JP2010201029A - 基板ケースの封止構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】 不正行為を十分に抑制することができるとともに、封止作業及び開封作業の簡易化を図ることができる基板ケースの封止構造を提供する。
【解決手段】 封止構造23は、カシメ部材31と、嵌合雌部材32と、カシメ部材31と嵌合雌部材32の間に挟持固定される介装部材33とを備え、カシメ部材31は、頭部57と、挿入部58a,58bとを有し、嵌合雌部材32は、挿入口48と、収容部42とを有し、介装部材33は、挿通孔51を有している。嵌合雌部材32において収容部42の内部には被係止部が設けられ、介装部材33において挿通孔51の周縁には収容凹部54が設けられ、介装部材33が介装された状態でカシメ部材31が嵌合雌部材32に嵌合されると、被係止部に挿入部58aが係止され、収容凹部54にカシメ部材31の頭部57が収容される。
【選択図】 図3

Description

本発明は、遊技機を制御する制御基板を収容する基板ケースを封止することで、該制御基板に対する不正行為を抑制するための基板ケースの封止構造に関するものである。
従来、パチンコ機等のような遊技機には、遊技者の操作に基づく遊技の進行に伴って遊技状態を変化させるべく、該遊技状態を制御する制御基板が搭載されている。この制御基板は、本体ケースとケース蓋とからなる箱状の基板ケースの内部に収容されて遊技機に搭載されている。
一方、近時においては、不正の利益を得る目的で、制御基板に細工を施す、あるいは正規の制御基板を不正規な制御基板に交換する不正行為者の存在が報告されている。そこで、このような不正行為を抑制するべく、遊技機の基板ケースには、種々の方法による封止構造が施されている。
例えば、特許文献1の遊技機は、基板ケースを閉止する固定部材を被覆部材で被覆し、かつ該被覆部材を基板ケースに固着することにより、該固定部材を操作不能としている。特許文献2の遊技機における基板ケースの製造方法では、不正防止手段として第1ケースに設けられた第1封止部と第2ケースに設けられた第2封止部とを封止部材で連結するとともに、該封止部材に弾性を備えさせることにより、該封止部材の弾性変形と弾性復元力を利用している。特許文献3の遊技機の基板ケースユニットでは、第1ケースに設けられた第1連結部と第2ケースに設けられた第2連結部とを連結部材で連結するとともに、該連結部材に破断ねじ又はワンウェイねじを使用している。特許文献4の遊技機用基板ケースでは、特許文献3と略同様の構成において、破断ねじ又はワンウェイねじに代えてスプリングピンを使用している。特許文献5の遊技制御基板アセンブリの封印構造では、特許文献3と略同様の構成において、破断ねじ又はワンウェイねじに代えて封印シールを使用している。特許文献6の遊技機では、封止部の他に爪と受部からなる係合部を設け、封止部を破断しても係合部によって基板ユニットが容易に開封されないようにしている。
特開2007−209701号公報 特開2007−228988号公報 特開2007−252802号公報 特開2007−268062号公報 特開2007−312917号公報 特開2007−330451号公報
ところが、上記各特許文献のような封止構造は、上記特許文献1〜5のように構成が簡易なものである場合には、不正行為の痕跡が残らないように再封止を施し、視認のみによる不正行為の判別を不可能としてしまうことにより、回避されてしまう。一方、上記特許文献6のように構成が複雑なものであれば、基板ケースを開封するには封止部分を完全に破壊したうえで開封に複雑な手順が必要になるため不正行為は十分に抑制することができる。しかし、このように構成が複雑なものは、製造コストが高騰するため大量生産に不向きであり、また構成が複雑であるが故に、正規の者がメンテナンス等のために基板ケースを開封及び封止する場合、封止作業及び開封作業が煩雑化してしまうという問題が生じている。
本発明は、このような従来技術に存在する問題点に着目してなされたものである。その目的とするところは、不正行為を十分に抑制することができるとともに、封止作業及び開封作業の簡易化を図ることができる基板ケースの封止構造を提供することにある。
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の基板ケースの封止構造の発明は、遊技機の制御基板を収容する本体ケースと、該制御基板を収容するべく該本体ケースに設けられた収容口を閉塞するケース蓋とからなる遊技機用の基板ケースを開封不能に封止する基板ケースの封止構造であって、カシメ部材と、該カシメ部材が嵌合される嵌合雌部材と、該カシメ部材が該嵌合雌部材に嵌合された場合に該カシメ部材と該嵌合雌部材の間に挟持固定される介装部材と、を備えており、上記嵌合雌部材は上記本体ケース又は上記ケース蓋のうち何れか一方に設けられて、上記介装部材は何れか他方に設けられているものとして、上記カシメ部材は、頭部と、挿入部と、を有しており、上記嵌合雌部材は、上記挿入部を挿入するための挿入口と、上記挿入部を収容するべく該挿入口から上記挿入部の挿入方向へ延設された収容部と、を有しており、上記介装部材は、上記挿入部を挿通させるための挿通孔と、上記基板ケースを開封するために上記ケース蓋又は上記本体ケースから該介装部材を切り離すべく使用する開封用切断部と、を有しており、上記嵌合雌部材において上記収容部の内部には被係止部が設けられ、上記介装部材において上記挿通孔の周縁には収容凹部が設けられることにより、上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記被係止部に上記挿入部が係止されて該挿入部の上記収容部からの抜け出しが規制されており、さらに上記収容凹部に上記カシメ部材の頭部が収容されて該頭部の周縁が上記介装部材によって覆われていることを要旨とする。
上記構成によると、基板ケースの封止構造は、カシメ部材と嵌合雌部材を、それらの間に介装部材を介装したうえで、嵌合してなる。この封止構造において、嵌合雌部材に嵌合されたカシメ部材は、その挿入部が嵌合雌部材の収容部に設けられた被係止部に係止されているため、収容部からの抜け出しを規制されている。このため、挿入部と被係止部との係止関係を解除しない限り、嵌合雌部材からカシメ部材を脱着することはできず、基板ケースを開放することができない。
一方、嵌合雌部材に嵌合されたカシメ部材は、その頭部の周縁が介装部材によって覆われており、また介装部材は、カシメ部材と嵌合雌部材との間に挟持されている。このため、カシメ部材の頭部と嵌合雌部材の挿入口の周縁との間の隙間は、介装部材によって塞がれており、該隙間から何等かの道具を差し込む等して挿入部を操作し、被係止部との係止関係を解除することはできない。従って、基板ケースの封止構造は、挿入部と被係止部との係止関係を解除しない限り嵌合雌部材からカシメ部材を脱着することはできず、また該挿入部を外部から操作して被係止部との係止関係を解除することができないようになっているため、不正行為を十分に抑制することができる。
さらに本発明の基板ケースの封止構造において、封止作業は、介装部材が介装された状態でカシメ部材を嵌合雌部材に嵌合することによって行われるようになっており、該封止作業が簡易化されている。加えて、開封作業は、介装部材に設けられた開封用切断部を切断して該介装部材をケース蓋又は本体ケースから切り離すことによって行われるようになっており、該開封作業が簡易化されている。
上記したように本発明の基板ケースの封止構造は、通常の手段で嵌合雌部材からカシメ部材を脱着することができず、保守、点検、修理などの目的で基板ケースを開封する場合には開封用切断部を切断する必要がある。従って、該開封用切断部は、それが切断されているか否かを確認することにより、基板ケースが開封された否かを判別するための手段としても利用される。また開封用切断部を切断せずに基板ケースを開封するには、嵌合雌部材あるいはカシメ部材を破壊する必要があり、このような嵌合雌部材あるいはカシメ部材の破壊は簡易に確認することが出来るため、開封用切断部の切断以外の不正な方法による基板ケースの開封は、容易に判別することが出来る。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記嵌合雌部材において上記挿入口の周縁には被係合部が設けられることにより、上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記被係合部に上記介装部材が係合されて該嵌合雌部材に対する該介装部材の移動が規制されていることを要旨とする。
上記構成によれば、挿入部を外部から操作するための隙間を、介装部材を無理に動かす等して形成することが出来なくなっており、不正行為を好適に抑制することができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記本体ケースの収容口の周縁において、該本体ケースの側壁内面には凹条が形成されており、上記ケース蓋は、その側縁部が該凹条に係入されることにより、所定方向にスライド移動して該収容口を閉塞するように構成されていることを要旨とする。
上記構成によれば、本体ケースに対してケース蓋を所定方向にスライド移動可能とすることにより、該ケース蓋に設けられた介装部材又は嵌合雌部材もまた所定方向のみにしか動かすことができない。このため、介装部材又は嵌合雌部材がケース蓋のスライド方向以外にも動くことが可能なものに比べ、不正行為を好適に抑制することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記嵌合雌部材は、一面が外部に開放された箱状をなす外殻部材と、該外殻部材の内部に収納される第2のカシメ部材と、によって構成されており、上記外殻部材は、その内面上に上記被係止部を有しており、上記第2のカシメ部材は、上記挿入口がその内側に形成された枠部と、該枠部から延設された規制片と、を有しており、上記外殻部材においてその内面上には第2の被係止部が設けられることにより、上記第2のカシメ部材が上記外殻部材に収納された場合、上記第2の被係止部に上記規制片の先端部が係止されて上記第2のカシメ部材の上記外殻部材内からの抜け出しが抑制されていることを要旨とする。
上記構成によれば、嵌合雌部材として、第2のカシメ部材と外殻部材とを設け、この外殻部材で第2のカシメ部材を覆う構成としたことにより、第2のカシメ部材を操作する等してカシメ部材と嵌合雌部材との嵌合が解除されることを抑制することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記第2のカシメ部材の規制片が上記挿入部に当接して該挿入部と上記被係止部との係止関係の解除を規制していることを要旨とする。
上記構成によれば、第2のカシメ部材の規制片がカシメ部材の挿入部に当接して該挿入部と嵌合雌部材の被係止部との係止関係の解除を規制しているため、挿入部と被係止部との係止関係を好適に保持することができる。
請求項6に記載の発明は、請求項4又は請求項5に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記第2のカシメ部材の規制片は、上記挿入部の上記挿入口への挿入方向へ伸びるように配設されるとともに、その長手方向の中間には上記収容部の内側へ向かって突出する突出部が形成されており、上記カシメ部材の挿入部には、上記突出部と対応する位置に凹部が形成されることにより、上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記凹部に上記突出部が係入されて該挿入部の上記収容部からの抜け出しが規制されていることを要旨とする。
上記構成によれば、挿入部と被係止部との係止関係のみならず、さらに該挿入部と第2のカシメ部材の規制片との係合関係によって嵌合雌部材に対するカシメ部材の嵌合解除を防止することができるため、不正行為を効果的に抑制することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項3の何れか一項に記載の基板ケースの封止構造の発明において、さらに該カシメ部材と該嵌合雌部材を連結するカシメピンと、を備えており、上記カシメピンは、軸部と、該軸部の各端部にそれぞれ設けられた嵌入頭部及び嵌入端部と、を有しており、上記カシメ部において頭部には嵌入孔が設けられ、上記嵌合雌部材において収容部の内奥には被嵌入部が設けられることにより、上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記嵌入孔に上記カシメピンの嵌入頭部が嵌入され、上記被嵌入部に上記カシメピンの嵌入端部が嵌入されることによって該カシメ部材の該嵌合雌部材に対する移動が規制されていることを要旨とする。
上記構成によれば、カシメピンでカシメ部材と嵌合雌部材を連結することにより、嵌合雌部材に対してカシメ部材を動かすことが難しくなるため、嵌合雌部材に対するカシメ部材の嵌合解除を好適に抑制することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項7に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記嵌合雌部材は、一面が外部に開放された箱状をなす外殻部材と、該外殻部材の内部に収納される第2のカシメ部材と、によって構成されており、上記外殻部材は、上記第2のカシメ部材を係止する第2の被係止部を有しており、上記第2のカシメ部材は、上記被係止部と、上記被嵌入部と、を有しており、上記第2のカシメ部材には挿通孔が設けられることにより、上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、さらに上記挿通孔に上記カシメピンの軸部が挿通されることによって上記カシメ部材が上記第2のカシメ部材に連結固定されていることを要旨とする。
上記構成によれば、カシメピンの嵌入端部は第2のカシメ部材に嵌合されており、また第2のカシメ部材は外殻部材によって外部から覆われているため、第2のカシメ部材を操作してカシメピンを取り外すことが難しく、嵌合雌部材に対するカシメ部材の嵌合関係を好適に保持することができる。
請求項9に記載の発明は、請求項7又は請求項8に記載の基板ケースの封止構造の発明において、上記本体ケース及び上記ケース蓋のうち少なくとも何れか一方には、上記カシメピン及び上記カシメ部材を収容保管する保管スペースが設けられていることを要旨とする。
上記構成によれば、多種多様な部品を取り付けることによって狭小となりがちな遊技機の内部スペースにカシメピン及びカシメ部材の保管スペースを新たに設ける必要が無く、スペース効率の向上を図ることが出来ると共に、カシメピンあるいはカシメ部材の紛失を防止することができる。
本発明によれば、不正行為を十分に抑制することができるとともに、封止作業及び開封作業の簡易化を図ることができる基板ケースの封止構造を提供することができる。
遊技機を示す概略図。 第1実施形態の基板ケースを示す平面図。 第1実施形態の封止構造を示す分解斜視図。 (a)〜(e)は第1実施形態の外殻部材を示す斜視図、平面図、側面図、側断面図、正断面図。 (a)〜(d)は第1実施形態の第2カシメ部材を示す斜視図、平面図、側断面図、背断面図。 (a)〜(c)は第1実施形態の介装部材の一部を示す斜視図、平面図、側断面図。 (a)〜(e)は第1実施形態のカシメ部材を示す斜視図、底面図、側面図、正断面図、側断面図。 (a)〜(c)は第1実施形態において外殻部材に第2カシメ部材を装着した状態を示す部分破断斜視図、側断面図、正断面図。 (a)〜(c)は第1実施形態において嵌合雌部材に介装部材を装着した状態を示す部分破断斜視図、側断面図、正断面図。 (a)〜(d)は第1実施形態においてカシメ部材を装着した状態を示す部分破断斜視図、部分破断斜視図、側断面図、正断面図。 (a)〜(f)は第2実施形態の外殻部材及びベース盤を示す正面図、平面図、側断面図、側面図、背面図、底面図。 (a)〜(f)は第2実施形態の介装部材を示す正面図、平面図、側断面図、側面図、背面図、底面図。 (a)〜(c)は第2実施形態の第2カシメ部材を示す正面図、平面図、側断面図、側面図。 (a)〜(f)は第2実施形態のカシメ部材を示す正面図、平面図、側断面図、側面図、背面図、底面図。 (a),(b)は第2実施形態の嵌合雌部材を示す平面図、部分断面図、(c)は第2実施形態のカシメピンを示す正面図。 (a),(b)は第2実施形態のベースプレートを示す平面図、側面図、(c)はベースプレートを介装部材に装着する状態を示す側断面図,(d)はベースプレートを介装部材に装着した状態を示す側断面図。 (a)〜(c)は第2実施形態の嵌合雌部材に介装部材を装着する状態を示す平面図、背面図、側断面図、(d)は第2実施形態の嵌合雌部材に介装部材を装着した状態を示す正断面図。 (a)〜(c)は第2実施形態のカシメ部材を装着する状態を示す平面図、側断面図、正断面図。 (a),(b)は第2実施形態のカシメピンを装着する状態を示す平面図、正断面図、(c)は第2実施形態のカシメピンを装着した状態を示す側断面図。
(第1実施形態)
以下、本発明を具体化した第1実施形態について、図1〜図10に基づいて説明する。
まず遊技機の概略構成について説明する。なお、遊技機とは、パチンコ機、パチスロ機、スロット機等であり、遊技場において島設備と総称される玉供給装置、コイン供給装置等に組み込まれて設置されたものである。
図1に示すように、遊技機10は、外枠11と、該外枠11の内側に組み付けられた中枠12とを備えている。外枠11は、前記島設備(図示略)に固定されている。中枠12は、該外枠11に対し、着脱可能かつ開閉可能に組み付けられている。該中枠12の内側には、遊技盤13が組み付けられている。また中枠12には、遊技機の操作等に係る球皿14、ハンドル15が組み付けられている。該中枠12は、第三者によって不用意に開閉されることがないようにするため、施錠装置16によって外枠11に対して施錠固定されている。
上記遊技盤13は、遊技を行うための主要な部品であり、流行に合わせる、新機種の導入を容易にする、遊技場内における機種移動を簡易に行う等の理由で該遊技盤13のみを交換可能とするため、中枠12に対して着脱自在に構成されている。該遊技盤13の前面には、盤面部品として、遊技状態を知らしめる、あるいは遊技を興味深いものにするための液晶パネル(図示略)、チューリップ(図示略)などが取り付けられている。該遊技盤13の後面には、遊技状態を制御する制御ユニットとして基板ケース17が取り付けられている。
図2に示すように、上記基板ケース17は、本体ケース21と、ケース蓋22とからなる。本体ケース21は、一面が開放された箱状に形成されており、その開放された一面が収容口21aとされている。該本体ケース21の内部には、該収容口21aから遊技機を制御するための制御基板が収容されている(図示略)。また該本体ケース21の収容口21aの周縁における側壁内面には、凹条が形成されている(図示略)。
ケース蓋22は、板状に形成されている。該ケース蓋22は、その側縁部が上記本体ケース21の凹条に係入されることにより、本体ケース21に対して所定方向(図2中で上方向)にスライド移動して該収容口21aを閉塞するように構成されている。そして、ケース蓋22が本体ケース21に対してスライド移動する方向で基板ケース17の先端縁(図2中で上側縁)には、封止構造23が設けられており、該封止構造23によって基板ケース17が開封不能に封止されている。
封止構造23について説明する。
図3に示すように、封止構造23は、カシメ部材31と、該カシメ部材31が嵌合される嵌合雌部材32と、該カシメ部材31が該嵌合雌部材32に嵌合された場合に該カシメ部材31と該嵌合雌部材32の間に挟持固定される介装部材33と、を備えている。これらのうち、嵌合雌部材32は、上記本体ケース21に設けられており、介装部材33は、ケース蓋22に設けられている。また嵌合雌部材32は、複数(本実施形態では3つ)の外殻部材34と、これら該外殻部材34の内部に収納される第2カシメ部材35と、によって構成されている。
図4(a)〜(e)に示すように、上記外殻部材34は、底壁34aと、該底壁の側縁から立設された一対の側壁34bと、上記本体ケース21の周壁と一体となった後壁34cと、該後壁34cと対向する前壁34dとにより、一面(図4(a)中で上面)が開口された箱状に形成されている。該外殻部材34の内部は、収容部42とされている。また複数の外殻部材34は、側壁34b外面の連繋壁41を介して互いに繋がっている。
外殻部材34の後壁34cの内面上には、第1被係止部43が突設されている。外殻部材34の側壁34bの内面上で下縁部には、第2被係止部44が凹設されている。
外殻部材34の上端縁において、一対の側壁34b及び前壁34dの上端には、薄肉状の枠壁45が突設されており、該枠壁の内側は、上記介装部材33が係合される第1被係合部45aとされている。さらに該枠壁45が前壁34dの上部で一旦前方へ延出されてから上方へ突設されることにより、該第1被係合部45aの下方には第2被係合部45bが形成されている。また一対の側壁34bの上部において、該枠壁45には、上記カシメ部材31の一部が係合される係合段部45cが形成されている。該枠壁45は後壁34cの上端には設けられておらず、該後壁34cの上端に設けられた空間は、上記ケース蓋22のスライド移動に伴って上記介装部材33が第1被係合部45aに入り込むための進入口とされている。
外殻部材34において、側壁34bの内面上には、該側壁34bの内面上に凸条を形成し、さらに前壁34dを厚肉とすることにより、該側壁34bの内面上で外殻部材34の開口から第2被係止部44に達する第1ガイド凹部46aと、後壁34c及び側壁34bの内面上で外殻部材34の開口から底部に達する第2ガイド凹部46bが形成されている。これら第1ガイド凹部46a及び第2ガイド凹部46bは、上記第2カシメ部材35の収容部42への挿入を案内するために設けられたものである。
図5(a)〜(d)に示すように、上記第2カシメ部材35は、四角枠状の枠部47を有しており、該枠部47の内側は、上記カシメ部材31が挿入される挿入口48とされている。また該枠部47は、上記外殻部材34の第2被係合部45bに嵌り込むように、そのサイズ(縦長×横長)が設定されている。
該枠部47の外周縁の一部からは、ガイド壁47aが所定方向(図5(a)中で下方)に突設されている。このガイド壁47aは、第2カシメ部材35を外殻部材34の収容部42へ挿入する際、上記外殻部材34の第2ガイド凹部46bと係合することで、該第2カシメ部材35の挿入を案内するものである。またガイド壁47aには、上記第1被係止部43が係合される係合スリット47bが切欠き形成されている。
なお、上記外殻部材34の前壁34dの内面には該ガイド壁47aと対応するガイド凹部が形成されていないため、該ガイド壁47aを前壁34d側に向けて第2カシメ部材35を外殻部材34へ挿入することはできない。従って、該ガイド壁47aは、第2カシメ部材35の外殻部材34に対する位置決めと方向決めを行っている。
枠部47において、挿入口48の内周面で両側部にはそれぞれ長板状の規制片49が所定方向(図5(a)中で下方)に延設されている。該規制片49は、枠部47に対して前側(図5(b)中で上方)に片寄って配置されている。
該規制片49の中間部には、円弧状の突出部49aが設けられている。該突出部49aは、該第2カシメ部材35が上記外殻部材34に装着された状態で、収容部42の内側へ向かって突出するように形成されている。また規制片49は、該突出部49aが湾曲することでバネ性を発揮するように構成されている。該規制片49の先端部で外面には、第1係止爪49bが突設されている。また該突出部49aの内面には、第2係止爪49cが突設されている。
図6(a)〜(c)に示すように、上記介装部材33は、略中央部分に挿通孔51が透設された複数(本実施形態では3つ)の枠体33aを繋げて構成されている。枠体33aの上面側部には、一対の第1開封用切断部52が設けられている。該第1開封用切断部52は、枠体33a同士を横方向に繋げるものであり、該介装部材33を上記外殻部材34に装着した場合に該外殻部材34の側壁34b上縁で枠壁45を跨ぐことができるように、逆U字状に形成されている。該枠体33aの後面には、一対の第2開封用切断部53が突設されている。該第2開封用切断部53は、枠体33aをケース蓋22に繋げるものであり、角柱状に形成されている。そして、枠体33aは、第1開封用切断部52及び第2開封用切断部53を切断することにより、他の枠体33a及び上記ケース蓋22から切り離すことができるように構成されている。
該枠体33aの前縁部と後縁部は厚肉とされており、これによって該介装部材33における挿通孔51の周縁には、上記カシメ部材31の一部が収容される収容凹部54が設けられている。該挿通孔51の内周面側部には、位置決め用突部55が突設されている。該位置決め用突部55は、該挿通孔51に対して上記カシメ部材31の位置決めと方向決めとを行うものであり、上記第2カシメ部材35に設けられた上記規制片49と対応する位置となるように配置されている。
図7(a)〜(e)に示すように、上記カシメ部材31は、頭部57と、第1挿入部58aと、第2挿入部58bとを有している。該頭部57は、平面視で十字形状に形成されている。該頭部57は、全体が上記介装部材33の収容凹部54に収容され、さらに両側部が上記外殻部材34の係合段部45cに係合されるように構成されている。
該第1挿入部58aは、該頭部57の下面で中央よりも後方寄りの位置から板状に突設されている。該第1挿入部58aの外面には、上記外殻部材34の第1被係止部43が係止される係止凹溝59が形成されている。
該第2挿入部58bは、該頭部57の下面で前方寄りの位置から角柱状に突設されている。該挿入部58bの側面には、上記第2カシメ部材35の規制片49と係合されるガイド溝60が凹設されている。該ガイド溝60の内側で上記規制片49の突出部49aと対応する部位には、凹部60aが凹設されている。該凹部60aの内側において、上記突出部49aの内面に設けられた第2係止爪49cと対応する部位には、係止凹部60bが凹設されている。
上記基板ケース17の封止作業について説明する。
基板ケース17の封止作業を行う際には、作業前に予め、あるいは作業の最初に、外殻部材34に第2カシメ部材35を装着して嵌合雌部材32を組み立てておく。
外殻部材34に第2カシメ部材35を装着するには、該第2カシメ部材35を該外殻部材34の開口から収容部42へ向かって押し入れる。図8(a)〜(c)に示すように、収容部42へ押し入れられた第2カシメ部材35は、外殻部材34に対し、規制片49の第1係止爪49bが第2被係止部44に係止され、さら枠部47が第2被係止部44の内側に嵌り込むことにより、収容部42からの抜け出しと、外殻部材34に対する移動を抑制される。
なお、嵌合雌部材32においては、必ずしも全ての外殻部材34に第2カシメ部材35を装着しておく必要はなく、基板ケース17の封止に使用する外殻部材34のみに第2カシメ部材35を装着してもよい。すなわち、3つの外殻部材34のうち、1つのみを封止に使用するのであれば、1つの外殻部材34にのみ第2カシメ部材35を装着してもよい。また外殻部材34に第2カシメ部材35のみを装着した状態であれば、第2被係止部44に対する第1係止爪49bの係止を解除したうえで、第2カシメ部材35を上方へ引っ張ることにより、外殻部材34から第2カシメ部材35を取り外すことができる。このため、全ての外殻部材34に第2カシメ部材35を一旦装着し、その後、封止に使用する外殻部材34を除く他の外殻部材34から第2カシメ部材35を取り外してもよい。
封止作業においては、上記のように嵌合雌部材32が組み立てられた状態で、本体ケース21に対してケース蓋22がスライド移動されて、該ケース蓋22により本体ケース21の収容口21aが閉塞される。この際、ケース蓋22のスライド移動に伴い、介装部材33は嵌合雌部材32に対してスライド移動する。そして、図9(a)〜(c)に示すように、枠体33aが外殻部材34の第1被係合部45aに進入して係合され、枠体33aの挿通孔51が枠部47の挿入口48と重なる。次いで、カシメ部材31が、挿通孔51及び挿入口48から収容部42へ向かって嵌入され、封止作業が完了する。
図10(a)〜(d)に示すように、収容部42へ嵌入されたカシメ部材31は、第1挿入部58aの係止凹溝59を外殻部材34の第1被係止部43に係止させるとともに、第2挿入部58bの係止凹部60bを第2カシメ部材35の規制片49の第2係止爪49cに係止させている。これら係止凹溝59と第1被係止部43の係合関係及び係止凹部60bと第2係止爪49cの係合関係により、カシメ部材31は、第1挿入部58a及び第2挿入部58bが収容部42から抜け出すことを規制されている。
またカシメ部材31は、介装部材33を構成する枠体33aの挿通孔51に、第1挿入部58a及び第2挿入部58bを挿通させている。このため、ケース蓋22をスライド移動させようとしても、枠体33aが第1挿入部58a又は第2挿入部58bに接触してしまうことで移動できず、ケース蓋22が開閉不能となる。
またカシメ部材31の頭部57は、介装部材33の収容凹部54に収容されることにより、挿通孔51及び挿入口48を外部から覆うことで、収容部42への異物の侵入を防止している。このため、道具等を挿通孔51及び挿入口48から収容部42へ侵入させることができない。
またカシメ部材31の第2挿入部58bにおいて、ガイド溝60には、第2カシメ部材35の規制片49が当接しており、第2カシメ部材35及び該第2カシメ部材35が装着された外殻部材34に対して第2挿入部58bが移動不能となるため、第1挿入部58aの係止凹溝59と第1被係止部43との係止関係の解除が規制されている。
またカシメ部材31の第2挿入部58bにおいて、凹部60aには、第2カシメ部材35の規制片49の突出部49aが係入されている。これにより、規制片49を弾性変形させて第1係止爪49bの第2被係止部44への係合を解除することができなくなり、凹部60aと突出部49aとの係合関係が維持されるため、該第2挿入部58bの上記収容部42からの抜け出しが規制されている。
上記のように基板ケース17の封止作業は、ケース蓋22を閉めて、カシメ部材31を装着するのみで完了する。封止作業の完了後は、カシメ部材31を取り外すことができず、ケース蓋22を開閉することができなくなるため、基板ケース17が確実に封止される。封止された基板ケース17を開封するには、各一対の第1開封用切断部52及び第2開封用切断部53を全て切断して介装部材33から枠体33aを切り離す必要がある。この場合には第1開封用切断部52及び第2開封用切断部53を切断した痕跡が残り、また他者の目に留まらずに短時間で合計4つの開封用切断部を切断することは不可能である。従って、本実施形態の封止構造は、封止作業が簡易でありながら、不正行為を確実に防止することができる。
(第2実施形態)
以下、本発明を具体化した第2実施形態について、図11〜図19に基づいて説明する。なお、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なる点を中心に説明する。
第2実施形態の封止構造23は、カシメ部材71と、該カシメ部材71が嵌合される嵌合雌部材72と、該カシメ部材71が該嵌合雌部材72に嵌合された場合に該カシメ部材71と該嵌合雌部材72の間に挟持固定される介装部材73と、さらに該カシメ部材71と該嵌合雌部材72を連結するカシメピン74と、を備えている。これらのうち、嵌合雌部材72は、上記本体ケース21に設けられており、介装部材73は、ケース蓋22に設けられている。また嵌合雌部材72は、複数(本実施形態では3つ)の外殻部材75aを有するベース部材75と、各外殻部材75aの内部に収納される第2カシメ部材76と、を有している。
図11(a)〜(f)に示すように、上記ベース部材75は、上記本体ケース21の周壁から突出して形成されたベース盤81と、該ベース盤81の前面に突設された複数の外殻部材75aと、によって構成されている。
ベース盤81は、浅皿状に形成され、その上端にはガイド凹条81aが設けられている。ベース盤81の一側部において、外面には、上記カシメピン74を収容保管するためのピン保管スペース82aが設けられている。該ピン保管スペース82aは、矩形状をなし、その上面には、上記カシメピン74を挿入するための穴が凹設されている。
外殻部材75aは、底壁と、該底壁の側縁から立設された一対の側壁と、前壁と、を有し、その後部がベース盤81の周壁によって塞がれることにより、一面(図11(b)中で上面)が開口された箱状に形成されている。該外殻部材75aの内部は、収容部83とされている。また複数の外殻部材75aは、ベース盤81を介して互いに繋がっている。
外殻部材75aの上端縁において、一対の側壁及び前壁の上端は、ベース盤81の上面よりも高くなるように設定されており、これら側壁及び前壁に囲まれた内側は、上記介装部材73が係合される被係合部84とされている。さらに外殻部材75aの前壁は、該外殻部材75aの側壁よりも高くなるように設定されており、該外殻部材75aに上記介装部材73が装着された状態で、該介装部材73の前面を外部から覆うように構成されている。
外殻部材75aの側壁の内面で下部には、上記第2カシメ部材76を係止するための第2被係止部85bが突設されている。
図13(a)〜(d)に示すように、第2カシメ部材76は、台座86と、該台座86の上面に立設された第1被係止部85aと、該台座86の上面に立設されたガイド筒部87と、を有している。
台座86は、四角板部と、該四角板部の下面の両側縁に突設された脚部とを有している。該台座86の四角板部の下面において、ガイド筒部87と対応する位置には、円環状をなす被嵌入部87aが突設されている。また台座86の上面で両側縁には、上記外殻部材75aの第2被係止部85bに係合される係止溝86aが形成されている。
第1被係止部85aは、両側面に複数の凹部が形成された板状に形成されている。外殻部材75aの収容部83に対して上記カシメ部材71が挿入される方向を下方とし、該外殻部材75aの収容部83から上記カシメ部材71が抜け出す方向を上方として、該第1被係止部85aの凹部は、上側が水平面、下側が斜面とされ、下側(挿入方向)への摺接に対しては逃がしとなり、上側(抜出方向)への摺接に対しては返しとなる形状とされている。
ガイド筒部87は、円筒状に形成されるとともに、周壁が第1被係止部85aの一端縁と繋がっている。該ガイド筒部87の内側は、上記カシメピン74を挿通するための挿通孔として、第1ピン挿通孔87bとされており、また該第1ピン挿通孔87bは、前記被嵌入部87aの内側と連通している。
図12(a)〜(f)に示すように、介装部材73は、上記ケース蓋22の周縁から突出して形成された保管ケース82bと、該保管ケース82bの前面に突設された複数(本実施形態では3つ)の枠体73aと、を有している。枠体73aの内側は挿通孔91とされている。枠体73aの側部には、第1開封用切断部92が設けられている。該第1開封用切断部92は、枠体73a同士を横方向に繋げるものであり、長板状に形成されている。該枠体73aの後面には、一対の第2開封用切断部93が突設されている。該第2開封用切断部93は、枠体73aを保管ケース82bに繋げるものであり、角柱状に形成されている。そして、枠体73aは、第1開封用切断部92及び第2開封用切断部93を切断することにより、他の枠体73a及び保管ケース82bから切り離すことができるように構成されている。
保管ケース82bは、下面が開口された箱状をなし、その内側は上記カシメ部材71を収容保管する保管スペースとされている。保管ケース82bの周縁には、上記ベース盤81のガイド凹条81aに係入されるガイド凸条82cが突設されている。また保管ケース82bの一側部において、外面には、カバー壁82dが突設されている。該カバー壁82dは、上記ピン保管スペース82aにカシメピン74が収容保管されている場合、カシメピン74の一端に当接することで、該カシメピン74がピン保管スペース82aから脱落することを防止している(図17(b)参照)。
枠体73aは、その周縁部が厚肉とされており、これによって該介装部材33における挿通孔91の周縁には、上記カシメ部材71の一部が収容される収容凹部94が設けられている。枠体73aの内側には、該挿通孔91を区分するように桟94aが架設されている。該桟94aの後端部は筒状とされており、該後端部の内側は、上記カシメピン74を挿通するための挿通孔として、第2ピン挿通孔94bとされている。
図14(a)〜(f)に示すように、上記カシメ部材71は、頭部97と、一対の挿入部98と、を有している。該頭部97は、板状に形成されており、全体が上記介装部材73の収容凹部94に収容されるように構成されている。該頭部97の上面には、筒体が突設されており、該筒体の内側は、嵌入孔94cとされている。
挿入部98は、頭部97の下面から板状に突設されている。該挿入部98の後端部は、後方へ向かうに従い薄肉となる先鋭状に形成されている。また上記介装部材73の挿通孔91は、該挿入部98と対応する形状とされることで、介装部材73へのカシメ部材71の挿入における位置決めと方向決めが為されている。
該挿入部98の内面には、上記第2カシメ部材76の第1被係止部85aに係止される第1係止突部98aが形成されている。外殻部材75aの収容部83に対して上記カシメ部材71が挿入される方向を下方とし、該外殻部材75aの収容部83から上記カシメ部材71が抜け出す方向を上方として、該第1係止突部98aは、上記第1被係止部85aの凹部の形状に対応して、上側が水平面、下側が斜面とされ、下側(挿入方向)への摺接に対しては逃がしとなり、上側(抜出方向)への摺接に対しては返しとなる形状とされている。
該挿入部98の外面には、上記介装部材73の挿通孔91の周縁に係止される第2係止突部98bが形成されている。外殻部材75aの収容部83に対して上記カシメ部材71が挿入される方向を下方とし、該外殻部材75aの収容部83から上記カシメ部材71が抜け出す方向を上方として、該第2係止突部98bは、上側が水平面、下側が斜面とされ、下側(挿入方向)への摺接に対しては逃がしとなり、上側(抜出方向)への摺接に対しては返しとなる形状とされている。
上記嵌合雌部材72の組み立てについて説明する。
図15(a),(b)に示すように、嵌合雌部材72の組み立ては、外殻部材75aの開口から収容部83へ向かって、第2カシメ部材76を押し入れ、さらにカシメピン74をピン保管スペース82aの穴に挿入することで行われる。収容部83へ押し入れられた第2カシメ部材76は、台座86の係止溝86aが、外殻部材75aの第2被係止部85bに係合されることにより、収容部83からの抜け出しを抑制される。また第2カシメ部材76の台座86は、そのサイズ(縦長×横長)が収容部83のサイズ(縦長×横長)と略同一に設定されることで、外殻部材34に対する移動を規制される。
ここで、図15(c)に示すように、カシメピン74は、軸部74aと、該軸部74aの上端部に設けられた嵌入頭部74bと、該軸部74aの下端部に設けられた嵌入端部74cと、を有している。該嵌入頭部74bは、軸部74aに比べて太径とされている。該嵌入端部74cは矢じり状とされ、軸部74aとの間に溝部を有している。そして、該カシメピン74は、嵌入端部74cがピン保管スペース82aの穴に挿入されて、嵌合雌部材72に装填されるようになっている。
上記介装部材73の組み立てについて説明する。
介装部材73の組み立ては、カシメ部材71を保管ケース82bに収容することで行われる。
図16(a),(b)に示すように、カシメ部材71を保管ケース82bに収容するためのベースプレート99は、前端縁部と後端縁部が上方に折り曲げられた横長板状に形成され、その上面には、上記カシメ部材71を装着するための装着凸部99aが突設されている。またベースプレート99の隅角部には、該ベースプレート99を保管ケース82bに固定するための固定ピン99bが取り付けられている。
図16(c),(d)に示すように、ベースプレート99は、装着凸部99aにカシメ部材71が装着された状態で、該カシメ部材71が保管ケース82bの内部に収容されるように、該保管ケース82bの下方から装着される。そして、固定ピン99bを押し込むことで、ベースプレート99が保管ケース82bに固定され、介装部材73が組み立てられる。
上記基板ケース17の封止作業について説明する。
封止作業においては、上記のように嵌合雌部材32が組み立てられた状態の本体ケース21に対して、介装部材73が組み立てられた状態のケース蓋22をスライド移動させ、該ケース蓋22により本体ケース21の収容口21aを閉塞する。この際、図17(a)〜(c)に示すように、ケース蓋22のスライド移動に伴い、介装部材73は嵌合雌部材72に対してスライド移動する。そして、枠体73aが外殻部材75aの被係合部84に進入して係合され、図17(d)に示すように、枠体73aの挿通孔91が外殻部材75aの収容部83と連通し、枠体73aの第2ピン挿通孔94bが第2カシメ部材76の第1ピン挿通孔87bと連通する。
次いで、図18(a)〜(c)に示すように、カシメ部材71が、挿通孔91から収容部83へ向かって嵌入される。収容部83へ嵌入されたカシメ部材71は、第1係止突部98aを第2カシメ部材76の第1被係止部85aに係止させるとともに、第2係止突部98bを枠体73aの下面で挿通孔91の周縁に係止させる。これら第1係止突部98aと第1被係止部85aの係合関係及び第2係止突部98bと枠体73aの係合関係により、カシメ部材71は、挿入部98が収容部83から抜け出すことを規制される。またカシメ部材71の嵌入孔94cは、第2ピン挿通孔94b及び第1ピン挿通孔87bと連通する。
次いで、図19(a),(b)に示すように、カシメピン74が嵌入孔94c、第2ピン挿通孔94b及び第1ピン挿通孔87bに嵌入されて封止作業が完了する。図19(c)に示すように、嵌入孔94c、第2ピン挿通孔94b及び第1ピン挿通孔87bに嵌入されたカシメピン74は、嵌入孔94cに嵌入頭部74bが嵌入され、さらに嵌入端部74cが第2カシメ部材76の被嵌入部87aに嵌入されて緊結固定されている。このため、該カシメピン74を介して連結された第2カシメ部材76、枠体73a及びカシメ部材71は、相互に動くことができず、第2カシメ部材76、枠体73a又はカシメ部材71の何れかを移動させて封止を解除することはできなくなる。
また嵌入頭部74bは、嵌入孔94cの外部へ突出することなく、その内側に入り込んでいる。このため、外部からカシメピン74を引き抜くことは不可能である。さらに嵌入孔94cの周囲を破壊して嵌入頭部74bを露出させたとしても、嵌入端部74cと被嵌入部87aの嵌合を外部から解除することができないため、外部からカシメピン74を引き抜くことは不可能である。
上記のように第2実施形態の基板ケース17の封止作業は、ケース蓋22を閉めて、カシメ部材71及びカシメピン74を装着するのみで完了する。封止作業の完了後は、カシメ部材71及びカシメピン74を取り外すことができず、ケース蓋22を開閉することができなくなるため、基板ケース17が確実に封止される。封止された基板ケース17を開封するには、第1開封用切断部92及び第2開封用切断部93を全て切断して介装部材73から枠体73aを切り離す必要がある。この場合には第1開封用切断部92及び第2開封用切断部93を切断した痕跡が残り、また他者の目に留まらずに短時間で合計3つの開封用切断部を切断することは不可能である。従って、本実施形態の封止構造は、封止作業が簡易でありながら、不正行為を確実に防止することができる。
さらに、メンテナンス等の理由で基板ケース17を開封し、再び封止作業を行う場合、封止に使用するカシメ部材71及びカシメピン74は、基板ケース17内に収容保管されている。従って、カシメ部材71及びカシメピン74を予め用意しておく等の手間を必要とせず、またカシメ部材71及びカシメピン74の紛失等のような不具合が発生せず、使い勝手を良好なものとすることができる。
なお、本発明は上記各実施形態の構成に限定されるものではなく、以下に示すように構成を変更してもよい。
各実施形態では嵌合雌部材を本体ケース21に設け、介装部材をケース蓋22に設けているが、嵌合雌部材をケース蓋22に設け、介装部材をケース蓋22に設けてもよい。
各実施形態では外殻部材と第2カシメ部材との2つの部材によって嵌合雌部材を構成したが、嵌合雌部材に少なくとも収容部と被係止部とが設けられていれば、嵌合雌部材を1つの部材によってのみ構成してもよい。
第2実施形態ではカシメ部材とカシメピンをそれぞれ別の場所に収容保管したが、これに限らず、例えば保管ケース内にまとめて収容保管する等のように、一緒の場所に収容保管してもよい。
10 遊技機
17 基板ケース
21 本体ケース
21a 収容口
22 ケース蓋
23 封止構造
31 カシメ部材
32 嵌合雌部材
33 介装部材
33a 枠体
34 外殻部材
35 第2カシメ部材
42 収容部
43 第1被係止部
44 第2被係止部
45a 第1被係合部
45b 第2被係合部
49 規制片
49a 突出部
49b 第1係止爪
49c 第2係止爪
51 挿通孔
52 第1開封用切断部
53 第2開封用切断部
54 収容凹部
57 頭部
58a 第1挿入部
58b 第2挿入部
59 係止凹溝
60 ガイド溝
60a 凹部
60b 係止凹部
71 カシメ部材
72 嵌合雌部材
73 介装部材
73a 枠体
74 カシメピン
74a 軸部
74b 嵌入頭部
74c 嵌入端部
75 ベース部材
75a 外殻部材
81a ガイド凹条
82a ピン保管スペース
82b 保管ケース
82c ガイド凸条
82d カバー壁
83 収容部
84 被係合部
85a 第1被係止部
85b 第2被係止部
86a 係止溝
87 ガイド筒部
87a 被嵌入部
87b 第1ピン挿通孔
91 挿通孔
92 第1開封用切断部
93 第2開封用切断部
94 収容凹部
94b 第2ピン挿通孔
94c 嵌入孔
97 頭部
98 挿入部
98a 第1係止突部
98b 第2係止突部

Claims (9)

  1. 遊技機の制御基板を収容する本体ケースと、該制御基板を収容するべく該本体ケースに設けられた収容口を閉塞するケース蓋とからなる遊技機用の基板ケースを開封不能に封止する基板ケースの封止構造であって、
    カシメ部材と、該カシメ部材が嵌合される嵌合雌部材と、該カシメ部材が該嵌合雌部材に嵌合された場合に該カシメ部材と該嵌合雌部材の間に挟持固定される介装部材と、を備えており、上記嵌合雌部材は上記本体ケース又は上記ケース蓋のうち何れか一方に設けられて、上記介装部材は何れか他方に設けられているものとして、
    上記カシメ部材は、頭部と、挿入部と、を有しており、
    上記嵌合雌部材は、上記挿入部を挿入するための挿入口と、上記挿入部を収容するべく該挿入口から上記挿入部の挿入方向へ延設された収容部と、を有しており、
    上記介装部材は、上記挿入部を挿通させるための挿通孔と、上記基板ケースを開封するために上記ケース蓋又は上記本体ケースから該介装部材を切り離すべく使用する開封用切断部と、を有しており、
    上記嵌合雌部材において上記収容部の内部には被係止部が設けられ、上記介装部材において上記挿通孔の周縁には収容凹部が設けられることにより、
    上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記被係止部に上記挿入部が係止されて該挿入部の上記収容部からの抜け出しが規制されており、さらに上記収容凹部に上記カシメ部材の頭部が収容されて該頭部の周縁が上記介装部材によって覆われている
    ことを特徴とする基板ケースの封止構造。
  2. 上記嵌合雌部材において上記挿入口の周縁には被係合部が設けられることにより、
    上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記被係合部に上記介装部材が係合されて該嵌合雌部材に対する該介装部材の移動が規制されている
    請求項1に記載の基板ケースの封止構造。
  3. 上記本体ケースの収容口の周縁において、該本体ケースの側壁内面には凹条が形成されており、上記ケース蓋は、その側縁部が該凹条に係入されることにより、所定方向にスライド移動して該収容口を閉塞するように構成されている
    請求項1又は請求項2に記載の基板ケースの封止構造。
  4. 上記嵌合雌部材は、一面が外部に開放された箱状をなす外殻部材と、該外殻部材の内部に収納される第2のカシメ部材と、によって構成されており、
    上記外殻部材は、その内面上に上記被係止部を有しており、
    上記第2のカシメ部材は、上記挿入口がその内側に形成された枠部と、該枠部から延設された規制片と、を有しており、
    上記外殻部材においてその内面上には第2の被係止部が設けられることにより、
    上記第2のカシメ部材が上記外殻部材に収納された場合、上記第2の被係止部に上記規制片の先端部が係止されて上記第2のカシメ部材の上記外殻部材内からの抜け出しが抑制されている
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の基板ケースの封止構造。
  5. 上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記第2のカシメ部材の規制片が上記挿入部に当接して該挿入部と上記被係止部との係止関係の解除を規制している
    請求項4に記載の基板ケースの封止構造。
  6. 上記第2のカシメ部材の規制片は、上記挿入部の上記挿入口への挿入方向へ伸びるように配設されるとともに、その長手方向の中間には上記収容部の内側へ向かって突出する突出部が形成されており、
    上記カシメ部材の挿入部には、上記突出部と対応する位置に凹部が形成されることにより、
    上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記凹部に上記突出部が係入されて該挿入部の上記収容部からの抜け出しが規制されている
    請求項4又は請求項5に記載の基板ケースの封止構造。
  7. さらに該カシメ部材と該嵌合雌部材を連結するカシメピンと、を備えており、
    上記カシメピンは、軸部と、該軸部の各端部にそれぞれ設けられた嵌入頭部及び嵌入端部と、を有しており、
    上記カシメ部材において頭部には嵌入孔が設けられ、上記嵌合雌部材において収容部の内奥には被嵌入部が設けられることにより、
    上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、上記嵌入孔に上記カシメピンの嵌入頭部が嵌入され、上記被嵌入部に上記カシメピンの嵌入端部が嵌入されることによって該カシメ部材の該嵌合雌部材に対する移動が規制されている
    請求項1から請求項3の何れか一項に記載の基板ケースの封止構造。
  8. 上記嵌合雌部材は、一面が外部に開放された箱状をなす外殻部材と、該外殻部材の内部に収納される第2のカシメ部材と、によって構成されており、
    上記外殻部材は、上記第2のカシメ部材を係止する第2の被係止部を有しており、
    上記第2のカシメ部材は、上記被係止部と、上記被嵌入部と、を有しており、
    上記第2のカシメ部材には挿通孔が設けられることにより、
    上記介装部材が介装された状態で上記カシメ部材が上記嵌合雌部材に嵌合された場合、さらに上記挿通孔に上記カシメピンの軸部が挿通されることによって上記カシメ部材が上記第2のカシメ部材に連結固定されている
    請求項7に記載の基板ケースの封止構造。
  9. 上記本体ケース及び上記ケース蓋のうち少なくとも何れか一方には、上記カシメピン及び上記カシメ部材を収容保管する保管スペースが設けられている
    請求項7又は請求項8に記載の基板ケースの封止構造。

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014166206A (ja) * 2013-02-28 2014-09-11 Takasago Electric Ind Co Ltd 基板ケース及び遊技機

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