JP2010204198A - レンズ部品、カメラモジュール、及び駆動装置 - Google Patents

レンズ部品、カメラモジュール、及び駆動装置 Download PDF

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Ikuo Shinoda
郁夫 信太
Hitoshi Kawamura
等 川村
Masaru Hasuda
大 蓮田
Susumu Aoki
進 青木
Manabu Tani
学 谷
Keisuke Taguchi
圭祐 田口
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Abstract

【課題】圧電素子及び/又は駆動軸の配置誤差に起因して所望の条件で移動対象物を変位させることが阻害されることを抑制すること。
【解決手段】駆動装置は、ピエゾ素子42及び伝達軸44が連結した連結体と、伝達軸44の長手方向に沿って摺動可能な状態で伝達軸44が摩擦係合したリンク部材45と、リンク部材45を固定支持する固定側部材と、連結体に固着された移動対象物と、を備え、移動対象物は、ピエゾ素子42の駆動に応じて固定側部材に対して前記連結体と共に変位する。
【選択図】図2

Description

本発明は、レンズ部品、カメラモジュール、及び駆動装置に関する。
近年、カメラ等の撮像装置は多種多様な製品に組み込まれている。携帯電話、ノートパソコン等といった小型な電子機器にカメラを実装する場合、カメラ自体の小型化も強く要求される。
カメラ内にはオートフォーカスレンズが組み込まれる場合がある。この場合、レンズを変位させるアクチュエータの小型化が強く望まれている。小型なアクチュエータとしては、圧電素子を駆動することで移動対象物を変位させるタイプが知られている。このタイプのアクチュエータでは、圧電素子に対する電圧波形の印加に伴って生じる振動を、圧電素子に連結した軸体を介して、この軸体に摺動可能な状態で係合したレンズ鏡筒に伝達する。圧電素子に印加される電圧波形の波形を適切に設定することで、圧電素子の伸び速度と縮み速度とを異ならしめる。レンズ鏡筒と軸体間の摩擦、及びレンズ鏡筒の慣性によって、レンズ鏡筒は、圧電素子の伸縮状況に応じて変位したり、変位しなかったりする。
特許文献1では、圧電素子、及び圧電素子に連結した駆動軸を特殊なフレームで支持する構造が示されている。特許文献2では、錘を加えて駆動装置を形成した構造が開示されている。特許文献3及び4にも、同様の駆動装置が開示されている。特許文献5には、ピエゾ素子と被駆動部材が摩擦当接することで生じる削りカスを集塵部材で飛散しないようにすることが開示されている。
特開2006−91210号公報 特許第2625567号 特開2002−95274号公報 特許第2633066号 特開2006−178490号公報
上述の圧電素子の伸縮を活用したアクチュエータでは、ベース部材の載置面上に圧電素子を接着固定し、この圧電素子に駆動軸を接着固定し、この駆動軸に対してレンズホルダを摺動可能に取り付けるタイプがある。圧電素子及び駆動軸をベース部材上に積み上げ、駆動軸に対してレンズホルダを取り付けることでアクチュエータを簡易に製造することができる。
しかしながら、このタイプでは、ベース部材の載置面上に圧電素子の下面を配置する際、接着剤の影響によって、ベース部材の載置面と圧電素子の下面間の面接触が阻害される場合がある(図15(a)参照)。載置面に対して圧電素子がなす傾きに応じて、撮像素子の撮像面に対してレンズホルダが傾きを持ってしまう。この場合、撮像素子の撮像面に対してレンズの光軸が所望の条件からずれて設定され、撮像素子の撮像面に結像される像の品質が劣化してしまう。より具体的には、組み立て後の信頼性試験での歩留まりの劣化が懸念される。なお、圧電素子に対して駆動軸が傾斜して連結する場合(図15(b)参照)も上述の場合と同様の問題が懸念される。上述の圧電素子又は駆動軸の配置誤差は、図14に示すタイプに限らず、他のタイプのアクチュエータでも生じうる。
上述の説明から明かなように、圧電素子及び/又は駆動軸の配置誤差に起因して所望の条件で移動対象物を変位させることが阻害されるおそれがある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、圧電素子及び/又は駆動軸の配置誤差に起因して所望の条件で移動対象物を変位させることが阻害されることを抑制することを目的とする。
本発明にかかる駆動装置は、圧電素子及び駆動軸が連結した連結体と、前記駆動軸の長手方向に沿って摺動可能な状態で前記駆動軸が摩擦係合した係合部と、前記係合部を固定支持する固定側部材と、前記連結体に固着された移動対象物と、を備え、前記移動対象物は、前記圧電素子の駆動に応じて前記固定側部材に対して前記連結体と共に変位する。
前記移動対象物は、複数の支持部を有し、前記移動対象物は、複数の前記支持部により前記連結体に固着されている、と良い。
前記係合部は、複数の前記支持部間に配置されている、と良い。
前記係合部は、前記駆動軸が挿通される開口を有する軸保持部と、前記開口に挿通された前記駆動軸を付勢する付勢部材を少なくとも部分的に収納する収納部と、を備え、前記付勢部材による付勢に応じて、前記駆動軸と前記係合部材とが摺動可能に係合する、と良い。
本発明に係るカメラモジュールは、レンズを保持するレンズ保持体と、前記レンズを介して入力する像を撮像する撮像素子と、圧電素子及び駆動軸が連結した連結体と、前記駆動軸の長手方向に沿って摺動可能な状態で前記駆動軸が摩擦係合した係合部と、前記係合部が固定支持され、前記撮像素子が固定された固定側部材と、を備え、前記レンズ保持体は、前記連結体に固着され、前記圧電素子の駆動に応じて前記固定側部材に対して前記連結体と共に変位する。
前記レンズ保持体は、複数の支持部を有し、前記レンズ保持体は、複数の前記支持部により前記連結体に固着されている、と良い。
前記係合部は、複数の前記支持部間に配置されている、と良い。
前記係合部は、前記駆動軸が挿通される開口を有する軸保持部と、前記開口に挿通された前記駆動軸を付勢する付勢部材を少なくとも部分的に収納する収納部と、を備え、前記付勢部材による付勢に応じて、前記駆動軸と前記係合部材とが摺動可能に係合する、と良い。
前記固定側部材は、樹脂により構成され、前記固定側部材の前記係合部の固定支持部分と前記撮像素子の固定部分が一体成形品である、と良い。
前記固定側部材は、前記係合部が支持された筐体部と、前記撮像素子が前記レンズ保持体とは反対側の面に固定された透明基板を有し、前記筐体部と前記透明基板を当接させて位置あわせをしている、と良い。
前記固定側部材は、前記係合部を部分的に受け入れる受け部と、前記受け部に受け入れられた前記係合部が前記駆動軸の長手方向に交差する方向へ変位することを規制する規制部を備える、と良い。
本発明に係るレンズ部品は、圧電素子及び駆動軸が連結した連結体と、内部にレンズを保持し複数の支持部により前記連結体に固着されたレンズ保持体と、前記駆動軸が挿通される開口を有する軸保持部、前記駆動軸の長手方向に沿って摺動可能な状態で前記駆動軸を摩擦係合するために前記軸保持部に挿通された前記駆動軸を付勢する付勢部材、及び固定側部材に連結するための連結部を有する係合部材と、を備えたレンズ部品であって、前記レンズ保持体は、前記圧電素子の駆動に応じて前記係合部材に対して前記連結体と共に変位する。
本発明によれば、圧電素子及び/又は駆動軸の配置誤差に起因して所望の条件で移動対象物を変位させることが阻害されることを抑制することができる。
本発明の第1の実施形態にかかるカメラモジュールの概略的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるカメラモジュールの概略的な断面図である。 本発明の第1の実施形態にかかるレンズユニットの概略的な断面構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかるリンク部材の筐体への取り付け状態を示す概略的な模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかるリンク部材の概略的な分解斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるリンク部材の概略的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかるリンク部材の概略的な斜視図である。 本発明の第1の実施形態にかかる携帯電話の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかる携帯電話の前面の構成を示す模式図である。 本発明の第1の実施形態にかかるアクチュエータを駆動するための駆動部の構成を示すブロック図である。 本発明の第1の実施形態にかかる圧電素子に印加される電圧波形を示す概略的な波形図である。 本発明の第1の実施形態にかかるピエゾ素子の駆動周波数と変位量との関係を異なる構成の駆動装置ごとに示す説明図である。 本発明の第2の実施形態にかかる筐体に対するレンズユニットの取り付け状態を示す模式図である。 本発明の第3の実施形態にかかる筐体に対するレンズユニットの取り付け状態を示す模式図である。 従来の問題点を説明するための説明図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。なお、各実施の形態は、説明の便宜上、簡略化されている。図面は簡略的なものであるから、図面の記載を根拠として本発明の技術的範囲を狭く解釈してはならない。図面は、もっぱら技術的事項の説明のためのものであり、図面に示された要素の正確な大きさ等は反映していない。同一の要素には、同一の符号を付し、重複する説明は省略するものとする。上下左右といった方向を示す言葉は、図面を正面視した場合を前提として用いるものとする。
〔第1の実施の形態〕
以下、図1乃至図12を参照して、本発明の第1の実施形態について説明する。図1は、カメラモジュールの概略的な斜視図である。図2は、カメラモジュールの概略的な断面図である。図3は、レンズユニットの概略的な断面構成を示す模式図である。図4は、リンク部材の筐体への取り付け状態を示す概略的な模式図である。図5は、リンク部材の概略的な分解斜視図である。図6及び図7は、リンク部材の概略的な斜視図である。図8は、携帯電話の構成を示す模式図である。図9は、携帯電話の前面の構成を示す模式図である。図10は、アクチュエータを駆動するための駆動部の構成を示すブロック図である。図11は、圧電素子に印加される電圧波形を示す概略的な波形図である。図12に、ピエゾ素子の駆動周波数と変位量との関係を異なる構成の駆動装置ごとに示す説明図である。
図1及び図2に示すように、カメラモジュール(カメラ部品)150は、フレキシブル配線基板10、コネクタ11、イメージセンサ(撮像素子)12、ガラスカバー13、筐体(外囲器)20、レンズユニット(レンズ部品)30、及び蓋50を有する。なお、図1では、筐体20、及び蓋50の図示を省略している。
フレキシブル配線基板10の一端にはコネクタ11が設けられている。フレキシブル配線基板10の他端には、ガラスカバー13に取り付けられたイメージセンサ12が設けられている。イメージセンサ12上には、ガラスカバー13、筐体20、レンズユニット30、及び蓋50が、この順で配置される。なお、筐体20の下端面は、筐体20の内部に外来光が侵入することを抑制するために、黒色の接着剤を介してフレキシブル配線基板10に固定されている。なお、筐体20は、移動体からみて移動しない状態(固定状態)にある固定側部材として機能する。
フレキシブル配線基板10は、可撓性を有するシート状の配線基板である。フレキシブル配線基板10は、イメージセンサ12に入力する制御信号、及びイメージセンサ12から出力されるビデオ信号の伝送路として機能する。また、フレキシブル配線基板10は、ピエゾ素子42に入力する電圧パルスの伝送路として機能する。
コネクタ11は、カメラモジュール150を本体機器に電気的及び機械的に固定するための接続部分を形成する。
イメージセンサ12は、CCD(Charge Coupled Device)センサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサといった一般的な固体撮像素子である。イメージセンサ12は、XZ平面にてマトリクス状に配置された複数の画素を有する。各画素で光電変換をすることによって入力像を像データに変換して出力する。
ガラスカバー13は、入力光に対して実質的に透明な板状部材である。ガラスカバー13の上面視形状は方形である。ガラスカバー13の背面(出射面)には、イメージセンサ12がバンプを介して実装されている。イメージセンサ12の受光面は、ガラスカバー13側に配置されている。ガラスカバー13の背面には、配線パターンが予め形成されている。ガラスカバー13とイメージセンサ12間には、複数の半田バンプが配置される。配線パターンとイメージセンサ12の電極間は、これらの間に位置する半田バンプにより電気的に接続される。イメージセンサ12の電極の位置に取り付けられた半田バンプにより、イメージセンサ12は、ガラスカバー13に固定され、ガラスカバー13の電極(パッド)と電気的に接続されている。
イメージセンサ12とガラスカバー13との間の距離(離間距離)は、半田バンプの大きさによって決定される。半田バンプの大きさを制御することは容易である。従って、半田バンプの大きさを適宜制御することで、イメージセンサ12とガラスカバー13との位置決めを正確に行うことが可能である。また、複数の半田バンプにより位置決めすることから、イメージセンサ12とガラスカバー13との離間距離が平均化される。
ガラスカバー13とフレキシブル配線基板10間には、半田バンプBPが配置されている。半田バンプBPによって、ガラスカバー13とフレキシブル配線基板10間の電気的な接続が確保される。なお、半田バンプBPによって、イメージセンサ12とフレキシブル配線基板10間にスペースが確保される。換言すると、半田バンプBPは、イメージセンサ12とフレキシブル配線基板10間に空間を形成するためのスペーサとして機能している。
筐体20は、イメージセンサ12上に配置される。筐体20は、イメージセンサ12を下部空間で収納し、レンズユニット30を上部空間で収納する。下部空間を形成している筐体20の側壁部分の底面部(底端面)は、黒色の接着剤によってフレキシブル配線基板10に固定されている。筐体20の採用により、カメラ機能のモジュール化を図ることができる。なお、筐体20は、例えば、黒色の樹脂がモールド成形されて製造される。
図2に示すように、筐体20の上部空間及び下部空間を隔てる隔壁の背面側には、リブ(位置規制部)22a、22bが形成されている。これによって、筐体20をガラスカバー13上に配置するときに、好適に上方からガラスカバー13を押さえ込み、ガラスカバー13を好適に位置決めすることができる。なお、このリブ22a、22bを設けずに直接的に筐体20で上方向からガラスカバー13の配置位置を規制しても良い。
ガラスカバー13を好適に位置決めするために、ガラスカバー13の側面に対向するリブ(不図示)を筐体20に形成させても良い。これによって、筐体20をガラスカバー13上に配置するときに、好適に横方向からガラスカバー13の配置位置を規制することができ、ガラスカバー13を好適に位置決めすることができる。なお、このようなリブを設けずに直接的に筐体20で横方向からガラスカバー13の配置位置を規制しても良い。
なお、図2に示すように、フレキシブル配線基板10の下には、補強板15が配置されている。補強板15は、ポリイミド等の樹脂材料からなる。補強板15は、黒色である。補強板15を配置することで、カメラモジュール150の内部に外来光が入射することを好適に抑制することができる。また、ここでは、外来光の悪影響を更に抑制するため、黒色のフレキシブル配線基板10を採用している。
図2では図示が省略されているが、イメージセンサ12は、ガラスカバー13に形成された配線に対してバンプ(半田バンプ等)を介して接続されている。図2では、このバンプの図示が省略されている。
図2に示すように、レンズユニット30は、レンズL1〜L4、レンズホルダ(レンズ保持体)31、ピエゾ素子(圧電素子)42、伝達軸(駆動軸)44、及びリンク部材(係合部材、係合部)45を有する。レンズホルダ31は、レンズL1〜L4を内部に収納する。レンズユニット30は、ピエゾ素子42の駆動に応じて、y軸(レンズL1〜L4の光軸に一致する軸線)に沿って移動可能である(但し、リンク部材45を除く)。イメージセンサ12の撮像面に対するレンズL1〜L4の配置高さを調整することで、被写体像を適切にイメージセンサ12の撮像面に結像させることができる。なお、リンク部材45を、筐体20に対してレンズホルダ31を連結させるための連結部材と把握することもできる。
レンズホルダ31の外周には、一端にピエゾ素子42が固着した伝達軸44、及び伝達軸44に摩擦係合したリンク部材45が配置される。レンズホルダ31の外周面には、支持板(支持部)32が一体的に形成されている。支持板32に形成された孔(開口)に伝達軸44を嵌め込むことで、伝達軸44はレンズホルダ31に対して固定される。
ピエゾ素子42及び伝達軸44は、接着又は嵌合によって、互いに連結している。伝達軸44は、レンズホルダ31に対して移動不能な状態で固設されている。リンク部材45は、y軸に沿って摺動可能な状態で伝達軸44に係合している。換言すると、リンク部材45は伝達軸44に対して摩擦係合している。相対的な位置関係が互いに固定された関係にあるレンズ、レンズホルダ31、ピエゾ素子42、及び伝達軸44は、リンク部材45に対して相対的に移動可能である。
レンズホルダ31の外周面には、y軸方向に所定の間隔をおいて配置された2つの支持板32a、32bが形成されている。支持板32a、32bは、レンズホルダ31の外側に延出する延在部である。
支持板32a、32bの間には、伝達軸33に係合したリンク部材45が配置されている。支持板32a、32b、リンク部材45の各部材には、伝達軸44が挿通される孔が形成されている。支持板32a、32b間にリンク部材45を配置した状態で、これらの部材に形成された孔に対して伝達軸44を順次挿入する。これによって、伝達軸44を介してレンズホルダ31とリンク部材45が連結される。
レンズホルダ31の支持板32a、32bの孔に対して伝達軸44を挿入することで、伝達軸44は支持板32a、32b間に架設される。これにより、圧電素子及び/又は伝達軸の配置誤差に起因して所望の条件でレンズを変位させることが阻害されることを抑制することができる。また、レンズホルダ31に保持されたレンズL1〜L4の光軸AXに対して伝達軸44の長手方向を簡易に平行とすることができる。伝達軸44が光軸AXに対して平行配置されることによって、イメージセンサ12の撮像面に結像される像の品質を効果的に高めることができる。
また、リンク部材45を挟んで支持板32a、32bで伝達軸44を固定支持することで、レンズホルダ31の移動範囲を規制することができる。但し、このような2点支持に限らず、支持板32aに対してのみ伝達軸44を機械的に固定する一点支持を採用してもリンク部材45の移動範囲の上限を規制するように構成しても良い。
支持板32a、32bには、伝達軸44が機械的に固定される。支持板32a、32bに形成された孔は、伝達軸44の径よりも僅かに狭い。支持板32a、32bに形成された孔に圧力をかけて伝達軸44を嵌め込むことによって、支持板32に対して伝達軸44を機械的に固定することができる。
一方、支持板32a、32bの孔の径を、伝達軸44の径よりもわずかに広くし、支持板32a、32bの孔に伝達軸44を挿通し、熱硬化性の接着剤により伝達軸44と強固に接着しても良い。これにより、支持板32bと伝達軸44は機械的に固定されるのと同程度に強固に固着される。
上述の構成を採用することによって、支持板32a、32bで伝達軸44をきつく保持することができ、伝達軸44と支持板32a、32bとの振動伝達度を高くできる。
圧入以外の方法を採用する場合、接着剤を適切に選定することで上述の弱固着及び強固着を実現することができる。
なお、強固着の場合、ピエゾ素子42で発生した振動強度を100%とした場合、その90%の強度の振動を支持板32aが受ける。ここでは、ピエゾ素子42で発生した振動強度の80%以上の振動を伝達するような固着方法を強固着と定義する。
レンズホルダ31は、レンズL1〜L4を収納する。レンズL1〜レンズL4はレンズホルダ31に圧入されており、これらは所定の精度でレンズホルダ31に位置決めされている。なお、圧入以外の方法でレンズをレンズホルダ31に対して固定しても良い。なお、レンズホルダ31の上板には、開口OP2が形成されている。レンズホルダ31の上板は、光学的に絞りとして機能する。
リンク部材45の構成については後述する。
ピエゾ素子42は、セラミックス層(圧電層)が積層された一般的な圧電素子である。ピエゾ素子42の側面には、一対の電極が形成される。例えば、一方の電極を接地させた状態で、他方の電極に電圧パルスを印加することによってピエゾ素子42はY軸方向に伸縮する。
伝達軸44は、ピエゾ素子42の上面に固定されている。具体的には、伝達軸44の下端面がピエゾ素子42の上面に載置された状態で、伝達軸44はピエゾ素子42に対して接着剤を介して固定されている。なお、接着剤以外の方法で、伝達軸44をピエゾ素子42に対して固定しても構わない。例えば、ピエゾ素子と同じ断面形状を有し、上部に伝達軸が嵌合しうる凹部を有するアタッチメントをピエゾ素子42上に用意し、これを介在させて、伝達軸とピエゾ素子とを結合するようにしても良い。
伝達軸44は、ピエゾ素子42で生じた振動をリンク部材45に伝達する。リンク部材45は筐体20に機械的に固定されている。伝達軸44は、ピエゾ素子42で生じた振動をリンク部材45を介して筐体20に伝達する。リンク部材45は筐体20に対して固定されているため、ピエゾ素子42で生じた振動によって、ピエゾ素子42、伝達軸44、及びレンズホルダ31がリンク部材45に対して移動する。
伝達軸44は、軽量でかつ剛性が高いことが望ましい。伝達軸44は、例えば、カーボン、ベリリウム等を成形して製造される。または、ガラス状炭素(アモルファスカーボン)等の炭素系材料と、エポキシ系の熱硬化性と、繊維強化樹脂として最適であることが実験的に確認されている。
伝達軸44は、比重2.1以下の材料からなる。より好ましくは、伝達軸44は、比重2.1以下であり、弾性率20GPa以上の材料からなる。更に好ましくは、伝達軸44は、比重2.1以下であり、弾性率30GPa以上の材料からなる。これによって、共振周波数を高周波側へシフトさせることができ、連続した使用可能周波数帯域を得ることができる。
蓋50は、筐体20に対して取り付けられる。これによって、筐体20の上部空間に配置されたレンズユニット30を筐体20内に閉じ込めることができる。
好適には、蓋50は、ネジによって筐体20に取り付けられる。蓋50を筐体20に対して接着固定するのではなく、ネジで固定することによって、筐体20に対する蓋50の着脱が可能になる。これによって、動作テストで不良と判定されたカメラモジュール150の不良原因をテスト後に取り除くこと等が可能になる。例えば、イメージセンサ12の撮像面上に入り込んだゴミを動作テスト後に取り除くことでカメラモジュールの歩留まりを向上させることができる。なお、蓋50は、例えば、樹脂がモールド成形されて製造される。
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、レンズホルダ31に対して伝達軸44を移動不能な状態で取り付ける。この構成を採用することによって、圧電素子及び/又は伝達軸の配置誤差に起因して所望の条件でレンズを変位させることが阻害されることを抑制することができる。
更に、本実施形態では、伝達軸44は支持板32a、32b間に架設される。この構成を採用することによって、上述の問題点を効果的に抑制することができる。更に、レンズホルダ31に保持されたレンズL1〜L4の光軸AXに対して伝達軸44を簡易に平行配置することが可能になる。伝達軸44の長手方向が光軸AXに対して平行となることによって、イメージセンサ12の撮像面に結像される像の品質を効果的に高めることができる。
以下、図3乃至図7を参照して、主にリンク部材45の構成及び筐体20に対するリンク部材45の取り付けについて説明する。
図3に示すように、リンク部材45は、リンク本体45h、押え板(押圧部材)45p、ばね(付勢部材、弾性部材)45q、及び押え板45rを有する。なお、リンク本体45hは、亜鉛で構成される。押え板45p、押え板45r、ばね45qは、ステンレスで構成される。リンク部材は、摺動性能を高めると共に、変形を防止するという観点から、金属材料で構成される。
図4に示すように、筐体20に対してリンク部材45が取り付けられる。図5に示すように、リンク本体45hに形成された空間内に、押え板45p、ばね45q、及び押え板45rが順に押し込まれる。なお、押え板45rとリンク本体45hとは、接着剤(不図示)により接着固着させる。図5に示す工程によって、図6及び図7に示すようにリンク部材45が完成する。図5の模式図から明かなように、本実施形態では、非常に簡易に伝達軸44に対してリンク部材45を摩擦係合させることができる。
図3乃至図7に示すリンク部材45を介して、レンズホルダ31、伝達軸44、及びピエゾ素子42は、y軸方向に移動可能な状態で筐体20に取り付けられる。なお、図3に示すように、レンズホルダ31の外周面には、より内側に配置された平坦面31aが形成されている。レンズホルダ31の外周面に窪みを形成することによって、リンク部材45の回動空間を確保し、レンズユニット30の小型化を図ることができる。また、y軸は、レンズの光軸AXに一致する。同様に、y軸は、伝達軸44の長手方向に一致する。
図3乃至図7に示すリンク本体45hは、輪状部(軸保持部)45h1、及び収納部45h2を有する。輪状部45h1は、上面視して輪状の部分であり、伝達軸44が挿通される開口を有する。収納部45h2は、輪状部45h1の基端が連結した台座部分である。収納部45h2は、押え板45p、ばね45q、及び押え板45rの収納空間を有する。なお、押え板45pは、樹脂製の平板状部材である。押え板45rも、同様に、樹脂製の平板状部材である。ばね45qは、一般的なコイルバネである。なお、弾性部材として機能するバネ45qの具体的な構成は任意である。弾性部材として、板バネ、樹脂製ゴム等を利用しても良い。
輪状部45h1には、伝達軸44に向かって突出する突出部45h3、45h4が形成されている(図4参照)。輪状部45h1と収納部45h2との連結部分には、押え板45pのy軸方向の変位を規制する規制部45h5が形成されている(図6参照)。
図4に示すように、筐体20に対してリンク部材45が取り付けられる。ばね45qは、押え板45rによってリンク本体45hの空間内に閉じ込められる。押え板45pは、ばね45qによって伝達軸44側へ付勢される。伝達軸44は、ばね45qによって付勢された状態の押え板45pによって押圧される。伝達軸44は、リンク本体45hと押え板45pとの間で、突出部45h3、突出部45h4、及び押え板45pにより当接保持される。
図4に示すように、リンク部材45は、筐体20に形成されたリンク受け部25に連結される。輪状部45h1の幅w55は、収納部45h2の幅w56よりも狭い。収納部45h2によって、リンク部材45には鍔が形成される。
筐体20には、リンク受け部25に嵌め込まれたリンク部材45の配置位置を規制するための突片27(27a、27b)が形成されている。鍔の移動を突片27で規制することで、筐体20に対してリンク部材45を位置決め固定することができる。
なお、リンク受け部25にリンク部材45をはめ込んだ後、これらの隙間に接着剤を塗布することで、筐体20に対してリンク部材45を固定すると良い。筐体20にリンク受け部25を設けずに、リンク部材の45を筐体20の内壁面に直接的に固着しても良い。インサート成形という製造方法を用いることによって、リンク部材45と筐体20とを一体的に成形することもできる。この方法では、レンズユニット30の組み立て完成後に筐体20を金型で成形する際、金型の一部にレンズユニット30のリンク部材45を埋め込み、筐体20とレンズユニット30を一体成形する。この場合、上述の嵌合による取り付けよりも筐体20に対するレンズユニット30の位置精度を高めることができる。
本実施形態では、押え板45p及びバネ45qをリンク本体45h内に収納し、これらを後方から押え板45rで閉じ込める。これによって、リンク本体45hの輪状部45h1の開口に挿通された伝達軸44は、輪状部45h1と押え板45pとの間に挟持された状態になる。換言すると、伝達軸44に対してリンク本体45h及び押さえ板45pが摩擦係合した状態になる。このようにして、駆動装置の大型化を伴うことなく、伝達軸44とリンク部材45とを摩擦係合した状態にすることができる。リンク部材45と伝達軸44とは3箇所で当接している。これによって伝達軸44を安定して保持することができる。
図8乃至図11を参照してカメラモジュール150の動作について説明する。
はじめに、図8及び図9を参照して、カメラモジュール150が組み込まれる携帯電話の構成について説明する。
カメラモジュール150は、図8に示す携帯電話(電子機器)90に組み込まれる。
図8に示すように、携帯電話90は、上側本体(第1部材)91、下側本体(第2部材)92、及びヒンジ93を有する。上側本体91と下側本体92とは、共にプラスチック製の平板部材であって、ヒンジ93を介して連結される。上側本体91と下側本体92とはヒンジ93によって開閉自在に構成される。上側本体91と下側本体92とが閉じた状態のとき、携帯電話90は上側本体91と下側本体92とが重ね合わされた平板状の部材になる。
上側本体91は、その内面に表示部94を有する。表示部94には、着信相手を特定する情報(名前、電話番号)、携帯電話90の記憶部に格納されたアドレス帳等が表示される。表示部94の下には液晶表示装置が組み込まれている。
下側本体92は、その内面に複数のボタン95を有する。携帯電話90の操作者は、ボタン95を操作することによって、アドレス帳を開いたり、電話を掛けたり、マナーモードに設定したりし、携帯電話90を意図したように操作する。携帯電話90の操作者は、このボタン95を操作することに基づいて、携帯電話90内のカメラモジュール150を起動する。
図9に、携帯電話90の前面(上面)の構成を示す。図9に示すように、上側本体91の前面には、表示領域96が形成されている。表示領域96に配置されたLEDが発光することで着信状態を操作者に報知することができる。上側本体91の前面の領域97には、上述のカメラモジュール150が組み込まれる。
次に、図10を参照して、カメラモジュール150を動作させるためのシステム構成(アクチュエータの駆動部の構成)について説明する。図10に示すように、コントローラ80の出力は、パルス生成回路81に接続される。パルス生成回路81の出力は、ピエゾ素子82に接続される。
コントローラ80は、携帯電話90内に組み込まれたCPUであり、プログラムを実行して様々な指令を生成する。コントローラ80は、操作者による携帯電話90の操作に応じて、カメラモジュールの機能を活性化する。パルス生成回路81は、コントローラ80からの制御信号に応じて、ピエゾ素子82に印加される駆動パルスを生成する。このとき、カメラモジュールのオートフォーカス機能はオン状態にあり、また撮像素子も撮像モードになっている。なお、ピエゾ素子82は、上述のピエゾ素子42に対応する。
上述の点を前提としたうえで、図11を参照して、カメラモジュール150の動作(特にそのレンズホルダ31を変位させる動作)について説明する。ここでは、ノコギリ歯波形の駆動電圧をピエゾ素子42に印加する。なお、ノコギリ歯波形の駆動電圧の生成方法は、通常の回路技術を活用すれば容易に実現できる。
はじめに、図11(a)に示す駆動パルスをピエゾ素子42に印加する場合について説明する。なお、図11(a)に示す場合、駆動パルスは、立ち上がり期間TR1は、立ち下がり期間TR2に比べて短い。
駆動パルスの立ち上がり期間TR1に、レンズホルダ31は前方に変位する。他方、駆動パルスの立ち下がり期間TR2に、レンズホルダ31は変位しない。立ち上がり期間TR1が立ち下がり期間TR2よりも短い駆動パルスをピエゾ素子42に印加することによってレンズホルダ31を前方(物体側)に変位させることができる。
次に、図11(b)に示す駆動パルスをピエゾ素子42に印加する場合について説明する。なお、図11(b)に示す場合、駆動パルスは、立ち上がり期間TR3は、立ち下がり期間TR4に比べて長い。
駆動パルスの立ち上がり期間TR3に、レンズホルダ31は変位しない。他方、駆動パルスの立ち下がり期間TR4に、レンズホルダ31は後方に変位する。立ち上がり期間TR3が立ち下がり期間TR4よりも長い駆動パルスをピエゾ素子42に印加することによって、レンズホルダ31を後方(撮像素子側)に変位させることができる。
上述の説明から明らかなように、本実施形態では、レンズホルダ31に対して伝達軸44を移動不能な状態で取り付ける。この構成を採用することによって、圧電素子及び/又は伝達軸の配置誤差に起因して所望の条件でレンズを変位させることが阻害されることを抑制することができる。
更に、本実施形態では、伝達軸44は支持板32a、32b間に架設される。この構成を採用することによって、上述の問題点を効果的に抑制することができる。更に、レンズホルダ31に保持されたレンズL1〜L4の光軸AXに対して伝達軸44を簡易に平行配置することが可能になる。伝達軸44の長手方向が光軸AXに対して平行となることによって、イメージセンサ12の撮像面に結像される像の品質を効果的に高めることができる。
更に、本実施形態では、リンク部材45を介して、レンズユニット30を筐体20に対して取り付ける。このとき、リンク部材45内にバネ45qを収納する。より詳細には、押え板45p及びバネ45qをリンク本体45h内に収納し、これらを後方から押え板45rで閉じ込める。これによって、リンク本体45hの輪状部45h1の開口に挿通された伝達軸44は、輪状部45h1と押え板45pとの間に挟持された状態になる。換言すると、伝達軸44に対してリンク本体45h及び押さえ板45pが摩擦係合した状態になる。このようにして、駆動装置の大型化を伴うことなく、伝達軸44に対してリンク部材45を摩擦係合させることができる。
本実施形態では、ピエゾ素子42の駆動に応じて、筐体20からみて、レンズホルダ31、ピエゾ素子42、及び伝達軸44を一緒に変位させる構成を採用する。この場合、伝達軸44に摩擦係合したリンク部材45を筐体20に嵌め込むことで、レンズユニット30を筐体20に対して取り付ける。これによって、カメラモジュール150の組み立てを簡素化することができる。また、レンズユニット30単位での商品化を実現することができる。
レンズホルダ31に対して伝達軸44を直接的に固定する場合、両者を高精度に位置決め固定することができる。従って、従来よりも、レンズホルダ31に対する伝達軸44の取り付けの精度を高めることもできる。
また、本実施形態では、カメラモジュール150が組み立てられた状態のとき、ピエゾ素子42は伝達軸44に吊着され、筐体20の上部空間内で宙吊り状態にある。換言すると、ピエゾ素子42は、筐体20に対して直接的に当接していない。これによって、ピエゾ素子42を固定するための構造を省略することができ、カメラモジュール150の小型化を図ることができる。また、ピエゾ素子42を固定させるための工程(筐体への接着工程、伝達軸への錘の配置工程等)を不要にすることができる。
ピエゾ素子42を宙吊り状態にしたとしてもレンズホルダ31の変位は妨げられない。一般的に、効率的に移動対象物を変位させるためには、振動源として機能するピエゾ素子42を他の部材(筐体等)に機械的に固定し、伝達軸44をフリーな状態にすることが必要と考えられている。本発明者らの検討により、ピエゾ素子42自身の重さによってピエゾ素子42が空間内で固定されているとみなしたとしてもアクチュエータの機能は妨げられないことが明らかになった。従って、ピエゾ素子42を宙吊り状態にしたとしてもレンズホルダ31を変位させることは妨げられない。
ところで、オートフォーカス(AF)機能を実現するために上述のアクチュエータを駆動してレンズを変位させる場合、一定の周波数で圧電素子を駆動することが一般的に行われている。
駆動軸に連結した圧電素子を固定側部材に固着してカメラモジュールを構成する場合、固定側部材に対する圧電素子の結合により固定側部材も共振してしまう。共振周波数は複数存在する結果、移動対象物の変位量が制御困難となる周波数領域(共振周波数領域)が発生してしまう。なお、この共振周波数領域は、固定側部材の形状、重量、及び圧電素子と固定側部材間の接着状態に依存し、駆動装置が組み込まれる製品ごとに異なる。所定の駆動周波数が上述の共振周波数領域に入ってしまうと、アクチュエータを正確に制御することが困難になるおそれがある。換言すると、製品に対してアクチュエータを組み込んだ後にはじめて、アクチュエータが正常に機能するのかの判断をすることができる。駆動周波数の設定誤りによっては、製品の歩留まりが低下してしまうおそれがある。
また、上述のアクチュエータでズーム機能を実現する場合、移動対象物であるレンズの移動速度を高速から低速まで変化させることが必要になる。移動速度の変化は圧電素子の駆動周波数を変化させることにより実現する。すなわち、高速移動の場合には、高い周波数で圧電素子を駆動する。低速移動のためには低い周波数で圧電素子を駆動する。ズーム機構を実現するためには、使用する周波数帯域が広いため、使用周波数領域が前述のような共振周波数帯域と重なる可能性がより顕著に増大する。このような場合、正確なズーム機構の制御が困難になるおそれがある。
なお、この問題は、圧電素子を固定側部材に固着するのではなく、駆動軸の圧電素子が固着されていない側の端部を固定側部材に固定することにより、若干の改善はみられるものの、上述の問題を抜本的に解決するには至っていない。
本実施形態によれば、この問題点についても解消することができる。この理由について、以下、図12を参照して説明する。
図12に、ピエゾ素子42の駆動周波数と変位量との関係を異なる構成の駆動装置ごとに示す。図12では、本実施形態の場合を"全てフリー"の場合とし、ピエゾ素子を固定側部材に固着した構造例を"ピエゾ固定"の場合とし、ピエゾ素子が一端に固定された駆動軸の他端が固定側部材に固着した構造例を"軸固定"の場合としている。
横軸には圧電素子に対する駆動周波数、縦軸には駆動周波数に対する圧電素子の端部あるいは駆動軸の端部の変位量をとっている。
これによると、ピエゾ固定の場合、0〜70Hzの広い範囲において、共振により変位量が不安定となっている。軸固定の場合、若干の改善が見られるものの、0から50Hzの範囲において、共振により変位量が不安定となっている。すべてフリーの場合、すべての周波数において変位量は一定であり、非常に安定した出力が得られていることがわかる。
本実施形態では、固定側部材である筐体20に対して、ピエゾ素子42及び伝達軸44の両方が直接的に固定されていない。従って、筐体20の共振を考慮することなく、ピエゾ素子42及び伝達軸44から導かれる固有の共振を考慮するだけで、ピエゾ素子42に対する駆動周波数を適切に設定することができる。従って、本体に対する駆動装置の組み込み状態に関わらず、適切な駆動周波数を駆動部品の製造者側が設定することが可能になる。適切な駆動周波数の設定によって、最終製品の歩留まりの劣化を効果的に抑制することができる。このように、本実施形態では、上述の問題点も解消できる。
〔第2の実施の形態〕
本発明の第2の実施形態について図13を参照して説明する。図13は、筐体に対するレンズユニットの取り付け状態を示す模式図である。
本実施形態では、レンズホルダ31の側面に、レール受け部35が形成されている。また、筐体20には、レール24が形成されている。これによって、レンズホルダ31のy軸方向(光軸方向、伝達軸の長手方向)の移動を安定にすることができる。
レール24は、y軸に沿って延在し、レンズホルダ31の移動を案内するガイド部として機能する。レール受け部35は、外側に突出した凸状体であり、レール24の形状に応じた窪みを有する。窪みの表面には、レール24の表面が接触する。レール24とレール受け部35間の接触によって、レンズホルダ31がy軸に沿って変位するとき摩擦が生じる。これによって、レンズホルダ31の移動を安定化させることができる。
〔第3の実施の形態〕
本発明の第3の実施形態について、図14を参照して説明する。図14は、筐体に対するレンズユニットの取り付け状態を示す模式図である。
本実施形態では、第2の実施形態とは異なり、伝達軸44とレール24とが筐体20の対角線上に配置されておらず、伝達軸44とレール24とが同一辺上に配置されている。このような場合であっても第4の実施形態で説明したものと同様の効果を得ることができる。
本発明の技術的範囲は上述の実施形態に限定されない。移動対象物はレンズに限定されない。レンズユニット30の具体的な用途は任意である。カメラモジュール150の具体的な用途は任意である。レンズユニット30、及びカメラモジュール150の具体的な組み立て方法は任意である。レンズユニット30、カメラモジュール150に含まれる部材の具体的な材料等は適宜選定される。リンク部材の具体的な構成は任意である。付勢部材は、弾性部材以外の手段を採用しても良い。レンズホルダに対する伝達軸又は圧電素子の取り付け方法は任意である。レンズホルダに対して伝達軸を移動不能な状態で取り付けるという点については、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で広義に解釈されるべきである。
150 カメラモジュール

10 フレキシブル配線基板
11 コネクタ
12 撮像素子
13 ガラスカバー
15 補強板
20 筐体
22a リブ
24 レール
25 リンク受け部
27 突片
30 レンズユニット
31 レンズホルダ
31a 平坦面
32 支持板
33 伝達軸
35 レール受け部
42 ピエゾ素子
44 伝達軸
45q バネ
45 リンク部材
45h リンク本体
45h5 規制部
45h2 収納部
45h3 突出部
45h4 突出部
45r 押え板
45p 押え板
45h1 輪状部
50 蓋

Claims (12)

  1. 圧電素子及び駆動軸が連結した連結体と、
    前記駆動軸の長手方向に沿って摺動可能な状態で前記駆動軸が摩擦係合した係合部と、
    前記係合部を固定支持する固定側部材と、
    前記連結体に固着された移動対象物と、
    を備え、
    前記移動対象物は、前記圧電素子の駆動に応じて前記固定側部材に対して前記連結体と共に変位する、駆動装置。
  2. 前記移動対象物は、複数の支持部を有し、
    前記移動対象物は、複数の前記支持部により前記連結体に固着されていることを特徴とする請求項1に記載の駆動装置。
  3. 前記係合部は、複数の前記支持部間に配置されていることを特徴とする請求項2に記載の駆動装置。
  4. 前記係合部は、
    前記駆動軸が挿通される開口を有する軸保持部と、
    前記開口に挿通された前記駆動軸を付勢する付勢部材を少なくとも部分的に収納する収納部と、を備え、
    前記付勢部材による付勢に応じて、前記駆動軸と前記係合部材とが摺動可能に係合することを特徴とする請求項3に記載の駆動装置。
  5. レンズを保持するレンズ保持体と、
    前記レンズを介して入力する像を撮像する撮像素子と、
    圧電素子及び駆動軸が連結した連結体と、
    前記駆動軸の長手方向に沿って摺動可能な状態で前記駆動軸が摩擦係合した係合部と、
    前記係合部が固定支持され、前記撮像素子が固定された固定側部材と、
    を備え、
    前記レンズ保持体は、前記連結体に固着され、前記圧電素子の駆動に応じて前記固定側部材に対して前記連結体と共に変位する、カメラモジュール。
  6. 前記レンズ保持体は、複数の支持部を有し、
    前記レンズ保持体は、複数の前記支持部により前記連結体に固着されていることを特徴とする請求項5に記載のカメラモジュール。
  7. 前記係合部は、複数の前記支持部間に配置されていることを特徴とする請求項6に記載のカメラモジュール。
  8. 前記係合部は、
    前記駆動軸が挿通される開口を有する軸保持部と、
    前記開口に挿通された前記駆動軸を付勢する付勢部材を少なくとも部分的に収納する収納部と、を備え、
    前記付勢部材による付勢に応じて、前記駆動軸と前記係合部材とが摺動可能に係合することを特徴とする請求項7に記載のカメラモジュール。
  9. 前記固定側部材は、樹脂により構成され、前記固定側部材の前記係合部の固定支持部分と前記撮像素子の固定部分が一体成形品であることを特徴とする請求項5に記載のカメラモジュール。
  10. 前記固定側部材は、
    前記係合部が支持された筐体部と、
    前記撮像素子が前記レンズ保持体とは反対側の面に固定された透明基板を有し、
    前記筐体部と前記透明基板を当接させて位置あわせをしていることを特徴とする請求項5に記載のカメラモジュール。
  11. 前記固定側部材は、
    前記係合部を部分的に受け入れる受け部と、
    前記受け部に受け入れられた前記係合部が前記駆動軸の長手方向に交差する方向へ変位することを規制する規制部を備えることを特徴とする請求項5に記載のカメラモジュール。
  12. 圧電素子及び駆動軸が連結した連結体と、
    内部にレンズを保持し複数の支持部により前記連結体に固着されたレンズ保持体と、
    前記駆動軸が挿通される開口を有する軸保持部、前記駆動軸の長手方向に沿って摺動可能な状態で前記駆動軸を摩擦係合するために前記軸保持部に挿通された前記駆動軸を付勢する付勢部材、及び固定側部材に連結するための連結部を有する係合部材と、
    を備えたレンズ部品であって、
    前記レンズ保持体は、前記圧電素子の駆動に応じて前記係合部材に対して前記連結体と共に変位する、レンズ部品。
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