JP2001215119A - 水位計算装置、水位予測システム及び水位予測方法 - Google Patents

水位計算装置、水位予測システム及び水位予測方法

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JP2001215119A
JP2001215119A JP2000027423A JP2000027423A JP2001215119A JP 2001215119 A JP2001215119 A JP 2001215119A JP 2000027423 A JP2000027423 A JP 2000027423A JP 2000027423 A JP2000027423 A JP 2000027423A JP 2001215119 A JP2001215119 A JP 2001215119A
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rainfall
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Kunio Hane
邦夫 羽根
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 計算量が少なく且つ高精度な河川の水位予測
を数値計算にて行う。 【解決手段】 所定の時間間隔で河川の水位を測定する
水位測定部11と、所定の時間間隔で降雨量を測定する
降雨量測定部12とを有する測定装置2と、第1の関係
式が蓄積された第1の蓄積部31と、第2の関係式が蓄
積された第2の蓄積部32と、測定された水位と第1の
関係式とから流路抵抗を求め、測定された降雨量と第2
の関係式とから流入量を求め、求めた流路抵抗と流入量
とから河川の予測水位を算出する演算部33,35と、
算出した予測水位と測定された水位とを比較し、その誤
差に基づいて第1の蓄積部31によって蓄積されている
第1の関係式と第2の蓄積部32によって蓄積されてい
る第2の関係式とを更新する更新部34,35とを有す
る水位計算装置3とを備えることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、降雨による河川の
水位変化を算出して知らせる水位計算装置、水位予測シ
ステム及び水位予測方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】降雨による河川の増水が引き起こす災害
に対処するために、特定の地点で流量を測定して災害が
発生する前に河川の増水を予測する方法が考案されてい
る。以下に河川の増水を予測する第1〜第3の方法を示
す。
【0003】第1の方法として目視観測による方法があ
る。この方法は、まず、測定を行う河川に目印となるマ
ーカーを投げ込み、マーカーの動きを人が目視により観
測することで河川の水位と流速とを測定する。そして、
測定した水位と流速とを2次式へ代入し河川の水量を計
算する。
【0004】第2の方法として3D(dimension)流体
計算ソフトを使用する方法がある。この方法は、河川の
断面を細かいメッシュ状に区切り、そのメッシュに対し
差分法或いは有限要素法などのアルゴリズムを有する3
D流体計算ソフトを使用して数値解析を行うことで、特
定区間の水の流れを算出する。
【0005】第3の方法として3D電磁流体測定を行う
方法がある。この方法は、理想的な河床に電磁流体測定
用のマットを設置して、電流を流し発生する磁場の変化
を測定することで河川の流量を測定する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】まず、第1の方法は、
河川が単純に上流から下流へと流れているのであれば僅
かなポイントからマーカを投げ込んでその様子を観測す
ればよいので有用である。しかし、河川には、例えば、
渦が生じているポイント、逆流しているポイント等があ
り、それらの状況を考慮するためには様々なポイントか
らマーカを投げ込みその様子を測定する必要がある。し
たがって第1の方法では、多くの時間と労力がかかると
いった問題がある。さらに第1の方法では、大雨の時の
川床が変化した場合に常に観測を行い計算式の更新をす
る必要があるため非常に手間がかかるといった問題があ
る。さらにまた、第1の方法は、測定区間でどれだけの
流量があるかを測定し、水位予測は経験で行うことにな
るので水位予測値には厳密性がないといった問題があ
る。
【0007】次に、第2の方法は、3次元計算をするた
め理論的には高精度で測定が行えるが、計算量が多くな
るため河川に対して短区間の領域での測定に限定されて
しまうといった問題がある。河川の合流、分岐がある場
合は、さらに計算量が増えるためスーパーコンピュータ
を用いても計算を実行することが困難であるといった問
題がある。
【0008】続いて、第3の方法は、高精度に測定は行
えるが、多様な形状である河床の全てにマットを設置す
ることは物理的に極めて困難であるため実際の河川での
測定は不向きであるといった問題がある。また、測定で
得る値は、第1の方法と同様に水位予測は経験に頼るこ
とになるので厳密性がないといった問題がある。
【0009】そこで、本発明は上述したような問題を解
決するために案出されたものであり、水位予測計算の計
算量を減少させ、複雑な条件下においても水位予測をす
ることが可能な水位計算装置、水位予測システム及び水
位予測方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めに、本発明に係る水位計算装置は、所定の時間間隔で
測定された水位と降雨量とを受信する受信手段と、水位
と流路抵抗とを関係付ける第1の関係式が蓄積された第
1の蓄積手段と、降雨量と流入量とを関係付ける第2の
関係式が蓄積された第2の蓄積手段と、河川の断面形状
のデータを蓄積する第3の蓄積手段と、受信手段で受信
された水位をデータとして蓄積する第4の蓄積手段と、
受信手段で受信された降雨量をデータとして蓄積する第
5の蓄積手段と、受信手段で受信された水位と第1の蓄
積手段によって蓄積されている第1の関係式とから流路
抵抗を求め、受信手段で受信された降雨量と第2の蓄積
手段によって蓄積されている第2の関係式とから流入量
を求め、求めた流路抵抗と流入量及び第3の蓄積手段に
蓄積されている河川の断面形状のデータを用い、河川を
1次元構造に近似して予測水位を算出する演算手段と、
演算手段によって算出された予測水位と受信手段によっ
て受信された水位とを比較し、その誤差に基づき第1の
蓄積手段によって蓄積されている第1の関係式と第2の
蓄積手段によって蓄積されている第2の関係式とを更新
する更新手段とを備えることを特徴とする。
【0011】この水位計算装置は、所定の時間間隔で水
位及び降雨量の測定値を受信するごとに、第1の蓄積手
段に蓄積された第1の関係式と第2の蓄積手段によって
蓄積された第2の関係式とを更新する。
【0012】上述の目的を達成するために、本発明に係
る水位予測システムは、所定の時間間隔で河川の水位を
測定する水位測定手段と、所定の時間間隔で降雨量を測
定する降雨量測定手段と、水位測定手段で測定された河
川の水位と降雨量測定手段で測定された降雨量とを送信
する送信手段とを有する1つ以上の測定装置と、送信手
段から送信された水位と降雨量とを受信する受信手段
と、水位と流路抵抗とを関係付ける第1の関係式が蓄積
された第1の蓄積手段と、降雨量と流入量とを関係付け
る第2の関係式が蓄積された第2の蓄積手段と、河川の
断面形状のデータを蓄積する第3の蓄積手段と、受信手
段で受信された水位をデータとして蓄積する第4の蓄積
手段と、受信手段で受信された降雨量をデータとして蓄
積する第5の蓄積手段と、受信手段で受信された水位と
第1の蓄積手段によって蓄積されている第1の関係式と
から流路抵抗を求め、受信手段で受信された降雨量と第
2の蓄積手段によって蓄積されている第2の関係式とか
ら流入量を求め、求めた流路抵抗と流入量及び第3の蓄
積手段に蓄積されている河川の断面形状のデータを用
い、河川を1次元構造に近似して予測水位を算出する演
算手段と、演算手段によって算出された予測水位と受信
手段によって受信された水位とを比較し、その誤差に基
づき第1の蓄積手段によって蓄積されている第1の関係
式と第2の蓄積手段によって蓄積されている第2の関係
式とを更新する更新手段とを有する水位計算装置とを備
えることを特徴とする。
【0013】この水位予測システムは、水位測定手段及
び降雨量測定手段によって水位及び降雨量が測定される
ごとに、第1の蓄積手段に蓄積された第1の関係式と第
2の蓄積手段によって蓄積された第2の関係式とを更新
する。
【0014】上述の目的を達成するために、本発明に係
る水位予測方法は、第1の関係式と所定の時間間隔で測
定した河川の水位とに基づき流路抵抗を算出し、第2の
関係式と所定の時間間隔で測定した河川への降雨量とに
基づき流入量を算出し、算出した流路抵抗と流入量及び
河川の断面形状のデータを用いて河川を1次元構造に近
似して予測水位を算出し、算出した予測水位と測定した
河川の水位とを比較し、その誤差に基づき第1の関係式
と第2の関係式とを更新することを特徴とする。
【0015】この水位予測方法は、水位及び降雨量が測
定されるごとに、第1の関係式と第2の関係式とを更新
する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る水位計算装
置、水位予測システム及び水位予測方法の実施の形態を
図面を参照にして詳細に説明する。
【0017】本発明は、例えば図1に示すような構成の
水位予測システム1に適用される。
【0018】この水位予測システム1は、河川の水位と
降雨量とを測定する測定装置2と、測定装置2で測定さ
れた河川の水位と降雨量とから予測水位を算出する水位
計算装置3とを備えている。また、水位予測システム1
は、水位計算装置3と同等の機能を有する図示しない水
位計算バックアップ装置を備えていてもよい。
【0019】測定装置2は、水位測定部11と、降雨量
測定部12と、データ送信部13と、電源部14とから
なる。
【0020】水位測定部11は、河川の河床からの水位
を測定し、測定した水位データをデータ送信部13へ送
出する。
【0021】降雨量測定部12は、雨が降った際に降雨
量を測定し、測定した降雨量データをデータ送信部13
へ送出する。
【0022】データ送信部13は、水位測定部11及び
降雨量測定部12から送出される水位データ及び降雨量
データを伝送方法に応じて信号形態を変換し、水位計算
装置3のデータ受信部21へ送信する。
【0023】電源部14は、水位測定部11、降雨量測
定部12、データ送信部13のそれぞれに電源を供給す
る。
【0024】ここで、図2を用い測定装置2の河川への
設置の仕方について説明する。
【0025】測定装置2は、例えば、河川50を横断す
るA−A’線とB−B’線とが形成する領域内に設置さ
れる。河川50は、A−A’線からB−B’線までの河
川50に沿った距離を10〜100mで区切った微小な
区間、約1000で構成される。以下、この10〜10
0m単位で区切られた領域を微小区間と呼ぶ。測定装置
2は、A−A’線とB−B’線が形成する領域内の選定
された微小区間数10個所に設置され水位測定部11で
水位を、降雨量測定部12で降雨量を測定する。
【0026】また、測定装置2の水位測定部11は、例
えば、浮きを仕込んだパイプを河川へ突き立て浮きの上
下を検出して水位計測をするものであったり、レーザ距
離計を用いて水位計測をするものであったり、CCDカ
メラを使い画像処理をして水位計測をするものであった
り、超音波を用いて水位計測をするものである。
【0027】水位計算装置3は、データ受信部21を有
するデータベースサーバ4と、演算部5と、制御部6と
からなる。また、データベースサーバ4と、演算部5
と、制御部6とは、例えば、LAN(Local Area Netwo
rk)で接続されていてデータの双方向受信が可能となっ
ている。
【0028】データベースサーバ4は、データ受信部2
1と、水位データベース22と、降雨量データベース2
3と、川断面データベース24とからなる。
【0029】データ受信部21は、測定装置2のデータ
送信部13から送信されるデータを受信するためのイン
ターフェースである。データ受信部21は、データ送信
部13から送信された水位データ及び降雨量データを受
信する。
【0030】水位データベース22は、測定装置2が設
置されている場所での水位データを、例えばテーブルと
して蓄積している。
【0031】降雨量データベース23は、測定装置2が
設置されている場所での降雨量データを、例えばテーブ
ルとして蓄積している。
【0032】川断面データベース24は、測定装置2が
設置されている場所での断面形状を示す情報を蓄積して
いる。
【0033】演算部5は、水位/流路抵抗関係式データ
ベース31と、降雨量/流入量/時間変化関係式データ
ベース32と、関係式修正ソフトが格納された記憶部3
3と、予測水位計算ソフトが格納された記憶部34と、
OS(Operating System)/CPU(Central Processi
ng Unit)部35とからなる。
【0034】水位/流路抵抗関係式データベース31
は、測定装置2が設置されている場所での水位と流路抵
抗との関係を表す関係式を蓄積している。
【0035】ここで流路抵抗について説明をする。流路
抵抗は、河川の水の流れにくさを表す量であり、河床の
状態などによって決まる値である。例えば、測定装置2
を設置した河床が、突出した岩や石といったものがあま
りなく滑らかであれば、水の流れは阻害されないため流
路抵抗は小さくなる。逆に、入り組んだ岩だらけの川床
であれば、水の流れは妨げられ流路抵抗は大きくなる。
【0036】水の流れのない微小区間では断面形状が分
かれば、その微小区間内にある水量によって水位は決定
される。しかし、水の流れのある微小区間では断面形状
と水量が水の流れのない微小区間と同じである場合、流
れに抵抗する力、つまり上述した流路抵抗によって水位
が変動する。後述する記憶部34に格納された予測水位
計算ソフトを用いた計算方法では、河川の断面全体を均
一に水が流れるとして、微小区間の流路抵抗を1つの値
で代表させている。
【0037】このように、流路抵抗は川床の状態によっ
て決まり、流れのある川では水位の高低に影響を及ぼす
パラメータである。
【0038】降雨量/流入量/時間変化関係式データベ
ース32は、測定装置2が設置されている場所での降雨
量と流入量との関係を表す関係式を蓄積している。
【0039】記憶部33は、OS/CPU部35の制御
によって水位/流路抵抗関係式データベース31及び降
雨量/流入量/時間変化関係式データベース32に蓄積
された関係式を後述する予測水位の変動に基づいて更新
するための関係式修正ソフトを格納している。
【0040】記憶部34は、OS/CPU部35の制御
によって測定装置2で測定された水位から所望の時間後
までの水位を演算し水位の予測をする予測水位計算ソフ
トを格納している。
【0041】予測水位計算ソフトは流路抵抗及び降雨量
から、例えば、有限要素法、差分法又はキルヒホッフの
法則を用いて方程式を立て、その方程式を解くプログラ
ムである。なお、河川は、その全長に比べて川幅が狭い
ことから河川の流れ方向に沿った1次元構造であるとし
て計算する。
【0042】有限要素法及び差分法は、流入、流出、河
床条件、断面形状から河川の水量と水位とを算出する計
算を、流体の連続方程式を基にしたトランジスタ中の電
流計算を行うための拡散項とドリフト項を考慮した移動
拡散方程式で電流Iを水量に、電圧Vを水位に置き換え
て用いる。
【0043】キルヒホッフの法則は、河川の水位を電圧
V、水量を電流I、流量抵抗を抵抗R、断面形状を電気
容量C、河川に水位差がなくなった場合の淀みであるダ
ンピング条件を自己インダクタンスLというように河川
の微小区間の各パラメータを電子回路のRLCの分布定
数で置き換えて方程式を立てるのに用いる。
【0044】上述したように有限要素法、差分法、キル
ヒホッフの法則を用いる際、河川の合流あるいは分岐を
取り込みそれぞれ流入と流出として計算する。
【0045】方程式を解くためのアルゴリズムは、有限
要素法及び差分法で立てた方程式はガウス消去法を用
い、キルヒホッフの法則で立てた方程式はニュートン法
を用いる。
【0046】OS/CPU部35は、水位/流路抵抗関
係式データベース31、降雨量/流入量/時間変化関係
式データベース32、記憶部33、記憶部34を統括的
に制御する。
【0047】制御部6は、予測水位3D(dimension)
表示ソフトが格納された記憶部41と、危険水位警報ソ
フトが格納された記憶部42と、システム監視制御ソフ
トが格納された記憶部43と、OS/CPU部44とか
らなる。
【0048】記憶部41は、演算部5の記憶部34に格
納された予測水位計算ソフトの演算結果に基づき、図示
しない表示部に河川の増水をイメージした3D画像を出
力表示するための予測水位3D表示ソフトを格納してい
る。予測水位3D表示ソフトは、OS/CPU部44に
よって制御される。
【0049】記憶部42は、記憶部34に格納された予
測水位計算ソフトの演算結果に基づいて、図示しない警
報装置へ河川の増水による危険を知らせる判断をする危
険水位警報ソフトを格納している。
【0050】記憶部43は、水位予測システム1を統括
的に制御するためのシステム監視制御ソフトを格納して
いる。OS/CPU部44は、システム監視制御ソフト
を用い、測定装置2の水位測定部11が水位測定を行う
時間及び降雨量測定部13が降雨量測定を行う時間の管
理を行う。例えば、システム管理者が、水位測定時間及
び降雨量測定時間をある時刻から5分ごとに行うように
設定すると、OS/CPU部44はシステム監視制御ソ
フトを用いてその旨を測定装置2へと伝え、設定時間通
りに測定がなされるよう制御する。
【0051】OS/CPU部44は、記憶部41、記憶
部42、記憶部43を統括的に制御する。
【0052】続いて、図3に示すフローチャートを用い
水位予測システム1の予測水位計算の流れについて説明
する。
【0053】なお、予測水位計算を実行するには初期値
を入力しておく必要がある。演算部5のOS/CPU部
35は、初期値として、水位データベース21から水位
データを、降雨量データベース22から降雨量データ
を、川断面データベース24から川断面データを読み込
む。これらの初期値は水位予測システム1を稼働させる
前に調査を行い各データベースに蓄積させておく。以下
に示す説明では、初期値入力が完了しているものとして
行う。また、1度測定が行われた後には、測定値に基づ
き初期値を算出し直す。そして、その初期値を測定を行
うごとに更新していく。
【0054】また、ステップS7までの行程では、ステ
ップS1〜ステップS3を経てステップS7へと進む主
に水位データの処理を行う水位データ系と、ステップS
4〜ステップS6を経てステップS7へと進む主に降雨
量データの処理を行う降雨データ系とがそれぞれ独立し
て実行される。
【0055】水位データ系のステップS1において、測
定装置2の水位測定部11は河川の水位を測定して水位
データを得る。水位測定部11は、得られた水位データ
をデータ送信部13へ送出する。データ送信部13は水
位測定部11から送出された水位データを水位計算装置
3のデータ受信部21へ送信する。なお、水位の測定
は、ここでは、例えば5分ごとに行われているとし、こ
のように所定の時間間隔で行われる測定のタームを以
後、測定タイムステップと呼ぶ。
【0056】次のステップS2において、OS/CPU
部26は、データ受信部21で受信した水位データを水
位データベース22に格納する。
【0057】次のステップS3において、データベース
サーバ4のOS/CPU部26は、データ受信部21で
受信した水位データを演算部5へ送出する。演算部5の
OS/CPU35は、送出された水位データを基に水位
/流路抵抗関係式データベース31の関係式を検索し、
適合する流路抵抗を求める。ステップS3の後は、ステ
ップS7へと進む。
【0058】降雨データ系のステップS4において、測
定装置2の降雨量測定部12は降雨量を測定して降雨量
データを得る。降雨量測定部12は、得られた降雨量デ
ータをデータ送信部13へ送出する。データ送信部13
は降雨量測定部12から送出された降雨量データを水位
計算装置3のデータ受信部21へ送信する。なお、降雨
量の測定は、ここでは、例えば5分ごとに行われている
とする。
【0059】次のステップS5において、OS/CPU
部26は、データ受信部21で受信した降雨量データを
降雨量データベース23に格納する。
【0060】次のステップS6において、データベース
サーバ4のOS/CPU部26は、データ受信部21で
受信した降雨量データを演算部5へ送出する。演算部5
のOS/CPU部35は、送出された降雨量データを基
に降雨量/流入量/時間変化関係式データベース32の
関係式を検索し、適合する流入量を求める。ステップS
6の後は、ステップS7へと進む。
【0061】ステップS7において、OS/CPU部3
5は、関係式から求めた流入量と流路抵抗とをそれぞれ
予測水位計算に備えて規格化する。OS/CPU部35
は、記憶部34に格納された予測水位計算ソフトを読み
出し、規格化された流路抵抗と流入量とからプログラム
に応じて水位予測をするための方程式を立てる。この方
程式は、例えば、有限要素法、差分法又はキルヒホッフ
の法則に従って立てられる。そして、OS/CPU部3
5は、立てた方程式を予測水位計算ソフトのアルゴリズ
ムに従って解く。例えば、有限要素法又は差分法によっ
て立てられた方程式はガウス消去法で、キルヒホッフの
法則によって立てられた方程式はニュートン法で解く。
【0062】続いてOS/CPU部35は、得られた方
程式の解から予測水位データを算出する。予測水位デー
タは、任意の時間単位で求めることが可能であり、1計
算タイムステップで数秒から数分後の水位予測を行う。
例えば、ここでは1計算タイムステップで10秒後の水
位予測をし、次々と計算ステップを積み重ねて5時間後
までの予測水位データを算出する。また、OS/CPU
部35は、予測水位データを算出する際、後述する測定
した水位データとの比較を行うために予測水位データの
計算途中で測定タイムステップと同じ時間後の予測水位
データを抽出し、図示しない記憶部に記憶させる。例え
ば測定タイムステップが5分であるとすると、抽出され
る予測水位データは5分後の水位を表す予測水位データ
である。
【0063】続いて、OS/CPU部35は、算出され
た予測水位データを制御部6へ送出する。
【0064】また、ステップS7終了後、算出された予
測水位データを用いて、ステップS8へと進み1計算タ
イムステップの時間間隔でループする主ループ系の行程
と、ステップS12へ進み1測定タイムステップの時間
間隔で実行される水位データ系の行程と、ステップS1
5へと進む降雨データ系の行程がそれぞれ独立して実行
される。
【0065】主ループ系のステップS8において、OS
/CPU部44は、記憶部41から予測水位3D表示ソ
フトを読み出し、送出された予測水位データを用いて河
川の水位変化を示す3D画像を生成し図示しない表示部
へ出力させる。
【0066】次のステップS9において、OS/CPU
部44は、記憶部42から危険水位警報ソフト42を読
み出し、送出された予測水位データを用いて河川の水位
が増大して氾濫を起こす危険がないかどうかの判断をす
る。OS/CPU部44は、予測される水位が危険であ
ると判断した場合はステップS10へ、危険でないと判
断した場合はステップS12へ行程を進める。
【0067】次のステップS10において、OS/CP
U部44は、ステップS9において予測される水位が危
険であると判断されたので、この旨を図示しない警報器
に伝え、警報を発令させる。
【0068】次のステップS11において、OS/CP
U部44は、河川が氾濫することによって危険の及ぶ地
域を特定し、制御部6の図示しない表示部にその地域の
地図画像などを出力させる。なお、OS/CPU部44
は、河川の氾濫によって危険の及ぶ地域の画像をネット
ワークを介して送信してもよい。ステップS11終了
後、OS/CPU部44は行程をステップS12へと進
める。
【0069】次のステップS12において、演算部5の
OS/CPU部35は予測水位計算の計算タイムステッ
プを1つ進める。ステップS12の終了後、行程はステ
ップS7へと戻る。
【0070】一方、ステップS13〜ステップS15で
は、ステップS7で算出された予測水位データから水位
/流路抵抗関係式の更新が行われる。
【0071】ステップS13において、OS/CPU部
35は、記憶部34に格納されている関係式修正ソフト
を用い、1測定タイムステップ前のステップS7で算出
された予測水位データと、この測定タイムステップで測
定された水位データとを比較する。
【0072】例えば、水位測定時間及び降雨量測定時間
の間隔、つまり1測定タイムステップが5分となるよう
に記録部43に格納されているシステム監視制御ソフト
を用いて設定を行うと、演算部5には測定装置2から5
分ごとに測定された水位データと降雨量データとが送信
されてくる。OS/CPU部35は、5分ごとに送信さ
れる水位データの測定値と予測水位データとを比較する
ため、予測水位データの計算途中で5分後の予測水位デ
ータを抽出し、図示しない記憶部に記憶させておく。そ
して、OS/CPU部35は、この測定タイムステップ
で測定された水位データと、5分前に測定した水位から
算出した予測水位データから抽出し図示しない記憶部に
記憶させた5分後の予測水位データとの比較をする。
【0073】以下の説明では1測定タイムステップ前の
水位データから算出され、次の測定タイムステップで測
定される水位の測定値との比較対象となる予測水位デー
タのことを前予測水位データと呼ぶ。
【0074】ステップS14において、OS/CPU部
35は、ステップS13によって比較された測定水位デ
ータと前予測水位データとの比較結果に応じて、水位/
流路抵抗関係式データベース31に蓄積されている関係
式の修正を行う。測定水位データと前予測水位データと
に相違があると、例えば、川底の形状が変化し流路抵抗
の値が変わったと考えることができる。
【0075】ステップS15において、OS/CPU部
35は、ステップS14で修正された関係式を水位/流
路抵抗関係式データベース31へ更新する。
【0076】ステップS16において、OS/CPU部
35は、降雨量/流入量/時間変化関係式データベース
32に蓄積されている関係式の修正を行い、再び、降雨
量/流入量/時間変化関係式データベース32へ更新す
る。
【0077】このような水位予測システム1では、予測
水位データを算出するために使用する流路抵抗を求める
ための水位データとの関係式を水位/流路抵抗関係式デ
ータベース31へ、流入量を求めるための降雨量との関
係式を降雨量/流入量/時間変化関係式データベース3
2に蓄積させ、それぞれの関係式を測定装置2で水位デ
ータ、降雨量を測定するごとに更新することで1次元構
造で単純化したことで少ない計算量であるにもかかわら
ず精度の高い水位予測を行うことができる。
【0078】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなように、本発
明の水位計算装置は、受信手段で受信した水位と第1の
蓄積手段に蓄積された第1の関係式とから流路抵抗を求
め、受信手段で受信した降雨量と第2の蓄積手段に蓄積
された第2の関係式とから流入量を求め、求めた流路抵
抗と流入量及び第3の蓄積手段に蓄積されている河川の
断面形状のデータを用いて演算手段によって予測水位を
算出し、演算手段によって算出された予測水位と受信手
段で受信された水位とを比較し、その誤差に基づき第1
の蓄積手段に蓄積された第1の関係式と第2の蓄積手段
に蓄積された第2の関係式とを更新手段によって更新す
ることで、洪水や河川改修の直後の蓄積データがなくな
るような複雑な条件下においても水位予測をすることを
可能とする。
【0079】以上の説明からも明らかなように、本発明
の水位予測システムは、水位測定手段によって測定した
水位と第1の蓄積手段に蓄積された第1の関係式とから
流路抵抗を求め、降雨量測定手段によって測定した降雨
量と第2の蓄積手段に蓄積された第2の関係式とから流
入量を求め、求めた流路抵抗と流入量及び第3の蓄積手
段に蓄積されている河川の断面形状のデータを用いて演
算手段によって予測水位を算出し、演算手段によって算
出された予測水位と水位測定手段によって測定された水
位とを比較し、その誤差に基づき第1の蓄積手段に蓄積
された第1の関係式と第2の蓄積手段に蓄積された第2
の関係式とを更新手段によって更新することで、洪水や
河川改修の直後の蓄積データがなくなるような複雑な条
件下においても水位予測をすることを可能とする。
【0080】以上の説明からも明らかなように、本発明
の水位予測方法は、測定した水位と第1の関係式とから
流路抵抗を求め、測定した降雨量と第2の関係式とから
流入量を求め、求めた流路抵抗と流入量及び河川の断面
形状のデータを用いて予測水位を算出し、算出した予測
水位と測定した水位とを比較し、その誤差に基づき第1
の関係式と第2の関係式とを更新することで、複雑な条
件下においても水位予測をすることを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態として示す水位予測システ
ムの構成を説明をするための概略図である。
【図2】同水位予測システムにおいて、河川に設置する
測定装置の設置方法について説明するための模式図であ
る。
【図3】同水位予測システムにおいて、予測水位計算の
流れについて説明するためのフローチャートである。
【符号の説明】
1 水位予測システム、2 測定装置、3 水位計算装
置、4 データベースサーバ、5 演算部、6 制御部

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 所定の時間間隔で測定された水位と降雨
    量とを受信する受信手段と、 水位と流路抵抗とを関係付ける第1の関係式が蓄積され
    た第1の蓄積手段と、 降雨量と流入量とを関係付ける第2の関係式が蓄積され
    た第2の蓄積手段と、 河川の断面形状のデータを蓄積する第3の蓄積手段と、 上記受信手段で受信された水位をデータとして蓄積する
    第4の蓄積手段と、 上記受信手段で受信された降雨量をデータとして蓄積す
    る第5の蓄積手段と、 上記受信手段で受信された水位と上記第1の蓄積手段に
    よって蓄積されている第1の関係式とから流路抵抗を求
    め、上記受信手段で受信された降雨量と上記第2の蓄積
    手段によって蓄積されている第2の関係式とから流入量
    を求め、求めた上記流路抵抗と流入量及び上記第3の蓄
    積手段に蓄積されている河川の断面形状のデータを用
    い、河川を1次元構造に近似して予測水位を算出する演
    算手段と、 上記演算手段によって算出された予測水位と上記受信手
    段によって受信された水位とを比較し、その誤差に基づ
    き上記第1の蓄積手段によって蓄積されている第1の関
    係式と上記第2の蓄積手段によって蓄積されている第2
    の関係式とを更新する更新手段とを備えることを特徴と
    する水位計算装置。
  2. 【請求項2】 上記演算手段で算出された予測水位に基
    づいて河川の水位の様子を表す画像を生成する画像生成
    手段を備えることを特徴とする請求項1記載の水位計算
    装置。
  3. 【請求項3】 上記画像生成手段で生成された画像を出
    力する画像出力手段を備えることを特徴とする請求項2
    記載の水位計算装置。
  4. 【請求項4】 上記演算手段で算出された予測水位に基
    づいて警報の発令をする警報発令手段を備えることを特
    徴とする請求項1記載の水位計算装置。
  5. 【請求項5】 上記警報発令手段によって発令される警
    報に応じて警報音を出力し、危険個所あるいは周辺状況
    の画像を出力表示する出力手段を備えることを特徴とす
    る請求項4記載の水位計算装置。
  6. 【請求項6】 上記警報発令手段によって発令される警
    報に応じて危険個所あるいは周辺状況を表示する画像を
    ネットワークを介して配信する配信手段を備えることを
    特徴とする請求項4記載の水位計算装置。
  7. 【請求項7】 所定の時間間隔で河川の水位を測定する
    水位測定手段と、所定の時間間隔で降雨量を測定する降
    雨量測定手段と、上記水位測定手段で測定された河川の
    水位と上記降雨量測定手段で測定された降雨量とを送信
    する送信手段とを有する1つ以上の測定装置と、 上記送信手段から送信された水位と降雨量とを受信する
    受信手段と、水位と流路抵抗とを関係付ける第1の関係
    式が蓄積された第1の蓄積手段と、降雨量と流入量とを
    関係付ける第2の関係式が蓄積された第2の蓄積手段
    と、河川の断面形状のデータを蓄積する第3の蓄積手段
    と、上記受信手段で受信された水位をデータとして蓄積
    する第4の蓄積手段と、上記受信手段で受信された降雨
    量をデータとして蓄積する第5の蓄積手段と、上記受信
    手段で受信された水位と上記第1の蓄積手段によって蓄
    積されている第1の関係式とから流路抵抗を求め、上記
    受信手段で受信された降雨量と上記第2の蓄積手段によ
    って蓄積されている第2の関係式とから流入量を求め、
    求めた上記流路抵抗と流入量及び上記第3の蓄積手段に
    蓄積されている河川の断面形状のデータを用い、河川を
    1次元構造に近似して予測水位を算出する演算手段と、
    上記演算手段によって算出された予測水位と上記受信手
    段によって受信された水位とを比較し、その誤差に基づ
    き上記第1の蓄積手段によって蓄積されている第1の関
    係式と上記第2の蓄積手段によって蓄積されている第2
    の関係式とを更新する更新手段とを有する水位計算装置
    とを備えることを特徴とする水位予測システム。
  8. 【請求項8】 上記水位計算装置は、上記演算手段で算
    出された予測水位に基づいて河川の水位の様子を表す画
    像を生成する画像生成手段を有することを特徴とする請
    求項7記載の水位予測システム。
  9. 【請求項9】 上記水位計算装置は、上記画像生成手段
    で生成された画像を出力する画像出力手段を有すること
    を特徴とする請求項8記載の水位予測システム。
  10. 【請求項10】 上記水位計算装置は、上記演算手段で
    算出された予測水位に基づいて警報の発令をする警報発
    令手段を有することを特徴とする請求項7記載の水位予
    測システム。
  11. 【請求項11】 上記水位計算装置は、上記警報発令手
    段によって発令される警報に応じて警報音を出力し、危
    険個所あるいは周辺状況の画像を出力表示する出力手段
    を有することを特徴とする請求項10記載の水位予測シ
    ステム。
  12. 【請求項12】 上記水位計算装置は、上記警報発令手
    段によって発令される警報に応じて危険個所あるいは周
    辺状況を表示する画像をネットワークを介して配信する
    配信手段を有することを特徴とする請求項10記載の水
    位予測システム。
  13. 【請求項13】 第1の関係式と所定の時間間隔で測定
    した河川の水位とに基づき流路抵抗を算出し、 第2の関係式と所定の時間間隔で測定した河川への降雨
    量とに基づき流入量を算出し、 算出した上記流路抵抗と流入量及び河川の断面形状のデ
    ータを用いて河川を1次元構造に近似して予測水位を算
    出し、 算出した上記予測水位と測定した上記河川の水位とを比
    較し、 その誤差に基づき上記第1の関係式と第2の関係式とを
    更新することを特徴とする水位予測方法。
  14. 【請求項14】 予測水位を算出した後、算出された上
    記予測水位に基づいて河川の水位の様子を表す画像を生
    成することを特徴とする請求項13記載の水位予測方
    法。
  15. 【請求項15】 生成した上記河川の水位の様子を表す
    画像を出力することを特徴とする請求項14記載の水位
    予測方法。
  16. 【請求項16】 予測水位を算出した後、算出された上
    記予測水位に基づいて警報の発令をすることを特徴とす
    る請求項13記載の水位予測方法。
  17. 【請求項17】 警報が発令された後、警報音を出力
    し、危険個所あるいは周辺状況の画像を出力表示するこ
    とを特徴とする請求項16記載の水位予測方法。
  18. 【請求項18】 警報が発令された後、危険個所あるい
    は周辺状況を表示する画像をネットワークを介して配信
    することを特徴とする請求項16記載の水位予測方法。
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