JP2010199402A - 成膜方法及び成膜装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】歩留まりよく高スループットで基板上にパターンを形成することができる成膜方法を提供する。
【解決手段】本発明の成膜方法は、基板の成膜面に、成膜材料の粒子に対して高い親和性を示す高親和性領域と、前記親和性領域よりも低い親和性を示す低親和性領域とを形成する工程と、前記基板との間に電子捕捉部を備えたスパッタ装置を用いて、前記成膜面に前記成膜材料の粒子を飛来させ、前記高親和性領域に選択的に前記成膜材料を堆積させる工程と、を有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、成膜方法及び成膜装置に関するものである。
従来、所定パターンの膜の形成には、樹脂を主成分とするマスクを用いたエッチング法が広く利用されている。具体的には、レジスト材料の塗布、露光・現像、エッチング、マスク(レジスト)除去・洗浄の手順が必要である。これらの工程には、時間と手間がかかるため、コストが高い、スループットが低い等の課題があった。
上記課題を解決するために、工程数が少なくて済む各種プロセスが提案されている。例えば、下記特許文献1には、基材表面に表面処理を施し、任意形状に撥液膜パターンを形成した後、蒸着法などにより成膜することでパターンを形成することが開示されている。
特開2005−213598号公報
しかし、特許文献1記載の成膜方法では、成膜手段としてスパッタ法を用いると、表面処理により形成した薄膜(低親液性領域)が破壊される場合があり、実質的に真空蒸着法しか用いることができない。そのため、パーティクルの発生や生産能力の観点では未だ課題がある。
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み成されたものであって、歩留まりよく高スループットで基板上にパターンを形成することができる成膜方法と成膜装置を提供することを目的の一つとする。
本発明の成膜方法は、基板の成膜面に、成膜材料の粒子に対して高い親和性を示す高親和性領域と、前記親和性領域よりも低い親和性を示す低親和性領域とを形成する工程と、前記基板との間に電子捕捉部を備えたスパッタ装置を用いて、前記成膜面に前記成膜材料の粒子を飛来させ、前記高親和性領域に選択的に前記成膜材料を堆積させる工程と、を有することを特徴とする。
この成膜方法によれば、フォトリソグラフィー工程を用いることなく基板上に薄膜のパターンを形成することができ、低コストで成膜工程を実施することができる。
また、電子捕捉部を備えたスパッタ装置を用いるので、スパッタ装置のプラズマから放射される電子を電子捕捉部により捕捉又は反射させ、基板の成膜面に電子が到達しないようにすることができる。これにより、成膜面に形成された官能基や被膜などが電子放射により損傷してしまうのを防止できる。したがって、本発明によれば、従来は実質的に用いることができなかったスパッタ法により成膜を実施することができるので、蒸着法におけるパーティクルの問題やスループットの問題を解決することができる。
前記高親和性領域及び前記低親和性領域を形成する工程が、前記成膜面を表面処理することで前記成膜面に官能基を導入する工程と、前記成膜面上の官能基を部分的に除去することで前記成膜面に前記高親和性領域及び前記低親和性領域を形成する工程と、を有することが好ましい。
この成膜方法によれば、大がかりな装置を導入することなく、高スループットで低親和性領域及び高親和性領域を形成することができる。
前記成膜面上の官能基を部分的に除去する工程が、前記成膜面の一部にプラズマを照射する工程であることが好ましい。
この成膜方法によれば、フォトリソグラフィー工程を用いることなくスパッタ工程のマスクを形成することができる。
前記成膜面上の官能基を部分的に除去する工程が、前記成膜面の一部に光線を照射する工程であることも好ましい。
この成膜方法によれば、プラズマ照射によるマスク形成よりもさらに微細なマスクを形成することができる。
本発明の成膜装置は、基板の成膜面に官能基を導入する表面処理装置と、前記成膜面上の官能基を部分的に除去する表面制御装置と、電子捕捉部を備えたスパッタ装置と、を備えたことを特徴とする。
この成膜装置によれば、フォトリソグラフィー工程を用いることなく基板上に薄膜のパターンを形成することができ、低コストで成膜工程を実施することができる。
また、電子捕捉部を備えたスパッタ装置を用いるので、スパッタ装置のプラズマから放射される電子を電子捕捉部により捕捉又は反射させ、基板の成膜面に電子が到達しないようにすることができる。これにより、成膜面に形成された官能基や被膜などが電子放射により損傷してしまうのを防止できる。したがって、本発明によれば、従来は実質的に用いることができなかったスパッタ法により成膜を実施することができるので、蒸着法におけるパーティクルの問題やスループットの問題を解決することができる。
前記表面制御装置が、前記成膜面上で局所的にプラズマを発生させる局所プラズマ処理装置であることが好ましい。かかる成膜装置によれば、フォトリソグラフィー工程を用いることなくスパッタ工程のマスクを形成することができる。
前記表面制御装置が、前記成膜面に紫外線を照射する光照射装置であることが好ましい。
かかる成膜装置によれば、プラズマ照射によるマスク形成よりもさらに微細なマスクを形成することができる。
前記電子捕捉部が、ターゲットと前記基板との間に設けられた磁力発生手段であることが好ましい。
かかる成膜装置によれば、簡素な構成で電子捕捉部を構成でき、低コストで製造可能なスパッタ装置を備えた構成となる。
前記スパッタ装置が、互いに対向して配置された一対のターゲットを備えており、前記電子捕捉部が、一対の前記ターゲット間に設けられたプラズマ発生領域と前記基板との間に設けられていることが好ましい。
この構成によれば、基板に対して入射角を規制されたスパッタ粒子を飛来させることができ、機能性を付与された薄膜を容易に形成することができる。さらに、電子捕捉部によってプラズマを良好に閉じこめることができ、プラズマから放射される電子による基板や官能基のダメージを抑えることができる。
前記表面処理装置が、気相法によりカップリング剤の被膜を形成する装置であることが好ましい。この構成によれば、基板上に比較的強固に結合したカップリング剤の被膜を形成することができる。
前記表面処理装置が、液相法によりカップリング剤の被膜を形成する装置であることも好ましい。この構成によれば、簡便な工程で多数の基板にカップリング剤を塗布することができる。
本発明の成膜方法を示すフローチャート。 本発明の成膜方法における基板の状態遷移を示す工程図。 本発明の成膜方法における基板の状態遷移を示す工程図。 本発明の成膜装置を示す図。 表面処理装置の複数の構成例を示す図。 表面制御装置の一例である局所プラズマ処理装置を示す図。 表面制御装置の一例である紫外線露光装置を示す図。 対向ターゲット型のスパッタ装置を示す図。 スパッタ装置を示す図。 電気光学装置の一例である電気泳動表示装置を示す図。 電子機器の一例である電子ペーパーを示す図である。
以下、図面を用いて本発明の成膜装置及び成膜方法について説明する。
なお、本発明の範囲は、以下の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想の範囲内で任意に変更可能である。また、以下の図面においては、各構成をわかりやすくするために、実際の構造と各構造における縮尺や数等を異ならせている。
図1は、本発明の一実施の形態である成膜方法を示すフローチャートである。図2は、図1に示す各工程における基板の状態を示す斜視図である。図3は、図2に対応する基板の断面図である。図4は、本発明の成膜方法の実施に好適な成膜装置の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態の成膜方法は、表面処理工程S1と、表面制御工程S2と、スパッタ成膜工程S3とを有する。また図4に示すように、本実施形態の成膜方法の実施に好適に用いることができる成膜装置100は、表面処理装置110と、表面制御装置120と、スパッタ装置130とを備えている。
成膜装置100は、処理対象の基板10を、表面処理装置110(表面処理工程S1)、表面制御装置120(表面制御工程S2)、及びスパッタ装置130(スパッタ成膜工程S3)により順次処理に供することで、基板10上に所望パターンの薄膜を形成する装置である。
以下、上記各工程について、それらの工程に好適に用いることができる処理装置とともに説明する。
(表面処理工程S1)
表面処理工程S1では、図2及び図3の(a)図に示す基板10の表面に、図2及び図3の(b)図に示すように表面修飾層11を形成する。
[表面処理装置]
まず、表面処理工程S1で用いる表面処理装置110としては、例えば、図5(a)に示す熱CVD装置110A、又は図5(b)に示すディップコート装置110Bを用いることができる。
なお、これらの装置は表面処理装置を例示するものであり、表面処理工程S1の目的に合致する範囲において装置構成は変更することができる。
図5(a)に示す熱CVD装置110Aは、真空チャンバー111と、材料供給源112と、真空ポンプ113と、加熱装置114とを備えている。
熱CVD装置110Aにより表面処理を実施するには、真空ポンプ113により所定圧力に制御された真空チャンバー111内に基板10を配置する。そして、加熱装置114により真空チャンバー111内を所定温度に制御しながら、材料供給源115から成膜材料を供給する。これにより、基板10上に成膜材料を付着させることができる。熱CVD装置110Aによれば、基板10の表面に官能基を導入したり、被膜を形成することができる。
図5(b)に示すディップコート装置110Bは、箱形の浸漬槽116と、浸漬槽116内に収容された処理液117とを備えている。
ディップコート装置110Bによれば、処理液117中に基板10を浸漬した後、所定速度で基板10を引き上げることで、基板10の表面に官能基を導入したり、被膜を形成することができる。処理液117は、基板10の表面に導入される官能基を有するカップリング剤の溶液や、被膜の構成成分を有する溶液である。
[表面処理方法]
基板10はいかなる材料で構成されたものであってもよいが、例えば、石英ガラス、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、各種低誘電率材料(いわゆる、low−K材)等の各種絶縁材料(誘電体)や、シリコン(例えば、アモルファスシリコン、多結晶シリコン等)、インジウム錫酸化物(ITO)、インジウム酸化物(IO)、酸化スズ(SnO)、アンチモン錫酸化物(ATO)、インジウム亜鉛酸化物(IZO)、Al、Al合金、Cr、Mo、Ta等の導電性材料で構成されたものを用いることができる。また、基板10は、これらの材料で構成された層を複数有する多層構成のものであってもよい。また、基板10は、薄膜13(図2(d)参照)を形成した後、除去(分離)されるものであってもよく、薄膜13と一体的に使用されるものであってもよい。
基板10の成膜面10a(図示上面)に表面修飾層11を形成する方法としては、例えば、基板10の成膜面10aに官能基を導入する方法、基板10の成膜面に機能膜を形成する方法、基板10の成膜面にイオン等を打ち込む方法等が挙げられる。
これらの中でも、特に、基板10の成膜面10aに官能基を導入する方法を用いることが好ましい。かかる方法によれば、大掛かりな設備を必要とせず、容易かつ精度よく表面修飾層11を形成することができる。
本実施形態の場合、表面修飾層11は、撥液性の高い官能基を成膜面10aに導入することで形成される。高い撥液性を有する官能基としては、例えば、フルオロアルキル基、アルキル基、ビニル基、エポキシ基、スチリル基、メタクリロキシ基等が挙げられる。これらの官能基は、当該官能基を所定の主鎖に置換基として結合させたものを基板10の成膜面10aに導入してもよく、場合によっては、これらの官能基自体を基板10の成膜面10aに直接導入してもよい。
このような官能基を基板10の成膜面10aに導入する方法としては、導入する官能基を有するカップリング剤または界面活性剤等による表面処理が好適である。かかる方法によれば、目的とする官能基を基板10の成膜面10aに、容易かつ確実に導入することができる。
カップリング剤としては、例えば、シランカップリング剤、チタンカップリング剤、アルミニウムカップリング剤、ジルコニウムカップリング剤、有機リン酸カップリング剤、シリルパーオキサイドカップリング剤等を用いることができる。また、界面活性剤としては、例えば、導入する官能基を終端に有する各種界面活性剤等を用いることができる。
さらに詳しくは、カップリング剤としては、一般式RSiX(4−n)(但し、Xは、加水分解によりシラノール基を生成する加水分解基、Xはフルオロアルキル基である。また、nは1〜3の整数である。)で表されるシランカップリング剤を使用することが好ましい。かかるシランカップリング剤を用いることで、表面修飾層11としてフルオロアルキル基を導入することができ、成膜面10aに撥液性を付与することができる。シランカップリング剤は、基板10の成膜面10aに強固に結合させることができ、また、フルオロアルキル基は、撥液性が特に高いため、成膜面10aの親和性の程度を容易に制御することができる。
また、上記一般式において、Xとしてはメトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子等が挙げられ、Rとしては、(CF)(CFa(CH(但し、aは0以上の整数、bは0〜4の整数である。)で表されるフルオロアルキル基等等が挙げられる。なお、複数個のR同士またはX同士は、互いに同じものであっても、異なるものであってもよい。シランカップリング剤の具体例としては、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロ−1,1,2,2テトラヒドロオクチルトリクロロシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。
カップリング剤や界面活性剤は、図5(a)に示す熱CVD装置110Aを用いた熱CVD法、あるいは、図5(b)に示すディップコート装置110Bを用いたディップコート法により、基板10の成膜面10aに塗布ないし成膜することができる。
なお、カップリング剤や界面活性剤の塗布、成膜法は、上記の方法に限られるものではない。例えば、塗布法としては、ディップコート法のほか、スリットコート法やインクジェット法、オフセット印刷法やマイクロコンタクトプリント法などを用いることもできる。
以下、成膜面10a上に表面修飾層11を形成する方法について具体的に説明する。
まず、基板10を、例えば、水(純水等)、有機溶媒等を単独または適宜組み合わせて洗浄する。基板10としては、石英基板やガラス基板、プラスチック基板などの表面に水酸基を有するものや、表面に水酸基を導入可能なシリコン基板などが好適に用いられる。なお、基板10の表面にシリコン酸化物膜などの水酸基を有する下地膜が形成されている場合には、基板10の材質は特に限定されない。
次に、熱CVD法又はディップコート法によりシランカップリング剤を基板10の成膜面に成膜又は塗布する。
熱CVD法を用いる場合には、図5(a)に示した材料供給源112にカップリング剤を配置し、基板10を真空チャンバー111内に配置する。また、真空ポンプ113により真空チャンバー111内を所定圧力に制御するとともに、加熱装置114により真空チャンバー111内を所定温度に制御する。
そして、所定圧力、所定温度に制御された環境下で材料供給源112からカップリング剤の蒸気を真空チャンバー111内に導入する。すると、シランカップリング剤は、加水分解反応及び重縮合反応により、基板10の成膜面10aに存在する水酸基とシロキサン結合を形成する。また、成膜面10a上のシランカップリング剤同士もシロキサン結合を形成し、成膜面10a上に単分子膜を形成する。これにより、フルオロアルキル基がシロキサン結合を介して成膜面10a上に結合した表面修飾層11が形成される。
一方、ディップコート法を用いる場合には、図5(b)に示した浸漬槽116に、シランカップリング剤を含む処理液117を収容し、基板10を処理液117に浸漬する。その後、基板10を処理液117から所定速度で引き上げることで、シランカップリング剤を基板10の成膜面10aに塗布する。
次に、例えば加熱することにより、シランカップリング剤の加水分解基を加水分解させ、生成したシラノール基と基板10の成膜面10aに存在する水酸基とを反応させて、シロキサン結合を形成させる。これにより、フルオロアルキル基がシロキサン結合を介して基板10の成膜面10aに結合した表面修飾層11が形成される。
以上の工程により、基板10の成膜面10aに表面修飾層11が形成されたならば、表面処理工程S1を終了し、表面制御工程S2に移行する。
(表面制御工程S2)
次に、表面制御工程S2について、図2及び図3の(c)図、並びに図6及び図7を参照しつつ説明する。
表面制御工程S2では、図2及び図3の(c)図に示すように、表面修飾層11の一部を除去することで、基板10の成膜面10aに、低親和性領域12aと、高親和性領域12bとを形成する。
[表面制御装置]
まず、表面制御工程S2において好適に用いられる表面制御装置120について、図6及び図7を参照して説明する。表面制御工程S2では、図6に示す局所プラズマ処理装置120A、又は図7に示す紫外線露光装置120Bを用いることができる。
なお、図6及び図7は、本発明の表面制御装置を例示するものであり、表面制御工程S2の目的に合致する処理装置であれば任意のものを用いることができる。
図6に示す局所プラズマ処理装置120Aは、対向する電極間に電圧を印加することによって電極間にプラズマを発生させ、電極間に発生したプラズマ中に基板を配置させて基板をプラズマに曝露させるダイレクトプラズマ方式のプラズマ処理装置である。
局所プラズマ処理装置120Aは、基板10に処理ガスを噴出するノズル205を有する装置本体211を備えている。
装置本体211は、基板10を介して互いに対向して設けられた上部電極202および下部電極203と、一対の電極間に処理ガスを噴出するノズル205と、処理ガスをノズル205に供給する処理ガス供給流路206と、上部電極202および下部電極203間に電圧を印加する高周波電源(電源)272を備えた電源回路207と、プラズマ生成のための処理ガスを供給するガス供給部208とを備えている。
局所プラズマ処理装置120Aは、上部電極202および下部電極203間に処理ガスを供給しつつ、電圧を印加することにより、処理ガスを活性化してプラズマを生成させ、このプラズマにより基板10の成膜面10aをプラズマ処理してエッチング加工する装置である。
装置本体211は、プラスチックやセラミックスなどの誘電体材料で構成された四角柱状の筐体204を備えている。筐体204の内部には凹部241が形成されている。筐体204の図示下端側には厚肉部204aが形成され、厚肉部204aによって凹部241の図示下端側における内径が狭められている。上部電極202は、凹部241の内部形状に対応する外形状を有して形成され、凹部241内に収容されている。
上部電極202の図示上端部には導線271を介して高周波電源272が接続されている。また、上部電極202の図示上端部において、上部電極202の内部に設けられた処理ガス供給路206とガス供給部208とが接続されている。
処理ガス供給路206の図示下端は、筐体204の底部を貫通して形成されたノズル205に接続されている。ノズル205は、筐体204の下面242の中心で基板10に面して開口されており、かかるノズル205を介して、上部電極202と下部電極203との間の空間(プラズマ発生領域230)の中心に処理ガスが噴出される。
ノズル205の周囲には、吸引孔245が形成されている。吸引孔245は、下面242においてノズル205の開口端を取り囲む円環状に形成されており、筐体204の下部から上部へ徐々に径が広がるラッパ状の流路である。吸引孔245は、例えばポンプなどの吸引機構246に接続されており、吸引孔245を介してプラズマ発生領域230の処理ガス等が吸引される。
誘電体部204と基板10とは、所定間隔で離間して配置される。これらの間隔は、電源回路207の出力や、基板10に施すプラズマ処理の種類等を考慮して適宜設定される。常圧でプラズマ処理する場合、インピーダンス、ガス流量、ガス放電寿命、ガス圧力等より0.1〜10mmであるのがより好ましい。これにより、アーク放電を起こすことなく、プラズマ発生領域230に電界を確実に発生させることができる。
下部電極203は、接地電極としての機能を有する電極であり、導線271を介して直接接地されている。これにより、下部電極203の帯電を防止することができ、プラズマ発生領域230に確実に電界を発生させることができる。本実施形態の場合、下部電極203上に基板10が直接載置されており、下部電極203が基板10の支持部としても機能する。
なお、下部電極203は、筐体204に対して相対移動可能に構成されている。すなわち、基板10が筐体4(上部電極202)に対して相対移動可能に構成されている。これにより、成膜面10aの任意の位置にプラズマ発生領域230を配置し、当該位置をエッチング加工することで、成膜面10aに所望の加工パターンを形成することができる。
電源回路207は、上部電極202及び下部電極203と接続された高周波電源272を備えている。高周波電源272は、上位装置の制御のもと、供給する電力の大きさを可変し得る。また、図示されていないが、供給する電力に対する整合回路や、高周波電源272の周波数を変える周波数調整機構や、高周波電源272の印加電圧の最大値(振幅)を変える電圧調整装置などが必要に応じて設置されている。高周波電源272の周波数は特に限定されないが、好ましくは10〜70MHzの範囲であり、より好ましくは10〜40MHzの範囲である。
ガス供給部208は、所定のガスを充填し供給するガスボンベ281と、ガスボンベ281から供給されるガスの流量を調整するマスフローコントローラー282と、処理ガスの流路を開閉するバルブ283とを備えている。ガス供給部208は、バルブ283から延びる処理ガス管284を介して処理ガス供給流路206と接続されている。
以上の構成を備えた局所プラズマ処理装置120Aによるプラズマ処理を行うには、下部電極203上に基板10を載置し、基板10とノズル205とを対向させる。そして、ノズル205から処理ガスを供給しつつ、高周波電源272により上部電極202と下部電極203との間に電圧を印加する。これにより、下部電極203と上部電極202との間に形成される電界によって処理ガスが励起され、プラズマ発生領域230にプラズマが発生する。そして、発生させたプラズマにより基板10の成膜面10aに対して所望のエッチング処理を施すことができる。
プラズマ処理に用いる処理ガスは、被加工物の態様に応じて適宜選択することができる。本実施形態の場合、表面修飾層11の部分除去に用いられるため、酸素ガスを用いることが好ましい。その他、カップリング剤や界面活性剤を分解除去できるガスであれば任意のものを用いることができる。また処理ガスは、エッチング用ガスとキャリアガスとからなる混合ガスとしてもよい。キャリアガスとしては、He、Ne、Ar、Xe等の希ガスを好適に用いることができる。
次に、図7に示す紫外線露光装置120Bは、紫外線照射部291と、マスク292とを備えている。紫外線照射部291は、その光射出部291aを基板10に向けた状態で配置され、マスク292は、基板10と光射出部291aとの間に配置される。
紫外線露光装置120Bでは、紫外線照射部291から紫外線を射出し、マスク292の開口部292aを介して基板10の成膜面10aに照射する。これにより、基板10の成膜面10aに形成されている表面修飾層11の部分除去を実施することができる。
なお、紫外線露光装置120Bによれば、マスク292のパターンを狭ピッチ化することで、基板10の成膜面10aに形成される紫外線の照射パターンを容易に微細化することができる。したがって、表面制御工程S2では、表面修飾層11を除去するパターンのピッチに応じて、局所プラズマ処理装置120Aと紫外線露光装置120Bとを使い分けることが好ましい。
[表面制御方法]
本実施形態の表面制御工程S2では、上述した局所プラズマ処理装置120A又は紫外線露光装置120Bを用いて、表面修飾層11を部分的に除去する。
局所プラズマ処理装置120Aを用いた表面制御工程S2では、基板10の成膜面10aにプラズマを照射した状態で、装置本体211又は下部電極203を移動させることで、基板10の成膜面10a上でプラズマ発生領域230を走査する。これにより、プラズマ発生領域230の移動軌跡に応じたパターンで表面修飾層11が部分的に除去される。
その結果、図2(c)及び図3(c)に示すように、表面修飾層11が残された領域である低親和性領域12aと、表面修飾層11が除去された領域である高親和性領域12bとが成膜面10a上に形成される。
一方、紫外線露光装置120Bを用いる場合には、図2(c)に示した高親和性領域12bに対応する平面形状の開口部292aを有するマスク292を用い、かかるマスク292を介して表面修飾層11に紫外線を照射する。これにより、紫外線を照射された部分のシランカップリング剤が分解除去される。その結果、図2(c)及び図3(c)に示すように、表面修飾層11が残された領域である低親和性領域12aと、表面修飾層11が除去された領域である高親和性領域12bとが成膜面10a上に形成される。
以上の表面制御工程S2により、基板10の成膜面10a上に、成膜材料の粒子に対して親和性が高い高親和性領域12bと、上記粒子に対する親和性が高親和性領域12bよりも低い低親和性領域12aとが形成される。このうち、高親和性領域12bは、次のスパッタ成膜工程S3において、薄膜13が選択的に形成される膜形成領域であり、形成すべき薄膜13に対応したパターンに形成される。なお、「成膜材料の粒子に対する親和性」とは、各領域12a、12bに対する粒子又はその集合物(クラスタ)の付着のし易さを意味する。
上記の低親和性領域12a及び高親和性領域12bを成膜面10aに形成したならば、表面制御工程S2を終了し、スパッタ成膜工程S3に移行する。
(スパッタ成膜工程S3)
次に、スパッタ成膜工程S3について、図2及び図3の(d)図、並びに、図8及び図9を参照しつつ説明する。
スパッタ成膜工程S3では、図2及び図3の(d)図に示すように、表面修飾層11が除去されて形成された高親和性領域12bに、選択的にスパッタ粒子を付着させ、高親和性領域12bに対応するパターンの薄膜13を形成する。
[スパッタ装置]
まず、スパッタ成膜工程S3において好適に用いられるスパッタ装置130について、図8及び図9を参照して説明する。スパッタ成膜工程S3では、図8に示す対向ターゲット型のスパッタ装置130Aを好適に用いることができ、図9に示すスパッタ装置130Bを用いることもできる。
なお、図8及び図9に示すスパッタ装置は例示であり、スパッタ成膜工程S3の目的に合致するスパッタ装置であれば、任意のスパッタ装置を用いることができる。
まず、図8に示すスパッタ装置130Aは、基板10上にスパッタ法により薄膜を形成する装置であり、基板10を収容する真空チャンバーである成膜室302と、基板10の成膜面にスパッタ粒子を供給する装置本体303とを備えている。
スパッタ装置130Aは2系統のガス供給手段を備えている。第1のガス供給手段321は装置本体303に設けられており、プラズマ発生領域に放電用のアルゴンガス(第1のスパッタガス)を供給する。
一方、第2のガス供給手段322は成膜室302に設けられており、第2のスパッタガスとしての反応ガスを成膜室302内に供給する。第2のガス供給手段322は、基板10上に飛来するスパッタ粒子と反応ガスを反応させて化合物薄膜を形成する場合に用いられる。
成膜室302内には、基板10をその成膜面が水平(XY面に平行)になるようにして保持する基板ホルダー306が設けられている。基板ホルダー306には、基板ホルダー306を成膜室302内で水平に搬送する搬送手段306aが接続されている。
なお、基板ホルダー306には、保持した基板10を加熱する加熱手段や基板10を冷却する冷却手段が設けられていてもよい。
成膜室302には、その内部圧力を制御し、所望の真空度を得るための排気装置320が配管320aを介して接続されている。また、成膜室302の図示下側の壁面から外側に突出するようにして、装置本体303との接続部である装置接続部325が設けられている。
装置接続部325は、成膜室302内部に収容される基板10の成膜面法線方向(図示Z軸方向)と所定の角度(θ1)を成して斜め方向に延びて形成されているが、この構成に限定されない。すなわち、装置接続部325は任意の角度に設定することができ、その先端部に接続される装置本体303を基板10に対して任意の角度で配置することが可能である。例えば、装置本体303を基板10の成膜面法線方向(Z軸方向)と平行に配置してもよい。
第2のガス供給手段322は、排気装置320と装置接続部325を挟んだ反対側に接続されている。第2のガス供給手段322から供給される反応ガスは、矢印22fで示すように、成膜室302の一端部側から基板10上を経由して排気装置20に向かって流通する。
装置本体303は、2枚のターゲット305a、305bを対向配置してなる対向ターゲット型のスパッタ装置であり、第1のターゲット305aは略平板状の第1電極309aに装着され、第2のターゲット305bは略平板状の第2電極309bに装着されている。ターゲット305a、305bは、互いの対向面がほぼ平行になるように設置されている。
第1電極309aには直流電源又は高周波電源からなる電源304aが接続され、第2電極309bには直流電源又は高周波電源からなる電源304bが接続されている。電源304a、304bから供給される電力によりターゲット305a、305bが対向する空間(プラズマ発生領域)にプラズマPzを発生させる。
装置本体303には、プラズマPzから放射される電子を捕捉する電子捕捉部316が設けられている。電子捕捉部316は、第1電極309a側に設けられた第1の磁力発生手段316aと、第2電極309b側に設けられた第2の磁力発生手段316bとを備えている。
第1の磁力発生手段316aは、平面視矩形状の第1のターゲット305aを取り囲む矩形枠状であり、第1電極309aの第1のターゲット305aと反対側の面に設けられている。第2の磁力発生手段316bは、第2のターゲット305bを取り囲む矩形枠状であり、第2電極309bの第2のターゲット305bと反対側の面に設けられている。第1及び第2の磁力発生手段316a、316bは、永久磁石、電磁石、これらを組み合わせた磁石等からなり、協働してプラズマPzを取り囲む磁界を装置本体303内部に形成する。
ターゲット305a、305bに挟まれるプラズマ生成領域に対して成膜室302と反対側に配置された側壁部材319に、第1のガス供給手段321が接続されている。第1のガス供給手段321から供給されるアルゴンガスは、側壁部材319側からプラズマ生成領域(ターゲット対向領域)に流入し、装置接続部325を介して成膜室302内に流入する。成膜室302に流入したアルゴンガスは、矢印321fで示すように、第2のガス供給手段322から供給されて矢印322fに沿って流通する反応ガスと合流し、基板10上を経由して排気装置320側へ流れる。
スパッタ装置130Aにより基板10上に薄膜を形成するには、少なくとも第1のガス供給手段321からアルゴンガスを導入しつつ、第1電極309a及び第2電極309bにDC電力(あるいはRF電力)を供給することで、ターゲット305a、305bに挟まれる空間にプラズマPzを発生させる。
プラズマPzによりターゲット305a、305bからたたき出されたスパッタ粒子305pは、プラズマPzから装置本体303の開口部303a側へ飛行するスパッタ粒子305pのみが選択的に成膜室302側へ放出される。そして、放出されたスパッタ粒子305pが、基板ホルダー306により搬送される基板10の成膜面上に付着することで、薄膜13が形成される。
スパッタ装置130Aは、ターゲット305a、305bを取り囲む矩形枠状の磁力発生手段316a、316bからなる電子捕捉部316を備えている。これにより、電子捕捉部316により形成される磁界によって、プラズマPzに含まれる電子305eを捕捉ないし反射させることができる。したがってスパッタ装置130Aによれば、基板10上に電子が放射されないダメージレススパッタによる成膜が可能である。
次に、図9に示すスパッタ装置130Bは、真空チャンバー330と、真空チャンバー330の天井壁内面に設けられた電極331と、電極331に装着されたターゲット332と、真空チャンバー330の側壁内面に設けられた電子捕捉部334と、真空チャンバー330の底壁内面に設けられた支持部335と、真空チャンバー330に接続された排気装置336とを備えている。
スパッタ装置130Bでは、支持部335に基板10を支持した状態で電極331に直流又は高周波電力を供給し、プラズマ発生領域333にプラズマを発生させる。これにより、プラズマによりターゲット332からたたき出されたスパッタ粒子を、基板10の成膜面10a上に堆積させることができる。このとき、スパッタ装置130Bにも電子捕捉部334が設けられているので、スパッタ粒子とともにプラズマから放射される電子が、電子捕捉部334により形成される磁界により捕捉又は反射され、基板10には到達しない。したがって、スパッタ装置130Bにおいても、ダメージレススパッタによる成膜が可能である。
[スパッタ成膜方法]
本実施形態のスパッタ成膜工程S3では、図2及び図3の(d)図に示すように、上述したスパッタ装置130A又は130Bを用いて、基板10の成膜面10a上に薄膜13を形成する。スパッタ成膜工程S3は、いずれのスパッタ装置を用いた場合でもほぼ同様であるから、以下ではスパッタ装置130Aを用いた場合についてのみ説明する。
スパッタ装置130Aを用いたスパッタ成膜工程S3では、装置本体303において第1のガス供給手段321から例えばアルゴンガスを供給しつつ、第1及び第2電極309a、309bに電力を供給することで、プラズマPzを発生させる。そして、基板ホルダー306に支持された基板10を図8のX軸方向に移動させながら、装置本体303からスパッタ粒子305pを基板10の成膜面10a上に飛来させる。
ここで、本発明では基板10の成膜面10aに形成された高親和性領域12bと低親和性領域12aとのスパッタ粒子305pに対する親和性の違いを利用して、スパッタ粒子305pを高親和性領域12bに選択的に付着させる。
すなわち、高親和性領域12bに飛来したスパッタ粒子305pは、かかる領域の表面との親和性が高いため、そのまま高親和性領域12bに付着するか、または先に付着したスパッタ粒子305pと凝集する。
一方、低親和性領域12aに飛来したスパッタ粒子305pは、かかる領域の表面との親和性が低いため、低親和性領域12aに付着することなく動き回る(表面拡散運動する)。このような動き回るスパッタ粒子305pは、粒子単体又は互いに融合した状態(クラスタ状態)で高親和性領域12bに到達したときに、高親和性領域12bに付着するか、または先に付着したスパッタ粒子305pと凝集する。
このように本発明では、成膜材料のスパッタ粒子305pが高親和性領域12bにおいて凝集し、これを核として、薄膜13の形成が促進される。その結果、図2及び図3の(d)図に示すように、パターン形成された高親和性領域12bに対応するパターンの薄膜13が形成される。
なお、スパッタ成膜工程S3では、スパッタ成膜に際して基板10を加熱することが好ましい。これにより、低親和性領域12aにおけるスパッタ粒子305pの運動性を向上させることができ、その結果、薄膜13をより高い選択性をもって高親和性領域12bに形成することができる。
以上に説明した工程S1〜S3により、図2及び図3の(d)図に示す所定パターンの薄膜13を基板10上に形成することができる。
本実施形態の成膜方法によれば、フォトリソグラフィー工程を用いることなく所望パターンの薄膜13を形成することができる。したがって、薄膜13のパターン形成プロセスを低コスト化することができる。
また、本実施形態の成膜方法では、薄膜13の成膜装置として、電子捕捉部316を備えたスパッタ装置130A又は電子捕捉部334を備えたスパッタ装置130Bを用いている。これにより、基板10上に形成した表面修飾層11(低親和性領域12a)がプラズマから放射される電子により破壊されるのを防止することができる。したがって、従来は実質的に用いることができなかったスパッタ法による成膜を可能にし、高スループットで薄膜13を成膜することが可能になった。
また本実施形態の成膜方法では、上記によりスパッタ法による成膜を可能にしたことで、蒸着法におけるパーティクル発生の問題も解決することができる。
スパッタ法によってターゲットから放出されるスパッタ粒子の持つエネルギーは例えば10eVであり、蒸着法によって蒸着源から発生するクラスター状粒子の持つエネルギーが例えば0.1eVであるのに比べて格段に大きい。そのため、スパッタ粒子は蒸着法によるクラスター状粒子に比べて密着性が高いものとなる。すなわち、クラスター状粒子の場合、例えば成膜室302や装置接続部325の内壁面に付着した粒子が振動等によって脱落し、発塵を起こしてこれが基板10上に異物となって付着してしまうおそれがあるが、スパッタ粒子の場合には、内壁面などに一旦付着すると、その高密着性によって容易には脱落せず、従ってこれが基板10上に異物となって付着してしまうといった不都合を回避することができる。
また、スパッタ法では、蒸着法やイオンビームスパッタ法に比べて低い圧力で成膜を行うことができ、真空ポンプ等の排気装置に関する負担を軽減することができる。さらに、蒸着法に比べて低い圧力で成膜を行うことから、成膜材料の平均自由行程が短くなり、成膜室302を小型化することができ、装置に関する負担も軽減することができる。
さらに、スパッタ装置130A、130Bは、インライン方式で複数のカソード(装置本体303、電極331)を配置した構成を容易に構築することができる。このようなスパッタ装置を用いることで、薄膜13の積層が連続成膜で実現可能になり、さらなるスループット向上、及び装置コスト低減が図れる。
以上に説明した本発明の成膜方法及び成膜装置は、汎用的な成膜技術に属し、従来は印刷工程やフォトリソグラフィー工程を用いて形成していた種々のパターン形成工程に置き換えて用いることができる。
なお、本実施形態では、表面処理工程S1において基板10の成膜面10a全体に表面修飾層11を形成し、その後の表面制御工程S2において表面修飾層11を部分的に除去することで、低親和性領域12aと高親和性領域12bとを形成する場合について説明したが、例えばインクジェット法等の印刷法を用いることで、表面修飾層11を予めパターン形成してもよい。
また、本実施形態では、表面修飾層11を除去した領域を高親和性領域12bとしたが、表面修飾層11を除去した領域に、成膜材料の粒子に対して高い親和性を示す官能基を導入してもよい。このような官能基としては、水酸基、アミノ基、カルボキシル基等を挙げることができる。
(電気光学装置及び電子機器)
次に、製造工程において本発明の成膜方法を好適に用いることができる電気光学装置及び電子機器の構成について図10及び図11を参照して説明する。
図10は、本発明の成膜方法を用いて製造される電気光学装置の一例である電気泳動表示装置500を示す図である。図10(a)は、電気泳動表示装置500に備えられた画素501の回路部分を示す平面図である。図10(b)は、図10(a)のB−B’線に沿う位置における電気泳動表示装置500の断面図である。
電気泳動表示装置500は、図10(b)に示すように、一面側に有機トランジスタ505が形成された素子基板521と、対向基板526との間に、複数のマイクロカプセル550を平面配列してなる電気泳動素子525を挟持した構成を備えている。
電気泳動表示装置500の画素501には、図10(a)に示すように、画素電極502と、走査線503と、データ線504と、走査線503とデータ線504との交差部に対応して形成された有機トランジスタ505とが形成されている。
有機トランジスタ505は、有機半導体層510と、データ線504を分岐して形成されたソース電極506と、ドレイン電極507と、走査線503から分岐して形成されたゲート電極511と、を有する。有機半導体層510は、ソース電極506とドレイン電極507にわたって形成されており、ゲート電極511は、ソース電極506とドレイン電極507との間の領域の有機半導体層510上に形成されている。
図10(b)に示す断面構造を見ると、素子基板521上に、ソース電極506(データ線504)と、ドレイン電極507とが形成されており、ソース電極506とドレイン電極507との間に、これらの電極506,507に一部乗り上げるようにして有機半導体層510が形成されている。ソース電極506及びドレイン電極507並びに有機半導体層510を覆って、ゲート絶縁層522が形成されている。ゲート絶縁層522上の有機半導体層510と対向する位置にゲート電極511(走査線503)が形成されている。走査線503を覆うように、ゲート絶縁層522上に平坦化層523が形成されている。平坦化層523上には、画素電極502が形成されている。平坦化層523とゲート絶縁層522とを貫通してドレイン電極507に達するコンタクトホール527が形成されており、かかるコンタクトホール527を介して画素電極502とドレイン電極507とが接続されている。
一方、対向基板526の電気泳動素子525側には、共通電極528が形成されている。共通電極528上に電気泳動素子525が形成されている。そして、電気泳動素子525と、素子基板521とは、画素電極502及び平坦化層523を覆って形成された接着剤層524を介して接着されている。
以上の構成を備えた電気泳動表示装置500は、スイッチング素子として有機トランジスタを備えており、素子基板521及び対向基板526にプラスチック基板やフィルム基板を用いることで可撓性の電子ペーパーを構成できるものである。
なお、電子ペーパーは、例えば図11に示すようなものである。電子ペーパー1000は、上記の電気泳動表示装置500を表示領域1001に備え、可撓性を有し、従来の紙と同様の質感及び柔軟性を有する書き換え可能なシートからなる本体1002を備えて構成されている。
かかる構成の電気泳動表示装置500では、素子基板521や対向基板526にプラスチック基板などの耐熱性の低い基板が用いられ、また半導体層にも耐熱性の低い有機半導体層510が用いられる。したがって、電気泳動表示装置500の製造に際しては、低温プロセスが可能であり、溶剤などの使用を避けた成膜方法を用いることが好ましい。そこで、本発明の成膜方法をかかる電気泳動表示装置500の製造に用いるならば、上記の要請を十分に満たすことができ、低コストで歩留まりよく電気泳動表示装置500を製造することができる。
より詳細には、例えばソース電極506(データ線504)及びドレイン電極507の形成に本発明の成膜方法を用いることで、耐熱性の低いプラスチック基板やフィルム基板を損傷することなく配線や電極のパターンを形成することができる。また、フォトリソグラフィー工程を用いないことから溶剤の使用を避けることができ、溶剤によるプラスチック基板やフィルム基板の損傷も回避することができる。また、ゲート電極511(走査線503)の形成工程に本発明の成膜方法を用いるならば、ゲート絶縁層522の下層に形成された有機半導体層510の熱や溶剤による劣化を回避することができる。
S1 表面処理工程、S2 表面制御工程、S3 スパッタ成膜工程、10 基板、10a 成膜面、11 表面修飾層、12a 低親和性領域、12b 高親和性領域、13 薄膜、100 成膜装置、110 表面処理装置、120 表面制御装置、130,130A,130B スパッタ装置、110A 熱CVD装置、110B ディップコート装置、120A 局所プラズマ処理装置、120B 紫外線露光装置

Claims (11)

  1. 基板の成膜面に、成膜材料の粒子に対して高い親和性を示す高親和性領域と、前記親和性領域よりも低い親和性を示す低親和性領域とを形成する工程と、
    前記基板との間に電子捕捉部を備えたスパッタ装置を用いて、前記成膜面に前記成膜材料の粒子を飛来させ、前記高親和性領域に選択的に前記成膜材料を堆積させる工程と、
    を有することを特徴とする成膜方法。
  2. 前記高親和性領域及び前記低親和性領域を形成する工程が、
    前記成膜面を表面処理することで前記成膜面に官能基を導入する工程と、前記成膜面上の官能基を部分的に除去することで前記成膜面に前記高親和性領域及び前記低親和性領域を形成する工程と、を有することを特徴とする請求項1に記載の成膜方法。
  3. 前記成膜面上の官能基を部分的に除去する工程が、前記成膜面の一部にプラズマを照射する工程であることを特徴とする請求項2に記載の成膜方法。
  4. 前記成膜面上の官能基を部分的に除去する工程が、前記成膜面の一部に光線を照射する工程であることを特徴とする請求項2に記載の成膜方法。
  5. 基板の成膜面に官能基を導入する表面処理装置と、
    前記成膜面上の官能基を部分的に除去する表面制御装置と、
    電子捕捉部を備えたスパッタ装置と、
    を備えたことを特徴とする成膜装置。
  6. 前記表面制御装置が、前記成膜面上で局所的にプラズマを発生させる局所プラズマ処理装置であることを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。
  7. 前記表面制御装置が、前記成膜面に紫外線を照射する光照射装置であることを特徴とする請求項5に記載の成膜装置。
  8. 前記電子捕捉部が、ターゲットと前記基板との間に設けられた磁力発生手段であることを特徴とする請求項5から7のいずれか1項に記載の成膜装置。
  9. 前記スパッタ装置が、互いに対向して配置された一対のターゲットを備えており、前記電子捕捉部が、一対の前記ターゲット間に設けられたプラズマ発生領域と前記基板との間に設けられていることを特徴とする請求項5から8のいずれか1項に記載の成膜装置。
  10. 前記表面処理装置が、気相法によりカップリング剤の被膜を形成する装置であることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の成膜装置。
  11. 前記表面処理装置が、液相法によりカップリング剤の被膜を形成する装置であることを特徴とする請求項5から9のいずれか1項に記載の成膜装置。
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