JP2010208108A - 画像形成装置および画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】定着温度を低温化することにより、オフセットの発生を抑制するとともに、形成された画像の耐擦過性、耐ブロッキング性を向上することができる画像形成装置および形成方法を提供することを目的とする。
【解決手段】インクを用いて記録媒体上に画像を形成するインク描画手段と、加熱・加圧を行い、画像の定着を行う定着手段と、を備え、樹脂粒子の水分散物の最低造膜温度(MFT)が、60℃以上であり、かつ、混合液分散物の最低造膜温度(MFT25)より高く、定着手段の記録媒体の温度をTとしたとき、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たし、かつ、記録媒体にコート層が形成されている場合、コート層が破壊されない温度以下に記録媒体の温度Tを制御する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置および形成方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は画像形成装置および画像形成方法に係り、特に、良好に記録媒体への定着を行うことができ、形成された画像の強度を向上させることができる画像形成装置および画像形成方法に関する。
インクジェット記録装置は、記録媒体上でインクを連続的に打滴することによって画像を形成する装置であり、装置構成が簡単でかつ良好な画質の画像記録が可能であることから、個人用途のホームプリンタをはじめ、業務用途のオフィスプリンタとしても広く使用されている。特に、業務用途のオフィスプリンタにおいては、処理の高速化および高画質化が一層要望されている。
インクジェット記録装置は、インクを用いて記録媒体上に画像を形成し、乾燥後、インク中に含まれる樹脂粒子を溶着し、インクを被膜化させることにより、記録媒体上に画像の定着を行う。記録媒体上に定着させる定着装置としては、加熱ヒータ、定着ロール、搬送ドラムなどを用い、画像が形成された記録媒体を挟持して搬送することで、熱と圧力との作用で形成された画像を記録媒体上に高速で定着させる装置が知られている。
しかしながら、定着時の加熱温度が高いとインクの一部が定着ローラへ転写(付着)するオフセット現象が生じてしまう。このオフセット現象は、連続記録を行う場合に、次の記録媒体上の非画像部(非記録部)へインクを再転写させてしまうため、良好な印刷物が得られないという問題があった。
このようなオフセットの問題を解決するために、インク中に含まれる樹脂粒子の最低造膜温度(以下、単に「MFT」(Minimum Filming Temperature)ともいう)が重要になってくる。この最低造膜温度以上で定着を行うことにより樹脂粒子が溶融し、画像の定着を行うことができる。
この最低造膜温度を規定し、画像を形成する装置または方法として、例えば、下記の特許文献1には、最低造膜温度が40℃以上のインクを用いるインクジェットまたはインクミスト記録方法が記載されている。また、特許文献2には、少なくとも、顔料と、MFTが60℃〜100℃である低MFT樹脂エマルジョンと、Tg(ガラス転移温度)が140℃〜200℃である高Tg樹脂エマルジョンを含有するインクを用い、低MFT樹脂エマルジョンのMFT以上の温度に加熱したプラテンにより印字物を定着する第1の工程と、さらに記録装置外で加熱することで印字物の再定着を行う第2の工程からなることを特徴とする記録方法が記載されている。
特開平3−160068号公報 特開平8−283636号公報
しかしながら、特許文献1に記載されているインクは、ノズルの目詰まりや保存安定を向上させるために、MFTの温度を規定したものであり、定着条件との検討はなされていなかった。また、特許文献2に記載されている記録方法は、インクに含まれている樹脂エマルジョンのMFT以上加熱することによって定着する記録方式を開示しているが、このMFTは、水に分散したときのMFTであり、乾燥状態に近い溶媒組成でのMFTと定着条件との検討はされていなかった。さらに、記録媒体を裏面から加熱することによって定着しているため、定着時の加熱温度が高すぎて、オフセットが発生するという問題が存在しなかった。
逆に、MFTの温度が低いと、常温においても樹脂エマルジョンが溶融し、画像が形成された記録媒体を重ねた際に、画像が剥れ、他の記録媒体に色移りするブロッキングの問題もあり、高品質な画像を得ることが困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、定着温度を低温化するとともに、定着オフセット、ブロッキングの防止、耐擦過性の向上など、形成された画像の強化を行うことを目的とする。
本発明の請求項1は前記目的を達成するために、少なくとも顔料、水溶性有機溶剤、樹脂粒子および水を含むインクを用いて記録媒体上に画像を形成する描画手段と、前記画像が形成された面と接触させ、加熱・加圧を行い、該画像の定着を行う定着手段と、を備え、前記樹脂粒子の水分散物の最低造膜温度(MFT)が、60℃以上であり、かつ、該樹脂粒子に対して25質量%の量の水溶性有機溶剤と、水と、を混合した混合液の該樹脂粒子の分散物の最低造膜温度(MFT25)より高く、前記定着手段の前記記録媒体の温度をTとしたとき、前記樹脂粒子の混合液分散物の最低造膜温度(MFT25)が、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たし、かつ、該記録媒体にコート層が形成されている場合、該コート層が破壊されない温度以下に該記録媒体の温度Tを制御する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置を提供する。
インク中に含まれる水と水溶性有機溶剤を調整することにより、樹脂粒子の最低造膜温度を下げることができる。請求項1によれば、MFT25がMFTより低くなるように水溶性有機溶剤の種類、量を決定しているので、インクによる描画後の定着において、低い温度で定着を行うことができる。従来においては、MFTにより加熱温度を決定し定着することは行われているが、本発明のように、水溶性有機溶剤を含む乾燥状態に近い溶媒組成でのMFTにより定着温度を決定することにより、適切な定着温度で定着を行うことができる。したがって、定着温度が高くなりすぎることを防止することができるので、オフセットを防止することができ、良好な画像を形成することができる。
また、MFTを60℃以上としているため、記録後の画像のベタつきを抑えることができ、画像部上に紙などを重ねた際に発生するブロッキング(くっつき等)を抑えることができる。
さらに、定着時の記録媒体の温度TをMFT25≦T≦MFT25+50(℃)、および記録媒体にコート層が形成されている場合は、コート層が破壊されない温度以下で定着を行っている。記録媒体の温度Tを上記範囲で行うことにより、オフセットを抑制し、耐擦過性の優れた画像を形成することができる。温度TがMFT25より低いと樹脂粒子が溶解しないため、顔料が樹脂で被膜されず、耐擦過性が得られない。逆に、MFT25+50(℃)より高いと、加熱温度が高くなり、オフセットが発生してしまう。また、コート層が破壊される温度以上で定着を行うと、記録媒体、画像のコート層が破壊されるため、オフセットの発生、耐擦過性が低下してしまう。
なお、本発明において、「MFT」とは、水性インクに用いる樹脂粒子を水中に分散して得た水分散物を25質量%液に調整したときの最低造膜温度である。また、「MFT25」は、水性インクに用いる樹脂粒子の25質量%液とし、その溶媒に該樹脂粒子の固形分に対して25質量%の量となる水溶性有機溶剤と、水と、を混合した混合液としたときの最低造膜温度である。
請求項2は請求項1において、前記記録媒体は、少なくとも片面に親水性バインダーに微粒子を含有した塗工層を有する塗工紙であり、前記定着手段の前記記録媒体の温度Tが、T<100(℃)を満たすように該記録媒体の温度を制御する制御手段を備えることを特徴とする。
記録媒体に、塗工紙を用いた場合、定着時の記録媒体の温度Tが100℃を越えると、記録媒体(塗工紙)中の水分が急激に蒸発し、画像部および塗工紙自体の塗工層を破壊してしまいローラオフセットが発生するとともに、耐擦過性が低下してしまう。また、記録媒体の水分量の変化に伴い、記録媒体に凹凸が発生するため、記録媒体に塗工紙を用いる場合は、定着温度を100℃未満で行うことが好ましい。
請求項3は請求項1または2において、前記描画手段が、インクジェットによる打滴であることを特徴とする。
本発明は描画手段としてインクジェットを好適に用いることができる。
請求項4は請求項1から3いずれか1項において、前記記録媒体の搬送方向に対して、前記描画手段の下流側に、前記インクを乾燥する乾燥手段を備えることを特徴とする。
請求項4によれば、インクを乾燥する乾燥手段を設けることにより、インク中の水分を減らすことができるので、溶媒中の水溶性有機溶剤濃度が高くなるため、樹脂粒子の最低造膜温度を下げることができ、画像の定着を低温で行うことができる。
請求項5は請求項4において、前記記録媒体の搬送方向に対して、前記乾燥手段の下流側に、該記録媒体上に打滴されたインクの水分量を測定する水分量測定手段を備え、
前記制御手段は、前記水分量に応じて加熱温度を制御することを特徴とする。
請求項5によれば、乾燥後に水分量を測定し、その水分量に応じて定着手段の加熱温度を制御しているため、ローラオフセットの抑制、耐擦過性に優れた画像が形成できるよう最適な温度で定着を行うことができる。
請求項6は請求項1から5いずれかにおいて、前記記録媒体の搬送方向に対して、前記描画手段の上流側に、前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を該記録媒体上に付与する処理液付与手段と、前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段と、を備えることを特徴とする。
請求項6によれば、インクを打滴する前に、インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を付与しているため、インクの滲みを防止することができる。
請求項7は請求項1から6いずれか1項において、前記水溶性有機溶剤の含有量が前記インク中の5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする。
請求項7によれば、インク中の水溶性有機溶剤の含有量を上記範囲とすることにより、実際の定着時のMFTを下げることができ、低温で定着を行うことができる。
請求項8は請求項1から7いずれか1項において、前記水溶性有機溶剤は、アルキレンオキシアルコールおよびアルキレンオキシアルキルエーテルから選ばれる1種であることを特徴とする。
請求項8は、好ましい水溶性有機溶剤の種類を規定したものであり、MFTとMFT25との差をつけ、MFT25を高くする点から上記種類の水溶性有機溶剤を用いることが好ましい。
請求項9は請求項1から8いずれか1項において、前記水溶性有機溶剤の蒸気圧は、水の蒸気圧より低いことを特徴とする。
請求項9によれば、水溶性有機溶剤の蒸気圧を水の蒸気圧より低くすることにより、記録媒体上の打滴されたインク溶剤の組成は、水溶性有機溶剤の濃度が高くなる。したがって、定着温度を低温化することができる。
本発明の請求項10は前記目的を達成するために、少なくとも顔料、水溶性有機溶剤、樹脂粒子および水を含むインクを用いて記録媒体上に画像を形成するインク描画工程と、前記画像が形成された面と接触させ、加熱・加圧を行い、該画像の定着を行う定着工程と、を有し、前記樹脂粒子の水分散物の最低造膜温度(MFT)が、60℃以上であり、かつ、該樹脂粒子に対して25質量%の量の水溶性有機溶剤と、水と、を混合した混合液の該樹脂粒子の分散物の最低造膜温度(MFT25)より高く、前記定着工程の前記記録媒体の温度をTとしたとき、前記樹脂粒子の混合液分散物の最低造膜温度(MFT25)が、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たし、かつ、該記録媒体にコート層が形成されている場合、該コート層が破壊されない温度以下に該記録媒体の温度Tを制御することを特徴とする画像形成方法を提供する。
請求項11は請求項10において、前記記録媒体は、少なくとも片面に親水性バインダーに微粒子を含有した塗工層を有する塗工紙であり、前記定着工程の前記記録媒体の温度Tが、T<100(℃)を満たすように該記録媒体の温度を制御することを特徴とする。
請求項12は請求項10または11において、前記描画工程が、インクジェットによる打滴であることを特徴とする。
請求項13は請求項10から12いずれか1項において、前記描画工程後に、前記インクを乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする。
請求項14は請求項13において、前記乾燥工程後に、前記記録媒体上に打滴された前記インクの水分量を測定する水分量測定工程を有し、前記水分量に応じて、前記定着工程の加熱温度を制御することを特徴とする。
請求項15は請求項10から14いずれか1項において、前記描画工程の前に、前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を前記記録媒体上に付与する処理液付与工程と、前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥工程と、を有することを特徴とする。
請求項10から15は、画像形成装置の発明を画像形成方法として展開したものであり、請求項10から15によれば、画像形成装置と同様の効果を得ることができる。
本発明の画像形成装置および画像形成方法によれば、定着時の状態に近い溶媒組成でのMFTを想定し、このMFTが低くなる溶媒組成を用いて、定着手段の加熱温度を決定している。したがって、定着時の加熱温度を低くしても、耐擦過性などの画像部の膜強度を向上させることができるとともに、定着時の状態に近い溶媒組成でのMFTを想定し、適切な定着温度に調整することが出来るため、ローラオフセットも抑制することができる。また、MFTを所望の温度以上とし、MFT25より高くすることで、定着温度を下げることができ、保管時においては、MFTを上げることができるので、ブロッキングを抑制することができる。
本発明に係る画像形成装置の一例としてインクジェット記録装置の概略構成図である。 ヘッドの構成例を示す平面透視図である。 インク室ユニットの立体的構成を示す断面図である。 図1に示すインクジェット記録装置のシステム構成を示す要部ブロック図である。 実施例の結果を示す表図である。 実施例の結果を示す表図である。
以下、本発明に係る画像形成装置および画像形成方法の好ましい実施の形態について説明する。
[インク]
まず、本発明に用いることができる水性インクについて詳細に説明する。水性インクは、樹脂分散剤(A)と、前記樹脂分散剤(A)によって分散された顔料(B)と、自己分散性ポリマー微粒子[樹脂粒子](C)と、水性液媒体[水溶性有機溶剤](D)と、水(E)を少なくとも含んでいる。
<樹脂分散剤(A)>
前記樹脂分散剤(A)は、水性液媒体(D)中での顔料(B)の分散剤として用いるものであり、顔料(B)を分散しうる樹脂であれば如何なる樹脂でもかまわないが、樹脂分散剤(A)の構造は、疎水性構造単位(a)と、親水性構造単位(b)とを有することが好ましい。必要に応じて、樹脂分散剤(A)は、前記疎水性構造単位(a)及び前記親水性構造単位(b)とは異なる構造単位(c)を含むことができる。
前記親水性構造単位(b)及び疎水性構造単位(a)の組成としては、それぞれの親水性、疎水性の程度にもよるが、疎水性構造単位(a)が樹脂分散剤(A)全体の質量に対して80質量%を超えて含有されることが好ましく、85質量%以上がより好ましい。即ち、親水性構造単位(b)は15質量%以下にする必要があり、親水性構造単位(b)が15質量%よりも多い場合には、顔料の分散に寄与せず単独で水性液媒体(D)中に溶解する成分が増加し、顔料(B)の分散性等の諸性能を悪化させ、インクジェット記録用インクの吐出性を悪化させる原因となる。
<顔料(B)と樹脂分散剤(A)の比率>
顔料(B)と樹脂分散剤(A)の比率は、重量比で100:25〜100:140が好ましく、さらに好ましくは100:25〜100:50である。樹脂分散剤が100:25以上の場合は分散安定性と耐擦性が良化する傾向となる。樹脂分散剤が100:140以下の場合も、分散安定性が良化する傾向となる。
<顔料(B)>
本発明において、顔料(B)とは化学大辞典第3版1994年4月1日発行(編集 大木道則他)の518頁に記載のように、水、有機溶剤にほとんど不溶の有色物質(無機顔料では白色も含む)の総称であり、本発明では有機顔料と無機顔料とを用いることができる。
また、本発明において、「樹脂分散剤(A)によって分散された顔料(B)」とは、樹脂分散剤(A)によって分散保持されている顔料をいい、水性液媒体(D)に樹脂分散剤(A)を用いて分散保持されている顔料として用いることが好ましい。水性液媒体(D)中には更に分散剤を含んでいても、含んでいなくともよい。
顔料としては、例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロニ顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能であれば、いずれも使用できる。更に、顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も使用可能である。
前記顔料のうち、特にアゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ましい。
顔料は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。顔料の水性インク組成物中における含有量としては、画像濃度の観点から、水性インク組成物の全固形分に対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜20質量%がより好ましく、5〜20質量%がさらに好ましく、5〜15質量%が特に好ましい。
<自己分散性ポリマー微粒子[樹脂粒子](C)>
水性インクは、水分散物としたときの最低造膜温度(MFT)が、樹脂粒子に対して、25質量%の量の水溶性有機溶剤および水と混合した混合液分散物としたときの最低増膜温度(MFT25)より高く、MFTが60℃以上である樹脂粒子の少なくとも1種を含有する。このような樹脂粒子を含有することにより、ブロッキングの発生をおさえつつ、定着時においては、記録媒体の温度を低くすることができるので、ローラオフセットの発生を抑えることができる。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子(C)とは、他の界面活性剤の不存在下に、pr樹脂自身が有する官能基(特に、酸性基またはその塩)によって、水性媒体中で分散状態となりうる水不溶性ポリマーであって、遊離の乳化剤を含有しない水不溶性ポリマーの微粒子を意味する。
ここで分散状態とは、水性媒体中に水不溶性ポリマーが液体状態で分散された乳化状態(エマルジョン)、及び、水性媒体中に水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態(サスペンジョン)の両方の状態を含むものである。
本発明における水不溶性ポリマーにおいては、水溶性インクに含有されたときのインク凝集速度とインク定着性の観点から、水不溶性ポリマーが固体状態で分散された分散状態となりうる水不溶性ポリマーであることが好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子は、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーに由来する構成単位を含み、その含有量が10質量%〜95質量%であることが好ましい。芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量が10質量%〜95質量%であることで、自己乳化又は分散状態の安定性が向上し、更にインク粘度の上昇を抑制することができる。
本発明においては、自己分散状態の安定性、芳香環同士の疎水性相互作用による水性媒体中での粒子形状の安定化、粒子の適度な疎水化による水溶性成分量の低下の観点から、15質量%〜90質量%であることがより好ましく、15質量%〜80質量%であることがより好ましく、25質量%〜70質量%であることが特に好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子は、例えば、芳香族基含有モノマーからなる構成単位と、解離性基含有モノマーからなる構成単位とから構成することができるが、必要に応じて、その他の構成単位を更に含んで構成することができる。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子を構成する水不溶性ポリマーの分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましく、10000〜10万であることが更に好ましい。重量平均分子量を3000以上とすることで水溶性成分量を効果的に抑制することができる。また、重量平均分子量を20万以下とすることで、自己分散安定性を高めることができる。尚、重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(GPC)によって測定することできる。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子を構成する水不溶性ポリマーは、ポリマーの親疎水性制御の観点から、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合比率として15〜90質量%とカルボキシル基含有モノマーとアルキル基含有モノマーとを含み、酸価が25〜100であって、重量平均分子量が3000〜20万であることが好ましく、芳香族基含有(メタ)アクリレートモノマーを共重合比率として15〜80質量%とカルボキシル基含有モノマーとアルキル基含有モノマーとを含み、酸価が25〜95であって、重量平均分子量が5000〜15万であることがより好ましい。
本発明における自己分散性ポリマー微粒子の平均粒径は、10〜400nmの範囲であることが好ましく、10〜200nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。10nm以上の平均粒径であることで製造適性が向上する。また、400nm以下の平均粒径とすることで保存安定性が向上する。
また、自己分散性ポリマー微粒子の粒径分布に関しては、特に制限は無く、広い粒径分布を持つもの、又は単分散の粒径分布を持つもの、いずれでもよい。また、水不溶性粒子を、2種以上混合して使用してもよい。
尚、自己分散性ポリマー微粒子の平均粒径及び粒径分布は、例えば、光散乱法を用いて測定することができる。
本発明の自己分散性ポリマー微粒子は、例えば、水性インク組成物に好適に含有させることができ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
<水性液媒体[水溶性有機溶剤](D)>
水性インクは、前記樹脂粒子のMFTがMFT25より高くなる水溶性有機溶剤の少なくとも1種を含有する。水性液媒体を樹脂粒子と共に含有することにより、定着時の記録媒体の加熱温度を低くすることができる。
インク中には、水、水性液媒体が含まれているため、MFT25を基準として定着時の記録媒体の加熱温度を求めることにより、実際の定着状態に近い状態を基準として、温度を決めることができる。また、MFTがMFT25より高くなるようにすることで、実際の定着状態は最低造膜温度が低いため、加熱温度を下げることができ、ローラオフセットを防止することができる。また、定着後においては、最低造膜温度を上げることができるので、ブロッキングを防止することができる。
本発明において、MFTとMFT25の関係を上記のようにする方法としては、インク組成に含有する水溶性有機溶剤の種類、量の範囲を適宜選択することにより調製することができる。
インク組成物を構成する水溶性有機溶剤としては、MFT25を下げてMFTとの温度差(MFT−MFT25)を50℃以上の範囲に調製する観点から、アルキレンオキシアルコール、アルキレンオキシアルキルエーテルが好ましい。また、同様の理由から、インク組成物は、2種以上の水溶性有機溶剤を含有することが好ましく、2種以上の水溶性有機溶剤を含有する場合は、その少なくとも1種はアルキレンオキシアルコールことが好ましく、更にはアルキレンオキシアルコールの少なくとも1種とアルキレンオキシアルキルエーテルの少なくとも1種とを含む2種以上の水溶性有機溶剤を含有する場合が特に好ましい。
前記アルキレンオキシアルコールとしては、好ましくは、プロピレンオキシアルコールである。プロピレンオキシアルコールとしては、例えば、サンニックスGP250、サンニックスGP400(三洋化成工業(株)製)が挙げられる。
前記アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、好ましくは、アルキル部位の炭素数が1〜4のエチレンオキシアルキルエーテル又はアルキル部位の炭素数が1〜4のプロピレンオキシアルキルエーテルである。アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどが挙げられる。
本発明においては、樹脂微粒子が自己分散性ポリマー粒子であって、水溶性有機溶剤がプロピレンオキシアルコールとエチレンオキシアルキルエーテル(アルキル部位の炭素数1〜4)及び/又はプロピレンオキシアルキルエーテル(アルキル部位の炭素数1〜4)とである場合が好ましく、更には、樹脂微粒子が、親水性の構成単位と芳香族基含有モノマーに由来する構成単位とを含む水不溶性ポリマーを含む自己分散性ポリマー粒子であって、水溶性有機溶剤がプロピレンオキシアルコールとエチレンオキシアルキルエーテル(アルキル部位の炭素数1〜4)及び/又はプロピレンオキシアルキルエーテル(アルキル部位の炭素数1〜4)とである場合が好ましい。
また、上記の水溶性有機溶剤に加え、必要に応じて、乾燥防止、浸透促進、粘度調整などを図る目的で、他の有機溶剤を含有してもよい。
乾燥防止のためには、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤が好ましい。乾燥防止に好適な水溶性有機溶剤の具体的な例としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、チオジグリコール、ジチオジグリコール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、アセチレングリコール誘導体、グリセリン、トリメチロールプロパン等に代表される多価アルコール類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−エチルモルホリン等の複素環類、スルホラン、ジメチルスルホキシド、3−スルホレン等の含硫黄化合物、ジアセトンアルコール、ジエタノールアミン等の多官能化合物、尿素誘導体等が挙げられる。中でも、グリセリン、ジエチレングリコール等の多価アルコールが好ましい。
また、浸透促進のためには、インク組成物を記録媒体により良く浸透させる目的で有機溶剤を用いてもよい。浸透促進に好適な有機溶剤の具体例として、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、1,2−ヘキサンジオール等のアルコール類やラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムやノニオン性界面活性剤等が挙げられる。
また、水溶性有機溶剤は、上記以外にも粘度の調整に用いることができる。粘度の調整に用いることができる水溶性有機溶剤の具体的な例としては、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、プロパノールなど)、アミン(例えば、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミンなど)及びその他の極性溶媒(例えば、ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、スルホラン、2−ピロリドン、アセトニトリル、アセトンなど)が挙げられる。
インク中に含まれる水溶性有機溶剤の量は、実際の定着時のMFTをMFTより低くなるように適宜調整することができるが、好ましくはインク中に5質量%以上30質量%以下、より好ましくは10質量%以上25質量%以下含有させることが好ましい。
<水(E)>
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
<界面活性剤>
水性インクには、界面活性剤を添加することが好ましい。界面活性剤としては、分子内に親水部と疎水部を合わせ持つ構造を有する化合物等が有効に使用することができ、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤のいずれも使用することができる。更には、上記高分子物質(高分子分散剤)を界面活性剤としても使用することもできる。
<その他成分>
本発明に使用される水性インクはその他の添加剤を含有してもよい。その他の添加剤としては、例えば、紫外線吸収剤、褪色防止剤、防黴剤、pH調整剤、防錆剤、酸化防止剤、乳化安定剤、防腐剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
<MFTおよびMFT25の定義>
「MFT」は、水性インク組成物に用いる樹脂粒子を水分散物としたときの最低造膜温度である。MFTは、YOSHIMITU SEIKI社製のMFT測定機を用いて測定することができる。具体的には、所望の樹脂粒子を水中に分散して得た水分散物を25質量%液に調整した調製液をフィルム(例えば64cm×18cm)上に塗布厚が300μmとなるように(例えば長さ50cm×幅3cm)ブレード塗布した後、フィルムの裏側から加熱し、塗布膜に12℃〜65℃までの温度勾配をかけ、20℃、22%RHの環境下で4時間乾燥させ、このときに白い粉状の析出物が生じた温度と透明膜が形成された温度との境界温度[℃]を測定し、最低造膜温度とした。
また、「MFT25」は、水性インク組成物に用いる樹脂粒子を、該樹脂粒子の固形分に対して25質量%の量となる水溶性有機溶剤及び水と混合した混合液としたときの最低造膜温度である。MFT25は、前記MFTの測定操作において、樹脂粒子25質量%(固形分質量)とインク組成物の調製に用いた水溶性有機溶剤6.25質量%(ポリマー固形分に対して25質量%)と水68.75質量%との混合液(水溶液)を調製し、これを水分散物に変えて用いたこと以外は、前記MFTと同様の操作を行なうことにより測定することができる。また、「MFT25」が測定機の上限値を超えてしまう場合は、樹脂粒子固形分に対して30〜50質量%の量となる水溶性有機溶剤及び水と混合した場合の「MFT30」〜「MFT50」を適宜測定し、「MFT25」を推定してもよい。
[処理液]
水性処理液は、水性インク中の成分を固定化させる固定化剤の少なくとも1種を含有する。固定化剤は、紙上においてインクと接触することにより、インクを固定化(凝集)可能なものである。例えば、処理液を付与することにより紙上に固定化剤が存在している状態でインクが着滴して接触することにより、インク中の成分を凝集させて紙上に固定化することができる。
固定化剤は、水性インクを固定化(凝集)可能なことが望ましいことから、水性インクと接触した際に水性インク中に溶解しやすい素材であることが好ましく、この点で水溶性の高い多価金属塩はより好ましく、更には水溶性の高い酸性物質が好ましい。また、水性インクと反応してインク全体を固定化させる観点から、2価以上の酸性物質が特に好ましい。また、カチオン性化合物も使用することができる。
ここで、水性インクの凝集反応は、水性インク中に分散した粒子(着色剤(例えば、顔料)、樹脂粒子等)の分散安定性を減じ、インク全体の粘度を上昇させることで達成することができる。例えば、カルボキシル基等の弱酸性の官能基で分散安定化しているインク中の顔料、樹脂粒子などの粒子の表面電荷を、よりpKaの低い酸性物質と反応させることにより減じ、分散安定性を低下することができる。したがって、処理液に含まれる固定化剤としての酸性物質は、pKaが低く、溶解度が高く、価数が2価以上であることが好ましく、インク中の粒子を分散安定化させている官能基(例えば、カルボキシル基)のpKaよりも低いpH領域に高い緩衝能を有する2価又は3価の酸性物質であることがより好ましい。
水性インクを固定化させる固定化剤の水性処理液中における含有量としては、1〜40質量%が好ましく、より好ましくは5〜30質量%であり、更に好ましくは10〜25質量%の範囲である。
本発明における水性処理液は、前記固定化剤に加えて、一般には水溶性有機溶剤を含むことができ、更に前記水性インクと同様に、その他の各種添加剤を用いて構成することができる。有機溶媒は、単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。また、有機溶剤は、処理液中に、1〜50質量%含有されることが好ましい。
[インクジェット記録装置の全体構成]
次に、本発明に係る画像形成装置の好ましい実施の形態としてインクジェット記録装置について説明する。なお、本発明においてはインクジェット記録装置に限定されない。また、ベルト搬送方式、中間転写媒体に画像を記録させた後、記録媒体に転写する転写方式により形成することもできる。
まず、本発明が適用されるインクジェット記録装置の全体構成を説明する。
図1は、本実施の形態のインクジェット記録装置1を模式的に示す構成図である。同図に示すインクジェット記録装置1は記録媒体22の記録面に画像を形成する装置であり、主として給紙部10、処理液付与部12、描画部14、乾燥部16、定着部18及び排出部20で構成される。給紙部10には記録媒体22(枚葉紙)が積層されており、この記録媒体22が給紙部10から処理液付与部12に送られ、処理液付与部12で記録面に処理液が付与された後、描画部14で記録面にインクが付与される。インクが付与された記録媒体22は、定着部18で画像が堅牢化された後、排出部20によって搬送される。図1においては、処理液付与部12が、処理液付与手段および処理液乾燥手段、描画部14がインク吐出手段、乾燥部16が乾燥手段、定着部18が定着手段に該当する。
各部の間には中間搬送部24、26、28が設けられ、この中間搬送部24、26、28によって記録媒体22の受け渡しが行われる。すなわち、処理液付与部12と描画部14との間には、第1の中間搬送部24が設けられ、この第1の中間搬送部24によって処理液付与部12から描画部14への記録媒体22の受け渡しが行われる。同様に、描画部14と乾燥部16との間には、第2の中間搬送部26が設けられ、この第2の中間搬送部26によって描画部14から乾燥部16への記録媒体22の受け渡しが行われる。さらに、乾燥部16と定着部18との間には、第3の中間搬送部28が設けられ、この第3の中間搬送部28によって乾燥部16から定着部18への記録媒体22の受け渡しが行われる。
以下、インクジェット記録装置1の各部(給紙部10、処理液付与部12、描画部14、乾燥部16、定着部18、排出部20、第1〜第3の中間搬送部24、26、28)について説明する。
(給紙部)
給紙部10は、記録媒体22を描画部14に供給する機構である。給紙部10には、給紙トレイ50が設けられ、この給紙トレイ50から記録媒体22が一枚ずつ処理液付与部12に給紙される。
(処理液付与部)
処理液付与部12は、記録媒体22の記録面に処理液を付与する機構であり、処理液は、上記インク中の色材(顔料)を凝集または増粘させる成分を含有している。
処理液の付与方法としては、インクジェットヘッドによる打滴、ローラによる塗布、スプレーによる一様付与、等がある。
処理液ドラム54は、記録媒体22を保持して回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、処理液ドラム54は、その外周面に爪形状の保持手段を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で、処理液ドラム54を回転させることによって回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送される。なお、処理液ドラム54の外周面に吸引孔を設けるとともに、その吸引孔から吸引を行うようにしてもよい。これにより記録媒体22を処理液ドラム54の周面に密着保持することができる。
処理液塗布装置56の構成は特に限定するものではないが、たとえば、処理液が貯留された処理液容器と、この処理液容器の処理液に一部が浸漬されたアニックスローラと、アニックスローラに当接されて計量を行うスキージと、アニックスローラと処理液ドラム54上の記録媒体22に圧接されて計量後の処理液を記録媒体22に転移するゴムローラとで構成される。この処理液塗布装置56によれば、処理液をスキージで計量しながら記録媒体22に塗布することができる。処理液の膜厚は、描画部14のインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kから打滴されるインクの液滴径より十分に小さいことが望ましい。例えば、インクの打滴量が2plのときには、液滴の平均直径は15.6μmである。このとき、処理液の膜厚が大きい場合には、インクドットが記録媒体22の表面に接触することなく、処理液内で浮遊する。そこで、インクの打滴量が2plのときに着弾ドット径を30μm以上得るためには、処理液の膜厚を3μm以下にすることが望ましい。
(描画部)
描画部14は、インクジェット方式でインクを打滴することによって入力画像に対応した画像を描画する機構であり、描画ドラム70と、この描画ドラム70の外周面に対向する位置に近接配置されたインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kで構成される。インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kはそれぞれ、マゼンダ(M)、シアン(C)、イエロー(Y)、黒(K)の4色のインクに対応しており、描画ドラム70の回転方向に上流側から順に配置される。
描画ドラム70は、その外周面に記録媒体22を保持し、回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、描画ドラム70は、その外周面に爪形状の保持手段(不図示)を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で、描画ドラム70を回転させることによって回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面にインクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kからインクが付与される。
インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kはそれぞれ、記録媒体22における画像形成領域の最大幅に対応する長さを有するフルライン型のインクジェット方式の記録ヘッド(インクジェットヘッド)であり、そのインク吐出面には、画像形成領域の全幅にわたってインク吐出用のノズルが複数配列されたノズル列が形成されている。各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kは、記録媒体22の搬送方向(描画ドラム70の回転方向)と直交する方向に延在するように固定設置される。
各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kには、対応する色インクのカセットが取り付けられる。
上記の如く構成された各インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kから、各インクの液滴が描画ドラム70の外周面に保持された記録媒体22の記録面に向かって吐出される。これにより、処理液付与部12上の処理液にインクが接触し、インク中に分散する色材(顔料)が凝集され、色材凝集体が形成される。これにより、記録媒体22上での色材流れなどが防止され、記録媒体22の記録面に画像が形成される。その際、描画部14の描画ドラム70は、処理液付与部12の処理液ドラム54に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kに処理液が付着することがなく、インクの不吐出要因を低減することができる。
さらに、本例では、CMYKの標準色(4色)の構成を例示したが、インク色や色数の組み合わせについては本実施形態に限定されず、必要に応じて淡インク、濃インク、特別色インクを追加してもよい。例えば、ライトシアン、ライトマゼンタなどのライト系インクを吐出するインクジェットヘッドを追加する構成も可能であり、各色ヘッドの配置順序も特に限定はない。
(乾燥部)
必要に応じて、乾燥部16を設け、色材凝集作用により分離された溶媒(水)を乾燥させることが好ましい。乾燥部16は、乾燥ドラム76と、この乾燥ドラム76の外周面に対向する位置に配置された第1のIRヒータ78、温風噴出しノズル80、第2のIRヒータ82で構成される。第1のIRヒータ78は、温風噴出しノズル80に対して、乾燥ドラム76の回転方向(図1において反時計回り方向)の上流側に設けられ、第2のIRヒータ82は温風噴出しノズル80の下流側に設けられる。
乾燥ドラム76は、その外周面に記録媒体22を保持して回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、乾燥ドラム76は、その外周面に爪形状の保持手段を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で、乾燥ドラム76を回転させることによって回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して第1のIRヒータ78、温風噴出しノズル80、第2のIRヒータ82による乾燥処理が行われる。
温風噴出しノズル80は、所定の温度(たとえば50℃〜70℃)に制御された温風を一定の風量(12m/分)で記録媒体22に向けて吹き付けるように構成され、第1のIRヒータ78と第2のIRヒータ82はそれぞれ所定の温度(たとえば180℃)に制御される。
乾燥処理の際、乾燥部16の乾燥ドラム76は、描画部14の描画ドラム70に対して構造上分離しているので、インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kにおいて、熱乾燥によるヘッドメニスカス部の乾燥によるインクの不吐出を低減することができる。また、乾燥部16の温度設定に自由度があり、最適な乾燥温度を設定することができる。
また、上記の乾燥ドラム76は、その外周面を所定の温度(たとえば60℃以下)に制御するとよい。
さらに、乾燥ドラム76は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体22を乾燥ドラム76の周面に密着保持することができる。
乾燥部においては、インクの水分量が、次の定着部において、定着ローラへの転写(ローラオフセット)が発生しない程度に乾燥することが好ましい。具体的には、1g/m〜6g/mの範囲内となるように乾燥することが好ましい。
(定着部)
定着部18は、定着ドラム84、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88及びインラインセンサ90で構成される。第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88及びインラインセンサ90は、定着ドラム84の周面に対向する位置に配置され、定着ドラム84の回転方向の上流側から順に配置される。
定着ドラム84は、その外周面に記録媒体22を保持して回転搬送させるドラムであり、回転駆動される。また、定着ドラム84は、その外周面に爪形状の保持手段を備え、この保持手段によって記録媒体22の先端を保持できるようになっている。記録媒体22は、保持手段によって先端が保持された状態で定着ドラム84を回転させることによって、回転搬送される。その際、記録媒体22の記録面が外側を向くようにして搬送され、この記録面に対して、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88による定着処理と、インラインセンサ90による検査が行われる。
第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88は、乾燥させたインクを加熱・加圧することによってインク中の自己分散性ポリマー微粒子を溶着し、インクを被膜化させるためのローラ部材であり、記録媒体22を加圧・加熱するように構成される。具体的には、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88はそれぞれ、定着ドラム84に対して所定の圧力(たとえば0.3MPa)で圧接するように配置されており、定着ドラム84との間でニップローラを構成するようになっている。これにより、記録媒体22は、第1の定着ローラ86と定着ドラム84との間、及び、第2の定着ローラ88と定着ドラム84との間に挟まれ、所定のニップ圧(たとえば0.3MPa)でニップされ、定着処理が行われる。
なお、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88と、定着ドラム84との一方の表面に弾性層を形成し、記録媒体22に対して均一なニップ幅を持つ構成とするとよい。たとえば、第1の定着ローラ86の表面と第2の定着ローラ88の表面を二層構成とし、さらに、表層側の第1層を離型性素材で構成し、第2層(内側の層)をゴム弾性体素材で構成することが好ましい。第1層を離型性素材とすることによって、ローラが汚れにくくなり、ローラのクリーニング負荷を低減させることができる。また、第2層は、ゴム硬度50°以下のゴム弾性体を用いることが好ましい。第2層を硬度50°以下のゴム弾性体とすることによって、記録媒体22をニップする時間を稼ぐことができ、高速記録での被膜化に有利になる。また、第2層を硬度50°以下とすることによって、記録媒体22に接触する際の低圧化が可能になり、ローラの寿命を向上させることができる。一方、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88のローラ表面硬度が70°以下であることが好ましい。ローラの表面硬度を低くすることによって、(一定時間における)画像凹凸に対する追従性が向上し、高速記録での被膜化に有利になる。
また、第1の定着ローラ86及び第2の定着ローラ88は、熱伝導性の良いアルミなどの金属パイプ内にハロゲンランプを組み込んだ加熱ローラによって構成され、所定の温度に制御される。
上記所定の温度は、記録媒体の表面温度をTとしたとき、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たすように制御を行う。上記温度範囲を満たすことにより、定着時の状態に近い溶媒組成でのMFTを想定し、適切な定着温度に調整することが出来るため、ロールオフセットを抑えることができる。定着温度は、MFT25+10≦T≦MFT25+30(℃)とすることが好ましい。
定着温度TがMFT25より低いと、樹脂粒子が溶融しないため、インクを被膜化させることができず、耐擦過性が低下する。逆に、温度が高すぎると、定着時にロールオフセットが発生するため、好ましくない。また、記録媒体にコート層が形成されている場合は、このコート層が破壊されない温度以下で行う。コート層が破壊されると、ローラオフセットの発生、耐擦過性が低下する場合があるからである。
例えば、記録媒体に、少なくとも片面に親水性バインダーに微粒子を含有した塗工層を有する塗工紙を用いた場合は、記録媒体の温度Tを100℃より低い温度で定着を行うことが好ましい。記録媒体として塗工紙を用いると、記録媒体の加熱温度が100℃を越えると、記録媒体中の水分が急激に蒸発し、画像部および塗工紙自体の塗工層を破壊してしまいローラオフセットが発生するとともに、耐擦過性が低下してしまう。また、記録媒体中の水分量の変化に伴い、記録媒体に凹凸が発生する場合がある。
また、乾燥部の下流側に水分量測定手段83を設け、水分量を測定し、この水分量に応じて加熱手段を制御することが好ましい。本発明においては、上述したように、水溶性有機溶剤として、水より蒸気圧の低い水溶性有機溶剤を使用することが好ましい。したがって、乾燥により、水が乾燥しやすくなっており、定着時は、インクの溶媒の初期組成より、水溶性有機溶剤が多く含まれた溶媒組成となっている。したがって、本発明においては、MFT25がMFTより低いため、インクの溶媒の初期組成より、MFTを下げることができる。さらに、水分量を測定し、その水分量に応じて定着温度を制御することにより、好ましい温度範囲で、定着を行うことができ、良好な画像を形成することができる。例えば、水分量が多い場合は、MFTが高くなっているため、温度Tを高温にする必要がある。逆に、水分量が少ない場合は、MFTが低くなっているため、低温で定着を行うことができる。
なお、上記の実施形態では、第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88の2つの定着ローラを設けた構成で説明したが、画像層厚みやラテックス粒子のTg特性により、複数段設けた構成でもよい。また、定着ローラの本数は2本には限定されず、1本でもかまわない。また、定着ローラにニップされる際の記録媒体温度を制御するために、定着ローラの上流側に予備加熱用の非接触加熱ヒータ(たとえばハロゲンランプ)を設置してもかまわない。さらに、定着ドラム84の表面を制御し、記録媒体の温度Tを調整することもできる。
一方、インラインセンサ90は、記録媒体22に定着された画像について、チェックパターンや水分量、表面温度、光沢度などを計測するための計測手段であり、CCDラインセンサなどが適用される。
上記の如く構成された定着部18によれば、描画部14で打滴されたインク中のラテックス粒子が第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88によって、加圧・加熱されて溶融されるので、記録媒体22に固定定着させることができ、耐擦過性を向上させることができる。その際、定着時の記録媒体の表面温度である温度Tを、含まれている樹脂粒子のMFT25との関係で、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たすことにより、定着時の状態に近い溶媒組成でのMFTを想定し、適切な定着温度に調整することが出来るため、ローラオフセットを抑制することができる。
また、定着部18によれば、定着ドラム84が他のドラムに対して構造上分離されているので、定着部18の温度設定を、描画部14や乾燥部16と分離して自由に設定することができる。
なお、上記の定着ドラム84は、その外周面に吸引孔を設けるとともに、吸引孔から吸引を行う吸引手段を接続してもよい。これにより記録媒体22を定着ドラム84の周面に密着保持することができる。
(排出部)
図1に示すように、定着部18に続いて排出部20が設けられている。排出部20は、排出トレイ92を備えており、この排出トレイ92と定着部18の定着ドラム84との間に、これらに対接するように渡し胴94、搬送ベルト96、張架ローラ98が設けられている。記録媒体22は、渡し胴94により搬送ベルト96に送られ、排出トレイ92に排出される。
(中間搬送部)
次に、第1の中間搬送部24の構造について説明する。なお、第2の中間搬送部26、第3の中間搬送部28は、第1の中間搬送部24と同様の構成であり、その説明を省略する。
第1の中間搬送部24は、中間搬送体30を有する。中間搬送体30は、前段のドラムから記録媒体22を受け取り、回転搬送させた後、後段のドラムに受け渡すためのドラムであり、回転自在に取り付けられている。また、中間搬送体30は、不図示のモータによって回転するようになっている。
中間搬送体30の外周面には、爪形状の保持手段が90°間隔で設けられている。保持手段は、円軌跡を描きながら回転するようになっており、この保持手段の動作によって記録媒体22の先端が保持される。したがって、保持手段で記録媒体22の先端を保持した状態で中間搬送体30を回転させることによって、記録媒体22を回転搬送させることができる。なお、中間搬送体30の表面に複数の送風口を設け、この送風口からエアを吹き出すことによって、記録媒体の記録面を非接触で搬送するとよい。
第1の中間搬送部24によって搬送された記録媒体22は、後段のドラム(すなわち、描画ドラム70)に受け渡される。その際、中間搬送部24の保持手段と描画部14の保持手段を同期させることによって、記録媒体22の受け渡しが行われる。受け渡された記録媒体22は、描画ドラム70によって保持されて回転搬送される。
(インクジェットヘッドの構造)
次に、各インクジェットヘッドの構造について説明する。なお、各色に対応するインクジェットヘッド72M,72K,72C,72Yの構造は共通しているので、以下、これらを代表して符号100によってインクジェットヘッド(以下、単に「ヘッド」ともいう。)を示すものとする。
図2(a)はヘッド100の構造例を示す平面透視図であり、図2(b)はその一部の拡大図であり、図2(c)はヘッド100の他の構造例を示す平面透視図である。また、図3はインク室ユニットの立体的構成を示す断面図(図2(a)、(b)中のX−X線に沿う断面図)である。
記録媒体22上に形成されるドットピッチを高密度化するためには、ヘッド100におけるノズルピッチを高密度化する必要がある。本例のヘッド100は、図2(a)、(b)に示すように、インク吐出口であるノズル102と、各ノズル102に対応する圧力室104等からなる複数のインク室ユニット(記録素子単位としての液滴吐出素子)108を千鳥でマトリクス状に(2次元的に)配置させた構造を有し、これにより、ヘッド長手方向(記録媒体22の搬送方向と直交する方向;主走査方向)に沿って並ぶように投影される実質的なノズル間隔(投影ノズルピッチ)の高密度化を達成している。
記録媒体22の搬送方向(副走査方向)と略直交する方向(主走査方向)に記録媒体22の全幅に対応する長さにわたり1列以上のノズル列を構成する形態は本例に限定されない。例えば、図2(a)の構成に代えて、図2(c)に示すように、複数のノズル102が2次元に配列された短尺のヘッドブロック100’を千鳥状に配列して繋ぎ合わせることで長尺化することにより、全体として記録媒体22の全幅に対応する長さのノズル列を有するラインヘッドを構成してもよい。また、図示は省略するが、短尺のヘッドを一列に並べてラインヘッドを構成してもよい。
各ノズル102に対応して設けられている圧力室104は、その平面形状が概略正方形となっており、対角線上の両隅部の一方にノズル102が設けられ、他方に供給口106が設けられている。なお、圧力室104の形状は、本例に限定されず、平面形状が四角形(菱形、長方形など)、五角形、六角形その他の多角形、円形、楕円形など、多様な形態があり得る。
各圧力室104は供給口106を介して共通流路110と連通されている。共通流路110はインク供給源たるインクタンク(不図示)と連通しており、インクタンクから供給されるインクは共通流路110を介して各圧力室104に供給される。
圧力室104の一部の面(図3において天面)を構成し、且つ、共通電極と兼用される振動板112には、個別電極114を備えた圧電素子116が接合されている。個別電極114に駆動電圧を印加することによって圧電素子116が変形して圧力室104の容積が変化し、これに伴う圧力変化によりノズル102からインクが吐出される。インク吐出後、圧電素子116が元の状態に戻る際、共通流路110から供給口106を通って新しいインクが圧力室104に再充填される。
本例では、ヘッド100に設けられたノズル102から吐出させるインクの吐出力発生手段として圧電素子116を適用したが、圧力室104内にヒータを備え、ヒータの加熱による膜沸騰の圧力を利用してインクを吐出させるサーマル方式を適用することも可能である。
かかる構造を有するインク室ユニット108を図2(b)に示す如く、主走査方向に沿う行方向及び主走査方向に対して直交しない一定の角度θを有する斜めの列方向に沿って一定の配列パターンで格子状に多数配列させることにより、本例の高密度ノズルヘッドが実現されている。
即ち、主走査方向に対してある角度θの方向に沿ってインク室ユニット108を一定のピッチdで複数配列する構造により、主走査方向に並ぶように投影されたノズルのピッチPはd×cosθとなり、主走査方向については、各ノズル102が一定のピッチPで直線状に配列されたものと等価的に取り扱うことができる。このような構成により、主走査方向に並ぶように投影されるノズル列が1インチ当たり2400個(2400ノズル/インチ)におよぶ高密度のノズル構成を実現することが可能になる。
なお、本発明の実施に際してノズルの配置構造は図示の例に限定されず、副走査方向に1列のノズル列を有する配置構造など、様々なノズル配置構造を適用できる。
また、本発明の適用範囲はライン型ヘッドによる印字方式に限定されず、記録媒体22の幅方向(主走査方向)の長さに満たない短尺のヘッドを記録媒体22の幅方向に走査させて当該幅方向の印字を行い、1回の幅方向の印字が終わると記録媒体22の幅方向と直交する方向(副走査方向)に所定量だけ移動させて、次の印字領域の記録媒体22の幅方向の印字を行い、この動作を繰り返して記録媒体22の印字領域の全面にわたって印字を行うシリアル方式を適用してもよい。
(制御系の説明)
図4は、インクジェット記録装置1のシステム構成を示す要部ブロック図である。インクジェット記録装置1は、通信インターフェース120、システムコントローラ122、プリント制御部124、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、ヘッドドライバ130、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、インラインセンサ90、エンコーダ91、モータドライバ142、メモリ144、ヒータドライバ146、画像バッファメモリ148、吸引制御部149等を備えている。
通信インターフェース120は、ホストコンピュータ150から送られてくる画像データを受信するインターフェース部である。通信インターフェース120にはUSB(Universal Serial Bus)、IEEE1394、イーサネット(登録商標)、無線ネットワークなどのシリアルインターフェースやセントロニクスなどのパラレルインターフェースを適用することができる。この部分には、通信を高速化するためのバッファメモリ(不図示)を搭載してもよい。ホストコンピュータ150から送出された画像データは通信インターフェース120を介してインクジェット記録装置1に取り込まれ、一旦メモリ144に記憶される。
システムコントローラ122は、中央演算処理装置(CPU)及びその周辺回路等から構成され、所定のプログラムに従ってインクジェット記録装置1の全体を制御する制御装置として機能するとともに、各種演算を行う演算装置として機能する。即ち、システムコントローラ122は、通信インターフェース120、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、ヘッドドライバ130、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、メモリ144、モータドライバ142、ヒータドライバ146、吸引制御部149等の各部を制御し、ホストコンピュータ150との間の通信制御、メモリ144の読み書き制御等を行うとともに、搬送系のモータ152やヒータ154を制御する制御信号を生成する。
メモリ144は、通信インターフェース120を介して入力された画像を一旦格納する記憶手段であり、システムコントローラ122を通じてデータの読み書きが行われる。メモリ144は、半導体素子からなるメモリに限らず、ハードディスクなど磁気媒体を用いてもよい。
ROM145には、システムコントローラ122のCPUが実行するプログラム及び制御に必要な各種データなどが格納されている。なお、ROM145は、書換不能な記憶手段であってもよいし、EEPROMのような書換可能な記憶手段であってもよい。メモリ144は、画像データの一時記憶領域として利用されるとともに、プログラムの展開領域及びCPUの演算作業領域としても利用される。
モータドライバ142は、システムコントローラ122からの指示にしたがってモータ152を駆動するドライバである。図4には、装置内の各部に配置されるモータを代表して符号152で図示されている。例えば、図4に示すモータ152には、図1の渡し胴52、処理液ドラム54、描画ドラム70、乾燥ドラム76、定着ドラム84、渡し胴94などの回転を駆動するモータ、描画ドラム70の吸引孔から負圧吸引するためのポンプ75の駆動モータ、インクジェットヘッド72M,72C,72Y,72Kのヘッドユニットの退避機構のモータ、などが含まれている。
ヒータドライバ146は、システムコントローラ122からの指示にしたがって、ヒータ154を駆動するドライバである。図4には、インクジェット記録装置1に備えられる複数のヒータを代表して符号154で図示されている。例えば、図4に示すヒータ154には、給紙部10において記録媒体22を予め適温に加熱しておくための不図示のプレヒータ、などが含まれている。
プリント制御部124は、システムコントローラ122の制御にしたがい、メモリ144内の画像データから印字制御用の信号を生成するための各種加工、補正などの処理を行う信号処理機能を有し、生成した印字データ(ドットデータ)をヘッドドライバ130に供給する制御部である。プリント制御部124において所要の信号処理が施され、該画像データに基づいて、ヘッドドライバ130を介してインクジェットヘッド100のインク液滴の吐出量や吐出タイミングの制御が行われる。これにより、所望のドットサイズやドット配置が実現される。
プリント制御部124には画像バッファメモリ148が備えられており、プリント制御部124における画像データ処理時に画像データやパラメータなどのデータが画像バッファメモリ148に一時的に格納される。なお、図4において画像バッファメモリ148はプリント制御部124に付随する態様で示されているが、メモリ144と兼用することも可能である。また、プリント制御部124とシステムコントローラ122とを統合して1つのプロセッサで構成する態様も可能である。
ヘッドドライバ130は、プリント制御部124から与えられる印字データ(即ち、画像バッファメモリ148に記憶されたドットデータ)に基づき、インクジェットヘッド100の各ノズル102に対応する圧電素子116を駆動するための駆動信号を出力する。ヘッドドライバ130にはヘッドの駆動条件を一定に保つためのフィードバック制御系を含んでいてもよい。
ヘッドドライバ130から出力された駆動信号がインクジェットヘッド100に加えられることによって、該当するノズル102からインクが吐出される。記録媒体22を所定の速度で搬送しながらインクジェットヘッド100からのインク吐出を制御することにより、記録媒体22上に画像が形成される。
また、システムコントローラ122は、処理液付与制御部126、第1中間搬送制御部128、第2中間搬送制御部132、乾燥制御部134、第3中間搬送制御部136、定着制御部138、吸引制御部149を制御する。
定着制御部138はシステムコントローラ122の指示にしたがい、定着部18の第1の定着ローラ86、第2の定着ローラ88の動作を制御する。具体的には、ROM145内に、インク中に含まれる樹脂粒子、水溶性有機溶剤および該樹脂粒子と水溶性有機溶剤を用いたMFT25の数値を記憶させておき、樹脂粒子、水溶性有機溶剤を入力させることにより、第1の定着ローラ86および第2の定着ローラ88の温度を決定することができる。また、水分量測定手段83により、記録媒体に付与されたインクの乾燥後の水分量を取り込み、この水分量に基づいて、第1の定着ローラ86および第2の定着ローラ88の温度を決定することができる。また、用いられる記録媒体により、定着温度が異なるため、記録媒体についても、パソコン(不図示)などにより、入力しておくことが好ましい。
[記録媒体]
本発明で用いられる記録は特に限定されず、様々な種類の記録媒体を用いることができる。
たとえば、市販の板紙、キャストコート紙、アート紙、上質紙、コピー用紙、再生紙、合成紙、中質紙、感圧紙、エンボス紙、等のグロスあるいはマット紙が好適に使用され、インクジェット専用紙も使用できる。また樹脂フィルムや金属蒸着フォルム等も使用可能である。
塗工紙として、好適に使用可能な支持体としては、例えば、LBKP、NBKP等の化学パルプ;GP、PGW、RMP、TMP、CTMP、CMP、CGP等の機械パルプ;DIP等の古紙パルプなどの木材パルプと、顔料とを主成分とし、バインダー、さらにサイズ剤、定着剤、歩留まり向上剤、カチオン化剤、紙力増強剤等の各種添加剤を1種以上混合し、長網抄紙機、円網抄紙機、ツインワイヤー抄紙機等の各種装置を使用して製造される原紙、さらに澱粉、ポリビニルアルコール等を用いてなるサイズプレスやアンカーコート層を設けた原紙、あるいはこれらのサイズプレスやアンカーコート層の上にコート層を設けてなるアート紙、コート紙、キャストコート紙等の塗工紙などが挙げられる。
これらの原紙あるいは塗工紙をそのまま使用してもよいし、例えばマシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等の装置を使用してカレンダー処理を行ない、平坦化をコントロールした状態で使用してもよい。
支持体の坪量は、通常、40〜300g/m2程度であるが、特に制限されるものではない。本発明で用いられるコート紙は、上記のような支持体上に、コート層を塗設する。コート層は顔料およびバインダーを主成分とする塗被組成物から構成されるものであり、支持体上に少なくとも1層塗設される。
前記顔料としては、白色顔料を好適に使用することができる。このような白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成非晶質シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ、コロイダルアルミナ、擬ベーマイト、水酸化アルミニウム、リトポン、ゼオライト、加水ハロイサイト、水酸化マグネシウム等の無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等の有機顔料が挙げられる。
前記バインダーとしては、例えば、酸化澱粉、エーテル化澱粉、リン酸エステル化澱粉等の澱粉誘導体;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体;カゼイン、ゼラチン、大豆蛋白、ポリビニルアルコールまたはその誘導体;各種鹸化度のポリビニルアルコール又はそのシラノール変性物、カルボキシル化物、カチオン化物等の各種誘導体;ポリビニルピロリドン、無水マレイン酸樹脂、スチレン−ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート−ブタジエン共重合体等の共役ジエン系共重合体ラテックス;アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルの重合体又は共重合体等のアクリル系重合体ラテックス;エチレン酢酸ビニル共重合体等のビニル系重合体ラテックス;或はこれら各種重合体のカルボキシ基等の官能基含有単量体による官能基変性重合体ラテックス;メラミン樹脂、尿素樹脂等の熱硬化性合成樹脂等の水性接着剤;ポリメチルメタクリレート等のアクリル;酸エステル;メタクリル酸エステルの重合体又は共重合体樹脂;ポリウレタン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルブチラール、アルキッド樹脂等の合成樹脂系接着剤等を挙げることができる。コート層の顔料とバインダーとの配合割合は、顔料100重量部に対し、バインダーが3〜70重量部、好ましくは5〜50重量部である。顔料100重量部に対するバインダーの配合割合が3重量部未満であると、そのような塗被組成物からなるインク受理層の塗膜強度が不足することがある。一方、この配合割合が70重量部を超えると、高沸点溶媒の吸収が極端に遅くなる。
更に、コート層には、例えば、染料定着剤、顔料分散剤、増粘剤、流動性改良剤、消泡剤、抑泡剤、離型剤、発泡剤、浸透剤、着色染料、着色顔料、螢光増白剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、防バイ剤、耐水化剤、湿潤紙力増強剤、乾燥紙力増強剤などの各種添加剤を適宜配合することができる。
インク受理層の塗工量は、要求される光沢、インク吸収性、支持体の種類等により異なるので一概には言えないが、通常は1g/m2以上である。また、インク受理層はある一定の塗工量を2度に分けて塗設してもよい。このように2度に分けて塗設すると、同塗工量を1度に塗設する場合に比較して光沢が向上する。
コート層の塗設は、例えば、各種ブレードコータ、ロールコータ、エアーナイフコータ、バーコータ、ロッドブレードコータ、カーテンコータ、ショートドウェルコータ、サイズプレス等の各種装置をオンマシン或いはオフマシンで使用して行なうことができる。また、コート層の塗設後に、たとえばマシンカレンダー、TGカレンダー、ソフトカレンダー等のカレンダー装置を使用してインク受理層の平坦化仕上げを行なってもよい。尚、コート層の層数は、必要に応じて適宜に決定することができる。
コート紙としてはアート紙、上質コート紙、中質コート紙、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙、微塗工印刷用紙があり、コート層の塗設量はアート紙で両面40g/m前後、上質コート紙、中質コート紙で両面20g/m前後、上質軽量コート紙、中質軽量コート紙では両面15g/m前後であり、微塗工印刷用紙は両面12g/m以下である。アート紙の例としては特菱アートなどが挙げられ、上質コート紙としてはユーライト、アート紙としては特菱アート(三菱製紙社製)、サテン金藤(王子製紙社製)、等が挙げられ、コート紙としてはOKトップコート(王子製紙社性)、オーロラコート(日本製紙社製)、リサイクルコートT−6(日本製紙社製)が挙げられ、軽量コートとしてはユーライト(日本製紙社製)、ニューVマット(三菱製紙社製)、ニューエイジ(王子製紙社製)、リサイクルマットT−6(日本製紙社製)、ピズム(日本製紙社製)が挙げられる。微塗工印刷用紙としてはオーロラL(日本製紙社製)、キンマリHi−L(北越製紙社製)などが挙げられる。更に、キャストコート紙としてはSA金藤プラス(王子製紙社製)、ハイマッキンレーアート(五條製紙社製)等が挙げられる。
上述したように、記録媒体の種類により加熱・加圧定着の温度を、用いる記録媒体の種類により決定することが好ましい。
次に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
<水性インクの調整>
樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(いずれも東ソー(株)製の商品名)を用いて3本直列につなぎ、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.35/min、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、IR検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
(ポリマー分散剤P−1の合成)
下記スキームにしたがって、以下に示すようにポリマー分散剤P−1を合成した。
Figure 2010208108
攪拌機、冷却管を備えた1000mlの三口フラスコにメチルエチルケトン88gを加えて窒素雰囲気下で72℃に加熱し、ここにメチルエチルケトン50gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.85g、ベンジルメタクリレート60g、メタクリル酸10g、及びメチルメタクリレート30gを溶解した溶液を3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに1時間反応した後、メチルエチルケトン2gにジメチル2,2’−アゾビスイソブチレート0.42gを溶解した溶液を加え、78℃に昇温して4時間加熱した。得られた反応溶液は大過剰量のヘキサンに2回再沈殿し、析出した樹脂を乾燥し、ポリマー分散剤P−1を96g得た。得られた樹脂の組成は、H−NMRで確認し、GPCより求めた重量平均分子量(Mw)は44,600であった。さらに、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により酸価を求めたところ、65.2mgKOH/gであった。
(樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調整)
ピグメント・ブルー15:3(フタロシアニンブル−A220、大日精化株式会社製;シアン顔料)10部と、前記ポリマー分散剤P−1を5部と、メチルエチルケトン42部と、1規定NaOH水溶液5.5部と、イオン交換水87.2部とを混合し、ビーズミルにより0.1mmφジルコニアビーズを用いて2〜6時間分散した。
得られた分散物を減圧下、55℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した後、更に、高速遠心冷却機7550(久保田製作所製)を用いて、50mL遠心菅を使用し、8000rpmで30分間遠心処理を行ない、沈殿物以外の上澄み液を回収した。その後、吸光度スペクトルから顔料濃度を求め、顔料濃度が10.2質量%の樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物Cを得た。
(樹脂被覆顔料粒子の分散物Mの調整)
樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製において、ピグメント・ブルー15:3(シアン顔料)の代わりに、ピグメント・レッド122(マゼンタ顔料)を用いた以外は、樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物Mを調製した。
(樹脂被覆顔料粒子の分散物Yの調整)
樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製において、ピグメント・ブルー15:3(シアン顔料)の代わりに、ピグメント・イエロー74(イエロー顔料)を用いたこと以外は、樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物Yを調製した。
(樹脂被覆顔料粒子の分散物Kの調整)
樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製において、ピグメント・ブルー15:3(シアン顔料)の代わりに、カーボンブラック(デグッサ社製のNIPEX160-IQ;黒色顔料)を用いたこと以外は、樹脂被覆顔料粒子の分散物Cの調製と同様にして、樹脂被覆顔料粒子(ポリマー分散剤で被覆された顔料)の分散物Kを調製した。
(自己分散性ポリマー微粒子の調整)
[合成例1]
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン560.0gを仕込んで、反応容器外温度87℃まで昇温した。反応容器内は還流状態を保ちながら(以下、反応終了まで還流)、メチルメタクリレート87.0g、「FA−513M」(日立化成工業(株)社製)406.0g、「PME−100」(日油(株)社製)29.0g、メタクリル酸58.0g、メチルエチルケトン108g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)2.32gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、1時間攪拌後、(1)「V−601」1.16g、メチルエチルケトン6.4gからなる溶液を加え、2時間攪拌を行った。続いて、(1)の工程を4回繰り返し、さらに「V−601」1.16g、メチルエチルケトン6.4gからなる溶液を加えて3時間攪拌を続け、メチルメタクリレート/FA−513M/PME−100/メタクリル酸(=15/70/5/10[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は65000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出、使用カラムはTSKgel SuperHZM−H、TSKgel SuperHZ4000、TSKgel SuperHZ200(東ソー社製))であった。
次に、得られた重合溶液291.5g(固形分濃度44.6%)を秤量し、イソプロパノール82.5g、1モル/LのNaOH水溶液73.92gを加え、反応容器内温度を87℃に昇温した。次に蒸留水352gを10ml/minの速度で滴下し、水分散化せしめた。その後、大気圧下にて反応容器内温度87℃で1時間、91℃で1時間、95℃で30分保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、蒸留水を合計で309.4g留去し、固形分濃度26.5%の自己分散ポリマーA−01の水性分散物を得た。
得られたA−01の水分散物のMFT、及び自己分散ポリマー微粒子(A−01)のMFT25について測定を行った。測定値は図5、6に示す。
[合成例2]
攪拌機、温度計、還流冷却管、及び窒素ガス導入管を備えた2リットル三口フラスコに、メチルエチルケトン360.0gを仕込んで、75℃まで昇温した。これにメチルメタクリレート180g、メトキシエチルアクリレート32.4g、ベンジルメタクリレート126.0g、メタクリル酸21.6g、メチルエチルケトン72g、及び「V−601」(和光純薬(株)製)1.44gからなる混合溶液を、2時間で滴下が完了するように等速で滴下した。滴下完了後、「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した後、さらに「V−601」0.72g及びメチルエチルケトン36.0gからなる溶液を加え、75℃で2時間攪拌した。その後、85℃に昇温してさらに2時間攪拌を続け、メチルメタクリレート/メトキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=50/9/35/6[質量比])共重合体の樹脂溶液を得た。
得られた共重合体の重量平均分子量(Mw)は、66,000(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によりポリスチレン換算で算出)であった。
次に、得られた樹脂溶液668.3gを秤量し、これにイソプロパノール388.3g及び1モル/LのNaOH水溶液145.7mlを加え、反応容器内温度を80℃に昇温した。次に、蒸留水720.1gを20ml/minの速度で滴下し、水分散化した。その後、大気圧下にて反応容器内温度80℃で2時間、85℃で2時間、90℃で2時間保った後、反応容器内を減圧にし、イソプロパノール、メチルエチルケトン、及び蒸留水を合計で913.7g留去し、固形分濃度28.0%の自己分散ポリマー微粒子(B−01)の水分散物を得た。
[合成例3]
前記合成例1の自己分散性ポリマー微粒子(A−01)の合成において、メチルメタクリレート、FA−513M、PME−100及びメタクリル酸の割合を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、メチルメタクリレート/FA−513M/PME−100/メタクリル酸(=20/62/10/8[質量比])共重合体の樹脂溶液を得ると共に、固形分濃度28.0%の自己分散ポリマー微粒子(A−02)の水分散物を得た。
[合成例4]
前記合成例1の自己分散性ポリマー微粒子(A−01)の合成において、メチルメタクリレート、FA−513M、PME−100及びメタクリル酸の割合を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、メチルメタクリレート/FA−513M/PME−100/メタクリル酸(=54/35/5/6[質量比])共重合体の樹脂溶液を得ると共に、固形分濃度28.0%の自己分散ポリマー微粒子(A−03)の水分散物を得た。
[合成例5]
前記合成例2の自己分散性ポリマー微粒子(B−01)の合成において、メチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、ベンジルメタクリレート、及びメタクリル酸の割合を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、メチルメタクリレート/メトキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=39/20/35/6[質量比])共重合体の樹脂溶液を得ると共に、固形分濃度28.0%の自己分散ポリマー微粒子(B−02)の水分散物を得た。
[合成例6]
前記合成例2の自己分散性ポリマー微粒子(B−01)の合成において、メチルメタクリレート、メトキシエチルアクリレート、ベンジルメタクリレート、及びメタクリル酸の割合を変更したこと以外は、合成例1と同様にして、メチルメタクリレート/メトキシエチルアクリレート/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸(=44/15/35/6[質量比])共重合体の樹脂溶液を得ると共に、固形分濃度28.0%の自己分散ポリマー微粒子(B−03)の水分散物を得た。
(水性インクの調整)
上記で得られた顔料粒子の分散物(シアンの分散物C、マゼンタの分散物M、イエローの分散物Y、ブラックの分散物K)、自己分散性ポリマー微粒子の分散物を用いて、下記のインク組成となるように各成分を混合し、各色の水性インクを調液した。得られた水性インクは、プラスチック製のディスポーザブルシリンジに詰め、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)製の孔径5μmフィルタ(ミリポア社製のMillex−SV、直径25mm)にて濾過して完成インクとした。
[シアンインクC−1の組成]
・シアン顔料(ピグメント・ブルー15:3) :4質量%
・前記ポリマー分散剤P−1(固形分) :2質量%
・前記自己分散性ポリマー微粒子A−01の水分散物 :4質量%
・サンニックスGP250(三洋化成工業社製) :10質量%
・トリプロピレングリコールモノエチルエーテル(TPGmME) :6質量%
(和光純薬社製、水溶性有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) :1質量%
・イオン交換水 :73質量%
なお、図5、6中に示すインク中に含まれる上記以外の溶剤の詳細は、以下の通りである。
・GP400:サンニックスGP400(三洋化成工業社製)
・TEGmBE:トリエチレングリコールモノブチルエーテル(和光純薬工業社製)
[その他シアンインクCの組成]
前記インクC−1の組成中の自己分散ポリマー微粒子A−01の水分散物および水溶性有機溶剤を、図5、6に示す溶剤に変えた以外は、シアンインクC−1と同様の組成とした。
[マゼンタインクM−1の組成]
前記インクC−1の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにマゼンタ顔料(ピグメント・レッド122)に変えた以外は、シアンインクC−1と同様の組成とした。
[イエローインクY−1の組成]
前記インクC−1の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにイエロー顔料(ピグメント・イエロー74)に変えた以外は、シアンインクC−1と同様の組成とした。
[ブラックインクK−1の組成]
前記インクC−1の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにブラック顔料(カーボンブラック)に変えた以外は、シアンインクC−1と同様の組成とした。
<処理液の調整>
下記組成となるように各成分を混合し、処理液を調整した。処理液の物性値は、粘度:3.8mpa・s、表面張力:37.5mN/m、pH(25±1℃):1.2であった。
・マロン酸(2価のカルボン酸、凝集剤、和光純薬工業社製) :25.0質量%
・サンニックスGP250(三洋化成工業社製、親水性有機溶剤) :20.0質量%
・N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム(界面活性剤) : 1.0質量%
・イオン交換水 :54.0質量%
上記において、表面張力の測定は、Automatic Surface Tensiometer CBVP-Z(協和界面科学(株)製)を用いて、白金プレートを用いたウィルヘルミ法にて25℃の条件下で行なった。粘度の測定は、VISCOMETER TV-22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて30℃の条件下で行なった。また、pHの測定は、東亜DKK(株)製のpHメータWM−50EGを用い、水性インクを原液のまま25℃±1℃にて行なった。
<画像記録および評価>
図1に示すインクジェット記録装置、上記インク、処理液を用いて画像の記録を実施した。記録媒体としては、上質紙(しらおい)、および、両面に親水性バインダーに微粒子を含有した塗工層を有する塗工紙(特菱アート)を用いた。各種インクで形成した画像を定着した際の、定着温度(定着した際の記録媒体の到達温度)に対する、ローラオフセット、耐擦過性、ブロッキングの評価を行った。
≪ローラオフセット≫
シアン顔料インクCのベタ画像を記録し、定着した際のベタ画像及び定着ローラ表面にオフセットしたインクをテープ剥離によって、下記の基準にしたがって、目視評価した。
A:定着ローラへの転写は全くなかった。
B:定着ローラへの転写は多少見られるが、ベタ画像上では目立たなく、実用上許容レベルであった。
C:定着ローラへの転写が顕著で、実用上問題のあるレベルであった。
≪耐擦過性≫
シアン顔料インクCのベタ画像が記録された記録媒体の2cm四方のベタ部を印字直後、記録していない記録媒体(記録に用いたものと同じ記録媒体(以下、本評価において未使用サンプルという。)を重ねて荷重200kg/mをかけて10往復擦り、未使用サンプルの白地部分へのインクの転写度合いを目視で観察し、下記の基準にしたがって評価した。
A:インクの転写は全くなかった。
B:インクの転写が多少見られ、実用上許容限界レベルであった。
C:インクの転写が顕著で、実用上問題のあるレベルであった。
≪耐ブロッキング性≫
マゼンタ顔料インクMによるベタ画像上にシアン顔料インクCをベタ記録したときの均一画像部を3.5cm×4cmのサイズに裁断し、10cm×10cmのアクリル板の上に印字面を上方に向けて評価サンプルを載せた。更にこの評価サンプルの上に重ねて同じ様に印字したサンプルを画像部同士を重ねた上に、更に10cm×10cmのアクリル板を載せ、60℃、40%RHの環境条件下で10時間放置した。放置後、最上部のアクリル板の上に1kgの分銅を載せて更に24時間放置した(加重700kg/mに相当)。更に、25℃、50%RHの環境条件下で2時間保管した後、評価サンプルを剥がした。このときの剥がれ易さ及び剥がした後の色移りを目視で観察し、下記の基準にしたがって評価した。
A:自然に剥がれ、互いの紙への色移りもみられなかった。
B:くっつきが生じ、互いの紙への色移りが多少みられたが、実用上許容限界レベルであった。
C:くっつきが強く、互いの紙へ多く色移りし、実用上問題のあるレベルであった。
記録媒体に上質紙を用いた結果を図5に、塗工紙を用いた結果を図6に示す。記録媒体に上質紙を用いた試験例1−1〜11−1では、上質紙に形成した画像を定着する場合、定着温度Tを、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)の範囲で定着することによって、ローラオフセットを発生することなく、耐擦過性および耐ブロッキング性の良好な画像を形成することができた。一方、MFTが60℃以下の樹脂粒子を用いた試験例12においては、耐ブロッキング性を満足することができなかった。
また、記録媒体に塗工紙を用いた試験例1−2〜11−2は、塗工紙に形成した画像を定着する場合、定着温度TをMFT25≦T≦MFT25+50(℃)の範囲とし、かつ、100℃以下の定着温度で定着することによって、ローラオフセットを発生することなく、耐擦過性および耐ブロッキング性の良好な画像を形成することができた。
塗工紙を用いた場合に、定着温度が100℃を越えてしまうと、塗工紙中の水分が急激に蒸発し、画像部および紙自体の塗工層を破壊してしまうため、ローラオフセットおよび耐擦過性が低下してしまった。
1…インクジェット記録装置、10…給紙部、12…処理液付与部、14…描画部、16…乾燥部、18…定着部、20…排出部、22…記録媒体、24…第1の中間搬送部、26…第2の中間搬送部、28…第3の中間搬送部、30…中間搬送体、70…描画ドラム、72M,72C,72Y,72K…インクジェットヘッド、76…乾燥ドラム、84…定着ドラム、86…第1の定着ローラ、88…第2の定着ローラ

Claims (15)

  1. 少なくとも顔料、水溶性有機溶剤、樹脂粒子および水を含むインクを用いて記録媒体上に画像を形成する描画手段と、
    前記画像が形成された面と接触させ、加熱・加圧を行い、該画像の定着を行う定着手段と、を備え、
    前記樹脂粒子の水分散物の最低造膜温度(MFT)が、60℃以上であり、かつ、該樹脂粒子に対して25質量%の量の水溶性有機溶剤と、水と、を混合した混合液の該樹脂粒子の分散物の最低造膜温度(MFT25)より高く、
    前記定着手段の前記記録媒体の温度をTとしたとき、前記樹脂粒子の混合液分散物の最低造膜温度(MFT25)が、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たし、かつ、該記録媒体にコート層が形成されている場合、該コート層が破壊されない温度以下に該記録媒体の温度Tを制御する制御手段を備えることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記記録媒体は、少なくとも片面に親水性バインダーに微粒子を含有した塗工層を有する塗工紙であり、
    前記定着手段の前記記録媒体の温度Tが、T<100(℃)を満たすように該記録媒体の温度を制御する制御手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記描画手段が、インクジェットによる打滴であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
  4. 前記記録媒体の搬送方向に対して、前記描画手段の下流側に、前記インクを乾燥する乾燥手段を備えることを特徴とする請求項1から3いずれか1項に記載の画像形成装置。
  5. 前記記録媒体の搬送方向に対して、前記乾燥手段の下流側に、該記録媒体上に打滴されたインクの水分量を測定する水分量測定手段を備え、
    前記制御手段は、前記水分量に応じて加熱温度を制御することを特徴とする請求項4に記載の画像形成装置。
  6. 前記記録媒体の搬送方向に対して、前記描画手段の上流側に、前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を該記録媒体上に付与する処理液付与手段と、
    前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥手段と、を備えることを特徴とする請求項1から5いずれか1項に記載の画像形成装置。
  7. 前記水溶性有機溶剤の含有量が前記インク中の5質量%以上30質量%以下であることを特徴とする請求項1から6いずれか1項に記載の画像形成装置。
  8. 前記水溶性有機溶剤は、アルキレンオキシアルコールおよびアルキレンオキシアルキルエーテルから選ばれる1種であることを特徴とする請求項1から7いずれか1項に記載の画像形成装置。
  9. 前記水溶性有機溶剤の蒸気圧は、水の蒸気圧より低いことを特徴とする請求項1から8いずれか1項に記載の画像形成装置。
  10. 少なくとも顔料、水溶性有機溶剤、樹脂粒子および水を含むインクを用いて記録媒体上に画像を形成するインク描画工程と、
    前記画像が形成された面と接触させ、加熱・加圧を行い、該画像の定着を行う定着工程と、を有し、
    前記樹脂粒子の水分散物の最低造膜温度(MFT)が、60℃以上であり、かつ、該樹脂粒子に対して25質量%の量の水溶性有機溶剤と、水と、を混合した混合液の該樹脂粒子の分散物の最低造膜温度(MFT25)より高く、
    前記定着工程の前記記録媒体の温度をTとしたとき、前記樹脂粒子の混合液分散物の最低造膜温度(MFT25)が、MFT25≦T≦MFT25+50(℃)を満たし、かつ、該記録媒体にコート層が形成されている場合、該コート層が破壊されない温度以下に該記録媒体の温度Tを制御することを特徴とする画像形成方法。
  11. 前記記録媒体は、少なくとも片面に親水性バインダーに微粒子を含有した塗工層を有する塗工紙であり、
    前記定着工程の前記記録媒体の温度Tが、T<100(℃)を満たすように該記録媒体の温度を制御することを特徴とする請求項10に記載の画像形成方法。
  12. 前記描画工程が、インクジェットによる打滴であることを特徴とする請求項10または11に記載の画像形成方法。
  13. 前記描画工程後に、前記インクを乾燥させる乾燥工程を有することを特徴とする請求項10から12いずれか1項に記載の画像形成方法。
  14. 前記乾燥工程後に、前記記録媒体上に打滴された前記インクの水分量を測定する水分量測定工程を有し、
    前記水分量に応じて、前記定着工程の加熱温度を制御することを特徴とする請求項13に記載の画像形成方法。
  15. 前記描画工程の前に、前記インク中の顔料と反応する成分を含有する処理液を前記記録媒体上に付与する処理液付与工程と、
    前記記録媒体上に付与された前記処理液中の溶媒を乾燥させる処理液乾燥工程と、を有することを特徴とする請求項10から14いずれか1項に記載の画像形成方法。
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