JP2010206234A - ステンシルマスクの製造方法及びそのパターン転写方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】基体と、この基体により支持されたマスク母体とを備え、マスク母体に荷電粒子線が透過する透過孔パターンを有するステンシルマスクにおいて、薄膜化及び応力調整が容易であるとともに、電子線照射耐性に優れた電子線露光用のステンシルマスクを得るために好適で、かつ製造プロセスが簡便かつ歩留まりよく、パターン位置精度の高いステンシルマスク、その製造方法、およびそのパターン転写方法を提供する。
【解決手段】基体と、この基体により支持されたマスク母体と、該マスク母体の基体側の少なくとも一部にカーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜のいずれかよりなるマスク母体下地層を備え、前記マスク母体下地層が、ダイヤモンド膜又はダイヤモンドライクカーボン膜の場合、不純物として、硼素、硫黄、窒素、リン、シリコンから少なくとも1種がドーピングされたステンシルマスク。
【選択図】図1
【解決手段】基体と、この基体により支持されたマスク母体と、該マスク母体の基体側の少なくとも一部にカーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜のいずれかよりなるマスク母体下地層を備え、前記マスク母体下地層が、ダイヤモンド膜又はダイヤモンドライクカーボン膜の場合、不純物として、硼素、硫黄、窒素、リン、シリコンから少なくとも1種がドーピングされたステンシルマスク。
【選択図】図1
Description
本発明は、電子線やイオンビームなどの荷電粒子線露光に用いられるステンシルマスク及びその製造方法及びそのパターン転写方法に関する。
近年、半導体素子の微細化が急速に進んでいる。そのような微細パターンを有する素子の製造技術として、様々な露光技術が開発されている。例えば、電子線部分一括露光や電子線ステッパー露光のような電子線を用いる露光法、イオンを用いる露光法、真空紫外域の光を用いる露光法、極紫外域の光を用いる露光法等がある。
これらのうち、電子線を用いる露光法の一つとして、電子線ステッパを用いて縮小露光する方法が提案されている(例えば、非特許文献1参照)。この方法では、20〜100kV程度の加速電圧で加速した高速電子を、電子線マスク及び電子レンズを用いて、通常1/4に縮小露光し、半導体回路等の所望のパターンを形成する。ここで用いられる電子線マスクとしては、メンブレンマスク及びステンシルマスクがそれぞれ提案されている。
メンブレンマスクは、電子線を透過しやすい軽元素からなる薄膜(以下メンブレン薄膜と記す)と、この上に形成された、電子線を散乱しやすい重金属からなる散乱層パターンから構成される。例えば、メンブレン薄膜の材料としては窒化シリコン膜、散乱層材料としてはタングステン薄膜が用いられる。
メンブレンマスクでは、電子線露光部にメンブレン薄膜が介在するために、メンブレン薄膜の材料として軽元素を用い、かつその膜厚を薄くしても、無散乱電子の割合は小さい。さらに、弾性散乱により角度を変えた電子は、その殆どが制限アパーチャでカットされるため、ビーム電流の損失も大きい。また、制限アパーチャを透過し、露光に寄与する電子も、一部がプラズモン励起等の非弾性散乱によりエネルギーを失ってしまう。その結果、露光電子のエネルギー分散が大きくなり、すなわち色収差により解像度が低下する。この色収差を低減するためには、収束角を小さくすることが有効であるが、反面、クーロン効果が大きくなり、やはりビーム電流が制限される。
一方、ステンシルマスクは、メンブレン薄膜を持たず、露光部には貫通孔が設けられている。散乱層としては、通常、単結晶シリコンが用いられ、その厚みは通常2μm程度である。
このようなステンシルマスクでは、マスク自体に電子線が通過できる貫通孔が設けられ、露光電子が開口部を自由に通過できるため、電子線のエネルギー損失がない。したがって、メンブレンマスクと比較して、色収差による解像度の低下がない。
しかし、電子線が通過する部分は完全に貫通しているため、開口パターンが閉じていると、その内側のマスク部材が欠落してしまう。これを避けるために、パターンを2つ以上の相補マスクに分割することが必要となる。例えば、ドーナツ状のパターンの場合、2つの半円に分割してそれぞれの相補マスクに分割し、それぞれの相補マスクに配置し、2度露光することによりウェハ上にパターンを完成させることが出来る。
また、大きなマスク部材を小さな支持部で支えているような機械的強度に問題のあるパターンについても、マスク部材を分割する必要がある。このように、ステンシルマスクにおいては、マスク分割によって露光回数が倍増するため、スループットが犠牲になる。
最近、ステンシルマスクを適用し、低エネルギー電子線を用いて等倍露光を行うLEEPL(Low energy electron−beam proximity projection lithography)法が、特許文献1において開示されている。この方法では、従来の電子線を用いる露光法に比べて、電子線の加速電圧が2kVと小さく、すなわち低エネルギーの電子線を用いるという特徴を有する。このような方法では、レンズ系やビーム電流が小さいため、近接効果の影響を受けず、さらにクーロン効果も小さいため、解像度の低下が少ない。また、このような低エネルギー電子線を用いる露光機では、装置コストが安く、かつ、高スループットの半導体露光装置が実現できるという特徴を有する。
LEEPLでは、パターン成形のために透過孔が形成されたステンシルマスクが用いられる。このステンシルマスクと転写されるウェハーの間は40μm程度の微小なギャップに保たれ、クーロン効果の影響が生じない近接転写により、電子線が露光される。ステンシルマスクは、ウェハーに近接する必要があるため、LEEPLでは電子線はマスク基体側から露光される。LEEPLに用いられるステンシルマスクにおいては、マスクパターンの加工精度が特に重要である。特に、マスクの膜厚とマスクパターンの線幅(電子ビームの透過孔の径)との比であるアスペクト比が問題となる。マスクパターンは、ドライエッチングにより加工されるが、アスペクト比は、通常、10程度である。従って、例えば、線幅100nmのパターンを形成するには、マスクの膜厚は、1μm程度が限界となる。
そこで、上述の特許文献1では、単結晶シリコンからなるステンシルマスクにおいて、厚さ0.2μm〜1.0μmとすることが開示されている。しかし、この特許公報には、このような単結晶シリコンからなるステンシルマスクの製造方法については、何ら記載されていない。
通常、ステンシルマスクを構成する薄膜の材質として単結晶シリコンを用いる場合、薄膜を支えてマスクの平面性を維持するために、基板が必要である。この基板としては、加工性や入手の容易性の点から、単結晶シリコンが用いられている。そして、マスクブランクスとしては、エッチングにより薄膜の微細加工を行うために好適な、2枚の単結晶シリコン基板によりシリコン酸化膜を挟んだ構造のSOI(Silicon On Insulator)基板が用いられる。この時、SOI基板の中間層である酸化シリコン膜は、マスクパターンを加工する際のエッチングストッパー層として機能する。
しかし、このような方法では、単結晶シリコン基板を上述の0.2μm〜1.0μmの薄膜まで研磨することは極めて困難である。また、このような膜厚では、ステンシルマスクの製造工程において、中間層である酸化シリコン膜の強い圧縮応力により、薄膜化された単結晶シリコン基板に亀裂が入るという問題がある。
このため、酸化シリコン膜上に形成された単結晶シリコン薄膜に対し、応力調整の工程が必要となるが、そうした場合、イオンドーピング等の製造工程が増えるため、タクトタイムが長くなるという問題が生ずる。
さらに、上述したようにLEEPLでは、露光時にマスクとウェハーを近接させるため必然的に、電子線は基体側から露光される。従来のようにSOI基板をステンシルマスクのブランクスとして用いた場合、電子線が照射されるシリコン薄膜と基体が中間酸化膜を介して電気的に絶縁されている。このため、マスク母体でのチャージアップが大きな問題となっている。
次に、上記に示したような従来のステンシルマスクの一般的な製造方法について、図5(a)〜(d)を参照して説明する。
まず、図5(a)に示すようなSOI基板5Aの表面のシリコン薄膜すなわちSOI層53’上に電子線レジストを塗布し、電子線リソグラフィーによりパターンニングしマスク母体53を形成する(図5(b))。
次に、図5(c)に示すように、下地シリコン層すなわちシリコン支持基板51’を、フォトリソグラフィーにより加工し、基体51を形成する。このとき、エッチングには、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液によるウエットエッチング、もしくはフッ素あるいは塩素などのハロゲン系原料ガスを主成分としたエッチングガスによるドライエッチングが用いられる。続いて、SOI基板5Aの中間酸化膜52を剥離し中間酸化膜残層52’を作製した後、ステンシルマスクが完成する(図5(d))。
このような従来の製造方法によると、使用されるSOI基板が、単結晶シリコン基板及び単結晶シリコン薄膜が、強い圧縮応力をもちかつ応力調整が不能な中間酸化膜を介す構造であることに起因し、マスク母体となる薄膜のシリコン層の加工を先に行った後、シリコン基板を加工し基体を得るため、基板の加工により表面のシリコン薄膜が応力の解放により撓み、したがって、マスクパターンの精度の低下が避けられない。
続いて、上記に示したような従来のステンシルマスクの製造方法の別の例について、図6(a)〜(d)を参照して説明する。
まず、図6(a)に示すようなSOI基板6Aの、下地シリコン層すなわちシリコン支持基板61’を、フォトリソグラフィーにより加工し、基体61を形成する。(図6(b))このとき、基板61’のエッチングの際には、中間酸化膜62をエッチングストッパー層として利用する。またエッチングには、水酸化カリウムなどのアルカリ水溶液によるウエットエッチング、もしくはフッ素あるいは塩素などのハロゲン系原料ガスを主成分としたエッチングガスによるドライエッチングが用いられる。
次に、図6(c)に示すようにSOI基板6Aの中間酸化膜62を剥離し、中間酸化膜残層62’を作製した後、表面のシリコン薄膜すなわちSOI層63’上に電子線レジストを塗布し、電子線リソグラフィーによりパターンニングし、マスクパターンを有するマスク母体63を形成し、ステンシルマスクが完成する(図6(d))。
このような従来の製造方法によると、ステンシルマスクのパターン位置精度の向上のために、裏面のシリコン支持基板を先にエッチングし、メンブレン(以下薄膜の層と記す)を形成した後、マスク加工を行っているが、薄膜の層状態でマスクパターンを形成するため、薄膜の層状態でのプロセスが長く、また薄膜の層上へのレジストの塗布時の損傷の発生や電子線レジストの応力調整が不可欠となり、収率の低下が避けられない。なお、ここで用いたメンブレン(以下薄膜の層と記す)は、SOI層63’を指す。
S. D. Berger et.al., Applied Physics Letters,57, 153 (1990)
本発明は、このような事情の下になされ、薄膜化及び応力調整が容易であるとともに、電子線照射耐性に優れた電子線露光用のステンシルマスクを得るために好適で、かつ製造プロセスが簡便かつ歩留まりよく、パターン位置精度の高いステンシルマスク、その製造方法、およびその露光方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の請求項1に係る発明は、基体と、この基体により支持されてた、透過孔パターンを有するマスク母体と、該マスク母体の基体側の少なくとも一部にカーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜のいずれかよりなるマスク母体下地層を備えたことを特徴とするステンシルマスクである。
本発明の請求項2に係る発明は、前記マスク母体下地層が、ダイヤモンド膜又はダイヤモンドライクカーボン膜である場合に、不純物として、硼素、硫黄、窒素、リンもしくはシリコンからなる群から選ばれた少なくとも1種がドープされていることを特徴とする請求項1記載ステンシルマスクである。
このような発明によると、基体とマスク母体との界面に導電性を有する膜、すなわちマスク母体下地層が介在しているために、マスク母体に導電性がある時には、基体側から電子線が照射された場合においても、マスク母体下地層を介して電子が基体へ流れることができるため、チャージアップは生じない。
さらに、マスク母体の下地全体に渡って導電性のマスク母体下地層がある場合には、マスク母体が導電性をもたない場合においても、マスク母体下地層を伝って電子が基体に逃げるので、チャージアップを起こさない。
ダイヤモンド膜は、炭素原子のsp3混成軌道を主とした化学結合から成り立つ、単結晶または多結晶あるいはナノ結晶膜である。一方、ダイヤモンドライクカーボン膜は、同様に炭素原子のsp3混成軌道を主としているが、構造は非晶質である。しかしながら、ダイヤモンド膜に匹敵する諸物性を示すことを特徴とする膜である。したがって、これらダイヤモンド膜およびダイヤモンドライクカーボン膜は、比類のない高い硬度、ヤング率、熱伝導性をもつため、薄膜の層の状態での機械的及び熱特性に優れ、その結果、マスク母体下地層として適用することで、マスク母体の材料の特性を補強し、機械的特性および熱特性の向上を図ることができる。
このような不純物ドープにより、ダイヤモンド薄膜は不純物伝導性あるいは欠陥によるホッピング伝導性を示すようになり、導電性を付与することができる。すなわち、ステンシルマスクとして適用した際に、電子線照射によるチャージアップを回避できる。
本発明の請求項3に係る発明は、前記基体と、前記マスク母体下地層との間に、ハロゲン系プラズマ耐性を示すエッチングストッパー層を有することを特徴とする請求項1、又は2記載のステンシルマスクである。
このような発明によると、前記基体と前記マスク母体下地層との間に、基板のエッチングの際にストッパーとして機能するエッチングストッパー層を介在させることにより、マスク母体下地層の材料として、ストッパー特性は不要となり、より広範囲の材料を使用することができる。
本発明の請求項4に係る発明は、基板上に薄膜を形成し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングしてマスク母体下地層を形成する工程と、前記基板及び前記マスク母体下地層上に、物理的気相成長法又は化学的気相成長法によりマスク母体材料層を成膜する工程と、前記基板を加工し基体を形成する工程と、前記マスク母体下地層をマスクに用いて前記マスク母体材料層をエッチングし、マスク母体を形成する工程と、を少なくとも備えることを特徴とするステンシルマスクの製造方法である。
このような発明によると、基板上に直接マスク母体材料層の加工、すなわちマスク母体形成用のマスクパターンを作製するために、従来のメンブレン薄膜上に作製する場合に比較し、レジストの塗布工程におけるハンドリングの際や、レジスト塗布後の応力によりメンブレン(以下、薄膜の層と記す)が破壊することなく、通常のレジストプロセスと全く同様に、歩留まり良くマスクパターンを形成することが可能となる。また、マスク母体下地層は、マスク母体形成のためのマスクとして、かつ基体形成のためのエッチングストッパー層として用いることができる。
マスク母体材料層を、物理的気相成長法あるいは化学的気相成長法により作製することで、成膜条件の制御により、容易に所望の低応力膜を得ることができる。
このような発明によると、基板上に直接、気相成長法により無機物からなるマスク母体下地層を形成するため、該マスク母体下地層はマスク母体形成用エッチングマスク、すなわちハードマスクを形成することにより、各種金属及びそれらの化合物からなる高い導電性をもち、かつ薄い膜厚で、高いエッチング選択比を得ることができる。
本発明の請求項5に係る発明は、基板上に、エッチングストッパー層を成膜する工程と、前記エッチングストッパー層上に、薄膜を形成し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングしてマスク母体下地層を形成する工程と、前記エッチングストッパー層及び前記マスク母体下地層上に、物理的気相成長法あるいは化学的気相成長法によりマスク母体材料層を成膜する工程と、前記基板をエッチングストッパー層に達するまでエッチングして加工し、基体を形成する工程と、前記エッチングストッパー層を剥離する工程と、前記マスク母体下地層をマスクに用いて前記マスク母体材料層をエッチングし、マスク母体を形成する工程と、を少なくとも備えることを特徴とするステンシルマスクの製造方法である。
このように、エッチングストッパー層を設けることにより、基体形成の際のエッチングストップ機能に関わらない、広範囲のマスク母体下地層ならびにマスク母体に用いることが可能になるとともに、エッチングの制御性の向上が図れる。
このような発明においては、マスク母体下地層の材料として、エッチングの選択性より金属、シリコン、カーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、若しくは金属、シリコンの酸化物、窒化物、炭化物といった広範囲の材料から選ぶことができる。
上記に示したように、本発明によると、マスク母体下地層を形成したことにより、薄膜化及び応力調整が容易であるとともに、チャージアップが防止でき、また機械的強度および熱伝導性が高い、すなわち電子線照射耐性に優れた電子線露光用ステンシルマスクを提供できる。
さらに、本発明は、マスク母体下地層を形成時、パターニングの際のレジストのコーティング性やエッチング精度、再現性の向上ができ、より高精細で精度の高い、かつ高歩留まりで低コストのステンシルマスクの作製を可能とする。
本発明の請求項6に係る発明は、前記マスク母体下地層の形成は、有機物からなるレジストを塗布し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングし、焼成して形成することを特徴とする請求項4、又は5記載のステンシルマスクの製造方法である。
さらに、マスク母体下地層として有機物からなるレジスト、例えばフォトレジスト、電子線レジストをスピンコート等により塗布し、パターニング後、真空あるいは不活性雰囲気で焼成することにより導電性の炭素化膜を形成することで、マスク母体材料層の作製において、真空あるいは高温プロセスを使用することが可能となる。
さらに、このように有機物からなるレジストを用いることで、基板上への塗布、パターニングが容易で、かつハードマスク(エッチングマスク)やエッチングストッパー層を新たに設ける必要なく、簡便なプロセスでステンシルマスクを製造することが可能となる。
本発明の請求項7に係る発明は、前記マスク母体下地層の形成は、炭化水素を含む原料ガスを用いて化学的気相成長法によりダイヤモンド膜又はダイヤモンドライクカーボン膜を成膜し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングして形成することを特徴とする請求項4、又は5記載のステンシルマスクの製造方法である。
マスク母体下地材料層ならびにマスク母体材料相を、物理的気相成長法あるいは化学的気相成長法により作製することで、それぞれの成膜条件の制御により、容易に所望の低応力膜を得ることができる。
本発明の請求項8に係る発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載のステンシルマスクに荷電粒子線を照射し、転写パターンの形状に荷電粒子線を成形することを特徴とするパターン転写方法である。
係る露光方法によると、半導体装置用基板上に形成されたレジストに対し、精度良いパターン転写が可能となり、その結果、半導体装置用のパターンの製造を、高い精度で、高い歩留まりで行うことができる。
本発明のステンシルマスクでは、基体とマスク母体の界面に導電性のマスク母体下地層を設けているため、電子線照射に対してもチャージアップすることなく、高耐性のマスクは得られる。
また、本発明のステンシルマスクでは、基体とマスク母体の界面に導電性のマスク母体下地層をカーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜のいずれかにより構成しているため、化学気相成長法により制御性高く薄膜を成膜することができ、膜厚制御及び粒径制御による応力調整を容易に行うことができる。さらに、特にマスク母体材料層としてダイヤモンド膜あるいはダイヤモンドライクカーボン膜を用いた場合、高硬度、高ヤング率、高熱伝導率が得られるため、マスクパターンの微細化が容易で、かつ、パターン設計の自由度を大きくできる。
また、本発明のステンシルマスクの製造方法では、基板上にハードエッチングマスクとなるマスク母体下地層を先に形成し、基板面よりエッチングしマスク母体を加工するため、薄膜の層上にレジストパターンを形成する必要はないため、従来の電子線リソグラフィーが適用でき、マスク母体の加工プロセスが容易となるとともに、製造プロセスにおける薄膜の層の破壊による収率の低下が防止できる。さらに、マスク母体として、高品質の多結晶ダイヤモンド膜を用いる場合であっても、表面の凹凸に無関係に、高精度の加工が可能となる。
したがって、本発明の製造方法によると、荷電粒子線照射特性に優れたステンシルマスクを、高精度で、応力による亀裂、剥離を生ずることなく、容易にかつ歩留まりよく、低コストで得ることが可能である。
さらに、本発明の露光方法によると、半導体装置用基板上に形成されたレジストに対し、精度高いパターン露光が可能となり、その結果、半導体装置用のパターンの製造を、高い歩留まりで行うことができる。
以下、図面を参照して、本発明の一態様に係る実施の形態について説明する。
図1(a)および(b)は、本発明の一態様に係るステンシルマスクを示す側断面図である。
図1(a)において、ステンシルマスクは、基体11と、その基体11上のマスク母体下地層12aと、そのマスク母体下地層12a上に、荷電粒子線が透過する透過孔パターンを有するマスク母体13より構成されている。
基体となる基板としては、単結晶シリコンの他に、GaAsなどの半導体基板、金属基板、石英基板、セラミックス基板、あるいはガラス基板を用いることができる。
また、マスク母体下地層12aは、基体11とマスク母体13の界面に存在し、カーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、又は、金属、シリコン及びそれらの化合物からなる膜で構成することができる。また、これらの膜は導電性をもつことがチャージアップ防止の点から望ましい。
マスク母体下地層12aとしては、有機物よりなるレジストを塗布後焼成したもの、あるいは無機物をスパッタ法、化学的気相成長法、イオンプレーティング法など手法により成膜できる薄膜材料で構成することができる。
ここで、マスク母体下地層12aの材料としては、カーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、金属、シリコンあるいはそれらの酸化物、窒化物、炭化物のいずれか1つ又は2つ以上であることが望ましい。ここで、マスク母体下地層は、例えば有機物よりなるレジストを焼成し炭素化膜としたもの、又はダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜があげられる。ここでさらに、ダイヤモンド膜またはダイヤモンドライクカーボン膜で有る場合には、不純物、例えば、硼素、硫黄、窒素、リンまたはシリコンの少なくとも1種をドープしたものを用いることができる。
また、金属としては、タングステン、モリブデン、タンタル、ニオブなどの高融点金属、あるいは、クロム、チタン及びそれらの酸化物、窒化物、炭化物、および酸化インジウムスズから選ぶことができる。または、シリコン、酸化シリコン、窒化シリコン、炭化シリコンから選択することができる。
マスク母体13としては、金属、シリコンあるいはそれらの酸化物、窒化物、炭化物のいずれかを用いることができる。
マスク母体13の膜厚は、0.05μm以上、3μm以下であることが望ましい。膜厚が薄すぎると、マスクパターンの加工にスループットを上げるために電流値を上昇させた場合、マスク母体13の強度が低下する可能性があり、厚すぎるとマスクパターンの加工精度を高くすることができない。
図1(b)において、ステンシルマスクは、基体11と、その基体11上のマスク母体下地層12bと、そのマスク母体下地層12b上のマスク母体と13より構成されている。
マスク母体下地層12bは、基体11とマスク母体13の下地の全面あるいは一部に存在する。このマスク母体下地層12bは、それらの密着性を向上できる材料薄膜であればよいが、さらに、導電性を持つことが望ましい。その他、製法、材料、膜厚として、上述に示した図1(a)におけるマスク母体下地層12aと同様のものを用いることができる。
図2(a)および(b)は、本発明の一態様に係る別のステンシルマスクを示す側断面図である。
図2(a)において、ステンシルマスクは、基体21と、その基体21上のエッチングストッパー層24、さらにそのエッチングストッパー層24上に形成されたマスク母体下地層22aと、そのマスク母体下地層22a上にマスク母体23より構成されている。
ここで、基体21、マスク母体下地層22a、マスク母体23は、それぞれ、図1(a)を用いて説明した上記と同様の構造及び材料から構成することができる。また、エッチングストッパー層24は、ステンシルマスクを作製する場合に、基板をエッチング除去する際のストッパー層として機能する。エッチングストッパー層24の材料としては、基板をエッチングする際に用いるエッチャントに耐性を持つ材料から選ぶことができる。
図2(b)において、ステンシルマスクは、基体21と、その基体21上のエッチングストッパー層24と、そのエッチングストッパー層24上のマスク母体下地層22bと、そのマスク母体下地層22b上に、荷電粒子線が透過する透過孔パターンを有するマスク母体23より構成されている。
マスク母体下地層22bは、エッチングストッパー層24と、マスク母体との間で、該マスク母体の下地の全面あるいは一部に存在する。このマスク母体下地層22bは、それらの密着性を向上できる材料薄膜であればよいが、さらに、導電性を持つことが望ましい。その他、製法、材料、膜厚として、上述に示した図2(a)におけるマスク母体下地層22aと同様のものを用いることができる。
次に、以上説明した本発明のステンシルマスクの製造方法について、図3(a)〜(f)を参照して説明する。
図3は、本発明の一態様に係るステンシルマスクの製造工程を示す側断面図である。
まず、図3(a)に示すように、基板31’上に、スピンコート法、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法あるいは化学的気相成長法により、マスク母体下地材料層32’を成膜する。ここで、マスク母体下地材料層32’の材料としては、基板材料ならびにマスク母体材料のエッチングに耐性を示す材料であれば良く、カーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜、金属、シリコンあるいはそれらの酸化物、窒化物、炭化物から選ぶことができる。化合物の成膜には酸素、窒素、あるいは炭素を、酸素、亜酸化窒素、窒素、アンモニア、炭化水素ガスを添加した、反応性成膜により、作製することが可能である。
次に、図3(b)に示すように、例えば、電子線レジストを用いたリソグラフィー法により、マスク母体下地材料層32’を加工し、マスク母体下地層32を形成する。ここで、ハードエッチングマスクのマスク母体下地層32のパターンの加工には、ドライエッチング法、ウェットエッチング法を用いることができる。あるいは、有機物からなるレジストをパターニング後、真空または不活性雰囲気で焼成し、ハードエッチングマスクのマスク母体下地層32として用いても良い。
続いて、図3(c)に示すように、パターニングされたマスク母体下地層32上に、マスク母体材料層33’を物理的気相成長法あるいは化学的気相成長法により成膜する。ここで、物理的気相成長法としては、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング法を、また化学的気相成長法としては、マイクロ波、ECRあるいは高周波プラズマ化学的気相成長あるいは熱フィラメント化学的気相成長を用いることができる。
次に、図3(d)に示すように、基板31’に開口部を作製し基体31を形成する。この工程には、ドライエッチング、ウェットエッチング、超音波加工、サンドブラスト等を好適に用いることができる。
その後、図3(e)に示すように、基体31側からマスク母体下地層32をエッチングマスクとして、所定の透過孔パターンを有するマスク母体33を形成する。この透過孔パターンの形成プロセスは、透過口を有するマスク母体下地層32をエッチングマスクとして用いて、マスク母体材料層33’をドライエッチングし透過口を有するマスク母体33を形成する工程を順に経て行われる。
ここで、ドライエッチング装置としては、RIE、マグネトロンRIE、ECR、ICP、マイクロ波、ヘリコン波、NLD等の放電方式を用いた装置が挙げられる。
以上の工程を経て、ステンシルマスクが完成する。さらに、図3(f)に示すように、マスク母体33の下地に露出するマスク母体下地層32をエッチングし、マスク母体下地残層32aを形成しても良い。
続いて、本発明のステンシルマスクの製造方法の別の一例について、図4(a)〜(f)を参照して説明する。
図4は、本発明の別の一態様に係るステンシルマスクの製造工程を示す側断面図である。
まず、図4(a)に示すように、基板41’上に、エッチングストッパー層44を成膜した後、スピンコート法、スパッタ法、蒸着法、イオンプレーティング法あるいは化学的気相成長法により、マスク母体下地材料層42’を成膜する。ここで、マスク母体下地材料層42’の材料としては、上記図3(a)を用いて説明した物性を有する材料および製法を用いることができる。
次に、図4(b)に示すように、例えば電子線レジストを用いたリソグラフィー法により、マスク母体下地材料層42’を加工し、マスク母体下地層42を形成する。ここで、ハードエッチングマスクのマスク母体下地層42のマスクパターンの加工には、ドライエッチング法、ウェットエッチング法を用いることができる。あるいは、有機物からなるレジストをパターニング後、真空または不活性雰囲気で焼成し、マスクとして用いても良い。
続いて、図4(c)に示すように、パターニングされたマスク母体下地層42上に、マスク母体材料層43’を物理的気相成長法あるいは化学的気相成長法により成膜する。ここで、物理的気相成長法としては、スパッタ、蒸着、イオンプレーティング法を、また化学的気相成長法としては、マイクロ波、ECRあるいは高周波プラズマ化学的気相成長あるいは熱フィラメント化学的気相成長を用いることができる。
次に、図4(d)に示すように、基板41’に開口部を作製し基体41を形成する。この工程には、ドライエッチング、ウェットエッチング、超音波加工、サンドブラスト等を好適に用いることができる。エッチングは、エッチングストッパー層44が露出するまで行う。
その後、図4(e)に示すように、エッチングストッパー層44を基体41と接する部分以外エッチング除去しエッチングストッパー層44aを形成後、基体41側からマスク母体下地層42をエッチングマスクとして、所定の透過孔パターンを有するマスク母体43を形成する。この透過孔パターンの形成プロセスは、透過口を有するマスク母体下地層42をエッチングマスクとして用いて、マスク母体材料層43’をドライエッチングし透過口を有するマスク母体53を形成する工程を順に経て行われる。
ここで、ドライエッチング装置としては、RIE、マグネトロンRIE、ECR、ICP、マイクロ波、ヘリコン波、NLD等の放電方式を用いた装置が挙げられる。
以上の工程を経て、ステンシルマスクが完成する。さらに、図5(f)に示すように、マスク母体43の下地に露出するマスク母体下地層42をエッチングしマスク母体下地残層52a形成しても良い。
図3(a)〜(f)を参照して、本発明の一実施例に係る別のステンシルマスクの製造工程について説明する。
図3(a)に示すように、厚み525μmの基板31’として単結晶シリコン基板上に、反応性スパッタ法を用いて、マスク母体下地材料層32’として窒化クロム膜を成膜した。
次に、窒化クロム膜からなるマスク母体下地材料層32’上に、電子線レジスト(図示せず)を0.5μmの厚さに塗布し、これに加速電圧20kVの電子線描画機を用いて描画し、その後専用のアルカリ現像液を用いて現像をおこない、レジストパターンを形成した。
続いて、図3(b)に示すように、レジストパターンをエッチングマスクとして用いて、プラズマエッチング装置を用い、エッチングガスとして塩素と酸素の混合ガスを用いて、窒化クロム膜からなるマスク母体下地材料層32’を基板31’に到達する深さまでドライエッチングし、透過口を有するマスク母体下地層32を形成した後、レジストを酸素プラズマによりアッシング除去した。
続いて、図3(c)に示すように、基板31’及びマスク母体下地層32上に、スパッタ法を用いて、マスク母体材料層33’としてシリコン膜を成膜した。
次いで、図3(d)に示すように、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより基板31’を加工し、基体31を得た。ここで、エッチングガスとして四フッ化炭素を用いた。
続いて、図3(e)に示すように、窒化クロム膜からなるマスク母体下地層32をエッチングマスクとして、シリコン膜からなるマスク母体材料層33’を、SF6と酸素の混合ガスををエッチングガスとして用いたICPによりエッチングし透過口を有するマスク母体33を形成した。
さらに、図3(f)に示すように、基体31に接する部分以外のマスク母体下地層32を硝酸セリウムアンモニウム溶液を用いて、ウェットエッチングにより除去し、マスク母体下地残層32aを形成し、ステンシルマスクが完成した。
図3(a)〜(f)を参照して、本発明の一実施例に係るステンシルマスクの製造工程について説明する。
図3(a)に示すように、厚み525μmの基板31’として単結晶シリコン基板上に、電子線レジスト(ZEP520、日本ゼオン製)を0.2μmの厚さに塗布し、これに加速電圧20kVの電子線描画機を用いて描画し、その後専用のアルカリ現像液を用いて現像をおこない、レジストパターンを形成した。その後、ランプアニール炉を用いて10ー4Pa以下の真空中で1時間焼成し、レジストを炭化し、マスク母体下地層32として炭素化膜を得た(図3(b))。
次に、図3(c)に示すように、基板31’およびマスク母体下地層32上に、反応性スパッタ法を用いて、マスク母体材料層33’として酸化インジウムスズ膜を成膜した。
次いで、図3(d)に示すように、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより基板31’を加工し、基体31を得た。ここで、エッチングガスとして四フッ化炭素を用いた。エッチングは、マスク母体下地層32ならびにマスク母体材料層33’が露出したところで停止した。
続いて、図3(e)に示すように、炭素化膜からなるマスク母体下地層32をエッチングマスクとして、酸化インジウムスズ膜からなるマスク母体材料層33’を、HBrをエッチングガスとして用いたICPによりエッチングし透過口を有するマスク母体33を形成した。
さらに、図3(f)に示すように、基体31に接する部分以外の炭素化膜からなるマスク母体下地層32を酸素ガスを用いてアッシング除去し、マスク母体下地残層32aを形成し、ステンシルマスクが完成した。
図3(a)〜(f)を参照して、本発明の一実施例に係る別のステンシルマスクの製造工程について説明する。
図3(a)に示すように、厚み525μmの基板31’として単結晶シリコン基板上に、平行平板型プラズマCVD装置を用いて、を用いて、マスク母体下地材料層32’としてダイヤモンドライクカーボン膜を成膜した。
次に、ダイヤモンドライクカーボン膜からなるマスク母体下地材料層32’上に、電子線レジスト(図示せず)を0.5μmの厚さに塗布し、これに加速電圧20kVの電子線描画機を用いて描画し、その後専用のアルカリ現像液を用いて現像をおこない、レジストパターンを形成した。
続いて、図3(b)に示すように、レジストパターンをエッチングマスクとして用いて、プラズマエッチング装置を用い、エッチングガスとして酸素ガスを用いて、ダイヤモンドライクカーボン膜からなるマスク母体下地材料層32’を基板31’に到達する深さまでドライエッチングし、透過口を有するマスク母体下地層32を形成した後、レジストを剥離液を用いて除去した。
次に、図3(c)に示すように、基板31’およびマスク母体下地層32上に、反応性スパッタ法を用いて、マスク母体材料層33’として酸化インジウムスズ膜を成膜した。
次いで、図3(d)に示すように、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより基板31’を加工し、基体31を得た。ここで、エッチングガスとして四フッ化炭素を用いた。エッチングは、マスク母体下地層32ならびにマスク母体材料層33’が露出したところで停止した。
続いて、図3(e)に示すように、ダイヤモンドライクカーボン膜からなるマスク母体下地層32をエッチングマスクとして、酸化インジウムスズ膜からなるマスク母体材料層33’を、HBrガスをエッチングガスとして用いたICPによりエッチングし透過口を有するマスク母体33を形成し、ステンシルマスクが完成した。なおここで、ダイヤモンドライクカーボン膜の持つ物性をマスク材料として利用するために、図3(f)に示す、基体31に接する部分以外のダイヤモンドライクカーボン膜からなるマスク母体下地層32の除去は行わず残した。
図3(a)〜(f)を参照して、本発明の一実施例に係る別のステンシルマスクの製造工程について説明する。
図3(a)に示すように、厚み525μmの基板31’として単結晶シリコン基板上に、反応性スパッタ法を用いて、マスク母体下地材料層32’として窒化クロム膜を成膜した。
次に、窒化クロム膜からなるマスク母体下地材料層32’上に、電子線レジスト(図示せず)を0.5μmの厚さに塗布し、これに加速電圧20kVの電子線描画機を用いて描画し、その後専用のアルカリ現像液を用いて現像をおこない、レジストパターンを形成した。
続いて、図3(b)に示すように、レジストパターンをマスクとして用いて、プラズマエッチング装置を用い、エッチングガスとして塩素と酸素の混合ガスを用いて、窒化クロム膜からなるマスク母体下地材料層32’を基板31’に到達する深さまでドライエッチングし、透過口を有するマスク母体下地層32を形成した後、レジストを酸素プラズマによりアッシング除去した。
続いて、図3(c)に示すように、基板31’及びマスク母体下地層32上に、反応性スパッタ法を用いて、マスク母体材料層33’として酸化インジウムスズ膜を成膜した。
次いで、図3(d)に示すように、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより基板31’を加工し、基体31を得た。ここで、エッチングガスとして四フッ化炭素を用いた。エッチングは、マスク母体下地層32ならびにマスク母体材料層33’が露出したところで停止した。
続いて、図3(e)に示すように、窒化クロム膜からなるマスク母体下地層32をエッチングマスクとして、酸化インジウムスズ膜からなるマスク母体材料層33’を、HBrをエッチングガスとして用いたICPによりエッチングし透過口を有するマスク母体33を形成した。
さらに、図3(f)に示すように、基体31に接する部分以外のマスク母体下地層32を硝酸セリウムアンモニウム溶液を用いて、ウェットエッチングにより除去し、マスク母体下地残層32aを形成し、ステンシルマスクが完成した。
図4(a)〜(f)を参照して、本発明の一実施例に係る別のステンシルマスクの製造工程について説明する。
図4(a)に示すように、厚み525μmの基板41’として単結晶シリコン基板上に、エッチングストッパー層44として、スパッタ法によりアルミニウム膜を成膜後、続けて反応性スパッタ法によりマスク母体下地材料層42’として窒化クロム膜を成膜した。
次に、窒化クロム膜からなるマスク母体下地材料層42’上に、電子線レジスト(図示せず)を0.5μmの厚さに塗布し、これに加速電圧20kVの電子線描画機を用いて描画し、その後専用のアルカリ現像液を用いて現像をおこない、レジストパターンを形成した。
続いて、図4(b)に示すように、レジストパターンをエッチングマスクとして用いて、プラズマエッチング装置を用い、エッチングガスとして塩素と酸素の混合ガスを用いて、窒化クロム膜からなるマスク母体下地材料層42’をエッチングストッパー層44に到達する深さまでドライエッチングし、透過口を有するマスク母体下地層42を形成した後、レジストを酸素プラズマによりアッシング除去した。
さらに、図4(c)に示すように、エッチングストッパー層44及びマスク母体下地層42上に、スパッタ法によりシリコン膜からなるマスク母体材料層43’を成膜した。
次いで、図4(d)に示すように、フォトリソグラフィー法とドライエッチングにより基板41’を加工し、基体41を得た。ここで、エッチングガスとして四フッ化炭素を用いた。エッチングは、エッチングストッパー層44が露出したところで停止した。
続いて、図4(e)に示すように、アルミニウム膜よりなるエッチングストッパー層44を、リン酸、硝酸、酢酸水溶液に浸漬し、基体41と接する部分以外をエッチング除去し、エッチングストッパー基体部44aを形成した後、窒化クロム膜からなるマスク母体下地層42をエッチングマスクとして、シリコン膜からなるマスク母体材料層43’を、SF6と酸素をエッチングガスとして用いたICPによりエッチングし透過口を有するマスク母体43を形成した。
さらに、図4(f)に示すように、エッチングストッパー基体部44aに接する部分以外のマスク母体下地層42を硝酸セリウムアンモニウム溶液を用いて、ウェットエッチング除去し、マスク母体下地残層42aを形成し、ステンシルマスクが完成した。
以上のように製造されたステンシルマスクでは、マスク母体の膜厚が500nmと非常に薄く、かつ応力が低いため、剥離や亀裂が生ずることがなかった。また、マスク母体下地層は導電性の膜より形成されており、電子線照射によるチャージアップは生じなかった。また、得られたステンシルマスクは、マスクパターンを予めシリコン基板上にパターンニングしているため、薄膜の層の割れによる歩留まり低下もなく、かつパターン精度が高く、なおかつ熱伝導率も高いため荷電粒子線照射特性に優れたものであった。
31’、41’…基板
11、21、31、41、51、61…基体
12a、12b、22a、22b…マスク母体下地層
24、44…エッチングストッパー層
44a…エッチングストッパー層基体部
32’、42’…マスク母体下地材料層
32、42…マスク母体下地層
32a、42a…マスク母体下地残層
33’、43’…マスク母体材料層
13、23、33、43、53、63…マスク母体
51’、61’…シリコン支持基板
52’、62’…中間酸化膜
52、62…中間酸化膜残層
53’、63’…SOI層
5A、6A…SOI基板
11、21、31、41、51、61…基体
12a、12b、22a、22b…マスク母体下地層
24、44…エッチングストッパー層
44a…エッチングストッパー層基体部
32’、42’…マスク母体下地材料層
32、42…マスク母体下地層
32a、42a…マスク母体下地残層
33’、43’…マスク母体材料層
13、23、33、43、53、63…マスク母体
51’、61’…シリコン支持基板
52’、62’…中間酸化膜
52、62…中間酸化膜残層
53’、63’…SOI層
5A、6A…SOI基板
Claims (8)
- 基体と、この基体により支持された、透過孔パターンを有するマスク母体と、該マスク母体の基体側の少なくとも一部にカーボン膜、アモルファスカーボン膜、ダイヤモンド膜、ダイヤモンドライクカーボン膜のいずれかよりなるマスク母体下地層を備えたことを特徴とするステンシルマスク。
- 前記マスク母体下地層が、ダイヤモンド膜又はダイヤモンドライクカーボン膜である場合に、不純物として、硼素、硫黄、窒素、リンもしくはシリコンからなる群から選ばれた少なくとも1種がドープされていることを特徴とする請求項1記載ステンシルマスク。
- 前記基体と、前記マスク母体下地層との間に、ハロゲン系プラズマ耐性を示すエッチングストッパー層を有することを特徴とする請求項1、又は2記載のステンシルマスク。
- 基板上に薄膜を形成し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングしてマスク母体下地層を形成する工程と、
前記基板及び前記マスク母体下地層上に、物理的気相成長法又は化学的気相成長法によりマスク母体材料層を成膜する工程と、
前記基板を加工し基体を形成する工程と、
前記マスク母体下地層をマスクに用いて前記マスク母体材料層をエッチングし、マスク母体を形成する工程と、
を少なくとも備えることを特徴とするステンシルマスクの製造方法。 - 基板上に、エッチングストッパー層を成膜する工程と、
前記エッチングストッパー層上に、薄膜を形成し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングしてマスク母体下地層を形成する工程と、
前記エッチングストッパー層及び前記マスク母体下地層上に、物理的気相成長法あるいは化学的気相成長法によりマスク母体材料層を成膜する工程と、
前記基板をエッチングストッパー層に達するまでエッチングして加工し、基体を形成する工程と、
前記エッチングストッパー層を剥離する工程と、
前記マスク母体下地層をマスクに用いて前記マスク母体材料層をエッチングし、マスク母体を形成する工程と、
を少なくとも備えることを特徴とするステンシルマスクの製造方法。 - 前記マスク母体下地層の形成は、有機物からなるレジストを塗布し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングし、焼成して形成することを特徴とする請求項4、又は5記載のステンシルマスクの製造方法。
- 前記マスク母体下地層の形成は、炭化水素を含む原料ガスを用いて化学的気相成長法によりダイヤモンド膜又はダイヤモンドライクカーボン膜を成膜し、リソグラフィー法により所用のマスクパターンをパターニングして形成することを特徴とする請求項4、又は5記載のステンシルマスクの製造方法。
- 請求項1乃至3のいずれか1項記載のステンシルマスクに荷電粒子線を照射し、転写パターンの形状に荷電粒子線を成形することを特徴とするパターン転写方法。
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