(第1の実施形態)
以下、本発明の第1の実施形態であるパチンコ遊技機(以下、単に「パチンコ機」という)を、図面に基づいて詳細に説明する。
[パチンコ機の全体構成について]
図1に基づき説明する。図1はパチンコ機の外枠の一側に本体枠が開かれその本体枠の一側に前面枠が開かれた状態を示す斜視図である。なお、図1においては遊技領域における装飾部材が省略された図を示している。
パチンコ機1は、外枠2、本体枠3、前面枠4、及び遊技盤5等を備えて構成されている。外枠2は、上下左右の木製の枠材によって縦長四角形の枠状に形成され、同外枠2の前側下部には、本体枠3の下面を受ける下受板6を有している。外枠2の前面の片側には、ヒンジ機構7によって本体枠3が前方に開閉可能に装着されている。なお、外枠2は、樹脂やアルミニウム等の軽金属によって形成されていてもよい。
[本体枠の構成について]
図2及び図4に基づき説明する。図2はパチンコ機の前側全体を示す正面図であり、図4はパチンコ機の本体枠と遊技盤とを分離して斜め右上前方から示す斜視図である。
本体枠3は、前枠体11、遊技盤装着枠12及び機構装着体13を合成樹脂材によって一体成形することで構成されている。本体枠3の前枠体11は、外枠2(図1参照)の前側の下受板6を除く外郭形状に対応する大きさの矩形枠状に形成されている。そして、前枠体11の片側の上下部には、本体枠側ヒンジ具15が固定されており、外枠2の片側の上下部に固定された外枠側ヒンジ具14に対してヒンジピン及びヒンジ孔によって開閉回動可能に装着されている。すなわち、外枠側ヒンジ具14、本体枠側ヒンジ具15、ヒンジピン及びヒンジ孔によってヒンジ機構7が構成されている。
前枠体11の前側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の前下部左側領域にはスピーカボックス部16が一体に形成され、そのスピーカボックス部16の前側開口部には、同開口部を塞ぐようにしてスピーカ装着板17が装着されている。そして、スピーカ装着板17にはスピーカ18が装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内において、その上半部分には発射レール19が傾斜状に装着されている。また、前枠体11前面の下部領域内の下半部分には下部前面板30が装着されている。そして、下部前面板30の前面の略中央部には、遊技球を貯留可能な下皿31が設けられ、右側寄りには操作ハンドル32が設けられ、左側寄りには灰皿33が設けられている。なお、下皿31には、遊技球を下方に排出するための球排出レバー34が配設されている。
[前面枠の構成について]
図1及び図2に基づき説明する。前枠体11の前面の片側には、その前枠体11の上端から下部前面板30の上縁にわたる部分を覆うようにして、前面枠4がヒンジ機構36によって前方に開閉可能に装着されている。また、前面枠4の略中央部には、遊技盤5の遊技領域37を前方から透視可能な略円形の開口窓38が形成されている。また、前面枠4の後側には開口窓38よりも大きな矩形枠状をなす窓枠39が設けられ、その窓枠39にはガラス板、透明樹脂板等の透明板50が装着されている。また、前面枠4の前面の略全体は、ランプ等が内設された前面装飾部材によって装飾され、同前面枠4の前面の下部には上皿51が形成されている。詳しくは、開口窓38の周囲において、左右両側部にサイド装飾装置52が、下部に上皿51が、上部に音響電飾装置53が装着されている。サイド装飾装置52は、ランプ基板が内部に配置され且つ合成樹脂材によって形成されたサイド装飾体54を主体として構成されている。サイド装飾体54には、横方向に長いスリット状の開口孔が上下方向に複数配列されており、該開口孔には、ランプ基板に配置された光源に対応するレンズ55が組み込まれている。音響電飾装置53は、透明カバー体56、スピーカ57、スピーカカバー58、及びリフレクタ体(図示しない)等を備え、これらの構成部材が相互に組み付けられてユニット化されている。
[施錠装置の構成について]
図1及び図4に基づき説明する。前枠体11のヒンジ機構36に対して反対側となる自由端側の後側には、外枠2に対し本体枠3を施錠する機能と、本体枠3に対し前面枠4を施錠する機能とを兼ね備えた施錠装置70が装着されている。すなわち、この実施形態において、施錠装置70は、外枠2に設けられた閉止具71に係脱可能に係合して本体枠3を閉じ状態に施錠する上下複数の本体枠施錠フック72と、前面枠4の自由端側の後側に設けられた閉止具73に係脱可能に係合して前面枠4を閉じ状態に施錠する上下複数の扉施錠フック74と、パチンコ機1の前方から鍵が挿入されて解錠操作可能に、前枠体11及び下部前面板30を貫通して露出されたシリンダー錠75と、を備えている。そして、シリンダー錠75の鍵穴に鍵が挿入されて一方向に回動操作されることで本体枠施錠フック72と外枠2の閉止具71との係合が外れて本体枠3が解錠され、これとは逆方向に回動操作されることで、扉施錠フック74と前面枠4の閉止具73との係合が外れて前面枠4が解錠されるようになっている。
[遊技盤装着枠及び遊技盤の構成について]
図1、図3、図4、及び図5に基づき説明する。図3は遊技領域の構成を示す拡大正面図であり、図5はパチンコ機の後側全体を示す背面図である。
図1及び図4に示すように、本体枠3の遊技盤装着枠12は、前枠体11の後側に設けられかつ遊技盤5が前方から着脱交換可能に装着されるようになっている。遊技盤5は、遊技盤装着枠12の前方から嵌込まれる大きさの略四角板状に遊技板5aから構成されている。遊技盤5(遊技板5a)の盤面(前面)には、外レール76と内レール77とを備えた案内レール78が設けられ、その案内レール78の内側に遊技領域37が区画形成されている。なお、発射レール19と案内レール78との間には、所定の隙間が設けられており、発射された遊技球が案内レール78を逆戻りした場合には、その遊技球は、その隙間から排出され下皿31に案内されるように構成されている。また、遊技盤5(遊技板5a)の前面には、その案内レール78の外側領域において、合成樹脂製の前構成部材79が装着されている。また、遊技盤5(遊技板5a)の略中央部には、後述するセンター役物91が取付けられて、遊技板5aの後方に位置する演出表示装置115を視認可能とする開口部124を形成するための開口部(図示外)が形成されている。
図3に示すように、遊技領域37内には多数の障害釘が所定のゲージ配列をなして設けられているほか、その途中の所定位置に風車92が設けられている。遊技領域37のほぼ中央位置には、センター役物91が配設されており、このセンター役物91のデザインによってパチンコ機1の機種やゲームコンセプト等が特徴付けられている。
また、センター役物91の後方には、遊技者からの注目を集めるように機械抽選装置よりも正面視で大きな領域をもって抽選結果を演出表示する演出表示装置115が設けられている。演出表示装置115は、装飾図柄画像情報、背景画像情報、キャラクタ画像情報等を合成した画像情報を表示可能な適宜の表示装置が用いられる。本実施の形態では、演出表示装置115として液晶表示装置が用いられている。
一方、遊技領域37におけるセンター役物91の右側には、普通図柄始動口89、及び普通電動役物81、及び第2の特別図柄始動口(第2の始動口)82が設けられている。そしてこのうち、上記普通図柄始動口89への遊技球の入球(通過)は、後述のゲートセンサ316(図15参照)によって検出される。そしてこの際、予め定められた数値範囲内で例えば4ms毎などの定期的に更新(生成)される普通図柄用の乱数に基づいて上記普通電動役物81の動作契機となる普通当たりについての抽選処理(普通抽選)が行われ、この抽選処理の結果に応じて、後述の普通図柄表示器333において所定の時間だけ普通図柄が変動表示される。そして、この変動表示が終了した後、上記普通当たりが当選されている旨判断されたときは、後述の普通役物駆動機構334(図15参照)の駆動制御が行われる。これにより、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球が、不可能な態様(拒球態様)から可能な態様(許球態様)に切り替わるように、上記普通電動役物81(より正確には、普通電動役物81の可動片)が動作するようになる。なお、上記普通役物駆動機構334は、普通電動役物81(より正確には、普通電動役物81の可動片)を動作させるためのものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。また、第2の特別図柄始動口82は、普通電動役物81(より正確には、普通電動役物81の可動片)によって常には拒球態様に維持されている。
また後述するが、上記普通電動役物81(より正確には、普通電動役物81の可動片)の動作によって入球可能とされた上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入賞されたときは、後述の第2始動口センサ318(図15参照)によって遊技球の入賞が検出される。そしてこの際、予め定められた数値範囲内で例えば4ms毎などの定期的に更新(生成)される第2の特別図柄用の乱数に基づいて、可動片142の動作契機となる役物開放当たり及び特別遊技の実行契機となる大当たりについての当落にかかる抽選処理(第2の特別抽選)が行われ、第2の特別図柄表示器332(図15参照)に動的表示される第2の特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。そして、この変動表示が終了した後、上記役物開放当たりが当選されたときは、後述の大入賞口開閉機構335(図41参照)の駆動制御が行われる。
すなわち、この第1の実施形態では、上記第2の特別抽選において役物開放当たりが当選された場合に可動片142が動作することによって遊技球が進入可能となる機械抽選装置が設けられている。この機械抽選装置は、上記可動片142が動作したときにのみ開放される大入賞口141を有し、その内部領域には上記大入賞口141に入賞した遊技球を特定領域(図示略)及び一般領域(図示略)のいずれかに振り分ける回転式振分装置(定動作装置)294と、上記大入賞口141に入賞した遊技球を上記回転式振分装置294へと案内する内部流下経路340とが設けられている。そしてこの結果、上記特定領域に遊技球が振り分けられたときにも、後述のV入賞センサ329(図15参照)によって遊技球の入賞が検出され、上記特別遊技が行われるようになっている。
したがって、上記第2の特別抽選の結果、上記役物開放当たりが当選されたときは、後述の大入賞口開閉機構335(図41参照)の駆動制御が行われ、これによって上記大入賞口141が開放されるかたちで上記可動片142が動作することとなる。これにより、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入される遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が付与されるようになる。なお、上記大入賞口開閉機構335は、可動片142を動作させるためのものであり、例えばソレノイドなどを有して構成される。また、これも後述するが、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入するときは、適宜の箇所に設けられた入賞口センサ330によって遊技球の進入が検出されるとともに、当該検出に応じて所定数の賞球が払い出される。
これに対し、上記第2の特別抽選の結果、上記大当たりが当選されたときは、こうした役物遊技の機会は付与されることなく、多くの賞球が遊技者に払い出される後述の特別遊技が行われることによって、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)が発生する。
また、普通電動役物81(より正確には、普通電動役物81の可動片)による開放動作があったときにのみ遊技球の入賞が可能とされるこのような第2の特別図柄始動口82に対し、遊技領域37におけるセンター役物91の下方には、上記普通電動役物81による開放動作にかかわらず常に遊技球を受け入れ可能な第1の特別図柄始動口(第1の始動口)96が配設されている。そして、この第1の特別図柄始動口96に遊技球が入賞した場合にも、後述の第1始動口センサ317(図15参照)によって遊技球の入賞が検出される。そしてこの際、予め定められた数値範囲内で例えば4ms毎などの定期的に更新(生成)される第1の特別図柄用の乱数に基づいて、上記特別遊技の実行契機となる大当たりについての当落にかかる抽選処理(第1の特別抽選)が行われる。そしてこの際は、後述の第1の特別図柄表示器331(図15参照)に動的表示される第1の特別図柄が所定の時間だけ変動表示される。この変動表示が終了した後、この第1の特別抽選にて大当たりが当選されたことが判断された場合も、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)が発生する。
また、上記第1の特別図柄始動口96の右側であり、上記第2の特別図柄始動口82の下側にはアタッカ装置98が配設されている。このアタッカ装置98は、開閉部材99の下端部分を軸として開閉部材99を前後方向に開閉動作させることにより下部側大入賞口83を開閉させる。さらに、遊技領域37の最も下方となる位置には、遊技領域37を流下した遊技球が排出される球アウト口90が設けられている。
また、センター役物91の斜め左下には、普通抽選による結果を示唆する普通図柄表示器333として機能する三つのLED84と、普通抽選の保留状態を示す普通保留球ランプとして機能する四つのLED85と、第1の特別図柄始動口96への遊技球の入球に応じた特別抽選の保留状態を示す特別保留球ランプとして機能する四つのLED87とが設けられている。このうち、上記普通保留球ランプは、普通抽選において保留回数分(最大4回)だけLED85が点灯するようになっており、上記特別保留球ランプは、第1の特別図柄始動口96への遊技球の入球に応じた特別抽選において保留回数分(最大4回)だけLED87が点灯するようになっている。なお、この実施の形態では、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球に応じた特別抽選に対する保留機能は搭載されていない。
また、センター役物91の左上部には、第1の特別図柄始動口96への始動入賞を契機とした大当たり抽選(特別抽選)における抽選結果を表示する第1の特別図柄表示器331として機能する四つのLED86と、第2の特別図柄始動口82への始動入賞を契機とした大当たり抽選(特別抽選)における抽選結果を表示する第2の特別図柄表示器332として機能する四つのLED88と、が設けられている。このうち、上記第1の特別図柄表示器331では、第1の特別図柄始動口96への始動入賞を契機として四つのLED86をいろいろなパターンで点滅(変動表示)させることにより、第1の特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、四つのLED86の点灯・消灯表示パターンによって、確定した特別図柄を停止状態で表示(後述の図柄決定用乱数にて決定された表示態様)することで、抽選結果情報がLED86の点灯・消灯によって報知される。これに対し、上記第2の特別図柄表示器332では、例えば第2の特別図柄始動口82への始動入賞を契機として四つのLED88をいろいろなパターンで点滅(変動表示)させることにより、第2の特別図柄の変動状態を表示する。そして、一定の変動時間が終了すると、四つのLED88の点灯・消灯表示パターンによって、確定した特別図柄を停止状態で表示(後述の図柄決定用乱数にて決定された表示態様)することで、抽選結果情報がLED86の点灯・消灯によって報知される。なお後述するが、LED86、88の点灯・消灯による特別図柄の変動表示及び停止表示の制御は、遊技盤5の後側に設けられた制御装置を通じて行われる。
また上述の通り、センター役物91の右上部には、上記特別抽選において役物開放当たりが当選された場合に可動片142が動作することによって遊技球が進入可能となる機械抽選装置が設けられている。この機械抽選装置は、上記可動片142が動作したときにのみ開放される大入賞口141を有し、その内部領域には、上記大入賞口141に入賞した遊技球を特定領域(図示略)と一般領域(図示略)とのいずれかに振り分ける回転式振分装置(定動作装置)294と、上記大入賞口141に入賞した遊技球を上記回転式振分装置294へと案内する内部流下経路340とが設けられている。なお、可動片142は、常には大入賞口141への遊技球の入賞が不可能または困難となるように閉鎖態様となっており、上記役物開放当たりに当選したことに応じて大入賞口141が開放する開放態様となる。
ここで、上記回転式振分装置294は、図11にその拡大図を示すように、円板状の形状からなり、上記特定領域へと通じる通路343と、上記一般領域へと通じる通路344と、を外周の切欠部として有している。そして、後述の主制御基板765(図15参照)が、回転式振分装置294を回動させるためのアクチュエータを有して構成される振分装置駆動機構336の駆動制御を行うことによって、上記2つの通路343、344を予め定められた回転動作スケジュールに基づいて例えば時計回りにて回転により変位させる。
すなわちこの場合、上記大入賞口141に入賞した遊技球は、上記内部流下経路340を通じて特定領域と一般領域とのいずれかに振り分けられるようになる。そしてこの結果、上記特定領域に遊技球が振り分けられて、適宜のセンサ(図示略)によってその遊技球が検出されたときも、上述の特別遊技状態(大当たり遊技状態)が発生する。一方、上記一般領域に遊技球が振り分けられたときには特別遊技状態(大当たり遊技状態)は発生しない。なお、この実施の形態にかかる回転式振分装置294は、モータの駆動制御を通じて回転する構造となっている。
また、上記可動片142は、図12(a)及び(b)にその動作態様を示すように、上蓋143及び中枠145によって摺動可能に挟持されて後述の駆動制御手段(図示略)によって前後方向に摺動されることで、当該機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入を可能ならしめる構造となっている。
より具体的には、可動片142は、図13にその内部構造を示すように、ソレノイド161のプランジャー162の運動によってリンクアーム163をリンク軸164を回転軸として回動させる構造となっている。リンクアーム163はリンク機構によって可動片142を前後に摺動させる。このように、プランジャー162の往復運動が可動片142の往復運動に変換され、突出状態(閉鎖状態)から引込状態(開放状態)に変位させることが可能になっている。なお、プランジャー162は通電していない状態で下に下がっており、リンクアーム163を介して可動片142を突出状態に保っている。上記ソレノイド161は、中枠145と、受止部144とによって上下方向に挟持されており、リンク軸164は受止部144に嵌設される。ソレノイド161の後方側にはソレノイド支持部148が接合される。また、大入賞口141に入賞した遊技球が内部流下経路340を流下する途中には遊技球検出手段147が設けられており、この遊技球検出手段147により大入賞口141に遊技球が入賞したことが検出される。
また、センター役物91の下部には、図3及び図14に示されるように、上面で遊技球を転動させることができるステージ20が設けられている。このステージ20は、遊技領域37に開口しているワープ流入口63とワープ通路(図示略)を介して連通されており、該ワープ通路を介して供給される遊技球を特定出口24と普通出口25とのいずれかに振り分ける部分である。
すなわち、このステージ20は、全体が透光性を有するプラスティックで一体的に成形されており、遊技者側には仕切板40が立設されている。また、その中央部には、外周壁41で囲われた複合転動振分装置21が形成されており、その外縁部にはステージ左余地42及び右キャノピー43が形成されている。ステージ20の左奥方に複合転動振分装置21の外縁部に接続する進入路45(図16参照)が形成されている。進入路45の上流側端部はワープ出口44に接続しており、このワープ出口44が、上記ワープ通路(図示略)を介して上記ワープ流入口63と連通されている。
ここで、上記複合転動振分装置21は、中央部に1個の特定出口24と2個の普通出口25とを有している。そしてこのうち、上記特定出口24は、当該特定出口24に振り分けられた遊技球を、上記ステージ20の前下方に形成された流出部62のうちの上記第1の特別図柄始動口96に対して直上となる位置に流出させる部分であり、これによって上記第1の特別図柄始動口96に入賞される確率を極めて高くするようにしている。これに対し、上記普通出口25は、当該普通出口25に振り分けられた遊技球を、上記ステージ20の前下方に形成された流出部62のうちの上記第1の特別図柄始動口96に対して直上とならない位置に流出させる部分であり、上記特定出口24よりも第1の特別図柄始動口96に入賞される確率は低くなっている。
また、遊技盤5の後側には、図5及び図10に示すように、演出表示装置115にかかる表示制御を行う制御装置や、普通電動役物81や可動片142等の動作にかかる駆動制御を行う制御装置や、普通抽選や特別抽選などの遊技進行にかかる処理を行う制御装置や、遊技球の払い出しにかかる制御を行う制御装置、等々が収納される制御基板ボックス117、130、132、198が装着されている。なお、遊技球の払い出しにかかる制御を行う制御装置とは、遊技球を払い出すべき数量を示すデータなどが記憶されているRAMを備え、上記下部側大入賞口83に遊技球が入球したときなどに該RAMに記憶されているデータに基づいて上記払出モータ172を作動制御するものである。
また、この実施の形態にかかる特別遊技状態とは、上記アタッカ装置98(開閉部材99)による開閉動作を通じて上記下部側大入賞口83への遊技球の入球が可能となる状態であり、この下部側大入賞口83への遊技球の入球がカウントセンサ319により検出されることで、遊技者に多量の遊技球が払い出されることとなる。より具体的には、特別遊技とは、最大30秒間にわたってアタッカ装置98を一定パターンで開閉させるラウンド動作を所定ラウンド数(例えば16ラウンド)まで繰り返すものであり、このようなラウンド動作の繰り返しは「大当たり遊技(特別遊技)」と称されている。遊技者は、大当たり遊技の間に遊技球を下部側大入賞口83に入賞させることで、通常は、多くの賞球を獲得することができる。なお、各ラウンド動作は30秒間が経過するか、10個の入賞球がカウントされるかのいずれかの条件を満たすと終了する。また大当たり遊技は、ラウンド動作が所定回数だけ消化されると終了となる。また、上記開閉部材99は、ソレノイドなどを有して構成されるアタッカ駆動機構339(図15参照)の駆動制御によって開閉動作する構成となっている。
[遊技領域および画像表示領域の位置、大きさ、範囲について]
図1〜図4に基づき説明する。本実施形態のパチンコ機1では、前面枠4が本体枠3に対して装着されると、前面枠4は正面視で本体枠3の少なくとも3分の2以上を占める。そして、前面枠4の略中央に形成された透明板50を介して、当該透明板50と略同一の円形かつ大きさを有する遊技領域37が視認可能となる。なお、遊技盤5が有する正方形状の遊技板5aに対して略内接円をなすように外レール76を配置することで、正方形状の遊技板5aに対して最大限に広い円形状の遊技領域37を確保しており、ここでは遊技領域37は遊技板5aの少なくとも4分の3以上の面積を有している。
また、遊技盤5の後方に設けられて正面視で遊技領域37の略中央部に位置する演出表示装置115は、横長長方形状の画像表示領域を有しており、この画像表示領域は遊技盤5に形成された開口部124を介して視認可能となっている。この演出表示装置115は各種画像や図柄を用いた演出を行うために、より広い画像表示領域を有する大型液晶ディスプレイとして実装されている。具体的には、演出表示装置115の画像表示領域の横幅は、遊技盤5の横幅に対してほぼ3分の2の大きさを有し、演出表示装置115の画像表示領域の縦幅は、遊技盤5の縦幅に対してほぼ2分の1の大きさを有する。そして、演出表示装置115の画像表示領域は、遊技領域37の少なくとも3分の1以上の面積を有していることから、演出表示装置115の画像表示領域は遊技領域37において大きな割合を占める演出領域である。
また、上記回転式振分装置294は、演出表示装置115の画像表示領域の一の角部(ここでは、右上の角部)と、当該角部を形成する長辺の一部と、当該角部を形成する短辺の一部と、を含む領域を隠蔽するように、演出表示装置115と一部が重なるように配置されている。そして、この回転式振分装置294では、上記画像表示領域と重複する部分において後述する遊技球を用いた役物動作が実行される構造となっている。このように回転式振分装置294は、その一部は演出表示装置115と重ねて配置されつつ、その一部は遊技領域37の外側に配置されるため、当該回転式振分装置294が大型の役物であっても遊技盤5に適切に取り付けることができる。さらに、回転式振分装置294による遊技球を用いた役物動作が実行される部分は遊技領域37の内部に配置されるため、回転式振分装置294による役物動作の視認性を確保して本来の役割を実行させることができる。
[本体枠の機構装着体、球タンク及びタンクレールの構成について]
図8及び図9に基づき説明する。図8はパチンコ機の本体枠に各種部材が組み付けられた状態を斜め右上後方から示す斜視図であり、図9は本体枠単体を斜め右上後方から示す斜視図である。
本体枠3の機構装着体13には、タンク装着部133、レール装着部134、及び払出装置装着部135等がそれぞれ形成され、タンク装着部133には球タンク136が装着されている。球タンク136は、透明な合成樹脂材よりなり、島設備から供給される多数の遊技球が貯留可能な上方に開口する箱形状に形成されている。そして、球タンク136の遊技球の貯留状態が球タンク136の後側壁を透して視認可能となっている。また、球タンク136の底板部137の後側隅部には遊技球を放出する放出口138が形成されるとともに、底板部137は放出口138に向けて下傾する傾斜面に形成されている。
本体枠3の機構装着体13には、そのタンク装着部133に下方に接近してレール装着部134が一体に形成され、そのレール装着部134にレール構成部材139が装着されることでタンクレール150が構成されるようになっている。すなわち、この実施形態において、レール装着部134は、本体枠3の上部横方向部分が所定深さ凹まされた状態で形成されており、その凹部の奥側壁をタンクレール150の前壁部151とし、その凹部の下縁部に沿って一端(図9に向かって左端)から他端(図9に向かって右端)に向けて下傾する傾斜状のレール棚155が形成されている。そして、レール棚155の横方向に延びる上向き面をレール受け部158としている。
レール装着部134に装着されてタンクレール150を構成するレール構成部材139は、レール装着部134の前壁部151との間にレール通路を構成する後壁部152と、傾斜状をなす下板部と、その下板部の上面の前後方向中央部に沿って突設されレール通路を前後複数列(この実施形態では前後2列)に区画する仕切り壁(いずれも図示しない)とを一体に備えて形成されている。このレール構成部材139は、レール装着部134に対し適宜の取付手段によって装着され、これによって、前後複数列のレール通路を備えたタンクレール150が構成されている。そして、球タンク136の放出口138から放出(自重によって落下)された遊技球がタンクレール150の前後複数列のレール通路の一端部においてそれぞれ受けられた後、遊技球が自重によってレール通路に沿って転動することでレール通路の他端部に向けて流れるようになっている。また、この実施形態において、レール構成部材139は、透明な合成樹脂材より形成され、これによって、レール通路内の遊技球の流れ状態が、レール構成部材139の後壁部152を透して視認可能となっている。
タンクレール150(レール装着部134)の前壁部151は、遊技盤5の後側に突出する装備品(例えばセンター役物91)における後部の上端部との干渉を避けるため第1空間部を隔てた状態で設けられている。また、この実施形態において、本体枠3の後端部となるレール棚155の後端と、タンクレール150の後壁部は、球タンク136の後側壁と略同一面をなしている。言い換えると、球タンク136の後壁部に対しタンクレール150の後壁部が略同一面となる位置までタンクレール150が遊技盤5の後面より後方に離隔して配置されている。これによって、遊技盤5の後側とタンクレール150の前壁部151との間にセンター役物91の後部との干渉を避けるための第1空間部が設けられるようになっている。
また、タンクレール150の上方には、レール通路を流れる遊技球を上下に重なることなく整列させる整流体156がその上部において軸157を中心として揺動可能に装着されている。この整流体156には、その中央部から下部において錘が設けられている。
[払出装置装着部及び球払出装置の構成について]
図8及び図9に基づき説明する。本体枠3の機構装着体13の片側寄りの上下方向には、次に述べる球払出装置(球払出ユニット)170に対応する縦長の払出装置装着部135が形成されている。払出装置装着部135は、後方に開口部をもつ凹状に形成されている。また、払出装置装着部135の段差状をなす奥壁部(図示しない)の所定位置には、球払出装置170の払出モータ172(図4参照)が突出可能な開口部173が形成されている。
払出装置装着部135の凹部に球払出装置170が装着された状態において、遊技盤5との間には、第1空間部と前後方向に略同一レベルとなる第2空間部が設けられている。これによって、レール通路と球通路とが前後方向に略同一レベルで配置されている。また、本体枠3の後端、すなわち払出装置装着部135の周壁部後端、レール棚155の後端、球タンク136、タンクレール150及び球払出装置170のそれぞれの後面は略同一面をなしている。
球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部と略同じ大きさの縦長のボックス形状をなし、払い出しに関する各種部品が装着されることでユニット化されている。なお、球払出装置170は、払出装置装着部135の凹部の後方開口部から嵌込まれて適宜の取付手段(例えば、弾性クリップ、係止爪、ビス等の取付手段)によって装着されるようになっている。
また、図示しないが、球払出装置170は、タンクレール150におけるレール通路の出口にそれぞれ連通する流入口を有する球通路が前後複数列(例えば前後2列)に区画されて形成されている。また、その内部に形成された前後複数列の球通路の下流部が二股状に分岐されて前後複数列の賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路とがそれぞれ形成されている。そして賞球及び貸球用球通路と球抜き用球通路との分岐部には、遊技球をいずれかの通路に振り分けて払い出すための回転体よりなる払出部材(図示しない)が正逆回転可能に配設されている。
[本体枠の後側下部の装備について]
図4及び図5に基づき説明する。本体枠3の前枠体11の後側において、遊技盤装着枠12よりも下方に位置する前枠体11の後下部領域の片側(図5に向かって左側)には、発射レール19の下傾端部の発射位置に送られた遊技球を発射するための発射ハンマー(図示しない)、その発射ハンマーを作動する発射モータ192等が取付基板193に組み付けられてユニット化された発射装置194が装着されている。また、前枠体11の後下部領域の略中央部には、電源基板195を収容する電源基板ボックス196が装着されている。
[後カバー体の構成について]
図5及び図6に基づき説明する。図6はパチンコ機の後側全体を右上後方から示す斜視図である。
遊技盤5後面に配置された上述の制御基板ボックス132の後端部は機構装着体13の中央部に開口された窓開口部に向けて突出している。そして、機構装着体13の窓開口部の一側壁を構成する側壁部と他側壁を構成する払出装置装着部135の片側壁との間には、不透明な合成樹脂材によって略方形の箱形状に形成された後カバー体210がカバーヒンジ機構211によって開閉並びに着脱可能に装着されている。
後カバー体210は、略四角形状の後壁部212と、その後壁部212の外周縁から前方に向けて突出された周壁部213とから一体に構成されている。後カバー体210の周壁部213のうち、一側の壁部213aには、機構装着体13の側壁部の上下及び中間の計3箇所に形成されたヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ着脱可能に嵌込まれるヒンジピン215を下向きに有するヒンジ体216が一体に形成されている。また、後カバー体210の周壁部213のうち、他側の壁部213bには、払出装置装着部135の片側壁に形成された係止孔に弾性的に係合可能な係止爪を有する弾性閉止体217が一体に形成されている。
すなわち、後カバー体210は、その上下及び中間のヒンジ体216の各ヒンジピン215が機構装着体13の側壁部のヒンジ体214のヒンジ孔の上方からそれぞれ嵌込まれる。この状態で、ヒンジピン215を中心として後カバー体210が機構装着体13の他側に向けて回動されながら、その弾性閉止体217を払出装置装着部135の片側壁の係止孔に差し込んで弾性的に係合させることで、機構装着体13の後側に後カバー体210が閉じ状態で保持される。そして、このような後カバー体210によって、遊技盤5後面の制御基板ボックス132などを覆うようにしている。ただし、制御基板ボックス132のうちの検査用コネクタ218と接続される部分は、後カバー体210によって覆われることなく露出されている。
後カバー体210には、多数の放熱孔230、231、232、233が貫設されており、これら多数の放熱孔230、231、232、233から内部の熱が放出されるようになっている。この実施形態において、後カバー体210には、その周壁部213から後壁部212に延びる多数のスリット状の放熱孔230が貫設され、後壁部212の略中間高さ位置から上部においては多数の長円形、楕円形等の放熱孔231が貫設され、後壁部212の下部には多数の長円形、楕円形等の放熱孔232と所定数の横長四角形状の放熱孔233が貫設されている。
また、横長四角形状の放熱孔233は、制御基板ボックス132の封印ねじ(封印部材)によって封印される複数の並列状の封印部235の列の大きさ及び配設位置に対応する大きさ及び位置に貫設されている。これによって、不透明な後カバー体210が閉じられた状態であっても、制御基板ボックス132の複数の並列状の封印部235が放熱孔233の部分において視認可能に露出される。このため、後カバー体210が閉じられた状態であっても、制御基板ボックス132の封印部235の封印状態を容易に視認することができる。また、不透明な合成樹脂材は、透明な合成樹脂材と比べ、リサイクル使用される合成樹脂材を材料として用いることが容易であるため、後カバー体210を安価に製作することができる。
後カバー体210の周壁部213のうち、上側壁部213cの所定位置(この実施形態では左右2箇所)には、電源コード(図示しない)を適宜に折り畳んだ状態で保持する略C字状でかつ弾性変形可能なコード保持体237が上方のタンクレール150の後壁面(レール構成部材139の後壁面)に向けて延出されている。このコード保持体237の先端部には、同コード保持体237を弾性変形させて電源コードを取り外すためのつまみが形成されている。
電源コードは、その一端が分電基板238の基板コネクタ239に取り外し可能に接続され、他端の電源プラグが電源コンセントに差し込まれる。前記したように、後カバー体210にコード保持体237を一体に形成して電源コードを保持することで、パチンコ機を運搬・保管する際に電源コードがぶらついて邪魔になったり、異物に引っ掛かる不具合を防止することができる。
[本体枠の後側下部の下皿用球誘導体等の構成について]
図2及び図7に基づき説明する。図7は、図6に示すパチンコ機の斜視図から後ろカバー及び各種制御基板等を取り外した状態を示す斜視図である。
本体枠3の後下部領域の他側寄り部分(ヒンジ寄り部分)には、そのスピーカボックス部16の後段差部の凹み部分において下皿用球誘導体253が装着されている。この下皿用球誘導体253は、球払出装置170の賞球及び貸球用球通路から上皿連絡路(図示しない)を経て上皿51に払い出された遊技球が満杯になったときに、上皿連絡路の遊技球を下皿31に導くためのものである。
なお、この実施形態において、下皿用球誘導体253の後壁外面には、インターフェース基板252を収納している基板ボックス254が装着されている。なお、インターフェース基板252は、パチンコ機1に隣接して設置される球貸機と遊技球の払い出しにかかる制御を行う制御装置との間に介在され、球貸に関する信号を球貸機と同制御装置との間で送受信可能に電気的に接続するようになっている。
次に、このようなパチンコ機1の電気的な構成を詳述する。
[パチンコ機の電気的構成について]
図15は、この実施の形態にかかるパチンコ機1の電気的構成をブロック図として示したものである。
パチンコ機1は、大きくは、主基板780と、周辺基板781とを備えて構成されている。
ここで、上記主基板780は、
・遊技球の検出。
・各種当たり(特別図柄の当たり、普通図柄の当たりなど)についての抽選処理。
・特別図柄や普通図柄についての変動表示制御。
・賞球の払い出しにかかる制御(払出制御)。
等々、遊技が予め定められた手順に従って進行するよう各種の制御を行う部分である。
一方、上記周辺基板781は、
・演出ランプの点灯制御。
・音響制御。
・演出画像の表示制御。
等々、上記主基板780によって進行される遊技に各種の演出要素を付加し、これによって遊技の興趣の向上を図る部分である。
[主基板について]
主基板780は、主制御基板765と払出制御基板775とから構成されている。そしてこのうち、上記主制御基板765は、マイクロプロセッサとしての主制御MPU765a、及び入出力デバイス(I/Oデバイス)としての主制御I/Oポート765b、及び上記検査用コネクタ218、及び上記RAMクリアスイッチ769、などを備えて構成されている。
ここで、上記主制御MPU765aは、遊技の進行にかかる制御プログラムや各種のコマンドが記憶されている読み出し専用メモリとしてのROM、記憶データがその都度更新される読み書き可能メモリとしてのRAM、及びそれらの動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ、及び不正を防止するための各種機能、等々を備えている。同主制御MPU765aには、上記ゲートセンサ316、及び上記第1始動口センサ317、及び上記第2始動口センサ318、及び上記カウントセンサ319、及び上記入賞口センサ330、及び上記V入賞センサ331、及び排出センサ313など、各種のセンサからの検出信号が主制御I/Oポート765bを介して入力されている。
すなわち、こうした検出信号に基づいて上記ROMに格納されている制御プログラムを実行することで、上記普通役物駆動機構334、及び上記大入賞口開閉機構335、及び上記回転式振分装置294を回動させるためのアクチュエータを有して構成される振分装置駆動機構336、及び上記アタッカ駆動機構339など、各種のアクチュエータに適宜に駆動信号が出力されるようになり、これによって当該パチンコ機1にて行われる各種の遊技が予め定められた手順に従って進行するようになる。なお、後述するが、この主制御基板765の主制御MPU765aは、上記第1の特別図柄表示器331、及び上記第2の特別図柄表示器332、及び上記普通図柄表示器333、及び特別保留球ランプ322、及び普通保留球ランプ323の表示制御や、上記周辺基板781、及び上記払出制御基板775に遊技の進行状況を示す信号(演出コマンド、払出コマンド)を出力することも行う。
また、この実施の形態では、上記主制御MPU765aは、遊技に関する各種情報(遊技情報)を、上記主制御I/Oポート765bを介して外部端子板371に出力する。上述の通り、この外部端子板371は、図示しないホールコンピュータと接続される部分であり、これによってホールコンピュータが、当該パチンコ機1の遊技の進行状況を把握し、監視することができるようになる。
また、後述するが、上記主制御MPU765aは、上記演出表示装置115に表示される演出画像の表示態様についてのコマンドなどを上記主制御I/Oポート765bを介して後述する周辺基板781に送信する。
また、同主制御基板765には図示しない電源基板から電力が供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板765に電力を供給するバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)を備えている。このキャパシタにより供給される電力によって主制御MPU765aは、その詳細な説明は後述するが、電源遮断時にでも電源断時処理において各種の情報をその内蔵RAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した各種の情報は、電源投入時に主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作されると、その内容が内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
一方、上記払出制御基板775は、上記主制御基板765からの払出コマンドに基づいて球払出装置170に駆動信号を出力する部分であり、大きくは、マイクロプロセッサとしての払出制御MPU775a、及びI/Oデバイスとしての払出制御I/Oポート775b、及びエラーLED表示器777、及びエラー解除スイッチ778、及び球抜きスイッチ779、などを備えて構成されている。
払出制御基板775は、球払出装置と払出中継基板108を介して接続されており、この払出中継基板108を介して球払出装置との間でのコマンド(駆動信号)が送受信される。なお、球払出装置には、球払出装置に取り込まれた遊技球を所定部材によって各種球誘導通路又は各種球排出通路に切り出すために回転する払出モータ172、所定部材の回転位置を検出するための回転角スイッチ102、実際に払い出された遊技球の球数を計数する計数スイッチ101等が設けられている。
ここで、上記払出制御MPU775aは、遊技の進行状況に応じて遊技者に遊技球(賞球)を払い出すための制御プログラムや各種のコマンドが記憶されている読み出し専用メモリとしてのROM、及び記憶データがその都度更新される読み書き可能メモリとしてのRAM、及び不正を防止するための各種機能、等々を備えている。そして、同払出制御MPU775aには、上記主制御基板765からの払い出しに関する払出コマンドや、上記RAMクリアスイッチ769の操作信号(検出信号)が払出制御I/Oポート775bを介して受信されるようになっている。すなわち、こうして受信される払出コマンドに基づいて上記ROMに格納されている制御プログラムが実行されることで、上記払出モータ172に駆動信号が出力されるようになり、ひいては上記受信された払出コマンドにより示される賞球数だけ遊技球が払い出されるようになる。なお、この実施の形態では、上記払出制御基板775の払出制御MPU775aは、上記センター役物91内への遊技球の進入が上記入賞口センサ330により検出されたとき遊技者に払い出される賞球の数よりも、上記下部側大入賞口83への遊技球の入球が上記カウントセンサ319により検出されたときのほうがより多くの賞球が払い出されるように上記遊技球の払い出しにかかる制御を行うものとなっている。
また、同払出制御MPU775aでは、上記球抜きスイッチ779が操作されると、この操作信号(検出信号)に基づいて球タンク136及びタンクレール150に貯留された遊技球を排出する(球抜きする)ために払出モータ172への駆動信号を出力することも行う。またさらに、プリペイドカードユニット1aからの貸球要求信号が上述したインターフェース基板252を介して入力されると、この貸球要求信号に基づいて上記払出モータ172への駆動信号を出力することも行う。
また、同払出制御MPU775aは、その詳細な説明は後述するが、パチンコ機1の状態に関する各種コマンドを、払出制御I/Oポート775bを介して主制御基板765に送信したり、満タンスイッチ107からの検出信号が入力されると、この検出信号に基づいて払出モータ172への駆動信号の出力を停止したり、実際に払い出した遊技球の球数を算出してこれを上記払出制御I/Oポート775bを介して外部端子板371に出力したりする。これにより、ホールコンピュータは、当該パチンコ機1から払い出された遊技球の総数を把握することができるようになる。
なお、プリペイドカードユニット1aがインターフェース基板252に接続されると、プリペイドカードユニット1aからの遊技球の発射許可信号がインターフェース基板252及び払出制御基板775を介して上述した発射制御基板372に入力されるようになっている。この発射許可信号が入力されることによって、発射制御基板372は上述した発射装置194による遊技球の発射可能状態となる。これにより、上記操作ハンドル32が操作されたときは、該操作ハンドル32に設けられているタッチセンサ(図示略)からの検出信号が発射制御基板372に入力されることで、発射装置194によって遊技球の発射が行われるようになる。すなわち、操作ハンドル32が操作されたときは、上記満タンスイッチ107からの検出信号が払出制御MPU775aに入力され、ひいては上記払出モータ172への駆動信号の出力が停止されるような状況であっても、上記発射装置194によって遊技球が発射されるようになる。このようにして、発射装置194から発射された遊技球は、遊技領域37の上方に形成された発射口78aまで案内レール78に沿って導かれ、この発射口から遊技領域37に向けて打ち込まれる。
払出制御基板775には図示しない電源基板から電力が主制御基板765と同様に供給されている。この電源基板は、電源遮断時にでも所定時間、払出制御基板775に電力を供給するキャパシタを備えている。このキャパシタにより供給される電力により払出制御MPU775aは電源遮断時にでも払い出しに関する各種の払出情報をその内蔵RAMに記憶することができるようになっている。なお、記憶した払出情報は、電源投入時に主制御基板765のRAMクリアスイッチ769が操作されると、その内容が内蔵RAMから消去(クリア)されるようになっている。
[周辺基板について]
周辺基板781は、同図15に示されるように、サブ統合基板763及び液晶制御基板758を備えて構成されている。
ここで、上記サブ統合基板763は、マイクロプロセッサとしてのサブ統合MPU763aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するサブ統合ROM763bと、高音質の演奏を行う音源IC763cと、この音源IC763cが参照する音楽及び効果音等の音情報が記憶されている音ROM763dと、を備えて構成されている。すなわち、同サブ統合MPU763aは、上記主制御基板765から演出コマンドが受信されると、該コマンドに基づいて上記制御プログラムを実行することで、外枠側のランプである装飾ランプ394に点灯信号を出力したり、上記賞球ランプ396に点灯信号を出力したりする。また、ランプ駆動基板46を介して、遊技盤5の装飾ランプである演出ランプ395に点灯信号を出力したり、階調ランプ397に階調点灯信号を出力したりする。
また、上記サブ統合MPU763aにより受信された上記主制御基板765からのコマンドは、上記音源IC763c及び上記液晶制御基板758に出力されている。これにより、上記音源IC763cが、サブ統合MPU763aから出力された演出コマンドに基づいて、音ROM763dから音情報を読み込むことで、上記スピーカ18,57から各種演出に合わせた音楽及び効果音等が音響出力されるようになる。
一方、上記液晶制御基板758は、マイクロプロセッサとしての液晶制御MPU758aと、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶する液晶制御ROM758bと、演出表示装置115を表示制御するVDP(Video Display Processorの略)758cと、演出表示装置115に表示する各種画像を記憶する画像ROM758dと、を備えて構成されている。
液晶制御MPU758aは、サブ統合基板763から上述した演出コマンドを受信すると、この演出コマンドに基づいてVDP758cを制御する。このVDP758cは、画像ROM758dから画像を読み出して演出表示装置115の表示制御を行う。なお、この液晶制御MPU758aは、正常に動作していると、その旨を伝える動作信号をサブ統合基板763に出力する。
[遊技処理について]
図16は、遊技領域37に遊技球が打ち込まれたときに行われる遊技処理についてその処理手順の一例を示すフローチャートである。なお、この遊技処理は、例えば4ms毎などの定期的に行われるものである。
同図16に示されるように、上記遊技領域37に遊技球が打ち込まれた遊技球が、多数の障害釘や風車92に案内されつつ上記第1の特別図柄始動口96に入球したとき、上記主制御MPU765aはまず、ステップS101の処理として、第1始動口センサ317からの検出情報に基づいて当該入球があったことを判断する。次いで、ステップS102の処理として、第1の特別図柄始動口96への遊技球の入球に応じた第1の特別抽選の保留状態の数が第1所定数(ここでは「4」)未満であるか否かについての判断を行う。
そしてこの結果、第1の特別抽選の保留状態の数が「4」未満である旨判断されたことを条件に、ステップS103の処理として、第1の特別図柄始動口96への遊技球の入球に基づいて取得された各種の乱数を当該主制御MPU765a内の読み書き可能メモリ(RAM)にて保留する(第1始動記憶格納処理)。そして次に、上記主制御MPU765aは、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照し、該フラグの値に応じた処理(ステップS200〜ステップS700のいずれかの処理)を行う。なお、ステップS102の処理にて、第1の特別抽選の保留状態の数(第1保留球数カウンタの値)が4である場合には、第1始動記憶格納処理を実行せずに上記処理選択フラグの値に応じた処理を行うこととなる。
これに対し、上記ステップS101の処理において、第1始動口センサ317からの検出情報により上記第1の特別図柄始動口96に入球していない旨判断されたときには、第2の特別図柄始動口82への入球成立条件が満たされているか否かを判別する(ステップS111)。すなわち、この第2の特別図柄始動口82への入球成立条件が満たされているときに上記遊技領域37に打ち込まれた遊技球が、上記第2の特別図柄始動口82に入球したとき、上記主制御MPU765aは、上記ステップS112の処理において、第2始動口センサ318からの検出情報に基づいて当該入球があったことを判断する。
そして次に、上記主制御MPU765aは、ステップS113の処理として、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球に基づいて取得された各種の乱数を当該主制御MPU765a内の読み書き可能メモリ(RAM)にて記憶する(第2始動記憶格納処理)。そして次に、上記主制御MPU765aは、遊技の進行状態を示す処理選択フラグの値を参照し、該フラグの値に応じた処理(ステップS200〜ステップS700のいずれかの処理)を行う。なお、ステップS112の処理にて、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球がない旨判断された場合や、ステップS111の処理にて、第2の特別図柄始動口82への入球成立条件が満たされていない旨判断された場合には、第2始動記憶格納処理を実行せずに上記処理選択フラグの値に応じた処理を行うこととなる。
ここで、上記処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS200)では、大当たり抽選における始動記憶があるか否かを確認し、同始動記憶があるときにはそれに対応する側の特別図柄についての変動表示を開始するための設定を行うこととなる。
また、上記処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS300)では、該当する側の特別図柄の変動表示に関わる設定を行う。より具体的には、該当する側の特別図柄の変動表示パターンを決定し、当該変動表示パターンに対応して設定される変動時間(第1の特別図柄表示器331、若しくは第2の特別図柄表示器332にて特別図柄の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間)をタイマにセットする。
また、上記処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS400)では、変動表示パターン設定処理(ステップS300)で変動時間が設定されたタイマを監視し、タイマがタイムアウトしたことに基づいて第1の特別図柄表示器331、若しくは第2の特別図柄表示器332における特別図柄の変動表示を停止させる処理を行う。またこの際、変動開始処理(ステップS200)にていずれか一方の側の特別抽選にて大当たり遊技状態とする判定がなされていれば、処理選択フラグを「4」に更新し、大当たり遊技状態とする判定がなされていなければ処理選択フラグを「0」に更新する。また、第2の特別抽選にて小当たり(条件装置が作動しない当たり)が当選されていれば、処理選択フラグを「3」に更新する。
また、上記処理選択フラグが「3」のときに実行される小当たり役物作動処理(ステップS500)では、上記可動片142の駆動制御によって上記機械抽選装置の内部領域を開放させる。これにより、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入される役物遊技の実行機会が遊技者に対して付与されるようになる。またこの際、上記特定領域344から遊技球が流出したことがV入賞センサ331によって検出されたときには、処理選択フラグを「4」に更新する。また、普通領域345から遊技球が流出したことが排出センサ313によって検出されたときや、入賞口センサ330によって上記内部領域への遊技球の進入が検出されなかったときには、処理選択フラグを「0」に更新する。
また、上記処理選択フラグが「4」のときに実行される大当り遊技開始処理(ステップS600)では、大当たり遊技状態を開始するための設定を行う。具体的には、アタッカ装置98の開放回数等の設定を行った後に処理選択フラグを「5」に更新する。ここで、アタッカ装置98の開放回数等の設定については、当該大当たり遊技状態に制御される契機となった種類(第1の大当たり、若しくは第2の大当たり、若しくは特定領域344への入賞)に応じてその態様を変えることが可能である。なお、特定領域344への入賞に応じて大当たり遊技状態に制御されるときの開放回数が最も多くなるように設定することが望ましい。
また、上記処理選択フラグが「5」のときに実行される大当たり遊技中処理(ステップS700)では、カウントセンサ319によって検出された遊技球の個数を判別し、所定個数(この実施の形態では、10個)の遊技球が大入賞口に入賞したとき、または、所定期間(大当たりでは30秒)が経過したときアタッカ装置98を閉塞状態にするための処理を行う。また、大当たり遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達していなければ、再び、アタッカ装置98を開放状態にするための処理を行い、大当り遊技状態におけるラウンド回数が所定回数に達したときには、処理選択フラグを「0」に更新する。
なお、上記ステップS103の処理や上記ステップS113の処理にて記憶される各種の乱数としては、
・大当たりについての判定処理に供される当否判定用乱数(第1の当否判定用乱数、第2の当否判定用乱数)、
・特別図柄の変動表示停止時における表示態様の決定に供される図柄決定用乱数(第1の図柄決定用乱数、第2の図柄決定用乱数)、
・特別図柄の変動時間の決定に供される変動パターン決定用乱数(第1の変動パターン決定用乱数、第2の変動パターン決定用乱数)
等々、といった乱数がある。そして、上記第1の特別抽選が保留状態とされたときには、第1の乱数群(第1の当否判定用乱数、第1の図柄決定用乱数、第1の変動パターン決定用乱数)がその保留状態とされた順に上記第1所定数まで上記読み書き可能メモリ(RAM)にて一旦記憶される。また、上記第2の特別抽選の側では、第2の乱数群(第2の当否判定用乱数、第2の図柄決定用乱数、第2の変動パターン決定用乱数)が最大でも1つだけ上記読み書き可能メモリ(RAM)にて一旦記憶される。
また、上記第2の特別図柄始動口82への入球成立条件については、例えば、第2の特別抽選の側の第2の乱数群が記憶されておらず、且つ第2の特別抽選についての変動表示が行われておらず、且つ上記可動片142により上記機械抽選装置の内部領域が開放されておらず、且つ上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が存在しないこと、等々といった条件を採用することが可能である。これにより、第2の特別図柄始動口82側の遊技では、大当たり遊技状態が発生しないこと、若しくは大当たり遊技状態が消化されたこと、が遊技者によって確認可能とされるまでは、次の遊技に要する始動条件が成立されないようになる。
[変動開始処理について]
図17は、上記処理選択フラグが「0」のときに実行される変動開始処理(ステップS200)についてその手順の一例を示すフローチャートである。
同図17に示されるように、上記主制御MPU765aはまず、ステップS201の処理として、第1の特別図柄及び第2の特別図柄のいずれも変動表示の状態にないことを確認する。そして、第1の特別図柄及び第2の特別図柄のいずれも変動表示の状態にない旨判断したことを条件に、上記主制御MPU765aは、次にステップS202の処理として、始動記憶があるか否かを判断する。このステップS202の処理では、上記第1の特別抽選の側の乱数群(第1の乱数群)、及び上記第2の特別抽選の側の乱数群(第2の乱数群)の少なくとも一方が記憶されているときに始動記憶がある旨判断される。
そしてこの結果、始動記憶がある旨判断されたとき、上記主制御MPU765aは、次にステップS203の処理(始動記憶移行処理)を行う。このステップS203の処理では、まず、第1特別図柄及び第2特別図柄のいずれを変動させるのか決定される。なお、この決定は、各始動口82、96への入球順のほか、第1特別図柄及び第2特別図柄に優先順序(例えば第2特別図柄を優先して変動させるルール)を設けておくことによっても行うことができる。
そして、該決定された特別図柄の種別が第1の特別図柄である場合には、上記読み書き可能メモリ内にて一旦記憶されている第1の乱数群のうちの取得された時期(順)の最も早いものが適宜の処理領域に移される。なおこの際、上記保留状態とされた順がそれぞれ繰り上がるかたちで上記読み書き可能メモリ内でのそれら乱数群の記憶がシフトされる操作も行われる。これに対し、上記決定された特別図柄の種別が第2の特別図柄である場合には、上記読み書き可能メモリ内にて一旦記憶されている第2の乱数群が適宜の処理領域に移されるとともに上記読み書き可能メモリから消去される。
そして次に、上記主制御MPU765aは、上記ステップS203の処理にて上記処理領域に移された乱数群が第1の特別図柄に該当するもの(第1の乱数群)である場合には(ステップS204にてYES)、上記処理領域に移された第1の乱数群に基づいて後述の第1の特別抽選を行う(ステップS205)。そしてその後、第1図柄選択フラグを「1」、第2図柄選択フラグを「0」にそれぞれ更新するとともに(ステップS206)、上記処理選択フラグを「1」に更新した時点で当該変動開始処理を終了する(ステップS207)。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、第1の特別抽選に応じた変動表示パターン設定処理(ステップS300)が実行可能となる。
ただし、上記主制御MPU765aは、上記ステップS203の処理にて上記処理領域に移された乱数群が第2の特別図柄に該当するもの(第2の乱数群)である場合には(ステップS204にてNO)、上記処理領域に移された第2の乱数群に基づいて後述の第2の特別抽選を行う(ステップS215)。そしてその後、第1図柄選択フラグを「0」、第2図柄選択フラグを「1」にそれぞれ更新するとともに(ステップS216)、上記処理選択フラグを「1」に更新した時点で当該変動開始処理を終了する(ステップS207)。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、第2の特別抽選に応じた変動表示パターン設定処理(ステップS300)が実行可能となる。
なお、上記ステップS202の処理において始動記憶がない旨判断された場合や、上記ステップS201の処理において特別図柄が変動状態にある旨判断された場合は、上記所定の始動条件が成立していないとしてその時点で当該変動開始処理を終了する。そしてこの場合、定期的に行われる遊技処理を通じて上記所定の始動条件が成立されるまで待機することとなる。
[第1の特別抽選について]
図18は、上記ステップS205の処理にて行われる上記第1の特別抽選についてその処理手順の一例を示すフローチャートである。
同図18に示されるように、この第1の特別抽選の処理ではまず、ステップS251の処理として、上記読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されている第1の当落判定テーブルを読み出す。次いで、上記処理領域に移された第1の乱数群のうち、第1の当否判定用乱数の値が、上記読み出された第1の当落判定テーブルにて記憶されている所定の大当たり値と一致するか否かについての判断を行う。
そしてこの結果、所定の大当たり値と一致したときには大当たりが当選された旨判断されることとなる。そして次に、ステップS252の処理として、上記ステップS251の処理にて大当たりが当選された旨判断されたことに基づいて第1大当たりフラグをオン状態に操作する。
そして次に、上記主制御MPU765aは、ステップS253の処理として、上記読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されている第1の図柄判定テーブルを読み出す。次いで、上記処理領域に移された第1の乱数群のうち、第1の図柄決定用乱数の値が、上記読み出された第1の図柄判定テーブルにて記憶されている所定の時短値と一致するか否かについての判断を行う。
そしてこの結果、所定の時短値と一致したときには上記ステップS251の処理にて大当たりが当選されたことに応じて発生する上記大当たり遊技状態の後の所定期間(例えば特別図柄が「99回」だけ変動表示される期間)を、上記可動部材81が動作するときの動作時間が延長される遊技状態(いわゆる時短状態)に制御する旨判断されることとなる。そして次に、ステップS254の処理として、上記ステップS253の処理にて上記時短状態に制御する旨判断されたことに基づいて時短フラグをオン状態に操作する。
ただし、上記ステップS253の処理にて上記所定の時短値と一致せず、上記時短状態に制御する旨判断されなかったときには、上記時短フラグをオフ状態に操作することとなる(ステップS255)。
[第2の特別抽選について]
図19は、上記ステップS215の処理にて行われる上記第2の特別抽選についてその処理手順の一例を示すフローチャートである。
同図19に示されるように、この第2の特別抽選ではまず、ステップS261の処理として、上記読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されている第2の当落判定テーブルを読み出す。次いで、上記処理領域に移された第2の乱数群のうち、第2の当否判定用乱数の値が、上記読み出された第2の当落判定テーブルにて記憶されている所定の大当たり値と一致するか否かについての判断を行う。
そしてこの結果、所定の大当たり値と一致したときには大当たりが当選された旨判断されることとなる。そして次に、ステップS262の処理として、上記ステップS261の処理にて大当たりが当選された旨判断されたことに基づいて第2大当たりフラグをオン状態に操作する。
ただし、上記ステップS261の処理にて大当たりが当選されなかった旨、すなわちハズレである旨判断された場合には、ステップS265の処理として、上記処理領域に移された第2の乱数群のうち、第2の当否判定用乱数の値が、上記読み出された第2の当落判定テーブルにて記憶されている所定の小当たり値と一致するか否かについての判断を行う。そしてこの結果、所定の小当たり値と一致したときには小当たりが当選された旨判断されることとなり、次のステップS266の処理にて、上記ステップS265の処理にて小当たりが当選された旨判断されたことに基づいて小当たりフラグをオン状態に操作する。
そして、上記処理領域に移された上記第2の当否判定用乱数の値に基づいて大当たり、及び小当たり、及びそれらのいずれでもない純ハズレのいずれであるかがこうして決定された後、上記主制御MPU765aは、ステップS263の処理として、上記読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されている第2の図柄判定テーブルを読み出す。次いで、上記処理領域に移された第2の乱数群のうち、第2の図柄決定用乱数の値が、上記読み出された第2の図柄判定テーブルにて記憶されている所定の時短値と一致するか否かについての判断を行う。
ただし後述するが、この実施の形態では、上記第2の図柄決定用乱数(当選種別判定用乱数)を、第2の特別図柄表示器332における上記第2の特別図柄の停止表示にかかる図柄態様の決定に供される図柄乱数と、第2の特別図柄表示器332における上記第2の特別図柄の停止表示にかかる図柄態様の決定に供されることのない隠匿乱数との2つの乱数として取得するようにしている。そして、このステップS263の処理では、上記第2の図柄決定用乱数のうちの上記隠匿乱数の値が、上記読み出された第2の図柄判定テーブルにて記憶されている所定の時短値と一致するか否かについての判断を行うようにしている。
そしてこの結果、上記隠匿乱数の値が所定の時短値と一致したときには上記ステップS261の処理にて大当たりが当選されたことに応じて発生する上記大当たり遊技状態、若しくは上記ステップS265の処理にて小当たりが当選されたことに応じて行われる上記役物遊技を契機として発生する上記大当たり遊技状態の後の所定期間を、上記可動部材81が動作するときの動作時間が延長される遊技状態(いわゆる時短状態)に制御する旨判断されることとなる。そして次に、ステップS264の処理として、上記ステップS263の処理にて上記時短状態に制御する旨判断されたことに基づいて時短フラグをオン状態に操作する。
ただし、上記ステップS263の処理にて上記所定の時短値と一致せず、上記時短状態に制御する旨判断されなかったときには、上記時短フラグをオフ状態に操作することとなる(ステップS267)。
[変動表示パターン設定処理について]
図20は、上記処理選択フラグが「1」のときに実行される変動表示パターン設定処理(ステップS300)についてその手順の一例を示すフローチャートである。
同図20に示されるように、上記主制御MPU765aはまず、ステップS301の処理として、第1の特別図柄を変動表示させるべき状態にあるか否かを判断すべく、上記第1図柄選択フラグの状態を確認する。そしてこの結果、上記ステップS206の処理(図17参照)にて上記第1図柄選択フラグが「1」に更新されているとき、上記主制御MPU765aは、上記第1の特別図柄を変動表示させるべき状態にある旨判断するとともに、次にステップS302の処理を行う。
このステップS302の処理では、上記ステップS252の処理(図18参照)にて操作される第1大当たりフラグの状態を確認する。すなわち、上記第1大当たりフラグがオン状態に操作されているときには、上記第1の特別抽選(図18参照)にて大当たり(第1の大当たり)が当選された旨判断し、次にステップS303の処理として、大当たりに当選されたことを示す図柄態様にて上記第1の特別図柄が停止表示される変動表示パターン(大当たり変動パターン)が設定された第1の大当たり時変動表示パターンテーブルを選択する。そして次に、ステップS305の処理として、上記処理選択フラグを「2」に更新することで、次の遊技処理が実行されたときには、第1の特別図柄表示器331にて大当たり変動パターンに応じた変動中処理(ステップS400)が実行可能となる。
一方、上記ステップS302の処理において、上記第1大当たりフラグがオン状態に操作されていないときには、上記第1の特別抽選(図18参照)にて大当たり(第1の大当たり)が落選(ハズレに該当)された旨判断し、次にステップS304の処理として、ハズレであることを示す図柄態様にて上記第1の特別図柄が停止表示される変動表示パターン(ハズレ変動パターン)が設定された第1のハズレ時変動表示パターンテーブルを選択する。そして次に、ステップS305の処理として、上記処理選択フラグを「2」に更新することで、次の遊技処理が実行されたときには、第1の特別図柄表示器331にてハズレ変動パターンに応じた変動中処理(ステップS400)が実行可能となる。
そして、こうして処理選択フラグが「2」に更新された後は、ステップS311の処理として、第2の特別図柄を変動表示させるべき状態にあるか否かを判断すべく、上記第2図柄選択フラグの状態を確認する。ただし、上記ステップS301の処理にて上記第1図柄選択フラグが「1」に更新されている旨判断されたときは、上記第2図柄選択フラグは「0」に更新されていることとなる(図17:ステップS206)。したがって、このステップS311の処理では、上記第2の特別図柄を変動表示させるべきではない旨判断される。
これに対し、上記ステップS301の処理にて上記第1図柄選択フラグが「0」に更新されており、上記第1の特別図柄を変動表示させるべきではない旨判断された場合には、このステップS311の処理にて、上記第2の特別図柄を変動表示させるべき旨判断されることとなる(図17:ステップS216)。
そしてこの場合、まず、ステップS312の処理として、上記ステップS262の処理(図19参照)にて操作される第2大当たりフラグの状態を確認する。すなわち、上記第2大当たりフラグがオン状態に操作されているときには、上記第2の特別抽選(図19参照)にて大当たり(第2の大当たり)が当選された旨判断し、次にステップS314の処理として、大当たりに当選されたことを示す図柄態様にて上記第2の特別図柄が停止表示される変動表示パターン(大当たり変動パターン)が設定された第2の大当たり時変動表示パターンテーブルを選択する。そして次に、ステップS317の処理として、上記処理選択フラグを「2」に更新することで、次の遊技処理が実行されたときには、第2の特別図柄表示器332にて大当たり変動パターンに応じた変動中処理(ステップS400)が実行可能となる。
一方、上記ステップS311の処理において、上記第2大当たりフラグがオン状態に操作されていないときには、上記第2の特別抽選(図19参照)にて大当たり(第2の大当たり)が落選(ハズレに該当)された旨判断し、次にステップS313の処理として、上記ステップS266の処理(図19参照)にて操作される小当たりフラグの状態を確認する。すなわち、上記小当たりフラグがオン状態に操作されているときには、上記第2の特別抽選(図19参照)にて小当たりが当選された旨判断し、次にステップS315の処理として、小当たりに当選されたことを示す図柄態様にて上記第2の特別図柄が停止表示される変動表示パターン(小当たり変動パターン)が設定された小当たり時変動表示パターンテーブルを選択する。そして次に、ステップS317の処理として、上記処理選択フラグを「2」に更新することで、次の遊技処理が実行されたときには、第2の特別図柄表示器332にて小当たり変動パターンに応じた変動中処理(ステップS400)が実行可能となる。
また一方、上記ステップS313の処理において、上記小当たりフラグがオン状態に操作されていないときには、上記第2の特別抽選(図19参照)にて大当たりと小当たりとのいずれにも該当しない純ハズレである旨判断し、次にステップS316の処理として、純ハズレであることを示す図柄態様にて上記第2の特別図柄が停止表示される変動表示パターン(ハズレ変動パターン)が設定された第2のハズレ時変動表示パターンテーブルを選択する。そして次に、ステップS317の処理として、上記処理選択フラグを「2」に更新することで、次の遊技処理が実行されたときには、第2の特別図柄表示器332にてハズレ変動パターンに応じた変動中処理(ステップS400)が実行可能となる。
そして、こうして当選種別に対応付けされた変動表示テーブルが1つだけ選択された後、ステップS321の処理として、該決定された変動表示テーブルにて記憶されている複数の変動表示パターンのうちのいずれか1つと、同変動表示テーブルにて記憶されている複数の停止図柄態様のうちのいずれか1つとをそれぞれ決定する。
すなわち、各変動表示テーブルには、複数の変動表示パターンにそれぞれ対応付けされるかたちで複数のパターン判定値が記憶されている。またさらに、複数の停止図柄態様にそれぞれ対応付けされるかたちで複数の停止図柄判定値が記憶されている。
この点、上記ステップS321の処理ではまず、上記ステップS203の処理(図17参照)にて上記処理領域に移された乱数群(第1の乱数群、若しくは第2の乱数群)のうち、変動パターン決定用乱数(第1の変動パターン決定用乱数、若しくは第2の変動パターン決定用乱数)を参照する。そして、上記選択された変動表示テーブルに設定されている複数のパターン判定値のうち、上記参照した変動パターン決定用乱数の値と一致する判定値を選別することで、該選別された判定値に対応付けされている変動表示パターンを決定することとなる。
次いで、上記ステップS203の処理(図17参照)にて上記処理領域に移された乱数群(第1の乱数群、若しくは第2の乱数群)のうち、図柄決定用乱数(第1の図柄決定用乱数、若しくは第2の図柄決定用乱数)を参照する。そして、上記選択された変動表示テーブルに設定されている複数の停止図柄判定値のうち、上記参照した図柄決定用乱数の値と一致する判定値を選別することで、該選別された判定値に対応付けされている停止図柄を決定することとなる。
ここで、上述の各変動表示テーブルは、上記読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されているものである。そして、上述の各変動表示テーブルのうち、例えば、上記小当たり時変動表示パターンテーブルには、複数の変動時間(変動パターン)や複数の停止図柄態様が記憶されている。この点、上記ステップS321の処理では、上記小当たり時変動表示パターンテーブルにて記憶されている複数の変動時間のうちの1つを上記第2の変動パターン決定用乱数に基づいて選択することで、小当たりに当選されたときの上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動表示に要する時間を決定する。また、上記小当たり時変動表示パターンテーブルにて記憶されている複数の停止図柄態様のうちの1つを上記第2の図柄決定用乱数に基づいて選択することで、小当たりに当選されたことを示す複数の停止図柄態様のうち、いずれの停止図柄態様をもって上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動表示を停止させるかを決定することとなる。
ただし後述するが、このステップS321の処理に供される上記第2の図柄決定用乱数としては、上記図柄乱数と上記隠匿乱数とのうちの上記図柄乱数のみを用いるようにしている。したがって、上記ステップS321の処理では、例えば、上記小当たり時変動表示パターンテーブルにて記憶されている複数の停止図柄態様のうちの1つを上記図柄乱数と上記隠匿乱数とのうちの上記図柄乱数のみに基づいて選択することで、小当たりに当選されたことを示す複数の停止図柄態様のうち、いずれの停止図柄態様をもって上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動表示を停止させるかを決定することとなる。なおこの場合、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動表示では、上記第2の特別抽選における抽選結果(第2の大当たり、小当たり、純ハズレ)を示すに留まり、上記第2の大当たりや小当たりが結果として得られたときの当選種別(時短フラグがオン状態に操作されたか否か)については示されないようになる。
そして、こうして変動表示パターンと停止図柄態様とがそれぞれ決定されると、上記主制御MPU765aは、次にステップS322の処理として、該決定した変動表示パターンを示す演出コマンド(変動表示パターンコマンド)をセットする。またさらに、上記決定した停止図柄態様を示す演出コマンド(図柄態様コマンド)をセットする。次いで、ステップS323の処理として、上記ステップS254やS255やS264やS267の処理にて操作される時短フラグの状態を示す演出コマンド(時短コマンド)をセットする。そして次に、ステップS324の処理として、上記決定した変動表示パターンに応じた変動時間を読み書き可能メモリ(RAM)にて設けられたタイマにセットするとともに、第1の特別図柄表示器331及び第2の特別図柄表示器332のうちのいずれか該当する側の特別図柄の変動表示を開始させた時点で、当該変動表示パターン設定処理を終了する。
なお、上記ステップS322及びS323の処理にてセットされた変動表示パターンコマンド及び図柄態様コマンド及び時短コマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われるコマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信される。これにより、上記サブ統合基板763が、該送信される変動表示パターンコマンド及び図柄態様コマンドに応じた表示演出が上記演出表示装置115にて現れるかたちでの表示制御を実行可能となる。
[変動中処理について]
図21は、上記処理選択フラグが「2」のときに実行される変動中処理(ステップS400)についてその手順の一例を示すフローチャートである。
同図21に示されるように、上記主制御MPU765aはまず、ステップS401の処理として、第1の特別図柄が変動表示の状態にあるか否かを判断すべく、上記第1図柄選択フラグの状態を確認する。そしてこの結果、上記ステップS206の処理(図17参照)にて上記第1図柄選択フラグが「1」に更新されているとき、上記主制御MPU765aは、上記第1の特別図柄が変動表示の状態にある旨判断するとともに、次にステップS402の処理を行う。
このステップS402の処理では、上記ステップS323の処理(図20参照)にて設定されたタイマに基づいて、第1の特別図柄表示器331における第1の特別図柄の変動時間(第1変動時間)がタイムアップしたか否かを判別する。そしてこの結果、第1変動時間がタイムアップしている場合には、ステップS403の処理として、上記ステップS252の処理(図18参照)にて操作される第1大当たりフラグの状態を確認する。
すなわち、上記第1大当たりフラグがオン状態に操作されているときには、上記第1の特別図柄表示器331における第1の特別図柄の変動時間(第1変動時間)がタイムアップした後に大当たり遊技状態に制御されるべく、次にステップS404の処理として、上記処理選択フラグを「4」に更新する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記第1の大当たりの当選に応じた大当たり遊技開始処理(ステップS600)が実行可能となる。次いで、ステップS406の処理として、上記ステップS321の処理(図20参照)にて決定された変動表示パターンに基づいて、上記第1の特別抽選(図18参照)にて大当たり(第1の大当たり)が当選されたことを示す図柄態様が上記第1の特別図柄表示器331にて現れるように上記変動表示の状態にある第1の特別図柄を停止表示させる。そして次に、ステップS407の処理として、上記第1変動時間がタイムアップした旨を示す演出コマンド(確定コマンド)をセットする。
一方、上記第1大当たりフラグがオン状態に操作されていないときには、上記第1の特別図柄表示器331における第1の特別図柄の変動時間(第1変動時間)がタイムアップした後に、特別図柄の変動表示待ちの状態(始動条件が成立すれば特別図柄の変動表示が開始される状態)に再度制御されるべく、次にステップS405の処理として、上記処理選択フラグを「0」に更新する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記変動開始処理(ステップS200)が再び実行可能とされるようになる。次いで、ステップS406の処理として、上記ステップS321の処理(図20参照)にて決定された変動表示パターンに基づいて、上記第1の特別抽選(図18参照)にて大当たり(第1の大当たり)に落選(ハズレ)したことを示す図柄態様が上記第1の特別図柄表示器331にて現れるように上記変動表示の状態にある第1の特別図柄を停止表示させる。そして次に、ステップS407の処理として、上記第1変動時間がタイムアップした旨を示す演出コマンド(確定コマンド)をセットする。
なお、上記ステップS402の処理にて、第1の特別図柄表示器331における第1の特別図柄の変動時間(第1変動時間)がタイムアップしていない旨判断されるときには、この時点で当該変動中処理を一旦終了する。そして、次の遊技処理が行われたときの当該変動中処理にて第1変動時間がタイムアップしているか否かを再度判断する。すなわち、こうした判断の繰り返しによって、第1変動時間がタイムアップするまで上記ステップS402の処理にて待機することとなる。
また、上記ステップS407の処理にてセットされた確定コマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われる上記コマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信される。これにより、上記サブ統合基板763は、該送信される確定コマンドに基づいて表示演出の停止タイミングを認識することが可能となり、該停止タイミングに基づいて上記演出表示装置115の表示制御を行うことによって上記主制御基板765側の変動表示に合わせた表示演出が実現されることができるようになる。
そして、こうして確定コマンドがセットされた後は、ステップS411の処理として、第2の特別図柄が変動表示の状態にあるか否かを判断すべく、上記第2図柄選択フラグの状態を確認する。ただし、上記ステップS401の処理にて上記第1図柄選択フラグが「1」に更新されている旨判断されたときは、上記第2図柄選択フラグは「0」に更新されていることとなる(図17:ステップS206)。したがって、このステップS411の処理にて上記第2の特別図柄は変動表示の状態にない旨判断された時点で、当該変動中処理を終了する。
これに対し、上記ステップS401の処理にて上記第1図柄選択フラグが「0」に更新されており、上記第1の特別図柄が変動表示の状態にない旨判断された場合には、このステップS411の処理にて、上記第2の特別図柄が変動表示の状態にある旨判断されることとなる(図17:ステップS216)。
そしてこの場合、まず、ステップS412の処理として、上記ステップS323の処理(図20参照)にて設定されたタイマに基づいて、第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動時間(第2変動時間)がタイムアップしたか否かを判別する。そしてこの結果、第2変動時間がタイムアップしている場合には、ステップS413の処理として、上記ステップS262の処理(図19参照)にて操作される第2大当たりフラグの状態を確認する。
すなわち、上記第2大当たりフラグがオン状態に操作されているときには、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動時間(第2変動時間)がタイムアップした後に大当たり遊技状態に制御されるべく、次にステップS415の処理として、上記処理選択フラグを「4」に更新する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記第2の大当たりの当選に応じた大当たり遊技開始処理(ステップS600)が実行可能となる。次いで、ステップS418の処理として、上記ステップS321の処理(図20参照)にて決定された変動表示パターンをもってその変動時間だけ変動表示された上記第2の特別図柄を、上記第2の図柄決定用乱数(ここでは図柄乱数と隠匿乱数とのうちの図柄乱数)により示される図柄態様にて停止表示させる。これにより、上記第2の特別抽選(図19参照)にて大当たり(第2の大当たり)が当選されたことを示す図柄態様が上記第2の特別図柄表示器332にて現れるようになる。ただし上述の通り、この実施の形態では、第2の大当たりが当選されたことが示されるに留まり、当該第2の大当たりに応じて発生する大当たり遊技状態の後の所定期間が時短状態とされるか否かについての情報は示されない。そして次に、ステップS419の処理として、上記第2変動時間がタイムアップした旨を示す演出コマンド(確定コマンド)をセットした時点で、当該変動中処理を終了する。
一方、上記ステップS413の処理において、上記第2大当たりフラグがオン状態に操作されていない旨判断されたときには、上記第2の特別抽選(図19参照)にて大当たり(第2の大当たり)が落選(ハズレに該当)された旨判断し、次にステップS414の処理として、上記ステップS266の処理(図19参照)にて操作される小当たりフラグの状態を確認する。すなわち、上記小当たりフラグがオン状態に操作されているときには、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動時間(第2変動時間)がタイムアップした後に、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入される役物遊技の実行機会が遊技者に対して付与されるべく、次にステップS416の処理として、上記処理選択フラグを「3」に更新する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記小当たりの当選に応じた小当たり役物作動処理(ステップS500)が実行可能となる。次いで、ステップS418の処理として、上記ステップS321の処理(図20参照)にて決定された変動表示パターンに基づいて、上記第2の特別抽選(図19参照)にて小当たりが当選されたことを示す図柄態様が上記第2の特別図柄表示器332にて現れるように上記変動表示の状態にある第2の特別図柄を停止表示させる。ただし上述の通り、この実施の形態では、小当たりが当選されたことが示されるに留まり、当該小当たり(役物遊技)を契機に発生する大当たり遊技状態の後の所定期間が時短状態とされるか否かについての情報は示されない。そして次に、ステップS419の処理として、上記第2変動時間がタイムアップした旨を示す演出コマンド(確定コマンド)をセットした時点で、当該変動中処理を終了する。
また一方、上記ステップS413の処理において、上記小当たりフラグがオン状態に操作されていないときには、上記第2の特別抽選(図19参照)の結果が大当たりと小当たりとのいずれにも該当しない純ハズレであった旨判断する。そしてこの場合、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動時間(第2変動時間)がタイムアップした後に、特別図柄の変動表示待ちの状態(始動条件が成立すれば特別図柄の変動表示が開始される状態)に再度制御されるべく、次にステップS417の処理として、上記処理選択フラグを「0」に更新する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記変動開始処理(ステップS200)が再び実行可能とされるようになる。次いで、ステップS418の処理として、上記ステップS321の処理(図20参照)にて決定された変動表示パターンに基づいて、上記第2の特別抽選(図19参照)にて大当たり(第2の大当たり)と小当たりとのいずれにも落選(ハズレ)したことを示す図柄態様が上記第2の特別図柄表示器332にて現れるように上記変動表示の状態にある第2の特別図柄を停止表示させる。そして次に、ステップS419の処理として、上記第2変動時間がタイムアップした旨を示す演出コマンド(確定コマンド)をセットした時点で、当該変動中処理を終了する。
なお、上記ステップS412の処理にて、第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の変動時間(第2変動時間)がタイムアップしていない旨判断されるときには、この時点で当該変動中処理を一旦終了する。そして、次の遊技処理が行われたときの当該変動中処理にて第2変動時間がタイムアップしているか否かを再度判断する。すなわち、こうした判断の繰り返しによって、第2変動時間がタイムアップするまで上記ステップS412の処理にて待機することとなる。
また、上記ステップS419の処理にてセットされた確定コマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われる上記コマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信される。これにより、上記サブ統合基板763は、該送信される確定コマンドに基づいて表示演出の停止タイミングを認識することが可能となり、該停止タイミングに基づいて上記演出表示装置115の表示制御を行うことによって上記主制御基板765側の変動表示に合わせた表示演出が実現されることができるようになる。
[小当たり役物作動処理について]
図22は、上記処理選択フラグが「3」のときに実行される小当たり役物作動処理(ステップS500)についてその手順の一例を示すフローチャートである。
同図22に示されるように、上記主制御MPU765aはまず、ステップS501の処理として、サブ統合基板763により実行される小当たりに対応する演出パターンを指示するコマンドである小当たり開放演出パターンコマンドをセットする。なお、この小当たり開放演出パターンコマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われる上記コマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信されることとなる。これにより、サブ統合基板763は、遊技者に大入賞口141を狙って遊技球を打たせるような表示演出が上記演出表示装置115に現れるように表示制御することができるようになる。
そして次に、上記可動片142の動作時間(大入賞口141の開放時間)をタイマにセット(小当たり開放第1タイマをセット)して(ステップS502)、大入賞口開閉機構335を通じて上記可動片142を動作させることによって上記大入賞口141が開放される役物開放制御を行う(ステップS503)。そして、入賞口センサ330により遊技球が検出されたか否かによって、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したか否かを判別する(ステップS511)。
そしてこの結果、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入した旨判断された場合は(ステップS511におけるYES)、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したことを示す役物入力コマンドをセットする。なお、この役物入力コマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われる上記コマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信されることとなる。これにより、サブ統合基板763では、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したことを前提とした演出に切り替えてこれを実行することが可能となる。
そして次に、遊技球が大入賞口141に入賞してからの経過時間をカウントするタイマをセット(小当たり開放第2タイマをセット)する(ステップS513)。次いで、大入賞口141が開放中か(可動片142が開放態様か)否かを判別し(ステップS514)、大入賞口141が開放中であれば、小当たり開放第1タイマが所定時間経過したか否かをさらに判別する(ステップS515)。そしてこの結果、小当たり開放第1タイマが所定時間だけ経過していれば、上記大入賞口141が閉鎖されるように上記大入賞口開閉機構335を通じて上記可動片142を動作させる役物閉鎖制御を行う(ステップS516)。
そして、こうして役物閉鎖制御が行われた後(ステップS516)、若しくは小当たり開放第2タイマが所定時間を経過していない旨判断された後(ステップS515)、若しくは大入賞口141が開放中でない旨判断された後は(ステップS514)、V入賞センサ329により遊技球が検出されたか否かを判別する(ステップS521)。そしてこの結果、V入賞センサ329により遊技球が検出された旨判断されたときは、該検出を契機とした大当たり遊技状態に制御されるように以下の各処理を順次行う。
すなわち、まず、機械抽選装置の内部領域にて設けられる特定領域344に遊技球が入賞したことを示す役物内特定検出コマンドをセットする(ステップS522)。なお、この役物内特定検出コマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われる上記コマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信されることとなる。これにより、サブ統合基板763では、上記機械抽選装置の内部領域の特定領域344に遊技球が入賞したことを前提とした演出に切り替えてこれを実行することが可能となる。
そして次に、役物遊技を経由して大当たりに当選したか否かを示す小当たり遊技大当たりフラグの状態をONに操作するとともに(ステップS523)、処理選択フラグを「4」に更新した時点で(ステップS524)、当該小当たり役物作動処理を終了する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、役物遊技を経由して大当たりが当選されたことに応じた大当たり遊技開始処理(ステップS600)が実行可能となる。
一方、上記ステップS521の処理において、V入賞センサ329により遊技球が検出された旨判断されなかったときは、基本的に、普通領域345から遊技球が流出したことが排出センサ313によって検出されるまで待機することとなる。
すなわち、まず、ステップS525の処理として、排出センサ313により遊技球が検出されたか否かを判断する。そしてこの結果、排出センサ313により遊技球が未だ検出されておらず、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球があるときは、次にステップS527の処理を行う。
このステップS527の処理では、上記ステップS513の処理にてセットされた上記小当たり開放第2タイマによるカウント時間を確認する。そして、このカウント時間(大入賞口141への入賞があってからの経過時間)が所定時間(ここでは、20秒)を経過していないときは、上記ステップS514からの処理を再び順次行う。そして通常は、こうして繰り返しの処理が行われる間に、上記ステップS525の処理にて上記排出センサ313により遊技球が検出された旨判断される。そしてこの場合、上記主制御MPU765aは、次にステップS526の処理として、入賞口センサ330により遊技球が検出された入賞数と、上記排出センサ313により遊技球が検出された排出数とが同一であるか否かを判断する。
そしてこの結果、入賞数と排出数とが同一である旨判断されれば(ステップS526)、機械抽選装置の内部領域からの遊技球の排出が完了したことを示す排出検出コマンドをセットする(ステップS528)。なお、この排出検出コマンドは、例えば4ms毎などの定期的に行われる上記コマンド伝送出力処理にて上記サブ統合基板763に送信されることとなる。これにより、サブ統合基板763では、上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は上記特定領域344に入賞することなく全て排出されたことを前提とした演出に切り替えてこれを実行することが可能となる。そして次に、ステップS529の処理として、処理選択フラグを「0」に更新した時点で、当該小当たり役物作動処理を終了する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記変動開始処理(ステップS200)が再び実行可能とされるようになる。
一方、入賞数と排出数とが同一である旨判断されなかった場合は(ステップS526)、機械抽選装置の内部領域からの遊技球の排出が完了していないことから、上記ステップS514からの処理を再び順次行うこととなる。そして通常は、こうして繰り返しの処理が行われる間に、ステップS525の処理にて上記排出センサ313により新たな遊技球が検出され、次のステップS526の処理にて入賞数と排出数とが同一である旨判断されるようになる。ただし、こうした繰り返しの処理が行われたにもかかわらず、上記排出センサ313により新たな遊技球が検出されず、上記ステップS527の処理にて上記小当たり開放第2タイマによるカウント時間がタイムアップした場合には、遊技を進行させるべく、上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は上記特定領域344に入賞することなく全て排出されたとみなす。
すなわち、まず、ステップS528の処理として、機械抽選装置の内部領域からの遊技球の排出が完了したことを示す排出検出コマンドをセットする。そして次に、ステップS529の処理として、処理選択フラグを「0」に更新した時点で、当該小当たり役物作動処理を終了する。これにより、次の遊技処理が実行されたときには、上記変動開始処理(ステップS200)が再び実行可能とされることとなり、これによって遊技が進行されるようになる。
なお、上記ステップS526の処理や上記ステップS527の処理が行われた結果、上記ステップS514からの処理を再び順次行った結果、上記ステップS521の処理にて、V入賞センサ329により遊技球が検出された旨判断されるようになることもある。そしてこの場合、上記ステップS522〜S524の処理を通じて大当たり遊技状態が発生することとなる。
また、機会抽選装置の内部領域に遊技球が入賞しなかった場合は(ステップS511におけるNO)、小当たり開放第1タイマが所定時間経過したか否かを判別する(ステップS517)。小当たり開放第1タイマが所定時間経過していれば(ステップS517におけるYES)、役物閉鎖制御を行って大入賞口141を閉鎖する(ステップS518)。一方、小当たり開放第2タイマが所定時間を経過していない場合は(ステップS517におけるNO)、ステップS511からの処理を再び順次行うこととなる。
こうした繰り返しの処理については、説明の便宜上、ステップS514(若しくはステップS511)からの処理を再び順次行うとしたが、実際には、上記ステップS526の処理や上記ステップS527(若しくはステップS517)の処理が行われた時点で、当該小当たり役物作動処理は一旦終了されることとなる。そして、次の遊技処理にて当該小当たり役物作動処理が再び行われることで、上述の繰り返しの処理が行われることとなる。ただしこの場合、ステップS501〜513(若しくはステップS501〜S503)の処理については実行されないこととなる。
[大当り遊技開始処理、大当たり遊技中処理について]
また、大当り遊技開始処理、及び大当たり遊技中処理については、基本的には、それぞれ上述した通りである。したがって、それら処理手順のより詳細な説明についてはこれを割愛する。
[遊技領域に遊技球が打ち込まれたときの遊技進行について]
図3に示されるように、この実施の形態にかかる遊技領域37は、センター役物91に対して右側に位置する右遊技領域37aと、センター役物91に対して左側に位置する左遊技領域37bと、を遊技球が打ち分け可能となるように有している。なお、この実施の形態では、遊技者によって操作ハンドル32が操作されたとき、上記遊技領域37には60秒間に98個の遊技球が打ち込まれる。
ここで、遊技領域37に遊技球が打ち込まれたときに行われる遊技制御(遊技球の検出や普通抽選、特別抽選など)について、左遊技領域37bと右遊技領域37aとの別にそれぞれ詳述する。
<左遊技領域37b側に遊技球が打ち分けられたときに行われる遊技制御>
上記左遊技領域37bに打ち分けられた遊技球が、多数の障害釘や風車92に案内されつつ上記第1の特別図柄始動口96に入球したときはまず、適宜のセンサ(第1始動口センサ317)によって当該入球があったことが検出される。次いで、所定の乱数幅(例えば0〜599)で発生する当否判定用乱数(第1の当否判定用乱数)のうち一つの乱数を取得する。そして、こうして取得された乱数は上記制御装置内の適宜の読み書き可能メモリ(RAM)にて一旦記憶されると共に、当該取得した乱数の数は上記第1所定数まで保留される。
ただし上述の通り、この際には、特別図柄の変動表示停止時における表示態様の決定に供される図柄決定用乱数(第1の図柄決定用乱数)や、特別図柄の変動時間の決定に供される変動パターン決定用乱数(第1の変動パターン決定用乱数)、等々といった各種の乱数も始動入賞時にて併せて取得されている。そして、こうして取得される各種の乱数も、上記保留される当否判定用乱数(第1の当否判定用乱数)に対応付けされるかたちでそれぞれ上記制御装置内の適宜の読み書き可能メモリ(RAM)にて一旦記憶される。
そして次に、所定の始動条件が成立されたことに基づいて上記保留状態が解除されると、上記読み書き可能メモリ内にて一旦記憶されている当否判定用乱数(第1の当否判定用乱数)のうちの取得された時期(順)の最も早いものが適宜の処理領域に移される。またこの際、同乱数に対応付けされるかたちで一旦記憶されている各種の乱数も併せて適宜の処理領域に移される。そして、この処理領域に移された乱数(第1の乱数群)に基づいて上記第1の特別抽選が行われることとなる。
すなわち上述の通り、この第1の特別抽選ではまず、上記制御装置内の適宜の読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されている第1の特別判定テーブル(第1の当落判定テーブル)を読み出す。次いで、上記処理領域に移された乱数のうち、当否判定用乱数(第1の当否判定用乱数)の値が、上記読み出された第1の特別判定テーブルにて記憶されている所定の大当たり値と一致するか否かについての判断を行う。そしてこの結果、所定の大当たり値と一致としたときには大当たりが当選された旨判断されることとなり、該判断に基づいて遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)を発生させる。そして、この特別遊技状態の終了後、所定の条件が満たされていれば(より具体的には、上記ステップS254の処理(図18参照)にて時短フラグがオン状態に操作されていれば)、上記普通電動役物(可動部材)81が動作するときの動作時間が延長される遊技状態(いわゆる時短状態)に制御される。なお、こうした第1の特別抽選の結果は、所定の始動条件が成立してから所定の変動時間(第1の変動パターン決定用乱数に基づいて決定された時間)だけ四つのLED86(第1の特別図柄表示器331)が変動表示した後の当該四つのLED86の点灯・消灯表示パターンによって示唆(報知)されるほか、上記演出表示装置115における表示画像によっても示唆(報知)される。
<右遊技領域37a側に遊技球が打ち分けられたときに行われる遊技制御>
一方、上記右遊技領域37aに打ち分けられた遊技球が上記普通図柄始動口89を通過したときはまず、適宜のセンサ(ゲートセンサ316)によって当該通過のあったことが検出される。次いで、該検出に応じた普通抽選を保留状態とする処理が行われる(ただし、最大で4回分)。そして次に、上記保留状態が解除されて普通抽選の実行が開始されるとともに、この結果が上記可動部材81の動作契機となる当たり(ゲート当たり)であるか否かについての判断処理が行われる。この実施の形態にかかる当該判断処理では、上記ゲート当たりがほぼ当選されるような高い確率にて設定されており、通常は、上記普通電動役物81が開閉動作されることとなる。
ただし、この実施の形態では、時短状態(特定遊技状態)に制御されていないときには(通常の遊技状態にあるときには)、ゲート当たりが当選されたとしても、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球し難いように上記可動部材81の駆動制御が行われる。すなわち、この駆動制御では、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために必要とされる時間(例えば、T秒間にN個の遊技球が打ち込まれる条件のもとで、「T/N」秒)よりも短い時間だけしか上記第2の特別図柄始動口82が開放されないように可動部材81を動作させる。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1は、通常の遊技状態においては、第2の特別図柄始動口82への入賞が上記第1の特別図柄始動口96への入賞よりも大幅に困難(例えば、入賞すること自体が困難)となるかたちで上記普通抽選を行うようにしている。したがって、通常の遊技状態においては、遊技者は、上記操作ハンドル32の操作によって上記左遊技領域37bに遊技球を打ち分けて、上記第2の特別図柄始動口82よりも入賞容易とされる第1の特別図柄始動口96への遊技球の入球を狙うほうが有益となる。
これに対し、時短状態に制御されているときには、普通抽選の機会が多くなるように、普通図柄の変動時間は短く設定される。また、上記ゲート当たりが当選されたときは、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球が容易となるように上記可動部材81の駆動制御が行われる。すなわち、この駆動制御では、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球されるために十分なだけの時間(例えば、T秒間にN個の遊技球が打ち込まれる上記条件のもとで、「T/N」秒よりも2倍以上に長い時間)を要して行われる。
ただし、この実施の形態にかかる第2の特別図柄始動口82は、右遊技領域37aに打ち分けられた遊技球のみが入球可能となる位置に設けられている。したがって、時短状態においては、遊技者は、上記操作ハンドル32の操作によって上記右遊技領域37aに遊技球を打ち分けて、上記第1の特別図柄始動口96よりも入賞容易とされる第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球を狙うほうが有益となる。
そして、こうして普通抽選にかかる制御が行われた結果、上記可動部材81の開閉動作によって開放された上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球したときはまず、適宜のセンサによって当該入球があったことが検出される。次いで、所定の乱数幅(例えば0〜599)で発生する当否判定用乱数(第2の当否判定用乱数)のうち一つの乱数を取得する。そして、こうして取得された乱数は上記制御装置内の適宜の読み書き可能メモリ(RAM)にて一旦記憶される。ただし上述の通り、この第2の特別図柄始動口82側の始動時の処理では、第1の特別図柄始動口96側の始動時に行われる上述の処理とは異なり、当該取得された乱数は保留されない。
なおこの際、第2の特別図柄始動口82側の処理においても、特別図柄の変動表示停止時における表示態様の決定に供される図柄決定用乱数(第2の図柄決定用乱数)や、特別図柄の変動時間の決定に供される変動パターン決定用乱数(第2の変動パターン決定用乱数)、等々といった各種の乱数は始動入賞時にて併せて取得されている。そして、こうして取得される各種の乱数も、上記一旦記憶される当否判定用乱数(第2の当否判定用乱数)に対応付けされるかたちでそれぞれ上記制御装置内の適宜の読み書き可能メモリ(RAM)にて一旦記憶される。
そして次に、所定の始動条件が成立されると、上記読み書き可能メモリ内にて一旦記憶されている当否判定用乱数(第2の当否判定用乱数)と、同乱数に対応付けされるかたちで一旦記憶されている各種の乱数とが適宜の処理領域にそれぞれ移される。そして、この処理領域に移された乱数(第2の乱数群)に基づいて上記第2の特別抽選が行われることとなる。
すなわち上述の通り、この第2の特別抽選ではまず、上記制御装置内の適宜の読み出し専用メモリ(ROM)にて予め記憶されている第2の特別判定テーブル(第2の当落判定テーブル)を読み出す。次いで、上記処理領域に移された乱数のうち、当否判定用乱数(第2の当否判定用乱数)の値が、上記読み出された第2の特別判定テーブルにて記憶されている所定の大当たり値と一致するか否かについての判断を行う。そしてこの結果、所定の大当たり値と一致としたときには大当たりが当選された旨判断されることとなり、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)を発生させる。そして、この特別遊技状態の終了後、所定の条件が満たされていれば(より具体的には、上記ステップS264の処理(図19参照)にて時短フラグがオン状態に操作されていれば)、上記時短状態に制御される。なお、こうした第2の特別抽選の結果は、所定の始動条件が成立してから所定の変動時間(第2の変動パターン決定用乱数に基づいて決定された時間)だけ四つのLED88(第2の特別図柄表示器332)が変動表示した後の当該四つのLED88の点灯・消灯表示パターンによって示唆(報知)されるほか、上記演出表示装置115における表示画像によっても示唆(報知)される。
また、これも上述の通り、この実施の形態にかかる第2の特別抽選では、上述の第1の特別抽選とは異なり、上記大当たりに当選されなかった場合(ハズレの場合)には、上記可動片142の動作契機となる当たり(役物開放当たり)であるか否かについての判断処理がさらに行われる。なお、この判断処理は、上記所定の大当たり値と一致しなかった当否判定用乱数(第2の当否判定用乱数)の値と、上記第2の特別判定テーブルにて記憶されている所定の役物遊技用の値(小当たり値)との一致比較により行われる。この実施の形態では、それら値が一致して役物開放当たりに当選された旨判断される確率は90%以上(好ましくは99%以上)である。また、こうして役物開放当たりが当選されたことは、所定の始動条件が成立してから所定の変動時間(第2の変動パターン決定用乱数に基づいて決定された時間)だけ四つのLED88(第2の特別図柄表示器332)が変動表示した後の当該四つのLED88の点灯・消灯表示パターンによって示唆(報知)されるほか、上記演出表示装置115における表示画像によっても示唆(報知)される。
このような構成によれば、上記第2の特別図柄始動口82に入賞される都度、第2の特別抽選にて役物開放当たりがほぼ当選される。そしてこの場合、当該判断処理が行われてから(より正確には所定の始動条件が成立してから)所定の変動時間(第2の変動パターン決定用乱数に基づいて決定された時間)だけ変動表示された後、上記役物開放当たりの当選に応じて上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となるように上記可動片142の駆動制御が行われる。これにより、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入される遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が付与されることとなる(役物遊技機会付与手段)。そして、該駆動制御によって上記内部領域に遊技球が進入したときは、該進入した遊技球が上記特定領域に受け入れられるか否かについての抽選処理が上記回転式振分装置294によって行われることとなる(役物遊技)。
そして上述の通り、この回転式振分装置294による抽選処理において上記特定領域344に遊技球が受け入れられたときには、遊技者に有利な特典としての特別遊技状態(大当たり遊技状態)を発生させる。そして、この特別遊技状態の終了後、所定の条件が満たされていれば(より具体的には、上記ステップS264の処理(図19参照)にて時短フラグがオン状態に操作されていれば)、上記時短状態に制御される。なお、こうした第2の特別抽選の結果は上記演出表示装置115を通じて遊技者に示唆される。
一方、上記可動片142の駆動制御によって上記内部領域が開放されたにもかかわらず、当該内部領域に遊技球が進入しなかったときや、当該内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に受け入れられずに上記機械抽選装置から排出されたときは、その時点で当該第2の特別抽選にかかる制御が終了されることとなり、これによって上記第2の特別図柄始動口82への入賞が再び有効化されるようになる。すなわち上述の通り、第2の特別図柄始動口82側には保留機能がないため、上記第2の特別抽選の結果が確定されるまでは、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が入球しても該入球に基づいて各種の乱数が取得されるなどの抽選に関する処理が行われることはない(入賞の無効化)。ただし、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球に基づく遊技球の払い出し(例えば3個)は行われる。
また、第2の特別抽選にて大当たりと役物開放当たりとのいずれにも該当しない純ハズレである旨判断されたときには、当該判断の結果が所定時間(変動パターン決定用乱数に基づいて決定された時間)の変動表示の後に示唆された時点で、当該第2の特別抽選にかかる制御が終了されることとなる。
[時短状態に関する制御について]
ところで、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したときに、上記特定領域に遊技球が受け入れられる確率が「1/10」程度となるように上記回転式振分装置294の駆動制御を行うようにしている。これに対し、特別遊技状態の終了後に所定条件が満たされているときに制御される時短状態については、上記特定領域に遊技球が受け入れられるために必要とされる平均回数の数倍の回数(この実施の形態では、「99回」。後述の大当たり確率との関係で、大当たりの当選に要する平均回数よりも少なくするほうが望ましい)の特別抽選が行われるまでの期間だけ継続するようにしている。この意味では、第2の特別図柄始動口82は、当該始動口82への入賞があったときにはほぼ小当たりが当選されるようにしつつも、特別図柄(第2の特別図柄)についての抽選もあえて行うようにすることで、上記時短状態の継続数を減少させる機能をもった始動口であるといえる。
このような時短状態の制御態様によれば、上記右遊技領域37a側に遊技球が打ち分けられるだけで、当該時短状態に制御されている間に上記特定領域に遊技球が受け入れられて上記特別遊技状態が再度発生することがほぼ確定されるようになる。そして、当該時短状態は、こうして連続的に発生する特別遊技状態の終了後に所定条件が満たされている限りは継続し続ける。すなわちこの場合、遊技者は、右遊技領域37a側に遊技球を打ち分け続けることで、持ち玉の減りにくい状態(普通抽選)、且つ特別遊技状態の発生しやすい状態(役物開放当たりの確率、特定領域への受け入れ確率)のもとでの遊技を継続して楽しむことが可能となる。
したがって、このように時短状態に遊技の醍醐味を集中させたようなパチンコ機1にあっては、
(イ)通常の遊技状態からどれだけ早い段階で時短状態に移行できるか。
(ロ)時短状態をどれだけ継続させることができるか。
といった2つの点が遊技興趣の向上を図る上で重要となる。
ただし周知の通り、これら(イ)及び(ロ)は、いわゆる出玉率との関係上、互いに相反するように設定せざるを得ないのが実情である。例えば、通常の遊技状態にあるときの時短状態への移行確率を高く設定すると、第2の特別抽選での時短状態の継続率は低くせざるを得ないし、第2の特別抽選での時短状態の継続率を高くすると、通常の遊技状態にあるときの時短状態への移行確率を低く設定せざるを得ない。
したがって、遊技者は、こうした実情のもとで提供される遊技、すなわち(イ)と(ロ)とのいずれかが犠牲とされた遊技を楽しむしかなかった。そして通常は、(イ)を犠牲にして、第2の特別抽選での時短状態の継続率を高くすることにより、時短状態への突入確率は厳しいけれど、時短状態に一旦制御されればこれが高い確率に継続し続ける遊技性を実現し、これによって遊技興趣の低下を抑制するようにしていた。
ただし、このような遊技性では、第1の特別抽選が平均して800回行われてようやく時短状態に移行制御されるなど、時短状態への突入が極めて困難となってしまうため、こうした遊技を楽しむことができるのはほんの一部の遊技者に限定されてしまっていた。この点、この実施の形態にかかるパチンコ機1は、(イ)及び(ロ)の一方を犠牲にはするものの、時短状態を主として遊技することができるような遊技性を実現可能としている。
すなわち、この実施の形態にかかるパチンコ機1では、以下のようなスペックにて設定されている。
・第1の特別抽選
大当たりの当選確率:1/100(遊技状態にかかわらず一定)
大当たり当選による特別遊技状態でのラウンド数:2ラウンド(下部側大入賞口83への遊技球の入球が困難な動作態様(大当たりの当選確率に見合わない程度の少量の出玉しか得られない動作態様(複数回のラウンドを通じて開放される総時間が6秒程度のものも含む))にてアタッカ装置98が2ラウンド分だけ開閉動作する)
大当たり遊技後の時短確率:75%(時短状態に移行されやすい「50%」を超える確率であることが望ましい)
・第2の特別抽選
大当たりの当選確率:1/100(遊技状態にかかわらず一定)
大当たり当選による特別遊技状態でのラウンド数:2ラウンド(下部側大入賞口83への遊技球の入球が困難な動作態様(大当たりの当選確率に見合わない程度の少量の出玉しか得られない動作態様(複数回のラウンドを通じて開放される総時間が6秒程度のものも含む))にてアタッカ装置98が2ラウンド分だけ開閉動作する)
特定領域に遊技球が受け入られたことによる特別遊技状態でのラウンド数:16ラウンド
大当たり遊技後の時短確率:35%(第1の特別抽選側での時短確率よりも低い確率)
このようなスペックによれば、大当たりの当選に応じた特別遊技状態については、下部側大入賞口83への遊技球の入球を困難となるように行うことで、遊技球の払い出しを極力抑えるようにしている。すなわちこの場合、実質的には、上記特定領域に遊技球が受け入れ可能とされる時短状態に制御されているときだけ持ち球の増加を期待できるようになる。特に、この実施の形態では、第2の特別抽選側における大当たり遊技後の時短確率を「50%」未満に設定して時短状態が継続され難いようにしている。
これにより、大当たりの当選確率や、第1の特別抽選側での大当たり遊技後の時短確率を高く設定することができるようになり、ひいては通常の遊技状態から早い段階で時短状態に移行させることができるようになる。
しかしながら、時短状態が継続され難い上述のスペックでは、早い段階で時短状態に移行してもすぐに通常の遊技状態に再度制御されることとなってしまう。そこで上述の通り、この実施の形態では、遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が付与される上記小当たり役物作動処理(ステップS500)に先立って、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球により取得される第2の図柄決定用乱数(当選種別判定用乱数)として、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の停止表示態様の決定に供される図柄乱数と、該決定に供されることのない隠匿乱数との2つの乱数を取得する。そして、こうして取得された第2の図柄決定用乱数に基づいて、上記役物遊技において上記特定領域344に遊技球が受け入れられたことを条件に遊技者にとって有利な役物当たり特典を付与するときの当該役物当たり特典の内容についての決定処理を行うようにした(遊技特典処理実行手段)。
すなわち、まず、上記ステップS263の処理(図19参照)では、上記第2の図柄決定用乱数のうち、第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の停止表示態様の決定に供されることのない上記隠匿乱数のみに基づいて、時短状態に制御されるための所定条件が満たされているか否かを事前判断する。より具体的には、適宜の処理領域に移された上記隠匿乱数の値が上記第2の図柄判定テーブルにて記憶されている所定の時短値と一致するか否かについての判断を行う。
そしてこの結果、上記隠匿乱数の値が所定の時短値と一致したときには、ステップS264の処理(図19参照)として、大当たり遊技状態を発生させること、及び該大当たり遊技状態の後の所定期間を時短状態に制御することが、上記役物遊技において上記特定領域344に遊技球が受け入れられたことを条件に付与される役物当たり特典として決定されるようにした。これに対し、上記隠匿乱数の値が所定の時短値と一致しなかったときには、ステップS266の処理(図19参照)として、大当たり遊技状態を発生させることが、上記役物遊技において上記特定領域344に遊技球が受け入れられたことを条件に付与される役物当たり特典として決定されるようにした。
このような構成によれば、上記役物当たり特典の1つとして、遊技者に有利な時短状態(特定遊技状態)が発生され得るとともに、この時短状態においては上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高くなるように上記可動部材81の動作にかかる駆動制御が行われる。これにより、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が複数回付与され得るように遊技することが可能とされる遊技状態(時短状態)が実現されるようになる(複数回チャンス遊技実行手段)。
またさらに、上記役物当たり特典の内容についての決定処理のうち、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が複数回付与され得るように遊技することが可能とされる遊技状態(時短状態)を発生させるか否かの決定については、図柄乱数と隠匿乱数とのうち、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の停止表示態様の決定に供されることのない上記隠匿乱数のみに基づいて行うようにしている(図19:ステップS263)。これにより、上記役物当たり特典の内容についての決定処理の結果については、第2の特別図柄表示器332における上記第2の特別図柄の停止表示にかかる図柄態様(停止図柄態様)には現れないようにこれが隠匿されるようになる(遊技隠匿手段)。
すなわちこの場合、遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が付与されるのに先立って、当該役物遊技にて上記特定領域344に遊技球が受け入れられたことを条件に上記時短状態(第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで上記遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が複数回付与され得るように遊技可能となる遊技状態)を発生させるか否かについての決定がなされる。ただし、この決定については上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の停止表示態様の決定に供されることのない上記隠匿乱数に基づいて行われることから、上記第2の特別図柄の停止表示にかかる図柄態様(停止図柄態様)には上記役物当たり特典の内容についての決定処理の結果状況が示されずに隠匿されることとなる。
したがって、上記役物遊技の機会が付与されるときの上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の停止表示態様をいかなる遊技者が見たとしても、当該役物遊技にて上記特定領域344に遊技球が入球したときに付与される役物当たり特典の内容、特に、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで上記遊技者にとって有利な役物遊技の実行機会が複数回付与され得るように遊技可能となる上記時短状態に制御されるか否かを把握することはできなくなる。
ただし、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されるこのような時短状態にあるときに、上記役物遊技にて上記特定領域344に遊技球が受け入れられた場合であっても上記時短状態を発生させない旨の決定がなされているような場合は(ステップS267)、当該役物遊技についてはその実行を回避(図22:ステップS511の処理にて「NO」)してより有利な役物遊技(時短状態を発生させる旨の判断がなされた上で実行機会が付与される役物遊技)が実行されるのを待つほうが、遊技者にとって有益である。
この点、上記構成では、上記時短状態による役物当たり特典を付与しない旨の決定がなされているときは(ステップS267)、該決定の結果にかかる決定情報を当該主制御基板765(主制御MPU765a)とは別に設けられるサブ統合基板763(サブ統合MPU763a)に出力する(ステップS323)。そして、このサブ統合基板763側においてのみ、上記第2の特別図柄表示器332における第2の特別図柄の停止表示態様によって小当たり(役物開放当たり)が当選されたことが示される前段階から(ステップS418の前段階から)、当該小当たりの当選に応じて付与される上記役物遊技の実行が回避されるべき遊技状態にある旨を遊技者が認識可能となるように上記各種の乱数に応じて進行される乱数遊技の遊技特典として情報出力することを実行可能とした。
すなわちこの場合、サブ統合基板763は、遊技者に不利な役物遊技(時短状態による役物当たり特典が付与されない役物遊技)が上記主制御基板765により隠匿されつつ行われようとしていることを上記乱数遊技の遊技特典として適宜に暴露することが可能となり、これによって遊技者は、当該役物遊技についてはその実行を回避してより有利な役物遊技(時短状態による役物当たり特典が付与される役物遊技)が実行されるのを上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで待つことができるようになる。すなわち、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで上記時短状態が発生しない役物遊技の実行を選択的に回避し続け得るようにして(上記機械抽選装置の内部領域が開放されても、その開放された内部領域に遊技球が進入しないようにして)、上記時短状態が発生される役物遊技の実行機会が付与されるチャンスを待つ遊技を遊技者が実行できるようになる。この意味では、上記主制御基板765(主制御MPU765a)としての遊技特典付与機能の一部(第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで上記時短状態が発生しない役物遊技の実行を選択的に回避し続け得るように遊技可能とする遊技特典)が上記主制御基板765(主制御MPU765a)とは別に設けられる上記サブ統合基板763(サブ統合MPU763a)に譲られて、このサブ統合基板763による制御によって遊技者に対してこのような遊技特典が付与されたこととなる。
また、サブ統合基板763(サブ統合MPU763a)は、例えば、上記主制御基板765(主制御MPU765a)にて乱数に基づいて行われる制御結果からの影響を受けることなく、遊技者に不利な役物遊技が上記主制御基板765(主制御MPU765a)により隠匿されつつ行われようとしていることを暴露する暴露モードと、遊技者に不利な役物遊技が上記主制御基板765(主制御MPU765a)により隠匿されつつ行われようとしていることを暴露しない秘密モードとの間でのモード制御を適宜に切り替えるように制御することも可能となる。これにより、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球により取得される乱数に基づいて上記主制御基板765(主制御MPU765a)内にて進行される乱数遊技(ステップS200〜S700など)としての遊技性に対し、その外部にて設けられるサブ統合基板763(サブ統合MPU763a)によって大きな影響を及ぼすことが可能となり、これまでにない斬新な遊技を実現することができるようになる。またさらに、サブ統合基板763(サブ統合MPU763a)による上記演出表示装置115における演出に遊技価値が持たせられるようになり、これによって演出表示装置115における表示演出により遊技興趣の低下が抑制されるようになる。
なお、サブ統合基板763(サブ統合MPU763a)によってこのような遊技特典(第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで上記時短状態が発生しない役物遊技の実行を選択的に回避し続け得るように遊技可能とする遊技特典)が付与された場合、遊技者は、例えば、役物遊技の実行機会が付与される都度、当該役物遊技の実行が回避されるべき遊技状態にある旨が情報出力されたか否かを確認することとなる。そして、該情報出力が行われたときには、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入しないように遊技領域37への遊技球の打ち出しを中止するようにすることで、第2の特別図柄始動口82への遊技球の入球確率が高く設定されたもとで上記時短状態が発生しない役物遊技の実行を選択的に回避し続け得るように遊技(回避遊技)することが可能となる。
そして、時短状態において、こうした回避遊技を続けるようにすることで、上記時短状態が発生される役物遊技の実行機会が付与されるチャンスを待つ遊技が実現されるようになり、当該チャンスが到来したときには、機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入して役物遊技が行われるように遊技領域37への遊技球の打ち出しを続けるようにする。これにより、役物遊技において特定領域344に遊技球が受け入れられたときにこれを契機として上記時短状態に制御される可能性を(時短状態に制御される確率として上記主制御基板765(主制御MPU765a)側にて設定されている理論値よりも)高めることができるようになる。
そして上述の通り、この実施の形態では、上記役物当たり特典の内容についての決定処理の結果については、第2の特別図柄表示器332における上記第2の特別図柄の停止表示にかかる図柄態様には現れないようにするにもかかわらず(図21:ステップS418)、上記サブ統合基板763に対しては時短コマンドとして送信することとした。したがって、上記サブ統合基板763では、上記大当たり遊技(特別遊技)が行われたとしたときに当該遊技後に時短状態に制御される期待度を遊技者が認識可能となるように上記演出表示装置115にて表示される演出画像によって事前示唆することができるようになる。
特に、この実施の形態では、図柄乱数と隠匿乱数とのうちの隠匿乱数のみに基づいて時短状態に制御されるか否かを判断するようにしたため(図19:ステップS263)、上記サブ統合基板763では、図柄乱数により定められる図柄の停止態様との関係を無視して、時短状態の期待度を自由に示唆することが可能となる。なお、この実施の形態にかかるサブ統合基板763では、第2の特別抽選が行われてすぐの(第2の特別図柄表示器332として機能する四つのLED88が変動中(変動停止される前)の)上記演出表示装置115において、大当たり遊技後に時短状態に制御される期待度を示唆するようにしている。このように、第2の特別抽選が行われてすぐに(例えば、LED88の変動開始時に)期待度を示唆するようにしたため、遊技者は、LED88の変動時間と、同LED88が変動停止してから可動片142の駆動制御が行われるまでのインターバルとの加算時間に相当する長い時間分だけ、機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるべきか否かを十分に判断することができるようになる。
また、上記サブ統合基板763(サブ統合MPU763a)により示唆される上記時短状態に制御される期待度については、
・時短状態に制御されることが確定される第1の表示態様(100%の確率で時短状態に制御される)。
・第1の特別抽選側の時短確率よりも高いことが示唆される第2の表示態様(80%の確率で時短状態に制御される)。
・時短状態に制御され易いことが示唆される第3の表示態様(50%を超える所定確率で時短状態に制御される)。
・時短状態に制御され難いことが示唆される第4の表示態様(35%未満の所定確率で時短状態に制御される)。
・時短状態に制御されないことが確定される第5の表示態様(0%の確率で時短状態に制御される)。
等々といった複数の表現態様のいずれかを、第2の特別抽選が行われてすぐの上記演出表示装置115に表示することにより事前示唆するようにしている。なお、この実施の形態では、第1〜第5の表示態様についてはそれぞれ演出表示装置115にて表示される背景画像の色(第1の表示態様は白色、第2の表示態様は金色、第3の表示態様は赤色、第4の表示態様は青色、第5の表示態様は黒色)を互いに異ならせるようにすることで行うようにしている。
ここで、期待度(信頼度)とは、特定の表現態様が上記演出表示装置115にて現れたときに上記時短状態に制御されることが決定されていること(ステップS263の処理が行われたこと)を期待することができる程度を表すものである。特定の表現態様に対する期待度としては、例えば、時短状態に制御されることが決定されているときに、特定の表現態様が現れる表示演出を実行させる比率(時短決定時実行比率)と、時短状態に制御されることが決定されていないときに、特定の表現態様が現れる表示演出を実行させる比率(時短非決定時実行比率)とによって設定することが可能である。この値が大きいほど期待度は高くなり、小さいほど期待度は低くなる。
このような表現態様のうち、特に、例えば第4の表示態様や第5の表示態様は、最も遊技球の払い出し数の多い16ラウンドの特別遊技が実行されるチャンス(役物開放当たり)が付与されている状況(遊技者に有利な役物遊技が実行され得る状況)であっても、時短状態が継続される状況にあること(時短状態に制御されてから99回の特別抽選が行われた状況にないこと)を前提として、同チャンスを見逃すべきであることを遊技者に推奨するかのように機能する権益放棄演出となる。
すなわち、第4の表示態様や第5の表示態様が上記演出表示装置115にて現れたときに上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入せて上記特定領域に入球させてしまうと、上記第2の特別抽選にて本来設定されている時短確率(所定条件が満たされている旨判断される確率であり、この実施の形態では35%)を下回る確率でしか時短状態が繰り返されないこととなり、遊技者にとって不利益が生じてしまうため、同チャンスは見逃すべきであることを遊技者は認識可能である。
また、別の見方をすれば、50%未満の所定確率で時短状態に制御されることとなるため、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させて上記特定領域に入球させてしまうと、16ラウンドの特別遊技状態に制御されれた後、通常の遊技状態に制御されてしまうことが多く、この意味でも同チャンスは見逃すべきであるとはいえる。
そこで、遊技者は、今回の役物開放当たりにおいては、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入されないように、上記操作ハンドル32の操作をやめるようにする。すると、時短状態の制御期間(残り99回)は1回分だけ減って例えば残り98回になってしまうものの、時短状態は必ず維持された状態にて、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入されないことによって当該第2の特別抽選が終了するようになる。そして、こうして時短状態が維持されたもとで、上記操作ハンドル32を再度操作して上記右遊技領域37aに遊技球を打ち分ければ、上記第2の特別図柄始動口82に新たな遊技球が容易に入球するようになる。すると、この新たな入球に応じた第2の特別抽選にて、極めて高い確率で役物開放当たりが当選されるとともに、この新たな当選に応じて、時短状態に制御される期待度が新たに事前示唆されるようになる。
このような構成によれば、第4の表示態様や第5の表示態様が上記演出表示装置115にて表示される限りは、時短状態を維持させつつ当該第2の特別抽選を契機に特別遊技状態が実行されることを回避するように遊技し続けて、例えば第1〜第3の表示態様などの時短状態に制御される期待度の高い役物遊技の実行機会が付与されるチャンスを待つ遊技を実行することができるようになる。そして、こうして時短状態を維持させつつ複数回の第2の特別抽選が行われた結果、第1〜第3の表示態様のいずれかが現れたときにのみ、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるような遊技を行うようにすれば、上記第2の特別抽選にて本来設定されている時短確率(35%)を上回る確率(この実施の形態では、時短状態が継続され易い50%を超える確率)で時短状態が繰り返されるように遊技することが可能となる。
また、第1、第2の表示態様のいずれかが上記演出表示装置115にて現れたときにのみ、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるような遊技を行うようにすれば、上記第1の特別抽選にて設定されている上述の高い時短確率(75%)をも上回る確率で時短状態が繰り返されるように遊技することが可能となる。
またさらに、第1の表示態様が現れたときにのみ、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるような遊技を行うようにすれば、時短状態が必ず繰り返されるように遊技することが可能となる。ただし、こうした遊技を可能とするパチンコ機1にあっては、出玉率との関係から、時短状態を継続させることのできる上限回数(リミット)を予め設定しておき、この上限回数に達したときには必ず通常の遊技状態に制御するような遊技制御を行うようにすることが望ましい。
そして、第1の表示態様が現れるまで特別遊技状態の発生を狙わないのか、若しくは第3の表示態様が現れたときにも妥協して特別遊技状態の発生を狙いにいくのかは遊技者の自由であり、こうした遊技者による遊技手法の選択によって実質的な時短状態の継続率は変わってくる。また、時短状態の制御期間との関係もあり、時短状態に制御されてから比較的早い段階(例えば残り50回以上ある段階)にあるときは第1の表示態様や第2の表示態様が出現したときにしか上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させないようにするが、時短状態に制御されてから比較的遅い段階(例えば残り50回未満しかない段階)にあるときは第3の表示態様が出現したときにも妥協して上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるなど、様々な戦略をもって遊技することも可能となる。
この意味では、時短状態に制御されてから所定数の特別抽選が行われる前よりも、同所定数の特別抽選が行われた後のほうが、上記第1の表示態様が現れる確率が高くなるように、上記期待度の示唆にかかる制御を行うようにすることが望ましい。このように、時短状態の制御期間内で、特定の表示態様の現れる確率を変えるようにすれば、遊技者としては、時短状態の残り回数を削ってでも第1の表示態様が現れる確率の高いゾーン(制御期間)を待つのも戦略(一発狙い)の1つとなる。ただしこの場合、第1の表示態様が現れずに時短状態が終了したり、同第1の表示態様が現れても特定領域に遊技球が受け入れられずに時短状態が終了したりする可能性が高くなるデメリットがある。
またその一方で、大当たり確率は「1/100」に設定されていることから、大当たりが当選されるまでの平均回数は、時短状態の制御期間(99回)よりも長い回数となる。ただし、最も遊技球の払い出し数の多い16ラウンドの特別遊技が実行され得るチャンス(役物遊技の実行)をわざと逃して時短状態が続くようにすればするほど、当該時短状態において第2の特別抽選にて大当たりが当選されてしまう可能性も高くなってしまう。そしてこの場合、遊技者に対して特別遊技状態の発生の回避策が何ら付与されることなく、最も遊技球の払い出し数の少ない2ラウンド(役物遊技を経由したときのラウンド数よりも少ないラウンド数)の特別遊技が実行されてしまう。そればかりか、この2ラウンドの特別遊技状態の終了後、高い確率にて通常の遊技状態に制御されてしまう。
したがって、遊技者としては、最も遊技球の払い出し数の多い16ラウンドの特別遊技状態が実行されるだけでも十分な特典はあるので、同チャンスを逃し続けることにも抵抗感を持つようになり、特別遊技にて払い出される遊技球数や、時短状態の継続確率や、大当たりの当選確率などを総合した上で、どの段階でどのように特別遊技状態の発生を狙いに行くのかについての戦略を決めることとなる。この意味では、大当たり確率が「1/100」となるように上記第2の特別抽選にて設定されているこの実施の形態にかかる大当たりは、時短状態が自由自在に何度も繰り返されるように遊技可能とすることを適度に抑制する機能を持っており、射幸性が無駄に煽られてしまうことを抑制可能な手段として機能している。
総括すると、第2の特別抽選では、役物開放当たりの当選される確率が最も高くなっており(大当たりや純ハズレよりも高い)、ほぼ可動片142の駆動制御が行われるようになっている。そして通常は、可動片142の駆動制御によって進入可能とされる上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるのだが、単純にこうした遊技が行われるだけでは「35%」の確率で時短状態が終了してしまう。
ただし、時短状態に制御される期待度を遊技者が認識可能となるように示唆するようにしたため、同期待度の低いときに特別遊技状態が発生するのを避けるように遊技することが可能となり、これによって上記第2の特別抽選にて設定されている時短確率を実質的に高い確率に変更して遊技することができるようになる。
また、この実施の形態にかかる時短状態においては、上述の通り、役物開放当たりを発端とする遊技を中心とした遊技性となっているため、第1の特別抽選側に保留があるような場合には、それらを極めて短い変動時間にて消化するようにすることが望ましい。これに対し、第2の特別抽選側の変動時間(平均時間)については、第1の特別抽選側の変動時間(平均時間)よりも長めにしておき、遊技者に対して時短の期待度を事前示唆するための時間が確保されるようにすることが望ましい。
また、この実施の形態では、上記可動片142の設けられる位置(役物開放当たりのときに遊技球を進入させる位置)を、右遊技領域37aと左遊技領域37bとの間に設けるようにしている。すなわちこの場合、右遊技領域37aに遊技球を打ち分けているだけでは、遊技球は、上記機械抽選装置の内部領域には進入しないこととなる。このように上記機械抽選装置の内部領域に遊技球を進入させるための操作ハンドル32の操作を必要としたことで、時短状態に制御される期待度が低い(例えば、通常の遊技状態に制御されることが確定される第5の表示態様)にもかかわらず誤って遊技球を打ち続けてしまったとしても、これによって遊技球が特定領域344に受け入れられて、遊技球の払い出しがほとんどされない特別遊技状態を経た後に通常の遊技状態に制御されてしまうようなことが自ずと回避されるようになる。
なお、この実施の形態において、第1の特別抽選にて用いられる第1の特別判定テーブルには、所定の大当たり値として「7、77、177、277、377、477」が登録されており、それ以外の値は純ハズレとして設定されている。したがって、この第1の特別判定テーブルには、所定の役物遊技用の値は登録されていない。これに対し、第2の特別抽選にて用いられる第2の特別判定テーブルには、所定の大当たり値として「77、177、277、377、477、577」が登録されており、それ以外の値はハズレの値として設定されている。ただし、これらハズレの値のうち、「444」のみが純ハズレであり、それ以外の値は所定の役物遊技用の値として登録されている。
また、この実施の形態では、大当たりの当選確率については「1/100」に設定することとしたが、この当選確率については、時短状態の制御期間との関係で設定するようにすることが望ましい。例えば、時短状態を最後まで遊技(99回の特別抽選を消化)するとしたときには、3回に1回は(1/3を超える確率で)時短状態が終了する前の段階で大当たりが当選されてしまうような当選確率に設定するようにすることが望ましい。このようにすれば、常に最後までチャンスを待つかたちで遊技してしまうと、遊技者に有利な特定遊技状態(時短状態)が平均して2回くらい続いたところで大当たりが当選されてしまうこととなる。すなわちこの場合、遊技者に有利な特定遊技状態(時短状態)が2回くらい続いたところで高い確率にて通常の遊技状態に制御されることとなり、従来の確率変動機能を有した遊技機と似た程度の連荘性となる。このため、遊技者に対し、こうした連荘性を改善してより高みを目指せるべく、ある程度は早い段階から役物遊技を行うように遊技的な圧力を適度にかけることができるようになる。
(第2の実施形態)
次に、この発明にかかる遊技機(パチンコ機)の第2の実施形態について説明する。
この第2の実施形態のパチンコ機も、先の第1の実施形態のパチンコ機と基本的には同様である。ただし、上記機械抽選装置の内部領域に遊技球が進入したときに、該遊技球が供給される上記回転式振分装置294の駆動制御にかかる制御態様が異なっている。
すなわち、上記回転式振分装置294は、図23(a)に示される基準回転角度(基準位置)を有しており、上記可動片142の駆動制御が行われないときには当該基準回転角度にて停止している。そして、上記可動片142の駆動制御が行われたときに当該基準回転角度から時計回りにて一周だけ回転動作するようになっている。なお、この実施の形態にかかる回転式振分装置294は、2秒間強の時間を要して一周する。また、この実施の形態にかかる基準回転角度とは、より具体的には、図23(a)に示されるように、上記特定領域へと通じる流下経路343が上記内部流下経路340と接続されず、且つ、当該回転式振分装置294が回転(動作)したときに上記一般領域へと通じる流下経路344のほうが先に上記内部流下経路340と接続される位置である。
このような構成では、上記回転式振分装置294が基準回転角度にあるときに上記可動片142の駆動制御が行われると、当該回転式振分装置294はまず、上記内部流下経路340に対して上記一般領域へと通じる流下経路344が接続される動作を開始するようになる(前半動作)。この前半動作では、図23(d)に併せて示すように、上記可動片142の駆動制御があったときから第1の時間t1が経過するまでは、上記回転式振分装置294の第1の外周壁294aを上記内部流下経路340に対して位置させる。そして、上記第1の時間t1が経過した後は、図23(b)に併せて示すように、一般領域へと通じる流下経路344を上記内部流下経路340に対して位置させる。これにより、上記可動片142の駆動制御があったときから第1の時間t1が経過するまでに上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、上記回転式振分装置294の第1の外周壁294aと当接されるかたちで上記内部流下経路340にて停留されるようになる。そして、上記第1の時間t1において、上記一般領域へと通じる流下経路344と上記内部流下経路340とが接続されると、上記内部流下経路340にて停留されていた遊技球が上記流下経路344に案内され、ひいては一般領域に受け入れられるようになる。
ただし、上記可動片142の駆動制御があったときから1秒が経過すると、このような流下経路344と内部流下経路340との接続は解除される。したがって、上記回転式振分装置294は次に、上記内部流下経路340に対して上記特定領域へと通じる流下経路343が接続される動作を開始することとなる(後半動作)。この後半動作でも、図23(d)に併せて示すように、当該後半動作が開始されてから第2の時間t2が経過するまでは、上記回転式振分装置294の第2の外周壁294bを上記内部流下経路340に対して位置させる。そして、上記第2の時間t2が経過した後は、図23(c)に併せて示すように、特定領域へと通じる流下経路343を上記内部流下経路340に対して位置させる。これにより、上記後半動作が開始されてから上記第2の時間t2が経過するまでに上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、上記回転式振分装置294の第2の外周壁294bと当接されるかたちで上記内部流下経路340にて停留されるようになる。そして、上記第2の時間t2において、上記特定領域へと通じる流下経路343と上記内部流下経路340とが接続されると、上記内部流下経路340にて停留されていた遊技球が上記流下経路343に案内され、ひいては特定領域に受け入れられるようになる。なお、回転式振分装置294は、この後半動作が行われた後は、図23(a)に示される基準回転角度まで回転した時点で停止する。
そして、上記回転式振分装置294によるこのような回転動作態様に対し、第2の特別抽選にて行われる上記可動片142の駆動制御では、上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる開放時間が「49/100」の確率にて0.5秒となり、これよりも高い確率(「51/100」の確率)にて1.8秒となるようにしている。
すなわち、この第2の実施形態にかかる役物開放当たりでは、0.5秒の開放期間が対応付けられた短当たりと、1.8秒の開放期間が対応付けられた長当たりとを当選種として有しており、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられたときに当選される上記役物当たりについては、上記短当たりの当たり分配率を「49/100」、上記長当たりの当たり分配率を「51/100」に設定することで、上述の駆動制御態様を実現するようにしている。
このような駆動制御態様では、上記回転式振分装置294による回転態様と相まって、上記短当たり(0.5秒開放)が当選されたことに応じて上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、上記内部流下経路340にて停留された後、上記第1の時間t1が経過した時点で上記一般領域に受け入れられることとなる。一方、上記長当たり(1.8秒開放)が当選されたことに応じて上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球は、その進入タイミングによっては、上記特定領域に受け入れられることとなる。すなわち、上記前半動作が行われている期間中に進入した遊技球は一般領域に受け入れられるものの、上記後半動作が行われている期間中(特定のタイミング)に進入した遊技球は特定領域に受け入れられる。
これにより、例えば時短状態に制御されることが確定される第1の表示態様が現れたにもかかわらず、上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に振り分けられる確率が「0%」になってしまうような場合を創出することができるようになる。また逆に、例えば時短状態に制御されることが確定される第1の表示態様が現れたときに、上記機械抽選装置の内部領域に進入した遊技球が上記特定領域に振り分けられる確率がほぼ「100%」とされるような場合も創出され得るため、こうした期待度演出と役物確率との関係で遊技興趣の向上を図ることができるようになる。
また、この第2の実施形態の回転式振分装置294によれば、前半動作が行われているような早い段階にて遊技球を内部領域に進入しても、遊技球は特定領域に受け入れられないようになる。したがって、時短状態に制御される期待度が低い(例えば、通常の遊技状態に制御されることが確定される第5の表示態様)にもかかわらず、誤って遊技球を内部領域に進入させてしまったとしても、これに早い段階で気付いて遊技球の打ち出しをやめれば、遊技球は特定領域に受け入れられない。これにより、遊技球が特定領域に受け入れられて、遊技球の払い出しがほとんどされない特別遊技状態を経た後に通常の遊技状態に制御されてしまうようなことが回避されるようになる(誤射に対する安全機能)。
ただし、上記回転式振分装置294によるこのような遊技球の振分態様では、0.5秒の開放期間が対応付けられた上記短当たりが当選された時点で、該当選に応じた補助遊技では上記特定領域に遊技球が振り分けられないことが確定してしまう。したがって、遊技者は、上記可動片142の駆動制御によって開放された内部領域に遊技球を進入させようとすることすら行わなくなり、遊技の興趣の低下が避けられない。
そこで、この実施の形態では、上記回転式振分装置294は、上記可動片142の一動作期間(短当たりのときは0.5秒、長当たりのときは1.8秒)内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けるようにした。すなわち、この実施の形態にかかる内部流下経路340は、最大2個の遊技球を停留可能であり、3個目以降の遊技球については上記回転式振分装置294に供給することなく、図示しない排出口から排出させる構造となっている。そしてこの上で、上記一般領域へと通じる流下経路344は、上記一般領域へと通じる流下経路344と上記内部流下経路340とが接続される期間(第1の時間t1から1秒までの期間)内に1つの遊技球のみが振り分け可能となるように構成されている。これにより、上記短当たりが当選されたときの0.5秒の開放期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2つの遊技球が進入したときは、一方の遊技球が上記一般領域へと通じる流下経路344に振り分けられ、他方の遊技球が上記特定領域へと通じる流下経路343に振り分けられるようになる。したがって、上記短当たりが当選された場合であっても、特典付与への期待を持てるようになり、ひいては遊技の興趣の低下が抑制されるようになる。
しかも、この実施の形態では、上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つが上記特定領域に必ず振り分けられる構成において、上記第2の特別図柄始動口82に遊技球が受け入れられたことに応じて上記役物当たりが当選されたときに上記機械抽選装置の内部領域への遊技球の進入が可能となる開放時間の期待値を「(T/N)×2」秒未満(T秒間にN個の遊技球が打ち込まれる条件のもとで計算上2個の遊技球が打ち込まれない時間)に設定するようにしている。
すなわち上述の通り、この第2の実施形態では、上記可動片142の一動作期間内に上記機械抽選装置の内部領域に2個以上の遊技球が進入したときは、それら遊技球のうちの少なくとも1つを上記特定領域に必ず振り分けることで、短当たりのときにも特典付与への期待を持てるようにしたものの、この期待があまりにも大きいようにしてしまうと、長当たりの場合との差別化が図れなくなり、短当たりを設けることとした趣旨が喪失されてしまう。この点、この第2の実施形態では、短当たりが当選されたときは、上記機械抽選装置の内部領域に計算上2個の遊技球が入球されない時間だけ上記可動片142の駆動制御を行うようにした。これにより、長当たりが当選されたときの期待度を上述の如く高く設定しつつも、短当たりでもある程度は期待できる程度に遊技を続行させることができるようになる。
以上、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、以下に示すように、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。
・時短状態に制御される期待度について、第1〜第5の表示態様にて事前示唆するようにして、これによってチャンスを待つ遊技を実行可能とした。ただしこの場合、チャンスを待つ分だけ次回の特別遊技が行われるまでの時間が長くなってしまい、メリハリのない遊技がダラダラと続くことによって遊技興趣の低下が懸念される。そこで、時短状態に制御されてから最初の所定期間(所定数(例えば5回など)の特別抽選が行われるまでの期間)は、第1〜第5の表示態様のうち、第1の表示態様と第5の表示態様とのいずれかのみを表示するようにすることが望ましい。すなわちこの場合、最初の所定期間にて第1の表示態様が表示されれば、この時点で役物遊技を行うようにすることで、極めて早い段階で次回の特別遊技が実行されるようにすることができるようになる。ただし、最初の所定期間については、役物遊技において特定領域に遊技球が受け入れられるために必要とされる平均回数よりも少ない期間、若しくは第2の特別抽選にて所定条件が満たされている旨判断されるために必要とされる平均回数よりも少ない期間とするほうが望ましい。これにより、上述のチャンスを待つ遊技を行う場合のほうが多くなり、当該遊技機としての趣旨が好適に確保されるようになる。
・また、時短状態に制御される期待度については、時短状態に制御されることが確定される第1の表示態様(100%の確率で時短状態に制御される)と、時短状態に制御されないことが確定される第5の表示態様(100%の確率で時短状態に制御される)とのいずれかのみで事前示唆するようにしてもよい。すなわちこの場合、上記第2の特別図柄始動口82への遊技球の入賞確率が高く設定されたもとで上記時短状態(特定遊技状態)が発生される期待度(確率)が「0%」の役物遊技の実行のみを選択的に回避し続けて、上記時短状態が発生される期待度(確率)が「100%」の役物遊技の実行機会が付与されるチャンスを待つ遊技を実行可能となる。したがって、遊技者にとって無駄のないスマートな遊技を実現することができるようになる。
・上記第2の実施形態にかかる回転式振分装置294は、上記可動片142の一動作期間内に2個以上の遊技球が上記内部領域に進入したときと、上記特定のタイミング(上記後半動作が行われている期間内のいずれかのタイミング)にて進入したときとのいずれかの条件が満たされたときに、該進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるようにした。ただし、上記可動片142の一動作期間内に2個以上の遊技球が上記内部領域に進入したときのみ、該進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるようにしてもよい。また逆に、上記特定のタイミング(上記後半動作が行われている期間内のいずれかのタイミング)にて進入したときのみ、該進入した遊技球を上記特定領域に振り分けるようにしてもよい。
・一般領域は複数形成されていてもよい。
・第2の実施形態において、上記内部流下経路340にて停留される遊技球の最大個数は2個でなくてもよく、適宜変更してもよい。例えば、上記内部流下経路340にて停留される遊技球の最大個数を1個にしてもよい。すなわちこの場合、上記前半動作の実行期間中に入球した遊技球は一般領域に振り分けられるか、上記回転式振分装置294に供給されることなく上記排出口(図示略)を通じて上記内部領域から排出されることとなる。
・上記可動片142の駆動制御があったときとは、上記特別抽選にて役物開放当たりが当選されたときであってもよいし、上記可動片142の駆動制御が実際に開始されたときであってもよい。
・上記第2の実施形態にかかる回転式振分装置294の回転速度は、必ずしも一定の速度にて1周するものでなくてもよい。また、上記回転式振分装置294は、1周以上回転するものであってもよいし、1週も回転しないものであってもよい。上記回転式振分装置294は、要は、基準回転角度を有し、上記可動片142の駆動制御があったときから常に同じ動作を行うものであればよい。
・上記機械抽選装置内にて遊技球を振り分ける抽選機構は、必ずしも回転によって動作するものでなくてもよく、例えばシーソのような動きをすることで遊技球を振り分けるものであってもよい。