JP2010209761A - エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】複数のピストン10が環状に列をなして移動するように軌道が形成されており、この軌道上に、蒸気の導入路と排気路が形成されたシリンダ部40A,40Bが設けられている。蒸気導入路において、シリンダ42の内部における蒸気の流れの方向が一方向へ偏るように、シリンダ42の外部から内部へ蒸気が導入される。ピストン10は、蒸気の一方向の流れに押されて一方向に移動する。一方向の流れの下流側には蒸気排出路が設けられており、ピストン10とともに移動する蒸気がこの蒸気排出路によってシリンダ42の内部から外部へ排出される。
【選択図】図1
Description
図1は、本実施形態に係るエンジンの全体の構成例を示す図であり、図2はその側面図である。図1に示すエンジンは、複数のピストン10と、ピストン収容部20A,20Bと、回転機構30A,30Bと、シリンダ部40A,40Bを有する。
図1に示すように、ブロック21,22の内部には、それぞれU字状の溝が形成される。互いの溝を向かい合わせて2つのブロック21,22を連結することにより、ピストン10が通る筒状の軌道が形成される。
歯車31は、ピストン10の列の隙間に噛み合うラックを備える。歯車31は、例えば図1に示すように、ピストン収容部20A,20BのU字軌道の内側に配置される。U字軌道の円弧部分において、歯車31の隣接する2つのラックの間にピストン10が1つずつ挟まれる。
回転軸32は、歯車31の中心軸に固定されており、歯車31の回転をピストン収容部(20A,20B)の外部に伝達する。ブロック21,22には、それぞれ回転軸32を貫通する孔が設けられている。この貫通孔から突き出した回転軸32は、ブロック21,22の外面に設けられた軸受部33,34(図2)によって回動自在に保持される。
シリンダ42は、ピストン10が移動する筒状の通路を構成する。シリンダ42の一方の端はピストン収容部20BのU字軌道につながり、シリンダ42の他方の端はピストン収容部20AのU字軌道につながる。ピストン収容部20BのU字軌道とピストン収容部20AのU字軌道とがシリンダ42を介して接続されることにより、環状の軌道が構成されている。
外筒41は、シリンダ42の内部へ蒸気を導入する経路と、シリンダ42の内部から蒸気を排出する経路を構成する。また外筒41は、シリンダ42の外周を包囲して、シリンダ42内部の気密性を確保する。
図3は、シリンダ部40A,40Bの外観を示す斜視図である。
図4は、外筒41の断面図であり、筒の中心軸を通る平面で外筒41を切断したときの断面を表す。
図5は、シリンダ42の外観を示す斜視図である。
図6は、図3に示す斜視図において外筒41の一部を切り欠いた状態を示す図である。
図7は、図3に示す斜視図において外筒41とシリンダ42の一部を切り欠いた状態を示す図である。
図8は、シリンダ42の内部を通過するピストン10を図解した図である。
図4における左側の図は、外筒42を筒孔413の中心軸に対して垂直な方向から見た側面図を示す。フランジ411の縁には、ボルトを通す孔が4つ設けられている。フランジ411は、このボルトによってピストン収容部(20A,20B)に締結される。
孔53の一方の端部(孔63から離れた方の端部)は、溝52によって筒部412内面とシリンダ42外面との隙間に形成される上述したリング状の空間に開口している(図6,図7)。この開口部は、本発明における流体導入路の流体導入孔に対応する。
孔53の残りの部分は、筒部412の内壁によって塞がれている(図6,図7)。筒部412の内壁と孔53は、シリンダの内面においてピストン10の移動方向に延びた溝を形成する。この溝は、本発明における流体導入路の溝に対応する。
孔63は、溝63によってと筒部412内面とシリンダ42外面の隙間に形成される上述したリング状の空間に開口している(図6,図7)。図の例では、孔63と溝63がほぼ等しい幅を有している。
また、各ピストン10の外面には、リング部材70が周着される(図8)。リング部材70は、シリンダ42の中を通過する際に、ピストン10の外面とシリンダ42の内壁との隙間を塞ぐ。図の例において、ピストン10にはそれぞれ2つのリング部材70が固定されている。
シリンダ部40Aの孔51に蒸気を導入すると、筒部412の溝52とシリンダ42の外面との隙間に形成された空間に蒸気が充満する。この蒸気は、シリンダ42に形成された孔53の端部からシリンダ42の内部へ流れ込む。孔53の端部から流入した蒸気は、孔53の残りの部分とシリンダ42の内壁とにより形成された細長い溝に沿って流れる。例えば図8において、蒸気はシリンダ42の内部を左から右に流れる。この蒸気の流れにより、ピストン10は左から右へ向う力を加えられ、右方向へ移動する。ピストン10の移動に伴って、高圧の蒸気もシリンダ42の内部を移動する。高圧の蒸気は、孔63においてシリンダ42の内部から外部へ排出される。
従って、本実施形態に係るエンジンでは、環状の軌道におけるピストン10の周回運動に基づいて歯車31を回転させることにより、ピストンを往復運動させる従来のエンジンのように、ピストンの運動方向の逆転に伴う損失が全く発生しないため、エネルギー変換効率を高めることができる。
図9は、シリンダ42にリング部材を取り付ける例を示す図であり、外筒41とシリンダ42の一部を切り欠いた状態を示す。図10は、図9に示すシリンダ42の内部を通過するピストン10がリング部材に接触する様子を図解した図である。
また図9の例においては、孔53と孔63の間に2つのリング部材71が離間して配置されている。この離間距離は、孔53と孔63の間において、少なくとも1つのリング部材71がピストン10と当接するように、ピストン10の長さや形状、リング部材71の幅などに応じて設定される。これにより、孔53と孔63との間の空間が常にリング部材71とピストン10によって仕切られるため、孔53から孔63への蒸気の漏れを効果的に抑制できる。
Claims (8)
- 複数のピストンと、
前記複数のピストンが環状に列をなして移動するための軌道が形成されたピストン収容部と、
前記ピストン収容部の内部に収容され、前記ピストンの列の隙間に噛み合うラックを備えた歯車と、
前記軌道に設けられたシリンダと、
前記シリンダの内部における流れの方向が一方向へ偏るように前記シリンダの外部から内部に流体を導入する流体導入路と、
前記一方向の流れの下流側において前記流体を前記シリンダの内部から外部に排出する流体排出路と
を有するエンジン。 - 前記流体導入路は、
前記シリンダの内面において前記ピストンの移動方向に沿って延びた溝と、
前記溝の一方の端部から前記シリンダの内部へ前記流体を導入する流体導入孔と
を含む、
請求項1に記載のエンジン。 - 前記シリンダに形成され、前記ピストンの移動方向に沿って延びた孔と、
前記シリンダの外面を包囲し、前記孔の端部において開口部を有する筒体と、
を有し、
前記開口部が前記流体導入孔を構成し、
前記開口部を除いて前記孔を塞ぐ前記筒体の内面が前記溝の底部を構成する、
請求項1又は2に記載のエンジン。 - 複数の前記流体導入路、及び/又は、複数の前記流体排出路が前記シリンダの周方向において等間隔に形成されている、
請求項1乃至3のいずれか1つに記載のエンジン。 - 前記ピストンの外面に固定され、前記シリンダの中を通過する前記ピストンと前記シリンダの内面との隙間を塞ぐリング部材を有する、
請求項1乃至4のいずれか1つに記載のエンジン。 - 前記流体導入路と前記流体排出路との間で前記シリンダの内面に固定され、前記シリンダの中を通過する前記ピストンと前記シリンダの内面との隙間を塞ぐ1つ又は複数の第1リング部材を有する、
請求項1乃至4のいずれか1つに記載のエンジン。 - 少なくとも1つの前記第1リング部材が前記ピストンと当接するように複数の前記第1リング部材が離間して配置される、
請求項6に記載のエンジン。 - 前記シリンダの端部と前記流体導入路との間で前記シリンダの内面に固定され、前記シリンダの中を通過する前記ピストンと前記シリンダの内面との隙間を塞ぐ1つ又は複数の第2リング部材、及び/又は、前記流体排出路と前記シリンダの端部との間で前記シリンダの内面に固定され、前記シリンダの中を通過する前記ピストンと前記シリンダの内面との隙間を塞ぐ第3リング部材を有する、
請求項6に記載のエンジン。
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- 2009-03-09 JP JP2009055446A patent/JP5368137B2/ja not_active Expired - Fee Related
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