JP2010197565A - スクリーンおよびプロジェクションシステム - Google Patents
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Abstract
【課題】高いコントラストが得られるとともに、モアレの発生を抑制することで鮮明な画像を得ることが可能なスクリーンを提供する。
【解決手段】本発明のスクリーン1は、光を反射する光反射層と、光反射層の視認側に突出する複数の庇状の遮光部材6を含む遮光層と、を備え、複数の遮光部材6の各々が、表示面の水平方向および垂直方向に対して傾いた方向に延在している。
【選択図】図1
【解決手段】本発明のスクリーン1は、光を反射する光反射層と、光反射層の視認側に突出する複数の庇状の遮光部材6を含む遮光層と、を備え、複数の遮光部材6の各々が、表示面の水平方向および垂直方向に対して傾いた方向に延在している。
【選択図】図1
Description
本発明は、スクリーンおよびプロジェクションシステムに関する。
一般に、フロント投射型のプロジェクターは、投射光を反射させて画像を表示する反射型スクリーンと組み合わせて用いられる。この種のスクリーンは、暗室環境下においては高コントラストの画像を容易に得ることができる。その一方、会議室や一般家庭のリビングルーム、学校の教室などの明室環境下においては、外乱光の反射の影響でスクリーンが明るくなってしまい、高コントラストで鮮やかな画像を得ることが難しい。
そこで、高コントラストの画像を得るために、例えばスクリーン裏面側に四角錐台形状の単位構造を連続的に配置し、単位構造の隙間に吸収体を充填した構成を有するスクリーンが提案されている(例えば、特許文献1参照)。あるいは、表面に多数の凹部が形成され、凹部と凹部との間の壁部の表面に反射低減処理が施されたスクリーンが提案されている(例えば、特許文献2参照)。
特許文献1に記載のスクリーンは、同一形状、同一寸法の四角錐台状の単位構造を格子状に並べた構成となっているため、設計や製造が容易である反面、プロジェクターに用いられる液晶ライトバルブ等の光変調素子の画素構造との干渉によってスクリーン上でモアレが発生し、鮮明な画像が得られない可能性が高い。また、特許文献2に記載のスクリーンも、多数の凹部が一定の間隔で規則的に形成されているため、特許文献1のものと同様、モアレが発生し、鮮明な画像が得られない可能性が高い。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、高いコントラストが得られるとともに、モアレの発生を抑制することで鮮明な画像を得ることが可能なスクリーン、およびこのスクリーンを備えたプロジェクションシステムを提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明のスクリーンは、投射画像を表示する表示面を有するスクリーンであって、光を反射する光反射層と、前記光反射層の視認側に突出する複数の庇状の遮光部材を含む遮光層と、を備え、前記複数の遮光部材の各々が、前記表示面の水平方向および垂直方向に対して傾いた方向に延在していることを特徴とする。
本発明によれば、表示面の法線に対して小さい角度で入射する画像光は、遮光層によってさほど遮られることなく、光反射層において効率良く反射する。一方、表示面の法線に対して大きい角度で入射する外乱光は、複数の庇状の遮光部材で遮断され、光反射層のうち、遮光部材の影となる部分には到達しない。このように、外乱光に比べて画像光の方をより多く反射するので、コントラストの高い画像を表示することができる。また、プロジェクターのライトバルブが有する複数の画素は表示面の水平方向および垂直方向に格子状に配列されているが、本発明のスクリーンでは、各遮光部材が表示面の水平方向および垂直方向に対して傾いた方向に延在しており、画素の配列方向と交差するため、光の干渉が起こり難くなり、モアレの発生を抑制できる。
本発明のスクリーンにおいて、前記遮光部材は、一面が光吸収性を有するとともに他面が光反射性を有することが望ましい。
一般に画像光と外乱光は互いに異なる方向から表示面に入射すると考えたとき、この構成によれば、外乱光を遮光部材の一面で吸収させて確実に減衰させるとともに、画像光を遮光部材の他面で効率良く反射させ、コントラストを高めることができる。
一般に画像光と外乱光は互いに異なる方向から表示面に入射すると考えたとき、この構成によれば、外乱光を遮光部材の一面で吸収させて確実に減衰させるとともに、画像光を遮光部材の他面で効率良く反射させ、コントラストを高めることができる。
本発明のスクリーンにおいて、前記複数の遮光部材は、前記表示面の水平方向および垂直方向に対して延在方向が所定の方向に傾いた第1遮光部材と、前記表示面の水平方向および垂直方向に対する傾き方向が前記第1遮光部材とは異なる第2遮光部材と、を含むことが望ましい。
この構成によれば、表示面の水平方向および垂直方向に対する傾き方向が互いに逆方向の第1遮光部材と第2遮光部材とを備えているので、いずれの方向から見ても画像の明るさやコントラストが均等なスクリーンが実現できる。
この構成によれば、表示面の水平方向および垂直方向に対する傾き方向が互いに逆方向の第1遮光部材と第2遮光部材とを備えているので、いずれの方向から見ても画像の明るさやコントラストが均等なスクリーンが実現できる。
本発明のスクリーンにおいて、前記遮光層としては、前記第1遮光部材を含む第1遮光層と、前記第2遮光部材を含む第2遮光層とが積層されてなる構成を採用できる。
この構成によれば、第1遮光部材と第2遮光部材とを備えたスクリーンの製作が容易になるとともに、各遮光部材の形状、配置等の設計の自由度が高まる。
この構成によれば、第1遮光部材と第2遮光部材とを備えたスクリーンの製作が容易になるとともに、各遮光部材の形状、配置等の設計の自由度が高まる。
本発明のスクリーンにおいて、隣り合う2つの前記第1遮光部材の間隔、隣り合う2つの前記第2遮光部材の間隔のうちの少なくとも一方が一定でないことが望ましい。
この構成によれば、規則的に配置された画素との間での干渉がより起こり難くなり、モアレの発生をより確実に抑制できる。
この構成によれば、規則的に配置された画素との間での干渉がより起こり難くなり、モアレの発生をより確実に抑制できる。
本発明のスクリーンにおいて、前記第1遮光部材の延在方向および前記第2遮光部材の延在方向と前記表示面の水平方向とのなす角度が45°よりも小さい構成を採用できる。
この構成によれば、各遮光部材の延在方向が表示面の水平方向に近いため、光反射層からの反射光の射出角度が表示面の水平方向でより広がり、水平方向に広い視野角特性を有するスクリーンを実現できる。
この構成によれば、各遮光部材の延在方向が表示面の水平方向に近いため、光反射層からの反射光の射出角度が表示面の水平方向でより広がり、水平方向に広い視野角特性を有するスクリーンを実現できる。
もしくは、本発明のスクリーンにおいて、前記第1遮光部材の延在方向および前記第2遮光部材の延在方向と前記表示面の垂直方向とのなす角度が45°よりも小さい構成を採用できる。
この構成によれば、各遮光部材の延在方向が表示面の垂直方向に近いため、光反射層からの反射光の射出角度が表示面の垂直方向でより広がり、垂直方向に広い視野角特性を有するスクリーンを実現できる。
この構成によれば、各遮光部材の延在方向が表示面の垂直方向に近いため、光反射層からの反射光の射出角度が表示面の垂直方向でより広がり、垂直方向に広い視野角特性を有するスクリーンを実現できる。
本発明のスクリーンにおいて、隣り合う2つの前記第1遮光部材と隣り合う2つの前記第2遮光部材とによって囲まれた領域の平面形状が菱形を呈するものであっても良い。
この構成によれば、例えば上記領域の平面形状が正方形を呈するものに比べて 表示面の単位面積あたりの外乱光の遮光面積の割合を大きくでき、コントラストをより高められる。この点については後述する。
この構成によれば、例えば上記領域の平面形状が正方形を呈するものに比べて 表示面の単位面積あたりの外乱光の遮光面積の割合を大きくでき、コントラストをより高められる。この点については後述する。
本発明のスクリーンは、投射画像を表示する矩形状の表示面を有するスクリーンであって、光を反射する光反射層と、前記光反射層の視認側に突出する複数の庇状の遮光部材を含む遮光層と、を備え、前記複数の遮光部材の各々が、前記表示面の長手方向および短手方向に対して傾いた方向に延在していることを特徴とする。
本発明のスクリーンによれば、各遮光部材が表示面の長手方向および短手方向に対して傾いた方向に延在しており、画素の配列方向と交差するため、光の干渉が起こり難くなり、モアレの発生を抑制できる。
本発明のスクリーンによれば、各遮光部材が表示面の長手方向および短手方向に対して傾いた方向に延在しており、画素の配列方向と交差するため、光の干渉が起こり難くなり、モアレの発生を抑制できる。
本発明のプロジェクションシステムは、上記本発明のスクリーンと、スクリーンに対して画像光を投射するプロジェクターと、を備えたことを特徴とする。
本発明によれば、上記本発明のスクリーンを備えているため、高コントラストで鮮明な画像を表示可能なプロジェクションシステムを構築できる。
本発明によれば、上記本発明のスクリーンを備えているため、高コントラストで鮮明な画像を表示可能なプロジェクションシステムを構築できる。
[第1実施形態]
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態のスクリーンは、フロント型プロジェクターからの画像光が投射される反射型スクリーンである。
図1は本実施形態のスクリーンを拡大視した平面図である。図2は図1のA−A線に沿う断面図である。図3は本実施形態のスクリーンの作用、効果を説明するための図である。
なお、以下の図面では、スクリーンの表示面の水平方向をX方向、垂直方向をY方向、法線方向をZ方向とする。また、図面上で各構成要素を見やすくするため、構成要素によっては他の構成要素と寸法の縮尺を変えて示すことがある。なお、表示面の水平方向、垂直方向とは、スクリーンに投射される画像を構成する画素の配列における水平方向、垂直方向に対応している。
以下、本発明の第1実施形態について図1〜図3を参照して説明する。
本実施形態のスクリーンは、フロント型プロジェクターからの画像光が投射される反射型スクリーンである。
図1は本実施形態のスクリーンを拡大視した平面図である。図2は図1のA−A線に沿う断面図である。図3は本実施形態のスクリーンの作用、効果を説明するための図である。
なお、以下の図面では、スクリーンの表示面の水平方向をX方向、垂直方向をY方向、法線方向をZ方向とする。また、図面上で各構成要素を見やすくするため、構成要素によっては他の構成要素と寸法の縮尺を変えて示すことがある。なお、表示面の水平方向、垂直方向とは、スクリーンに投射される画像を構成する画素の配列における水平方向、垂直方向に対応している。
本実施形態のスクリーン1は、図2に示すように、基材層2と、光反射層3と、光反射層3の視認側に設けられた遮光層4と、の積層構造で構成されている。光反射層3は、従来一般のスクリーンに用いられているものと同様で良く、例えば白色の樹脂シート等を用いることができる。また、光反射層3の視認側に反射光を拡散させる光拡散層を備えていても良い。遮光層4は、所定の方向から入射された光を遮断する特性を有し、光透過層5と複数の遮光部材6とから構成されている。また、説明の便宜上、遮光層4側の最表面を、スクリーン1の「表示面4A」と呼ぶことにする。スクリーン1の表示面4Aは横長の長方形であり、表示面4Aの長手方向が水平方向、短手方向が垂直方向に対応する。
光透過層5は、例えば透明樹脂等の材料で構成されている。本実施形態のスクリーン1は、表示面4Aの斜め下方に配置されたプロジェクターPJから画像光L1が投射される一方、表示面4Aの斜め上方から外乱光L2が照射される環境で使用されることを前提としている。また、画像光L1は表示面4Aの法線に対して相対的に小さい角度で入射する一方、外乱光L2は表示面4Aの法線に対して相対的に大きい角度で入射する。このような前提の下、各遮光部材6は、下面側が光反射層7、上面側が光吸収層8の2層構造となっている。各遮光部材6の光反射層7は、光反射層3と同様、例えば白色の樹脂層等を用いても良いし、金属膜等を用いても良い。一方、光吸収層8は、例えば黒色の樹脂層等を用いても良い。
各遮光部材6は長尺の板状部材であって、複数の遮光部材6が光反射層3の表面から一定間隔をおいて庇状に突出するように設置されている。以下、遮光部材6の長手方向をスクリーン1の水平方向に一致させた状態から遮光部材6を回転させたときに、遮光部材6の長手方向とスクリーン1の水平方向とのなす角度を「遮光部材6の回転角度θ」と定義し、時計回りに回転させたときの回転角度を正の値、反時計回りに回転させたときの回転角度を負の値で記すことにする。
複数の遮光部材6は、図1に示すように、回転角度が0°<θ<+45°である複数の第1遮光部材6A(図1において右下がりに延在する遮光部材)と、回転角度が0°<θ<−45°である複数の第2遮光部材6B(図1において右上がりに延在する遮光部材)と、を含んでいる。本実施形態においては、複数の第1遮光部材6A、複数の第2遮光部材6Bを構成する各遮光部材6は、互いに平行で等間隔に配置されている。また、第1遮光部材6Aの回転角度θと第2遮光部材6Bの回転角度6Bとは、絶対値が等しく、符号が逆である。すなわち、複数の第1遮光部材6Aと複数の第2遮光部材6Bとが組み合わされ、隣り合う2つの第1遮光部材6Aと隣り合う2つの第2遮光部材6Bとによって囲まれた領域が菱形を呈している。
本実施形態のスクリーン1によれば、図2に示すように、スクリーン1の表示面4Aに対して斜め下側で表示面4Aの法線に対して相対的に小さい角度から入射する画像光L1は、遮光部材6の光反射層7、もしくは光反射層3で反射し、高い効率でスクリーン1の視認側に戻ってくる。一方、表示面4Aに対して斜め上側で表示面4Aの法線に対して相対的に大きい角度から入射する外乱光L2は、複数の遮光部材6で遮断されるとともに光吸収層8で吸収され、光反射層3のうち、遮光部材6の影となる部分には到達しない。このように、本実施形態のスクリーン1は、外乱光L2に比べて画像光L1の方をより多く反射するので、コントラストの高い画像を表示することができる。
仮に上記の第1遮光部材6A、第2遮光部材6Bがスクリーンの水平方向および垂直方向と平行に配置されていたとすると、例えば液晶ライトバルブのブラックマトリクス等からなる画素の格子構造もスクリーンの水平方向および垂直方向と平行であるため、図3(A)に示すように、破線で示す画素の格子構造S1と実線で示す遮光部材B1,B2とは、ピッチは異なるとしても、略重なったり、非常に近接して位置したりする箇所(2点鎖線で示した箇所M)ができる。このような箇所Mで光が干渉し、モアレが発生する。
これに対して、本実施形態のスクリーン1によれば、第1遮光部材6A、第2遮光部材6Bがスクリーン1の水平方向および垂直方向に対して傾いて配置されているため、図3(B)に示すように、破線で示す画素の格子構造S1と実線で示す遮光部材6とが交差することになる。その結果、光の干渉が起こり難くなり、モアレの発生を抑制できる。
また、遮光層4を構成する各遮光部材6がスクリーン1の表面に露出しておらず、光透過層5に被覆されているので、光透過層5によって遮光部材6が保護され、遮光部材6の破損等が生じにくくなるとともに、スクリーンの取り扱いが容易になる。
[第2実施形態]
以下、本発明の第2実施形態について図4〜図6を参照して説明する。
本実施形態のスクリーンの基本構成は第1実施形態と共通するが、遮光層の構成と遮光層に含まれる遮光部材の配置が第1実施形態と異なっている。
図4は本実施形態のスクリーンを拡大視した平面図である。図5は図4のA−A線に沿う断面図である。図6は本実施形態のスクリーンの作用、効果を説明するための図である。
なお、これら図4〜図6において、第1実施形態で用いた図1〜図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第2実施形態について図4〜図6を参照して説明する。
本実施形態のスクリーンの基本構成は第1実施形態と共通するが、遮光層の構成と遮光層に含まれる遮光部材の配置が第1実施形態と異なっている。
図4は本実施形態のスクリーンを拡大視した平面図である。図5は図4のA−A線に沿う断面図である。図6は本実施形態のスクリーンの作用、効果を説明するための図である。
なお、これら図4〜図6において、第1実施形態で用いた図1〜図3と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
本実施形態のスクリーン11は、図5に示すように、光反射層3の視認側に第1遮光層12、第2遮光層13からなる2層の遮光層が積層された形態となっている。複数の遮光部材16のうち、回転角度θが0°<θ<+45°である複数の第1遮光部材16A(図5において右下がりに延在する遮光部材)は第1遮光層12を構成し、回転角度θが0°<θ<−45°である複数の第2遮光部材16B(図5において右上がりに延在する遮光部材)は第2遮光層13を構成する。すなわち、第1遮光層12は複数の第1遮光部材16Aとこれら第1遮光部材16Aを覆う光透過層5で構成され、第2遮光層13は複数の第2遮光部材16Bとこれら第2遮光部材16Bを覆う光透過層5で構成されている。したがって、本実施形態の場合、複数の第1遮光部材16Aと複数の第2遮光部材16Bとは同一面上には位置しないが、スクリーン11を正面から見たときには、図4に示すように、隣り合う2つの第1遮光部材16Aと隣り合う2つの第2遮光部材16Bとによって囲まれた領域が菱形を呈する。
第1実施形態のスクリーン1は、各遮光部材6が互いに平行で等間隔に配置されていたのに対し、本実施形態のスクリーン1は、複数の第1遮光部材16A、複数の第2遮光部材16Bを構成する各遮光部材16が互いに平行で不等間隔に配置されている。すなわち、隣り合う第1遮光部材16A間のピッチ、隣り合う第2遮光部材16B間のピッチはそれぞれ一定ではない。このとき、スクリーン1内の一部の領域の各遮光部材間のピッチが互いに異なり、その異なるピッチのパターンを他の領域で繰り返す構成でも良いが、スクリーン1の全面にわたって第1遮光部材16Aの各遮光部材16のピッチがランダムに設定されていることが望ましい。その場合、モアレの発生を最も効率的に抑制できる。
第1実施形態のように遮光部材6をスクリーン1の水平方向および垂直方向に対して傾けて配置した場合であっても、各遮光部材6が互いに平行で等間隔に配置されていると、図6(A)に示すように、第1遮光部材6Aと第2遮光部材6Bと画素の格子構造S1とが交差する交点(2点鎖線で囲んだ円Kで示す)が一定間隔おきに連続的に発生する。この場合、交点Kの間隔や配置によってはモアレが発生する虞がある。
これに対して、本実施形態のスクリーン11によれば、各遮光部材16が互いに平行で不等間隔に配置されているため、図6(B)に示すように、第1遮光部材16Aと第2遮光部材16Bと画素の格子構造S1とが交差する交点が一定間隔で連続的に発生することがない。これにより、第1実施形態のスクリーン1に比べてさらにモアレの発生を抑制できる。
また、外乱光に比べて画像光の方をより多く反射するので、コントラストの高い画像を表示できるという効果が得られる点は第1実施形態と同様である。さらに本実施形態の場合、第1遮光部材16Aを含む第1遮光層12と第2遮光部材16Bを含む第2遮光層13とが積層されているため、スクリーン1の製作が容易になるとともに、各遮光部材16の形状、配置等の設計の自由度が高まる。
[第3実施形態]
以下、本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。
本実施形態のスクリーンの基本構成は第1、第2実施形態と同様であり、遮光部材の配置が第1、第2実施形態と異なるのみである。
図7は本実施形態のスクリーンを拡大視した平面図である。図7において、第1実施形態で用いた図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
以下、本発明の第3実施形態について図7を参照して説明する。
本実施形態のスクリーンの基本構成は第1、第2実施形態と同様であり、遮光部材の配置が第1、第2実施形態と異なるのみである。
図7は本実施形態のスクリーンを拡大視した平面図である。図7において、第1実施形態で用いた図1と共通の構成要素には同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
第1、第2実施形態のスクリーンは、各遮光部材の回転角度θが0°<θ<±45°であったのに対し、本実施形態のスクリーン21は、各遮光部材26の回転角度θが±45°<θ<±90°である点が異なっている。すなわち、本実施形態のスクリーン21において、複数の遮光部材26は、図7に示すように、回転角度θが+45°<θ<+90°である複数の第1遮光部材26A(図7において右下がりに延在する遮光部材)と、回転角度θが−45°<θ<−90°である複数の第2遮光部材(図7において右上がりに延在する遮光部材)と、を含んでいる。本実施形態においては、複数の第1遮光部材26A、複数の第2遮光部材26Bを構成する各遮光部材26は互いに平行で等間隔に配置されている。また、第1遮光部材26Aの回転角度θと第2遮光部材26Bの回転角度θとは、絶対値が等しく、符号が逆である。すなわち、複数の第1遮光部材26Aと複数の第2遮光部材26Bとが組み合わされ、隣り合う2つの第1遮光部材と隣り合う2つの第2遮光部材とによって囲まれた領域は、第1、第2実施形態では横長の菱形であったのに対し、本実施形態では縦長の菱形を呈している。
本実施形態のスクリーン21においても、外乱光に比べて画像光の方をより多く反射するので、コントラストの高い画像を表示できる、という第1実施形態と同様の効果が得られる。また、第1、第2実施形態のスクリーンでは、各遮光部材6,16の延在方向が垂直方向よりも水平方向に近いため、光反射層3からの反射光の射出角度が表示面の水平方向でより広がり、水平方向に広い視野角特性を有するスクリーンを実現できる。一方、本実施形態のスクリーン21では、各遮光部材26の延在方向が水平方向よりも垂直方向に近いため、光反射層3からの反射光の射出角度が表示面の垂直方向でより広がり、垂直方向に広い視野角特性を有するスクリーンを実現できる。
ここで、第1〜第3実施形態のスクリーン1,11,21は、全て、隣り合う2つの第1遮光部材6A,16A,26Aと隣り合う2つの第2遮光部材6B,16B,26Bとによって囲まれた領域の形状が菱形であった。
この形状による効果について以下、説明する。
上述したように、上記実施形態のスクリーン1,11,21によれば、図8に示すように、スクリーン1,11,21に対して斜め下側から入射する画像光L1は、光反射層3で反射し、観察者側に戻る一方、斜め上側から入射する外乱光L2は、複数の遮光部材6,16,26で遮断され、遮光部材6,16,26の影となる部分Bができる。
この形状による効果について以下、説明する。
上述したように、上記実施形態のスクリーン1,11,21によれば、図8に示すように、スクリーン1,11,21に対して斜め下側から入射する画像光L1は、光反射層3で反射し、観察者側に戻る一方、斜め上側から入射する外乱光L2は、複数の遮光部材6,16,26で遮断され、遮光部材6,16,26の影となる部分Bができる。
隣り合う遮光部材の垂直方向のピッチがa、隣り合う遮光部材の水平方向のピッチがaの遮光部材で囲まれた領域の面積を単位面積としたとき、光反射層3の表面からの遮光部材の張出寸法をaとし、スクリーンに対して斜め上方45°の角度から外乱光が入射すると仮定する。図9(A)に示すように、遮光部材で囲まれた領域の形状が正方形であり、正方形の各辺をスクリーンの水平方向、垂直方向と平行に配置した場合、単位面積Sがa2、遮光部材で囲まれた領域の上半分が影となるので、影の部分Bの面積はa2/2となる。すなわち、単位面積あたりの影の面積の割合は50%となる。
これに対して、遮光部材で囲まれた領域の形状が正方形であっても、図9(B)に示すように、正方形の各辺をスクリーンの水平方向、垂直方向に対して45°をなすように傾けて配置した場合、単位面積がa2/2、影の部分Bの面積は(a2/2)×3/4となる。すなわち、単位面積あたりの影の面積の割合は75%となる。
また、第1実施形態のように各遮光部材の回転角度を0°<θ<±45°、より具体的には、図9(C)に示すように、各遮光部材の回転角度をθ=±30°とし、垂直方向のピッチをaで統一した場合、単位面積がa2×√3/2、影の部分Bの面積は(a2×√3/2)×3/4となる。すなわち、単位面積あたりの影の面積の割合は75%となる。
このように、上記実施形態のスクリーン1,11,21は、遮光部材で囲まれた領域の平面形状が正方形を呈するものに比べてモアレに強いだけでなく、表示面の単位面積あたりの外乱光の影の面積の割合を大きくでき、コントラストをより高められる。
[第4実施形態]
以下、本発明の第4実施形態について図10を参照して説明する。
本実施形態は、上記第1〜第3実施形態のスクリーンを備えたプロジェクションシステムの一例である。
図10は本実施形態のプロジェクションシステムの概略構成図である。
以下、本発明の第4実施形態について図10を参照して説明する。
本実施形態は、上記第1〜第3実施形態のスクリーンを備えたプロジェクションシステムの一例である。
図10は本実施形態のプロジェクションシステムの概略構成図である。
本実施形態のプロジェクションシステム30は、図10に示すように、プロジェクター31と、第1〜第3実施形態のスクリーン1,11,21とから構成されている。プロジェクター31は、光源32、ダイクロイックミラー33,34、反射ミラー35,36,37、入射レンズ38、リレーレンズ39、出射レンズ40、液晶ライトバルブ41R,41G,41B、クロスダイクロイックプリズム42、投射レンズ43等から構成されている。その他、光源32から射出される光の照度分布を均一化するためのインテグレータ光学系、光源32から射出される光の偏光状態を液晶ライトバルブ41R,41G,41Bで用いる偏光に揃える偏光変換光学系を備えていても良い。
光源32は、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等のランプ44と、ランプ44の光を反射するリフレクタ45とから構成されている。ダイクロイックミラー33は、光源32からの白色光に含まれる赤色光を透過させるとともに、青色光と緑色光とを反射する機能を有している。ダイクロイックミラー34は、青色光を透過させるとともに、緑色光を反射する機能を有している。よって、ダイクロイックミラー33を透過した赤色光は反射ミラー35で反射されて、赤色光用液晶ライトバルブ41Rに入射される。また、ダイクロイックミラー33で反射された緑色光は、ダイクロイックミラー34によって反射され、緑色光用液晶ライトバルブ41Gに入射される。
さらに、ダイクロイックミラー33で反射された青色光は、ダイクロイックミラー34を透過する。青色光に対しては、長い光路による光損失を防ぐため、入射レンズ38、リレーレンズ39および出射レンズ40を含むリレーレンズ系からなる導光光学系46が設けられている。この導光光学系46を介して青色光が青色光用液晶ライトバルブ41Bに入射される。
各液晶ライトバルブ41R,41G,41Bによって変調された3つの色光は、クロスダイクロイックプリズム42に入射する。このクロスダイクロイックプリズム42は4つの直角プリズムを貼り合わせたものであり、その界面には赤光を反射する誘電体多層膜と青光を反射する誘電体多層膜とがX字状に形成されている。これらの誘電体多層膜により3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が形成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ43によってスクリーン1,11,21上に投影され、画像が拡大表示される。
本実施形態によれば、上記第1〜第3実施形態のスクリーン1,11,21を備えているため、高コントラストで鮮明な画像を表示可能なプロジェクションシステムを構築できる。
なお、本発明の技術範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施形態では、第1遮光部材、第2遮光部材を構成する複数の遮光部材が互いに平行に配置された例を示したが、必ずしも複数の遮光部材が互いに平行に配置されていなくても良く、スクリーン上の場所に応じて回転角度が異なっており、複数の遮光部材が非平行に配置されていても良い。また、第2実施形態では、第1遮光部材、第2遮光部材ともに、複数の遮光部材が不等間隔に配置された例を示したが、この構成に代えて、第1遮光部材、第2遮光部材のいずれか一方のみを不等間隔に配置する構成としても良い。その他、各構成部材の形成材料等については、上記実施形態の記載に限定されることなく、適宜変更が可能である。
1,11,21…スクリーン、3…光反射層、4…遮光層、6,16,26…遮光部材、6A,16A,26A…第1遮光部材、6B,16B,26B…第2遮光部材、7…光反射層、8…光吸収層、12…第1遮光層、13…第2遮光層、30…プロジェクションシステム、31…プロジェクター。
Claims (10)
- 投射画像を表示する表示面を有するスクリーンであって、
光を反射する光反射層と、
前記光反射層の視認側に突出する複数の庇状の遮光部材を含む遮光層と、を備え、
前記複数の遮光部材の各々が、前記表示面の水平方向および垂直方向に対して傾いた方向に延在していることを特徴とするスクリーン。 - 前記遮光部材は、一面が光吸収性を有するとともに他面が光反射性を有することを特徴とする請求項1に記載のスクリーン。
- 前記複数の遮光部材は、前記表示面の水平方向および垂直方向に対して延在方向が所定の方向に傾いた第1遮光部材と、前記表示面の水平方向および垂直方向に対する傾き方向が前記第1遮光部材とは異なる第2遮光部材と、を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のスクリーン。
- 前記遮光層は、前記第1遮光部材を含む第1遮光層と、前記第2遮光部材を含む第2遮光層とが積層されてなることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン。
- 隣り合う2つの前記第1遮光部材の間隔、隣り合う2つの前記第2遮光部材の間隔のうちの少なくとも一方が一定でないことを特徴とする請求項3または4に記載のスクリーン。
- 前記第1遮光部材の延在方向および前記第2遮光部材の延在方向と前記表示面の水平方向とのなす角度が45°よりも小さいことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載のスクリーン。
- 前記第1遮光部材の延在方向および前記第2遮光部材の延在方向と前記表示面の垂直方向とのなす角度が45°よりも小さいことを特徴とする請求項3ないし5のいずれか一項に記載のスクリーン。
- 隣り合う2つの前記第1遮光部材と隣り合う2つの前記第2遮光部材とによって囲まれた領域の平面形状が菱形を呈することを特徴とする請求項3ないし7のいずれか一項に記載のスクリーン。
- 投射画像を表示する矩形状の表示面を有するスクリーンであって、
光を反射する光反射層と、
前記光反射層の視認側に突出する複数の庇状の遮光部材を含む遮光層と、を備え、
前記複数の遮光部材の各々が、前記表示面の長手方向および短手方向に対して傾いた方向に延在していることを特徴とするスクリーン。 - 請求項1ないし9のいずれか一項に記載のスクリーンと、前記スクリーンに対して画像光を投射するプロジェクターと、を備えたことを特徴とするプロジェクションシステム。
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