JP2010209013A - Biphep誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体 - Google Patents

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Abstract

【課題】BIPHEP誘導体を配位子とする不斉触媒において、タイプの異なる新たな触媒的不斉反応にも利用でき、公知の不斉触媒に比べてさらに効果的な活性を有する新規不斉触媒の提供。
【解決手段】新規化合物である「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」または「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」は、種々の触媒的不斉反応における好適な不斉触媒または該前駆体として利用でき、公知の不斉触媒に比べて格段に高い反応性と立体選択性等を示す。
【選択図】なし

Description

本発明は、種々の触媒的不斉反応における好適な新規不斉触媒または該前駆体に関する。
非特許文献1には、6,6’位に置換基を有する光学活性BIPHEP誘導体を不斉配位子とする触媒的不斉反応が数多く報告されている。また、本発明者らは、ビフェニル基上に全く置換基を有さない(3,3’位,4,4’位,5,5’位および6,6’位が全て水素原子である)BIPHEPを不斉配位子とする触媒的不斉反応を報告している(非特許文献2)。
一方、本発明で対象とする、「4,4’位または(および)5,5’位にのみ置換基を有するBIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」および「4,4’位または(および)5,5’位にのみ置換基を有するBIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」は、未だ報告されていない。
CATALYTIC ASYMMETRIC SYNTHESIS,Second Edition,2000,Wiley−VCH,Inc. Angew.Chem.Int.Ed.(ドイツ国),2005年,第44巻,p.7257−7260
触媒的不斉反応の開発において、不斉触媒、特に不斉配位子の設計は重要な課題である。光学活性BIPHEP誘導体は、適応範囲が広く実用性の高い不斉配位子であるが、該誘導体の1,1’位軸不斉の自由回転(ラセミ化)を抑えるために、6,6’位に置換基を導入する必要があった。よって、不斉配置子の設計においては、6,6’位に置換基を有する光学活性BIPHEP誘導体の開発に主眼が置かれてきた。ところが、本発明者らは,ビフェニル基上に全く置換基を有さないBIPHEPにおいても、遷移金属を介する不斉環境場から誘導される光学活性BIPHEP遷移金属錯体が、不斉触媒または該前駆体として有効に利用できることを明らかにした(背景技術の非特許文献2)。
しかしながら、タイプの異なる新たな触媒的不斉反応にも利用でき、公知の不斉触媒に比べてさらに効果的な新規不斉触媒の開発が強く望まれていた。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭意検討した結果、一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」が、種々の触媒的不斉反応において好適な不斉触媒または該前駆体として機能することを見出した。
BIPHEP誘導体としては、ビフェニル基上の4,4’位置換基が同一の低級アルキル基(tert−ブチル基が特に好ましい。但し、5,5’位置換基が共に水素原子を採る)または5,5’位置換基が同一の低級アルキル基(tert−ブチル基が特に好ましい。但し、4,4’位置換基が共に水素原子を採る)であり、さらに2つのリン原子上の、全ての置換基が同一のフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基(フェニル基が特に好ましい)であるものが好ましく、比較的簡便に製造できる。
遷移金属(M)としては、Pdが好ましく、不斉触媒の調製が比較的簡便であり、種々の触媒的不斉反応において所望の反応が良好に進行する。
中性錯体を構成する配位子(X)としては、ハロゲン原子が好ましく(塩素が特に好ましい。2つのXは同一の置換基を採ることが好ましい)、不斉触媒の調製が比較的簡便であり、種々の触媒的不斉反応において所望の反応が良好に進行する。
カチオン性錯体を構成する配位子(Y)としては、SbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFが好ましく(SbFが特に好ましい。2つのYは同一の置換基を採ることが好ましい)、不斉触媒の調製が比較的簡便であり、種々の触媒的不斉反応において所望の反応が良好に進行する。
本発明で開示する一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」は新規化合物であり、種々の触媒的不斉反応において好適な不斉触媒または該前駆体として利用できる。これらの遷移金属錯体の中でも2つのRが同一の低級アルキル基であり、2つのRが共に水素原子であり、4つのArが同一のフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基であり、MがPdであり、且つXがハロゲン原子または、YがSbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFであるもの、または2つのRが共に水素原子であり、2つのRが同一の低級アルキル基であり、4つのArが同一のフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基であり、MがPdであり、且つXがハロゲン原子または、YがSbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFであるものが好ましく、2つのRが共にtert−ブチル基であり、2つのRが共に水素原子であり、4つのArが全てフェニル基であり、MがPdであり、且つXが共に塩素または、Yが共にSbFであるもの、または2つのRが共に水素原子であり、2つのRが共にtert−ブチル基であり、4つのArが全てフェニル基であり、MがPdであり、且つXが共に塩素または、Yが共にSbFであるものが特に好ましく、比較的大量規模での調製が可能で、種々の触媒的不斉反応において極めて好適な不斉触媒または該前駆体として利用できる。
この様に、種々の触媒的不斉反応における好適な新規不斉触媒または該前駆体を見出し、本発明に到達した。
すなわち、本発明は[発明1]から[発明5]を含み、種々の触媒的不斉反応における好適な新規不斉触媒または該前駆体を提供する。
[発明1]
一般式[1]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
[式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基または低級アルコキシカルボニル基を表し(但し、RとRが共に水素原子を採ることはなく、2つのRは同一の置換基を採り、2つのRも同一の置換基を採る)、Arはフェニル基または置換フェニル基を表し(但し、4つのArは同一の置換基を採る)、MはNi、Pd、PtまたはCuを表し、Xはハロゲン原子またはOAc(OCOCH)を表し、YはSbF、ClO、BF、OTf(Tf;CFSO)、AsF、PFまたはB(3,5−(CFを表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
[発明2]
一般式[3]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[4]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
[式中、Rは低級アルキル基を表し(但し、2つのRは同一の置換基を採る)、Arはフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基を表し(但し、4つのArは同一の置換基を採る)、Xはハロゲン原子を表し、ZはSbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFを表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
[発明3]
一般式[5]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[6]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
[式中、Rは低級アルキル基を表し(但し、2つのRは同一の置換基を採る)、Arはフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基を表し(但し、4つのArは同一の置換基を採る)、Xはハロゲン原子を表し、ZはSbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFを表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
[発明4]
式[7]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または式[8]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
[式中、tert−Buは第3級ブチル基を表し、Phはフェニル基を表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
[発明5]
式[9]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または式[10]
で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
[式中、tert−Buは第3級ブチル基を表し、Phはフェニル基を表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
本発明で開示した「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」または「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」は新規化合物であり、種々の触媒的不斉反応における好適な不斉触媒または該前駆体として利用できる。不斉触媒としての具体的な反応例を[実施例3]および[実施例4]に示すが、両反応において公知の不斉触媒に比べて格段に高い反応性と立体選択性等を示す。
この様に、本発明は、触媒的不斉反応における好適な新規不斉触媒または該前駆体を提供するものである。
本発明の「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」または「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」について詳細に説明する。
本明細書において、「BIPHEP」は2,2’−ビス(ジフェニルホスファニル)ビフェニルの略記号であり、下記式
[式中、Phはフェニル基を表す]で示される化合物である。「BIPHEP誘導体」とは、ビフェニル基または(および)フェニル基の任意の炭素原子上に、任意の数でさらに任意の組み合わせで、任意の置換基を有するものを意味する。
一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」のRおよびRは、それぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)、低級アルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等)、低級ハロアルキル基(フルオロメチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ヨードメチル基等)、低級アルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等)、低級ハロアルコキシ基(フルオロメトキシ基、クロロメトキシ基、ブロモメトキシ基、ヨードメトキシ基等)または低級アルコキシカルボニル基(メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等)を表す(但し、RとRが共に水素原子を採ることはなく、2つのRは同一の置換基を採り、2つのRも同一の置換基を採る)。“低級”とは、炭素数が1から6の、直鎖または枝分れの鎖式、または環式(炭素数が3以上の場合)を意味する。
一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」のArは、フェニル基または置換フェニル基を表す(但し、4つのArは同一の置換基を採る)。置換フェニル基の置換基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等の低級アルキル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ノナフルオロブチル基、トリデカフルオロヘキシル基等の低級ハロアルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等の低級アルコキシ基等が挙げられる。“低級”とは、一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」のRおよびRに記載したものと同じである。
一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」の遷移金属(M)は、Ni、Pd、PtまたはCuを表す。
一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」のXは、ハロゲン原子(フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)またはOAc(OCOCH)を表す(2つのXは同一の置換基を採ることが好ましい)。
一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」のYは、SbF、ClO、BF、OTf(Tf;CFSO)、AsF、PFまたはB(3,5−(CFを表す(2つのYは同一の置換基を採ることが好ましい)。
一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」の*は、軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。この絶対配置としては、触媒的不斉反応における目的生成物の絶対配置に応じて適宜使い分けることができる。また、光学純度としては、触媒的不斉反応における目的生成物の光学純度に応じて適宜設定すれば良く、通常は95%ee(エナンチオマー過剰率)以上を用いれば良く、97%ee以上が好ましく、99%ee以上が特に好ましい。
また、一般式[11]
[式中、R、R、Ar、M、Yおよび*は、一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」と同じものを表す]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性2核遷移金属錯体」も、一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」と同様に用いることができる場合があるため、本発明の請求項に含まれるものとする。
一般式[1]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」の調製方法としては、特に制限はないが、非特許文献1(引用文献も含む)、非特許文献2、第5版 実験化学講座(日本化学会、丸善)、J.Mater.Chem.(英国),2007年,第17巻,p.955−964、Tetrahedron:Asymmetry(英国),2004年,第15巻,p.3885−3889、Helvetica Chimica Acta(ドイツ),1991年,第74巻,p.370−389、J.Org.Chem.(米国),1990年,第55巻,p.4622−4634および本発明の実施例等を参考にして同様に調製することができる。単離した錯体は当然、それ以外に、触媒的不斉反応の反応系中で予め調製し単離せずに用いることもできる。また、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒(ベンゼン、塩化メチレン、クロロホルム、アセトニトリル等)または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる。
[実施例]
実施例により本発明の実施の形態を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。略記号は以下の通りとする。tert−Bu;第3級ブチル基、Me;メチル基、Tf;トリフルオロメタンスルホニル基、Ph;フェニル基、Et;エチル基、TMS;トリメチルシリル基。[実施例1]の出発原料であるヨウ化物は、上記の文献(J.Mater.Chem.(英国),2007年,第17巻,p.955−964)に従い、3−tert−ブチルフェノールから製造した。
[実施例1]
1)アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるヨウ化物4.06g(14.0mmol)のテトラヒドロフラン溶液(溶媒使用量15mL)に、1.6M n−ブチルリチウムのn−ヘキサン溶液9.63mL(15.4mmol)を−78℃で加え、同温度で5分間攪拌した(A液とする)。予め−50℃に冷却したトリメチルボラート[B(OMe)]5.15g(49.6mmol)のジエチルエーテル溶液(溶媒使用量15mL)に、カニューレを用いてA液を移液し、同温度で30分間攪拌し、室温まで昇温した。反応終了液に2N塩酸18mLを加え、室温で12時間攪拌した。分液により回収した有機層を過剰量の3N水酸化ナトリウム水溶液で抽出し、回収水層のpHが1になるまで濃塩酸を5℃で加えた。懸濁した水層をジエチルエーテル20mLで3回抽出し、減圧濃縮し、真空乾燥することにより、下記式
で示されるホウ化物1.22gを得た。収率は42%であった。さらに精製することなく次工程に供した。H−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.35(s,9H),3.94(s,3H),6.30(br s,2H),6.94(d,J=1.5Hz,1H),7.08(dd,J=7.8Hz,1.5Hz,1H),7.78(d,J=7.8Hz,1H).
2)アルゴン雰囲気下、テトラヒドロフラン46mLに、下記式
で示されるヨウ化物1.13g(3.91mmol)、下記式
で示されるホウ化物1.20g(5.79mmol)、2M炭酸カリウム水溶液23mLとテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム[Pd(PPh]89.0mg(0.077mmol)を加え、加熱還流下で43時間攪拌した。反応終了液をジエチルエーテルで抽出し、回収有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:20)で精製することにより、下記式
で示されるカップリング生成物1.28gを得た。収率は定量的であった。H−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.37(s,18H),3.79(s,6H),6.99(d,J=2.1Hz,2H),7.02(dd,J=7.8Hz,2.1Hz,2H),7.19(d,J=7.8Hz,2H).
3)アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるカップリング生成物1.28g(3.91mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量38mL)に、1M三臭化ホウ素(BBr)の塩化メチレン溶液9.80mL(9.80mmol)を−78℃で加え、室温で3時間攪拌した。反応終了液に1N塩酸を0℃で加え、塩化メチレンで抽出し、回収有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:5)で精製することにより、下記式
で示されるビフェノール体1.17gを得た。収率は定量的であった。H−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.35(s,18H),5.43(br s,2H),7.066(d,J=2.1Hz,2H),7.067(dd,J=8.7Hz,2.1Hz,2H),7.19(d,J=8.7Hz,2H).
4)アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるビフェノール体1.17g(3.91mmol)、4−ジメチルアミノピリジン95.3mg(0.78mmol)と2,6−ルチジン1.05g(9.78mmol)を含む塩化メチレン溶液(溶媒使用量30mL)に、トリフルオロメタンスルホン酸無水物2.76g(9.78mmol)を0℃で加え、室温で12時間攪拌した。反応終了液に1N塩酸を加え、塩化メチレンで抽出し、回収有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:20)で精製することにより、下記式
で示されるビストリフラート体2.13gを得た。収率は97%であった。H−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.37(s,18H),7.36(d,J=8.1Hz,2H),7.38(d,J=1.8Hz,2H),7.48(dd,J=8.1Hz,1.8Hz,2H).
19F−NMR(282MHz,CDCl,CCF)δ−74.26(s,6F).
5)アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるビストリフラート体2.13g(3.79mmol)のジメチルスルホキシド溶液(溶媒使用量18mL)に、ジフェニルホスフィンオキシド[PhP(O)H]2.28g(11.3mmol)、1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン(DPPB)171mg(0.40mmol)、酢酸パラジウム[Pd(OCOCH]89.8mg(0.40mmol)とジイソプロピルエチルアミン1.95g(15.1mmol)を加え、100℃で48時間攪拌した。反応終了液を塩化メチレン30mLで希釈し、水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:2)で精製することにより、下記式
で示されるビスホスフィンオキシド体1.82gを得た。収率は72%であった。H−NMRと31P−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.09(s,18H),7.06(dd,J=8.1Hz,1.5Hz,2H),7.14−7.31(m,10H),7.41−7.51(m,6H),7.59−7.74(m,8H).
31P−NMR(121MHz,CDCl,HPO)δ28.57(s,2P).
6)アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるビスホスフィンオキシド体1.82g(2.73mmol)のトルエン溶液(溶媒使用量60mL)に、N,N−ジメチルアニリン13.2g(109mmol)とトリクロロシラン3.70g(27.3mmol)を0℃で加え、加熱還流下で3時間攪拌した。反応終了液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液に空け、酢酸エチル30mLを加え、セライト濾過し、分液により回収した有機層を1N塩酸、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水の順に洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、減圧濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:30〜1:10)で精製することにより、下記式
で示される4,4’−tert−Bu−BIPHEP 1.39gを得た。収率は80%であった。H−NMR、31P−NMRとHRMSを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.14(s,18H),6.86−6.91(m,2H),7.13−7.34(m,24H).
31P−NMR(121MHz,CDCl,HPO)δ−12.73(s,2P).
HRMS(ESI−TOF)Calcd for C4444Na[M+Na]:657.2816,Found657.2820.
7)アルゴン雰囲気下、下記式
で示される4,4’−tert−Bu−BIPHEP 133mg(0.210mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量5mL)に、塩化パラジウム1,5−シクロオクタジエン錯体[PdCl(cod)]57.1mg(0.200mmol)を加え、室温で4時間攪拌した。反応終了液を直接、減圧濃縮し、残渣を最少量の塩化メチレンに溶解し、n−ペンタンを徐々に滴下し、析出した黄色結晶を濾過し、n−ペンタンで洗浄し、120℃で長時間乾燥することにより、下記式
で示される4,4’−tert−Bu−BIPHEP−PdCl171mgを得た。収率は定量的であった。H−NMRと31P−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.14(s,18H),6.63(dd,J=7.8Hz,5.1Hz,2H),6.87(dd,J=12.9Hz,1.8Hz,2H),7.08(d,J=7.8Hz,2H),7.21−7.28(m,4H),7.32−7.46(m,8H),7.68−7.75(m,4H),7.90(dd,J=12.6Hz,7.5Hz,4H).
31P−NMR(121MHz,CDCl,HPO)δ27.48(s,2P).
8)アルゴン雰囲気下、下記式
で示される4,4’−tert−Bu−BIPHEP−PdCl102mg(0.126mmol)のアセトニトリル溶液(溶媒使用量5mL)に、AgSbF 108mg(0.315mmol)を加え、室温で30分間攪拌した。反応終了液をセライト濾過し、減圧濃縮した。再び、残渣を塩化メチレン5mLに溶解し、セライト濾過し、減圧濃縮した。最後に、残渣を最少量の塩化メチレンに溶解し、n−ペンタンを徐々に滴下し、析出した黄色結晶を濾過し、n−ペンタンで3回洗浄し、真空乾燥することにより、下記式
で示される[4,4’−tert−Bu−BIPHEP−Pd(MeCN)2+・2SbF 163mgを得た。収率は定量的であった。H−NMRと31P−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.05(s,18H),1.76(s,6H,NCMe),6.71−6.75(m,2H),7.14−7.19(m,2H),7.25−7.29(m,2H),7.44−7.55(m,6H),7.63−7.72(m,10H),7.86(br s,4H).
31P−NMR(121MHz,CDCl,HPO)δ28.43(s,2P).
9)アルゴン雰囲気下、下記式
で示される[4,4’−tert−Bu−BIPHEP−Pd(MeCN)2+・2SbF 120mg(0.093mmol)の1,2−ジクロロエタン溶液(溶媒使用量5mL)に、(R)−(+)−1,1’−ビナフチル−2,2’−ジアミン[(R)−DABN]27.9mg(0.098mmol)を加え、80℃で16時間攪拌した。反応終了液を直接、減圧濃縮し、残渣を最少量の塩化メチレンに溶解し、n−ペンタンを徐々に滴下し、析出した黄色結晶を濾過し、n−ペンタンで3回洗浄し、真空乾燥することにより、下記式
で示される[(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP−Pd−(R)−DABN]2+・2SbF 139mgを得た。収率は定量的であった。H−NMRと31P−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.10(s,18H),3.28−3.33(m,2H,NH),5.19−5.28(m,2H,NH),6.56−6.61(m,4H),6.94(d,J=8.4Hz,2H),7.23−7.27(m,2H),7.44−7.74(m,22H),7.86−7.89(m,4H),7.98(dd,J=8.7Hz,4.8Hz,4H).
31P−NMR(121MHz,CDCl,HPO)δ24.07(s,2P).
10)下記式
で示される[(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP−Pd−(R)−DABN]2+・2SbF 130mg(0.087mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量4mL)に、6N塩酸4mLを加え、室温で30分間攪拌した。反応終了液の分液により回収した有機層を6N塩酸8mLで洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、セライト濾過し、減圧濃縮した。残渣を最少量の塩化メチレンに溶解し、ジエチルエーテルを徐々に滴下し、析出した黄色結晶を濾過し、真空乾燥することにより、下記式
で示される(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP−PdCl70.7mgを得た。収率は定量的であった。光学純度は対応するジアミン錯体に変換して決定したところ、光学的に純粋であった(100%ee)。比旋光度は[α] 24+296.90(c=0.45 in CHCl)であった。さらに、単結晶X線構造解析により上記式の構造を確認した。
また、反応終了液の分液により回収した水層(塩酸洗浄液も含む)から中和抽出(飽和炭酸水素ナトリウム水溶液/塩化メチレン)により、光学純度を損なうことなく(R)−DABNを定量的に回収した。
[実施例2]
[実施例1]を参考にして4−tert−ブチルフェノールから同様に調製することにより、下記式
で示される(R)−5,5’−tert−Bu−BIPHEP−PdClを得た。H−NMRと31P−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.14(s,18H),6.69(dd,J=4.2Hz,2.1Hz,2H),6.80(dd,J=11.4Hz,8.4Hz,2H),6.95(d,J=8.4Hz,2H),7.25−7.30(m,4H),7.34−7.43(m,8H),7.59−7.66(m,4H),7.91(dd,J=12.3Hz,J=7.2Hz,4H).
31P−NMR(121MHz,CDCl,HPO)δ25.82(s,2P).
[実施例3]
アルゴン雰囲気下、下記式
で示される(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP−PdCl8.1mg(0.01mmol)の塩化メチレン溶液(溶媒使用量2mL)に、AgSbF 7.6mg(0.022mmol)を0℃で加え、同温度で30分間攪拌した(一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体(BIPHEP誘導体;(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP、M;Pd、Y;SbF)」が反応系中で生成)。下記式
で示される2,3−ペンタンジオン20.0mg(0.20mmol)と、下記式
で示されるケテンシリルチオアセタール56.8mg(E:Z=3:97、0.26mmol)を−78℃で加え、同温度で3時間攪拌した。反応混合液を直接、ショートカラム(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:1)に付し、「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」を取り除き、濾洗液を減圧濃縮し、残渣に塩化メチレン1mLと10%塩酸エタノール2滴を加え、室温で3時間攪拌した。反応終了液を直接、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル/酢酸エチル:n−ヘキサン=1:10)で精製することにより、下記式
で示される光学活性アルドール生成物44.3mgを得た。収率は90%であった。位置選択性とジアステレオ選択性はそれぞれ100%、100%(syn)であった。光学純度はキラル液体クロマトグラフィー(DAICEL CHIRALPAK AD−H)により99%ee(S)であった。H−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.03(t,J=7.2Hz,3H),1.09(d,J=7.2Hz,3H),1.32(s,3H),1.46(s,9H),2.64(qd,J=7.2Hz,J=3.3Hz,2H),2.99(q,J=7.2Hz,1H),3.82(br s,1H).
[実施例3]は公知の不斉触媒に比べて格段に高い反応性と立体選択性等を示した(表−1を参照)。
[実施例4]
アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるトリフルオロピルビン酸エチル6.80g(40.0mmol)に、下記式
で示される(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP−PdCl 3.2mg(0.004mmol)とAgSbF3.0mg(0.0088mmol)を0℃で加え、同温度で30分間攪拌した(一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体(BIPHEP誘導体;(R)−4,4’−tert−Bu−BIPHEP、M;Pd、Y;SbF)」または、下記式
で示される“「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」とトリフルオロピルビン酸エチルの錯体”が反応系中で生成)。下記式
で示されるイソブテン8.98g(160mmol)を−30℃で加え、−20℃で10分間攪拌することにより、下記式
で示される(S)−カルボニル−エン生成物を得た。変換率は19F−NMRにより97%であった。光学純度はキラルガスクロマトグラフィー(CP−Chirasil−Dex CB)により98%eeであった。H−NMRを下に示す。
H−NMR(300MHz,CDCl,(CHSi)δ1.36(t,J=7.2Hz,3H),1.78(s,3H),2.59(d,J=13.8Hz,1H),2.76(d,J=13.8Hz,1H),3.84(br s,1H),4.28−4.43(m,2H),4.82(s,1H),4.92(s,1H).
[実施例4]は公知の不斉触媒([比較例1])に比べて格段に高い反応性と立体選択性等を示した(表−2を参照)。
[比較例1]
アルゴン雰囲気下、下記式
で示されるトリフルオロピルビン酸エチル6.80g(40.0mmol)に、下記式
で示される(R)−BIPHEP−PdCl 2.8mg(0.004mmol)とAgSbF 3.0mg(0.0088mmol)を0℃で加え、同温度で30分間攪拌した(一般式[2]で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」に類似する不斉触媒(BIPHEP誘導体;BIPHEP、M;Pd、Y;SbF)または、下記式
で示される“「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」に類似する不斉触媒とトリフルオロピルビン酸エチルの錯体”が反応系中で生成)。下記式
で示されるイソブテン8.98g(160mmol)を−30℃で加え、−20℃で10分間攪拌することにより、下記式
で示される(S)−カルボニル−エン生成物を得た。変換率は19F−NMRにより94%であった。光学純度はキラルガスクロマトグラフィー(CP−Chirasil−Dex CB)により96%eeであった。H−NMRは[実施例4]と同様であった。

Claims (5)

  1. 一般式[1]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[2]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
    [式中、RおよびRはそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級ハロアルキル基、低級アルコキシ基、低級ハロアルコキシ基または低級アルコキシカルボニル基を表し(但し、RとRが共に水素原子を採ることはなく、2つのRは同一の置換基を採り、2つのRも同一の置換基を採る)、Arはフェニル基または置換フェニル基を表し(但し、4つのArは同一の置換基を採る)、MはNi、Pd、PtまたはCuを表し、Xはハロゲン原子またはOAc(OCOCH)を表し、YはSbF、ClO、BF、OTf(Tf;CFSO)、AsF、PFまたはB(3,5−(CFを表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
  2. 一般式[3]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[4]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
    [式中、Rは低級アルキル基を表し(但し、2つのRは同一の置換基を採る)、Arはフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基を表し(但し、4つのArは同一の置換基を採る)、Xはハロゲン原子を表し、ZはSbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFを表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
  3. 一般式[5]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または一般式[6]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
    [式中、Rは低級アルキル基を表し(但し、2つのRは同一の置換基を採る)、Arはフェニル基または低級アルキル基置換フェニル基を表し(但し、4つのArは同一の置換基を採る)、Xはハロゲン原子を表し、ZはSbF、BF、OTf(Tf;CFSO)またはB(3,5−(CFを表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
  4. 式[7]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または式[8]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
    [式中、tert−Buは第3級ブチル基を表し、Phはフェニル基を表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
  5. 式[9]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性遷移金属錯体」、または式[10]
    で示される「BIPHEP誘導体を配位子とする光学活性カチオン性遷移金属錯体」。
    [式中、tert−Buは第3級ブチル基を表し、Phはフェニル基を表し、*は軸不斉であることを表し、該絶対配置はRまたはSを採ることができる。但し、これらの遷移金属錯体には水、有機溶媒または触媒的不斉反応における原料基質が配位(溶媒和)したものを用いることもできる]
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