JP2010211527A - 流入量予測システム、流入量予測方法およびプログラム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気象実績データベース233には、日付ごとに流入量の実績値が記憶される。モデル記憶部31には、月単位の均衡流入量μ3と、均衡流入量μ3から前月の正規化流入量Fm−1 *を減じたものと、残差項となるumとを説明変数とし、規格化流入量の増加量ΔFm *を目的変数としたモデルA6が記憶される。流入量確率モデル推計部220は、流入量の実績値、流入量モデルA6に基づいて回帰分析を行い、回帰係数α4および均衡流入量μ3を推計する。流入量確率モデル推計部220は、ドリフト項α4(μ3−Fm−1 *)Imの頻度分布と、残差項umImの頻度分布を加算して流入用Fmの頻度分布を生成し、流入量Fmの頻度分布から流入量の発生確率分布を生成する。
【選択図】図3
Description
ΔFm=α(μ−Fm−1)+um
を記憶するモデル記憶部と、前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計する流入量モデル推計部と、各年の各月mについて、残差um=ΔFm−α(μ−Fm−1)を算出し、算出した残差umを算出し、前記残差の頻度分布を生成する残差項頻度分布生成部と、各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1)を算出するドリフト項生成部と、前記残差の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1)+um]
の確率分布を生成する確率分布生成部と、を備えることとする。
ΔFm *=α(μ−Fm−1 *)+um
を記憶するモデル記憶部と、前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計する流入量モデル推計部と、各年の各月mについて、残差um=ΔFm *−α(μ−Fm−1 *)を算出し、算出した残差umにImを乗じた残差項umImを算出し、残差項の頻度分布を生成する残差項頻度分布生成部と、各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1 *)を算出するドリフト項生成部と、前記残差項の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1 *)Im+umIm]
の確率分布を生成する確率分布生成部と、を備えることとする。
ΔFm=α(μ−Fm−1)+um
をメモリに記憶し、前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計し、各年の各月mについて、残差um=ΔFm−α(μ−Fm−1)を算出し、算出した残差umを算出し、前記残差の頻度分布を生成し、各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1)を算出し、前記残差の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1)+um]
の確率分布を生成することとする。
ΔFm *=α(μ−Fm−1 *)+um
をメモリに記憶し、前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計し、各年の各月mについて、残差um=ΔFm *−α(μ−Fm−1 *)を算出し、算出した残差umにImを乗じた残差項umImを算出し、残差項の頻度分布を生成し、各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1 *)を算出し、前記残差項の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1 *)Im+umIm]
の確率分布を生成することとする。
ΔFm=α(μ−Fm−1)+um
をメモリに記憶するステップと、前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計するステップと、各年の各月mについて、残差um=ΔFm−α(μ−Fm−1)を算出し、算出した残差umを算出し、前記残差の頻度分布を生成するステップと、各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1)を算出するステップと、前記残差の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1)+um]
の確率分布を生成するステップと、を実行させる。
ΔFm *=α(μ−Fm−1 *)+um
をメモリに記憶するステップと、前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計するステップと、各年の各月mについて、残差um=ΔFm *−α(μ−Fm−1 *)を算出し、算出した残差umにImを乗じた残差項umImを算出し、残差項の頻度分布を生成するステップと、各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1 *)を算出するステップと、前記残差項の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1 *)Im+umIm]
の確率分布を生成するステップと、を実行させる。
以下、本発明の一実施形態に係る貯水施設の運用支援システムについて説明する。本実施形態の運用支援システムは、ダムなどの貯水施設における水位を適切に運用するための支援を行う。本実施形態の運用支援システムでは、過去の気象のパターンを用いて降水量を予測し、統計モデルを用いて貯水施設に河川や降水などにより流入する水の量(以下、単に流入量という。)の確率分布を算出し、発電電力量を最大化するように、水位の計画を策定する。
降水量予測システム10は、降水量を予測する。本実施形態では、降水量予測システム10は、過去の天気の概況をパターン化しておき、将来の天気予報をパターン化して、同じパターンの過去の日付の降水量のパーセンタイル値を用いて降水量の予測を行う。
天気パターン登録部112は、各セルに「0」を設定したパターン表161を生成する(S1512)。天気パターン登録部112は、天気概況情報に含まれている、昼の天気概況と、夜の天気概況とのそれぞれについて以下の処理を行う。
天気パターン登録部112は、以上の処理を昼の時間帯の天気概況と夜の時間帯の天気概況とのそれぞれについて行った後、パターン表161の各行について、「1」が設定されているセルのうち最も左にあるものを検索し、検索したセルよりも右にある全てのセルに「0」を設定する(S1516)。天気パターン登録部112は、パターン表161の各列について、「1」が設定されているセルのうち最も上にあるものを検索し、検索したセルよりも下にある全てのセルに「0」を設定する(S1517)。
天気パターン登録部112は、以上のようにして作成したパターン表161から、時間語と天気語との組合せと、日付とを含む天気パターン情報を作成して天気パターンデータベース132に登録する(S1518)。
次に、天気パターン登録部112は、各天気チャンクに含まれる天気語および時間語に対応するセル、すなわち、「曇」および空文字に対応するセル1721、「雨」および「一時」に対応するセル1722、並びに、「晴」および「後」に対応するセル1723に「1」を設定する(S1515)。
天気パターン登録部112は、夜の時間帯についての天気概況1712についても同様に、「晴」および「後一時曇」の天気チャンクに分割して(S1514)、「晴」および空文字に対応するセル1731、並びに、「曇」と「一時」および「後」のそれぞれとに対応するセル1732およびセル1733に「1」を設定する(S1515)。
天気パターン登録部112は、パターン表161の各行の最も左の「1」のみを残してその他のセルに「0」を設定する(S1516)。行174では、「1」が設定されているセルのうち最も左にあるセル1741を残して、その他のセル1742および1743には「0」が設定されることになる。
天気パターン登録部112は、パターン表161の各列の最も上の「1」のみを残してその他のセルに「0」を設定する(S1517)。列175では、「1」が設定されているセルのうち最も上にあるセル1751を残し、その他のセル1752には「0」が設定される。
降水量予測部115は、各天気チャンクについて、天気チャンクに含まれている時間語と天気語とに対応するパターン表161のセルに「1」を設定する(S1554)。降水量予測部115は、パターン表161の各行について、「1」が設定されているセルのうち最も左にあるものを選択し、選択したセルよりも右にある全てのセルに「0」を設定する(S1555)。また、降水量予測部115は、パターン表161の各列について、「1」が設定されているセルのうち最も上にあるものを選択し、選択したセルよりも下にある全てのセルに「0」を設定する(S1556)。
降水量予測部115は、パターン表161から、時間指定語と天気語との各組合せについて、組合せに対応するセルの値を抽出し、抽出した値とを設定した予報天気パターン情報を作成する(S1557)。
次に、流入量予測システム20について説明する。流入量予測システム20は、貯水施設への流入量を予測する。本実施形態では、流入量予測システム20は、過去の気温、降水量、降雪量、積雪量、融雪量、流入量を、後述する統計モデルを用いて回帰分析することにより回帰係数を推計し、気温および降水量の予測値(例えば、気象予報による予報値を採用することができる。)と、推計した回帰係数とを統計モデルに適用して流入量を予測する。なお、流入量の予測は所定の第1単位期間(本実施形態では、一日とする。)単位で行い、流入量の確率分布は、第1単位期間よりも長い第2単位期間(本実施形態では、一ヶ月とする。)単位で行うものとする。
降雪量モデルA2は、気温Ttがδ以下である場合の降水量P2tを説明変数とし、降雪量Stを目的変数とした回帰モデルであり、次式で表される。
積雪量モデルA3は、積雪量Dtが、前日までの積雪量Dt−1に当日の降雪量Stを加え、そこから融雪量Mtを引いたものに一致するという関係を示すモデルであり、次式で表される。
融雪量モデルA4は、気温Ttから融雪が始まる気温μ2を減じた値に積雪量Dtを乗じた値と、P1tとを説明変数とし、融雪量Mtを目的変数とした回帰モデルであり、次式で表される。
融雪量モデルA4において、気温Ttがμ2よりも低ければ第1項は0になり、前日までの積雪量Dt−1が0であれば融雪量Mtは0になる。
流入量確率モデルA6は、月単位の均衡流入量μ3と、均衡流入量μ3から前月の規格化流入量Fm−1 *を減じたものと、残差項となるumとを説明変数とし、規格化流入量の増加量ΔFm *を目的変数としたモデルであり、次式で表される。
降雪気温推計部211は、降水量モデルA1および気象実績情報に基づいて降雪気温δを推計し、推計した降雪気温δをパラメタ記憶部232に登録する。なお、降雪気温推計部211によるδの推計処理の詳細については後述する。
融雪量モデル推計部212は、積雪量モデルA3を融雪量モデルA4に代入した式
を回帰分析して、回帰係数α2、α3およびμ2を推計する。融雪量モデル推計部212は、推計した回帰係数α2、α3およびμ2をパラメタ記憶部232に登録する。
流入量予測部217は、予測気温取得部214が取得した予測気温、予測降水量取得部215が取得した予測降水量、降雪気温推計部211が推計したパラメタ、気象実績情報、および流入量モデルA5を用いて、予測流入量を算出する。なお、予測流入量の算出処理の詳細については後述する。
予測流入量送信部218は、流入量予測部217が算出した予測流入量を、予測流入量取得要求の送信元に対して送信する。
流入量分布取得要求受信部219は、通信ネットワーク40に接続された他のコンピュータから、流入量の発生確率分布を取得するためのコマンド(以下、流入量分布取得要求という。)を受信する。
流入量分布生成部221は、流入量の発生確率分布(以下、流入量分布という。)を生成する。本実施形態では、流入量分布は、前期の流入量の発生を条件とした、条件付確率Pr(Fm|Fm−1)の分布であるものとし、条件付確率で発生する流入量は月単位での流入量の平均値であるものとする。なお、流入量分布の生成処理の詳細については後述する。
流入量分布送信部222は、流入量分布生成部221が生成した流入量の分布を送信する。
まず、降雪気温推計部211による降雪気温δの推計処理について説明する。図17は、降雪気温推計部211による降雪気温δの推計処理の流れを示す図である。
まず、降雪気温推計部211は、気象実績データベース233から降雪量が0より大きい気象実績情報を取得する(S2501)。これにより、図18に示すように、気象実績データベース233に記憶されている気象実績情報のうち、降雪量が0より大きいもののみが抽出される。
降雪量=a×気温+b×降水量
を回帰分析して、回帰係数aおよびbを推計する(S2502)。
降雪気温推計部211は、気温がδ以下の場合には「a×気象実績情報の気温+b×気象実績情報の降水量」、気温がδより高い場合には「0」を推計降雪量として、推計降雪量と気象実績情報の降雪量との差を2乗した値が最小になるδを算出する(S2503)。
降雪気温推計部211は、上記のようにして決定したδを、パラメタ記憶部232に登録する(S2504)。
次に、流入量の予測について説明する。図20は、本実施形態の流入量予測システム20における流入量予測処理の流れを示す図である。なお、図20の処理では、日付tが予測対象となる日付であるものとしている。
流入量予測部217は、パラメタ記憶部232から、α1〜α3、β1、β2、μ1、μ2を読み出す(S2525)。流入量予測部217は、気象実績データベース233から、前日t−1に対応する気象実績情報を読み出し、読み出した気象実績情報の積雪量をDt−1とし(S2526)、読み出した気象実績情報の流入量をFt−1とする(S2527)。
流入量予測部217は、融雪量モデルA4に、α2、Tt、μ2、Dt−1、α3、P1tを代入して、融雪量の予測値Mtを算出し(S2528)、流入量モデルA5に、α1、μ1、Ft−1、β1、P1t、β2、Mtを代入して流入増加量の予測値ΔFtを算出する(S2529)。流入量予測部217は、Ft−1にΔFtを加算して、予測流入量Ftを算出する(S2530)。
また、上記流入量モデルA5では、第1項を均衡流入量と流入量との差であるものとして、均衡流入量を考慮に入れているので、単に流入量を説明変数とする場合に比べ、より精度の高い流入量予測を行うことができる。
なお、本実施形態の流入量予測システムでは、ダムなどの貯水施設に河川から流入する水量についての予測を行うものとしたが、河川を流れる水量の予測を行うシステムにも容易に適用することができる。この場合、河川の上流域における気温や降水量の予報値および実績値などを取得および記録するものとする。
また、貯水施設が降雪や積雪の少ない地域に存在する場合などには、流入量モデルA5は融雪量Mを考慮しないようにしてもよい。この場合流入量モデルA5は、次式で表される。
上記式(A5”)を変形すると次式となる。
次に、流入量分布の作成処理について説明する。流入量分布は、前月の流入量を条件とした条件付確率の分布である。本実施形態では流入量Fmは、所定の最小値(以下、最小流入量といい、Fminと表記する。)から最大値(以下、最大流入量といい、Fmaxと表記する。)までの間を、単位量(例えば、1立法メートルや、10立方メートル、1000立方メートルなどである。以下、単位流入量という。)ずつ増減する離散値であるものとし、流入量分布は、最小流入量Fminから最大流入量Fmaxまで単位流入量ごとの流入量に対応付けて、確率が記述された表であるものとする。
ここで、残差umには系列相関がないことから、A6’は、さらに次式のように変形できる。
すなわち、条件付確率Pr(Fm|Fm−1)は、前期(m−1月)の流入量に応じて変化するドリフト項α4(μ3−Fm−1 *)Imと、残差項umImとから構成されることになる。
この場合、条件付確率Pr(Fm|Fm−1)に、流入量確率モデル(A6−2)を適用すると次式のように変形できる。
ここで、残差umには系列相関がないことから、上の式(A6−2’)は、さらに次式のように変形できる。
すなわち、条件付確率Pr(Fm|Fm−1)は、前期(m−1月)の流入量に応じて変化するドリフト項α4(μ3−Fm−1)と、残差項umとから構成されることになる。
また、本実施形態において条件付確率は、前月の流入量を条件とするが、前月および前々月の流入量を条件とした条件付確率、すなわち、Pr(Fm|Fm−1,Fm−2)としてもよい。
流入量確率モデル推計部220は、各月(1月〜12月)をmとして、以下の処理を行う。
流入量確率モデル推計部220は、気象実績データベース233から、全ての年のm月の日付に対応する流入量を平均してImを算出し(S2541)、全ての年のm−1月の日付に対応する流入量を平均してIm−1を算出する(S2542)。
流入量確率モデル推計部220は、気象実績データベース233に記憶されている気象実績情報の日付が属する年のそれぞれについて、当該年のm月の日付に対応する日付の流入量を平均してFmを算出し(S2543)、FmをImで割ることで規格化して、Fm *を算出する(S2544)。また、流入量確率モデル推計部220は、気象実績データベース233から、当該年のm−1月の日付に対応する流入量を平均してFm−1を算出し(S2545)、Fm−1をIm−1で割ることで規格化して、Fm−1 *を算出する(S2546)。
また、流入量確率モデル推計部220は、流入量確率モデルA6”の残差umを次式により計算する(S2549)。
流入量確率モデル推計部220は、残差項umImを算出する(S2550)。
また、図21に示す処理に代えて、2段階最小二乗法により流入量の条件付発生確率を算出するようにしてもよい。
運用計画システム30は、長期の運用計画の対象となる期間(以下、長期運用期間という。本実施形態では1年とする。)における発電電力量が最大となるように、中期の運用計画の対象となる期間(以下、中期運用期間という。本実施形態では、1ヶ月とする。)ごとの最適な水位についてのシミュレーションを行い、その後、中期運用期間における最適な水位となり、かつ、短期の運用対象となる期間(以下、短期運用期間という。本実施形態では6日とする。)における売電額が最大となるように、短期運用期間中の各単位期間(本実施形態では1日とする。)ごとの水位を求める。なお、以下の説明において、貯水施設における水位は、所定の単位量(例えば、1メートルや5メートルなどである。以下、単位水位という。)ごとの離散値であるものとする。長期運用期間における発電電力量が最大となるような中期運用期間での水位は、確率論的動的計画法(Stochastic Dynamic Programming; SDP)により求める。短期運用期間における各単位期間の水位は、貯水施設における水位の最大最小値や水力発電に利用する水量(以下、取水量といい、Qと表記する。)の上下限値などの制約の下に、流入量予測システム20が予測した予測流入量を用いて、各日の水位を単位水位ずつ変化させてシミュレーションし、売電額が最大となるような水位を算出する。
モデルB1は、貯水量Vに基づいて運用水位Hを算出するためのもの(水位算出モデル)であり、次式により表される。なお、aは貯水施設に固有の定数である。
モデルB2は、最高運用水位Hmaxに基づいて貯水量の上限(以下、上限貯水量といい、Vmaxと表記する。)を算出するためのものであり、次式により表される。
モデルB3は、最低運用水位Hminに基づいて貯水量の下限(以下、下限貯水量といい、Vminと表記する。)を算出するためのものであり、次式により表される。
モデルB5は、流入量Rから維持流量S0および貯水量差ΔVを引いた水量(R0)を算出するためのものであり、次式により表される。
モデルB6は、最小取水量Qmin、最大取水量Qmax、最低運転出力Q0minおよびR0に基づいて、取水量Qを決定するためのもの(取水量算出モデル)であり、次式により表される。
モデルB8は、1日の終了時点における運用水位、放水位Houtおよび損失落差Hlosに基づいて、有効落差hnを算出するためのものであり、日付tの0時における運用水位をHtとし、水位を海抜高さに変換するための所定の定数をbとして、次式により表される。
モデルB9は、取水量Qおよび有効落差hnに基づいて1日に発電される発電電力Pnを算出するためのものであり、発電の変換効率に係る係数をc、重力加速度をgとして、次式により表される。
モデルB10は、発電電力Pnに基づいて1日に発電される発電電力量Enを算出するためのもの(電力量算出モデル)であり、次式により表される。
モデルB11は、ある日付についての発電電力量Enと、その日付に対応する電力価格とに基づいて売電額を算出するためのものであり、次式により表される。
中期計画部314は、流入量分布と上記の統計モデルとを用いて確率論的動的計画法により最適な水位を算出する。具体的には、中期計画部314は、次式を満たす水位の組合せを求める。
式B12において、GE(Hm,Hm+1,Fm)は、月mの開始時点mにおいて水位がHmであり、月mの終了時点(月m+1の開始時点)m+1における水位がHm+1であり、月mの流入量がFmである場合の発電電力量Enである。ここで、月mにおける発電電力量は、上記モデルB10により算出される1日あたりの発電電力量Enに、月mの日数を乗じることにより算出される。
中期計画部314は、時点m4における水位と、時点m3における水位の各組合せについて、第3月における発電電力量を算出し、算出値に第4月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算したものを第3月以降の期待値として算出する。中期計画部314は、第3月以降の期待値が最も大きい組合せ(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ2)。
中期計画部314は、同様に、時点m3における水位と、時点m2における水位の各組合せについて、第2月における発電電力量に、第3月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算して、第2月以降の発電電力量の期待値を算出し、第2月以降の期待値が最大になる組合せ(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ3)。
中期計画部314は、第1月についても、時点m2における水位と、時点m1における水位との各組合せについて、第1月における発電電力量に、第2月の流入量の発生確率を乗じて算出された水位毎の期待値を加算した、第1月以降の発電電力量の期待値を算出し、第1月以降の期待値が最大になる組合せ(図中に太線で示す。)を選択する(ステップ4)。
以上のようにして最適な水位が決定される。
中期計画部314は、処理のステージを示すSTに1を設定し(S3601)、最終月(本実施形態では第12月)から第1月までの各月について、確率的動的計画法による水位の計画処理を行う(S3602)。図31は、確率的動的計画法による水位計画処理に用いられる表である水位流入量別発電電力量表352の構成を示す図である。図31に示す水位流入量別発電電力量表352には、第12月の水位H12と、第12月の流入量F12とに対応づけて、第12月における発電電力量が登録される。
図32は、最終月(12月)についての水位計画処理の流れを示す図である。中期計画部314は、1つ前の処理に係る月である第1月(第12月から第1月までの各月に対して処理が行われるため、第12月の1つ前の処理に係る月は第1月となる。)までの累計発電電力量E(1,H1,F1)を0とし(S3621)、最終月の水位H12に、最低水位Hminを設定する(S3622)。中期計画部314は、12月までの累計発電電力量E(12,H12,F12)に0を設定し(S3623)、12月の流入量F12に、最小流入量Fminを設定する(S3624)。中期計画部314は、1月の水位H1に最低水位Hminを設定し(S3625)、諸元記憶部331に記憶されている各諸元を上述したモデルに適用して、発電電力量Enを算出する(S3626)。中期計画部314は、Enに31(12月の日数)を乗じて、1ヶ月の発電電力量の期待値GEを算出する(S3627)。中期計画部314は、1月の流入量F1の発生確率を取得し(S3628)、各F1について、F12を条件としたF1の条件付確率を累計発電電力量E(12,H12,F12)に乗じた値を合計してGEに加算し、E1(12,H12,F12)を算出する(S3629)。
以上のようにして、最適水位データベース334に格納される各月についての水位流入量別目標水位表351が更新される。
上述のように、中期計画部314は、中期運用期間(月)の開始時点および終了時点の最適な水位の組合せを求めるのに対し、短期計画部334は、短期運用期間(6日)における売電額を大きくするように、短期運用期間における水位を計画する。
短期計画部316は、貯水量設定値入力部312が受け付けた初期貯水量を短期運用期間の初日のV1とし、V1をモデルB1に適用し、初日の水位H1を算出する。短期計画部316は、短期運用期間が属する月とH1とに対応する1月後最適水位を読み出して、短期運用期間の終了時点(7日目の開始時点でもある。)における水位H2とする。短期計画部316は、水位H2およびモデルB2またはB3を用いて、短期運用期間の終了時点における貯水量の目標値(以下、最終目的貯水量という。)V7を算出する。短期計画部316は、各日付t(t=2〜6)について、0時における貯水量VtをVminからVmaxの間で所定のステップ(例えば、0.1や0.5、1など)で変化させてシミュレーションを行い、Enが最大となるようにVtを決定する。短期計画部316は、このシミュレーションにおいて、動的計画法を用いるものとする。動的計画法を用いることで、最適なVtの組合せを迅速に算出することができる。
図35は、運用水位のシミュレーションに用いられる画面60の一例を示す図である。画面60には、運用期間の入力欄611、初期貯水量の入力欄612、最終目的貯水量の入力欄613、および各種諸元の表示欄621〜627が設けられている。
予測流入量取得部315は、流入量予測システム20にアクセスして、流入量予測システム20が予測した、運用期間内の各日についての流入量Rの予測値を取得し、取得したRを表示欄633に表示する。
入力欄611、612および613に運用期間、初期貯水量および最終目的貯水量が入力され、ボタン641が押下されると、貯水量設定値入力部312は、入力欄611、612および613に入力された運用期間、初期貯水量、および最終目的貯水量の入力を受け付け、短期計画部316は、運用期間中の各日について貯水量Vをシミュレーションする。短期計画部316は、例えば以下のようにして貯水量Vのシミュレーションを行う。なお、図35の例では、貯水施設に固有の係数a=30000であり、水位を海抜高さに変換する定数b=500であるものとしている。
短期計画部316は、各日付についての貯水量VをモデルB1に適用して運用水位Hを算出し、算出した運用水位Hを表示欄652に表示する。短期計画部316は、1〜6日目の日付tについて、VtおよびVt+1をモデルB4に適用して、各日付tについての貯水量差ΔVtを算出し、算出した貯水量差ΔVtを表示欄653に表示する。
短期計画部316は、流入量の予測値R、維持流量S0、および貯水量差ΔVをモデルB5に適用してR0を算出し、モデルB6によりR0に応じた取水量Qを決定し、決定した取水量Qを表示欄654に表示する。短期計画部316は、R0および取水量QをモデルB7に適用して、普通放流量Sを算出し、算出したSを表示欄655に表示する。
短期計画部316は、取水量Q、有効落差hnをモデルB9に適用して、発電電力Pnを算出して表示欄657に表示するとともに、算出したPnをモデルB10に適用して発電電力量Enを算出し、算出したEnを表示欄660に表示する。
短期計画部316は、運用期間中の各日の日付に対応する電力価格を電力価格データベース333から読み出して表示欄659に表示するとともに、上記Enおよび読み出した電力価格をモデルB11に適用して、売電額を算出し、算出した売電額を表示欄658に表示する。
図36(a)は、比較的豊水期として知られている2003年7月における取水量および運用水位の変化を示すグラフである。貯水施設では、運用者の経験によって運用水位が決定されており、2003年7月期における売電額の実績値は約258(百万円)であった。これに対して、上記シミュレーションの結果の貯水量Vの組合せに対応する売電額は約269(百万円)となった。すなわち、約4%の売電額の上昇がみられた。
図36(b)は、比較的渇水期として知られている2007年4月における取水量および運用水位の変化を示すグラフである。2007年4月期における売電額の実績値は107(百万円)であったところ、上記シミュレーションの結果の貯水量Vの組合せに対応する売電価格は114(百万円)となり、約6%の上昇がみられた。
このように、上記シミュレーションにより、売電額が最大になるように貯水量Vの組合せを決定して運用水位Hを運用することで、運用者の経験による運用に比べて売電額の上昇が可能になることが確認された。
20 流入量予測システム
30 運用計画システム
40 通信ネットワーク
101 CPU
102 メモリ
103 記憶装置
104 通信インタフェース
105 入力装置
106 出力装置
111 天気概況取得部
112 天気パターン登録部
113 予測降水量取得要求受信部
114 天気予報取得部
115 降水量予測部
116 予測降水量送信部
131 天気概況データベース
132 天気パターンデータベース
201 CPU
202 メモリ
203 記憶装置
204 入力装置
205 出力装置
211 降雪気温推計部
212 融雪量モデル推計部
213 流入量モデル推計部
214 予測気温取得部
215 予測降水量取得部
216 予測流入量取得要求受信部
217 流入量予測部
218 予測流入量送信部
219 流入量分布取得要求受信部
220 流入量発生確率モデル推計部
221 流入量分布生成部
222 流入量分布送信部
231 モデル記憶部
232 パラメタ記憶部
233 気象実績データベース
211 降雪気温推計部
212 融雪量モデル推計部
213 流入量モデル推計部
214 予測気温取得部
215 予測降水量取得部
216 予測流入量取得要求受信部
217 流入量予測部
218 予測流入量送信部
219 流入量分布取得要求受信部
220 流入量発生確率モデル推計部
221 流入量分布生成部
222 流入量分布送信部
231 モデル記憶部
232 パラメタ記憶部
233 気象実績データベース
311 諸元入力部
312 貯水量設定値入力部
313 流入量分布取得部
314 中期計画部
315 予測流入量取得部
316 短期計画部
331 諸元記憶部
332 モデル記憶部
333 電力価格データベース
334 最適水位データベース
351 水位流入量別目標水位表
352 水位流入量別発電電力量表
Claims (9)
- 貯水施設への水の流入量を予測するシステムであって、
所定期間ごとに、前記流入量の実績値を記憶するデータベースと、
ある第1期間の直前の第2期間における前記流入量と所定の定数である均衡流入量との差を説明変数とし、前記第2期間から前記第1期間までの前記流入量の増加量を目的変数とする統計モデルを記憶するモデル記憶部と、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記説明変数についての回帰係数および前記均衡流入量を推計する流入量モデル推計部と、
各期間について、当該期間の直前の期間に対応する前記流入量の第1の実績値、および当該期間に対応する前記流入量の第2の実績値を前記データベースから読み出し、前記推計した均衡流入量から前記第1の実績値を引いたものに前記回帰係数を乗じた値を、前記第1および第2の実績値の差から引いた値である残差項を算出して、前記残差項の頻度分布を生成する残差項頻度分布生成部と、
各期間について、当該期間の直前の期間に対応する前記流入量の第1の実績値を前記データベースから読み出し、前記推計した均衡流入量から前記第1の実績値を引いたものに前記回帰係数を乗じたドリフト項を算出するドリフト項生成部と、
前記残差項の頻度分布および前記ドリフト項を加算して前記流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生確率分布を生成する確率分布生成部と、
を備えることを特徴とする流入量予測システム。 - 貯水施設への水の流入量を予測するシステムであって、
日付に対応付けて前記流入量の実績値を記憶するデータベースと、
ある月mにおける流入量をFmとし、所定の定数である均衡流入量をμとし、回帰係数をαとし、残差項をumとし、FmとFm−1との差をΔFmとした統計モデル
ΔFm=α(μ−Fm−1)+um
を記憶するモデル記憶部と、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計する流入量モデル推計部と、
各年の各月mについて、残差um=ΔFm−α(μ−Fm−1)を算出し、算出した残差umを算出し、前記残差の頻度分布を生成する残差項頻度分布生成部と、
各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1)を算出するドリフト項生成部と、
前記残差の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1)+um]
の確率分布を生成する確率分布生成部と、
を備えることを特徴とする流入量予測システム。 - 貯水施設への水の流入量を予測するシステムであって、
日付に対応付けて前記流入量の実績値を記憶するデータベースと、
ある月mにおける流入量をFmとし、過去の各年の月mについての流入量Fmの平均値をImとし、FmをImで割って規格化した値をFm *とし、所定の定数である均衡流入量をμとし、回帰係数をαとし、残差項をumとし、Fm *とFm−1 *との差をΔFm *とした統計モデル
ΔFm *=α(μ−Fm−1 *)+um
を記憶するモデル記憶部と、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計する流入量モデル推計部と、
各年の各月mについて、残差um=ΔFm *−α(μ−Fm−1 *)を算出し、算出した残差umにImを乗じた残差項umImを算出し、残差項の頻度分布を生成する残差項頻度分布生成部と、
各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1 *)を算出するドリフト項生成部と、
前記残差項の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1 *)Im+umIm]
の確率分布を生成する確率分布生成部と、
を備えることを特徴とする流入量予測システム。 - 貯水施設への水の流入量を予測する方法であって、
所定期間ごとに前記流入量の実績値を記憶するデータベースを備えるコンピュータが、
ある第1期間の直前の第2期間における前記流入量と所定の定数である均衡流入量との差を説明変数とし、前記第2期間から前記第1期間までの前記流入量の増加量を目的変数とする統計モデルをメモリに記憶し、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記説明変数についての回帰係数および前記均衡流入量を推計し、
各期間について、当該期間の直前の期間に対応する前記流入量の第1の実績値、および当該期間に対応する前記流入量の第2の実績値を前記データベースから読み出し、前記推計した均衡流入量から前記第1の実績値を引いたものに前記回帰係数を乗じた値を、前記第1および第2の実績値の差から引いた値である残差項を算出して、前記残差項の頻度分布を生成し、
各期間について、当該期間の直前の期間に対応する前記流入量の第1の実績値を前記データベースから読み出し、前記推計した均衡流入量から前記第1の実績値を引いたものに前記回帰係数を乗じてドリフト項を算出し、
前記残差項の頻度分布および前記ドリフト項を加算して前記流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生確率分布を生成すること、
を特徴とする流入量予測方法。 - 貯水施設への水の流入量を予測する方法であって、
日付に対応付けて前記流入量の実績値を記憶するデータベースを備えるコンピュータが、
ある月mにおける流入量をFmとし、所定の定数である均衡流入量をμとし、回帰係数をαとし、残差項をumとし、FmとFm−1との差をΔFmとした統計モデル
ΔFm=α(μ−Fm−1)+um
をメモリに記憶し、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計し、
各年の各月mについて、残差um=ΔFm−α(μ−Fm−1)を算出し、算出した残差umを算出し、前記残差の頻度分布を生成し、
各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1)を算出し、
前記残差の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1)+um]
の確率分布を生成すること、
を特徴とする流入量予測方法。 - 貯水施設への水の流入量を予測する方法であって、
日付に対応付けて前記流入量の実績値を記憶するデータベースを備えるコンピュータが、
ある月mにおける流入量をFmとし、過去の各年の月mについての流入量Fmの平均値をImとし、FmをImで割って規格化した値をFm *とし、所定の定数である均衡流入量をμとし、回帰係数をαとし、残差項をumとし、Fm *とFm−1 *との差をΔFm *とした統計モデル
ΔFm *=α(μ−Fm−1 *)+um
をメモリに記憶し、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計し、
各年の各月mについて、残差um=ΔFm *−α(μ−Fm−1 *)を算出し、算出した残差umにImを乗じた残差項umImを算出し、残差項の頻度分布を生成し、
各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1 *)を算出し、
前記残差項の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1 *)Im+umIm]
の確率分布を生成すること、
を特徴とする流入量予測方法。 - 貯水施設への水の流入量を予測するためのプログラムであって、
所定期間ごとに前記流入量の実績値を記憶するデータベースを備えるコンピュータに、
ある第1期間の直前の第2期間における前記流入量と所定の定数である均衡流入量との差を説明変数とし、前記第2期間から前記第1期間までの前記流入量の増加量を目的変数とする統計モデルをメモリに記憶するステップと、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記説明変数についての回帰係数および前記均衡流入量を推計するステップと、
各期間について、当該期間の直前の期間に対応する前記流入量の第1の実績値、および当該期間に対応する前記流入量の第2の実績値を前記データベースから読み出し、前記推計した均衡流入量から前記第1の実績値を引いたものに前記回帰係数を乗じた値を、前記第1および第2の実績値の差から引いた値である残差項を算出して、前記残差項の頻度分布を生成するステップと、
各期間について、当該期間の直前の期間に対応する前記流入量の第1の実績値を前記データベースから読み出し、前記推計した均衡流入量から前記第1の実績値を引いたものに前記回帰係数を乗じたドリフト項を算出するステップと、
前記残差項の頻度分布および前記ドリフト項のを加算して前記流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生確率分布を生成するステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 貯水施設への水の流入量を予測するためのプログラムであって、
日付に対応付けて前記流入量の実績値を記憶するデータベースを備えるコンピュータに、
ある月mにおける流入量をFmとし、所定の定数である均衡流入量をμとし、回帰係数をαとし、残差項をumとし、FmとFm−1との差をΔFmとした統計モデル
ΔFm=α(μ−Fm−1)+um
をメモリに記憶するステップと、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計するステップと、
各年の各月mについて、残差um=ΔFm−α(μ−Fm−1)を算出し、算出した残差umを算出し、前記残差の頻度分布を生成するステップと、
各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1)を算出するステップと、
前記残差の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1)+um]
の確率分布を生成するステップと、
を実行させるためのプログラム。 - 貯水施設への水の流入量を予測するためのプログラムであって、
日付に対応付けて前記流入量の実績値を記憶するデータベースを備えるコンピュータに、
ある月mにおける流入量をFmとし、過去の各年の月mについての流入量Fmの平均値をImとし、FmをImで割って規格化した値をFm *とし、所定の定数である均衡流入量をμとし、回帰係数をαとし、残差項をumとし、Fm *とFm−1 *との差をΔFm *とした統計モデル
ΔFm *=α(μ−Fm−1 *)+um
をメモリに記憶するステップと、
前記データベースに記憶されている前記流入量の実績値、および前記統計モデルに基づいて回帰分析を行い、前記回帰係数αおよび前記均衡流入量μを推計するステップと、
各年の各月mについて、残差um=ΔFm *−α(μ−Fm−1 *)を算出し、算出した残差umにImを乗じた残差項umImを算出し、残差項の頻度分布を生成するステップと、
各年の各月mについて、ドリフト項α(μ−Fm−1 *)を算出するステップと、
前記残差項の頻度分布と前記ドリフト項とを加算して、流入量の頻度分布を生成し、前記流入量の頻度分布から前記流入量の発生条件付確率
Pr(Fm|Fm−1)=Pr[α(μ−Fm−1 *)Im+umIm]
の確率分布を生成するステップと、
を実行させるためのプログラム。
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