JP2010200229A - 携帯用電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】人工衛星からの信号を受信する機能を備えた携帯用電子機器において、機器の姿勢が変わっても速やかにアンテナを切り替えて信号の受信感度を高めることができるようにする。
【解決手段】人工衛星からの信号を受信する機能を備えた携帯用電子機器において、機器本体(10)の前面と上面および側面にそれぞれアンテナ(14a〜14c)を設けるとともに、本体内部には傾斜センサ(15)を設け、予め本体前面と直交する軸回りの傾斜角とアンテナの利得との関係および本体側面と直交する軸回りの傾斜角とアンテナの利得との関係を予め求めてデータテーブルとしてROM22Bに格納しておき、傾斜センサからの信号に基づいて機器の傾斜角度を検出して使用するアンテナを切り替え、機器の姿勢のいかんにかかわらず信号の受信感度を高めることができるようにした。
【選択図】図2

Description

本発明は、人工衛星等からの信号を受信する機能を有する携帯用電子機器に関する。
近年、携帯用電子機器の多機能化に伴い、GPS機能を備えたデジタルカメラ(以下、「デジカメ」と称する)が提案されている。
ところで、デジカメは、一般的な横長の写真を撮るため、横長にして使う基本姿勢のほか、縦長の写真を撮るため、縦長に立てて使う縦長姿勢や、操作画面を見たり撮影画像を確認したりするため横にした姿勢で使うなど、使用状況に応じてカメラ本体の姿勢が様々に変化する。
このように機器の姿勢が様々に変化する電子機器において、GPS信号の受信機能を持たせた場合、機器の姿勢によってアンテナの受信感度が大きく変化することが予想される。そこで、機器本体に複数のアンテナを設け、受信感度の最も高いアンテナを選択して信号を受信することで、受信精度の向上を図る技術が考えられる。しかしながら、複数のアンテナを設けて順番に受信を行なって受信感度の最も高いアンテナを見つけて選択する方式にあっては、アンテナが決定されるまでの時間が長くなる。特に、建物の陰など受信状態が悪い場所ではその傾向が強くなる。
一方、デジカメ同様、使用時に機器の姿勢が大きく変化する携帯端末(携帯電話機)において、複数のアンテナおよび姿勢検出手段であるジャイロセンサ等を設けて、機器の姿勢に応じてアンテナを選択して受信感度を向上させるようにした発明が提案されている(特許文献1)。また、複数のアンテナ(アンテナアレイ)およびジャイロセンサ(傾きセンサ)やGPS受信機能などの方位センサを設けて、アンテナの指向性を高めるようにした発明も提案されている(特許文献2)。
特開2007−174121号公報 特開2004−64741号公報
特許文献1の発明は、機器の姿勢(使用状況)に応じてアンテナを切り替える点では本発明と類似しているが、該先願発明における複数のアンテナは通話時に適した指向性のアンテナとデータ通信時に適した無指向性アンテナであり、通話時かデータ通信時かをジャイロセンサで検出するものであり、GPS信号の受信感度を向上させるためにアンテナを切り替える本発明とは、目的も解決手段も異なっている。
一方、特許文献2の発明は、機器の姿勢に応じてアンテナを切り替える点で本発明と類似しているが、衛星からの信号ではなく基地局から信号の受信感度を高めるためアンテナを切り替えるものであるとともに、GPS信号は機器の地図上での位置を知って基地局の方向を見つけるために利用しており、GPS信号の受信感度を向上させるためにアンテナを切り替える本発明とは、目的およびセンサの使用方法が異なっている。つまり、本出願の発明ではGPS受信機能と傾きセンサは目的(主)と手段(従)の関係にあるのに対し、特許文献2の発明では、ジャイロセンサ(傾きセンサ)とGPS受信機能(センサ)は共に方位センサの一形態という対等の関係にある。
この発明は上記のような課題に着目してなされたものでその目的とするところは、機器の姿勢が変わっても速やかにアンテナを切り替えて外部からの信号の受信感度を高めることができるようにすることにある。
上記目的を達成するため請求項1に記載の受信アンテナ装置は、
互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれと直交するように機器の各部に配置された少なくとも3個のアンテナと、
前記X軸、Y軸およびZ軸のいずれか2つの軸回りの傾斜角度を検出可能な傾斜センサと、
無線信号を前記少なくとも3個のアンテナを介して受信する受信手段と、
前記少なくとも3個のアンテナの中から、いずれかのアンテナを前記受信手段に選択的に接続するアンテナ切替え手段と、
X軸、Y軸およびZ軸のいずれか2つの軸回りの傾斜角度とアンテナの利得とを対応付けて複数組記憶している記憶手段と、
前記傾斜センサからの信号に基づいて前記機器の傾斜角度を検出し、該検出された傾斜角度と対応付けて記憶されているアンテナの利得を前記記憶手段から読み出し、この読み出されたアンテナの利得に対応して前記3個のアンテナのうち1つのアンテナを選択し、この選択されたアンテナを前記受信手段に接続するように前記アンテナ切替え手段を切り替え制御する制御手段と、
を備えていることを特徴としている。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の発明において、
前記無線信号は、人工衛星からの信号であり、前記前記X軸、Y軸およびZ軸のうち1つは鉛直方向の軸とされ、前記記憶手段は、前記X軸、Y軸およびZ軸のうち残り2つの軸回りの角度と前記アンテナの利得との関係を示す値を記憶していることを特徴としている。
請求項3に記載の発明は、請求項1または2に記載の受信携帯用電子機器と、
この受信アンテナ装置に設けた撮像部と、
を備える機能を制御することを特徴としている。
請求項4に記載の発明は、請求項3に記載の発明において、
前記機器本体は、直方体をなす筐体であり、前記少なくとも3個のアンテナのうち1つのアンテナは、前記機器本体の上面部に配置され、他の1つのアンテナは、前記機器本体の前面部に配置され、残りの1つのアンテナは、前記機器本体の側面部に配置されていることを特徴としている。
請求項5に記載の発明は、請求項3または4に記載の発明において、
前記機器本体は、レンズと、前記機器本体の内部であって前記レンズの後方に配置された撮像手段と、を備えることを特徴としている。
請求項6に記載の発明は、請求項3〜5のいずれかに記載の発明において、
前記制御手段は、前記傾斜センサからの信号に基づいて前記機器本体の傾斜角度を判別し、該傾斜角度が所定時間以上所定角度範囲内にある場合に、前記傾斜角度を用いて前記記憶手段を参照して前記少なくとも3個のアンテナのうちいずれか1つのアンテナを選択し、該選択されたアンテナを前記受信手段に接続するように前記アンテナ切替え手段を制御するアンテナ切替え手段を備えることを特徴としている。
本発明によれば、傾斜センサからの信号に基づいて機器の傾斜角度を検出し、該検出された傾斜角度と対応付けて記憶されているアンテナの利得を記憶手段から読み出し、この読み出された利得に対応して、3個のアンテナのうち1つのアンテナを選択し、この選択されたアンテナを受信手段に接続するようにアンテナ切替え手段を迅速かつ確実に切り替えることができる。この結果、機器の姿勢が変わっても速やかにアンテナを切り替えて、外部からの信号の受信感度を高めることができるという効果がある。
本発明を適用したデジカメの一実施例を示す斜視図である。 本発明を適用したデジカメの制御系の実施例を示すブロック構成図である。 カメラを90度後ろ側へ倒した状態を示す斜視図である。 カメラをX軸回りに回転させた時の傾斜角と前面側と上側の2つのアンテナの利得の変化の様子を示すグラフ(放射パターン図)である。 カメラをX軸回りに回転させた時の傾斜角と前面側と上面側の2つのアンテナの利得との関係を示すデータの記憶内容を示す図である。 カメラを90度横に回転させた状態を示す斜視図である。 カメラをY軸回りに回転させた時の傾斜角と側面側と上面側の2つのアンテナの利得の変化の様子を示すグラフ(放射パターン図)である。 制御部によるアンテナ切替え制御処理の手順の一例を示すフローチャートである。 制御部によるアンテナ切替え制御処理の手順の他の例を示すフローチャートである。
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施例)
図1には、本発明を携帯用電子機器の一例としてデジカメに適用した場合の実施例が示されている。
この実施例のデジカメは、電子機器の本体を構成するカメラ本体10の前面にレンズ11が設けられ、カメラ本体10の上面にはシャッターボタン12や、内部のCPU22Aに対して指令を入力する機能選択ボタン13などが設けられている。図示しないが、本体の内部であって前記レンズ11の後方にはCCD撮像素子のような撮像手段が配置され、さらに、カメラ本体10の背面にはモニタ用の液晶表示パネルが設けられている。その他の部品やカメラの機能は、通常のデジカメと同様であるので、説明を省略する。
この実施例のデジカメにおいては、カメラ本体10の前面と上面および側面(左右いずれでも可)に、それぞれアンテナ14a,14b,14cが設けられている。これらのアンテナとしては、例えば特開2005-79838号公報等に開示されているパッチアンテナのような平面型のアンテナが適している。アンテナ14bは、カメラ本体10の前面でなく背面に設けても良い。さらに、この実施例のデジカメには、カメラ本体10の内部にカメラの傾きを検出するための傾斜センサ15が設けられている。傾斜センサ15には、ジャイロセンサを用いるようにしても良い。カメラ本体10の前面と上面および側面の3箇所にアンテナ14a,14b,14cを配置し、後述の方法でいずれか1つを選択することによって、少ない数のアンテナで良好な受信を行うことができる。
図2には、本実施例のデジカメにおける制御系の構成を示すブロック図が示されている。
図2に示すように、本実施例のデジカメの制御系は、電池を内蔵し電源電圧を各部へ供給する電源部21と、機器全体の制御を行うCPU(マイクロプロセッサ)22Aを備えた制御部22と、上記傾斜センサ15からの信号に基づいて傾斜角を検出する角度検出部23と、シャッターボタン12や機能選択ボタン13等に内蔵されたスイッチからの信号やCCDなどの撮像素子からの映像信号を入力する入力部24、撮影時のモニタや撮影画像の再生のための表示を行うLCD(液晶パネル)などからなる表示部30を駆動する表示駆動部25を備える。
また、本実施例のデジカメの制御系は、上記アンテナ14a,14b,14cからの信号を検波し増幅する受信回路26と、いずれか1つのアンテナからの信号を選択して上記受信回路26へ供給するアンテナ切替え回路27を備え、該アンテナ切替え回路27内の切替えスイッチ27aは制御部22からの制御信号によって切替えが行なわれるように構成されている。
制御部22は、CPU22Aが実行する制御プログラムや制御データを格納したROM(読出し専用メモリ)22Bや、CPU22Aに作業領域を提供したり演算データを記憶したりするRAM(随時読出し書込み可能なランダムアクセスメモリ)22Cとを備える。後述のアンテナ切替えのための値を保持するデータテーブルは、ROM22B内に格納されている。テーブルを用意しておくことで、後述の判定が容易に行えるようになる。
また、制御部22は、カメラの撮影機能や表示機能等に関する制御を行うとともに、上記角度検出部23からの信号に基づいて機器本体であるカメラ本体10の姿勢を判定する姿勢判定部28を備え、この姿勢判定部28に応じてアンテナ切替え制御を行うように構成されている。この姿勢判定部28は制御部22が有するソフトウェアによって実現することができる。カメラの機能を制御する制御部22がアンテナ切替え回路27も制御することで別々に制御手段を設ける必要がない。
次に、本実施例のデジカメにおけるアンテナ切替えの原理について説明する。
デジカメは、一般に、図1に示すような姿勢で撮影が行なわれる。このように、レンズ11の光軸が水平方向でシャッターボタン12が上方に位置している正規姿勢では、カメラ本体上面のアンテナ14aの利得(受信強度)が最も高く、アンテナ14bと14cの利得は低い。したがって、この場合にはアンテナ14aの信号を選択して受信回路26へ入力するのが望ましい。一方、カメラ本体10を、図1に示されているX軸中心として90度後方へ回転させて、図3のように、カメラ前面が上方を向いた姿勢にすると、アンテナ14bの利得が最も高くなり上面のアンテナ14aの利得は低くなる。なお、この間、アンテナ14cの利得はほとんど変わらない。
図4には、上記のように、カメラ本体10を、X軸中心として回転させて行ったときの、各角度におけるアンテナ14aと14bの利得をグラフ(放射パターン)で、また、図5には、回転角度θとアンテナ14aおよび14bの利得との関係を表形式で示してある。図4において、実線Aはアンテナ14aの利得変化を表わし、破線Bはアンテナ14bの利得変化を表わしている。実線Aと破線Bとが交わる角度をθ1,θ2,θ3,θ4とすると、θ1,θ2,θ3,θ4は35度、145度、210度、280度付近である。
図4および図5より、回転角度(傾斜角)θが270度〜35度の範囲(θ4〜θ1)および145度〜210度の範囲(θ2〜θ3)では、アンテナ14aの利得の方が高く、回転角度(傾斜角)θが35度〜145度の範囲(θ1〜θ2)および210度〜280度の範囲(θ3〜θ4)では、アンテナ14bの利得の方が高いことが分かる。
そこで、この実施例では、カメラ本体がX軸を中心として傾いている場合には、回転角度(傾斜角)θが270度〜35度の範囲および145度〜210度の範囲では、アンテナ14aの信号を選択し、35度〜145度の範囲および210度〜280度の範囲では、アンテナ14bの信号を選択するように、アンテナ切替え回路27を制御するようにしている。
一方、デジカメでは、図1のY軸を中心にして本体を90度回転させて、図6のように縦にした状態で撮影をすることもある。このように、レンズ11の面画が垂直方向でシャッターボタン12が側方に位置している姿勢では、カメラ本体側面のアンテナ14cの利得が最も高く、アンテナ14aと14bの利得は低い。したがって、この場合にはアンテナ14cの信号を選択して受信回路26へ入力するのが望ましい。なお、この間、アンテナ14bの利得はほとんど変わらない。
図7には、上記のように、カメラ本体10を、Y軸中心として回転させて行ったときの、各角度におけるアンテナ14aと14cの利得をグラフで示してある。図7において、実線Aはアンテナ14aの利得変化を表わし、一点鎖線Cはアンテナ14cの利得変化を表わしている。図7の一点鎖線Cは、図4におけるアンテナ14bの利得変化を表わす破線Bと同じである。従って、実線Aと一点鎖線Cとが交わる角度をθ’1,θ’2,θ’3,θ’4は、図4において実線Aと破線Bとが交わる角度をθ1,θ2,θ3,θ4と同じである。
図7より、回転角度(傾斜角)θが270度〜35度の範囲および145度〜210度の範囲では、アンテナ14aの利得の方が高く、回転角度(傾斜角)θが35度〜145度の範囲および210度〜280度の範囲では、アンテナ14cの利得の方が高いことが分かる。
そこで、この実施例では、カメラ本体がY軸を中心として傾いている場合には、回転角度(傾斜角)θ’が270度〜35度の範囲(θ’4〜θ'1)および145度〜210度の範囲(θ2’〜θ3’)では、アンテナ14aの信号を選択し、35度〜145度の範囲(θ’1〜θ’2)および210度〜280度の範囲(θ’3〜θ’4)では、アンテナ14cの信号を選択するように、アンテナ切替え回路27を制御するようにしている。図2の制御部22のROM22B内には、アンテナ14aと14cの利得に関し、図5と同様なデータテーブルが格納されており、制御部22は傾斜センサ15により検出された傾斜角θ’に基づいてROM22B内のデータテーブルを参照して使用するアンテナを決定するようになっている。
次に、図2の制御部22による上記原理に従ったアンテナ切替え制御処理の手順の一例を、図8のフローチャートを用いて説明する。
アンテナ切替え制御処理では、先ずGPSの電波受信要求があったか否かを判定する(ステップS1)。GPSの電波受信要求は、例えばユーザがカメラ本体10に設けられている機能選択ボタン13を操作して、GPSによる現在位置表示を指令した場合などに制御部22のCPU22Aに対してなされる。制御部22内のCPU22Aは、電波受信要求があったと判定すると、次に、傾斜センサ15からCPU22Aに対して入力された傾斜データに基づいてカメラ本体10の傾斜角度(本体の傾き)を検出する(ステップS2)。
それから、ROM22B内のデータテーブル(図5)を参照して、検出された傾斜角度に基づいて、上方を向いている複数のアンテナ14a〜14cの中から、GPS信号の受信に最適なアンテナを判別する(ステップS3)。具体的には、例えば先ずX軸回りの傾斜角θとY軸回りの傾斜角θ’の絶対値を比較してどちらの軸を中心としてカメラ本体10が傾いているかを判定し、θ>θ’のときはカメラ本体10が前後方向に傾いているとみなす。
そして、θがθ4<θ<θ1またはθ2<θ<θ3の範囲にあるときはアンテナ14aからの信号を選択し、θがθ1<θ<θ2またはθ3<θ<θ4の範囲にあるときはアンテナ14bからの信号を選択するように切替え回路27を制御する(ステップS4)。具体的には、傾斜センサ15により検出された傾斜角θに対応した各アンテナの利得を、ROM22B内のデータテーブル(図5)を参照して取得し(ステップS3a)、どちらが大きいか判定して利得が大きい方のアンテナを選択する。
一方、θ<θ’のときはカメラ本体が左右方向に傾いているとみなす。そして、θ’がθ’4<θ’<θ’1またはθ’2<θ’<θ’3の範囲にあるときはアンテナ14aからの信号を選択し、θ’がθ’1<θ’<θ’2またはθ’3<θ’<θ’4の範囲にあるときはアンテナ14cからの信号を選択するように切替え回路27を制御する(ステップS4)。この場合の選択もROM22B内のデータテーブルを参照して行う。その後、ステップS5へ移行して、受信を続行するか否か判定し、受信を続行するときはステップS2へ戻り、受信を続行しないときは処理を終了する(ステップS5)。上記のような処理を行うことで、機器本体の姿勢が変わっても速やかにアンテナを切り替えて、GPS信号の受信感度を高めることができる。
また、デジカメは、一般に、図1の姿勢または図3もしくは図6の姿勢のいずれかの姿勢をとる場合がほとんどであると考えられるので、図8のような手順に従った簡単な処理によって、受信に最適なアンテナに切り替えてGPS信号を受信することができるという効果が得られる。ただし、稀には、カメラ本体が立てた状態や横にした状態でなく斜めにした状態で操作される場合も考えられる。
(変形例)
次に、カメラ本体が斜めになっている状態でも最適なアンテナの切替えが行える制御を、図9のフローチャートを用いて説明する。
図9の処理では、ステップS11で電波受信要求があったと判定すると、先ず傾斜センサ15からの入力に基づいてX軸、Y軸、Z軸回りの本体の傾きθ,θ’,θ”を検出し、検出した傾きが例えば1秒のような所定時間以上を継続して、例えば±5度以内のような所定角度範囲内にあるか否かを判定する(ステップS12)。カメラの姿勢が不安定な状態では、正確なアンテナ切替え制御が行なえないためである。所定時間以上を継続して所定角度範囲内にあることを確認してから、その後の処理(ステップS2)へ移行することで、正確なアンテナ切替え制御を行うことができるようになる。
ステップS12で、本体の傾きが所定時間以上を継続して所定角度範囲内にあると判定したときは、ステップS13へ移行して傾き|θ|と|θ’|が共に所定角度θa(例えば30度)以下か否か判定し、θa以下の時はアンテナ14aを選択する(ステップS21)。一方、|θ|と|θ’|が共に所定角度θa以上のときは、Z軸回りの本体の傾きθ”に応じて係数αを決定する(ステップS14)。
続いて、|θ|と|θ’|のいずれが大きいか判定する(ステップS15)。そして、|θ|>|θ’|のときは、θに対応した各アンテナの利得Ga,Gbをテーブルより取得して、Gaに対しては前記係数α(<1)を乗じた値αGaを算出し、αGaとGbのいずれが大きいかの判定(ステップS16)を行い、Gb>αGaのときはアンテナ14bを選択し、αGa>Gbのときはアンテナ14aを選択する(ステップS18,S19)。
一方、ステップS15で|θ’|>|θ|と判定したときは、θ’に対応した各アンテナの利得Ga,Gcをテーブルより取得して、Gaに対しては前記係数α(<1)を乗じた値αGaを算出し、αGaとGcのいずれが大きいかの判定(ステップS17)を行い、Gc>αGaのときはアンテナ14cを選択し、αGa>Gcのときはアンテナ14aを選択する(ステップS19,S20)。上記のような切替え制御を行うことによって、カメラ本体が斜めになっている状態でも、受信に最適なアンテナに切り替えてGPS信号を受信することができるという効果が得られる。
さらに、アンテナA〜Cの形状(利得特性)が円のように回転させても変化しない形状である場合には、例えばアンテナBがY軸回りに回転したりアンテナCがX軸回りに回転したとしてもそれぞれ利得は変化しないが、アンテナA〜Cの形状が円に近似する形状でない場合には、例えばアンテナBがY軸回りに回転したりアンテナCがX軸回りに回転した時に利得が変化する。従って、このようなアンテナを使用する場合に、高い精度でアンテナの切替え制御をするには、それぞれの回転角度も考慮するのが望ましい。
具体的には、ステップS15とS16との間に、Y軸回りの本体の傾きθ’に応じて係数βを決定するステップを設けるとともに、ステップS15とS17との間に、X軸回りの本体の傾きθに応じて係数βを決定するステップを設ける。そして、ステップS16ではアンテナの利得Gbに対して係数βを乗じた値βGbを算出し、αGaとβGbのいずれが大きいかの判定をする。また、ステップSS17ではアンテナの利得Gcに対して係数βを乗じた値βGcを算出し、αGaとβGcのいずれが大きいかの判定をするように構成すれば良い。
なお、上記実施例において必要な係数α,βは、それぞれ角度θ,θ’,θ”に応じた値を保持する図5と同様なデータテーブルを用意して制御部22内のROM22Bに格納しておくことで、上記のような処理を容易に実現することができる。
以上本発明者によってなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施例に限定されるものではない。例えば、前記実施例では、アンテナ14a〜14cとしてパッチアンテナを使用するとしたが、それ以外のアンテナであっても良い。また、アンテナ14aは前面ではなく背面に設けても良いし、アンテナ14cは正面から向かって左側ではなく右側に設けても良い。さらに、アンテナは3つでなく、本体の両側面に設けて計4個としたり、前面と背面にも設けて計5個とすることも可能である。
さらに、以上の説明では主として本発明者によってなされた発明をその背景となった利用分野であるデジカメに適用した場合を説明したが、本発明は、デジカメに限定されず例えばPDA(パーソナル・デジタル・アシスタンツ)その他GPS機能を内蔵した携帯用電子機器に広く適用することができる。また、受信信号もGPS信号に限定されず、衛星放送信号を受信する機能を備えた携帯用電子機器にも適用することができる。
10 カメラ本体
11 レンズ
12 シャッターボタン
14a,14b,14c アンテナ
15 傾斜センサ
21 電源部
22 制御部
23 角度検出部
24 入力部
25 表示駆動部
26 受信回路
27 アンテナ切替え回路
28 姿勢判定部
30 表示部

Claims (6)

  1. 互いに直交するX軸、Y軸およびZ軸のそれぞれと直交するように機器の各部に配置された少なくとも3個のアンテナと、
    前記X軸、Y軸およびZ軸のいずれか2つの軸回りの傾斜角度を検出可能な傾斜センサと、
    無線信号を前記少なくとも3個のアンテナを介して受信する受信手段と、
    前記少なくとも3個のアンテナの中から、いずれかのアンテナを前記受信手段に選択的に接続するアンテナ切替え手段と、
    X軸、Y軸およびZ軸のいずれか2つの軸回りの傾斜角度とアンテナの利得とを対応付けて複数組記憶している記憶手段と、
    前記傾斜センサからの信号に基づいて前記機器の傾斜角度を検出し、該検出された傾斜角度と対応付けて記憶されているアンテナの利得を前記記憶手段から読み出し、この読み出されたアンテナの利得に対応して前記3個のアンテナのうち1つのアンテナを選択し、この選択されたアンテナを前記受信手段に接続するように前記アンテナ切替え手段を切り替え制御する制御手段と、
    を備えていることを特徴とする携帯用電子機器。
  2. 前記無線信号は、人工衛星からの信号であり、前記前記X軸、Y軸およびZ軸のうち1つは鉛直方向の軸とされ、前記記憶手段は、前記X軸、Y軸およびZ軸のうち残り2つの軸回りの角度と前記アンテナの利得との関係を示す値を記憶していることを特徴とする請求項1に記載の携帯用電子機器。
  3. 請求項1または2に記載の受信携帯用電子機器と、
    この受信アンテナ装置に設けた撮像部と、
    を備えることを特徴とする携帯用電子機器。
  4. 前記機器本体は、直方体をなす筐体であり、前記少なくとも3個のアンテナのうち1つのアンテナは、前記機器本体の上面部に配置され、他の1つのアンテナは、前記機器本体の前面部に配置され、残りの1つのアンテナは、前記機器本体の側面部に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の携帯用電子機器。
  5. 前記機器本体は、レンズと、前記機器本体の内部であって前記レンズの後方に配置された撮像手段と、を備えることを特徴とする請求項3または4に記載の携帯用電子機器。
  6. 前記制御手段は、前記傾斜センサからの信号に基づいて前記機器本体の傾斜角度を判別し、該傾斜角度が所定時間以上所定角度範囲内にある場合に、前記傾斜角度を用いて前記記憶手段を参照して前記少なくとも3個のアンテナのうちいずれか1つのアンテナを選択し、該選択されたアンテナを前記受信手段に接続するように前記アンテナ切替え手段を制御するアンテナ切替え手段を備えることを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載の携帯用電子機器。
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