JP2010210767A - カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、および画像表示装置 - Google Patents

カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ、および画像表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】透明基板とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性が高く、柔軟性のある透明基板に対しても透明基板とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性が高いカラーフィルタの製造方法を提供し、それを用いて表示不良を発生しない画像表示装置を提供する。
【解決手段】Ti、Zr、およびAlの群から選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基、および/またはアシルオキシ基が置換した化合物である有機金属化合物を含む層を、透明基板上に設ける工程、次いで該有機金属化合物を含む層の上に光硬化性インク組成物を印刷する工程 を含むカラーフィルタの製造方法。
【選択図】図1

Description

本発明は、光硬化性インク組成物を印刷によって基板に適用し、着色パターンを形成するカラーフィルタの製造方法、及び、それにより得られるカラーフィルタおよび画像表示装置に関する。
近年の薄型表示デバイスは、テレビジョンから情報端末のインターフェイス、産業装置のインターフェイスから携帯情報機器まで幅広く使用されるようになった。特に近年、電子機器を日常的に身につけて使用するようになったため、搭載される薄型表示デバイスは荷重や落下で破損しないように軽量で丈夫なことが求められており、ねじれや湾曲しても破損しない可撓性のある薄型表示デバイスの実用化も始まっている。これらの薄型表示デバイスのカラー化に使用されるカラーフィルタにも高い耐久性が求められるようになっている。
カラーフィルタの支持体は通常ガラスが用いられる。ガラス基板は通常0.03〜1.1mmの厚さであるが、多少の湾曲が可能となっている。
カラーフィルタの着色部は顔料を分散した樹脂であるため、ガラスとの密着性が悪く、湾曲することによってガラス基板から剥離し、表示不良を発生してしまう問題があった。
また、更なる軽量化のために樹脂フィルムを支持体とするカラーフィルタも登場しており、支持体とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性は今後重要である。
一方、カラーフィルタの製造においては、多数の製造方式が提案されてきたが、品質の観点から顔料を分散した光硬化型樹脂組成物を使用したフォトリソグラフィ法が主流となっている。しかし、フォトリソグラフィ法は、塗布・乾燥・露光・現像・ポストベークの繰り返しで製造するため、工程が多く、設備数も多く必要である。マザーガラス基板の大型化と相まって、ラインの大型化とそれに伴う生産設備の高価格化を招いており、コストダウンの要求に対応するには厳しい状況にある。
また多色のパターンを形成する場合、一度形成したパターンの上に別の色の光硬化性組成物を塗布して、再度パターン形成工程を繰り返すが、既に形成を行ったパターン上に他の色がスカムとして残ることがあり、混色を起こして、色純度の低下の原因となってしまう。この現象を押さえるために、一度形成したパターンを高温でさらに硬化を進める必要がある。一方、高コントラスト化のために、用いる顔料は微細化されている。フォトリソグラフィ法では多くの加熱工程を繰り返すので、微細化された顔料が熱によって劣化し、色相変化を起こし易く、高い光学特性を維持することが難しい。
一方、生産性は高いが品質面で難があるとされた印刷法によるカラーフィルタの製造、特にグラビア印刷法および、グラビアオフセット法による製造方法は、印刷装置の精度向上、製版技術(例えば、引用文献1参照)により、高い品質のカラーフィルタを低コストで製造できる可能性を示唆している。
特開2007−118593号公報
本発明が解決しようとする課題は、透明基板とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性が高く、柔軟性のある透明基板に対しても透明基板とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性が高いカラーフィルタの製造方法を提供しようとするものである。本発明のさらなる課題は、カラーフィルタの着色層エレメントが剥離しないカラーフィルタを提供しようとするものであり、それを用いて表示不良を発生しない画像表示装置を提供しようとするものである。
本発明者は鋭意検討した結果、以下の方法によって、上記課題を解決することを見出した。
<1>Ti、Zr、およびAlからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基およびアシルオキシ基の少なくとも1つが置換してなる有機金属化合物を含む層を、透明基板上に設ける有機金属化合物含有層形成工程と、
該有機金属化合物を含む層の上に光硬化性インク組成物を用いて印刷し着色領域を形成する印刷工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
<2> 前記有機金属化合物が、Ti原子に、アルコキシ基、および/またはアシルオキシ基が置換した化合物である<1>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<3> 前記有機金属化合物が、Ti原子に、アルコキシ基とアシルオキシ基とが置換した化合物である<1>または<2>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<4> 前記有機金属化合物含有層形成工程の後に、60℃〜120℃の範囲で加熱する加熱工程を有する<1>から<3>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
<5> 前記印刷工程が、光硬化性インク組成物をパターン状に版またはブランケットロール上に付与する工程と、版またはブランケットロールに透明基板を一部巻きつけて透明基板の背面から印圧をかける工程と、透明基板の背面から露光する工程と、露光後に、光硬化性インク組成物からなる着色領域を版またはブランケットロール上から前記透明基板上に転写する工程とを順次有し、透明基板上に着色領域からなる画素を作製する工程である<1>から<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
<6> 前記露光する工程における露光量が、1〜3000mJ/cmの範囲であるである<5>に記載のカラーフィルタの製造方法。
<7> <1>から<6>のいずれか1項に記載の製造方法によって、製造されたカラーフィルタ。
<8> <7>に記載のカラーフィルタを用いた画像表示装置。
本発明では、反応性が高い有機金属化合物を含む層を透明基板上に形成し、その上にカラーフィルタの着色層エレメントを形成したことによって、該有機金属化合物はカラーフィルタの着色層エレメントを構成する光硬化性インク組成物層との接触面で、該有機金属化合物有機金属化合物を含む層と光硬化性インク組成物層(カラーフィルタの着色層エレメント)との反応が促進され、高い密着性を生み出したものと考えられる。さらに光硬化性インク組成物の印刷工程における透明基板の裏面からの露光によって反応がさらに促進され、可撓性のある透明基板に対してもカラーフィルタの着色層エレメントが高い密着性を示したものと考えられる。
本発明によって、支持体とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性が高く、柔軟性のある支持体に対しても支持体とカラーフィルタの着色層エレメントとの密着性が高いカラーフィルタの製造方法を提供することができる。さらに、カラーフィルタの着色層エレメントが剥離しないカラーフィルタを提供することができ、それを用いて表示不良を発生しない画像表示装置を提供することができる。
以下、発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明は、透明基板上に、Ti、Zr、およびAlの群から選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基、および/またはアシルオキシ基が置換した化合物である有機金属化合物(以下、適宜「特定有機金属化合物」と称する。)を含む層を設け、次いで該有機金属化合物を含む層の上に光硬化性インク組成物によりパターン状に印刷を行って着色領域を形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法である。
<Ti、Zr、およびAlの群から選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基、および/またはアシルオキシ基が置換した化合物である有機金属化合物:特定有機金属化合物>
本発明に用いる特定有機金属化合物は、Ti、Zr、およびAlの群から選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基、および/またはアシルオキシ基が置換した化合物である有機金属化合物であり、透明基板および/または光硬化性インク組成物と化学的に結合する性質を有することを特徴とするものである。
金属原子がTiおよびZrの場合は金属原子に置換する4個の置換基(配位子)のうち1個以上がアルコキシ基、またはアシルオキシ基であればよく、Alの場合は3個の置換基のうち1個以上がアルコキシ基、またはアシルオキシ基であればよい。
好ましくは、金属原子がTiおよびZrの場合は、3個以上がアルコキシ基、またはアシルオキシ基で置換された有機金属化合物であり、Alの場合は、1個以上がアルコキシ基またはアシルオキシ基で置換された化合物である。
より好ましくは、Ti、Zr、およびAlの群から選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基とアシルオキシ基とがそれぞれ1個以上が置換したものが好ましく、TiおよびZrの場合は、アルコキシ基とアシルオキシ基との合計が4個であり、Alの場合はアルコキシ基とアシルオキシ基との合計が3個である化合物が好ましい。
ここでアルコキシ基としては、炭素数が2〜17の範囲であるアルコキシ基であり、好ましくは炭素数が3〜12の範囲である。
前記アルコキシ基は置換基を有してもよく、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、等である。これらの置換基は炭素数として1〜8の範囲である。
また、アシルオキシ基としては、炭素数が1〜17の範囲であるアシルオキシ基であり、好ましくは炭素数が1〜12の範囲である。
前記アシルオキシ基は置換基を有してもよく、置換基としてはアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基である。これらの置換基は炭素数として1〜8の範囲である。
本発明で用いる特定有機金属化合物における金属原子は、Ti、Zr、およびAlの群から選ばれた少なくとも1種であれば特に限定しないが、透明基板上に成膜した際に着色せず、塗布液の保存時の安定性からは、TiおよびZrが好ましく、特にTiが好ましい。
本発明で用いる特定有機金属化合物を下記に例示するが、本発明はこれに制限されるものではない。
<Ti化合物>
テトラエトキシチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラノルマルブチルチタネート、テトラsec−ブチルチタネート、テトラヘキシルチタネート、テトラオクチルチタネート、テトラ(2−エチルヘキシル)チタネート、トリ−n−ブトキシチタンモノステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジステアレート、ジ−i−プロポキシチタンジイソステアレート、(2−n−ブトキシカルボニルベンゾイルオキシ)トリブトキシチタン、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタン、ジプロピルオキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタン、テトラアセチルアセトネートチタン、ジオクチロキシ・ビス(オクチレングリコレート)チタン、
<Zr化合物>
ジルコニウムテトラノルマルプロポキシド、ジルコニウムテトラノルマルブトキシド、ジルコニウムトリブトキシモノステアレート、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、ジルコニウムトリブトキシモノアセチルアセトネート、ジルコニウムモノブトキシアセチルアセトネートビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムジブトキシビス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート、
<Al化合物>
アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリブトキサイド、アルミニウムトリsec−ブトキサイド、アルミニウムトリtert−ブトキサイド、アルミニウムトリ−2,2,6,6−トテラメチル,3,5−ヘプタンジオネート、アルミニウムイソプロポキサイド、アルミニウムジイソプロピレートモノセカンダリーブチレート、アルミニウムセカンダリーブチレート、アルミニウムエチルアセトアセテート・アルミニウムジイソプロポキサイド、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、アルミニウムラクテート、アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート、アルミニウムビスエチルアセトアセテート・モノアセチルアセトネート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート
本発明の特定有機金属化合物としては、市販品を用いることも可能である。
本発明に使用できるTi原子を有する有機金属化合物の市販品としては、TOT、TOG、T−50、T−60、TBSTA、DPSTA−25、S−151、S−152、S−181(以上、日本曹達(株)製)、オルガチックスTA−10、同TA−25、同TA−22、同TA−30、同TPHS、同TC−100、同TC−200、同TC−401、同TC−750(以上、マツモトファインケミカル(株)製)などであり、Zr原子を有する有機金属化合物の市販品としては、オルガチックスZA−40、同ZA−65、ZB−126、同ZC−150、同ZC−540、同ZC−570、同ZC−580、同ZC−700(以上、マツモトファインケミカル(株)製)などであり、Al原子を有する有機金属化合物の市販品としては、プレンアクトAL−M(味の素(株)製)、アルミニウムエチレート、AIPD、PADM、AMD、ASBD、ALCH、ALCH−TR、アルミキレートM、アルミキレートD、アルミキレートA(W)(以上、川研ファインケミカル(株)製)などが挙げられる。
<透明基板>
本発明に用いる透明基板は、可視光と活性光線を透過できるものであれば、限定されず、種々のガラス基板やプラスチック基板を用いることができる。
また、本発明における透明基板は枚葉で供給されても、ウェブ状で供給されても良い。
ガラス基板としては、印圧で破損したり、変形したりしないものであれば使用可能である。ガラス基板の厚さとしては1.0mm以下のガラス基板を用いることができる。好ましくは0.7mm〜0.03mmの厚みのガラス基板であり、前記ウェブ状で供給される場合は0.3〜0.03mmの厚みが特に好ましい。
プラスチック基板に求められる特性としては、カラーフィルタ作成時の加熱による変形が少なく、印圧による変形が少なく、ガスバリア性が高く、光透過率や光学等方性などの光学特性・高い表面平滑性などがある。熱膨張に関しては熱膨張係数が10−4以下であることが好ましい。プラスチック基板の厚みとしてとしては、1.0mm〜0.01mmの厚みであり、前記ウェブ状で供給されるばあいは0.7〜0.01mmの厚みが好ましい。
また前記透明基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、パイレックス(登録商標)ガラス、石英ガラス、及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板等、並びにプラスチック樹脂基板などが挙げられる。これらの基板上には、各画素を隔離するブラックマトリクスが形成されていても良いし、また基板を平坦化するために透明層を設けていても良い。
プラスチック基板の材質としては、光学特性、耐熱性、機械的強度などの点から、アモルファスポリオレフィン、ポリエーテルスルホン、ポリグルタルイミド、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ノルボルネンポリマー、ビスアニリンフルオレンをジアミン成分としたポリイミド、ビスフェノールフルオレンと2塩基酸からなるポリエステルなどが挙げられる。この中でもポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、及びノルボルネンポリマーが好ましい。前記原材料は、特に液晶表示装置用途において好ましい。
これらの透明基板には、所望により、EB表面改質処理、フレーム処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の適宜の前処理を施しておくこともできる。これによって、透明基板と有機金属化合物膜との密着性が増し、さらに均一な塗膜を形成することができる。
またプラスチック基板においてはその表面にガスバリア層および/又は耐溶剤性層を有していることが望ましく、低温(200℃程度)で形成できるDLC(ダイヤモンドライクカーボン)膜が高抵抗性、高化学安定性、高ガスバリア性の点から好ましい。
(特定有機金属化合物含有層の形成)
特定有機金属化合物は、塗工しやすいように溶剤で希釈もしくは溶解して所望の粘度にすることもできる。使用できる溶剤としては、イソプロピルアルコール、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル等;エーテル類、例えば、ジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
溶剤として好ましくは、イソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−エトキシプロピン酸エチルであり、特に好ましくは3−エトキシプロピオン酸エチルである。
本発明で塗布に用いる特定有機金属化合物の溶液には、必要によって各種の界面活性剤を用いて構成することができる。具体的にはフッソ系界面活性剤、ノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
これらの界面活性剤を含有することで、特定有機金属化合物の塗布液を透明基板上に付与した時の平滑性を向上することができる。すなわち、特定有機金属化合物の塗布液と透明基板との界面張力を低下させて透明基板への濡れ性が改善され、表面が平滑な膜形成が可能である点で有効である。
フッ素系有機化合物のフッ素含有率は3〜40質量%が好適であり、より好ましくは5〜30質量%であり、特に好ましくは7〜25質量%である。フッ素含有率が前記範囲内であると、光硬化性インキ組成物の表面平滑性が向上し、該組成物中への溶解性も良好である。
フッソ系界面活性剤としては、末端、主鎖および側鎖の少なくともいずれかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物を好適に用いることができる。具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同780、同781、同R30、同R08、同F−472SF、同BL20、同R−61、同R−90(DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431、Novec FC−4430(住友スリーエム(株)製)、アサヒガードAG7105,7000,950,7600、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭ガラス(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(JEMCO(株)製)などである。
ノニオン系界面活性剤の例として、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類などのノニオン系界面活性剤が特に好ましい。具体的には、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリル化エーテル、ポリオキシエチレントリベンジルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン-プロピレンポリスチリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリオキシエチレンジラウレート、ポリオキシエチレンジステアレートなどのポリオキシエチレンジアルキルエステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル類、エチレンジアミンポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン縮合物などのノニオン系界面活性剤があり、これらは花王(株)、日油(株)、竹本油脂(株)、(株)ADEKA、三洋化成(株)などから市販されているものが適宜使用できる。
フッ素系有機化合物の添加量は、特定有機金属化合物の塗布液の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
ノニオン系界面活性剤の添加量は、特定有機金属化合物の塗布液の全質量に対して、0.005〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜2.0質量%である。
特定有機金属化合物含有層を透明基板上に設ける方法は、前記した溶剤で特定有機金属化合物を希釈もしくは溶解し、スピンコーター、スリットダイコーター、スプレイコーター、リバースロールコーター、グラビアコーター、マイクロバーコーター、ロッドコーター、デップコーター、エアナイフコーター、ブレードコーター、キスロールコーター等による塗布法によって設ける方法が好ましい。
特定有機金属化合物は、空気中の水分と反応しやすいため、塗布液が空気と接触しないクローズド方式のコーターが望ましい。
塗布液の濃度は特に限定しないが、1〜100wt%、好ましくは5〜90wt%、さらに好ましく10〜80wt%である。また塗布量は、後述する膜厚(焼成後)を得るように設定すればよい。
有機金属化合物塗膜は、塗布直後に加熱工程(焼成)を実施する必要がある。これは、塗布してから放置すると空気中の水分と反応して成膜することができなくなるためである。塗布完了から焼成工程までの間を5分以内に始めるのが好ましく、3分以内がより好ましく、更に好ましくは1分以内である。
焼成方法はホットプレート、コンベクションオーブン、高周波処理などいずれでもよく、その他の方法でもよい。
加熱工程における焼成温度は60℃〜120℃の範囲であることが。塗膜にムラを発生せずに成膜することができるという観点から好ましい。加熱温度は、より好ましくは70℃〜110℃の範囲であり、さらに好ましくは80℃〜100℃の範囲である。
焼成時間は40秒〜180℃が高い密着性を得ることができ、好ましくは60秒〜160秒であり、さらに好ましくは80秒〜140秒である。
膜厚(焼成後)は、光学特性から薄い方が好ましい。0.01〜0.5μmの範囲が好ましく、0.03〜0.4μmの範囲がより好ましく、さらに好ましくは0.05〜0.3μmの範囲である。
このようにして、透明基板上に特定有機金属化合物含有層が形成される。
<印刷工程>
本発明においては、有機金属化合物含有層を形成した後、その表面に、光硬化性インキ組成物をもちいて着色領域を形成する印刷工程を実施する。
(光硬化性インキ組成物)
以下、画素などとなる着色領域を形成するための光硬化性インキ組成物について説明する。
本発明に用いる光硬化性インキ組成物は、(a)着色剤と、(b)高分子化合物と、(c)重合性化合物と、(d)光重合開始剤、および必要によっては(e)溶剤やその他の添加剤を含有する組成物である。
<(a)着色剤>
(a)着色剤としては、有機、無機の顔料、染料、あるいはこれらの混合物が使用可能である。顔料としては、従来公知の、例えば特開2008−268884号公報の〔0053〕〜〔0069〕に記載されているような種々の無機顔料又は有機顔料を適宜選択して用いることができる。
顔料の粒子サイズとしては、高コントラスト、高透過率であることが好ましいこと等を考慮すると、有機顔料が好ましく、また、なるべく粒子サイズの小さいものを使用することが好ましい。光硬化性インキ組成物のハンドリング性を考慮すると、顔料の平均1次粒子径としては、100nm以下が好ましく、30nm以下がより好ましく、5〜25nmが最も好ましい。該粒径が前記範囲内であると、透過率が高く、色特性が良好であると共に、高いコントラストのカラーフィルタを形成するのに有効である。平均1次粒子径は、SEMあるいはTEMで観察し、粒子が凝集していない部分で粒子サイズを100個計測し、平均値を算出することによって求める。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185,
C.I.Pigment Orange 36,71,
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264,
C.I.Pigment Violet 19,23,32,
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66,79、79のCl置換基をOHに変更したもの、
C.I.Pigment Green 7,36,37,58;
C.I.Pigment Black 1、7
これら有機顔料は、単独もしくは色純度を上げるため種々の組合せて用いることができる。上記の組合せの具体例を以下に示す。例えば、赤の顔料として、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料単独又はそれらの少なくとも1種と、ジスアゾ系黄色顔料、イソインドリン系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料又はペリレン系赤色顔料、アントラキノン系赤色顔料、ジケトピロロピロール系赤色顔料と、の混合などを用いることができる。例えば、アントラキノン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド177が挙げられ、ペリレン系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド155、C.I.ピグメント・レッド224が挙げられ、ジケトピロロピロール系顔料としては、C.I.ピグメント・レッド254が挙げられ、色再現性の点でC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー139又はC.I.ピグメント・レッド177との混合が好ましい。また、赤色顔料と他顔料との質量比は、100:5〜100:80が好ましい。光透過率と色純度,発色力の観点から前記範囲が好ましい。特に、上記質量比としては、100:10〜100:65の範囲が最適である。尚、赤色顔料同士の組み合わせの場合は、色度に併せて調整することができる。
また、緑の顔料としては、ハロゲン化フタロシアニン系顔料を1種単独で又は、これとジスアゾ系黄色顔料、キノフタロン系黄色顔料、アゾメチン系黄色顔料若しくはイソインドリン系黄色顔料との混合を用いることができる。例えば、このような例としては、C.I.ピグメント・グリーン7、36、37とC.I.ピグメント・イエロー83、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー139、C.I.ピグメント・イエロー150、C.I.ピグメント・イエロー180又はC.I.ピグメント・イエロー185との混合が好ましい。緑顔料と黄色顔料との質量比は、100:5〜100:200が好ましい。光透過率と色純度,NTSC目標色相の観点から前記範囲が好ましい。上記質量比としては100:20〜100:150の範囲が特に好ましい。
青の顔料としては、フタロシアニン系顔料を1種単独で、若しくはこれとジオキサジン系紫色顔料との混合を用いることができる。特に好適な例として、C.I.ピグメント・ブルー15:6とC.I.ピグメント・バイオレット23との混合を挙げることができる。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:100が好ましく、より好ましくは100:70以下である。
本発明に用いる顔料は、色純度の向上、透過率アップ、コントラストの向上などのために微細化して用いることができる。
このような顔料は、母体顔料を適当な良溶媒に溶解させた後、貧溶媒中に注ぎ込むことで得られる析出法や、ボールミルやニーダー中で塩化ナトリウムなどの水溶性無機塩とともに混練磨砕した後、水溶性無機塩を水洗除去する磨砕法(ソルトミリング法)などの一次粒子を細かくする手段を用いることによって得られるが、特に限定はない。例えば、母体顔料と塩化ナトリウムや硫酸ナトリウムなどの水溶性無機塩、及びエチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコールなどの水溶性有機溶剤を適切な割合でニーダー中に仕込み、温度をコントロールしながら、一定時間内容物を圧縮混練した後、加温した希硫酸水溶液中に投入攪拌し、次いで濾過、水洗を行い水溶性無機塩、水溶性有機溶剤を除去、更に温風で乾燥後に粉砕して得る方法を挙げることができる。
必要によって分散樹脂を、上記した顔料の微細化工程で使用することができるが、分散樹脂としては天然樹脂、合成樹脂あるいは以下に述べるような特定構造の高分子化合物が使用可能であり、特に下記に示す特定構造の高分子化合物が顔料への吸着性が強く、顔料を被覆することができる。特定構造の樹脂で被覆した微細化した顔料を1次粒子として分散させ、顔料分散液、光硬化性インキ組成物の分散安定性を確保するのに有効である。
天然樹脂としては、ロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体及びそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
上記した被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65%以上が遊離、除去されるが、表面被覆された顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30%以下である。
被覆処理後の顔料は、1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、遊離量を算出する。その方法は、顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機で室温で3時間、振とうさせ、次いで遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めることができる。顔料から遊離した高分子化合物の質量を求め、初期の処理に使用した高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出することができる。
市販等の顔料の遊離率は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、顔料全体を溶解した後に、高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」として算出する。別途、顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
顔料の被覆に用いる特定構造の高分子化合物としては、下記一般式(1)で表される単量体、または、マレイミド、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましく、下記一般式(1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。
前記一般式(1)中、Rは、水素原子、又は置換若しくは無置換のアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
で表される好ましいアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(1)中、Rは、単結合又は2価の連結基を表す。該2価の連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
で表される2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZと連結するものであってもよい。
一般式(1)中、Zは複素環構造を有する基を表す。複素環構造を有する基としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環構造が挙げられる。これらの複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、等が挙げられる。
Zは、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。炭素数が6以上である含窒素複素環構造として具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記(2)、(3)又は(4)で表される構造であることが特に好ましい。
一般式(2)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(2)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(4)中、Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(4)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
一般式(2)、(3)、および(4)で、環A、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(2)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(4)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(2)、(3)および(4)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(2)又は(4)においては、ベンゼン環がさらに好ましく、一般式(3)においては、ナフタレン環がさらに好ましい。
これらの具体的化合物は、特願2006−259673号の〔0029〕〜〔0030〕、特願2007−85382号の〔0044〕〜〔0047〕、特願2007−231695号の〔0045〕〜〔0047〕、および〔0075〕〜〔0076〕に開示されているものが使用できる。
本発明に用いる好ましい光硬化性インキ組成物は、予め顔料を上記した特定構造の高分子化合物で分散し、顔料分散液を調製した後に、光硬化性インキ組成物とすることが好ましい。顔料分散液の調整に当たっては、上述の特定構造の高分子化合物の他に、分散剤、および顔料誘導体を使用して顔料を分散し、顔料分散組成物として使用することがさらに好ましい。この分散剤の含有により、顔料の分散性、分散安定性をさらに向上させることができる。
分散は、主として縦型もしくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を使用し、0.01〜1mmの粒径のガラス、ジルコニア等でできたビーズで微分散処理し、顔料分散組成物を得る。ビーズ分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸もしくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されている。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
具体的には、多くの種類の化合物を使用可能であり、例えば、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学工業(株)製)、W001(裕商(株)社製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)社製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(いずれもチバ・スペシャルテイケミカル社製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(いずれもサンノプコ社製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール(株)社製);アデカプルロニックL31,F38,L42,L44,L61,L64,F68,L72,P95,F77、P84、F87、P94,L101,P103,F108、L121、P−123(旭電化(株)製)及びイソネットS−20(三洋化成(株)製)、Disperbyk 101,103,106,108,109,111,112,116,130,140,142,162,163,164,166,167,170,171,174,176,180,182,2000,2001,2050,2150(ビックケミー(株)社製)が挙げられる。その他、アクリル系共重合体など、分子末端もしくは側鎖に極性基を有するオリゴマーもしくはポリマーが挙げられる。
分散剤の顔料分散組成物中における含有量としては、既述の顔料の質量に対して、1〜100質量%が好ましく、3〜70質量%がより好ましい。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。色素誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
顔料誘導体の顔料分散組成物中における含有量としては、顔料の質量に対して、1〜30質量%が好ましく、3〜20質量%がより好ましい。該含有量が前記範囲内であると、粘度を低く抑えながら、分散を良好に行なえると共に分散後の分散安定性を向上させることができ、透過率が高く優れた色特性が得られ、カラーフィルタを作製するときには良好な色特性を有する高コントラストに構成することができる。
顔料分散組成物における溶剤としては、有機溶剤であれば特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、例えば、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル等の(ポリ)アルキレングリコールモノアルキルエーテル及びこれらの酢酸エステル類;酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸n−ブチル、酢酸i−ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール、シクロヘキサノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン等のアルコール類、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、アルキレングリコールモノアルキルエーテル類、及びその酢酸エステル類、酢酸エステル類、などが好ましい。
顔料分散組成物における溶剤の含有量は、顔料分散組成物の用途などに応じて適宜選択される。顔料分散組成物が後述する光硬化性インキ組成物の調製に用いられる場合には、取り扱い性の観点から、顔料及び顔料分散剤を含む固形分濃度が5〜50質量%となるように含有することができる。
本発明において、着色剤として、染料を用いる場合は、均一に溶解された光硬化性インキ組成物が得られる。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサンテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物中における着色剤の含有量としては、該組成物の全固形分(質量)に対して、5〜70質量%であり、10〜60質量%がより好ましい。着色剤の含有量が前記範囲内であると、色濃度が充分で優れた色特性を確保するのに有効である。
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物は、既述の顔料分散組成物と、(b)高分子化合物と、(c)光重合性化合物と、(d)光重合開始剤とを含んでなり、必要に応じて(e)溶剤等の他の成分を含んでいてもよい。以下、各成分を詳述する。
<(b)高分子化合物>
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物は、(b)高分子化合物を含むものである。高分子化合物の添加によって光硬化性インキ組成物パターンの仮支持体からの剥離性が向上し、透明基板等への密着性が向上するので好ましい。また高分子化合物に適度なカルボキシル基、ヒドロキシル基のような極性基があることが望ましく、これによって着色剤に顔料を用いたときは分散安定性が向上する。
シロキサン構造を持つシリコン樹脂も使用できる。シリコン樹脂を使用することによって、黄変等によるカラーフィルタの経時変色を抑止でき、高絶縁性であるため、液晶ディスプレイのカラーフィルタとして使用した場合、画像の焼きつきを防止できる。
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物に使用できる高分子化合物は、前述の分散樹脂の他に、光硬化性インキ組成物を調製するときに他の構造の高分子化合物も使用することができる。光硬化性インキ組成物を調整するときに加えることができる高分子化合物としては、前述の分散樹脂の他に、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つの極性基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するものの中から適宜選択することができる。
上記の線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましい。例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、さらに側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中では特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が好適である。
このほか、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの等も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
上記以外に、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物に使用できる高分子化合物の具体的な構成単位については、特に(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が好適である。ここで(メタ)アクリル酸はアクリル酸とメタクリル酸を合わせた総称であり、以下も同様に(メタ)アクリレートはアクリレートとメタクリレートの総称である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。ここで、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR1112、CH=C(R11)(COOR13)〔ここで、R11は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、R12は炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、R13は炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、等を挙げることができる。
これら共重合可能な他の単量体は、1種単独であるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。好ましい共重合可能な他の単量体は、CH=CR1112、CH=C(R11)(COOR13)、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート及びスチレンから選択される少なくとも1種である。
本発明では、(b)高分子化合物として、フルオレン環とエポキシ環を分子内に、それぞれ1個以上有する化合物(以下適宜、特定エポキシ化合物と称する)を用いることも好ましい態様である。特に好ましくは分子内に、フルオレン環を1個以上有し、エポキシ環を2個以上有する化合物である。エポキシ環を2個以上有することによって、硬化後に架橋体を生じるので靭性が向上し、強固な画素が得られるので好ましい。
特定エポキシ化合物は、下記一般式(I)で表される構造を有する化合物であることがより好ましい。
前記一般式(I)中、Rはエチレン又はプロピレンを表し、n、およびmはそれぞれ独立に、m+nが0〜12である関係を有する整数を表す。
特定エポキシ化合物は、分子量が2000以下の低分子化合物であるが、硬化のための加熱時の熱重合性の観点から、分子量は、1500以下であることが好ましく、1000以下であることがより好ましい。
特定エポキシ化合物は、アルキレンオキシ基を有するものであってもよい。上記一般式(I)中、Rはエチレン又はプロピレンを表す。アルキレンオキシ基は、エチレンオキシ基、またはプロピレンオキシ基である。これらから選択されるアルキレンオキシ基を0個〜12個の範囲で繰り返し有するものであることが、ポストベーク時の熱重合性の観点から好ましい。前記アルキレンオキシ基は、さらに置換基を有するものであってもよい。
前記置換基としては、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシ基等の親水性基を挙げることができる。またアルキレンオキシ基として一分子中に、エチレンオキシ基とプロピレンオキシ基の両方を有していてもよい。
特定エポキシ化合物として、大阪ガスケミカル株式会社製オグソール EG−210、PG−100、新日鐵化学株式社製ESF−300などが挙げられ、特に大阪ガスケミカル株式会社製オグソール EG−210が、ガラス基板との親和性が高く転写率を向上できるため好ましい。
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物に使用できる高分子化合物の光硬化性インキ組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜60質量%が好ましく、より好ましくは、2〜50質量%であり、特に好ましくは、5〜40質量%である。5〜40質量%の範囲であると、高い転写性が得られ、かつ、チキソトロピック性が低く、印刷機上(インキ供給系)でのインキの粘度変化が小さくなるので好ましい。
<(c)光重合性化合物>
(c)光重合性化合物としては、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物が好ましく、中でも4官能以上のアクリレート化合物がより好ましい。
前記少なくとも1個の付加重合可能なエチレン性不飽和基を有し、沸点が常圧で100℃以上である化合物としては、例えば、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、ペンタエリスリトール又はジペンタエリスリトールのポリ(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号公報に記載のウレタンアクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号公報に記載のポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレートを挙げることができる。
更に、日本接着協会誌Vol.20、No.7、300〜308頁に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用できる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も用いることができる。
中でも、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、及びこれらのアクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
また、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた光重合性組成物を得ることができる。市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
また、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類も好適であり、市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製のカルボキシル基含有3官能アクリレートであるTO−756、及びカルボキシル基含有5官能アクリレートであるTO−1382などが挙げられる。
光重合性化合物は、1種単独で用いる以外に、2種以上を組み合わせて用いることができる。
光重合性化合物の光硬化性インキ組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分100質量部に対して、3〜55質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。光重合性化合物の含有量が前記範囲内であると、硬化反応が充分に行なえる。
<(d)光重合開始剤>
(d)光重合開始剤としては、例えば、特開2008−268884号公報の〔0084〕〜〔0119〕に記載の光重合開始剤を挙げることができる。
本発明では、これら光重合開始剤中でも、オキシム系光重合開始剤、イミダゾール系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤が感度の点で好適である。
また、これらの光重合開始剤を併用することもできる。
オキシム系光重合開始剤の例としては、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、O−ベンゾイル−4’−(ベンズメルカプト)ベンゾイル−ヘキシル−ケトオキシム、2,4,6−トリメチルフェニルカルボニル−ジフェニルフォスフォニルオキサイド、ヘキサフルオロフォスフォロ−トリアルキルフェニルホスホニウム塩等が挙げられる。
ビイミダゾール系光重合開始剤としては、例えば、2−(o−クロロフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(o−メトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体、2−(2,4−ジメトキシフェニル)−4,5−ジフェニルイミダゾリル二量体等を好適に挙げることができる。
ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−(ビスジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ジクロロベンゾフェノン等を好適に挙げることができる。
光重合開始剤の光硬化性インキ組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、0.1〜10.0質量%が好ましく、より好ましくは0.5〜5.0質量%である。光重合開始剤の含有量が前記範囲内であると、重合反応を良好に進行させて強度の良好な膜形成が可能である。
−増感色素−
必要に応じて増感色素を光硬化性インキ組成物に添加することが好ましい。この増感色素が吸収しうる波長の露光により上記重合開始剤成分のラジカル発生反応や、それによる重合性化合物の重合反応が促進されるものである。このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
増感色素として好ましい分光増感色素又は染料は、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えば、チアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、フタロシアニン類(例えば、フタロシアニン、メタルフタロシアニン)、ポルフィリン類(例えば、テトラフェニルポルフィリン、中心金属置換ポルフィリン)、クロロフィル類(例えば、クロロフィル、クロロフィリン、中心金属置換クロロフィル)、金属錯体、アントラキノン類、(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)、等が挙げられる。
より好ましい分光増感色素又は染料の例を以下に例示する。
特公平37−13034号公報に記載のスチリル系色素;特開昭62−143044号公報に記載の陽イオン染料;特公昭59−24147号公報記載のキノキサリニウム塩;特開昭64−33104号公報記載の新メチレンブルー化合物;特開昭64−56767号公報記載のアントラキノン類;特開平2−1714号公報記載のベンゾキサンテン染料;特開平2−226148号公報及び特開平2−226149号公報記載のアクリジン類;特公昭40−28499号公報記載のピリリウム塩類;特公昭46−42363号公報記載のシアニン類;特開平2−63053号記載のベンゾフラン色素;特開平2−85858号公報、特開平2−216154号公報の共役ケトン色素;特開昭57−10605号公報記載の色素;特公平2−30321号公報記載のアゾシンナミリデン誘導体;特開平1−287105号公報記載のシアニン系色素;特開昭62−31844号公報、特開昭62−31848号公報、特開昭62−143043号公報記載のキサンテン系色素;特公昭59−28325号公報記載のアミノスチリルケトン;特開平2−179643号公報記載の色素;特開平2−244050号公報記載のメロシアニン色素;特公昭59−28326号公報記載のメロシアニン色素;特開昭59−89303号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−129257号公報記載のメロシアニン色素;特開平8−334897号公報記載のベンゾピラン系色素が挙げられる。
(350〜450nmに極大吸収波長を有する色素)
増感色素の他の好ましい態様として、以下の化合物群に属しており、且つ、350〜450nmに極大吸収波長を有する色素が挙げられる。
例えば、多核芳香族類(例えば、ピレン、ペリレン、トリフェニレン)、キサンテン類(例えば、フルオレッセイン、エオシン、エリスロシン、ローダミンB、ローズベンガル)、シアニン類(例えばチアカルボシアニン、オキサカルボシアニン)、メロシアニン類(例えば、メロシアニン、カルボメロシアニン)、チアジン類(例えば、チオニン、メチレンブルー、トルイジンブルー)、アクリジン類(例えば、アクリジンオレンジ、クロロフラビン、アクリフラビン)、アントラキノン類(例えば、アントラキノン)、スクアリウム類(例えば、スクアリウム)が挙げられる。
−溶剤−
本発明に好適な顔料分散組成物及び光硬化性インキ組成物は、必要に応じて上記成分と共に溶剤を用いて好適に調製することができる。
溶剤としては、エステル類、例えば酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;芳香族炭化水素類、例えばトルエン、キシレン、等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、エチルカルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明に好適な光硬化性インキ組成物には、必要に応じて、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、熱重合防止剤、着色剤、光重合開始剤、その他充填剤、上述の高分子化合物以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤などの各種添加物を含有することができる。
フッ素系有機化合物を含有することで、光硬化性インキ組成物を仮支持体に付与した時、および転写した後の平滑性を向上することができる。すなわち、版、あるいは透明基板と光硬化性インキ組成物との界面張力を低下させて仮支持体、あるいは透明基板への濡れ性が改善され、表面が平滑な膜形成が可能である点で有効である。
フッソ系界面活性剤としては、前記した特定有機金属化合物の塗布液で記載した化合物と同じである。
フッ素系有機化合物の添加量は、光硬化性インキ組成物の全質量に対して、0.001〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005〜1.0質量%である。
本発明に好適な光硬化性インキ組成物には、熱重合開始剤を含有させて、転写後の着色画素の形状を安定にし、着色画素と接する各層への光硬化性インキ組成物の浸出を防止し、画像劣化を防ぐのに有効である。
熱重合開始剤としては、例えば、各種のアゾ系化合物、過酸化物系化合物が挙げられ、前記アゾ系化合物としては、アゾビス系化合物を挙げることができ、前記過酸化物系化合物としては、ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロパーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシルパーオキサイド、パーオキシエステル、パーオキシジカーボネートなどを挙げることができる。
本発明に好適な光硬化性インキ組成物には、熱重合性化合物を含有させることも有効であり、必要によっては、塗膜の強度を上げるために、エポキシ化合物を添加することができる。エポキシ化合物としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などのエポキシ環を分子中に2個以上有する化合物である。例えばビスフェノールA型としては、エポトートYD−115、YD−118T、YD−127、YD−128、YD−134、YD−8125、YD−7011R、ZX−1059、YDF−8170、YDF−170など(以上東都化成製)、デナコールEX−1101、EX−1102、EX−1103など(以上ナガセ化成製)、プラクセルGL−61、GL−62、G101、G102(以上ダイセル化学製)の他に、これらの類似のビスフェノールF型、ビスフェノールS型も挙げることができる。またEbecryl 3700、3701、600(以上ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。クレゾールノボラック型としては、エポトートYDPN−638、YDPN−701、YDPN−702、YDPN−703、YDPN−704など(以上東都化成製)、デナコールEM−125など(以上ナガセ化成製)、ビフェニル型としては3,5,3’,5’−テトラメチル−4,4’ジグリシジルビフェニルなど、脂環式エポキシ化合物としては、セロキサイド2021、2081、2083、2085、エポリードGT−301、GT−302、GT−401、GT−403、EHPE−3150(以上ダイセル化学製)、サントートST−3000、ST−4000、ST−5080、ST−5100など(以上東都化成製)などを挙げることができる。また1,1,2,2−テトラキス(p−グリシジルオキシフェニル)エタン、トリス(p−グリシジルオキシフェニル)メタン、トリグリシジルトリス(ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、o−フタル酸ジグリシジルエステル、テレフタル酸ジグリシジルエステル、他にアミン型エポキシ樹脂であるエポトートYH−434、YH−434L、ビスフェノールA型エポキシ樹脂の骨格中にダイマー酸を変性したグリシジルエステル等も使用できる。
本発明に好適な光硬化性インキ組成物には、各種の界面活性剤を用いて構成することが好ましく、前述のフッソ系界面活性剤の他にノニオン系、カチオン系、アニオン系の各種界面活性剤を使用できる。中でも、前記のフッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤が好ましい。
ノニオン系界面活性剤としては、前記した特定有機金属化合物の塗布液で記載した化合物と同じである。
ノニオン系界面活性剤の添加量は、光硬化性インキ組成物の全質量に対して、0.05〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.01〜2.0質量%である。
上記以外に、光硬化性インキ組成物には各種の添加物を添加できる。添加物の具体例としては、2−(3−t−ブチル−5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、アルコキシベンゾフェノン等の紫外線吸収剤、ポリアクリル酸ナトリウム等の凝集防止剤、ガラス、アルミナ等の充填剤;イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの、アルコール可溶性ナイロン、ビスフェノールAとエピクロルヒドリンとから形成されたフェノキシ樹脂などの樹脂などがある。
本発明に好適な光硬化性インキ組成物には、以上のほかに更に、熱重合防止剤を加えておくことが好ましく、例えば、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4′−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2−メルカプトベンゾイミダゾール等が有用である。
<印刷方法>
本工程は、前記有機金属化合物を含む層の上に光硬化性インク組成物を用いて印刷し、着色領域を形成する工程である。
印刷工程は、以下に詳述するように、光硬化性インク組成物をパターン状に版またはブランケットロール上に付与する工程と、版またはブランケットロールに透明基板を一部巻きつけて透明基板の背面から印圧をかける工程と、透明基板の背面から露光する工程と、露光後に、光硬化性インク組成物からなる着色領域を版またはブランケットロール上から前記透明基板上に転写する工程とを順次有し、透明基板上に着色領域からなる画素を作製する工程である。
まず、上記で得た特定有機金属化合物の薄膜を設けた透明基板(以下、特定透明基板と称することがある。)上に、上述の光硬化性インキ組成物を印刷する方法について詳述する。
本発明において「仮支持体」とは、その表面にインキ組成物パターンを形成し、これを特定透明基板上に転写するまでの間保持する支持体のことを指し、印刷版および中間転写体がこれに該当する。
即ち、光硬化性インキ組成物パターンを、印刷版から直接、被転写体である特定透明基板に印刷するダイレクト印刷を行う場合は、仮支持体として通常の凹版或いは凸版などの「印刷版」を用いる。印刷版は、平面状の版であっても、ロール状の版であってもよい。
また、インキ組成物パターンを特定透明基板上に直接転写せず、中間転写体に一度転写した後、透明基板に印刷する場合には、「中間転写体」が仮支持体となる。この場合、まず、ブランケットロール等の「中間転写体」に光硬化性インキ組成物を印刷版から転写し、さらにブランケットロールから特定透明基板に再転写して印刷するオフセット印刷の手段により、インク組成物パターンが特定透明基板上に形成される。
光硬化性インキ組成物を硬化させてなるパターンを特定透明基板上に形成する硬化パターン形成工程を含むカラーフィルタの製造方法であって、該硬化パターン形成工程が、(i)光硬化性インク組成物を仮支持体上にパターン状に付与し、付与された光硬化性インク組成物パターンを特定透明基板に接触させる工程と、(ii)前記特定透明基板に印圧をかける工程と、(iii)前記特定透明基板上における光硬化性インク組成物パターンを、特定透明基板との接触面とは反対側の面から露光して、光硬化性インク組成物パターンを硬化する工程と、(iv)仮支持体を剥離し、該硬化した光硬化性インキ組成物パターンを該透明基板に転写する工程とを順次有することによって前記特定透明基板上に、微細パターンを有するカラーフィルタを製造することが好ましい方法である。
本発明で用いることができる印刷方法としては、平版、凸版、凹版、孔版など、既存の方式であれば使用することができる。平版であれば、インキをはじく撥インキ部とインキが良く濡れる親インキ部が形成された版が使用できる。凸版としては、光で精密な形状を形成できる感光性樹脂凸版(フレキソ)が好ましい。孔版としては、メッシュ素材・線数は限定しないが、版の伸びなどを考慮するとステンレスのメッシュを用いたスクリーン印刷方式が好ましい。
凹版としては、精密な転写インキ量を計量できる凹版が特に好ましい。凹版は硬度の高いスタイラス(針)で金属版を彫刻する方式であっても、レーザー彫刻であっても、食刻(エッチング)であっても良い。精密な凹部を形成するためには、レジストを塗布した後、露光・現像で目的の形状のマスクを作成後、腐食液もしくはガスで基板に溝を形成する、食刻法が好ましい。
凹版は円筒もしくは平面に、光硬化性インキ組成物を計量する溝をつくれるものであれば、版材は樹脂でも金属でも良い。版材は、精密な計量のためには金属が好ましく、とくに食刻しやすい銅が好ましい。版表面は、光硬化性インキ組成物の濡れ性の制御のため表面処理を施すことが好ましい。Cr等の各種メッキ、真空成膜が利用できるが、特開2007−118593号公報に開示されるようなDLC膜が版の耐久性の面で好ましい。
本発明において特定透明基板への光硬化性インキ組成物の転写方式に関しては、印刷版から直接インキ組成物を転写するダイレクト方式でも、印刷版からブランケットロール等の中間転写体に光硬化性インキ組成物パターンを転写した後に、特定透明基板に再転写するオフセット方式であっても良い。
本発明は印刷版を用いて転写することによって印刷する方式なら、いずれの印刷方式にも適用することができる。その中でも特に凹版方式が寸法安定性と細線の繰り返し印刷における再現性に優れるため好ましい。さらに、ブランケットロール等の中間転写体に版から画像を転写した後、中間転写体から特定透明基板へ再転写するオフセット方式は、多色の重ね合わせの際、既に印刷が完了したパターンを変形・破損することなく転写が行なえるので、本発明のカラーフィルタの製造に最も適した方法である。
カラーフィルタの製造方法では、通常は反射防止等の目的で黒色のブラックマトリックスと、カラー表示のための赤色、青色、緑色の3原色からなる画素を設けることが一般的である。さらに透過率を上げる目的で白色、あるいは色再現性を向上させるために黄色、藍色、橙色、マゼンタ色等の画素を設けても良い。白色の画素は着色画素を設けない場合と着色剤のない透明インキで画素を形成する場合がある。
本発明のカラーフィルタの製造方法では、特定透明基板に対して1色目に関しては、ブラックマトリクス等を作成することが好ましい。ブラックマトリックスの形成における転写方式としては、印刷版から直接光硬化性インキ組成物を転写するダイレクト方式が好ましい。これは第1層目なので均一な層を形成することが可能であることにより、また形成したパターンの直線性・寸法安定性が良好であり、1層目を基準に合わせて2層目以降を印刷することによる。ブラックマトリクスを形成したあとの2色目以降は、着色層の重ね合わせになるので、インキ転写性の観点からオフセット方式が好ましい。
ブランケットロールを使用する場合は、特定透明基板がブランケットロールに接する点で特定透明基板の被転写面に弾性ロールを配置し、特定透明基板が均一にブランケットロールに接するように誘導する。次いで印圧を付与するが、これは前記した誘導ロールを用いて行うこともできるが、好ましくは印圧を付与するロールを誘導ロールの後に設けて行う。
(i−1)光硬化性インク組成物を版またはブランケットロールなどの仮支持体上にパターン状に付与し、(i−2)付与された光硬化性インク組成物によるパターンを特定透明基板に接触させる工程
次に本発明の工程を順次説明する。例えば、図1、図2に示すような方法で行なうことができる。(図1、図2は、凹版の場合を例示している。)
光硬化性インキ組成物は仮支持体上にパターン状に付与される。この方法は前述の凸版、凹版、平版、孔版などを用いて行われ、多くの場合ブレード等で計量、平準化される。パターン形状は印刷版の設計で任意の形状、大きさを採用できる。通常は格子状、矩形状、ストライプ状など任意の形状が使用できるが、着色画素はストライプ状が好ましい形状であり、ブラックマトリクスの場合は格子状が好ましい。
このようにして光硬化性インキ組成物をパターン状に付与された仮支持体は、特定透明基板と接触される。仮支持体と特定透明基板とが接触する直前の時点での光硬化性インキ組成物の溶剤量は、光硬化性インキ組成物の全質量に対し、5質量%〜80質量%の範囲が好ましく、さらに好ましくは30質量%〜75質量%の範囲である。溶剤量がこの範囲であれば、露光によって適度な硬化が得られ、特定透明基板への転写性が良好で、基板への密着性も良好であり、仮支持体の汚れも極めて少なく高い連続生産性が得られる。
(ii)前記特定透明基板に印圧をかける工程
次いで接触した仮支持体と特定透明基板は、接触が均一になるように印圧をかけられる。これによって、仮支持体上のインキ組成物パターンは、圧力で変形する。
印圧の大きさとしては0.001MPa〜50MPaの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.1MPa〜10MPaの範囲である。印圧がこの範囲を超えると微細パターンに成形した光硬化性インキ組成物の形状が圧縮されて押しつぶされ、形状を保てない。また印圧が小さすぎると、特定透明基板とインキ組成物パターンとの間に部分的に空間を生じ、露光工程で酸素の影響を受けて、硬化ムラを生じるので好ましくない。
印圧を付与するロールの材質としては、金属、ガラス、樹脂・ゴム類が上げられ、特にゴム類は、天然ゴム、ブタジエンゴム、スチレンゴム、クロロプレンゴム、ブチルゴム、ニトリルゴム、エチレン・プロピレンゴム、シリコーンゴム、アクリルゴム・ウレタンゴム、フッ素ゴム、多硫化ゴムなどがある。好ましい態様は、必要な硬度・弾性・濡れ性など物性や発塵性など鑑み、各種ゴムのコンポジット及び、複数の層を設け均一な印圧を付与するが、最表層にはシリコーンゴムを用いることが好ましい。
(iii)前記特定透明基板上における光硬化性インク組成物パターンを、特定透明基板との接触面とは反対側の面から露光して、光硬化性インク組成物パターンを硬化する工程
次いで、特定透明基板上の光硬化性インキ組成物パターンは、特定透明基板との接触面とは反対側の面から、特定透明基板を通して活性光線により露光される。この工程により、仮支持体と特定透明基板との間に形成された光硬化性インキ組成物パターンの少なくとも一部が反応し、特定透明基板への転写が促進される。
光硬化性インキ組成物が特定透明基板に転写中に、特定透明基板との接触面とは反対側の面から特定透明基板を通して活性光線の照射により露光されれば、露光手段は限定されない。
露光の光源は、光重合開始剤がラジカルを発生させる波長であればいずれでもよく、水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、LED、およびLD(レーザーダイオード)、ガスレーザーなどが好ましい。露光の波長として200〜480nmが好ましく。更に好ましくは300nm〜400nmの範囲の波長である。
露光量としては1mJ/cm〜3000mJ/cmの範囲であり、好ましくは2mJ/cm〜500mJ/cmの範囲である。
(iv)仮支持体を剥離し、該硬化した光硬化性インキ組成物パターンを該特定透明基板に転写する工程
露光された後に、特定透明基板と仮支持体が剥離されて、特定透明基板上に光硬化性インキ組成物パターンが転写される。特定透明基板と仮支持体との離脱点に剥離ロールが配置され、特定透明基板の搖動を防止する。
仮支持体が離脱した後で、転写した光硬化性インキ組成物パターンを、さらに露光してもよい。
特定透明基板と仮支持体とが接触している間に、少なくとも誘導ロール、印圧ロール(誘導ロールが兼ねる場合がある)、露光光源、および剥離ロールが、設置される。このためのスペースがあれば、特定透明基板と仮支持体との接触長さに特に制限はない。露光光源は、ガラスファイバー、ミラー、プリズム等を用いることによって、露光機の光源装置を離して、活性光線を誘導することも可能であり、露光エリアを自由に設計できる。
本発明を用いてカラーフィルタを製造するときの速度(印刷速度)は、2mm/sec〜300mm/secの範囲が好ましく、更に好ましくは5mm/sec〜15mm/secの範囲である。この範囲内であれば、転写した光硬化性インキ組成物パターンが色ムラもなく、平滑で、着色画素の色特性が良好である。
速度を大きくしたいときは、照度の大きい露光光源を採用したり、露光光源を多数にしたり、特定透明基板と仮支持体との接触長さを長くしたりすることができ、また径の大きいブランケットロールを採用すればよい。
転写された光硬化性インキ組成物パターンは表面の平滑性を向上させるために、加熱されることが好ましい。光硬化性インキ組成物は、この加熱工程において、流動性を有していることが好ましい。特定透明基板に転写された光硬化性インキ組成物は、加熱工程で流動することにより、その表面の平滑性を向上させる効果がある。
さらに転写された光硬化性インキ組成物パターンは、光硬化性インキ組成物に残存する溶剤の乾燥、および硬化の促進を図ることが好ましい。
このようにして転写されたインキ組成物パターンの表面は、AFMで測定した際の中心線平均粗さが200nm以下であることが良く、好ましくは100nm以下、更に好ましくは50nm以下とすることが、表面での光散乱が抑制され光学特性を向上させる観点で好ましい。
上記した平滑性向上のための加熱、残存する溶剤の乾燥、および硬化の促進させるための加熱は、恒温槽、ホットプレート、高周波赤外線加熱装置などを用いることができる。平滑性を向上のための加熱は、80℃〜180℃の範囲が好ましく、90℃〜160℃がより好ましい範囲であり、滞在時間としては40秒〜180秒である。この範囲であると転写された光硬化性インキ組成物の表面が平滑になりやすく、光学特性良好な着色画素が得られる。
また残存する溶剤の乾燥、および硬化の促進させるための加熱は、160℃〜260℃の範囲が好ましく、180℃〜240℃がより好ましい範囲であり、滞在時間としては180秒〜3600秒である。この範囲であると光硬化性インキ組成物は硬化度が向上し、ブラックマトリクス、あるいは着色画素が形成され、これら画素に接する他の層への組成物の移行などの悪影響を低減することができる。
本発明に用いる光硬化性インキ組成物は、種々の印刷機による印刷方式によって、特定透明基板上に印刷されてカラーフィルタを作成する。特定透明基板に転写中に、特定透明基板を通して活性光線により露光されることにより少なくとも一部が反応し転写性が向上し、また画素の密着性が向上しパターン形成性が良好である。以下に本発明に好適な光硬化性インキ組成物を詳述する。
本発明に好ましい光硬化性インキ組成物は、印刷方式に応じてインキの粘性を調整できる。粘度の範囲は平版印刷であれば、100〜1000000mPa・sの範囲が好ましく、凸版印刷(感光性樹脂凸版)であれば、30〜10000mPa・sの範囲が好ましく、孔版(スクリーン)であれば、10〜1000000mPa・sの範囲が好ましく、凹版印刷(グラビア)であれば、5〜1000mPa・sの範囲が好ましく、5〜300mPa・sの範囲がより好ましく、さらに好ましくは7〜200mPa・sの範囲である。
粘度を上記範囲に調整する方法は、特に限定されないが、例えば固形分濃度を調整する方法、高分子化合物の分子量を調整する方法、各種モノマー・オリゴマーの配合などが挙げられる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
〔実施例1〕
―有機金属化合物膜を形成した透明基板の作製―
特定有機金属化合物の塗布液を以下のように混合して調整した。
・チタンジイソプロポキシビス(アセチルアセトネート)
(マツモトファインケミカル製 TC−750) 50部
・3−エトキシプロピオン酸エチル 50部
混合後、密閉容器中で攪拌し、特定有機金属化合物の塗布液を得た。
上記の特定有機金属化合物の塗布液を550mm×650mmのガラス基板に回転塗布し、塗布直後80℃のホットプレートにて焼成を行なった。
得られた膜の膜厚を触針式段差膜厚計(Dektak 日本ビーコ製)で計測したところ0.15μmであった。
<側鎖に複素環を有する高分子化合物の合成例>
(重合体1の合成)
M-11 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、重合体1の30質量%溶液を得た。得られた高分子化合物の重量平均分子量を、ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。
(重合体2の合成)
M-6 27.0g、メチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸 27.0g、および1-メトキシ-2-プロパノール 420.0gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温する。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.80g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、さらにV−65を1.80g加え、3時加熱攪拌の後、重合体2の30質量%溶液を得た。ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物の重量平均分子量を測定した結果、2.1万であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、99mgKOH/gであった。
(Red顔料1の調製)
顔料(C.I.Pigment Red254) 50g、塩化ナトリウム 500g、上記した重合体1の溶液 25g、およびジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウムおよび溶剤を除き、乾燥してRed顔料1を調製した。
(Green顔料2の調製)
Red顔料1の調整で、Pigment Red254の代わりに、C.I.Pigment Green 36を用いて、また重合体1の代わりに重合体2を用いて、他はRed顔料1の調製と同様にしてGreen顔料2を調製した。
(Blue顔料3の調製)
Green顔料2の調整で、Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Blue 15:6を用いて、他はGreen顔料2の調製と同様にして、Blue顔料3を調製した。
(Black顔料4の調製)
Green顔料2の調整で、Pigment Green 36の代わりに、C.I.Pigment Black 7を用いて、他はGreen顔料2の調製と同様にして、Black顔料4を調製した。
(Red分散液1の調製)
Red顔料1を120部、分散剤(ビッグケミー株式会社製 Disperbyk 166)80部、溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート800部を、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて6時間分散処理を行ない、Red分散液1を得た。
(Green分散液2の調製)
Red分散液1の調製において、組成をGreen顔料2 150部、分散剤(ビッグケミー株式会社製 Disperbyk 161)90部、溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート760部に代えて、Red分散液1と同様に分散し、Green分散液2を得た。
(Blue分散液3の調製)
Red分散液1の調製において、組成をBlue顔料3 120部、分散剤(ビッグケミー株式会社製 Disperbyk 166)60部、溶剤プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート820部に代えて、Red分散液1と同様に分散し、Blue分散液3を得た。
(Black分散液4の調製)
Red分散液1の調製において、組成をBlack顔料4 27部、分散剤(ビッグケミー株式会社製 Disperbyk 130)8部、溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート65部、に代えて、Red分散液1と同様に分散し、Black分散液4を得た。
<ブラックマトリックスの作成>
(製版)
ブーメランライン(株式会社シンク・ラボラトリー製グラビア製版ロール製造装置)を使用して製版を行なった。胴円周720mm 胴幅600mmのアルミ合金シリンダ(日軽金アクト株式会社製)を使用した。
アルミ合金シリンダは脱脂と酸化皮膜の除去のため、3.0wt%の希硫酸で脱脂後水洗したのち、バラードメッキを施した。さらにロールを研磨して鏡面仕上げした。
サーマルレジスト:TSER−2104E4をファウンテンコーターを用いてシリンダに塗布し乾燥後、レーザーストリームFX(株式会社シンク・ラボラトリー製)で露光した。
パターンは図3の繰り返しパターンを作成した。白部が露光部でノコシ部分、黒部が未露光部でヌキ部分に相当する。
露光後、TLD現像液(株式会社シンク・ラボラトリー製)を純水で12.5%に希釈した現像液を用いて現像し、バーニング処理を実施したのち、ヌキ部とノコシ部の段差(セル深度)は4.4μmとなるようにエッチングを行なった。
さらに、シリンダーエッチングを行なって、グラビアセルを形成した。さらにレジスト画像を取り除いたのちCrメッキを施し、これをグラビア版とした。
(光硬化性インキ組成物=Blackインキ組成物の調整)
・高分子化合物:ベンジルメタクリレート/アクリル酸(7/3mol比)共重合体
重量平均分子量5000 24部
・重合性化合物:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレートとジペンタエリスリトールペンタアクリレートの混合体(日本化薬株式会社製 KAYARAD DPHA) 38部
・重合性化合物:ビスフェノールAのエチレンオキシド付加体のジアクリレート(新中村化学株式会社製 A−BPE−20) 36部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 140部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 65部
・重合開始剤:エタノン−1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(O−アセチルオキシム)(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 OXE−02) 8部
・界面活性剤:アビシア製 ソルスパース20000 9部
・熱重合性化合物:(DIC株式会社製 EPICLON N−695) 42部
上記成分を加えて撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)で、十分に撹拌し、下記分散液を加えて、さらに十分に撹拌して、1000部の光硬化性インキ組成物を得た。
・Black分散液4 638部
(印刷)
グラビアのダイレクト印刷法を用いて実験を行った。ガラス基板は、コーニング社 Corning EAGLE XG 厚さ0.5mmを使用した。
Blackインキ組成物を、ドクターチャンバーとアニロックスローラを使用して版に供給し、版から直接ガラス基板に転写(印刷)した。ガラス基板に転写される直前にドクターブレードで余分なインキをかき取り、印刷速度24mm/sec、ガラス基板は80mmの長さが版に巻きついて接触するようにし(接触面積:440cm)、印圧4.4MPa(=0.102kgf/cm)、露光光源は波長365nmのLEDアレイ(LED:日亜化学工業 NSHU590B ピーク波長365nm)を用いて、露光量80mJ/cmで透明基板の背面から露光した。
ガラス基板とグラビア版を剥離し、ブラックインキ組成物が付与されたガラス基板を100℃のホットプレートで120秒間加熱後、基板上面からさらにLEDアレイ(LED:日亜化学工業 NSHU590B ピーク波長365nm)を用いて80mJ/cm露光し、さらに230℃のオーブンで30分間加熱し、ブラックマトリックスを印刷したガラス基板を得た。得られたブラックマトリックスを触針式段差測定機(Dektak 日本ビーコ株式会社)で膜厚を測定したところ、1.1μmであった。
<Greenパターンの作成>
(製版)
ブラックマトリックス用の版と同様にバラードメッキを施し、レジストを塗布した後、図4のようなパターンを露光した。エッチングを行い、幅60μm、セル深度11.9μmのストライプパターンとした。さらに、ブラックマトリックス用の版と同様にCrメッキを施し、Green用印刷版とした。
(光硬化性インキ組成物=Greenインキ組成物の調整)
・高分子化合物:ベンジルメタクリレート/アクリル酸(7/3mol比)共重合体
重量平均分子量 5000 26部
・重合性化合物:(日本化薬株式会社製 KAYARAD DPHA) 40部
・重合性化合物:(新中村化学株式会社製 A−BPE−20) 40部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 98部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 137部
・重合開始剤:(保土谷化工業株式会社製 B−CIM) 12部
・増感色素:ジエチルアミノベンゾフェノン(保土谷化工株式会社製 EAB−F) 2部
・界面活性剤:(前記ソルスパース20000) 9部
・熱重合性化合物:(DIC株式会社製 EPICLON N−695) 30部
上記成分を加えて撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)で、十分に撹拌し、下記分散液を加えて、さらに十分に撹拌して、1000部の光硬化性インキ組成物=Greenインキ組成物を得た。
・Green分散液2 606部
(印刷)
グラビアオフセット印刷法(図1、2参照)を用いて実験を行った。Greenインキ組成物を、ドクターチャンバーとアニロックスローラを使用して版に供給し、シリコーンゴムブランケットローラに転写したパターンを、前記で得たブラックマトリックスが設けられたガラス基板上に印刷した。即ち、シリコーンゴムブラッケットローラはシリコーンゴム層の厚さが0.6mmで表面を鏡面処理された、スプリング硬度Hs(JISA)
60のものを使用し、シリコーンゴムブランケットローラに転写される直前にドクターブレードで余分なインキをかき取り、印刷速度24mm/sec、ブラックマトリックスが設けられたガラス基板がシリコーンゴムブランケットローラに80mmの長さが巻きついて接触するようにし(接触面積:440cm)、露光の光源は波長365nmのLEDアレイを用いて露光量80mJ/cmで基板背面から露光した。
基板背面から複数のアライメントスコープを使用して、ブラックマトリックス(アライメントマーク)を基準として読み取りながら、印圧と印圧バランスを調整しながら実施した。露光後、ガラス基板とシリコーンゴムブランケットローラを剥離し、100℃のホットプレートで 120秒間加熱後、さらに基板上面から波長365nmのLEDアレイ(LED:日亜化学工業 NSHU590B)を用いて80mJ/cm露光した。
<Blueパターンの作成>
(製版)
ブラックマトリックス用の版と同様にバラードメッキを施し、レジストを塗布した後、Greenのパターンと同様のストライプ模様で、位置はGreenパターンの間に来るようにした。エッチングを行い、幅60μm、セル深度10.7μmのストライプパターンを作成した。さらに、ブラックマトリックス用の版と同様に、Crメッキを施し、Blue用の印刷版とした。
(光硬化性インキ組成物=Blueインキ組成物の調整)
・高分子化合物:ベンジルメタクリレート/アクリル酸(7/3mol比)共重合体
(重量平均分子量 5000) 65部
・重合性化合物:(日本化薬株式会社製 KAYARAD DPHA) 47部
・重合性化合物:(新中村化学株式会社製 A−BPE−20) 47部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 120部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 140部
・重合開始剤:(チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製 OXE01) 8部
・界面活性剤:(ソルスパース20000) 9部
・熱重合性化合物:(DIC株式会社製 EPICLON N−695) 30部
上記成分を加えて撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)で、十分に撹拌し、下記分散液を加えて、さらに十分に撹拌して、1000部の光硬化性インキ組成物=Blueインキ組成物を得た。
・Blue分散液3 534部
(印刷)
グラビアオフセット印刷法(図1,2参照)を用いて実験を行った。Blueインキ組成物を、ドクターチャンバーとアニロックスローラを使用して版に供給し、シリコーンゴムブランケットローラに転写したパターンを、前記で得たブラックマトリックスとGreenのストライプパターンが設けられたガラス基板上に印刷した。即ち、シリコーンゴムブラッケットローラはシリコーンゴム層の厚さが0.6mmで表面を鏡面処理された、スプリング硬度Hs(JISA)60のものを使用し、シリコーンゴムブランケットローラに転写される直前にドクターブレードで余分なインキをかき取り、印刷速度24mm/sec、ブラックマトリックスが設けられたガラス基板がシリコーンゴムブランケットローラに80mmの長さが巻きついて接触するようにし(接触面積:440cm)、露光の光源は波長365nmのLEDアレイを用いて露光量80mJ/cmで基板背面から露光した。
基板背面から複数のアライメントスコープを使用して、ブラックマトリックス(アライメントマーク)を基準として読み取りながら、印圧と印圧バランスを調整しながら実施した。露光後、ガラス基板とシリコーンゴムブランケットローラとを剥離し、100℃のホットプレートで120秒間加熱後、さらに基板上面から波長365nmのLEDアレイ(LED:日亜化学工業 NSHU590B)を用いて80mJ/cm露光した。
<Redパターンの作成>
(製版)
ブラックマトリックス用の版と同様にバラードメッキを施し、レジストを塗布した後、Greenのパターンと同様のストライプ模様で、位置はGreenとBlueとのパターンの間に来るようにした。エッチングを行い、幅60μm、セル深度12.8μmのストライプパターンを作成した。さらに、ブラックマトリックス用の版と同様に、Crメッキを施し、Red用の印刷版とした。
(光硬化性インキ組成物=Redインキ組成物の調整)
・高分子化合物:ベンジルメタクリレート/アクリル酸(7/3mol比)共重合体
(重量平均分子量 5000) 5部
・重合性化合物:(日本化薬株式会社製 KAYARAD DPHA) 30部
・重合性化合物:(新中村化学株式会社製 A−BPE−20) 30部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 17部
・溶剤:3−エトキシプロピオン酸エチル 148部
・重合開始剤:(前記の保土谷化工業株式会社製 B−CIM) 13部
・界面活性剤:(アビシア社製 ソルスパース20000) 8部
・熱重合性化合物:(DIC株式会社製 EPICLON N−695) 25部
上記成分を加えて撹拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)で、十分に撹拌し、下記分散液を加えて、さらに十分に撹拌して、1000部の光硬化性インキ組成物=Redインキ組成物を得た。
・Red分散液1 724部
(印刷)
グラビアオフセット印刷法(図1,2参照)を用いて実験を行った。Redインキ組成物を、ドクターチャンバーとアニロックスローラを使用して版に供給し、シリコーンゴムブランケットローラに転写したパターンを、前記で得たブラックマトリックスとGreenおよびBlueのストライプパターンが設けられたガラス基板上に印刷した。即ち、シリコーンゴムブラッケットローラはシリコーンゴム層の厚さが0.6mmで表面を鏡面処理された、スプリング硬度Hs(JISA)60のものを使用し、シリコーンゴムブランケットローラに転写される直前にドクターブレードで余分なインキをかき取り、印刷速度24mm/sec、ブラックマトリックスが設けられたガラス基板がシリコーンゴムブランケットローラに80mmの長さが巻きついて接触するようにし(接触面積:440cm)、露光の光源は波長365nmのLEDアレイを用いて露光量80mJ/cmで基板背面から露光した。
基板背面から複数のアライメントスコープを使用して、ブラックマトリックス(アライメントマーク)を基準として読み取りながら、印圧と印圧バランスを調整しながら実施した。露光後、ガラス基板とシリコーンゴムブランケットローラとを剥離し、100℃のホットプレートで120秒間加熱後、さらに基板上面から波長365nmのLEDアレイ(LED:日亜化学工業 NSHU590B)を用いて80mJ/cm露光した。
(Postbake)
ブラックマトリックスと、Green、Blue、およびRedのストライプパターンが形成された基板を、220℃のオーブンで30分間加熱して、ポストベーク処理を行ない、実施例1のカラーフィルタを得た。
〔実施例2〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を塗布後、焼成温度を60℃に変更し、それ以外は実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
〔実施例3〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を塗布後、焼成温度を100℃に変更し、それ以外は実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
〔実施例4〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を塗布後、焼成温度を50℃に変更し、それ以外は実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
〔実施例5〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を塗布後、焼成温度を130℃に変更し、それ以外は実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
〔実施例6〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を以下のように変更して、調製した。
・ジルコニウムジブトキシビス(アセチルアセトネート)
(マツモトファインケミカル製 ZC−580) 50部
・3−エトキシプロピオン酸エチル 50部
得られた特定有機金属化合物の塗布液を塗布後、焼成温度を80℃とし、それ以外は実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
〔実施例7〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を以下のように変更して、調製した。
・アルミニウムアルキルアセトアセテート・ジイソプロピレート
(川研ファインケミカル製 アルミキレートM) 50部
・3−エトキシプロピオン酸エチル 50部
得られた特定有機金属化合物の塗布液を塗布後、焼成温度を80℃とし、それ以外は実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
〔比較例1〕
実施例1において、特定有機金属化合物の塗布液を塗布しない基板を使用した以外は、実施例1と同様にして実施し、カラーフィルタ層を実施例1と同様に形成した。
上記で得られたそれぞれのカラーフィルタの密着性を下記方法により評価した。
(密着強度)
完成したカラーフィルタに、接着材(STRUCT BOND XN−651:スリーボンド社製)を滴下し、洗浄したガラス基板を圧着して180℃のオーブンで4時間硬化した。カラーフィルタ側を保持し、洗浄ガラス基板側に荷重をかけ、カラーフィルタと洗浄ガラス基板とが剥離したときの強度を密着強度として引張圧縮試験機(SV−200−0:今田製作所製)で測定した。各5回測定し、それぞれの値と平均値、および標準偏差を表1に示した。
実施例1〜3、および実施例6、7では、透明基板上に本発明の特定有機金属化合物の層を設けることによって、特定有機金属化合物の層を設けなかった比較例1に比べて、密着強度が大きくなったことがわかる。
プライマー層の焼成温度が50℃である実施例4は、プライマーを形成しなかった比較例1より密着強度は高いが、プライマー層に膜厚のムラが発生し、密着強度の面内バラツキが大きくなった。また焼成温度が130℃以上である実施例5は、プライマーを形成しなかった場合より密着強度は高いものの、焼成温度が100℃である実施例3より密着強度は低かった。
図1は、本発明のグラビア印刷の概略図である。 (a):光硬化性インキ組成物を印刷版(凹版)に付与する工程 (b):光硬化性インキ組成物を印刷版(凹版)から透明基板に転写する工程 図2は、本発明のグラビアオフセット印刷の概略図である。 (a):全体図 (b):転写部の詳細図 図3は、ブラックマトリックスの印刷版である。 図4は、第1着色層(グリーン)の印刷版である。 図5は、第2着色層(ブルー)の印刷版である。 図6は、第3着色層(レッド)の印刷版である。 図7は、密着試験の方法である。
1:印刷版(凹版)
2:凹部
3:ブレード
4:光硬化性インキ組成物
5:透明基板
6:誘導ロール
7:印圧ロール
8:露光光源
9:剥離ロール
10:10a:インクIN、10b:インクOUT
11:光硬化性インキ組成物
12:アニロックスローラ
13:凹版
14:ブランケットロール
15:ドクターブレード
16:透明基板
17:誘導ロール
18:印圧ロール
19:露光光源
20:剥離ロール
21:透明基板
22:着色層
23:接着剤
24:ガラス基板
25:負荷

Claims (8)

  1. Ti、Zr、およびAlからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属原子に、アルコキシ基およびアシルオキシ基の少なくとも1つが置換してなる有機金属化合物を含む層を、透明基板上に設ける有機金属化合物含有層形成工程と、
    該有機金属化合物を含む層の上に光硬化性インク組成物を用いて印刷し着色領域を形成する印刷工程と、を有するカラーフィルタの製造方法。
  2. 前記有機金属化合物が、Ti原子に、アルコキシ基およびアシルオキシ基の少なくとも1つが置換した化合物である請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
  3. 前記有機金属化合物が、Ti原子に、アルコキシ基及びアシルオキシ基が置換した化合物である請求項1または請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
  4. 前記有機金属化合物含有層形成工程の後に、60℃〜120℃の範囲で加熱する加熱工程を有する請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  5. 前記印刷工程が、光硬化性インク組成物をパターン状に版またはブランケットロール上に付与する工程と、版またはブランケットロールに透明基板を一部巻きつけて透明基板の背面から印圧をかける工程と、透明基板の背面から露光する工程と、露光後に、光硬化性インク組成物からなる着色領域を版またはブランケットロール上から前記透明基板上に転写する工程とを順次有し、透明基板上に着色領域からなる画素を作製する工程である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
  6. 前記露光する工程における露光量が、1〜3000mJ/cmの範囲である請求項5に記載のカラーフィルタの製造方法。
  7. 請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の製造方法によって、製造されたカラーフィルタ。
  8. 請求項7に記載のカラーフィルタを用いた画像表示装置。
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