大するにつれてGaAsコンタクト層の膜厚の減少量ΔTが増大する。
表1は、従来の面発光レーザの製造方法における保護膜エッチング工程を行った後、電極とコンタクト層との間のコンタクト抵抗を測定した測定結果を示す。また図8は、表1の結果を示すグラフである。具体的には、保護膜エッチング工程を行ってGaAsコンタクト層の膜厚が減少した複数の素子について、化合物半導体基板1とn側電極2との間のコンタクト抵抗が一定との仮定のもとで、p側電極とn側電極との間の抵抗を測定することによって、p側電極とGaAsコンタクト層との間のコンタクト抵抗を測定した。
p側電極を形成する電極取出し領域において、AlGaAs層の露出がおこると、GaAsコンタクト層ではなく、AlGaAs層にp側電極が接触することになるため、コンタクト抵抗が増大してしまう。
さらに、電極取出し領域のGaAsコンタクト層が全てエッチングされて完全にAlGaAs層が露出している場合、GaAsコンタクト層が部分的に残っている場合など、同領域の状態がサンプルによって異なるため、素子間の駆動電流のばらつきも増大する。
また、AlGaAsは酸化されやすいため、AlGaAs層が露出すると、露出したAlGaAs層が空気中の酸素や水分によって酸化され、黒色化してしまう。出射口から出射すべきレーザが表層の黒色化したAlGaAs酸化層で吸収されて発振光の出力が低下してしまう。
一方、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法では、積層膜のコンタクト層9が第1の保護膜であるコンタクト層保護層10で被覆されているため、第1の保護膜エッチング工程を行う際に、コンタクト層保護層10がバッファードフッ酸等のエッチャントに曝されることはあっても、コンタクト層9自体がバッファードフッ酸等のエッチャントに曝されることがない。従って、第1の保護膜エッチング工程を行う際に、コンタクト層9の膜厚は減少するおそれがない。
次に、第1の保護膜であるコンタクト層保護層10をエッチングしてコンタクト層9を露出させる第1の保護膜エッチング工程において、コンタクト層9が劣化、変質等のダメージを受けることがない作用効果を説明する。
本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法では、第2の保護膜エッチング工程において、コンタクト層保護層10を塩酸、硫酸等のエッチャントを用いてエッチングする際に、コンタクト層保護層10がコンタクト層9に対して高いエッチング選択比を有するため、コンタクト層保護層10のみをエッチング除去することができる。
また、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法では、第1の保護膜形成工程、メサマスク形成工程および形状加工工程、酸化工程、第2の保護膜形成工程および第2の保護膜エッチング工程において、コンタクト層9は劣化、変質等のダメージを受けていない上、コンタクト層9を露出させる第1の保護膜エッチング工程においても、劣化、変質等のダメージを受けたGaAsコンタクト層9がバッファードフッ酸に曝されることがないため、コンタクト層9の膜厚が減少したり、ピンホールが発生してしまうおそれはない。
図9は、本実施の形態に係る面発光レーザの素子表面を、従来の面発光レーザの素子表面と比較して示す写真である。本実施の形態に係る製造方法により製造した面発光レーザの素子表面を図9(a)に示し、従来の製造方法により製造した面発光レーザの素子表面を図9(b)に示す。図9(b)に示すように、従来の製造方法により製造した面発光レーザのメサ構造の中心であるコンタクト層が露出している領域において、ピンホールが形成されているのが観察されるが、図9(a)に示すように、本実施の形態に係る製造方法により製造した面発光レーザのメサ構造の中心であるコンタクト層が露出している領域においては、ピンホールは形成されていない。
なお、従来の面発光レーザの製造方法で、図5B(e)に示すメサマスクエッチング工程を行わず、保護膜112及びメサマスク111の二層の保護膜を後で一括にエッチング除去する場合も、メサマスク形成工程においてSiO2膜、SiN膜等のマスク材を形成する際に、コンタクト層109がプラズマに曝されプラズマダメージを受けること、及び保護膜エッチング工程においてコンタクト層109上の電極取出し部と光出力部の絶縁膜(SiO2膜、SiN膜等)をエッチング除去する際に、コンタクト層109がバッファードフッ酸等のエッチャントに曝されることは免れない。
図8に示すように、従来の面発光レーザの製造方法では、保護膜エッチング工程において、バッファードフッ酸等のエッチャントによりコンタクト層の膜厚が減少し、所定の膜厚よりも膜厚が小さくなると、コンタクト抵抗が増大してしまう。従って、バッファードフッ酸等のエッチャントにより膜厚が減少しても所定の膜厚よりも膜厚が小さくならないように、コンタクト層を形成する際に、形成するコンタクト層の膜厚を増大させることも考えられる。コンタクト層の膜厚を大きくすることによって、保護膜形成工程においてプラズマに曝されて劣化、変質等のプラズマダメージを受けることを抑制することができるからである。
しかしながら、コンタクト層の膜厚を増大させると、面発光レーザの発振光がコンタクト層を通過する際の光吸収分が大きくなってしまうという問題がある。半導体レーザが端面型発光レーザである場合、又は発振光の波長が長い面発光レーザである場合には、通常、上部電極に接している最表層であるp−GaAsよりなるコンタクト層の厚さは50nm〜数μmとすることができるが、780nm帯の面発光レーザの場合は、p−GaAsよりなるコンタクト層の膜厚を増大させると、面発光レーザの発振光がp−GaAsコンタクト層を通過する際の光吸収分が大きくなるために、面発光レーザを駆動するための駆動電流が著しく増大してしまう。従って、780nm帯の面発光レーザの場合は、光吸収分を低減させるために、p−GaAsよりなるコンタクト層の厚さを数〜20nm程度に小さくしなくてはならない。
一方、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法においては、積層膜のコンタクト層9が、塩酸、硫酸等のエッチャントを用いる場合にコンタクト層9と高いエッチング選択比を有する第1の保護膜であるコンタクト層保護層10で被覆されているため、第2の保護膜成膜工程及び第1の保護膜エッチング工程を行った後に、第1の保護膜であるコンタクト層保護層10を容易に除去することができる。従って、面発光レーザの発振光がコンタクト層を通過する際の光吸収分が大きくなることがない。
図10は、本実施の形態に係る面発光レーザの駆動電流の素子間のばらつきを、従来の面発光レーザの駆動電流の素子間のばらつきと比較して示すグラフである。本実施の形態に係る製造方法により製造した面発光レーザのグラフを図10(a)に示し、従来の製造方法により製造した面発光レーザのグラフを図10(b)に示す。横軸は駆動電流の平均値からの差を百分率で示し、縦軸はそれぞれの駆動電流に対応する素子チャンネル数を示している。図10(a)及び図10(b)に示すように、本実施の形態に係る製造方法により製造した面発光レーザの駆動電流の素子間のばらつきは、従来の製造方法で製造した面発光レーザの駆動電流の素子間のばらつきに比べて小さくなっている。従って、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法によれば、本信頼性の高い面発光レーザを歩留まりよく製造することができる。
なお、図1に示す面発光レーザ素子の例では、半導体基板の上方に発振光を出力するように構成されているが、半導体基板の下方(半導体基板側)に発振光を出力するように構成することもできる。また、電流狭窄構造の構成又は作製方法は、本実施の形態に記載された構成又は方法に限定されるものではなく、イオンプランテーション法等の方法を用いることもできる。また、コンタクト層保護層は、InGaPに限定されるものではなく、GaAsよりなるコンタクト層と連続して成膜することができ、かつ、GaAsに対して高い選択比を維持しながらエッチングができるような材料であればよく、AlInGaP、AlInP等の化合物半導体を用いることができる。
また、本実施の形態に係る面発光レーザでは、上部電極の開口部は光出射口として機能する部分であるが、開口部の一部においてp−GaAsコンタクト層がエッチングされて下層のAlGaAs層が露出し、大気中の酸素や水分と反応してAlGaAsが酸化され黒色化することがない。従って、出射口から出射すべきレーザが表層の黒色化したAlGaAs酸化層で吸収されて発振光の出力が低下することがない。
また、本実施の形態に係る面発光レーザでは、上部DBR層の一部を構成しているp−GaAsコンタクト層がエッチングされて薄くなることがなく、上部DBR層の反射率が変化することにより、発振を開始するために必要な駆動電流等の特定が変動してしまうことがない。
以上、本実施の形態に係る面発光レーザの製造方法によれば、780nm帯面発光レーザ等のGaAsコンタクト層の膜厚が薄く20nm程度である面発光レーザの場合において、GaAsコンタクト層がダメージを受けること、コンタクト抵抗が増大すること、及び黒色化することを防止することができ、抵抗が低く、かつ抵抗値が安定しているために、時間経過に伴って出力が低下することがない信頼性の高い面発光レーザを歩留まりよく製造することができる。
また、面発光レーザをアレイ化する場合、単素子の場合に比べ更に歩留まりが低下するのが一般的であるが、本実施の形態に係る面発光レーザをアレイ化する場合には、従来の面発光レーザをアレイ化する場合に比べ、歩留まりを高くすることができる。
ところで、面発光レーザの製造工程においては、半導体基板上にMOCVD法、MBE法等の方法により各層を積層した積層膜を形成する積層膜形成工程を行った後、半導体基板(ウェハ)の検査を行う検査工程を行う。面発光レーザの検査工程においては、ウェハ(半導体基板)上面から光を照射し、ウェハ(半導体基板)表面で反射される光の反射スペクトルを測定し、測定された反射スペクトルが所定の範囲内にあるかどうかを判定することにより、製造された面発光レーザの良否の判定を行う。本実施の形態に係る面発光レーザにおいては、p−GaAsよりなるコンタクト層の上にInGaPよりなるコンタクト層保護層が形成された状態で検査工程を行う場合がある。このような場合、InGaPよりなるコンタクト層保護層が最表層に存在するため、測定される反射スペクトルはコンタクト層保護層の膜厚等によって影響を受ける。
コンタクト層保護層の光学長を発振波長の1/2の整数倍にすることにより、コンタクト層保護層の上の空気とコンタクト層保護層との境界で反射される光と、コンタクト層保護層の下方の上部DBR層で反射される光とが同位相になる。一方、コンタクト層保護層とコンタクト層との間の界面で反射される光は、コンタクト層保護層の上の空気とコンタクト層保護層との境界で反射される光、及び上部DBR層で反射される光と逆位相になる。ただし、コンタクト層保護層のInGaPとコンタクト層のGaAsとの屈折率の差は小さいため、コンタクト層保護層とコンタクト層との間の界面で反射される光の影響はほとんど無視することができる。
従って、本実施の形態においては、コンタクト層保護層の光学長を発振波長の1/2の整数倍にすることにより、コンタクト層保護層が有る場合も無い場合も反射スペクトルはほとんど変わらない。すなわち、コンタクト層保護層が形成された状態で反射スペクトルの検査を行っても何ら問題がない。
(第2の実施の形態)
次に、図11及び図12を参照し、本発明の第2の実施の形態に係る光走査装置について説明する。本実施の形態に係る成膜装置は、本発明の第1の実施の形態に係る面発光レーザをアレイ状に配列させた面発光アレイを含む光源ユニットを備え、光を走査するための装置である。
(第2の実施の形態)
次に、図11及び図12を参照し、本発明の第2の実施の形態に係る光走査装置について説明する。本実施の形態に係る成膜装置は、本発明の第1の実施の形態に係る面発光レーザをアレイ状に配列させた面発光アレイを含む光源ユニットを備え、光を走査するための装置である。
図11は、本実施の形態に係る光走査装置の概略構成を示す斜視図である。図12は、本実施の形態に係る光走査装置の光源ユニットとして用いる面発光レーザアレイの解像度を説明するための図である。
図11に示すように、光走査装置900は、面発光レーザアレイLAを含む光源ユニット210、カップリングレンズ211、アパーチャ212、シリンドリカルレンズ213、ポリゴンミラー214、fθレンズ215、トロイダルレンズ216、2つのミラー217、218、及び上記各部を統括的に制御する不図示の主制御装置を備えている。
カップリングレンズ211は、光源ユニット210から出射された光ビームを略平行光に整形する。アパーチャ212は、カップリングレンズ211を介した光ビーム径を規定する。シリンドリカルレンズ213は、アパーチャ212を通過した光ビームをミラー217を介してポリゴンミラー214の反射面に集光する。
ポリゴンミラー214は、高さの低い正六角柱状部材よりなり、側面には6面の偏向面が形成されている。そして、不図示の回転機構により、図11に示される矢印の方向に一定の角速度で回転されている。従って、光源ユニット210から出射され、シリンドリカルレンズ213によってポリゴンミラー214の偏向面に集光された光ビームは、ポリゴンミラー214の回転により一定の角速度で偏向される。
fθレンズ215は、ポリゴンミラー214からの光ビームの入射角に比例した像高さを有し、ポリゴンミラー214により一定の角速度で偏向される光ビームの像面を、主走査方向に対して等速移動させる。トロイダルレンズ216は、fθレンズ215からの光ビームをミラー218を介して、感光体ドラム901の表面上に結像する。
光源ユニット210において、面発光レーザアレイLAが図12に示すように配置されている場合、面発光レーザアレイLAでは、各面発光レーザ素子(VCSEL)の中心から副走査方向に対応する方向に垂線を下ろした場合の副走査方向に対応する方向における各面発光レーザ素子の位置関係が等間隔(間隔d2とする)となるので、点灯のタイミングを調整することにより、感光体ドラム901上では副走査方向に等間隔で光源が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。例えば、副走査方向に対応した方向に関する面発光レーザ素子のピッチd1が26.5μmであれば、間隔d2は2.65μmとなる。そして、光学系の倍率を2倍とすれば、感光体ドラム901上では副走査方向に5.3μm間隔で書き込みドットを形成することができる。これは、4800dpi(ドット/インチ)に対応している。すなわち、4800dpi(ドット/インチ)の高密度書込みができる。また、主走査方向に対応する方向の面発光レーザ数を増加したり、ピッチd1を狭くして間隔d2を更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、後述する第3の実施の形態に係る画像形成装置であるレーザプリンタ600において、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、光源の点灯のタイミングで容易に制御できる。
以上説明したように、本実施形態に係る光走査装置900によると、光源ユニット210は面発光レーザアレイLAを含んでいるため、感光体ドラム901の表面上を高精細、高速で走査することが低コストで可能となる。
(第3の実施の形態)
次に、図13を参照し、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。本実施の形態に係る成膜装置は、第2の実施の形態に係る光走査装置を備えた画像形成装置であるレーザプリンタである。図13は、本実施形態に係る画像形成装置であるレーザプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
(第3の実施の形態)
次に、図13を参照し、本発明の第3の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。本実施の形態に係る成膜装置は、第2の実施の形態に係る光走査装置を備えた画像形成装置であるレーザプリンタである。図13は、本実施形態に係る画像形成装置であるレーザプリンタの概略構成を示す縦断面図である。
このレーザプリンタ600は、光走査装置900、感光体ドラム901、帯電チャージャ902、現像ローラ903、トナーカートリッジ904、クリーニングブレード905、給紙トレイ906、給紙コロ907、レジストローラ対908、転写チャージャ911、除電ユニット914、定着ローラ909、排紙ローラ912、及び排紙トレイ910などを備えている。
帯電チャージャ902、現像ローラ903、転写チャージャ911、除電ユニット914及びクリーニングブレード905は、それぞれ感光体ドラム901の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム901の回転方向に関して、帯電チャージャ902→現像ローラ903→転写チャージャ911→除電ユニット914→クリーニングブレード905の順に配置されている。
感光体ドラム901の表面には、感光層が形成されている。ここでは、感光体ドラム901は、図13における面内で時計回り(矢印方向)に回転するようになっている。また、帯電チャージャ902は、感光体ドラム901の表面を均一に帯電させるためのものである。
光走査装置900は、第2の実施の形態で説明したように、帯電チャージャ902で帯電された感光体ドラム901の表面に、上位装置(例えばパソコン)からの画像情報に基づいて変調された光を照射する。これにより、感光体ドラム901の表面では、画像情報に対応した潜像が感光体ドラム901の表面に形成される。ここで形成された潜像は、感光体ドラム901の回転に伴って現像ローラ903の方向に移動する。
現像ローラ903は、感光体ドラム901の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ904から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着されて顕像化された潜像は、感光体ドラム901の回転に伴って転写チャージャ911の方向に移動する。
給紙トレイ906には記録紙913が格納されている。この給紙トレイ906の近傍には給紙コロ907が配置されており、給紙コロ907は、記録紙913を給紙トレイ906から1枚づつ取り出し、レジストローラ対908に搬送する。レジストローラ対908は、転写ローラ911の近傍に配置され、給紙コロ907によって取り出された記録紙913を一旦保持するとともに、記録紙913を感光体ドラム901の回転に合わせて感光体ドラム901と転写チャージャ911との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ911には、感光体ドラム901の表面上のトナーを電気的に記録紙913に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム901の表面のトナーが付着されて顕像化された潜像が記録紙913に転写される。ここで転写された記録紙913は、定着ローラ909に送られる。
この定着ローラ909では、熱と圧力とが記録紙913に加えられ、これによってトナーが記録紙913上に定着される。ここで定着された記録紙913は、排紙ローラ912を介して排紙トレイ910に送られ、排紙トレイ910上に順次スタックされる。
除電ユニット914は、感光体ドラム901の表面を除電する。クリーニングブレード905は、感光体ドラム901の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。なお、除去された残留トナーは、再度利用されるようになっている。残留トナーが除去された感光体ドラム901の表面は、再度帯電チャージャ902の位置に戻る。
また、本実施形態に係るレーザプリンタ600によると、面発光レーザアレイLAを含む光走査装置900を備えているため、高精細な画像を高速で形成することが低コストで可能となる。具体的には、レーザプリンタ600では書きこみドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書きこみドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
面発光レーザアレイLAでは、メサ構造の底部周囲に凹みを有してもよい。メサ構造の底部周囲に凹みを有することにより、電流狭窄層外径の測長精度が良くなり、電流狭窄層の面積の設計値からのズレを微小にすることができるため、アレイ素子数を増加させることができる。これによりレーザプリンタ600では高精細な画像を高速で形成することが低コストで可能となる。
また、カラー画像を形成する画像形成装置であっても、カラー画像に対応した光走査装置を用いることにより、高精細な画像を高速で形成することが低コストで可能となる。
また、画像形成装置として、カラー画像に対応し、例えばブラック(K)用の感光体ドラム、シアン(C)用の感光体ドラム、マゼンダ(M)用の感光体ドラム、イエロー(Y)用の感光体ドラムのように複数の感光体ドラムを備えるタンデムカラー機であっても良い。
以上、本発明の好ましい実施の形態について記述したが、本発明はかかる特定の実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲内に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能である。
1 化合物半導体基板
2 n側電極
3 下部DBR層(下部半導体多層膜)
4 下部スペーサ層
5 活性層
6 上部スペーサ層
7 選択酸化層
8 上部DBR層(上部半導体多層膜)
9 コンタクト層
10 コンタクト層保護層
11 メサマスク
12 保護膜
13 p側電極
20 面発光レーザ
210 光源ユニット
214 ポリゴンミラー
215 fθレンズ
216 トロイダルレンズ
600 レーザプリンタ
900 光走査装置
901 感光体ドラム(像担持体)
903 現像ローラ(転写手段の一部)
911 転写チャージャ(転写手段の一部)
2 n側電極
3 下部DBR層(下部半導体多層膜)
4 下部スペーサ層
5 活性層
6 上部スペーサ層
7 選択酸化層
8 上部DBR層(上部半導体多層膜)
9 コンタクト層
10 コンタクト層保護層
11 メサマスク
12 保護膜
13 p側電極
20 面発光レーザ
210 光源ユニット
214 ポリゴンミラー
215 fθレンズ
216 トロイダルレンズ
600 レーザプリンタ
900 光走査装置
901 感光体ドラム(像担持体)
903 現像ローラ(転写手段の一部)
911 転写チャージャ(転写手段の一部)
Claims (16)
- 化合物半導体基板上に、下部半導体多層膜反射鏡、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、上部半導体多層膜反射鏡、コンタクト層を順に積層した積層膜を形成する積層膜形成工程と、
前記コンタクト層上に化合物半導体を含む第1の保護膜を形成する第1の保護膜形成工程と、
前記積層膜の形状を加工する形状加工工程と、
前記形状加工工程の後、前記第1の保護膜をエッチングして前記コンタクト層を露出させる第1の保護膜エッチング工程と
を有する面発光レーザの製造方法。 - 前記コンタクト層はGaAsを含み、
前記第1の保護膜はInGaPを含むことを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザの製造方法。 - 前記形状加工工程の後、前記第1の保護膜エッチング工程の前に、
前記第1の保護膜の上に第2の保護膜を形成する第2の保護膜形成工程と、
前記第2の保護膜をエッチングする第2の保護膜エッチング工程と
を有する請求項1又は請求項2に記載の面発光レーザの製造方法。 - 前記第2の保護膜は、SiO2、SiNx、SiOxNyのいずれか1つからなることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記第1の保護膜のエッチング工程において、塩酸または硫酸をエッチャントとして用いることを特徴とする請求項2に記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記積層膜形成工程と前記第1の保護膜形成工程とを同一のチャンバ内で連続して行うことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれかに記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記活性層より得られる発振光の波長は、780nm帯又は780nm以下であることを特徴とする請求項1から請求項6のいずれかに記載の面発光レーザの製造方法。
- 前記第1の保護膜の光学長は、前記活性層より得られる発振光の波長の1/2の整数倍であることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれかに記載の面発光レーザの製造方法。
- 化合物半導体基板上に形成され、下部半導体多層膜反射鏡、下部スペーサ層、活性層、上部スペーサ層、上部半導体多層膜反射鏡、コンタクト層が順に積層された積層膜と、
前記コンタクト層上に化合物半導体を含む第1の保護膜を介して形成された第2の保護膜と
を有する面発光レーザ。 - 前記コンタクト層はGaAsを含み、
前記第1の保護膜はInGaPを含むことを特徴とする請求項9に記載の面発光レーザ。 - 前記第2の保護膜は、SiO2、SiNx、SiOxNyのいずれか1つからなることを特徴とする請求項9又は請求項10に記載の面発光レーザ。
- 前記活性層より得られる発振光の波長は、780nm帯又は780nm以下であることを特徴とする請求項9から請求項11のいずれかに記載の面発光レーザ。
- 前記第1の保護膜の光学長は、前記活性層より得られる発振光の波長の1/2の整数倍であることを特徴とする請求項9から請求項12のいずれかに記載の面発光レーザ。
- 請求項9から請求項13のいずれかに記載の面発光レーザを複数有する面発光レーザアレイ。
- 光ビームによって被走査面上を走査する光走査装置であって、
請求項14に記載の面発光レーザアレイを有する光源ユニットと、
前記光源ユニットからの光ビームを偏向する偏向手段と、
前記偏向手段で変更された光ビームを被走査面上に集光する走査光学系と
を備える光走査装置。 - 光ビームにより静電潜像を形成する像担持体と、
前記像担持体に対して画像情報が含まれる光ビームを走査する請求項15に記載の光走査装置と、
前記像担持体に形成された静電潜像を転写対象物に転写する転写手段と
を備える画像形成装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009058483A JP2010212515A (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 面発光レーザ及びその製造方法、面発光レーザアレイ、光走査装置並びに画像形成装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009058483A JP2010212515A (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 面発光レーザ及びその製造方法、面発光レーザアレイ、光走査装置並びに画像形成装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010212515A true JP2010212515A (ja) | 2010-09-24 |
Family
ID=42972376
Family Applications (1)
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JP2009058483A Pending JP2010212515A (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 面発光レーザ及びその製造方法、面発光レーザアレイ、光走査装置並びに画像形成装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2010212515A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014192507A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Japan Oclaro Inc | 窒化物半導体光素子及びその製造方法 |
-
2009
- 2009-03-11 JP JP2009058483A patent/JP2010212515A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014192507A (ja) * | 2013-03-28 | 2014-10-06 | Japan Oclaro Inc | 窒化物半導体光素子及びその製造方法 |
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