図により本発明に係る住宅ローン債権の情報提供方法及び住宅ローン債権の情報提供システムの一実施形態を具体的に説明する。図1は本発明に係る住宅ローン債権の情報提供システムの制御系の構成を示す図、図2はモーゲージ会社内の制御系の構成を示す図、図3は住宅ローン事前審査申込シートをファクシミリ受信してイメージ画像データの位置補正を行なうと共に、イメージ画像データを枠線データ及びデキスト文字・記号データに変換し、誤認識文字を修正する様子を示すフローチャート、図4〜図7は住宅ローン事前審査申込シートの一例を示す図、図8は住宅ローン事前審査申込シートをファクシミリ受信してイメージ画像データを枠線データ及びデキスト文字・記号データに変換した後、誤認識文字を修正する様子を示す図、図9は住宅メーカーに設けられたデータサーバに設けられた建物設計・建物性能情報記憶手段に記憶された住宅の建物設計・建物性能情報と、邸別土地建物価格情報記憶手段に記憶された邸別土地建物価格情報と、モーゲージ会社に設けられたデータサーバに設けられた土地情報記憶手段及び債務者情報記憶手段にそれぞれ記憶された住宅の土地情報及び債務者情報とを結合する様子を示すフローチャート、図10は審査を行う様子を示すフローチャート、図11は間取り図に付与されたプラン番号情報の一例を示す図、図12は融資の実行を承認する様子を示すフローチャート、図13は融資実行の確認を行う様子を示すフローチャート、図14は債権管理を行う様子を示すフローチャート、図15は住宅ローンの返済金の回収を行なう様子を示すフローチャート、図16は住宅ローンの返済金の延滞管理を行う様子を示すフローチャート、図17は繰上返済の管理を行う様子を示すフローチャート、図18は個人信用情報機関向けにローン残高等の個人信用情報ファイルを作成する様子を示す図、図19は特定の住宅ローンを特定の債権プールに含めるか否かを演算して、特定の債権プールに一同に含まれた複数の住宅ローンの情報を出力する様子を示す図、図20〜図22は演算手段により当初返済比率情報を演算する様子を示すフローチャート、図23は演算手段により演算された証券化される複数の住宅ローンが一同に含められた特定の債権プールの概要の一例を示す図、図24及び図25は売却時の新築建物及び中古建物の想定建物価格を算出する算出式の例を示すマトリックス図、図26は物価変動率として契約年別建築費倍率の例を示すマトリックス図、図27は間取り調整率の照合基準(各評価項目と評価点設定)の例を示すマトリックス図、図28及び図29は邸別定期点検プログラムの一例を示す図、図30は中古土地建物仲介実績情報の一例を示す図、図31は中古住宅現価表の一例を示す図、図32及び図33はデータ構造の構成を示す図、図34及び図35は耐震等級、耐風等級及び耐火等級を説明する図、図36は住宅の構造計算を行なう際のフローチャート、図37は債権プール抽出条件を設定する画面の一例を示す図、図38は債権プール登録確認画面の一例を示す図、図39は明細を追加する検索画面の一例を示す図、図40は追加候補検索結果画面の一例を示す図、図41は明細追加の確認画面の一例を示す図、図42及び図43は判定画面の一例を示す図、図44〜図50は住宅の建物設計・建物性能情報の一例を示す図、図51及び図52は債権プールを抽出処理する様子を説明するフローチャート、図53は債権プール抽出結果一覧を表示するための定義表を示す図である。
図1は住宅ローン債権を証券化する際の情報を提供するためのシステム構成を示し、住宅メーカー1に設けられたデータサーバ2に設けられた建物設計・建物性能情報記憶手段となる建物設計・建物性能情報データベース(以下、「建物設計・建物性能情報DB」という)3には、図44〜図50に示すように、特定の住宅ローンが設定された住宅の建物設計・建物性能情報が記憶されている。
また、住宅メーカー1に設けられたデータサーバ2に設けられた邸別土地建物価格情報記憶手段となる邸別土地建物価格情報データベース(以下、「邸別土地建物価格情報DB」という)31には特定の住宅ローンが設定された住宅の邸別土地建物価格情報が記憶されている。
住宅の邸別土地建物価格情報は、新築住宅や中古住宅を取得した時の邸別土地建物価格情報を採用することが出来、将来の間取り変更自由度や土地建物仲介実績情報や定期点検プログラム情報等に基づいて現在或いは将来の邸別土地建物価格査定を行なって設定することも出来る。例えば、図24及び図25は新築当時の建物取得価格を基に売却時の想定建物価格を算出するための一例を示すマトリックス図であり、図24は新築建物の価格査定に利用され、図25は中古建物の価格査定に利用されるものである。
図24及び図25の「(1)再調達価格」は、当初の新築建物と同一の建物を現時点で新築した場合の価格であり、「新築時取得価格」を物価変動率により加味補正して算出するものである。具体的には、物価変動率としては図26に例示される「契約年別建築費倍率」を用い、前記「新築時取得価格」と前記「契約年別建築費倍率」とを掛算して「(1)再調達価格」を算出する(図24及び図25の(1)の該当する算出式を適用)。
更に前記「再調達価格」を減価償却する方法としては、図25に示す中古建物では「(2)現価率」で補正して(図25の(2)の該当する算出式を適用)、「建物基本現価」を算出する。尚、当該建物において増築している場合には、当該建物を新築した時点で増築部分を増築したものと仮定して、同様の算出方法で「(3)増築部価格」を算出する。
更に前記「(3)増築部価格」を、実際に増築した時点からの減価償却すなわち「(4)増築部現価率」で補正して(図25の(4)の該当する算出式を適用)、「増築部基本現価」を算出する。この場合、建物全体の「建物基本原価」は、当初の新築部分の建物基本現価と増築部基本現価とを合算した数値となる。尚、複数回に亘って増築した場合には、同様に計算する。
ここで個別不動産の「建物基本原価」に建物の履歴要素を加味補正するため、図24及び図25に示される「調整率」(「(5)間取り調整率」、「(6)リフォーム調整率(中古建物のみ対象)」、「(7)ロングライフ可変率」(間取り変更・増築の自由度))と「調整価格」(「(8)リフレッシュ調整(中古建物のみ対象)」(履歴情報から屋根・外壁等の劣化を評価して算出した減価額))等が挙げられる。
実際のシステムでは、時代の趨勢等に依って、要素の項目やその評価点付けを改訂して、実情に合致するシステムとして運営することになる。「(5)間取り調整率」の算出では、収納面積率、通風、採光、動線計画、地域性、時代性、シルバーケア等の評価項目を評価する。
図27は、「(5)間取り調整率」を算出するための照合基準(各評価項目と評価点設定)の例を示すマトリックス図である。例えば、収納面積については、収納面積合計を延床面積で割算した収納面積率に対応する点数がその評価点(標準的な7%〜8%を評価点0に設定、以下同様)になる。
同様に収納面積以外の要素についても、評価点を得て、各評価点を合算して「評価合計」を算出する。更に「評価合計」に100を加算し、それを100で割算して「(5)間取り調整率」(小数表示)が算出される(図24及び図25の(5)の該当する算出式を適用)。
同様に、「(6)リフォーム調整率」、「(7)ロングライフ可変率」についても、同様にそれぞれの照合基準に照合して(図示省略)、それらの数値(小数表示)を得る(図25の(6),図24及び図25の(7)の該当する算出式を適用)。最後に、新築建物では前記「建物基本原価((1)再調達価格」に「調整率」((5)×(7))を掛け算して、売却時の想定建物価格を算定する(図24の「建物査定価格」の算出式を適用)。また中古建物では前記「建物基本原価{((1)再調達価格×(2)現価率)+((3)増築部価格×(4)増築部現価率)}」に「調整率」((5)×(6)×(7))を掛け算し、更に「調整価格」(「(8)リフレッシュ調整価格」)を引き算して、売却時の想定建物価格を算定する(図25の「建物査定価格」の算出式を適用)。
図28に示すように、邸別定期点検プログラム情報には、建物の想定耐用年数全体をカバーする目盛りを設けてあり、目盛り上に定期点検プログラム対象部材である基本躯体、外装部材、埋設設備部材等に含まれる各部材の定期点検時期が設定されている。
尚、建物が完成した後、定期的に点検すべき経過期間としては、建物の構造や地域等の条件に応じて適宜設定される。例えば、躯体が鉄骨造で且つ床,屋根等にコンクリート系のパネルを用いた住宅の場合の定期点検プログラムの一例について図29により説明する。尚、図29(a)は目的の住宅が竣工したときに、外壁の塗装,屋根防水シート,給水管に対して計画された初期の定期点検プログラムを示しており、図29(b)は既に建築されて15年が経過した住宅を本システムに組み入れたときの定期点検プログラムを示している。
新築された住宅であっても、居住を開始した初期の段階では設備機器の使い方の説明や、所有者或いは居住者が行なうべき簡単な補修の助言をする必要があり、この場合3か月程度で点検を実施することが好ましい。その後、四季を通じて居住することでサッシ,玄関ドア,室内建具等の可動部の微調整も必要であり、この場合1年程度での点検を実施することが好ましい。更に、2年目の定期点検を実施し、5年目の定期点検では建物の外装(例えば外壁の塗装等)について点検すると共に設備機器の点検を実施することが好ましい。
また10年目以降30年目程度までは5年毎に、30年を経過した後は10年毎に、主として建物の基礎の外部表面状態や外壁や屋根の防水性能等を中心として定期点検を実施することで、劣化しつつある部材を早い段階で察知し、予備的な且つ予防的なメンテナンスを実施すると共に、使用状態、周辺環境等により寿命の差異が出た場合にも定期点検システムにより当該建物の状態に合わせて定期点検プログラムを適宜更新することで長期間にわたり初期の性能を維持することが可能となる。
特に、住宅建築に用いる外壁の塗装や屋根防水シート,給水管は予め寿命が設定されており、当初の定期点検プログラムには夫々の寿命に対応する経過年数に達したとき、塗装,貼り替え,交換等の実施が計画(例えば、外壁の塗装の場合15年毎に再塗装、屋根防水シートでは30年で交換、給水管は30年で交換等)されている。このように、当初の点検プログラムの交換時期を物件毎に状況により適宜変更、更新して柔軟に対応することで全体的に建物の平均寿命を長くすることが出来る。
図30は1999年から2003年にかけての中古土地建物の仲介実績の一例である。図30には邸別土地建物査定価格と実際の成約価格とが併記されており、平均査定価格と平均成約価格との差が極めて少なく、将来の間取り変更自由度や土地建物仲介実績情報や定期点検プログラム情報等に基づいて現在或いは将来の邸別土地建物価格査定が極めて精確に実施出来ることが示唆されている。
図31はこれ等の情報により建物の査定価格の推移をシミュレーションした図である。図31の破線aは基本現価を示し、30年の経過までは一定の傾きで当初価格の10%まで直線的に価格が減少し、それ以降は10%を維持する。図31の実線bは定期点検プログラム情報に基づいて15年目に外壁塗装のリフレッシュ工事を行い、20年目に内装・水周りのリフォーム工事を行い、25年目に屋根・外壁のリフレッシュ工事を行い、30年目に給水管リフレッシュ工事を行い、40年目に外壁塗装リフレッシュ工事を行なったと想定した場合の建物査定現価の推移する様子を示す。各、リフレッシュ工事・リフォーム工事により建物査定価格はその都度上昇し、その後、一定の傾きで価格が減少するが、当初価格の10%に価格が減少するまでには38年程度まで期間延長されることが示される。
図1において、建物設計・建物性能情報DB3に記憶された住宅の建物設計・建物性能情報としては、図44〜図50に例示したように、例えば、建物の構造計算値の評価情報として、1)建物の躯体耐震構造計算値及び評価情報(許容応力度算定、水平力算定(偏心率・剛性率、保有水平耐力)、積雪荷重算定)、2)建物の基礎構造計算値の評価情報(直接基礎、杭基礎)を含んでいる。
また、建物の品質性能評価基準情報として、構造(耐震等級、耐風等級、耐積雪等級、地盤の許容応力度(地耐力)又は杭の許容支持力及び設定方法、基礎の構造方法及び形式)、火災、劣化、維持管理、温熱環境、空気環境、光視環境、高齢者配慮、音環境等の情報を含んでいる。また、建物設計仕様情報や維持管理の履歴、リフォーム履歴等の各種情報も含んでいる。
建物の構造計算の算定のための要素としては、各階の建物荷重、各階の1次設計用層せん弾力係数、各階の建物重心座標、各階の建物剛心座標等が想定されており、これらは、一般に建物設計情報(間取り設計、意匠設計、材料設計、躯体構造設計、基礎地盤構造設計等)に応じて決定されるものである。
図44(a)は前記建物設計情報に基く構造計算基本情報の一例を示し、図44(b)は前記建物設計情報について建築基準法、及び建築基準法施行令に基づく構造計算条件の一例を示す。
そして、図36に示す建築基準法施行令に基づく構造計算のフローチャートに従って、1次設計として各部材の許容応力度算定が〔各階の柱、梁、耐力パネル等の応力度の最大値≦各部材の許容応力度〕の算定式により実施される。
また2次設計として、水平力算定が〔各階の層間変形角δ≦1/200(1/120)〕、更に図36に示すルート2として、〔各階の剛性率Rs≧6/10〕、〔各階の偏心率Re≦15/100〕の算定式により実施される。更に図36に示すルート3として、〔保有水平耐力Qu≧各階の必要保有水平耐力Qun〕、〔各階の必要保有水平耐力Qun=各階の構造特性係数Ds×割増係数Fes×地震層せん弾力Qud〕の算定式により実施される。尚、各階の構造特性係数Dsは地震時弾塑性挙動に伴うエネルギー消費能力であり、割増係数Fes は Fe×Fsにより求められる形状係数であり、地震層せん弾力Qudは地震によって各階に生ずる水平力である。
図45及び図46は上記のルート2、3の各算定式により躯体構造計算された結果を総合評価した画面の一例を示す。この画面中、検定値が「OK」と表示されているのは、〔各階の柱、梁、耐力パネル等の応力度の最大値≦各部材の許容応力度〕を満たすことを示している。
次に建物の基礎構造計算を行なう算定式は、直接基礎の場合は〔建物の接地圧最大値≦地耐力〕、杭基礎の場合は〔杭の支持力の最大値≦杭の許容支持力〕の算定式により実施される。図47は建物の基礎構造計算された結果を評価した画面の一例を示す。この画面中、検定値が「OK」と表示されているのは、〔杭の支持力の最大値≦杭の許容支持力〕を満たすことを示している。
図48及び図49は住宅の性能確保の促進等に関する法律に基づく基本情報であり、邸別戸建住宅の性能評価の一例を示す。また図50は建物設計仕様画面の一例である。
上述したように、建物設計・建物性能情報DB3aに記憶された住宅の建物設計・建物性能情報としては、建物の耐震性能情報、更には保有水平耐力情報、邸別耐震等級情報、地耐力情報、邸別耐火等級情報、邸別耐風等級情報等を含んでいる。
例えば、邸別耐震等級、邸別耐風等級及び邸別耐火等級は、図34及び図35に示すように、日本住宅性能表示基準及び評価方法基準の概要に記載された基準に従って各等級が定められている。
邸別耐震等級を計算する一例としては、前述した図36に示す建築基準法施行令に基づく耐震計算のルートに基づいて、耐震等級1,2,3の割り増し係数が以下のように計算される。
〔数1〕
Qi=Ci×(Wi+Wi+1+Wi+2・・・+Wn)
前記数1式のQiは、建築基準法施行令第88条(地震力)に記載された「建築物の地上部分の地震力」であり、当該建築物の各部分の高さに応じ、当該高さの部分が支える部分に作用する全体の地震力として計算するものである。その数値Qiは、「当該部分(i階)の固定荷重と積載荷重との和(第86条第2項ただし書の規定によつて特定行政庁が指定する多雪区域においては、更に積雪荷重を加えるものとする。以下同じ)」に当該建築物の地上部分の一定の高さ(i階)における地震層せん断力係数を乗じて計算したものである。
ここで、Qi:当該階(i階)の地震層せん断力、Wi:当該階からn階(最上階)までの積算重量(当該部分(i階)の固定荷重と積載荷重との和)、n:建築物の階数(最上階の数値)、Ci:当該階(i階)における地震層せん断力係数とする。
〔数2〕
Ci=Z×Rt×Ai×Co
ここで、Z:地震地域係数(その地方における過去の地震の記録に基づく震害の程度及び地震活動の状況その他地震の性状に応じて1.0から0.7までの範囲内において国土交通大臣が定める数値)、Rt:振動特性係数(建築物の振動特性を表すものとして、建築物の弾性域における固有周期及び地盤の種類に応じて国土交通大臣が定める方法により算出した数値)、Ai:建築物の振動特性に応じて地震層せん断力係数の建築物の高さ方向の分布を表すものとして国土交通大臣が定める方法により算出した数値、Co:標準せん断力係数(0.2以上を使用する。ただし、地盤が著しく軟弱な区域として特定行政庁が国土交通大臣の定める基準に基づいて規則で指定する区域内における木造の建築物(第46条第2項第1号に掲げる基準に適合するものを除く。)にあっては、0.3以上を使用する(建築基準法施行令第88条(地震力)2項)。更に同施行令同条3項及び4項に記載された所定の場合には、所定の標準せん断力係数を適宜使用する)とする。
このとき、前記Ci値の算出に使用する標準せん断力係数Co値は、所定の割増係数を乗じたものとする[建築基準法施行令第88条(地震力)に示される所定の標準せん断力係数]×[耐震等級(破損)による割り増し係数])。これにより前記Qi値を調整して耐震性能を評価することが出来る。例えば、標準せん断力係数は、0.2が使用され、割り増し係数は、耐震等級:1の場合で1.00、耐震等級:2の場合で1.25、耐震等級:3の場合で1.50が使用される。
尚、前記図36に示された耐震計算の方法(ルート1、2、3)は、順次改良されるものであるから、本実施形態のみに拘束されるものではなく、例えば、エネルギー法などを使用しても本発明は実施出来るものである。
図1に示すように、住宅メーカー1にはローン借入者4から住宅ローンの借入申込みを受け付けるファクシミリ装置5が設置されており、ローン借入者4が図4〜図7に示す住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dに所定の内容を記載して、これを住宅メーカー1の担当者が、住宅メーカー1のファクシミリ装置5により送信すると、公衆回線7を介してFAX−OCR装置(Facsimile Optical Character Reader;ファクシミリ入力型光学式文字読み取り装置)を有するFAX−OCRサーバ8で受信される。ここで、FAX−OCR装置とは、ファクシミリ装置から送られてくる住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dに書かれた手書きの文字・記号を、基準文字・記号データと照らし合わせて識別し、文字・記号データに変換するものである。
図4〜図7に示すように、住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dには、特定の住宅ローンが設定された住宅の建物設計・建物性能情報、または特定の住宅ローンが設定された住宅の土地情報、または特定の住宅ローンが設定された債務者情報のうちの少なくとも一部を文字・記号により記載可能とした項目別の枠線マーク9と、シートの4隅のうちの3隅に設けられたシート位置確認マーク10と、残りの隅に設けられ且つ読み取ったイメージ画像データ18を枠線データ12またはテキスト文字・記号データ13として変換するデータ変換実行マーク11が設けられている。
一方、FAX−OCRサーバ8には、住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dに設けられた枠線マーク9内に文字・記号が記載された該住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dのイメージ画像データ18をファクシミリ受信した際にシート位置確認マーク10を識別して、受信した枠線マーク9及び、該枠線マーク9内の文字・記号のイメージ画像データ18の位置補正を行なう位置補正手段14が設けられており、更にデータ変換実行マーク11を識別して、枠線マーク9及び、該枠線マーク9内の文字・記号のイメージ画像データ18を図8に示す枠線データ12及びテキスト文字・記号データ13に変換するデータ変換手段15が設けられており、更に位置補正手段14により位置補正され、データ変換手段15により変換された枠線データ12及びテキスト文字・記号データ13を項目別に表示し且つ枠線データ12内のテキスト文字・記号データ13を修正可能なデータ修正手段16が設けられている。位置補正手段14、データ変換手段15及びデータ修正手段16はコンピュータシステムにより構築されている。
データ修正手段16において、図8に示すように、該データ修正手段16により表示される項目にポイントされるカーソル17と、該カーソル17の位置に連動してファクシミリ受信したイメージ画像データ18のカーソル17が位置する項目に該当する枠線データ12が強調された強調枠線12aと、該強調枠線12a内の文字・記号のイメージ画像データ18とが一覧表示される。
住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dに記載された枠線マーク9の位置は、位置補正手段14により検出されたシート位置確認マーク10を基準位置として予め設定された位置に配置されており、その位置情報と枠線マーク9に基づいてデータ変換手段15により枠線データ12に変換される。
また枠線データ12内のイメージ画像データ18はデータ変換手段15によりテキスト文字・記号データ13に変換される。データ修正手段16により表示される項目にポイントされるカーソル17の位置と枠線データ12の位置とは連動されており、その枠線データ12が強調枠線12aとして太線や色線等により強調表示される。
またカーソル17が位置する項目に表示されたテキスト文字・記号データ13が、そのカーソル17の位置に対応する枠線データ12の周辺近傍に強調文字・記号13aとして太文字や色文字等により強調表示される。尚、本実施形態では図8に示すように強調文字・記号13aが強調枠線12aの真上に表示された一例について説明するが、上下左右斜めの所望の位置に表示させることでも良い。
モーゲージ会社(オリジネーター)19に設けられたデータサーバ20aには特定の住宅ローンが設定された住宅の土地情報を記憶する土地情報記憶手段となる土地情報データベース(以下、「土地情報DB」という)21aと、特定の住宅ローンが設定された債務者情報を記憶する債務者情報記憶手段となる債務者情報データベース(以下、「債務者情報DB」という)22aが設けられている。
一方、住宅メーカー1に設けられたデータサーバ2と、モーゲージ会社19に設けられたデータサーバ20aとは専用回線23により接続されており、住宅メーカー1のデータサーバ2の建物設計・建物性能情報DB3に記憶された建物設計・建物性能情報、及び邸別土地建物価格情報DB31に記憶された邸別土地建物価格情報が専用回線23を介して一旦、データベースサーバ(以下、「DBサーバ」という)24に格納され、該DBサーバ24から融資審査・実行システムに設けられたデータサーバ20aの建物設計・建物性能情報DB3a及び邸別土地建物価格情報DB31aにそれぞれ格納される。
ここで、専用回線23とは、遠隔の会社間を結ぶ通信回線その他の回線をいい、秘密保持確保のためのセキュリティ機能を有し、本システムが処理すべき大量の電子的情報を円滑に伝達出来るものであれば良い。従って、その回線の形態(例えば有線か、無線か)を問われるものではなく、将来の技術革新により発明される通信手段に適宜置換が可能である。
データサーバ20aには情報結合手段25が設けられており、該情報結合手段25により、特定の住宅ローンに関して、建物設計・建物性能情報DB3aに記憶された住宅の建物設計・建物性能情報と、邸別土地建物価格情報DB31aに記憶された邸別土地建物価格情報と、土地情報DB21aに記憶された住宅の土地情報と、債務者情報DB22aに記憶された債務者情報とが関連付けされる。
情報結合手段25はコンピュータシステムにより構成されており、例えば、住宅メーカー1のファクシミリ装置5から公衆回線7を介してモーゲージ会社19に送信された住宅ローン事前審査申込シート6aの契約(見込客)番号の枠線マーク9a欄(図4参照)に記載された番号を、FAX−OCRサーバ8によりテキスト文字・記号データ13に変換してDBサーバ24にCSV(Comma Separated Value;コンマで区切られた値)変換機能を利用して取り込む。
尚、図4に示す住宅ローン事前審査申込シート6aの枠線マーク9a欄に記載される契約(見込客)番号は、その下位概念に請負契約番号が設定されており、請負契約決定後は、請負契約番号がデータベース上の検索キーコードとして機能する。
モーゲージ会社19のデータベースは、この見込客番号(または請負契約番号)と、各借入者毎に自動付番する債権番号、債務者番号とで検索キーコードの一部として構成され、これらと日付を加えたものを検索キーとして、建物設計・建物性能情報DB3a、邸別土地建物価格情報DB31a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aにアクセスして、建物設計・建物性能情報DB3aに記憶された住宅の建物設計・建物性能情報と、邸別土地建物価格情報DB31aに記憶された邸別土地建物価格情報と、土地情報DB21aに記憶された住宅の土地情報と、債務者情報DB22aに記憶された債務者情報とが関連付けされる。
住宅メーカー1側の建物設計・建物性能情報DB3も請負契約番号を検索キーとして設定されており、モーゲージ会社19の建物設計・建物性能情報DB3a、邸別土地建物価格情報DB31a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aと情報の結合(いわゆる名寄せ)を行う場合も請負契約番号を検索キーとして引っ張って、データ結合することが出来る。
図32及び図33は融資審査・実行システムに設置されたデータサーバ20aに設けられた情報結合手段25により、特定の住宅ローンに関して、建物設計・建物性能情報DB3aに記憶された住宅の建物設計・建物性能情報と、邸別土地建物価格情報DB31aに記憶された邸別土地建物価格情報と、土地情報DB21aに記憶された住宅の土地情報と、債務者情報DB22aに記憶された債務者情報とが関連付けされたデータ構成の一例を示す。
図32は債権情報一覧を示し、例えば、図32に示す項目番号6の「契約(見込客)番号」で各データの突合せが出来ない場合には、項目番号4の「請負契約番号」を見に行って、項目番号6の「契約(見込客)番号」若しくは項目番号4の「請負契約番号」の何れかでマッチング出来た場合には、住宅メーカー1側のデータサーバ2に設けられた建物設計・建物性能情報DB3及び邸別土地建物価格情報DB31から取得したデータの取り込みエリアとなる図32に示す項目番号41の「プラン番号」から項目番号52の「耐火等級」に取り込みデータを反映させる。図33は回収状況一覧を示す。
融資審査・実行システムに設けられたデータサーバ20aに設けられた建物設計・建物性能情報DB3a、邸別土地建物価格情報DB31a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aの各情報は所定の情報処理が施されて債権管理システムに設けられたデータサーバ20bに送信されて建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bに格納される。
また債権管理システムに設けられたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bの各情報は更に所定の情報処理が施されて証券化システムに設けられたデータサーバ20cに送信されて建物設計・建物性能情報DB3c、邸別土地建物価格情報DB31c、土地情報DB21c及び債務者情報DB22cに格納される。
証券化システムのデータサーバ20cには、情報結合手段25により関連付けられた住宅の建物設計・建物性能情報、邸別土地建物価格情報、住宅の土地情報及び債権者情報に基づいて、特定の住宅ローンを、証券化される住宅ローンの特定の債権プールに含めるか否かを演算する演算手段26が設けられている。
演算手段26はコンピュータシステムにより構成されており、情報結合手段25により関連付けられた建物設計・建物性能情報DB3c、邸別土地建物価格情報DB31c、土地情報DB21c及び債務者情報DB22cに格納された住宅の建物設計・建物性能情報、邸別土地建物価格情報、住宅の土地情報及び債務者情報に基づいて、演算手段26により当初返済比率(DTI;Debt to income)情報、当初担保比率(LTV;Lone to Value)情報、邸別耐震等級情報、地耐力情報、邸別耐火等級情報、邸別耐風等級情報、邸別土地建物価格情報が抽出演算され、これ等の情報に基づいて、特定の住宅ローンを、証券化される住宅ローンの特定の債権プールに含めるか否かが演算される。
また、演算手段26は、前記当初返済比率情報を演算する際に、特定の住宅に対して複数口の住宅ローンが設定された場合に、証券化システムに設置されたデータサーバ20cの建物設計・建物性能情報DB3cに記憶された住宅の建物設計・建物性能情報からキッチンセットの数情報と、図32に示す項目番号41の間取り図に付与されたプラン番号情報とを抽出し、そのキッチンセットの数情報とプラン番号情報とを照合して、単世帯住宅で夫婦が複数口の住宅ローンを設定したものか、多世帯住宅の各世帯がそれぞれ住宅ローンを設定したものかを判断する。
そして、債務者情報DB22cに記憶された債務者情報から年収額情報と年間返済額情報とを抽出し、単世帯住宅で夫婦が複数口の住宅ローンを設定した場合と、多世帯住宅の各世帯がそれぞれ住宅ローンを設定した場合とで収入合算ルールを変更し、それぞれの収入合算ルールにより算出した年収額で年間返済額を除した値を当初返済比率情報として演算する。そして、これ等の情報に基づいて、特定の住宅ローンを、証券化される住宅ローンの特定の債権プールに含めるか否かを演算する。
そして、演算手段26により演算されて特定の債権プールに一同に含まれた複数の住宅ローンの各住宅ローンが設定された住宅の建物設計・建物性能情報、邸別土地建物価格情報、住宅の土地情報及び債務者情報を出力手段27により出力する。
図3はFAX−OCRサーバ8を利用して、住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dに記載された手書きの文字情報をデジタルデータ化して枠線データとテキスト文字・記号データに変換する様子を示すフローチャートであり、先ず、住宅メーカー1のファクシミリ装置5からファクシミリ送信されたイメージ画像データをFAX−OCRサーバ8が受信し(ステップS1)、FAXイメージ取り込み処理を行う(図3のステップS2)。
この際に、位置補正手段14により住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dに設けられたシート位置確認マーク10を認識して枠線マーク9及び該枠線マーク9内の文字・記号のイメージ画像データの位置補正を行なう。
次に図3のステップS3において、FAX−OCR装置により住宅ローン事前審査申込シート6a〜6dにデータ変換実行マーク11が設けられた頁に関してFAXイメージ画像データの中から枠線マーク9を検出し、該枠線マーク9及びその中に記載された文字・記号のイメージ画像データを枠線データ12及びテキスト文字・記号データ13にデジタル変換する。尚、住宅ローン事前審査申込シートにデータ変換実行マーク11が設けられていない頁に関してはFAXイメージ画像データのままで保存される。
次に図3のステップS4において、図8に示すように、データ修正手段16により枠線データ12及びテキスト文字・記号データ13を項目別に表示し、オペレータが図8の左画面に表示されたFAXイメージ画像データを目視しながら図8の右画面に表示された項目別のセル内に文字認識によりデジタル化されたテキスト文字・記号データ13を修正する。
この際に、図8の右画面に示すように、データ修正手段16により表示される項目にポイントされるカーソル17と、該カーソル17の位置に連動してファクシミリ受信したイメージ画像データ18のカーソル17が位置する項目に該当する枠線データ12が強調された強調枠線12aと、該強調枠線12a内の文字・記号のイメージ画像データ18とが一覧表示され、更にその強調枠線12aの周辺近傍である真上に該強調枠線12a内の文字・記号のイメージ画像データ18をデータ変換手段15によりデジタル変換したテキスト文字・記号データ13が強調表示された強調文字・記号13aが表示される。
カーソル17の動きに連動して強調表示される枠線データ12の位置が移動し、それに伴って強調表示される強調文字・記号13aの位置も移動する。カーソル17が移動した瞬間に強調表示されていた強調枠線12a及び強調文字・記号13aは消え、移動した先の強調枠線12a及び強調文字・記号13aが強調表示される。図8の右画面に表示される項目内の文字・記号を修正すると、強調文字・記号13aも修正が反映されて表示される。
これにより、認識結果の正誤を図8の右画面に表示される修正画面に視線を移動することなく確認出来るためオペレータが容易に且つ確実に誤認識文字の修正処理が出来るようになっている。
図3のステップS5において、文字認識結果修正処理を行った後、ステップS6において、変換文字・画像データの正常着信確認を行なう。そして、変換文字・画像データが正常に着信した場合にはイメージ画像データファイルとCSV(Comma Separated Value;コンマで区切られた値)ファイルとをFAX−OCRサーバ8のデータベースサーバ(以下、「DBサーバ」という)24に格納する。尚、ステップS6において、入力漏れ等のエラーが発生した場合には、ステップS4に戻ってオペレータによるエラー修正処理を行う。
ここで、CSVファイルとは値(数値やテキスト等)をコンマ(,)で区切って書いたテキストファイルのことをいう。CSVファイルはテキストファイルであるため、Mac(商品名)やWindows(登録商標)等の機種の違いや、Excel(商品名)やLotus 1-2-3(登録商標)等のアプリケーションの違いがないため、この機能を使って、異なるアプリケーション間でデータを受け渡しすることが容易に出来る。また、テキストファイルであるという性質のために、大規模なデータベースをもとに各種プログラムが作り易くなるという利点がある。
次に図1に示すモーゲージ会社19に設けられた融資審査・実行システム、債権管理システム、証券化システムへのデータ取り込みを行なう。先ず、図9のステップS11において該当物件の検索を行なう。検索キーコードとしては、図4に示す住宅ローン事前審査申込シート6aの枠線マーク9a欄に記載される契約(見込客)番号、或いは請負契約決定後は、請負契約番号が採用される。図示しない検索コード欄に契約(見込客)番号、或いは請負契約番号、借入者氏名(漢字表記、カナ表記)、ファクシミリの受信日等のうち少なくとも1つ以上を入力して検索ボタンをクリックする。
次にステップS12において、図2に示すアプリケーションサーバ28は融資審査・実行システム、債権管理システム、証券化システムに対してFAX−OCRサーバ8のDBサーバ24に格納されたCSVデータの取り込み指示を行なう。ここで、FAX−OCRサーバ8のDBサーバ24に格納されたCSVファイルが、基本情報としてデータサーバ20aの建物設計・建物性能情報DB3a、邸別土地建物価格情報DB31a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aにそれぞれ格納される。
次にステップS13において、建物設計・建物性能情報を取り込む指示を実行すると、請負契約番号を検索抽出キーとして住宅メーカー1に設けられたデータサーバ2の建物設計・建物性能情報DB3及び邸別土地建物価格情報DB31から抽出され、専用回線23及び外信サーバ29を介して邸別耐震等級情報、邸別耐火等級情報、邸別耐風等級情報、邸別土地建物価格情報等を含む各種情報が図1に示すDBサーバ24に一旦取り込まれて基本情報として登録処理される(ステップS14)。このとき、オペレータはファクシミリでイメージ情報として取り込んだ画像を表示して自動的に文字認識出来ないエリアの情報を入力する。
そして、ステップS15において、必要なデータが正常に登録されたか否かを判断し、正常に登録されて図示しない確認・保存ボタンがクリックされると、融資審査・実行システムのデータサーバ20aに送信されて該データサーバ20aに設けられた建物設計・建物性能情報DB3a、邸別土地建物価格情報DB31a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aにそれぞれ格納される。尚、ステップS15において、入力漏れ等のエラーが発生した場合には、ステップS14に戻ってオペレータによるエラー修正処理を行う。
図10は事前審査及び本審査を行う様子を示すフローチャートである。先ず図10のステップS21において、請負契約番号を検索抽出キーとして審査を行なう物件の検索を行なうと、アプリケーションサーバ28が作動して、融資審査・実行システムのデータサーバ20aに設けられた建物設計・建物性能情報DB3a、邸別土地建物価格情報DB31a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aにアクセスして基本情報が検索・抽出される。
次にステップS22において、審査担当者により事前審査を行なう。商品マスタデータベース(以下、「商品マスタDB」という)33には審査を行なう際の各種審査基準情報が格納されており、事前審査に必要な事項に関して商品マスタDB33から審査基準情報を参照して審査を行なう。
図42及び図43は審査画面の一例である。図1に示す住宅メーカー1の住宅設計・生産支援システムにて演算処理され、データサーバ2に蓄積された建物設計・建物性能情報DB3に蓄積されたデータを突合処理して取り込んだデータと、商品マスタDB33に予め設定されている証券化に必要な性能基準データとを比較演算し、当該建物が予定する債権プールの性能基準値を満たしているか否かを自動判定する。
一方、ローンの審査担当者は、各項目の自動判定結果を参考にしつつ、各項目の右側に表示されたチェックボックスで確認を行なう。このチェックボックスは、性能項目の全てが満足されない場合であっても、総合的に債権プールに追加しても構わないと判断されるものに対する許可の意味を持つ。
図42に示す判定画面はLTV(当初担保比率)とDTI(当初返済比率)の計算結果判定画面とその確認チェックを行う画面の一例であり、図43に示す判定画面は建物性能情報取り込み結果判定とその確認チェックを行う画面の一例である。
尚、個人信用情報機関34から送られたカードローン等の他の種々のローン等の特定個人の信用情報が外信サーバ29を介してDB兼WEBサーバ30に送られ、個人信用情報による与信判断システムに設けられたアプリケーションが作動して、借入者及び連帯保証人に対する与信判断プログラムが実行されて事前審査が行なわれる。
次にステップS23において、審査コメントを記入し、融資審査・実行システムのデータサーバ20aに設けられた建物設計・建物性能情報DB3a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aに保存する。
次にステップS24において、事前審査の判定等に基づいて、証券化を前提とする住宅ローンとして、1次承認申請を行なうか否かを判断し、貸付基準に達しない住宅ローンは謝絶する。1次承認申請をする場合には、ステップS25において1次承認者により審査を行なう。このとき、1次承認審査に必要な事項に関して商品マスタDB33から1次承認審査基準情報を参照して1次承認審査を行なう。
次にステップS26において、1次承認審査結果に基づいて、証券化を前提とする住宅ローンとして、貸付基準に該当しているか否かをシステムの判定結果と、審査担当者の審査コメントを参考に判断し、一定の基準に達していない場合は謝絶する。また情報不足や別の観点での審査が必要と判断され即断することが困難な場合は、その指示を審査コメントに記載して前記ステップS22に差し戻す。貸付基準に該当する場合は2次(最終)承認にまわす。
2次承認申請が行なわれた案件については、ステップS27において、2次承認者(最終承認者)により審査を行なう。このとき、2次審査に必要な事項に関して商品マスタDB33から2次承認審査基準情報を参照し、審査担当、1次承認者コメントと併せて2次承認審査を行なう。
次にステップS27の2次承認審査結果に基づいて、ステップS28において、2次承認するか否かを判断し、証券化を前提とする住宅ローンとして、貸付基準に該当しない住宅ローンの場合には謝絶し、情報不足や別の観点での審査が必要と判断され即断することが困難な場合は、その指示を審査コメントに記載して前記ステップS23またはステップS25に差し戻す。
ステップS28において、2次承認する場合には、2次承認されたその特定の住宅ローンのステータスを2次承認済みに変換して融資審査・実行システムのデータサーバ20aに設けられた建物設計・建物性能情報DB3a、土地情報DB21a及び債務者情報DB22aに保存する。
図12は融資実行承認のフローチャートを示す。先ず、ステップS31において、特定の住宅ローンを実行するための融資実行登録を行なう。ステップS32において、融資するための1次承認申請をするか否かを、ローンの申し込み審査結果に基づく、融資金利、融資金額、融資希望日通りであることを確認の上、1次承認者に申請する。内容に誤りがあった場合、差し戻し処理をし、修正登録・審査を実施する。
ステップS33において、1次承認者は、1次承認申請の内容に誤りが無いか慎重に審査し、内容に誤りがなければ2次承認申請を行なう(ステップS34)。内容に誤りがあった場合は、融資実行登録者に差し戻す。2次承認申請をする場合には、ステップS35において2次承認者により審査を行なう。
次にステップS35の2次承認審査結果に基づいて、ステップS36において、2次承認するか否かを判断し、融資に伴う2次承認の一定の規準に達しない住宅ローンの場合にはステップS31に差し戻す。
ステップS36において、2次承認する場合には、2次承認されたその特定の住宅ローンの融資のステータスを2次承認済みに変換して債権管理システムのデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bに保存すると共にステップS37において住宅ローンの実行を行なう。
2次承認は、担当者、1次承認者の申請に基づき、住宅ローンの融資実行を確定させる意味を持つと同時に、システム上、2次承認が行なわれた住宅ローンのステータスは債権管理に変わり、図1に示す融資・審査実行システムのデータベースから債権管理システムのデータベースにデータが移行する。データ移行の指示は、2次承認ボタンをクリックすることで自動的に行なわれる。
図13は融資実行確認のフローチャートを示す。先ず、ステップS41において、アプリケーションサーバ28を作動して債権管理システムに設置されたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bにアクセスして融資実行確認を行なう。ステップS42において振込明細票を出力し、ステップS43において返済予定表を出力し、ステップS44において融資予定表を出力する。そして、帳票サーバ35に格納すると共に、各帳票を出力する。
図14は債権管理システムの動作を説明するフローチャートである。アプリケーションサーバ28を作動してステップS51において債務者情報を登録し、ステップS52において物件情報を登録し、ステップS53において債権情報を登録し、ステップS54において保証債務情報を登録して債権管理システムに設置されたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bに保存する。更にステップS55において債権情報一覧をCSVファイルで出力し、ステップS56においてお客とのやり取りを残したコンタクト履歴管理を画面出力する。
前記ステップS51〜S54においては、通常は、図1に示す融資審査・実行システムから図12に示す前記ステップS35〜S37で自動的に引き継がれたデータを確認すれば足りる。但し、内容に万一、誤りや変更が生じた場合の修正用画面として、ここで登録が可能となるよう用意されたものである。
更に図14に示す前記ステップS55において、これまでシステムに蓄積したモーゲージバンクとしての管理用データを出力するための機能が、図32に示す債権情報一覧のCSVファイル出力機能である。
また図14に示す前記ステップS56におけるコンタクト履歴管理は、その時点までの顧客とのやり取りを記録しておくもので、図1に示す融資審査・実行システムから証券化システムまで全ての時点で確認が出来るよう引き継がれていく。
図15は口座振替データを作成する通常返済管理システムの動作を説明するフローチャートである。ステップS61においてアプリケーションサーバ28を作動させて回収データを作成し、ステップS62において回収予定登録を行ない、債権管理システムに設置されたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bのデータを修正・保存する。
次にステップS63において口座振替データを作成し、暗号化したものをMO(Magneto-Optical disk;光磁気ディスク)に出力する。そしてPC(Personal Computer;パーソナルコンピュータ)を介して集金代行会社36に口座振替データをアップロードする。一方、集金代行会社36から振替結果データをダウンロードしてPCを介してMOに記憶し、暗号を解読してステップS64において、口座振替結果を取り込む。ここで、MOは外部アクセスを遮断するために採用される。
次にステップS65において回収状況を登録し、ステップS66において、回収方法を通常回収にするか、取り立て回収にするかを選択する。そして、債権管理システムに設置されたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bのデータを修正・保存し、履歴を随時蓄積する。
図16は返済延滞管理を行う様子を示すフローチャートである。先ず、アプリケーションサーバ28を作動して債権管理システムのデータサーバ20b設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b債務者情報DB22b及び帳票サーバ35にアクセスして、ステップS71において口座振替不能一覧を作成し、ステップS72において回収状況一覧を作成し、ステップS73において延滞債権一覧を作成する。そして、作成した口座振替不能一覧、回収状況一覧及び延滞債権一覧をプリントアウトして帳票出力を行なう。
図17は繰上返済管理を行なう様子を示すフローチャートである。先ず、アプリケーションサーバ28を作動して帳票サーバ35にアクセスし、ステップS81においてお客とのやり取りを残したコンタクト履歴管理を作成し、ステップS82において期限前返済予定シミュレーションを作成し、ステップS83において期限前返済予定登録を行い、ステップS84において返済予定表を出力し、ステップS85において残高証明書を出力し、ステップS86において完済証を出力する。
そしてステップS87において、ステップS82で作成した期限前返済予定シミュレーションと、ステップS83で作成した期限前返済予定登録を画面出力し、プリントアウトして帳票出力を行なう。そして、債権管理システムに設置されたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bのデータを修正・保存し、履歴を随時蓄積する。
図18は個人信用情報機関34向けにファイルを作成する様子を示すフローチャートである。先ず、債権管理システムに設置されたデータサーバ20bに設けられた建物設計・建物性能情報DB3b、邸別土地建物価格情報DB31b、土地情報DB21b及び債務者情報DB22bにアクセスすると共に、個人信用情報機関34を選択し、ステップS91においてCSVファイルを出力した後、ステップS92において暗号化処理し、ステップS93においてMOに出力する。
図19は証券化システムの動作を説明するフローチャートである。先ず、ステップS101において、当初返済比率情報、当初担保比率情報、邸別耐震等級情報、地耐力情報、邸別耐火等級情報、邸別耐風等級情報、邸別土地建物価格情報等に基づいて特定の債権プールの抽出条件を設定する。
図37は債権プールの抽出条件を設定する表示画面の一例であり、図38は債権プールの抽出条件を設定した後の登録確認画面である。図37に示される債権プール番号は、証券化システムにて証券化プールの抽出を行った後で、実際に証券化されたものに付番されるものである。
住宅ローン債権の債権プールの抽出処理のフローは図51〜図53に示す通りである。ここでは、特に耐震等級情報や保有水平耐力をはじめとする建物設計・建物性能情報を有していることで、天災リスクをカバーしているが、債権プールの属性を向上させるために、図52に示すように、建設地の郵便番号を利用した層化サンプリングをシステムに自動的に行なわせることで、建設地が特定エリアに集中しないよう(例えば、郵便番号上3桁ベースの重複が無いよう)にしている。図53は図23に示す債権プールの各項目を説明する図である。
次にステップS102において個別債権明細を追加し、ステップS103において個別債権明細を削除する。個別債権明細の削除を行なうことにより、自動的に抽出された債権プールの微調整を実施する。この段階で、個別の債権の追加・削除による債権プールの変化は、リアルタイムに結果が表示されるため、これを基に債権プールが確定したら実行ボタンをクリックする。
図39は明細追加検索画面の一例であり、図40は追加候補検索結果を示す表示画面であり、図41は明細追加の確認画面である。証券化システムにおいて、債権プール抽出を行った後に、その債権プールから個別案件の明細を追加・削除した後に保存すると、図32に示す債権情報一覧.CSVファイルの項目番号7にある「債権プール番号」に債権プール番号が登録される。
そして、図19に示すステップS104において仮登録を実施し、ステップS105において債権プールを登録する。ステップS105において債権プールが登録されると抽出条件にマッチした各情報が証券化システムに設置されたデータサーバ20cに設けられた建物設計・建物性能情報DB3c、邸別土地建物価格情報DB31c、土地情報DB21c及び債務者情報DB22cに移行する。
次にステップS106において取引先を登録し、ステップS107において、図32に示すような債権情報一覧を作成し、ステップS108において、図33に示すような回収状況一覧を作成し、ステップS109において延滞債権一覧を作成し、ステップS110〜S112においてCSVファイルを出力する。
また提出情報の選択をした後、ステップS113において、図23に示すような、外部向けレポートを図53に示す条件にて自動生成し、ステップS114においてCSVファイルを出力する。以降毎月の履歴データをレポートとしてアレンジャー(住宅ローン証券の流動化を行うための設計作業や資産の優先劣後構造の構築、格付けの取得等、住宅ローンの証券化業務を具体的にアレンジする者)や格付機関に提供する。
図20〜図22は証券化システムに設けられた演算手段26により当初返済比率情報を演算する様子を示すフローチャートである。実際には、2口を越える複数口数にまで対応しているが、ここでは2口の例で説明する。
先ず、図20に示すステップS121において、証券化システムに設置されたデータサーバ20cに設けられた建物設計・建物性能情報DB3c、邸別土地建物価格情報DB31c、土地情報DB21c及び債務者情報DB22cにアクセスして、特定の住宅ローンの申込者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるかを判断し、その年齢から外れた場合には申込不許可とする。その年齢以内であればステップS122において、1請負契約に対して複数口の住宅ローンが申し込まれたか否かを判断し、1請負契約に対して1口の住宅ローンが申し込まれた場合にはステップS123において、申込者以外に収入合算者が設定されているか否かを判断する。
前記ステップS123において、収入合算者が設定されていない場合には、ステップS124において、申込者の年齢が50歳未満か否かを判断し、50歳以上である場合には申込者の年収額の70%を当初返済比率情報を演算する際の年収額情報(A)とする。また50歳未満の場合には申込者の年収額をそのまま年収額情報(B)とする。ここで、当初返済比率情報=年間返済額情報/年収額情報により演算される。
次に前記ステップS123において、申込者以外に収入合算者が設定されている場合には、ステップS125において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかであるか否かを判断し、それ等の関係でない場合には、前記ステップS124に進んで同様に年収額情報(A),(B)が演算される。
次に前記ステップS125において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかである場合には、ステップS126において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるか否かを判断し、その年齢から外れた場合には前記ステップS124に進んで同様に年収額情報(A),(B)が演算される。
前記ステップS126において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下である場合には、ステップS127において、収入合算者が申込者の親であるか否かを判断し、親でない場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の50%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(C)とする。
また前記ステップS127において、収入合算者が申込者の親である場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の25%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(D)とする。
前記ステップS122において、1請負契約に対して複数口の住宅ローンが申し込まれた場合には、ステップS128において多世帯住宅か否かを判断する。この際、演算手段26は建物設計・建物性能情報DB3cに記憶された住宅の建物設計・建物性能情報からキッチンセットの数情報と、図11に示す間取り図に付与されたプラン番号情報とを抽出し、該キッチンセットの数情報と、プラン番号情報とを照合して、単世帯住宅で夫婦が複数口の住宅ローンを設定したものか、多世帯住宅の各世帯がそれぞれ住宅ローンを設定したものかを判断する。
図11において、単世帯住宅ではプラン番号としてS1〜S4が設定されており、二世帯住宅ではプラン番号としてW1〜W5、J1〜J5、T1〜T5が設定されている。単世帯住宅であってもキッチンセットが2セット以上設けられるものが存在するが、プラン番号と照合することにより単世帯住宅で夫婦が複数口の住宅ローンを設定したものか、多世帯住宅の各世帯がそれぞれ住宅ローンを設定したものかを正確に判別することが出来る。
ステップS128において、単世帯住宅であった場合には、ステップS129において、各申込者の続柄が親子、夫婦のいずれかであるか否かを判断し、それ等の続柄でない場合には、ステップS130において、どちらかの一方の申し込みのみ許可する。
次にステップS131において、申込者以外に収入合算者が設定されているか否かを判断し、収入合算者が設定されていない場合には、申込者の年齢が50歳未満の場合には申込者の年収額をそのまま年収額情報(E)とし、申込者の年齢が50歳以上である場合には申込者の年収額の70%を年収額情報(E)とする。
また前記ステップS131において、申込者以外に収入合算者が設定されている場合には、ステップS132において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかであるか否かを判断し、それ等の関係でない場合には、同様に年収額情報(E)が演算される。
次に前記ステップS132において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかである場合には、ステップS133において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるか否かを判断し、その年齢から外れた場合には同様に年収額情報(E)が演算される。
前記ステップS133において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下である場合には、ステップS134において、収入合算者が申込者の親であるか否かを判断し、親でない場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の50%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(F)とする。
また前記ステップS134において、収入合算者が申込者の親である場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の25%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(G)とする。
図20に示す前記ステップS129において、各申込者の続柄が親子、夫婦のいずれかである場合には、図21に示すステップS141において、各申込者の年収額の高い方を主たる申込者とし、年収額の低い方をみなし合算者とする。例えば申込者が50歳以上の場合はその申込者の年収額の70%と比較する。
次にステップS142において、みなし合算者が申込者の親か否かを判断し、親でない場合には、ステップS143において、収入合算者が設定されているか否かを判断する。ここで、収入合算者は1名を想定する。
前記ステップS143において、収入合算者が設定されていない場合には、主たる申込者の年収額+(みなし合算者の年収額の50%)且つ主たる申込者の年収額の50%以内を年収額情報(H)とする。
次に前記ステップS143において、収入合算者が設定されている場合には、ステップS144において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかであるか否かを判断し、それ等の関係でない場合には、同様に年収額情報(H)が演算される。
次に前記ステップS144において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかである場合には、ステップS145において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるか否かを判断し、その年齢から外れた場合には同様に年収額情報(H)が演算される。
前記ステップS145において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下である場合には、ステップS146において、収入合算者が申込者の親であるか否かを判断し、親でない場合には、申込者の年収額+(みなし合算者の年収額の50%)+(合算者の年収額の50%)を年収額情報(I)とする。
また前記ステップS146において、収入合算者が申込者の親である場合には、申込者の年収額+(みなし合算者の年収額の50%)+(合算者の年収額の25%)を年収額情報(J)とする。
前記ステップS142において、みなし合算者が申込者の親である場合には、ステップS147において、収入合算者が設定されているか否かを判断する。ここで、収入合算者は1名を想定する。
前記ステップS147において、収入合算者が設定されていない場合には、主たる申込者の年収額+(みなし合算者の年収額の25%)且つ主たる申込者の年収額の50%以内を年収額情報(K)とする。
次に前記ステップS147において、収入合算者が設定されている場合には、ステップS148において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかであるか否かを判断し、それ等の関係でない場合には、同様に年収額情報(K)が演算される。
次に前記ステップS148において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかである場合には、ステップS149において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるか否かを判断し、その年齢から外れた場合には同様に年収額情報(K)が演算される。
前記ステップS149において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下である場合には、ステップS150において、収入合算者が申込者の親であるか否かを判断し、親でない場合には、申込者の年収額+(みなし合算者の年収額の25%)+(合算者の年収額の50%)を年収額情報(L)とする。
また前記ステップS150において、収入合算者が申込者の親である場合には、申込者の年収額+(みなし合算者の年収額の25%)+(合算者の年収額の25%)を年収額情報(M)とする。尚、演算手段26は、前記年収額情報(H)〜(M)の場合、各申し込みは単独で当初返済比率(DTI;Debt to income)も審査して基準を満たす必要がある旨の演算処理を行なう。
図20のステップS128において、多世帯住宅であった場合には、図22のステップS161において、各申込世帯が、親子、兄弟、叔父(叔母)との続柄世帯となっているか否か判断し、そのような続柄世帯でない場合には、ステップS162において、どちらか一方の申込のみ許可する。
次にステップS163において、申込者以外に収入合算者が設定されているか否かを判断し、収入合算者が設定されていない場合には、申込者の年齢が50歳未満の場合には申込者の年収額をそのまま年収額情報(N)とし、申込者の年齢が50歳以上である場合には申込者の年収額の70%を年収額情報(N)とする。
また前記ステップS163において、申込者以外に収入合算者が設定されている場合には、ステップS164において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかであるか否かを判断し、それ等の関係でない場合には、同様に年収額情報(N)が演算される。
次に前記ステップS164において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかである場合には、ステップS165において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるか否かを判断し、その年齢から外れた場合には同様に年収額情報(N)が演算される。
前記ステップS165において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下である場合には、ステップS166において、収入合算者が申込者の親であるか否かを判断し、親でない場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の50%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(O)とする。
また前記ステップS166において、収入合算者が申込者の親である場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の25%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(P)とする。
前記ステップS161において、各申込世帯が、親子、兄弟、叔父(叔母)との続柄世帯となっている場合には、ステップS167において、各世帯申込毎に当初返済比率(DTI)を演算する。
次にステップS168において、申込者以外に収入合算者が設定されているか否かを判断し、収入合算者が設定されていない場合には、申込者の年齢が50歳未満の場合には申込者の年収額をそのまま年収額情報(Q)とし、申込者の年齢が50歳以上である場合には申込者の年収額の70%を年収額情報(Q)とする。
また前記ステップS168において、申込者以外に収入合算者が設定されている場合には、ステップS169において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかであるか否かを判断し、それ等の関係でない場合には、同様に年収額情報(Q)が演算される。
次に前記ステップS169において、収入合算者が申込者の親、配偶者、子の何れかである場合には、ステップS170において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下であるか否かを判断し、その年齢から外れた場合には同様に年収額情報(Q)が演算される。
前記ステップS170において、収入合算者の年齢が20歳以上且つ60歳以下である場合には、ステップS171において、収入合算者が申込者の親であるか否かを判断し、親でない場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の50%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(R)とする。
また前記ステップS171において、収入合算者が申込者の親である場合には、申込者の年収額+(収入合算者の年収額の25%)且つ申込者の年収額の50%以内を年収額情報(S)とする。
上記構成によれば、住宅ローン債権を証券化するために、格付機関が想定する当初返済比率(DTI)の演算ロジックを、そのまま証券化システムに反映させ、データサーバ20cに設けられた建物設計・建物性能情報DB3c、邸別土地建物価格情報DB31c、土地情報DB21c及び債務者情報DB22cに格納された住宅の建物設計・建物性能情報、邸別土地建物価格情報、住宅の土地情報及び債務者情報をもとに、演算手段26により自動的に計算することが出来る。
通常の金融機関の当初返済比率(DTI)は格付機関の当初返済比率(DTI)の計算方法と異なるため、格付機関は格付機関のロジックで修正し直して当初返済比率(DTI)を再計算する必要があったが、本システムではこれを必要としない。そのため、このシステムで計算された当初返済比率(DTI)はそのまま投資家、格付機関に債権情報として提供出来、特別な修正加工を必要としない。
また、住宅ローンの申込者や収入合算者の年齢によって、本人年収額にストレスを与えることにより、給与所得者が年金収入に移行した場合の給与水準を予め当初返済比率(DTI)計算システムに反映することが出来る。
即ち、年齢50歳以上の場合、本人年収額の70%を収入として当初返済比率(DTI)を計算させている。また申込者の親を収入合算者とする場合、収入合算額は、親の年収額の25%だけを合算している。これは格付機関に特有の考え方であり、住宅ローン返済期間中の親の死亡をリスクファクターとして反映させた格付機関特有の考え方であり、これを本システムに取り込み算出させている。
通常の金融機関は、親の年収額の50%合算となっていることが多いため、格付機関は、親の年収額の25%に置きなおして修正当初返済比率(DTI)を再計算しなければならず、通常これらの修正を加えたものを、修正当初返済比率(DTI)として投資家に提供している。また収入合算者が子または配偶者の場合はストレスを与えない。
例えば特定の住宅に対して2口の住宅ローンが設定された場合には、単世帯住宅で二人の人が住宅ローンを借入する場合と、二世帯住宅のそれぞれの世帯が住宅ローンを借り入れする場合がある。これを住宅メーカ1側のシステムからデータ伝送された建物設計・建物性能情報に含まれるキッチンセットの数と、間取り図に付番されたプラン番号とをキーにして照合することにより、自動的に二世帯住宅か否かの判定を行うことが出来、このような判定結果に基づいて収入合算ルールを自動的に変更することが出来る。
即ち、同じ1棟の建物であった場合でも、単世帯住宅で、例えば夫婦二人がそれぞれ住宅ローンを組む場合と、二世帯住宅において、各世帯が各々1口ずつの住宅ローンを組む場合では、当初返済比率(DTI)の算出方法が格付機関のロジックでは異なるために上記の判定結果に基づいて、当初返済比率(DTI)算出方式を自動的に変化させて対応することが出来る。
例えば、1棟の単世帯で、夫婦がそれぞれローンを組んだ場合、離婚を原因として延滞が発生するリスクが増大すると考えられるため、このリスクに対するストレスを当初返済比率(DTI)に与えている。実際に延滞理由の最大要因のひとつが離婚である。
具体的には、1棟全体の借入金額を合計し、その返済額を算出の上で、年収額の多い人をA、少ない人をBとすると、Aの年収+B×1/2を世帯年収額として計算し(これをCとする)、年間返済額/Cで世帯当初返済比率(DTI)を算出する。
1つの世帯で複数借り入れがある場合、この世帯当初返済比率(DTI)を基本としている。
一方、本システムで、多世帯住宅であると判定した場合は、上記の単世帯の収入合算のロジックは使用出来ない。即ち、1棟の建物といえども世帯は独立しているため互いの世帯の返済は別々と考えるロジックに自動的に切り替えるシステムとなっている。
この場合は、年間返済額を世帯ごとに年収額の100%で除してもとめた当初返済比率(DTI)を算出する。且つ世帯ごとに収入合算者がいれば、その人の年収の50%且つ本人年収額の50%を限度とした金額を本人年収額に加えて当初返済比率(DTI)を計算する。
上記に加えて、それぞれ、借入者、収入合算者年齢を判断して、年収額に対するストレスは常に加えるロジックとなっている。以上のとおり、借入者の年齢、世帯構成収入合算者の続柄等をシステム上で判定させ、これらそれぞれの場合毎に異なる当初返済比率(DTI)算出方式をとる格付機関の考え方と整合性をとっている。
収入合算ロジックは、格付機関の事前のチェックを経ているロジックであるため、投資家にとっても当初返済比率(DTI)を改めて再計算する必要が生じない。
また、システムに取り込んだ借入者及び収入合算者の年齢、続柄情報を基に年収に対して一定の係数を乗じることで高齢者等の退職後の年収減少に対するリスクが反映された情報を提供出来る。
このようにして演算手段26は情報結合手段25により関連付けられた建物設計・建物性能情報、邸別土地建物価格情報、住宅の土地情報及び債務者情報に基づいて、特定の住宅ローンを、証券化される住宅ローンの特定の債権プールに含めるか否かを証券化の際の最重要要素の1つである当初返済比率(DTI)に関して演算する。
尚、当初返済比率情報について詳しく前述したが、演算手段26は、当初返済比率情報、当初担保比率情報、邸別耐震等級情報、地耐力情報、邸別耐火等級情報、邸別耐風等級情報、邸別土地建物価格情報のうちの少なくとも1つ或いはこれ等を適宜組み合わせて、特定の住宅ローンを、証券化される住宅ローンの特定の債権プールに含めるか否かを演算するものである。図23に演算手段26により演算された証券化される複数の住宅ローンが一同に含められた特定の債権プールの概要の一例を示す。
このように、演算手段26により演算されて特定の債権プールに一同に含まれた複数の住宅ローンの各住宅ローンが設定された住宅の建物設計・建物性能情報、邸別土地建物価格情報、住宅の土地情報及び債務者情報が出力手段27により出力され、これ等の情報を基にして格付機関では、各特定の債権プールに対して、債務履行の確実性が最も高い「AAA」、債務履行の確実性が極めて高い「AA」、債務履行の確実性が高い「A」、債務履行の確実性は十分である「BBB」、債務履行の確実性は当面問題ない「BB」、債務履行の確実性に問題がある「B」、債務不履行に陥っているか、またはその懸念が強い。債務不履行に陥った債権は回収が十分には見込めない可能性がある「CCC」、債務不履行に陥っているか、またはその懸念が極めて強い。債務不履行に陥った債権は回収がある程度しか見込めない「CC」、債務不履行に陥っており、債権の回収も殆ど見込めない「C」等の格付けを行なうことが出来、住宅の建物設計や建物性能を考慮することで、長寿命化した住宅の本来の価値が反映された格付けを実施することが出来、投資家にとっては投資リスクを低減することが出来る。
また図2に示す外信サーバ29は情報提供手段を兼ねており、特定の債権プールに含まれる特定の住宅ローンが設定された住宅の定期点検プログラムまたはリフォーム工事またはリフレッシュ工事のタイミングで邸別土地建物価格情報を、その特定の債権プールに含まれる特定の住宅ローン債権の証券を購入した投資家に定期的に提供する。また、債務者情報、債権情報、回収情報の各明細、ダイナミックデータ、スタティックデータ、回収状況報告書、属性分析データ等の各種情報も定期的に投資家に提供する。