JP2010203480A - 電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】漏れ磁束の低減により吸引力を増してトルク伝達能力を増加させ、アーマチャ/ロータ間に生じる滑りのトラブルを防止または抑制した電磁クラッチを提供する。
【解決手段】電磁コイルの磁力によりアーマチャ42をロータ43の接触面に吸引し、両者を一体結合させることで動力を伝達する電磁クラッチにおいて、内周リング接触面積をAとし、内周部42aと中央リング43bの内周側端部とが接触する中央リング内側接触面52の接触面積をBとし、外周部42bと中央リング43bの外周側端部とが接触する中央リング外側接触面53の接触面積をCとし、外周リング接触面積をDとして、内周リング接触面積A及び中央リング内側接触面52の接触面積比(A/B)、中央リング内側接触面52及び中央リング外側接触面53の接触面積比(B/C)、中央リング外側接触面積53及び前記外側リング接触面積比(C/D)がともに、0.9〜1.1の範囲内に設定されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、たとえば車両用空調装置等に適用されて動力の伝達を行う電磁クラッチ及びこの電磁クラッチを備えた圧縮機に関するものである。
従来、車両用空調装置に用いられる圧縮機は、駆動源との間に配設して動力の伝達を行う電磁クラッチを備えている。
電磁クラッチは、電磁力により動力の伝達、もしくは非伝達を選択して行なうことができ、たとえば図7及び図8に示すように、電磁コイル1の磁力によりアーマチャ2をロータ3へ吸引することで、アーマチャ2とロータ3とを一体に結合させて動力の伝達を行うように構成されている。図示の構成例では、アーマチャ2の半径方向幅が2分割され、かつ、ロータ3の半径方向幅が3分割されることにより、アーマチャ2とロータ3との接触面(ギャップ)4は、半径方向に4分割されたものとなる。
車両用空調装置の圧縮機に用いられる従来の電磁クラッチとしては、たとえば緩衝材の挿入により吸引力の向上を図る技術(特許文献1参照)や、薄板金属のアーマチャ板に凹凸を設けて衝突音の低減を図る技術(特許文献2参照)が知られている。
特開昭63−285333号公報 特開2002−98170号公報
しかしながら、上述した従来の電磁クラッチは、漏れ磁束増加等によりアーマチャ2とロータ3との間に十分な吸引力を確保できない場合には、すなわち、吸引力不足に起因してトルク伝達能力の余裕が減少するような場合には、アーマチャ2とロータ3との間に滑りのトラブルが発生するという問題を有している。
上述したトラブル対策としては、ロータ3の表面を加工して摩擦係数を増加させることが知られている。しかし、ロータ3の表面加工は加工工数の増加を伴うものであり、従って、製造コストの増加は避けられない。
また、他のトラブル対策としては、アーマチャ2及びロータ3の外径を増すことも考えられるが、電磁クラッチの外径寸法が増大して大型化するため好ましくない。
さらに、従来のロータ3は、たとえば図8に示すように、最も内周側となる角部に面取3aが形成されているの。このため、最も内周側の接触面4に隣接する領域では、アーマチャ2との距離が短くなり、磁束が接触面4に到達しない磁束漏れを生じている。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、漏れ磁束の低減により吸引力を増してトルク伝達能力を増加させ、アーマチャ/ロータ間に生じる滑りのトラブルを防止または抑制した電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機を提供することにある。
本発明は、上記の課題を解決するため、下記の手段を採用した。
本発明に係る電磁クラッチは、電磁コイルの磁力によりアーマチャをロータの接触面に吸引し、前記アーマチャと前記ロータとを一体結合させて動力を伝達する電磁クラッチにおいて、前記ロータの半径方向が幅a及び幅cとした2本の溝により内周リング、中央リング及び外周リングに3分割され、かつ、前記アーマチャの半径方向が幅bとした溝により内周部及び外周部に2分割されることにより、前記接触面が軸中心(内周)側から順に4分割された内周リング接触面、中央リング内側接触面、中央リング外側接触面及び外周リング接触面を形成し、内周リング接触面積をAとし、前記内周部と前記中央リングの内周側端部とが接触する中央リング内側接触面の接触面積をBとし、前記外周部と前記中央リングの外周側端部とが接触する中央リング外側接触面の接触面積をCとし、外周リング接触面積をDとして、前記内周リング接触面積及び前記中央リング内側接触面の接触面積比(A/B)、前記中央リング内側接触面及び前記中央リング外側接触面の接触面積比(B/C)、前記中央リング外側接触面積及び前記外側リング接触面積比(C/D)がともに、0.9〜1.1の範囲内に設定されていることを特徴とするものである。
本発明に係る電磁クラッチによれば、ロータの半径方向が幅a及び幅cとした2本の溝により内周リング、中央リング及び外周リングに3分割され、かつ、アーマチャの半径方向が幅bとした溝により内周部及び外周部に2分割されることにより、接触面が軸中心(内周)側から順に4分割された内周リング接触面、中央リング内側接触面、中央リング外側接触面及び外周リング接触面を形成し、内周リング接触面積をAとし、内周部と中央リングの内周側端部とが接触する中央リング内側接触面の接触面積をBとし、外周部と中央リングの外周側端部とが接触する中央リング外側接触面の接触面積をCとし、外周リング接触面積をDとして、内周リング接触面積及び中央リング内側接触面の接触面積比(A/B)、中央リング内側接触面及び中央リング外側接触面の接触面積比(B/C)、中央リング外側接触面積及び外側リング接触面積比(C/D)がともに、0.9〜1.1の範囲内に設定されているので、下記のような作用効果が得られる。
また、上記の電磁クラッチにおいては、前記ロータ側の溝幅a及びcと前記アーマチャ側の溝幅bが全て等しくなるように設定されていることが好ましい。
(1)内周リング接触面積A、中央リング内側接触面の接触面積B、中央リング外側接触面の接触面積C及び外周リング接触面積Dの接触面積比が0.9〜1.1の範囲内に設定されて略等しくなるため、接触面に全接触面を通る磁束を略等しくして漏れ磁束を低減することができる。この結果、漏れ磁束低減によりギャップを通る磁束量が増加するので、ロータによりアーマチャを吸引する吸引力を増大させることができる。
(2)ロータ側の溝幅a及びcとアーマチャ側の溝幅bが全て等しくなっていることにより、打抜加工時の歯幅を統一でき、製造コスト低減を図ることができる。
この結果、吸引力を増大させ、かつ、加工時のコスト低減を実現することができる。
上記の電磁クラッチにおいては、ロータの内側と中央を繋ぐ渡り部の数Xと中央と外側を繋ぐ渡り部の数Yを同じとし、かつ、内側と中央の渡り部間の中央に、中央と外側の渡り部を配置した構成であり、アーマチャの渡り部の数Zとロータの渡り部の数X及びYの最大公約数が1となるように設定することが好ましく、これにより、渡り部の短絡磁束を抑制することができ、吸引力低減を抑制することが可能となる。
本発明に係る圧縮機は、圧縮機構の軸部に装着されて動力を伝達する請求項1から4のいずれかに記載の電磁クラッチを備えていることを特徴とするものである。
本発明に係る圧縮機によれば、圧縮機構の軸部に装着されて動力を伝達する請求項1から4のいずれかに記載の電磁クラッチを備えているので、圧縮機の運転時には、ロータによりアーマチャを吸引する吸引力を増大した電磁クラッチが滑りのトラブルを防止し、ロータとアーマチャとが一体結合して動力の伝達を確実に行うことができる。
本発明の電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機によれば、漏れ磁束の低減により吸引力を増してトルク伝達能力を増加させ、アーマチャ/ロータ間に生じる滑りのトラブルを防止または抑制した電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機を提供することができる。
本発明に係る電磁クラッチの一実施形態として、接触面の周辺構造を示す要部の縦断面図である。 ロータの渡り部X,Y及びアーマチャの渡り部Zについて、X=5,Y=5の同数とし、Z=3とX,Yとの最大公約数を1とした例であり、(a)はアーマチャの平面図、(b)はロータの平面図である。 ロータの渡り部X,Y及びアーマチャの渡り部Zについて、X=6,Y=5とし、Z=3とXまたはYとの最大公約数を2とした例であり、(a)はアーマチャの平面図、(b)はロータの平面図である。 図1に示した電磁クラッチの第1変形例を示す図で、(a)は接触面の周辺構造を示す要部の縦断面図、(b)は図1に示した実施形態の漏れ磁束を示す説明図、(c)は(a)に示した第1変形例の漏れ磁束を示す説明図である。 図1に示した電磁クラッチの第2変形例として、接触面の周辺構造を示す要部の縦断面図である。 本発明に係る電磁クラッチを備えたスクロール圧縮機の構成例を示す縦断面図である。 従来の電磁クラッチ構造を示す要部の断面図である。 図7に示した電磁クラッチについて、接触面の周辺構造を示す要部の縦断面図である。
以下、本発明による電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機ついて、その一実施形態を図面に基づいて説明する。
図6は、電磁クラッチを備えたスクロール型圧縮機の構成例を示す縦断面図である。このスクロール型圧縮機10は、フロントハウジング11とリアハウジング12とを備え、これらフロントハウジング11とリアハウジング12とをボルト(図示せず)により一体的に締め付け固定したハウジング13を備えている。
フロントハウジング11の内部には、メイン軸受(ニードル軸受)15及びサブ軸受(ニードル軸受)16を介してクランク軸(回転軸)14がその回転軸線L回りに回転自在に支持されている。クランク軸14の一端側(図6において左側)は小径軸部14aとされ、この小径軸部14aは、フロントハウジング11を貫通して一端側に突出している。小径軸部14aの突出部には、電磁クラッチMが装着され、フロントハウジング11の一端側の小径ボス部11aの外周面に軸受17を介して回転自在に設けられているプーリー18との間で動力が断続されるようになっている。プーリー18には、図示していないエンジン等の外部駆動源からVベルト等を介して動力が伝達されることとなる。
なお、メイン軸受15とサブ軸受16との間には、メカニカルシール(リップシール)19が設けられており、これによってハウジング13内と大気との間を気密にシールしている。
一方、クランク軸14の他端側(図6において右側)には、大径軸部14bが設けられており、この大径軸部14bには、クランク軸14の回転軸線Lよりも所定寸法だけ偏心した状態で偏心ピン14cが一体に設けられている。そして、これらクランク軸14の大径軸部14b及び小径軸部14aが、それぞれメイン軸受15及びサブ軸受16を介してフロントハウジング11に回転自在に支持されることとなる。
また、偏心ピン14cには、バランスブッシュ20及びドライブ軸受21を介して、旋回スクロール部材22が連結されており、クランク軸14が回転されることにより、旋回スクロール部材22が旋回駆動されるようになっている。
バランスブッシュ20には、旋回スクロール部材22が旋回駆動されることにより生じるアンバランス荷重を除去するためのバランスウェイト20aが形成されており、旋回スクロール部材22の旋回駆動とともに旋回されるようになっている。
ハウジング13の内部には、スクロール圧縮機構23を構成する一対の固定スクロール部24と旋回スクロール部材22が組み込まれている。
固定スクロール部材24は、固定端板24aと、この固定端板24aから立設された渦巻き状ラップ24bとを備えており、一方、旋回スクロール部材22は、旋回端板22aと、この旋回端板22aから立設された渦巻き状ラップ22bとを備えている。
固定スクロール部材24及び旋回スクロール部材22は、各々の中心を旋回半径分だけ離すとともに、渦巻き状ラップ24b,22bどうしが180度位相をずらせて噛み合わせた状態で組み込まれる。これによって、両スクロール部材24,22間には、端板24a,22aと渦巻き状ラップ24b,22bとにより区画された(仕切られた)一対の圧縮室Cがスクロールの中心に対して対称に形成されることとなる。
固定スクロール部材24は、ボルト25を介してリアハウジング12の内面(底面)に固定されている。旋回スクロール部材22は、旋回端板22aの背面に設けられているボス部26に、クランク軸14の一端側に設けられている偏心ピン14cが、バランスブッシュ20及びドライブ軸受21を介して嵌め込まれることによりクランク軸14に連結されている。
また、旋回スクロール部材22は、フロントハウジング11に形成されているスラスト受け面11bに旋回端板22aの背面が支持されており、このスラスト受け面11bと旋回スクロール部材22の背面との間に介装される自転阻止用ピンリング機構27により、旋回スクロール部材22は、自転を阻止されながら固定スクロール部材24に対して公転旋回駆動されるように構成されている。
この自転阻止用ピンリング機構27は、ピン27aとリング27bとを備えており、旋回スクロール部材22の固定端板22aの背面またはスラスト受け面11bの一方にピン27aを立てるピン穴11cが、他方にリング27bを嵌合するリング穴22cが設けられている。本実施形態では、スラスト受け面11bにピン27aを立てるピン穴11cが設けられ、旋回スクロール部材22にリング27bを嵌めるリング穴22cが設けられている。
なお、これらピン穴11c及びリング穴22cは、周方向に複数箇所、一般的には3ないし4箇所(本実施形態では4箇所)設けられている。
さらに、固定スクロール部材24の固定端板24aの中央部には、圧縮された冷媒ガスを吐出する吐出ポート24cが開口されており、この吐出ポート24cには、固定端板24aにリテーナ28を介して取り付けられる吐出リード弁(図示せず)が設けられている。また、固定スクロール部材24の固定端板24aの背面には、リアハウジング12の内面に密接されるようOリング等のシール部材(図示せず)が設置され、リアハウジング12との間でハウジング13の内部空間(密閉空間)から区画された吐出チャンバー29が形成されている。これにより、吐出チャンバー29を除くハウジング13の内部空間が、吸入チャンバー30として機能するようになっている。
吸入チャンバー30には、フロントハウジング11に設けられている吸入口(図示せず)を介して冷凍サイクルから戻ってくる冷媒ガスが吸入され、この吸入チャンバー30を経て固定スクロール部材24と旋回スクロール部材22間に形成される圧縮室Cに冷媒ガスが吸い込まれるようになる。
なお、フロントハウジング11とリアハウジング12との間の接合面には、Oリング等のシール部材31が設置され、ハウジング13内の吸入チャンバー30を大気から気密にシールしている。
以上のように構成されたスクロール圧縮機10は、以下のように動作する。
外部駆動源からプーリー18に伝達された回転駆動力を、電磁クラッチMを介してクランク軸14に伝達し、クランク軸14を回転させる。すると、クランク軸14の偏心ピン14cにバランスブッシュ20及びドライブ軸受21を介して連結されている旋回スクロール部材22が、自転阻止用ピンリング機構27により自転を阻止されながら、固定スクロール部材24に対して公転旋回駆動される。
そして、この旋回スクロール部材22の公転旋回駆動により、半径方向最外方に形成される圧縮室C内に、吸入チャンバー30内の冷媒ガスが吸い込まれる。圧縮室Cは、所定の旋回角位置で吸入締め切りされた後、その容積が周方向及びラップ高さ方向に減少されながら中心側へと移動される。この間に冷媒ガスは圧縮され、圧縮室Cが吐出ポート24cに連通する位置に達すると、吐出リード弁が押し開かれて圧縮されたガスは吐出チャンバー29内に吐き出され、この圧縮冷媒ガスは、リアハウジング12に設けられている吐出口(図示せず)を経て圧縮機外へと吐出される。
さて、上述したスクロール型圧縮機10は、圧縮機構のクランク軸14に装着されて動力を伝達する電磁クラッチMを備えている。この電磁クラッチMは、電磁コイル41の磁力により磁性体のアーマチャ42をロータ43の接触面に吸引し、アーマチャ42とロータ43とを一体結合させて動力を伝達するものである。
本実施形態の電磁クラッチMは、たとえば図1に示すように、ロータ43の半径方向が幅aとした2本の溝44により3分割され、内周リング43a、中央リング43b及び外周リング43cを形成している。
また、アーマチャ42の半径方向についても、幅bとした溝45により内周部42a及び外周部42bに2分割されている。
従って、アーマチャ42とロータ43との接触面(ギャップ)50は4分割され、半径方向の軸中心(内周)側から順に、内周リング接触面51、中央リング内側接触面52、中央リング外側接触面53及び外周リング接触面54を形成している。この場合、アーマチャ42とロータ43とが接触する内周リング接触面51、中央リング内側接触面52、中央リング外側接触面53及び外周リング接触面54は、アーマチャ42が鉄等の磁性体であれば、ギャップ0.05mm以下のギャップ磁束密度が1.8(T)以下となるように各部の接触面積が設定されている。
そして、本発明の電磁クラッチMは、アーマチャ42の内周部42aが中央リング43bの内周側端部と接触する中央リング内側接触面52の接触面積をBとし、外周部42bと中央リング43bの外周側端部と接触する中央リング外側接触面53の接触面積をCとした場合、中央リング内側接触面52及び中央リング外側接触面53の接触面積比(B/C)が0.9〜1.1の範囲内となり、略等しい接触面積となるように設定されている。このため、中央リング内側接触面52及び中央リング外側接触面53を通る磁束も略等しくなるので、漏れ磁束を低減することができる。
ここで、接触面積比の下限を0.9とし、接触面積比の上限を1.1としたのは、本来は1とすることが理想であるが、吸引力低下を抑え、かつ、ロータ側の溝幅a及びcとアーマチャ側の溝幅bを同じとすることを実現するためである。
さらに、図2は、ロータ43の内周リング43aと中央リング43bとを繋ぐ渡り部60の数Xと、中央リング43bと外側リング43cとを繋ぐ渡り部61の数Yとを同数に設定し、かつ、内周リング43aと中央リング43bとの渡り部60間の中央に、中央リング43bと外側リング43cとの渡り部61を配置した構成例であり、アーマチャ42の渡り部65の数Zとロータ43の渡り部60,61の数X及びYの最大公約数が1となるように設定することが好ましい。
すなわち、図2に示すように、X=5、Y=5、Z=3とした場合には、5と3の最大公約数が1となるので、アーマチャ42及びロータ43の渡り部60,61,65は、接触時に全てが重なるようなことはない。従って、渡り部60,61,65の短絡磁束を抑制することができ、吸引力低減を抑制することが可能となる。
しかし、たとえば図3に示すように、X=6、Y=5、Z=3とした場合には、6と3の最大公約数は2となる。このため、図中の破線円で囲ったW部においては、接触時に渡り部60,61,65の全てが重なることもあり、万が一重なった場合には、ギャップがなくなるため短絡磁束は増加する。
続いて、上述した電磁クラッチMについて、第1変形例を図4に基づいて説明する。なお、上述した実施形態と同様の部分には同じ符号を付し、その詳細な説明は省略する。
この第1変形例では、図4(a)に示すように、内周リング43a′の内周側端部を、高さ方向及び幅方向の長さ(寸法)がdとなるL字状に切り欠いて凹部55を形成することにより、内周リング接触面51′が形成されている。
そして、内周リング43a′の半径方向幅をeとしたとき、凹部55の上下(高さ)及び左右(幅)の長さdが0.2e〜0.3eの範囲内(0.2e<d<0.3e)となるように設定されている。すなわち、図示の構成例では、内周リング43a′の内周側端部から一辺の長さがdとなる正方形断面形状を切り欠いた凹部55を設けることにより、L字状断面に切り欠いた内周リング接触面51′が形成されている。
このようなL字状断面の凹部55は、図4(b)に示す従来の面取3aによる傾斜面と比較して、漏れ磁束はほとんど発生しない。すなわち、図4(b)に示す傾斜面の面取3aが存在すると、アーマチャ2とロータ3との面間距離が短くなる領域を生じるので、磁束が接触面4に到達しない漏れ磁束を発生する。
しかし、図4(c)に示すようなL字断面形状の凹部55を切り欠くと、アーマチャ42とロータ43′の凹部55との面間距離は、dと長く均一なものになる。このため、十分な面間距離dの存在により、コイルに発生した磁束のほとんどが接触面51′に到達することになり、漏れ磁束の発生はほとんどない。従って、ロータ43′の最も内側にある内周リング43a′の漏れ磁束が減少し、内周リング接触面51′の磁束が増加することにより吸引力も増加する。
この場合の長さdは、0.2e〜0.3eの範囲内(0.2e<d<0.3e)に設定されているので、磁路断面積の減少による吸引力の減少を抑制し、さらに、磁束を集中させることで吸引力を向上させることができる。
また、図5に示す電磁クラッチMの第2変形例では、中央リング43b′の中央部を矩形状に切り欠いて、中央リング内側接触面52′及び中央リング外側接触面53′を形成している。この結果、中央リング内側接触面52′及び中央リング外側接触面53′の端部には、第1変形例と同様のL字状に切り欠かれた凹部56が存在することになる。従って、上述した第1変形例と同様に、アーマチャ42とロータ43″との面間距離が長く均一なものとなるので、磁路断面積減少による吸引力の減少を抑制できるとともに、磁束集中による吸引力向上が可能となる。
この場合、凹部56により形成されるL字状の切欠長さdについても、0.2e〜0.3eの範囲内(0.2e<d<0.3e)に設定することにより、磁路断面積の減少による吸引力の減少を抑制し、さらに、磁束を集中させることで吸引力を向上させることができる。
このように、上述した本発明の電磁クラッチ及びこれを備えた圧縮機は、漏れ磁束減少により、ギャップを通る磁束量を増すので、アーマチャ42の吸引力を増大させることができる。このような吸引力の増大は、伝達トルクの増加を意味するので、電磁クラッチMにおける滑りのトラブルを防止または抑制することができる。すなわち、漏れ磁束の低減により吸引力を増してトルク伝達能力を増加させ、アーマチャ42/ロータ43間に生じる滑りのトラブルを防止または抑制した電磁クラッチMを提供することができる。
そして、上述した電磁クラッチMを備えたスクロール型圧縮機10は、圧縮機構の軸部に装着されて動力を伝達する電磁クラッチMにおける滑りのトラブルが防止または抑制されるので、スクロール型圧縮機10の運転時には、ロータ43とアーマチャ42とが一体結合して動力の伝達を確実に行うことができる。
ところで、上述した実施形態では、電磁クラッチMを適用する圧縮機としてスクロール型圧縮機10を採用しているが、たとえばロータリー圧縮機など他の圧縮機にも適用可能なことはいうまでもない。
なお、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
10 スクロール型圧縮機(スクロール型流体機械)
11 フロントハウジング
14 クランク軸(回転軸)
14a 小径軸部
14b 大径軸部
22 固定スクロール部材
24 旋回スクロール部材
41 電磁コイル
42 アーマチャ
42a 内周部
42b 外周部
43 ロータ
43a,43a′ 内周リング
43b 中央リング
43c 外周リング
44,45 溝
50 接触面(ギャップ)
51,51′ 内周リング接触面
52 中央リング内側接触面
53 中央リング外側接触面
54 外周リング接触面
55,56 凹部
60,61,65 渡り部
M 電磁クラッチ

Claims (5)

  1. 電磁コイルの磁力によりアーマチャをロータの接触面に吸引し、前記アーマチャと前記ロータとを一体結合させて動力を伝達する電磁クラッチにおいて、
    前記ロータの半径方向が幅a及び幅cとした2本の溝により内周リング、中央リング及び外周リングに3分割され、かつ、前記アーマチャの半径方向が幅bとした溝により内周部及び外周部に2分割されることにより、前記接触面が軸中心(内周)側から順に4分割された内周リング接触面、中央リング内側接触面、中央リング外側接触面及び外周リング接触面を形成し、
    内周リング接触面積をAとし、前記内周部と前記中央リングの内周側端部とが接触する中央リング内側接触面の接触面積をBとし、前記外周部と前記中央リングの外周側端部とが接触する中央リング外側接触面の接触面積をCとし、外周リング接触面積をDとして、前記内周リング接触面積及び前記中央リング内側接触面の接触面積比(A/B)、前記中央リング内側接触面及び前記中央リング外側接触面の接触面積比(B/C)、前記中央リング外側接触面積及び前記外側リング接触面積比(C/D)がともに、0.9〜1.1の範囲内に設定されていることを特徴とする電磁クラッチ。
  2. 前記ロータ側の溝幅a及びcと前記アーマチャ側の溝幅bが全て等しくなるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  3. ロータの内側と中央を繋ぐ渡り部の数Xと中央と外側を繋ぐ渡り部の数Yを同じとし、かつ、内側と中央の渡り部間の中央に、中央と外側の渡り部を配置した構成であり、アーマチャの渡り部の数Zとロータの渡り部の数X及びYの最大公約数が1となるように設定されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁クラッチ。
  4. 前記中央リングの中央部を矩形状に切り欠いて前記中央リング内側接触面及び前記中央リング外側接触面を形成したことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の電磁クラッチ。
  5. 圧縮機構の軸部に装着されて動力を伝達する請求項1から4のいずれかに記載の電磁クラッチを備えていることを特徴とする圧縮機。



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