JP2010198913A - 車両用灯具 - Google Patents
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Abstract
【課題】 簡単な構成により、各種法規に適用した配光パターンを得ることができる車両用灯具を提供することを目的する。
【解決手段】 車両用灯具100は、バルブ20と、バルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射する共通のリフレクタ30と、バルブを覆う筒形状のフード本体を有する遮光フード40とを備える。車両用灯具100に、遮光フード40に換えて、形状の異なる他の遮光フードを取り付けることにより、各種法規に適用した配光パターンを形成することができる。
【選択図】 図2
【解決手段】 車両用灯具100は、バルブ20と、バルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射する共通のリフレクタ30と、バルブを覆う筒形状のフード本体を有する遮光フード40とを備える。車両用灯具100に、遮光フード40に換えて、形状の異なる他の遮光フードを取り付けることにより、各種法規に適用した配光パターンを形成することができる。
【選択図】 図2
Description
本発明は、車両用灯具に係り、特に遮光フードを用いた車両用灯具に関する。
従来、白熱電球等のバルブを用いた車両用灯具においては、バルブからの直射光に起因するグレアを防止するため、遮光フードが用いられている(例えば、特許文献1参照)。
図12は、従来の遮光フードを用いた車両用灯具の構成例を説明するための図である。
図12に示すように、従来の遮光フードを用いた車両用灯具210は、光源220、光源220から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射し、この反射光により所定配光パターンを形成するためのリフレクタ230、光源220からの直射光に起因するグレアを防止するため、光源220を覆う筒形状のフード本体241を有する遮光フード240等を備える。リフレクタ230は、配光を形成する反射面231と、反射面231の外周縁から光軸方向に伸びる立壁232を有している。また、遮光フード240は、フード本体241に加えて、フード本体241とリフレクタ230を固定する支持部242を備える。
一般的に遮光フード240の形状は、リフレクタ230の形状、及び使用する光源220によって決定される。例えば、円筒状のフード本体241の前方側は、光源220の直射光による幻惑光が出ないような切り欠きを有する形状とされる。また、円筒状のフード本体の後方側は、リフレクタ230の立壁232に光が入らないような切り欠きを有する形状とされる。
ところで、最近の車両前照灯、例えばフォグランプに関する規格では、道路上に設置された道路標識等の確認のために、図13(A)に示すように、主配光Aの上部で、中央付近にオーバーヘッドサイン光Bが要求される。
一方で、別のフォグランプに関する規格では、図13(B)に示すように、H線の下方6°のV線の左10°と右10°を結ぶ線全体(LINE7)がH線の下方2,5度のV線の左10度と右10度を結ぶ線全体(LINE6)の最大光度の50%未満であることと、オーバーヘッドサイン光Bが所定光度以下であることが要求される。
上述したように規格毎に、配光パターンが大きく変わることから、それぞれの専用のリフレクタが必要となり、それぞれのリフレクタを持つことでコストが上がる。また、それぞれの配光を対比すると、使用者が一方の配光が暗いと認識して、使用感(フィーリング)に差が出てしまうという問題があった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、簡単な構成により、各種法規に適用した配光パターンを得ることができる車両用灯具を提供することを目的する。
前記目的を達成するために、本発明の車両用灯具は、光源と、前記光源から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射するリフレクタと、前記光源からの直射光に起因するグレアを防止するため、前記光源を覆う筒形状のフード本体を有する遮光フードと、を備える車両用灯具であって、前記リフレクタが共通であって、形状の異なる前記遮光フードを取り付けることにより、異なる配光パターンを形成することを特徴とする。
本発明では、各種の配光パターンを形成する車両用灯具において、各車両用灯具のリフレクタを共通化し、形状の異なるフードを取り付けるだけで、各種法規に適用した配光パターンを形成することができる。また、リフレクタを共通化したことで、コストを大幅に削減することができる。
本発明の車両用灯具は、前記発明において、形状の異なる前記遮光フードにより、配光パターンのオーバーヘッドサイン光、又は/及び配光パターンの主配光の形状を制御することが好ましい。
本発明によれば、遮光フードが各種配光パターンのオーバーヘッドサイン光、又は/及び各種配光パターンの主配光を制御するので、各種法規に適用した配光パターンを容易に形成することができる。
本発明によれば、本発明の車両用灯具は、前記発明において、前記遮光フードの異なる形状が、前記フード本体に形成された突起又は切り欠きであることが好ましい。
遮光フードに突起又は切り欠きのような簡単な形状を形成することで、各種法規に適用した配光パターンを容易に形成することができる。
本発明によれば、共通化されたリフレクタと、形状の異なる遮光フードを組み合わせることで、各種法規に適用した配光パターンを得ることができる。
以下添付図面に従って本発明の好ましい実施の形態について説明する。本発明は以下の好ましい実施の形態により説明されるが、本発明の範囲を逸脱すること無く、多くの手法により変更を行なうことができ、本実施形態以外の他の実施の形態を利用することができる。従って、本発明の範囲内における全ての変更が特許請求の範囲に含まれる。
図1は、本実施形態の車両用灯具の正面側からの斜視図である。図2は、図1に示した車両用灯具を、光軸を含む鉛直面で切断した断面図である。図3は、車両用灯具に用いられる遮光フードの拡大図である。
本実施形態の車両用灯具100は、自動車等の車両のフォグランプ、ヘッドランプ等の車両用灯具に適用されるものであり、図1、図2に示すように、灯室10、バルブ20、リフレクタ30、遮光フード40を備えている。
リフレクタ30は、配光を形成する反射面31、反射面31の外周縁から光軸方向に伸びる立壁32、反射面31に設けられた開口33を備えている。
灯室10は、リフレクタ30の立壁32によって区画される。バルブ20は、白熱電球、ハロゲンランプ、HID等の光源であり、リフレクタ30の開口33に挿入された状態でリフレクタ30に固定される。
リフレクタ30の反射面31は、遮光フード40によって遮られずバルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射し、この反射光により所定配光パターン(主配光)を形成するための部材であり、灯室10の後端側に配置されている。リフレクタ30の反射面31は、例えば、バルブ20のフィラメント等の発光部21近傍を焦点とする回転放物面、又は回転放物面系自由曲面である。リフレクタ30の車両前後方向に延びる光軸AX上の部分には、バルブ20が挿入される開口33が形成される。
遮光フード40は、バルブ20からの直射光に起因するグレア(眩惑光)を防止するため、バルブ20を覆う部材であり、バルブ20(リフレクタ30の開口33に挿入され固定された状態のバルブ20)が挿入される筒形状のフード本体41(フードトップともいう)及び支持部42(フードステイともいう)を備える。フード本体41は、図1に示すように、支持部42を立壁32に固定することで、光軸AX上に配置される。フード本体41及び支持部42は、例えば、アルミメッキ板や冷間圧延鋼板(日本工業規格(JIS)により記号SPCC、SPCC-T、SPCD、SPCE、SPCEN等で表される)等の正反射率が比較的高い金属板をプレスし、曲げ加工することで一体的に形成される。なお、フード本体41と支持部42を別体で形成し、両者を組み合わせることで遮光フード40を構成してもよい。
図2に示すように、反射面31の上側の領域に、オーバーヘッド反射面34が設けられる。オーバーヘッド反射面34は、遮光フード40によって遮られずバルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射し、この反射光により道路上に設置された道路標識等の確認のために、主配光の上側に、中央付近に所謂オーバーヘッドサイン光を形成するための部材である。
このようなオーバーヘッドサイン光のためのオーバーヘッド反射面34は、主配光と照射領域等が異なることから、反射面31とは曲率及び角度が異なる。そのため、オーバーヘッド反射面34と反射面31とが一つの曲面に設けられるとその境界に段差35が生じる。一般的に、反射面31及びオーバーヘッド反射面34の表面にはアンダーコート及び金属蒸着膜が形成されるが、段差35があるとその付近にアンダーコートが溜まってしまい、反射面の形状が変化して、その結果、意図した配光制御とは異なる配光を生じる要因となるおそれがある。つまり、車両用灯具100でオーバーヘッド反射面34を用いない配光を形成する場合には、オーバーヘッド反射面34を遮光フード40で遮光する必要があるが、アンダーコートの溜りが生じていると段差35の周囲を含む領域(本来遮光すべきオーバーヘッド反射面34より大きな領域)を遮光する必要が生じてしまう。本実施の形態では、段差35が上側の端にあることで、アンダーコートの溜まる部分をフード本体41で隠す際、フードの伸ばし量を最小限に抑えることが可能になる。これによりアンダーコートに伴う配光制御の問題を解決することができる。
図4は、上述の車両用灯具100により形成される配光パターンを示している。反射面31は、遮光フード40によって遮られずバルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射し、この反射光により主配光Aを形成する。オーバーヘッド反射面34は、遮光フード40によって遮られずバルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射し、主配光Aの上側に、中央付近にオーバーヘッドサイン光Bを形成する。
図5は、図1及び図2に示す車両用灯具と共通のリフレクタと、異なる形状の遮光フードを備えた車両用灯具に関し、その光軸を含む鉛直面で切断した断面図である。図6は、車両用灯具に用いられる遮光フードの拡大図である。
図5に示すように、車両用灯具100は、灯室10、バルブ20、リフレクタ30、遮光フード60を備える。
遮光フード60は、バルブ20が挿入される筒形状のフード本体61及び支持部62を備える。フード本体61は、図5及び図6に示すように、フード本体61の後端側に突起63が設けられている。つまり、図3に示すフード本体41と図6に示すフード本体61との相違点は、突起63の有無である。突起63は、フード本体61と一体に形成されたものであっても、フード本体61と別部材であっても良い。突起63を設けることによって、発光部21から照射される照射光が、オーバーヘッド反射面34に入射するのを防止することができる。これにより、主配光の上側に、オーバーヘッドサイン光は形成されない。
図7は、図6に示す車両用灯具100により形成される配光パターンを示している。反射面31は、遮光フード60によって遮られずバルブ20から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射し、この反射光により主配光Aを形成する。一方、突起63によってバルブ20からの光が遮られているため、オーバーヘッド反射面34は、照射光を車両前方に反射することはできない。したがって、主配光Aの上側に、中央付近にオーバーヘッドサイン光Bは形成されない。
遮光フードを変更することで、オーバーヘッドサイン光と主配光を備える配光パターンと、オーバーヘッドサイン光を有さず主配光を備える配光パターンをとを容易に切り替えることができる。したがって、オーバーヘッドサイン光と主配光を備える配光パターンを要求する法規、オーバーヘッドサイン光を有さず主配光を備える配光パターンを要求する法規に容易に対応することができる。
次に、異なる遮光フードを利用することによって、主配光内の配光パターンを制御する方法について説明する。図8は、発光部21からの光が反射面31により反射され、主配光上に照射される状態を示している。発光部21は、フィラメント等により構成されるため、光軸に沿って所定の長さを有する。つまり、反射面31に入射した発光部21からの光は、主配光上にフィラメントの像を映し出す。
図8では、発光部21から反射面31に照射される光であって、反射面31の上面のオーバーヘッド反射面34の付近で反射される光の軌跡を破線90で示した。発光部21から反射面31に照射される光であって、発光部21から離れた反射面31で反射される光の軌跡を一点鎖線80で示した。図8に示すように、オーバーヘッド反射面34の付近で反射される光は、主配光上で垂直方向に比較的太い像92として映し出される。一方、発光部21から離れた反射面31で反射される光は、主配光上で垂直方向に比較的細い像82として映し出される。
図9は、複数のフィラメントの像82,92を配光パターン上に示したものである。像82は配光パターンの水平ラインHの付近に集中している。像92は、水平ラインHに対し、垂直となるよう照射される。フォグランプに関する規格の一つである図13(B)の配光パターンと対比させると、像82がLINE6に対応する位置に映し出され、像92がLINE6及びLINE7の双方に対応する位置に映し出されることが理解できる。オーバーヘッド反射を除くオーバーヘッド反射面付近の反射面は、主配光のLINE6とLINE7の双方に発光部からの光を配光し、発光部から離れた反射面は、主配光のLINE6に発光部からの光を配光する。以上の原理で、発光部の光を主配光に配光する反射面を有する車両用灯具では、オーバーヘッド反射面付近への光の量を調整できる遮光フードを装着することで、主配光の配光を制御することができる。
次に、主配光のパターンを制御することができる遮光フードの形状を、図10を参照に説明する。図10(A)に示される遮光フード70は、フード本体71及び支持部72を備える。フード本体71に突起73が設けられている。図10(A)に示すフード本体71と図6に示すフード本体61との相違点は、突起73の大きさである。突起73は、点線で示す突起63と比較して、より後方(反射面31)側に延長されている。突起73を長くすることによって、オーバーヘッド反射面に加えて、オーバーヘッド反射面付近へ照射される光の量を少なくすることができる。
図10(B)に示す突起73は、突起63と比較して、より太く形成される。突起73を太くすることによって、オーバーヘッド反射面に加えて、オーバーヘッド反射面付近へ照射される光の量を少なくすることができる。
図10(C)に示す突起73は、点線で示す突起63よりも大きく形成される。突起73を大きくすることによって、オーバーヘッド反射面に加えて、オーバーヘッド反射面付近へ照射される光の量を少なくすることができる。
図11は、図3に示す遮光フード40と図10(C)に示す遮光フード70を車両用灯具に使用したときの配光パターンを示している。図11(A)は、図3に示す遮光フード40を利用した場合の配光パターンを示している。この場合、フード本体に突起が設けられていないので、オーバーヘッドサイン光Bが形成される。また、オーバーヘッド反射面付近の光と、通常の反射面からの光が反射されるので、主配光A内には、LINE6とLINE7に相当する配光パターンが形成される。
図11(B)は、図10(C)に示す遮光フード70利用した場合の配光パターンを示している。この場合、フード本体に大きな突起が設けられているので、オーバーヘッド反射面とその付近への光の入射が制限される。したがって、フード本体の突起により、オーバーヘッドサイン光Bは形成されない。また、オーバーヘッド反射面付近の光が制限されるので、LINE6及びLINE7に配光される光も制限される。しかし、発光部から離れた反射面からの光は制限されないので、LINE6には光が配光される。その結果、LINE6とLINE7との間の光量の差が大きくなる。これにより、LINE7の光度がLINE6の最大光度の50%未満とする要件を満たすことが可能となる。
上述したように、本発明の車両用灯具は、リフレクタを共通とし、遮光フードを変更することで、各種法規に適用した配光パターンを得ることができる。
100…車両用灯具、10…灯室、11…内壁、20…バルブ、21…発光部、30…リフレクタ、31…反射面、32…立壁、33…開口、34…オーバーヘッド反射面、40,60,70…遮光フード、41,61、71…フード本体、42,62、72…支持部、63,73…突起
Claims (3)
- 光源と、
前記光源から車両後方に照射される照射光を車両前方に反射するリフレクタと、
前記光源からの直射光に起因するグレアを防止するため、前記光源を覆う筒形状のフード本体を有する遮光フードと、
を備える車両用灯具であって、
前記リフレクタが共通であって、形状の異なる前記遮光フードを取り付けることにより、異なる配光パターンを形成することを特徴とする車両用灯具。 - 形状の異なる前記遮光フードにより、配光パターンのオーバーヘッドサイン光、又は/及び配光パターンの主配光の形状を制御する請求項1記載の車両用灯具。
- 前記遮光フードの異なる形状は、前記フード本体に形成された突起又は切り欠きである請求項1又は2記載の車両用灯具。
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JPH0765605A (ja) * | 1993-08-25 | 1995-03-10 | Koito Mfg Co Ltd | 自動車用前照灯 |
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- 2009-02-25 JP JP2009042429A patent/JP2010198913A/ja active Pending
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