JP2010208525A - カーテンエアバッグ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】カーテンエアバッグが膨張展開する際に車室天井に沿って展開することを抑制する。
【解決手段】車室内側方部位に設けられるカーテンエアバッグ装置であって、車両のルーフサイドレールに沿って折畳まれた状態で取付けられインフレータからの発生ガスにより膨張展開可能なカーテンエアバッグ30と、ピラーガーニッシュ11上方で車体部位に取付けられカーテンエアバッグの膨張展開力を受けて車室内側に変形しつつカーテンエアバッグの展開方向を規制する展開規制部材50と、ルーフサイドレールに沿った方向において少なくとも一部が展開規制部材50と重複する位置に設けられ、一端部が折畳まれたカーテンエアバッグ30の上部に固定されると共に、折畳まれたカーテンエアバッグ30の車室内向き部分から下部を通って車室外向き部分を包込むようにカーテンエアバッグ30に巻かれた展開補助布60とを備える。
【選択図】図2

Description

この発明は、車両の緊急時に展開するカーテンエアバッグにおいて、その展開動作をコントロールする技術に関する。
従来、カーテンエアバッグの展開動作を規制する技術として、特許文献1に開示のものがある。
特許文献1は、Bピラーガーニッシュ上端部に近接するルーフサイドレールの部位に基端部が固定され、折畳んだエアバッグ袋体の車内側に位置すると共にエアバッグ袋体展開時に先端側の展開部がBピラーガーニッシュ上端部を覆う位置に展開する展開部材からなるエアバッグ袋体展開方向規制手段を開示している。
特許文献1に開示のエアバッグ袋体展開方向規制手段では、エアバッグ袋体の展開に先立ち、展開部材がBピラーガーニッシュ上端部を覆うことで、展開途中のエアバッグ袋体が、Bピラーガーニッシュ上端部に強く接触したり、ボデーとBピラーガーニッシュとの間に入り込んだりすることを抑制している。
特開2000−33845号公報
特許文献1に開示のエアバッグ袋体展開方向規制手段では、折畳まれた状態のエアバッグ袋体が膨張展開する力によって、展開部材を展開させている。しかしながら、特にエアバッグ袋体の膨張初期においては、ガスの流入方向、エアバッグ袋体の折畳み状態、各部材の寸法誤差、組付誤差等によっては、エアバッグ袋体の展開方向が不安定となることがある。このため、エアバッグ袋体がBピラーガーニッシュの上方を越えて展開する場合に、車室天井に沿って展開する恐れがある。
そこで、本発明は、カーテンエアバッグが膨張展開する際に、車室天井に沿って展開することを抑制することを目的とする。
第1の態様にかかるカーテンエアバッグ装置は、車室内側方部位に設けられ、緊急時に展開するカーテンエアバッグ装置であって、ガスを発生可能なインフレータと、車両のルーフサイドレールに沿って折畳まれた状態で取付けられると共に、前記インフレータより発生されたガスにより膨張展開可能なカーテンエアバッグと、車両のピラーガーニッシュ上方で車体部位に取付けられ、前記カーテンエアバッグの膨張展開時にその膨張展開力を受けて変形しつつ前記カーテンエアバッグの展開方向を車室内側に規制する展開規制部材と、前記ルーフサイドレールに沿って少なくとも一部が前記展開規制部材と重複する位置に設けられ、その一端部が、折畳まれた前記カーテンエアバッグの上部又はその上方の部分に固定されると共に、折畳まれた前記カーテンエアバッグの車室内向き部分から下部を通って車室外向き部分を包込むように折畳まれた前記カーテンエアバッグに巻かれた展開補助部材と、を備え、前記カーテンエアバッグの膨張展開時に、膨張展開する前記カーテンエアバッグに伴って、前記展開補助部材の他端部は車室内側に展開することを特徴とするものである。
第2の態様にかかるカーテンエアバッグ装置は、第1の態様にかかるカーテンエアバッグ装置であって、前記展開補助部材は、折畳まれた前記カーテンエアバッグの外周長さよりも大きな長さ寸法に設定され、途中に余剰部を設けるようにして、折畳まれた前記カーテンエアバッグに巻かれているものである。
第3の態様にかかるカーテンエアバッグ装置は、第2の態様にかかるカーテンエアバッグ装置であって、前記展開補助部材は、前記カーテンエアバッグの膨張展開力を受けた前記展開規制部材の変形が終了する時点まで、前記カーテンエアバッグに巻かれた状態を維持できる程度の長さ寸法に設定されているものである。
第4の態様にかかるカーテンエアバッグ装置は、第2又は第3の態様にかかるカーテンエアバッグ装置であって、前記展開規制部材は、ピラーガーニッシュの上方で車体に取付可能な固定部と、前記固定部に対向する保持部と、前記固定部の一端部と前記保持部の一端部とを連結する中間連結部とを有し、前記余剰部が、折畳まれた前記カーテンエアバッグと前記中間連結部との間に設けられているものである。
第5の態様にかかるカーテンエアバッグ装置は、第4の態様にかかるカーテンエアバッグ装置であって、前記展開規制部材には、前記中間連結部又は前記中間連結部から前記保持部に至る部分の略中央部分に開口部が形成されており、前記余剰部の長さ寸法は、前記カーテンエアバッグの膨張展開により前記余剰部による弛みが無くなったときに、前記展開補助部材が車室内側に向けて前記開口を越える程度の大きさに設定されているものである。
第6の態様にかかるカーテンエアバッグ装置は、第1〜第5のいずれかの態様にかかるカーテンエアバッグ装置であって、前記カーテンエアバッグは、車両のルーフサイドレール側に固定された部分から車両外側に向けて外ロール折りされているものである。
第1の態様に係るカーテンエアバッグ装置によると、膨張展開初期において、カーテンエアバッグが急激に膨張展開しようとすると、カーテンエアバッグは展開規制部材により車室内側に展開方向が規制され、天井に沿って膨張展開しようとする。折畳まれたカーテンエアバッグには、展開補助部材がその一端部がカーテンエアバッグの状部又はその上方の部分に固定されて巻かれているため、カーテンエアバッグが天井に沿って膨張展開しようとする力は、当該巻かれた展開補助部材によって一旦受止められる。このため、車室天井に沿ったカーテンエアバッグの展開が抑制される。また、展開補助部材は、一端部が固定され、他端部が折畳まれた前記カーテンエアバッグの車室内向き部分から下部を通って車室外向き部分を包込むように折畳まれた前記カーテンエアバッグに巻かれているため、カーテンエアバッグの膨張展開しようとする力を受止める展開補助部材の受止め部位を境にして、その上方側は、カーテンエアバッグの上部又はその上方の部分に固定された一端部に連続し、その下方側は、折畳まれた前記カーテンエアバッグを包込んだ他端部に連続するように分かれる。その受止め部位に、さらにカーテンエアバッグの膨張展開しようとする力が作用すると、上方側では、受止め部位と一端部との間で展開補助部材が伸張して突っ張るため、膨張展開しようとする力に対して抵抗し、下方側では、受止め部位からと他端部側の展開補助部材が車室内側に展開されていくため、上方側より抵抗は小さい。よって、カーテンエアバッグの膨張展開しようとする力は、常に、抵抗が小さい下方側に向けられていく。このため、膨張しようとするカーテンエアバッグは、車室天井に沿った方向よりも、むしろ、下方に膨張展開しようとする。
第2の態様によると、前記展開補助部材は、折畳まれた前記カーテンエアバッグの外周長さよりも大きな長さ寸法に形成され、途中に余剰部を設けるようにして、折畳まれた前記カーテンエアバッグに巻かれているため、カーテンエアバッグがある程度膨張してから、車室天井に沿ったカーテンエアバッグの展開を抑制できる。
第3の態様によると、前記展開補助部材は、前記カーテンエアバッグの膨張展開力を受けた前記展開規制部材の変形が終了する時点まで、前記カーテンエアバッグに巻かれた状態を維持できる程度の長さ寸法に設定されているため、カーテンエアバッグが展開規制部材を押している間、展開補助部材によってカーテンエアバッグが車室天井に沿った方向に展開しようとすることを抑制できる。
第4の態様によると、前記余剰部が、折畳まれた前記カーテンエアバッグと前記中間連結部との間に設けられているため、カーテンエアバッグが膨張展開しようとする力は直接的には余剰部に作用し難い。カーテンエアバッグの膨張展開により、余剰部をなくすように展開補助部材を円滑に引張って拡げることができ、カーテンエアバッグを円滑に膨張展開させることができる。
第5の態様に係るカーテンエアバッグ装置によると、前記カーテンエアバッグの膨張展開により前記余剰部による弛みが無くなったときに、前記展開補助部材が車室内側に向けて前記開口を越える程度の大きさに設定されているため、カーテンエアバッグが開口内に潜り込むように膨張することを防止することができる。
第6の態様にかかるカーテンエアバッグ装置によると、外ロール折りされた部分が、車室側壁に沿って展開しようとするので、膨張展開途中のカーテンエアバッグとそのカーテンエアバッグよりも車室外側に存在する部分との間で展開補助部材を挟込む力が強くなる。このため、膨張初期においてカーテンエアバッグが天井に沿って膨張展開しようとするのをより強く規制することができる。
車両に組込まれたカーテンエアバッグ装置を示す概略図である。 図1のII−II線における概略断面図である。 カーテンエアバッグが展開した状態を示す図である。 カーテンエアバッグが折畳まれた状態を示す要部概略図である。 展開規制部材を示す斜視図である。 カーテンエアバッグ展開後における展開規制部材を示す斜視図である。 展開補助布の組付手順を示す説明図である。 展開補助布の組付手順を示す説明図である。 展開補助布の組付手順を示す説明図である。 展開補助布の組付手順を示す説明図である。 展開補助布の組付手順を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。 カーテンエアバッグ装置の展開動作を示す説明図である。
以下、実施形態に係るカーテンエアバッグ装置について説明する。
<1.全体説明>
まず、カーテンエアバッグ装置の全体構成について説明する。図1は車両に組込まれたカーテンエアバッグ装置20を示す概略図であり、図2は図1のII−II線における概略断面図である。
このカーテンエアバッグ装置20は、車室内側方部位に設けられ、車両の緊急時に展開動作可能に構成されるものであり、カーテンエアバッグ30と、インフレータ40と、展開規制部材50と、展開補助部材としての展開補助布60とを備えている。
上記カーテンエアバッグ30は、通常状態では、車両のルーフサイドレールに沿って折畳んで収容されている。この状態で、展開規制部材50及び展開補助布60は、折畳まれたカーテンエアバッグ30周りに配設されている。そして、カーテンエアバッグ30は、車両の側面衝突時等には、インフレータ40からのガス供給により車両のサイドウインドウ18と車両の乗員19の頭部との間に膨張展開する。この際、展開規制部材50及び展開補助布60は、カーテンエアバッグ30の展開動作(展開方向等)をコントロールする。
以下、各部についてより具体的に説明する。
<2.カーテンエアバッグ及びインフレータについて>
図3はカーテンエアバッグ30が展開した状態を示す図であり、図4はカーテンエアバッグ30が折畳まれた状態を示す要部概略図である。
カーテンエアバッグ30は、布等を外周部及び中間の適宜部位で縫い合せることで、扁平な袋状に展開可能に形成されている。ここでは、カーテンエアバッグ30は、展開した状態で、車両の前席の乗員19の頭部及び後席乗員(図示省略)の頭部と車両の前後のサイドウインドウ18との間に面状に展開可能な形状に形成されている。
また、カーテンエアバッグ30の上側縁部には、外方に延出する取付片31が、その外縁に沿って間隔を有して複数箇所に設けられている。ここでは、各取付片31は、カーテンエアバッグ30を形成する布等に一体形成された片である。そして、この各取付片31を介して、カーテンエアバッグ30が車両の各部位に取付けられる。カーテンエアバッグ30は、車体部位に直接取付けられるものであっても、後述する展開規制部材50等を介して間接的に取付けられるものであってもよい。また、カーテンエアバッグ30の上側縁部には展開補助布60が設けられている。この展開補助布60については後述する。
このカーテンエアバッグ30は、通常時には、次のような態様で車両に配設されている。
すなわち、車両のセンターピラーの上方に、車両の前後方向に沿ってルーフサイドレール12が設けられている(図1及び図2参照)。このルーフサイドレール12は、サイドウインドウ18の上側縁部を囲うようにして延在して配設されており、車両の屋根周縁部の基本的骨格を構成している。センターピラー10は、車両内側で、樹脂等で形成されたピラーガーニッシュ11により覆われている。このピラーガーニッシュ11は、所定の係合構造やねじ止構造等によってセンターピラー10に固定されている。また、ルーフサイドレール12は、車両内側で、車両の天井部位、カーテンエアバッグ30及び後述する展開規制部材50と共に、樹脂等で形成されたルーフライニング16によって覆われている。
カーテンエアバッグ30は、例えば丸めるように折畳まれることで、ルーフサイドレール12に応じた長尺形状に形成されている。カーテンエアバッグ30は、上記ルーフサイドレール12に固定される部分を基準として車両外側で丸めるようにしてロール折りされた形態(かかる折畳み形態を外ロール折りということがある)であることが好ましい。
そして、このように長尺状に折畳まれたカーテンエアバッグ30は、車両のピラーガーニッシュ11の上方を跨ぐようにして、ルーフサイドレール12に沿って取付けられている。この状態では、カーテンエアバッグ30は車両内側からルーフライニング16によって覆われている。このため、通常状態では、カーテンエアバッグ30は車室内側から見えないようになっている。また、ルーフライニング16の周縁部は、ピラーガーニッシュ11の上方部分等で、ピラーガーニッシュ11の上端部の車室外側部分やルーフサイドレール12等に係合しており、通常状態では、ルーフライニング16の周縁部が車室内側に捲れないようになっている。
インフレータ40は、車両の衝突時、特に車両の側面衝突時に、図示省略の衝突検知センサ等からの検知信号を受けて、内部の火薬爆発等によりガスを発生させて、このガスを上記カーテンエアバッグ30内に噴出するように構成されている。ここでは、インフレータ40は、略円柱状に形成されており、その一端部を車両の後部でカーテンエアバッグ30内に配設するようにして、カーテンエアバッグ30に取付けられている。そして、このインフレータ40は、カーテンエアバッグ30の後方からカーテンエアバッグ30内にガスを噴出する。なお、インフレータ40の取付箇所は本形態に限られず、カーテンエアバッグ30の長手方向中間部や前方部分に取付けられていてもよい。
そして、カーテンエアバッグ30内にガスが導入されることで、カーテンエアバッグ30が扁平な袋状に膨張展開しようとする。この膨張展開力を受けて、ルーフライニング16の周縁部が車室内側に押出されるように弾性変形して、ルーフライニング16の周縁部とピラーガーニッシュ11の上端部及びルーフサイドレール等との係合が解除される。これにより、ルーフライニング16の周縁部が車室内側に捲れるように変形し、ルーフライニング16の周縁部とピラーガーニッシュ11の上端部及びルーフサイドレール12との間に隙間が形成される。この隙間を通ってカーテンエアバッグ30が車室内側に向けて飛出し、サイドウインドウ18に沿って展開するようになっている。
<3.展開規制部材について>
図5は展開規制部材50を示す斜視図であり、図6はカーテンエアバッグ30展開後における展開規制部材50を示す斜視図である。
この展開規制部材50は、車両のピラーガーニッシュ11の上方で車体部位の一例であるルーフサイドレール12に取付けられる。そして、カーテンエアバッグ30の膨張展開時にその膨張展開力を受けて車室内側に変形してピラーガーニッシュ11の上端部近傍に位置し、これによりカーテンエアバッグ30がピラーガーニッシュ11と車体(ここではセンターピラー10のフレーム)との間に入り込まないように、カーテンエアバッグ30の展開方向を規制するように構成されている。
すなわち、展開規制部材50は、鉄板等の金属板を打抜き及び屈曲加工することにより形成されており、固定部52と保持部54とこれらを連結する中間連結部56とを備えている。固定部52は、ピラーガーニッシュ11の上方で車体部位に取付けられる部分である。保持部54は、上記固定部52に間隔をあけて対向して配設されている。この保持部54と固定部52との間に上記折畳まれたカーテンエアバッグ30が収容される。中間連結部56は、上記固定部52の一端部(車両取付状態で下端部)と保持部54の一端部(車両取付状態で下端部)とを連結する部分である。これらの保持部54及び中間連結部56は、上記固定部52に対して車体内側に位置するように配設され、カーテンエアバッグ30の膨張展開時に変形して、カーテンエアバッグ30の膨張展開動作を規制する。本実施形態では、これらの固定部52、保持部54及び中間連結部56は、一体形成されているが、必ずしもその必要はなく、それらの一部が他の部分に対して別体で形成され、ボルト結合、溶接等された構成であってもよい。
より具体的には、展開規制部材50は、略中央部に開口部51hが形成された略方形状の金属板を側面視(車両取付状態では車両の前後方向で見て)略U字状に屈曲することにより形成されており、略長方形板状の固定部52の一側部から当該固定部52に対して突出する方向(車両取付状態で車室内に向う方向)に向けて中間連結部56が延設されると共に、中間連結部56の延出側側部(車両取付状態で車両内側端部)から上記固定部52と対向する方向(車両取付状態で車両上方向)に保持部54が延設された構成とされている。
上記固定部52の他側部(車両取付状態で車両上方向の側部)には、車体取付片52a,52bが形成されている。また、上記固定部52の長手方向中間部に、ねじ穴52hが形成されている。そして、これらの車体取付片52a,52bをピラーガーニッシュ11上方の車体部位であるルーフサイドレール12に係合固定すると共に、ねじ穴52hに挿通した図示省略のねじを車体部位であるルーフサイドレール12等にねじ締めすることで、展開規制部材50の固定部52が車体の一部であるルーフサイドレール12に固定される。固定部52を車体部位に取付ける構成は、上記例に限られず、ボルト固定による固定構造、係合構造だけによる固定構造等であってもよい。
中間連結部56は、固定部52の長手方向両端部から延設された一対の板状中間連結片56aを有しており、各板状中間連結片56aは固定部52に対して略直角姿勢で延設されている。一対の板状中間連結片56a間には開口部51haが形成されている。
保持部54は、一端側の略中間部に開口部51hbが形成された略方形板状に形成されている。この保持部54は、中間連結部56に対して略直角で屈曲されており、固定部52に対して略水平姿勢とされている。また、保持部54に形成された開口部51hbは、中間連結部56に形成された開口部51haと連続して1つの開口部51hを形成している。本開口部51hbは、その内部にピラーガーニッシュ11の上端部を配設可能な形状に形成されている(図6参照)。
なお、開口部51ha及び開口部51hbのうちの一方だけを形成した構成であってもよい。つまり、展開規制部材50に形成される開口部は、本実施形態のように、中間連結部56から保持部54に至る部分の略中央部に形成される開口部であってもよいし、中間連結部56の略中央部に形成される開口部であってもよい。ここで、開口が略中央部に形成されるとは、当該開口が中間連結部56或は保持部54の端部ではなく、端部で囲まれた部分に形成されることを意味する。
もっとも、開口部51hを形成することは必須ではないし、また、開口部51hは車両前後方向において一方に開口した形状であってもよい。
しかしながら、後述するように、カーテンエアバッグ30の膨張展開時における展開規制部材50の変形に際して、ピラーガーニッシュ11の外れを防止するという点からは、少なくとも保持部54に開口部が形成されていることが好ましい。
また、上記中間連結部56と保持部54との間には、カーテンエアバッグ30の膨張展開力を受けることで、その周辺部よりも変形容易な弱化部分58が形成されている。ここでは、一対の板状中間連結片56aと保持部54との間で屈曲された部分の延在方向中間部に、その屈曲部分の延在方向に沿って延びる細長い線状のスリット孔58aを形成することで弱化部分58としている。
弱化部分としては、上記のようにスリット孔58aを形成する他、直線状に複数の孔を形成する構成、他の部分よりも薄手に形成する構成、物理的或は化学的な作用を施すことで他の部分よりも変形容易にする構成等、周囲の部分よりも変形容易にできる種々の構成を採用することができる。また、中間連結部56と保持部54との間の屈曲部分で、金属疲労等による屈曲容易性を期待できるのであれば、その部分を弱化部分としてもよい。
また、弱化部分の形成位置としては、上記保持部54と中間連結部56との連結部分、中間連結部56と固定部52との連結部分、中間連結部自体の位置等であってもよい。
また、本実施形態では、中間連結部56は所定長で延出する部材として説明したが、中間連結部56は、固定部52と保持部54とを略V字状或は略L字状に連結する屈曲部分として構成されていてもよい。
そして、上記展開規制部材50がルーフサイドレール12に取付固定された状態で、折畳まれたカーテンエアバッグ30は、上記固定部52と保持部54と中間連結部56とで3方を囲まれる空間内に収容支持される(図2参照)。これにより、カーテンエアバッグ30は、ピラーガーニッシュ11の上方で支持される。また、この状態で、展開規制部材50はカーテンエアバッグ30と共に、ルーフサイドレール12とルーフライニング16との間に収容されている。そして、車室内からはルーフライニング16によって覆われて展開規制部材50及びカーテンエアバッグ30を見えないようになっている。
この展開規制部材50は、上記状態からカーテンエアバッグ30が膨張展開すると、その膨張展開力を受けて車室内側に変形する。より具体的には、展開規制部材50は弱化部分58を中心として変形し、開口部51hb内にルーフライニング16の上端車室内側を配設するようにして、保持部54が車室内に向けて変形する。これにより、展開規制部材50は、カーテンエアバッグ30がルーフライニング16の上端部に干渉しないようにすると共に、ルーフライニング16と車体部位との間に入り込まないように、カーテンエアバッグ30の展開方向を規制する。
<4.展開補助布について>
図7〜図11は、展開補助布60の組付手順を示す説明図である。図2〜図4,図7〜図11に示すように、展開補助布60は、所定幅の帯状に形成されており、上記したように、展開形態及び折畳み形態におけるカーテンエアバッグ30の上側縁部から延出するように設けられている。つまり、展開補助布60の一端部は、折畳まれたカーテンエアバッグ30の上部(車両組付状態における上部)に固定されている。
なお、ここでは、展開補助布60は、カーテンエアバッグ30を構成する布に一体形成されているが、必ずしもその必要はない。例えば、展開補助布60の一端部が、カーテンエアバッグ30の上部に対して後から縫合等により固定されてもよい。また、展開補助布60の一端部は、カーテンエアバッグ30に取付けられる必要はなく、カーテンエアバッグ30の上方の部分、例えば、展開規制部材50或は車体部位に固定されてもよい。また、展開補助部材として、布以外に、他の樹脂シート等、柔軟な長尺部材を用いてもよい。
この展開補助布60がカーテンエアバッグ30に対して設けられる位置は、ルーフサイドレール12に沿った方向において少なくとも一部が展開規制部材50と重複する位置である。ここでは、展開補助布60は、展開規制部材50内に配設可能な位置に設けられている。より具体的には、展開補助布60は、展開規制部材50内であって、開口部51ha及び開口部51hbと部分的に重複する位置に設けられている(図11参照)。
もっとも、展開補助布60は、ルーフサイドレール12に沿った方向において、部分的に展開規制部材50からはみ出す位置に設けられていてもよい。
また、展開補助布60の長さ寸法は、折畳まれたカーテンエアバッグ30のうち展開規制部材50により保持される部分の外周長さ寸法以上であり、好ましくは、途中に後述する余剰部61を設けることができる程度に当該外周長さ寸法よりも大きい寸法である。より好ましくは、展開補助布60は、カーテンエアバッグ30の膨張展開力を受けた展開規制部材50の変形が終了する時点まで、カーテンエアバッグ30に巻かれた状態を維持できる程度の長さ寸法に設定されていることが好ましい。これにより、カーテンエアバッグ30が展開規制部材50を押している間、展開補助布60によってカーテンエアバッグ30が車室天井に沿った方向に展開しようとすることを抑制できるからである。この点については、後で詳述する。
この展開補助布60は、次のようにして折畳まれたカーテンエアバッグ30に巻かれる。
すなわち、展開補助布60は、まず、固定された一端部を起点として、折畳まれたカーテンエアバッグ30の車室内向き部分から下部を通って車室外向き部分を包込むように配設される(図2及び図7参照)。
そして、展開補助布60の長手方向の途中を折畳むことにより、余剰部61が設けられる(図8参照)。余剰部61は、例えば、2つ折り、3つ折り、蛇腹折り、或は、ロール状に折畳んだ形態でたるみをもたせてあってもよい。つまり、カーテンエアバッグ30の膨張展開により余剰部61の両端部が引張られてその余剰部61の折畳みがほどけるような形態であればよい。
余剰部61は、好ましくは、折畳まれたカーテンエアバッグ30と中間連結部56との間の位置、即ち、折畳まれたカーテンエアバッグ30の下方位置に配設される。この位置であれば、カーテンエアバッグ30の膨張展開時において、余剰部61が膨張展開途中のカーテンエアバッグ30と中間連結部56の間に挟まれにくく、余剰部61の円滑なほどけが期待できるからである。
また、余剰部61は、後述するようにカーテンエアバッグ30の膨張展開により、余剰部61による弛みが無くなった段階で、展開補助布60が車室内側に向けて開口部51hを越える程度の長さ寸法に設定されていることが好ましい。これにより、カーテンエアバッグ30が開口部51h内に入り込むことを期待できるからである。
これらの点については、後の展開動作においても説明する。
そして、折畳まれたカーテンエアバッグ30の下方部位に余剰部61を設けたまま、展開補助布60の他端部を折畳まれたカーテンエアバッグ30に巻付ける(図9及び図10参照)。巻付けた最終形態では、展開補助布60の他端部はカーテンエアバッグ30の上端部を越し、カーテンエアバッグ30を1周分以上巻付けられた状態となっていることが好ましい。
そして、折畳まれたカーテンエアバッグ30のうち上記展開補助布60を巻付けた部分を、展開規制部材50の内部、つまり、固定部52と保持部54と中間連結部56とで3方を囲まれる空間内に収容する(図2及び図11参照)。また、ここでは、展開規制部材50内に折畳まれたカーテンエアバッグ30を収容した状態で、それらの外周に仮止バンド68を巻付ける。この仮止バンド68は、本カーテンエアバッグ装置20の製造組付時及び通常状態において、展開規制部材50とカーテンエアバッグ30とを一体化状態に保つ部材であり、カーテンエアバッグ30の膨張展開動作時には、容易に破断可能な程度に弱いテープ状の部材或は紐状の部材である。
上記により、展開補助布60が、ルーフサイドレール12に沿った方向において展開規制部材50と重複する位置で、一端部が折畳まれたカーテンエアバッグ30の上部に固定されると共に、折畳まれたカーテンエアバッグ30の車室内向き部分から下部を通って車室外向き部分を包込むように折畳まれたカーテンエアバッグ30に巻かれた構成を持つ、カーテンエアバッグ装置20を製造することができる。
そして、展開規制部材50をピラーガーニッシュ11の上方でルーフサイドレール12に取付けると共に、折畳まれたカーテンエアバッグ30を、取付片31を介してルーフサイドレール12等の車両の各部位に取付ける。これにより、カーテンエアバッグ装置20が車体に組付けられる。
<5.動作説明>
以上のように構成されたカーテンエアバッグ装置20の展開動作について図2、図12〜図19を参照して説明する。
膨張展開前の初期状態では、図2に示すように、ピラーガーニッシュ11の上方で車体部位であるルーフサイドレール12に展開規制部材50が取付固定されている。この状態で、折畳まれたカーテンエアバッグ30が固定部52と保持部54と中間連結部56とで囲まれる空間内に収容支持される。つまり、ルーフサイドレール12に固定部52が取付けられ、その車室内側にカーテンエアバッグ30が配設され、そのさらに車室内側に保持部54が配設されている。また、展開補助布60は、展開規制部材50と重複する領域で、折畳まれたカーテンエアバッグ30を囲むようにして巻かれている。また、折畳まれたカーテンエアバッグ30は、固定部52と保持部54との間に配設されて中間連結部56から空間を隔てて浮いた状態となっており、展開補助布60の余剰部61は、折畳まれたカーテンエアバッグ30と中間連結部56との間の空間に配設されている。
この状態で、図12に示すように、インフレータ40からのガス導入により、カーテンエアバッグ30が膨張展開を開始しようとすると、カーテンエアバッグ30は固定部52と保持部54とで囲まれる空間内で膨張展開する。
これにより、図13に示すように、カーテンエアバッグ30の膨張展開力が保持部54に作用し、主として弱化部分58で曲るようにして保持部54が車室内側に向けて変形を開始する。
このように、カーテンエアバッグ30が固定部52と保持部54とで挟まれた空間内で膨張展開している段階では、カーテンエアバッグ30の膨張展開力は、主として固定部52の内面及び保持部54の内面に作用する。このため、展開補助布60は、固定部52の内面とカーテンエアバッグ30との間、及び、保持部54とカーテンエアバッグ30との間に挟まれた状態となる。従って、この段階では、カーテンエアバッグ30は、主として、余剰部61をほどくようにして小さくすることで展開補助布60の径を大きくしつつ膨張展開することになる。
カーテンエアバッグ30がさらに膨張展開すると、図14に示すように、保持部54が弱化部分58でさらに曲るようにしてさらに車室内側に変形する。この際、カーテンエアバッグ30は、主として、余剰部61をほどくことによって生じた展開補助布60の弛みの範囲内で膨張展開する。
その後、図15に示すように、余剰部61をほどくことによって生じた展開補助布60の弛みを解消する程度にカーテンエアバッグ30が膨張展開した状態となる。
上記のように、カーテンエアバッグ30が膨張展開しようとする比較的初期段階では、カーテンエアバッグ30は展開規制部材50の保持部54によりピラーガーニッシュ11と干渉しない方向へ展開方向が規制される。この際、展開補助布60は、カーテンエアバッグ30が車室天井に沿って展開しようとするのを抑制する。
すなわち、カーテンエアバッグ30が保持部54により下方への展開を規制され、結果、車室天井に沿って膨張展開しようとする。特に、外ロール折りされたカーテンエアバッグ30は、車室側面に沿って膨張展開しようとする力が強く、従って、展開規制部材50はそのような方向への膨張展開を大きく規制する。この反動により、カーテンエアバッグ30は、車内天井に沿って膨張展開しようとする力が大きくなる。この際、折畳まれたカーテンエアバッグ30には、展開補助布60が巻かれており、また、膨張展開の比較的初期段階では、カーテンエアバッグ30の急激な膨張展開力によって、展開補助布60が固定部52の内面とカーテンエアバッグ30との間に挟込まれて保持され、展開補助布60の引出しが抑制された状態となっている。このため、その保持部分と展開補助布60の一端部との間で展開補助布60の長さ寸法はある程度規制された状態となっている。従って、カーテンエアバッグ30が天井に沿って膨張展開しようとする力は、当該巻かれた展開補助布60によって一旦受止められることになる。これにより、カーテンエアバッグ30がその天井に沿った方向へ膨張展開しようとする勢いが弱められる。また、展開補助布60は、一端部が固定され、他端部が上記した態様にて折畳まれたカーテンエアバッグ30に巻かれているため、カーテンエアバッグ30が膨張展開しようとする力を受止める展開補助布60の受止め部位を境にして、その車室側から上方に向って固定された一端部に連続する部分と、その車室外側から折畳まれたカーテンエアバッグ30を包込む部分とに分けて把握することができる。そして、カーテンエアバッグ30の膨張展開力が展開補助布60の上記受止め部位に作用すると、展開補助布60のうちの前者の部分は伸張して突っ張るため、膨張展開力に対する抵抗として作用し、展開補助布60のうち後者の部分は車室内側に展開されていくため、膨張展開力に対する抵抗作用は小さい。このため、カーテンエアバッグ30が膨張展開しようとする力は、抵抗が大きい車室内側ではなく、抵抗が小さい下方に向けられていく。このため、膨張しようとするカーテンエアバッグ30は、車室天井に沿った方向よりもむしろ下方に膨張展開しようとする。
また、カーテンエアバッグ30の膨張展開により、余剰部61による弛みが無くなったとき、上記した余剰部61の設定により、展開補助布60が車室内側に向けて開口部51hを越えて(ここでは距離H分越えて)いる(図15参照)。つまり、カーテンエアバッグ30が車室内側に向けて開口部51hを越えた時点で、開口部51hは、少なくとも部分的にその内側から展開補助布60によって覆われた状態となっている。しかも、展開補助布60は、開口部51hを覆う部分でカーテンエアバッグ30の膨張展開力によって開口部51hの車室内側と外側との間で引張られた状態となっている。このため、カーテンエアバッグ30が開口部51h内に入り込むことが抑制される。
なお、カーテンエアバッグ30は、次の点からもピラーガーニッシュ11との干渉が抑制されている。すなわち、カーテンエアバッグ30は、ピラーガーニッシュ11の上方で展開規制部材50により膨張展開が規制されている。このため、カーテンエアバッグ30のうち展開規制部材50による展開規制を受けない部分では、展開規制部材50による展開規制を受ける部分よりも早く膨張展開する。従って、カーテンエアバッグ30のうち展開規制部材50による展開規制を受けない部分がピラーガーニッシュ11と干渉せずにある程度車室側面に沿って膨張展開した後、その展開規制を受けない部分が、展開規制部材50による展開規制を受ける部分をピラーガーニッシュ11との干渉を受けないように案内しつつ車室側面に沿って展開させる。この点からもカーテンエアバッグ30がピラーガーニッシュ11に干渉し難い。
さらに、カーテンエアバッグ30が大きく膨張展開するのに伴って、保持部54は徐々に弱化部分58で曲るようにさらに大きく変形する。そして、展開規制部材50は、最終的には、図16に示すように、保持部54のうち開口部51hbよりも先端側の部分がピラーガーニッシュ11の上端車室内側部分を越えると共に開口部51h内にピラーガーニッシュ11の上端車室内側部分を配設するように変形する。これにより、保持部54のうち開口部51hbよりも先端側の部分がピラーガーニッシュ11の車室側面に当接し、ピラーガーニッシュ11を車室外方に向けて、即ち、外れないように保持する。なお、この後、保持部54がピラーガーニッシュ11の車室側面に密着するように変形してもよい。
この際、展開補助布60は、既に余剰部61による弛みは解消された状態となっている。また、保持部54が車室内側に向けて変形しているため、保持部54とカーテンエアバッグ30との間で展開補助布60の挟込みは解除され、また、固定部52の内面とカーテンエアバッグ30との間での展開補助布60の挟込み力も小さくなっている。従って、カーテンエアバッグ30は、展開補助布60の他端側部分を固定部52の内面とカーテンエアバッグ30との間を通って車室内側に向けて引出すようにしつつ、膨張展開する。この際、展開補助布60は、カーテンエアバッグ30に対して車室外側から下方を通って引出されるため、カーテンエアバッグ30はそのように展開補助布60が引出される部分、つまり、下方に向けて容易に膨張展開できる。
この後、図17に示すように、カーテンエアバッグ30は、展開補助布60の他端側部分を固定部52の内面とカーテンエアバッグ30との間から引出す程度まで膨張展開する。そして、図18に示すように、展開補助布60を膨張展開途中のカーテンエアバッグ30の上方に配設した状態で、カーテンエアバッグ30が車室側面に沿ってさらに膨張する。この際、カーテンエアバッグ30のうち展開規制部材50によって規制される下側部分は展開規制部材50によって規制されていない上方部分よりも遅れて展開するため、カーテンエアバッグ30の上方部分(車室内側部分)はカーテンエアバッグの下方部分(車外側部分)に覆い被さるように膨張し、結果的に車室側面に沿って膨張展開し易い。
カーテンエアバッグ30は、最終的には、図19に示すように、ピラーガーニッシュ11の車室内側及びルーフサイドレール12に沿って扁平な袋状に展開し、乗員頭部と車室内側面との間に介在する。
以上のように構成されたカーテンエアバッグ装置20によると、膨張展開初期において、展開規制部材50の規制によってカーテンエアバッグ30が車室天井に沿って膨張展開しようとすると、カーテンエアバッグ30が天井に沿って膨張展開しようとする力は、カーテンエアバッグ30に巻かれた展開補助布60によって一旦受止められる。このため、膨張展開初期において車室天井に沿ったカーテンエアバッグ30の展開が抑制される。また、展開補助布60のうちカーテンエアバッグ30が膨張展開しようとする力を受止める展開補助布60の受止め部位を境にして、その車室側から上方に向って固定された一端部に連続する部分は、膨張展開力に対して比較的大きい抵抗として作用し、他端部に連続する部分は膨張展開力に対して小さい抵抗として作用する。このため、カーテンエアバッグ30が膨張展開しようとする力は、抵抗が大きい車室内側ではなく、抵抗が小さい下方に向けられていくことになり、膨張しようとするカーテンエアバッグ30は、車室天井に沿った方向よりもむしろ下方に膨張展開しようとする。
また、展開補助布60は、カーテンエアバッグ30に固定された端部から折畳まれたカーテンエアバッグ30の下方から車室外方部分を包むようにカーテンエアバッグ30に巻かれているため、カーテンエアバッグ30の膨張展開に伴い、折畳まれたカーテンエアバッグ30の車室外向き部分から下方を通って展開補助布60が引出される。このため、膨張展開しようとするカーテンエアバッグ30は、車室天井に沿った方向よりも、展開補助布60が引出される下方で容易に膨張展開できることになる。従って、この点からも車室天井に沿ったカーテンエアバッグ30の膨張展開が抑制される。
また、上記展開補助布60は、展開規制部材50の開口部51hbを少なくとも部分的に覆っているため、カーテンエアバッグ30が開口部51h内に入り込むことも抑制できる。
また、展開補助布60は、折畳まれたカーテンエアバッグ30の外周長さよりも大きな長さ寸法に設定され、途中に余剰部61を設けるようにして、折畳まれたカーテンエアバッグ30に巻かれているため、カーテンエアバッグ30がある程度膨張してから車室天井に沿ったカーテンエアバッグ30の展開を抑制でき、カーテンエアバッグ30が展開しようとする極初期時期では、迅速な動作を期待できる。
また、展開補助布60は、カーテンエアバッグ30の膨張展開力を受けた展開規制部材50の変形が終了する時点まで、カーテンエアバッグ30に巻かれた状態を維持できる程度の長さ寸法に設定されているため、カーテンエアバッグ30が展開規制部材50を押している間、つまり、展開規制部材50の展開方向規制によってカーテンエアバッグ30が車室天井に沿った方向に展開し易い期間において、展開補助布60によってカーテンエアバッグ30が車室天井に沿った方向に膨張展開しようとするのを抑制できる。
また、余剰部61が折畳まれたカーテンエアバッグ30と中間連結部56との間に設けられており、カーテンエアバッグ30を挟んで中間連結部56の反対側はある程度開放された空間が拡がっているため、カーテンエアバッグ30が膨張展開しようとする力は、直接的には余剰部61には作用し難い。このため、カーテンエアバッグ30の膨張展開によって、余剰部61を無くするように展開補助布60を円滑に引張って拡げることができ、カーテンエアバッグ30を円滑に膨張展開させることができる。
また、カーテンエアバッグ30の膨張展開により、余剰部61による展開補助布60の弛みが無くなったときに、展開補助布60が車室内側に向けて開口部51hを越える程度に、余剰部61の長さ寸法が設定されているため、カーテンエアバッグ30がある程度膨張した時点で、展開補助布60が少なくとも開口部51hの一部を覆うようにして引張られた状態に配設される。このため、カーテンエアバッグ30が開口部51h内に入り込むことを抑制できる。また、カーテンエアバッグ30とピラーガーニッシュ11との接触も抑制され、カーテンエアバッグ30の破損を抑制することができる。
また、カーテンエアバッグ30は外ロール折りされているため、車室側壁に沿って展開しようとする傾向が強い。このため、展開補助布60の他端側部分を、展開規制部材50の固定部52とカーテンエアバッグ30との間で比較的強い力で挟むことができる。このため、膨張展開初期段階においてカーテンエアバッグ30が天井に沿って膨張展開しようとする力をより強い力で受止めることができる。
<6.変形例>
なお、折畳まれたカーテンエアバッグ30に展開補助布60を巻付ける際、下記のようにしてもよい。
すなわち、展開補助布60の先端部を折畳まれたカーテンエアバッグ30の上端部(展開補助布60の基端部が固定された部分近傍)に仮固定しておく。この仮固定は、カーテンエアバッグ30の膨張展開により容易に分離できる程度の固定力としておく。そして、折畳まれたカーテンエアバッグ30周りに配設された展開補助布60のうち、余長となる部分を折畳んで余剰部61を形成する。この場合、折畳まれたカーテンエアバッグ30に展開補助布60を巻いた状態で余る長さ部分で余剰部61を形成すればよいため、余剰部61を容易に安定した形態で形成することができる。
11 ピラーガーニッシュ
12 ルーフサイドレール
20 カーテンエアバッグ装置
30 カーテンエアバッグ
31 取付片
40 インフレータ
50 展開規制部材
51h 開口部
52 固定部
54 保持部
56 中間連結部
60 展開補助布
61 余剰部

Claims (6)

  1. 車室内側方部位に設けられ、緊急時に展開するカーテンエアバッグ装置であって、
    ガスを発生可能なインフレータと、
    車両のルーフサイドレールに沿って折畳まれた状態で取付けられると共に、前記インフレータより発生されたガスにより膨張展開可能なカーテンエアバッグと、
    車両のピラーガーニッシュ上方で車体部位に取付けられ、前記カーテンエアバッグの膨張展開時にその膨張展開力を受けて変形しつつ前記カーテンエアバッグの展開方向を車室内側に規制する展開規制部材と、
    前記ルーフサイドレールに沿って少なくとも一部が前記展開規制部材と重複する位置に設けられ、その一端部が、折畳まれた前記カーテンエアバッグの上部又はその上方の部分に固定されると共に、折畳まれた前記カーテンエアバッグの車室内向き部分から下部を通って車室外向き部分を包込むように折畳まれた前記カーテンエアバッグに巻かれた展開補助部材と、
    を備え、
    前記カーテンエアバッグの膨張展開時に、膨張展開する前記カーテンエアバッグに伴って、前記展開補助部材の他端部は車室内側に展開することを特徴とするカーテンエアバッグ装置。
  2. 請求項1記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記展開補助部材は、
    折畳まれた前記カーテンエアバッグの外周長さよりも大きな長さ寸法に設定され、途中に余剰部を設けるようにして、折畳まれた前記カーテンエアバッグに巻かれている、カーテンエアバッグ装置。
  3. 請求項2記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記展開補助部材は、前記カーテンエアバッグの膨張展開力を受けた前記展開規制部材の変形が終了する時点まで、前記カーテンエアバッグに巻かれた状態を維持できる程度の長さ寸法に設定されている、カーテンエアバッグ装置。
  4. 請求項2又は請求項3記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記展開規制部材は、ピラーガーニッシュの上方で車体に取付可能な固定部と、前記固定部に対向する保持部と、前記固定部の一端部と前記保持部の一端部とを連結する中間連結部とを有し、
    前記余剰部が、折畳まれた前記カーテンエアバッグと前記中間連結部との間に設けられている、カーテンエアバッグ装置。
  5. 請求項4記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記展開規制部材には、前記中間連結部又は前記中間連結部から前記保持部に至る部分の略中央部分に開口部が形成されており、
    前記余剰部の長さ寸法は、前記カーテンエアバッグの膨張展開により前記余剰部による弛みが無くなったときに、前記展開補助部材が車室内側に向けて前記開口を越える程度の大きさに設定されている、カーテンエアバッグ装置。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカーテンエアバッグ装置であって、
    前記カーテンエアバッグは、車両のルーフサイドレール側に固定された部分から車両外側に向けて外ロール折りされている、カーテンエアバッグ装置。
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