JP2010208202A - 発泡体の製造方法及び製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】微細気泡を有し、高強度な発泡体を成形する方法及びそれに用いられる発泡体の製造装置を提供する。
【解決手段】発泡体の製造方法は、キャビティに溶融樹脂を充填する充填工程と、溶融樹脂が充填されたキャビティに気体を注入する気体注入工程と、キャビティの気体をキャビティ外に排出することにより、気体が注入されたキャビティを減圧する減圧工程と、減圧工程が終了した後に、溶融樹脂を発泡させる発泡工程とを備えている。
【選択図】図2
【解決手段】発泡体の製造方法は、キャビティに溶融樹脂を充填する充填工程と、溶融樹脂が充填されたキャビティに気体を注入する気体注入工程と、キャビティの気体をキャビティ外に排出することにより、気体が注入されたキャビティを減圧する減圧工程と、減圧工程が終了した後に、溶融樹脂を発泡させる発泡工程とを備えている。
【選択図】図2
Description
本発明は、発泡体の製造方法及び製造装置に関し、特に、微細な発泡セルを有する発泡体を成形するための発泡体の製造方法及び製造装置に関する。
近年、樹脂製の発泡体を射出成形により成形する方法として、ショートショット法や、コアバック法などの種々の射出成形方法が提案されている。ここで、ショートショット法とは、キャビティの容積よりも小さい体積の溶融樹脂をキャビティに充填した後に、溶融樹脂中に溶解または介在しているガスを膨張させることによって溶融樹脂をキャビティの容積と実質的に等しい体積にまで膨張させることにより溶融樹脂を発泡させる方法である。また、コアバック法とは、溶融樹脂をキャビティに充填した後に、固定型から離れる方向に可動型を移動させてキャビティの容積を拡大することにより溶融樹脂を発泡させる方法である。
ところで、近年、例えば特許文献1などにおいて、発泡体の強度を高めるために発泡体に含まれる気泡の大きさ(セル径)を小さくする技術が種々提案されている。具体的には、特許文献1には、微細発泡セルを有する発泡体の成形方法として、以下のような成形方法が記載されている。まず、キャビティに溶融非結晶性樹脂を射出することにより充填する。そして、充填された樹脂が見かけガラス転移温度にまで冷却される途中に、可動型を固定型から離れる方向に移動させることにより未発泡樹脂と成形型との間に隙間を形成する。次いで、この隙間に超臨界流体状態の不活性ガスを注入し、不活性ガスを樹脂に含浸させる。その後、不活性ガスをキャビティから排気すると共に、可動型を固定型から離れる方向に移動させる(コアバックさせる)ことによりキャビティの容積を増大させ、溶融樹脂を発泡させる。特許文献1には、この不活性ガスをキャビティから排気すると共に、可動型を固定型から離れる方向に移動させる工程において気泡核が生成することが記載されている。
上記のような特許文献1に記載の射出成形方法によれば、キャビティの樹脂圧力及び樹脂温度を発泡に最適な圧力及び温度に制御できるため、超微細な発泡セルが均一に分散されている超微発泡成形体を安定して製造することができる、と特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の方法により微細な気泡を有する発泡体を成形しようとすると、多数の気泡核を生成させるためにコアバックを高速に行わなければならないが、通常、可動型は重量物であるため、可動型を高速に移動させることは困難である。従って、特許文献1に記載の方法では、十分に微細な気泡を有する発泡体を得ることが困難であるという問題がある。
また、微細気泡を有する発泡体を成形する方法としては、例えば、第1のコアバック工程で、高速に小さくコアバックさせて気泡核を生成させた後に、第2のコアバック工程で大きくコアバックさせることにより微細気泡を有する発泡体を成形する方法も考えられる。しかしながら、この方法においても、第1のコアバック工程において、重量物である可動型を高速に移動させる必要がある。従って、特許文献1に記載の方法と同様に、この方法においても、十分に微細気泡を有する発泡体を得ることが困難であるという問題がある。
また、気体が溶解している溶融樹脂に超音波振動を印加することにより、気泡核を多数発生させた後にコアバックさせることにより微細気泡を有する発泡体を成形する方法も考えられる。この方法では、気泡核を生成させるために重量物である可動型を高速に移動させる必要はない。しかしながら、可動型と固定型とが大きな力で締め付けられている状態において、気泡核の発生を助長させる程度の大きさの超音波振動を重量物である成形型に印加することは困難である。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、微細気泡を有し、高強度な発泡体を成形する方法及びそれに用いられる発泡体の製造装置を提供することにある。
本発明に係る発泡体の製造方法は、充填工程と、気体注入工程と、減圧工程と、発泡工程とを備えている。充填工程は、キャビティに溶融樹脂を充填する工程である。気体注入工程は、溶融樹脂が充填されたキャビティに気体を注入する工程である。減圧工程は、キャビティの気体をキャビティ外に排出することにより、気体が注入されたキャビティを減圧する工程である。発泡工程は、減圧工程が終了した後に、溶融樹脂を発泡させる工程である。
本発明に係る発泡体の製造方法のある特定の局面では、発泡工程は、減圧されたキャビティの容積を拡大することにより溶融樹脂を発泡させる工程である。
本発明に係る発泡体の製造方法の他の特定の局面では、気体注入工程は、溶融樹脂中に気体を注入する工程である。溶融樹脂中に気体を注入することにより、気泡核がより生成しやすくなる。従って、微細な気泡をより多く形成することができる。
本発明に係る発泡体の製造方法の別の特定の局面では、減圧工程における減圧速度は、5MPa/秒〜100MPa/秒の範囲内である。減圧工程における減圧速度を5MPa/秒以上とすることにより、より多くの気泡核を生成させることができる。従って、より多くの気泡を有する発泡体の成形が可能となる。より多くの気泡核を生成させる観点から、減圧工程における減圧速度は、高い方が好ましい。しかしながら、減圧工程における減圧速度が100MPa/秒を超えると、気体が断熱膨張する影響で、装置のキャビティ周辺部の温度が極端に低下するため、装置に霜などが付着し、安定して減圧速度が位置できなくなる傾向にある。
本発明に係る発泡体の製造方法のさらに他の特定の局面では、溶融樹脂の発泡を、キャビティの減圧を開始してから0.1秒後〜5秒後の間に開始する。溶融樹脂の発泡の開始を、キャビティの減圧の開始から0.1秒以上遅らせることにより、十分な数量の気泡核を発生させることができる。従って、微細な発泡を多数形成することができる。なお、溶融樹脂の発泡の開始を、キャビティの減圧の開始から5秒より長く遅らせた場合は、発泡時の溶融樹脂の温度が低くなりすぎ、非発泡のスキン層が厚くなりすぎるおそれがある。
本発明に係る発泡体の製造方法のさらに他の特定の局面では、減圧工程は、キャビティを減圧することにより溶融樹脂中に気泡核を生成させる工程であり、発泡工程は、減圧工程において生成した気泡核を成長させて気泡を形成する工程である。
本発明に係る発泡体の製造装置は、上記本発明に係る発泡体の製造方法の実施に用いられる装置である。本発明に係る発泡体の製造装置は、成形型と、射出機構と、気体注入機構と、減圧機構と、移動機構とを備えている。成形型は、第1の成形型と、第2の成形型とを有する。第2の成形型は、第1の成形型と共にキャビティを区画形成している。成形型では、第1及び第2の成形型のうちの少なくとも一方が、キャビティの体積が変化する方向に相対的に変位可能である。射出機構は、キャビティに溶融樹脂を射出する。気体注入機構は、キャビティに気体を注入する。減圧機構は、キャビティを減圧する。移動機構は、第1及び第2の成形型を相対的に移動させる。
本発明に係る発泡体の製造装置のある特定の局面では、成形型には、キャビティの内部にまで至る気体注入経路が形成されており、気体注入経路は、気体注入機構に接続されている。この構成によれば、気体を溶融樹脂中に注入することができる。従って、気泡核がより生成しやすくなる。その結果、微細な気泡がより多く形成された発泡体を製造することができる。
本発明に係る発泡体の製造装置の他の特定の局面では、射出機構、気体注入機構、減圧機構、及び移動機構を制御する制御部をさらに備え、制御部は、射出機構に、溶融樹脂をキャビティに充填させた後に、気体注入機構にキャビティに気体を注入させ、次に、減圧機構にキャビティを減圧させ、その後、移動機構に第1及び第2の成形型を相対的に移動させてキャビティを拡大することにより溶融樹脂を発泡させる。
本発明に係る発泡体の製造装置の別の特定の局面では、減圧機構は、キャビティに接続されているチャンバと、チャンバに接続されており、チャンバを減圧するポンプと、チャンバとキャビティとの間を断続する開閉弁とを有する。この構成では、開閉弁を開けて、ポンプにより減圧されたチャンバをキャビティに接続することによりキャビティを容易に迅速に減圧することができる。このため、より微細な多数の気泡核を形成することができる。その結果、より微細な多数の気泡を有する発泡体を成形することが可能となる。
本発明では、発泡工程の前に開始される減圧工程において、キャビティの気体をキャビティ外に排出することによりキャビティを減圧するため、キャビティの迅速な減圧を容易に行うことができる。このため、減圧工程において、多数の微細な気泡核を生成させることができる。その結果、発泡工程において、多数の微細な気泡を形成することができる。従って、多数の微細な気泡を有し、高強度の発泡体を製造することができる。
以下、本発明を実施した好ましい形態の一例として、図1に示す発泡体製造装置1を例に挙げて説明する。
図1に示すように、発泡体製造装置1は、成形型10を備えている。成形型10は、対をなす第1及び第2の成形型11,12を有する。第1及び第2の成形型11,12は、第1の方向xに付き合わされており、第1及び第2の成形型11,12の間には、キャビティ13が形成されている。具体的には、第1の成形型11の第2の成形型12側の表面には、凹部11aが形成されている。一方、第2の成形型12の第1の成形型11側の表面には、凸部12aが形成されている。この凸部12aが凹部11aに嵌合することにより、第1及び第2の成形型11,12の間にキャビティ13が形成されている。なお、キャビティ13の形状及び寸法は、成形しようとする発泡体の形状及び寸法に基づいて適宜設定することができる。
第2の成形型12には、キャビティ13に接続されているゲート12bが形成されている。このゲート12bには、射出機構15が接続されている。射出機構15は、ホッパー16から供給された樹脂を加熱することにより溶融する。射出機構15は、溶融樹脂をゲート12bを介してキャビティ13に射出する。なお、図1では、ゲート12bをひとつのみ図示しているが、ゲートは複数設けられていてもよい。ゲートの数量及び位置は、キャビティ13の形状寸法に応じて適宜設定することができる。
本実施形態では、第1及び第2の成形型11,12のうちの少なくとも一方は、他方の成形型に対して、キャビティ13の体積が変化する方向xに相対的に変位可能である。具体的には、本実施形態では、第1の成形型11が可動型とされており、第2の成形型12が固定型とされている。第1の成形型11は、第2の成形型12に対して方向xに変位可能である。
移動型としての第1の成形型11は、移動機構14に接続されている。この移動機構14は、第1及び第2の成形型11,12を相対的に移動させる機構である。具体的には、移動機構14は、第1の成形型11を方向xに移動させる。なお、移動機構14は、例えば、油圧シリンダ、電動モータなどにより構成することができる。
第1の成形型11には、キャビティ13に接続されている気体注入経路11bが形成されている。具体的には、本実施形態では、気体注入経路11bは、キャビティ13の内部に位置する管17を有し、キャビティ13の内部にまで至っている。但し、本発明において、気体注入経路がキャビティの内部にまで至っている必要は必ずしもない。また、本実施形態では、気体注入経路11b及び後述する減圧経路11cが第1の成形型11に形成されている例について説明するが、気体注入経路11b及び減圧経路11cのうちの少なくとも一方を第2の成形型12に形成してもよい。
気体注入経路11bには、気体注入機構20が接続されている。気体注入機構20は、キャビティ13に気体を注入する機構である。詳細には、気体注入機構20は、チャンバ22と、加圧ポンプ21と、開閉弁23とを備えている。加圧ポンプ21は、チャンバ22内に気体を供給することによりチャンバ22を加圧する。開閉弁23は、チャンバ22とキャビティ13との間に設けられている。開閉弁23は、チャンバ22とキャビティ13との間を断続する。気体注入機構20では、開閉弁23が閉鎖された状態で、加圧ポンプ21によりチャンバ22内が加圧された状態となっている。そして、開閉弁23が開かれることにより、加圧されたチャンバ22とキャビティ13とが接続される。その結果、キャビティ13に気体が注入される。
なお、チャンバ22の形状及び寸法は、キャビティ13の形状寸法及び加圧ポンプ21の性能などに応じて適宜設定することができる。チャンバ22の容積は、通常、キャビティ13の容積よりも大きいことが好ましく、キャビティ13の容積の3倍以上10倍以下であることがより好ましい。チャンバ22の容積がキャビティ13の容積に対して小さすぎると、キャビティ13に気体を注入することが困難となる傾向にある。一方、チャンバ22の容積がキャビティ13の容積に対して大きすぎると、発泡体製造装置1が大型化する傾向にある。
また、キャビティ13には、第1の成形型11に形成されている減圧経路11cを介して、減圧機構30が接続されている。減圧機構30は、キャビティ13の気体を排出することによりキャビティ13を減圧する機構である。詳細には、減圧機構30は、チャンバ32と、減圧ポンプ31と、開閉弁33とを備えている。減圧ポンプ31は、チャンバ32内の気体をチャンバ32から排出することによりチャンバ32内を減圧する。開閉弁33は、チャンバ32とキャビティ13との間に設けられている。開閉弁33は、チャンバ32とキャビティ13との間を断続する。減圧機構30では、開閉弁33が閉鎖された状態で、減圧ポンプ31によりチャンバ32内が減圧された状態となっている。そして、開閉弁33が開かれることにより、減圧されたチャンバ32とキャビティ13とが接続され、キャビティ13が減圧される。
なお、チャンバ32の形状及び寸法は、キャビティ13の形状寸法及び減圧ポンプ31の性能などに応じて適宜設定することができる。チャンバ32の容積は、通常、キャビティ13の容積よりも大きいことが好ましく、キャビティ13の容積の3倍以上10倍以下であることがより好ましい。チャンバ32の容積がキャビティ13の容積に対して小さすぎると、キャビティ13を十分に迅速に減圧することが困難となる傾向にある。一方、チャンバ32の容積がキャビティ13の容積に対して大きすぎると、発泡体製造装置1が大型化する傾向にある。
また、本実施形態の発泡体製造装置1には、制御部19が設けられている。この制御部19によって、上述の射出機構15と、気体注入機構20と、減圧機構30と、移動機構14とが制御される。
次に、本実施形態の発泡体製造装置1を用いた発泡体の製造方法について、図2に示すフローチャートを参照しながら詳細に説明する。
図2及び図3に示すように、まず、ステップS1において、充填工程が行われる。この充填工程では、図1に示す制御部19は、射出機構15に溶融樹脂40をキャビティ13に充填させる。ここで、キャビティ13に充填される溶融樹脂40の体積は、キャビティ13の容積の85%〜99%であることが好ましく、94%〜98%であることがより好ましい。溶融樹脂40の体積がキャビティ13の容積に対して小さすぎると、充填された溶融樹脂40が後述の発泡工程が行われるまでに発泡してしまうおそれがある。
なお、溶融樹脂40の種類は、熱可塑性樹脂である限りにおいて特に限定されず、製造しようとする発泡体に応じて適宜選択することができる。溶融樹脂40は、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエチレン系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、飽和ポリエステル系樹脂、ポリメタクリル酸エステル系樹脂またはそれらの2種以上を混合した樹脂であってもよい。なかでも、軽量性、発泡性、リサイクル性などの観点から、ポリプロピレン系樹脂及びポリエチレン系樹脂が溶融樹脂40として好ましく用いられる。
また、溶融樹脂40は、1種または複数種類の発泡剤を含んでいてもよい。発泡剤としては、例えば、既知の化学発泡剤や物理発泡剤を使用することができる。化学発泡剤は、熱により分解して炭酸ガスなどの気体を発生するものである。化学発泡剤の具体例としては、重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウムなどの無機系化学発泡剤やアゾジカルボンアミドなどの有機系化学発泡剤が挙げられる。
物理発泡剤は、例えば、溶融樹脂40中にガス状または超臨界流体として注入され、溶融樹脂40内に分散または溶解しているガスにより構成される。物理発泡剤を含む溶融樹脂40は、キャビティ13に射出された後に、溶融樹脂40に付与される圧力が小さくなることにより、発泡する。物理発泡剤の具体例としては、ブタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロブタンなどの脂環式炭化水素類、窒素、炭酸ガス、空気などの無機ガスが挙げられる。
また、溶融樹脂40には、製造する発泡体に種々の機能を付与するために、既知の添加物が添加されていてもよい。
図2に示すように、ステップS1に続いて、ステップS2において気体注入工程が行われる。気体注入工程では、図4に示すように、制御部19は、気体注入機構20に気体44をキャビティ13に注入させる。ここで、本実施形態では、上述のように、気体注入経路11bがキャビティ13の内部にまで至っている。このため、気体44は溶融樹脂40中に注入される。気体44を溶融樹脂40中に注入することにより、後述の減圧工程において、気泡核41が生成しやすくなる。従って、より多くの気泡42を有する発泡体43の成形が可能となる。もっとも、気体44を、溶融樹脂40とキャビティ13の内壁面との間に注入してもよい。
気体注入工程における気体44の注入量及び注入圧力は、得ようとする発泡体43の発泡率や溶融樹脂40の温度及び粘性などに応じて適宜設定することができる。気体注入工程における気体44の注入量は、一般的には、キャビティ13の容積の0.01倍以上0.1倍以下とすることができる。また、気体注入工程における気体44の注入圧力は、一般的には、0.5MPa〜5MPaとすることができる。気体注入工程において注入される気体44の温度は、例えば、150℃〜200℃とすることができる。
図2に示すように、ステップS2の気体注入工程に続いて、ステップS3において、減圧工程が行われる。この減圧工程では、図1に示す制御部19は、減圧機構30にキャビティ13を減圧させる。具体的には、減圧工程では、制御部19は、開閉弁33を開けることにより、減圧ポンプ31によって減圧されているチャンバ32をキャビティ13に接続する。これにより、キャビティ13の気体がキャビティ13外に排出される。その結果、キャビティ13が減圧される。この減圧工程において、図5に示すように、溶融樹脂40中に多数の気泡核41が生成する。なお、図5及び後述の図6では、説明の便宜上、溶融樹脂40のハッチングは省略している。
生成する気泡核41の数量は、減圧工程におけるキャビティ13の減圧速度に依存する。具体的には、キャビティ13の減圧速度が高いほど、多数の気泡核41が生成する。なお、キャビティ13の減圧速度をより高める観点から、チャンバ32の容積は、キャビティ13の容積の3倍以上であることが好ましく、5倍以上であることがより好ましい。
次に、図2に示すように、ステップS4において、溶融樹脂40を発泡させる発泡工程が行われる。この発泡工程により内部に多数の気泡42(図6を参照)が形成された発泡体43が得られる。
発泡工程は、詳細には、ステップS3の減圧工程において生じた気泡核41を成長させて気泡42を形成する工程である。具体的には、本実施形態では、図6に示すように、発泡工程は、移動型としての第1の成形型11を第2の成形型12から離れる方向に移動させることでキャビティ13の容積を拡大することにより溶融樹脂40を発泡させる工程である。もっとも、本発明において、溶融樹脂40の発泡は、キャビティ13の拡大以外の方法によって行ってもよい。
次に、本実施形態の方法によって多数の微細な気泡42を有する発泡体43を成形できる理由について詳細に説明する。
発泡体は、溶融樹脂中に生成した気泡核が成長することにより形成される。このため、より多くの気泡を有する発泡体を成形するためには、より多くの気泡核を生成させることが必要不可欠となる。ここで、上述のように、生成する気泡核の数量は、キャビティの減圧速度に依存する。具体的には、キャビティの減圧速度が高いほど、多くの気泡が生成する。
しかしながら、可動型を移動させてキャビティを拡大することによりキャビティを減圧する方法では、可動型が重量物であるため、十分に高い減圧速度でキャビティを減圧することが困難である。従って、可動型を移動させてキャビティを拡大することによりキャビティを減圧する方法では、十分に多くの気泡核を生成させることが困難である。よって、多数の微細な気泡を有する発泡体を成形することは困難である。
それに対して、本実施形態では、キャビティ13の気体をキャビティ13外に排出することでキャビティ13を減圧する。この方法では、重量物である第1の成形型11を高速に移動させる必要がない。よって、迅速にキャビティ13を減圧することができる。従って、多くの気泡核41を生成させることができる。その結果、多数の気泡42を有する発泡体43を成形することができる。このように、本実施形態では、多数の気泡42を形成することができるため、曲げ剛性が高く、高強度であり、さらに、断熱性に優れた発泡体43を得ることができる。また、本実施形態の方法では、気泡核を生成させるための気泡核生成剤を樹脂中に添加する必要が必ずしもない。このため、リサイクル性に優れ、かつ軽量な発泡体43を得ることができる。
特に、本実施形態では、開閉弁33を開けて減圧されたチャンバ32とキャビティ13とを接続することによりキャビティ13を減圧する。このため、例えば、減圧ポンプ31を直接キャビティ13に接続する場合と比較して、より迅速にキャビティ13を減圧することができる。従って、さらに多くに気泡核41を生成させることができる。その結果、さらに多くの気泡42を有し、さらに高い強度を有する発泡体43を成形することができる。
減圧工程におけるキャビティ13の減圧速度は、5MPa/秒〜100MPa/秒の範囲内であることが好ましく、5MPa/秒〜50MPa/秒の範囲内であることがより好ましい。減圧工程における減圧速度を5MPa/秒以上とすることにより、より多くの気泡核を生成させることができる。従って、より多くの気泡を有する発泡体の成形が可能となる。より多くの気泡核を生成させる観点から、減圧工程における減圧速度は、高い方が好ましい。しかしながら、減圧工程における減圧速度が高すぎると、発泡樹脂の生産が不安定になるおそれがある。
また、減圧工程の開始後、発泡工程の開始直前におけるキャビティ13内の圧力は、溶融樹脂の種類や温度等にも依存するが、一般的には、0.01MPa〜0.15MPaの範囲内であることが好ましく、0.01〜0.08MPaの範囲内であることがより好ましい。
なお、発泡工程の開始時期は、減圧工程の開始後であれば特に限定されないが、減圧工程開始から0.1秒後〜5秒後の間に開始することが好ましい。発泡工程の開始を減圧工程の開始から0.1秒以上遅らせることにより、十分な数量の気泡核を発生させることができる。従って、微細な発泡を多数形成することができる。発泡工程の開始を、減圧工程の開始時から5秒より長く遅らせた場合は、発泡時の溶融樹脂の温度が低くなりすぎ、非発泡のスキン層が厚くなりすぎるおそれがある。
(変形例)
上記実施形態では、減圧機構30が、減圧ポンプ31と、チャンバ32と、開閉弁33とにより構成されている例について説明した。但し、本発明はこの構成に限定されない。例えば、減圧機構30は、減圧ポンプのみにより構成されていてもよい。
上記実施形態では、減圧機構30が、減圧ポンプ31と、チャンバ32と、開閉弁33とにより構成されている例について説明した。但し、本発明はこの構成に限定されない。例えば、減圧機構30は、減圧ポンプのみにより構成されていてもよい。
また、上記実施形態では、気体注入機構20が、加圧ポンプ21と、チャンバ22と、開閉弁23とにより構成されている例について説明した。但し、本発明はこの構成に限定されない。例えば、気体注入機構20は、加圧ポンプのみにより構成されていてもよい。
(実験例)
同一の樹脂を用い、同一の条件で、減圧工程の開始時から発泡工程を開始するまでの時間(遅延時間)のみを変更して、遅延時間と気泡数及び気泡の平均直径との関係を調べた。結果を下記の表1に示す。
同一の樹脂を用い、同一の条件で、減圧工程の開始時から発泡工程を開始するまでの時間(遅延時間)のみを変更して、遅延時間と気泡数及び気泡の平均直径との関係を調べた。結果を下記の表1に示す。
上記表1に示すように、遅延時間を設けることにより、気泡数を多くでき、かつ、気泡の平均直径を小さくできることが分かる。また、遅延時間を5秒とすることで十分に気泡数を多くでき、かつ気泡の直径を小さくできることが分かる。
1…発泡体製造装置
10…成形型
11…第1の成形型
11a…凹部
11b…気体注入経路
11c…減圧経路
12…第2の成形型
12a…凸部
12b…ゲート
13…キャビティ
14…移動機構
15…射出機構
16…ホッパー
17…管
19…制御部
20…気体注入機構
21…加圧ポンプ
22…チャンバ
23…開閉弁
30…減圧機構
31…減圧ポンプ
32…チャンバ
33…開閉弁
40…溶融樹脂
41…気泡核
42…気泡
43…発泡体
44…気体
10…成形型
11…第1の成形型
11a…凹部
11b…気体注入経路
11c…減圧経路
12…第2の成形型
12a…凸部
12b…ゲート
13…キャビティ
14…移動機構
15…射出機構
16…ホッパー
17…管
19…制御部
20…気体注入機構
21…加圧ポンプ
22…チャンバ
23…開閉弁
30…減圧機構
31…減圧ポンプ
32…チャンバ
33…開閉弁
40…溶融樹脂
41…気泡核
42…気泡
43…発泡体
44…気体
Claims (10)
- キャビティに溶融樹脂を充填する充填工程と、
前記溶融樹脂が充填された前記キャビティに気体を注入する気体注入工程と、
前記キャビティの気体を前記キャビティ外に排出することにより、前記気体が注入されたキャビティを減圧する減圧工程と、
前記減圧工程が終了した後に、前記溶融樹脂を発泡させる発泡工程と、
を備える、発泡体の製造方法。 - 前記発泡工程は、前記減圧されたキャビティの容積を拡大することにより前記溶融樹脂を発泡させる工程である、請求項1に記載の発泡体の製造方法。
- 前記気体注入工程は、前記溶融樹脂中に前記気体を注入する工程である、請求項1または2に記載の発泡体の製造方法。
- 前記減圧工程における減圧速度は、5MPa/秒〜100MPa/秒の範囲内である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の発泡体の製造方法。
- 前記溶融樹脂の発泡を、前記キャビティの減圧を開始してから0.1秒後〜5秒後の間に開始する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の発泡体の製造方法。
- 前記減圧工程は、前記キャビティを減圧することにより前記溶融樹脂中に気泡核を生成させる工程であり、
前記発泡工程は、前記減圧工程において生成した気泡核を成長させて気泡を形成する工程である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の発泡体の製造方法。 - 請求項1〜6に記載の発泡体の製造方法の実施に用いられる発泡体の製造装置であって、
第1の成形型と、前記第1の成形型と共に前記キャビティを区画形成している第2の成形型とを有し、前記第1及び第2の成形型のうちの少なくとも一方が、前記キャビティの体積が変化する方向に相対的に変位可能である成形型と、
前記キャビティに前記溶融樹脂を射出する射出機構と、
前記キャビティに気体を注入する気体注入機構と、
前記キャビティを減圧する減圧機構と、
前記第1及び第2の成形型を相対的に移動させる移動機構と、
を備える、発泡体の製造装置。 - 前記成形型には、前記キャビティの内部にまで至る気体注入経路が形成されており、前記気体注入経路は、前記気体注入機構に接続されている、請求項7に記載の発泡体の製造装置。
- 前記射出機構、前記気体注入機構、前記減圧機構、及び前記移動機構を制御する制御部をさらに備え、
前記制御部は、前記射出機構に、前記溶融樹脂を前記キャビティに充填させた後に、前記気体注入機構に前記キャビティに前記気体を注入させ、次に、前記減圧機構に前記キャビティを減圧させ、その後、前記移動機構に前記第1及び第2の成形型を相対的に移動させて前記キャビティを拡大することにより前記溶融樹脂を発泡させる、請求項7または8に記載の発泡体の製造装置。 - 前記減圧機構は、
前記キャビティに接続されているチャンバと、
前記チャンバに接続されており、前記チャンバを減圧するポンプと、
前記チャンバと前記キャビティとの間を断続する開閉弁と、
を有する、請求項7〜9のいずれか一項に記載の発泡体の製造装置。
Priority Applications (1)
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JP2009058182A JP2010208202A (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 発泡体の製造方法及び製造装置 |
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JP2009058182A JP2010208202A (ja) | 2009-03-11 | 2009-03-11 | 発泡体の製造方法及び製造装置 |
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-
2009
- 2009-03-11 JP JP2009058182A patent/JP2010208202A/ja not_active Withdrawn
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WO2016147896A1 (ja) * | 2015-03-18 | 2016-09-22 | 東洋機械金属株式会社 | 射出発泡成形機 |
JP2016175204A (ja) * | 2015-03-18 | 2016-10-06 | 東洋機械金属株式会社 | 射出発泡成形機 |
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