JP2010197427A - 画像形成装置 - Google Patents

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Yoshihiro Yamagishi
義広 山岸
Eiji Nimura
栄司 丹村
Ikuo Makie
郁雄 牧江
Masatake Hayashi
昌毅 林
Hirohisa Endo
裕久 遠藤
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Abstract

【課題】入力された画像データを維持したまま尾引きを抑制し、長期に亘って安定した画像品質を維持可能な画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置100の制御部32は、入力される画像データに含まれる線画像データの面積割合を算出し、該面積割合が所定値よりも大きいとき、転写ローラ14に流れる転写電流値を所定の設定値よりも高く設定することにより、用紙Sに対するトナーの吸着力を増大させて尾引きを抑制する。また、転写電流を高く設定する時間を制限することにより感光体ドラム5の劣化を抑制する。
【選択図】図5

Description

本発明は電子写真法を用いた画像形成装置に関するものであり、特にトナー像を記録媒体に転写する転写方法に関するものである。
従来、レーザービームプリンタ等の電子写真プロセスを用いた画像形成装置は、コンピュータから送られた画像信号に基づき、レーザ光により感光体ドラム(像担持体)に静電潜像を形成し、現像装置により静電潜像をトナー像とする。一方、給紙カセット内に収納された転写材としての用紙(記録媒体)は、給紙ローラによって1枚ずつ取り出され、レジストローラによって書き込みタイミングを調整される。そして、転写ローラによって感光体ドラム上のトナー像がレジストローラから供給された用紙に転写される。その後、加熱ローラ及び加圧ローラを有する定着部においてトナー像が用紙に定着され、排出される。
このような画像形成装置においては、主走査方向(搬送方向とは垂直方向)の線画像を出力した場合、定着工程では、線画像の副走査方向後側(用紙の搬送方向上流側)にトナーが飛び散って画像を乱す(尾引き)という問題が発生している。この問題は、通常のオフィス環境下で発生し、特に湿度が高いほど発生し易いことが知られている。
また、用紙中の水分が、定着工程での急激な温度上昇や、加熱ローラ及び加圧ローラによる圧迫等によって爆発的に蒸発すると、未だ完全に定着し切っていない線画像後端から抜け出す。この際、水蒸気と共にトナーが線画像の後側に飛び散ることにより尾引きが発生することも知られている。
そこで、かかる尾引きを防止するための方法が提案されている。例えば特許文献1には、入力情報が横ライン画像で、かつそのライン幅が150μm〜300μm、ライン長さが5mm以上であるとき、そのライン画像のエッジ部の画像データはそのまま維持し、非エッジ部は画像データを間引くことにより、トナーの乗り量が減り、定着ニップへ突入した時の密閉度を低減し、画像品質を損なうことなく尾引きの発生を防止する方法が開示されている。
特開平2001−80112
特許文献1には、画像データのうちエッジ部以外を間引くので、間引き率が70%以下であれば肉眼では画像欠損を確認できないことが開示されている。確かに現像性能が十分な場合には、エッジ部を除いて画像を間引いても画像欠損等の画像劣化を目視では確認できない場合もあり得る。しかし、例えば低印字率画像の印字動作において、現像性能の低下により画像濃度が低下した場合には、線画像が細く、或いは薄くなるといった画像欠損が目視でも確認されるおそれがある。
また、尾引きは線画像の太さや間隔によって発生頻度やその程度が変化するおそれがあり、例えば線画像が密集している画像では尾引きが発生し易く、その程度は大きい場合が多い。逆に、線が一本だけ存在しているような画像に対しては尾引きは発生し難く、発生してもその程度は小さい場合が多い。
本発明は、上記問題点に鑑み、入力された画像データを維持したまま尾引きを抑制し、長期に亘って安定した画像品質を維持可能な画像形成装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、像担持体、現像手段及び転写手段を有し、入力された画像情報に基づいて前記像担持体上に形成された静電潜像を前記現像手段により現像し、前記転写手段により記録媒体上にトナー像を転写する画像形成部と、加熱部及び加圧部により記録媒体を挿通させる定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部で前記画像形成部により記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着手段と、を備えた画像形成装置において、前記画像情報に対する該画像情報に含まれる記録媒体搬送方向とは垂直方向に形成され且つ前記定着ニップ部のニップ幅よりも狭い線画像情報の面積割合を算出し、前記面積割合が所定値よりも大きいとき、前記転写手段に流れる転写電流値を所定の設定値よりも高く設定する制御手段が設けられたことを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段が、前記面積割合が前記所定値よりも大きく且つ前記現像手段において所定間隔未満でなされる現像動作の累積動作時間が所定時間よりも長いとき、前記転写電流値を前記設定値よりも高く設定することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記制御手段が、前記面積割合が前記所定値よりも大きいとき、前記転写電流値を前記設定値よりも高い第1の高設定値に設定し、さらに前記累積動作時間が前記所定時間よりも長くなったとき、前記転写電流値を前記第1の高設定値よりも高い第2の高設定値に設定することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記面積割合は、前記画像情報を所定の領域に分割し、前記領域ごとに算出される前記画像情報に対する前記線画像情報の面積割合であり、前記制御手段が、前記領域のうち少なくとも1つにおいて前記面積割合が前記所定値よりも大きいとき、前記転写電流値を前記設定値よりも高く設定することを特徴としている。
また本発明は、上記構成の画像形成装置において、前記像担持体は、有機感光体であることを特徴としている。
本発明の第1の構成によれば、入力された画像情報に対する該画像情報に含まれる記録媒体搬送方向とは垂直方向に形成され且つ定着ニップ部のニップ幅よりも狭い線画像情報の面積割合を算出し、面積割合が所定値よりも大きいとき、転写手段に流れる転写電流値を所定の設定値よりも高く設定する制御手段を設けることにより、線画像の面積割合が所定値よりも大きい場合にはトナーが飛び散り易いと判断して記録媒体に対するトナーの吸着力を増加させることができる。
これにより、定着時にトナーの飛び散りを抑制することができるため、尾引きを抑制することができる。また、線画像の面積割合が所定値以下の場合には、転写電流値を高く設定しないため、像担持体の劣化原因となる高い転写電流値が流れる時間を制限することができる。これにより、像担持体の劣化を抑制することができるため、長期に亘って安定した画像品質を維持することが可能となる。
また、本発明の第2の構成によれば、上記第1の構成の画像形成装置において、制御手段が、上記面積割合が所定値よりも大きく且つ現像手段において所定間隔未満でなされる現像動作の累積動作時間が所定時間よりも長いとき、転写電流値を設定値よりも高く設定することにより、現像動作が繰り返され現像手段の現像性能が向上して供給されるトナー量が多くなったときに、記録媒体に対するトナーの吸着力を増加することができるため、トナーの飛び散りをより効果的に抑制することができる。
これにより、より効果的に尾引きを抑制することができる。また、線画像の面積割合だけでなく現像性能が増大したときに転写電流値を高くすることにより、転写電流値を高くする時間をより制限することができるため、像担持体の劣化をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の第3の構成によれば、上記第2の構成の画像形成装置において、制御手段が、上記面積割合が所定値よりも大きいとき、転写電流値を設定値よりも高い第1の高設定値に設定し、さらに累積動作が所定時間よりも長くなったとき、転写電流値を第1の高設定値よりも高い第2の高設定値に設定することにより、線画像の面積割合及び現像性能をそれぞれ考慮して転写電流値を高くすることができる。
これにより、より詳細に転写電流値を高く設定することが可能となり、より効果的に尾引きを抑制することができる。また、段階的に転写電流値を高くすることにより、必要以上に転写電流値を高く設定することを回避することができるため、転写電流値を高くする時間をより効果的に制限することができ、像担持体の劣化をより効果的に抑制することができる。
また、本発明の第4の構成によれば、上記第1〜第3のいずれかの構成の画像形成装置において、上記面積割合を、画像情報を所定の領域に分割し、上記領域ごとに算出される画像情報に対する線画像情報の面積割合とし、制御手段が、上記領域のうち少なくとも1つにおいて面積割合が所定値よりも大きいとき、転写電流値を設定値よりも高く設定することにより、より精度良く詳細に線画像の面積割合を算出することができるため、より確実に転写電流値を高く設定して尾引きの抑制及び像担持体の劣化の抑制を図ることができる。
また、本発明の第5の構成によれば、上記第1〜第4のいずれかの構成の画像形成装置において、像担持体を有機感光体とすることにより、転写電流の影響を受け易い場合であっても、像担持体の劣化を効果的に抑制することができる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置の全体構成を示す概略断面図 本実施形態の画像形成装置に用いられる感光体ドラム、現像ユニット及び転写ローラ周辺を示す拡大部分側面断面図 本発明の画像形成装置の構成を示すブロック図 A4サイズの画像データを分割した状態を示す模式図 本発明の転写電流制御の第1制御例を示すフローチャート 本発明の転写電流制御の第2制御例を示すフローチャート 本発明の転写電流制御の第3制御例を示すフローチャート
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明の画像形成装置の全体構成を示す概略断面図であり、図2は、本実施形態の画像形成装置に用いられる感光体ドラム、現像ユニット及び転写ローラ周辺を示す拡大部分側面断面図である。
図1に示すように、画像形成装置(例えばプリンタ)100内には、帯電器4、感光体ドラム(像担持体)5及びクリーニング装置6が一体化されたプロセスユニットPと、露光ユニット7と、現像ユニット(現像手段)8と、転写ローラ(転写手段)14とが配置されている。プロセスユニットP、現像ユニット8及び転写ローラ14は、画像形成部を形成している。
画像形成装置100では、画像形成動作を行う場合、帯電器4により図中時計回りに回転する感光体ドラム5が一様に帯電され、入力された画像データに基づく露光ユニット(レーザ走査ユニット等)7からのレーザビームにより感光体ドラム5上に静電潜像が形成され、現像ユニット8により静電潜像に現像剤(以下、トナーという)が付着されてトナー像が形成される。なお、ここでは正帯電トナーを用いることとする。
この現像ユニット8へのトナーの供給はトナーコンテナ9から行われる。なお、画像データはパーソナルコンピュータ(図示せず)等から送信される。また、感光体ドラム5の表面の残留電荷を除去する除電装置(図示せず)がクリーニング装置6の下流側に設けられている。
上記のようにトナー像が形成された感光体ドラム5に向けて、用紙(記録媒体)Sが給紙カセット10又は手差しトレイ11から用紙搬送路12及びレジストローラ対13を経由して搬送され、転写ローラ14により感光体ドラム5の表面に形成されたトナー像が用紙に転写される。
そして、トナー像が転写された用紙は感光体ドラム5から分離され、加熱ローラ15a(加熱部)及び加圧ローラ15b(加圧部)を有する定着部(定着手段)15に搬送され、定着ニップ部Nで加熱及び加圧されてトナー像が定着される。定着部15を通過した用紙は、用紙搬送路16により装置上部に搬送され、排出ローラ対17より排出トレイ18に排出される。
また、給紙カセット10に収容された用紙Sは、ピックアップローラ21によって通常上段の複数枚がフィードローラとリタードローラとから構成された給紙ローラ対22に送られる。給紙ローラ対22に送られた複数枚の用紙は、ニップ通過速度がフィードローラよりも抑制されたリタードローラの回転によって生じる摩擦により、最上の1枚のみが分離されて用紙搬送路12に向けて搬送される。
プロセスユニットPに配置された感光体ドラム5の直径は30mmに設定され、感光材料は、正帯電単層型有機感光体(OPC)から構成されている。また、帯電器4は、感光体ドラム5の表面を所定極性の帯電電位(ここでは正極性)の帯電電位に帯電することができ、帯電電位は475Vに設定されている。クリーニング装置6は、カウンターブレード6aを備えており、感光体ドラム5表面の残留トナー等を除去することができる。
図2に示すように、現像ユニット8は、ハウジング8a内に現像ローラ25、螺旋羽根を有する攪拌搬送部材26等を備えている。ハウジング8a内には、磁性1成分現像剤(トナー)が収容されている。ハウジング8aの内部は、長手方向(図の紙面とは垂直方向)に延在する仕切板41によって第1貯留室42と第2貯留室43とに区画されており、第1及び第2貯留室42、43には攪拌搬送部材26がそれぞれ配置されている。
また、仕切板41は、ハウジング8aの長手方向両端部には設けられておらず、この部分が第1貯留室42と第2貯留室43の間をトナーが移動する通路となっている。そして、攪拌搬送部材26が回転することにより、ハウジング8a内のトナーが第1及び第2貯留室42、43を循環移動する。また、ハウジング8aにおける第2貯留室43の上方には、トナーコンテナ9(図1参照)からトナーが供給されるトナー補給口(図示せず)が設けられており、トナー補給口を通してトナーコンテナ9からトナーが供給される。
ハウジング8aの感光体ドラム5aと対向する部分は開口しており、この位置に現像ローラ25が配置されている。また、現像ローラ25は、攪拌搬送部材26と略平行となるように第1貯留室42内に回転可能に軸支されている。現像ローラ25には、内面に永久磁石から成る磁界発生部材(図示せず)が固定されたマグネットローラが使用されており、感光体ドラム5の回転に応じて現像ローラ25が回転すると、この磁界発生部材の磁力により現像ローラ25の表面にトナーが付着(担持)されてトナー層が形成される。
なお、現像ローラ25上のトナー層は、SUS303等の非磁性体のSUS(ステンレス)から形成される規制ブレード(図示しない)により所定のトナー層厚に規制されており、これにより、現像ローラ25へのトナー付着量が規制されている。
そして、所定の現像域において現像ローラ25に付着したトナー層中のトナーが、感光体ドラム5の表面電位と現像ローラ25に印加される現像バイアスとの電位差により感光体ドラム5へと飛翔して感光層に付着し、感光体ドラム5表面にトナー像が形成される。さらに、転写ローラ14に転写バイアスを印加することにより、感光体ドラム5から用紙Sにトナー像が転写される。
現像ローラ25には、直流電圧及び交流電圧を印加する現像バイアス回路27が接続されており、帯電極性と同極性(ここでは正極性)の直流電圧に矩形波の交流電圧を重畳した合成波形からなる現像バイアスが印加される。ここでは、直流電圧は340V、交流電圧のピークツーピーク値Vppは1.6kV、周波数は2.6kH、デューティー比は50%に設定されている。
また、転写ローラ14は、直径14.4mmのカーボン導電ローラから形成されており、転写ローラ14には、直流電圧を印加する転写バイアス回路28が接続されている。第2バイアス回路28により転写ローラ14に転写電流が流れることにより、転写ローラ14には帯電極性と逆極性の転写バイアスが印加される。通常の転写時には、転写ローラ14に流れる転写電流値は1.6μAに設定されている。
なお、画像形成時の線速は170mm/secに設定されており、現像ローラ25は感光体ドラム5に対して1.01倍の線速差で回転しており、転写ローラ14は、感光体ドラム5に対して1.05倍の線速差で回転するように設定されている。
図3は、画像形成装置の制御経路を示すブロック図である。図1及び図2と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。画像形成装置100は、画像入力部30、AD変換部31、プロセスユニットP、露光ユニット7、現像ユニット8、転写ローラ14、定着部15、現像バイアス回路27、転写バイアス回路28、制御部32、記憶部33、操作パネル34等から構成されている。
画像入力部30は、画像形成装置100が複写機である場合、複写時に原稿を照明するスキャナランプや原稿からの反射光の光路を変更するミラーが搭載された走査光学系、原稿からの反射光を集光して結像する集光レンズ、及び結像された画像光を電気信号に変換するCCD等から構成される画像読取部であり、画像形成装置100が図1に示すようなプリンタである場合、パーソナルコンピュータ等から送信される画像データを受信する受信部である。画像入力部30より入力された画像信号はAD変換部31においてデジタル信号に変換された後、後述する記憶部33内の画像メモリ40に送出される。
記憶部33は、画像入力部30から入力されAD変換部31においてデジタル変換された印刷画像データ(画像情報)をページ単位で記憶する画像メモリ40、画像形成装置100の制御途中で発生した必要なデータや画像形成装置100の制御に一時的に必要となるデータ等が記憶される読み書き自在のRAM(Random Access Memory)41、及び画像形成装置100の制御用プログラムや制御上の必要な数値等の画像形成装置100の使用中に変更されることがないデータ等が収められる読み出し専用のROM(Read Only Memory)42を備えている。
また、RAM41(或いはROM42)には、画像データを所定の領域に分割するためのデータや、線画像を特定するための画像幅や長さ等に関するデータや、画像データに対する線画像データの所定面積割合(所定値)や、線画像データの面積割合が所定面積割合よりも大きい場合に転写電流値を高く設定するための高設定値に関するパラメータや、現像ユニット8の所定累積動作時間に関するデータや、累積動作時間が所定時間より長い場合に転写電流値を高く設定するための高設定値に関するパラメータ等が格納されている。
操作パネル34は、画像形成装置100の状態や画像形成状況や印刷部数を表示するとともに、タッチパネルとして両面印刷や白黒反転等の機能や倍率設定、濃度設定など各種設定を行う液晶表示部、印刷部数の設定や画像形成装置100がFAX機能を有する場合に相手方のFAX番号を入力等するためのテンキー、画像形成を開始するようにユーザが指示するスタートボタン、画像形成を中止する際等に使用するストップ/クリアボタン、画像形成装置100の各種設定をデフォルト状態にする際に使用するリセットボタン等が設けられており、ユーザは操作パネル34を操作して指示を入力することで、画像形成装置100の各種の設定をし、画像形成等の各種機能を実行させる。
制御部32は、例えば中央処理装置(CPU)であり、設定されたプログラムに従って画像入力部30、プロセスユニットP、露光ユニット7、現像ユニット8、転写ローラ14、定着部15、現像バイアス回路27、転写バイアス回路28を全般的に制御するとともに、画像入力部30で読み取られた画像信号を、必要に応じて変倍処理或いは階調処理して画像データに変換する。露光ユニット7は、処理後の画像データに基づいてレーザ光を照射し、感光体ドラム5上に潜像を形成する。
さらに制御部32は、画像入力部30から入力された画像データを所定の領域に分割する機能、分割された領域において画像データに対する線画像データの面積割合を算出する機能、各領域における線画像データの面積割合が所定面積割合よりも大きいか否かを判断する機能、各領域の少なくとも1つにおいて面積割合が所定面積割合よりも大きいとき転写電流値を通常設定値よりも高く設定する機能、現像ユニット8の動作時間を計測する機能、現像ユニット8の累積動作時間を算出する機能、累積動作時間が所定時間より長いか否か判断する機能、所定時間よりも大きい場合、通常の設定値(所定の設定値)よりも高く設定する機能等を有している。
本発明においては、線画像の尾引きを抑制するために、画像データに対する該画像データに含まれる線画像データの面積割合が所定面積割合よりも大きいとき、転写ローラ14に流れる転写電流値を大きく設定することにより、トナーと用紙Sとの吸着力を大きくし、トナーが担持された用紙Sが定着部15で定着される際に、トナーの飛び散りを小さくして尾引きを抑制することができる。ここで、画像データとは、1枚の用紙サイズの全領域若しくは後述するように分割する場合には分割された領域に含まれる白黒含めた画像データをいう。
まず、本発明の転写電流制御の第1制御例について説明する。トナーの尾引きは、搬送方向とは垂直方向に配置された定着ニップ部N(図1参照)による圧接により生ずる。ここで、かかる垂直方向に形成される画像であっても定着ニップ部よりも搬送方向に太い画像であれば、定着ニップ部で圧迫されたトナーが後側(搬送方向上流側)に移動しても未だ画像内に留まることができる。その結果、トナーが画像後端側に飛び散り難く、尾引きは発生し難い。
これに対し、定着ニップ部Nよりも搬送方向に狭い線画像は、定着ニップ部Nで圧迫されたトナーが後側に移動すると画像内に留まることが困難である。その結果、トナーが画像後端側にはみ出して飛び散り易く、尾引きが発生し易い。そこで、本発明の線画像は、用紙Sの搬送方向とは垂直方向(主走査方向)に形成される画像であって、定着部15の定着ニップ部Nのニップ幅よりも狭い線画像とする。
かかる線画像は、定着ニップ幅に応じて適宜設定することができる。また、例えばユーザの便宜を考慮してテキスト画像で文字に使用される線画像を含まないようにその幅が狭くなるよう適宜設定することもできる。これら観点を考慮して、例えば幅5mm以下の線画像データの面積割合を算出するよう設定することができる。
また、面積割合を算出する線画像の長さが短過ぎると算出精度が低下するおそれがある。また、上記と同様、テキスト画像で文字に使用される線画像を含まないような長さに設定することもできる。これら観点を考慮して、例えば線画像の長さを5mm以上とすることができ、また例えばテキスト画像のフォント等に応じて10mm以上とすること等もできる。
また、転写ローラ14に流す転写電流値を高くすることにより、用紙Sに対するトナーの吸着力が増大し、尾引きを抑制することは可能となる。しかし、通常よりも高い転写電流を過度に長時間流すことにより、感光体ドラム5の感光層が劣化するおそれがある。感光体ドラム5の感光層が劣化すると、感光体ドラム5の表面電位そのものが低下するため、強く露光された部分があると転写後の除電によっても露光部分が除去できず、次の画像パターンに上記露光部分が現れる(メモリ画像)おそれがある。
このようなメモリ画像が発生すると、画像品質の低下につながる。特に、有機感光体を用いた場合には、過度の転写電流による影響が大きく、メモリ画像が発生し易くなる。そこで、本制御例では、画像データに対する線画像データの面積割合が所定面積割合よりも大きいとき、転写電流値を高く設定することとした。これにより、常時高い転写電流が転写ローラ14に流れることを抑制することができる。従って、感光体ドラム5の劣化を抑制することができ、長期に亘って安定な画像品質を維持することが可能となる。
かかる所定面積割合は、画像データに対する線画像データの白黒比率により算出することができる。また、所定面積割合は、例えば線画像の幅と長さを考慮して、画像データ中に線画像が含まれることを検出できるような値に設定することができ、例えば2%とすることができる。
また、画像データに対する線画像データの面積割合として、例えば、1ページ分の画像データに対する線画像データの面積の割合を算出することができるが、面積割合の算出方法は、特に限定されるものではない。その他、例えば画像データを複数の所定の領域に分割し、領域ごとに該領域に含まれる画像情報に対する線画像データの面積割合を算出することもでき、これにより、線画像の面積割合をより精度良く詳細に算出することができる。この場合、分割された領域のうち少なくとも1つにおいて面積割合が所定面積割合よりも大きいとき、転写電流値を高く設定することができる。
図4は、A4サイズの画像データを分割した状態を示す図である。図4に示すように、例えばA4サイズの画像データを、搬送方向(図の白抜き矢印)に7分割、搬送方向とは垂直方向に5分割することにより、略正方形状の領域Aに35分割することができる。かかる場合、各領域Aで算出した画像データに対する線画像データの面積割合のうち、少なくとも1つの領域Aで所定面積割合よりも大きいときには、尾引きが発生し易いと判断して転写電流値を高く設定することができる。
このように、画像データを所定の領域Aに分割して線画像データの面積割合を算出することにより、精度良く詳細に線画像の面積割合を算出することができるため、より確実に転写電流値を高く設定して尾引きの抑制及び感光体ドラム5の劣化の抑制を図ることができる。なお、分割方法は、上記に特に限定されるものではなく、面積割合の算出精度等に応じて適宜設定することができ、その他例えば、用紙搬送方向のみ或いは幅方向にのみ分割することもでき、例えば用紙搬送方向に4分割すること等もできる。
図5は、本発明の転写電流制御の第1制御例の手順を示すフローチャートである。先ず、印刷枚数、印刷倍率等の印刷条件がユーザによる操作パネル34或いはパソコンからの入力操作により手動設定され、用紙サイズが入力操作により手動設定若しくは原稿読み取り動作により自動設定される(ステップS1)。このとき、転写ローラ14に流れる転写電流値は、通常の設定値1.6μAに設定されている(ステップS2)。そして、スタートボタンONにより印刷開始指示(印刷信号)が入力される(ステップS3)。
印刷信号が入力されると、制御部32によって、入力された画像データ(ここではA4サイズ)を、搬送方向に7つ、搬送方向とは垂直方向に5つに分割することにより所定の領域Aに35分割し(図4参照)、各領域における画像データに対する線画像データの面積割合を算出する(ステップS4)。次に、制御部32は、算出された面積割合が2%(所定値)よりも大きい(面積割合>2%)領域Aが少なくとも1つ存在するか否かを判断する(ステップS5)。
全ての領域Aで面積割合≦2%の場合、転写電流値を可変せず、通常設定値1.6μAのまま転写が行われる(ステップS6)。一方、面積割合>2%となる領域Aが少なくとも1つ存在する場合、転写電流値を通常設定値1.6μAよりも高い3μAに設定して転写を行う(ステップS7)。そして、所定印数の印刷処理が終了したか否かが判断され(ステップS8)、印刷が継続中であれば、ステップS4に戻り同様の制御を行う(ステップS4〜S7)。また、ステップS1で設定された印刷枚数が終了している場合、制御部32は、全ての処理を終了する。
本制御例により、線画像の面積割合が所定面積割合よりも大きい場合には用紙Sに対するトナーの吸着力を増加させることができる。これにより、定着部15(図1参照)においてトナーの飛び散りを抑制することができるため、尾引きを抑制することができる。また、線画像の面積割合が所定面積割合以下の場合には、転写電流値を高く設定しないため、感光体ドラム5の劣化原因となる高い転写電流値が流れる時間を制限することができる。これにより、感光体ドラム5の劣化を抑制することができるため、長期に亘って安定した画像品質を維持することが可能となる。
次に、本発明の転写電流制御の第2制御例について説明する。上記第1制御例により、尾引きを抑制すると共に感光体ドラム5の劣化を抑制することができる。ここで、現像ユニット8(図1参照)において、装置本体の電源ON直後では現像ローラ25上に担持されるトナー量は少ないが、現像動作が実行され、現像ユニット8の累積動作時間が長くなるに従い現像ローラ25上のトナー量が多くなり、現像性能が向上する傾向にある。
従って、現像ユニット8の累積動作時間が短ければ現像性能が低いため、線画像として用紙S上に転写されるトナー量は少なく、尾引きは発生し難い。しかし、累積動作時間が長くなると現像性能が高くなり、線画像として用紙Sに転写されるトナー量が多くなるため、定着部15での定着時にトナーが飛び散り易くなり、尾引きが発生し易くなる。
そこで、本制御例では、線画像データの面積割合が所定面積割合よりも大きく、且つ現像ユニット8の累積動作時間が所定時間よりも長いとき、転写電流値を通常よりも高く設定することとした。これにより、転写電流値を高く設定する時間をさらに短くし、高い転写電流が転写ローラ14に流れる時間をより制限することができるため、感光体ドラム5の劣化をより抑制することができる。その他の構成は第1制御例と同様である。
なお、所定時間は、予め予備実験等により、転写電流値及び累積動作時間と感光体ドラム5の劣化との関係を調べ、かかる実験結果に基づいて適宜設定することができ、所定時間を、例えば30分とすることができる。また、現像ユニット8の現像性能は、長時間放置されると変化する場合があり、また、1日の終わりに装置本体の電源はOFFにされ、次の日に再び電源がONされる場合もある。
一方、現像ユニット8の作動が一旦停止してもそれ程長く放置されていなければ、現像を再開した際、前回の現像動作時に現像ローラ25上に担持されたトナー量がそのまま維持される。かかる場合、再開後の現像動作において、現像ローラ25上のトナー量が前回の現像動作からさらに増加し、現像性能も増大する。
従って、1つの印字動作で複数回現像される場合のみならず、現像動作の間隔が所定間隔に達していなければ複数の印字動作が間欠して行われた場合であっても累積動作時間として算出することとした。なお、所定間隔は、予備実験等により適宜設定でき、例えば60分とすることができる。かかる場合、例えば現像動作間隔が60分未満であれば累積動作時間として算出を継続し、60以上の場合には、新たに累積動作時間の計測を開始(リセット)して累積動作時間を算出することとした。
図6は、本発明の転写電流制御の第2制御例の手順を示すフローチャートである。先ず、印刷枚数、印刷倍率等の印刷条件がユーザによる操作パネル34或いはパソコンからの入力操作により手動設定され、用紙サイズが入力操作により手動設定若しくは原稿読み取り動作により自動設定される(ステップS1)。このとき、転写ローラ14に流れる転写電流値は、通常の設定値1.6μAに設定されている(ステップS2)。そして、スタートボタンONにより印刷開始指示(印刷信号)が入力される(ステップS3)。
印刷信号が入力されると、制御部32によって、入力された画像データ(ここではA4サイズ)を、搬送方向に7つ、搬送方向とは垂直方向に5つに分割することにより所定の領域Aに35分割し(図4参照)、各領域における画像データに対する線画像データの面積割合を算出する(ステップS4)。次に、制御部32は、算出された面積割合が2%(所定値)よりも大きい(面積割合>2%)領域Aが少なくとも1つ存在するか否かを判断する(ステップS5)。全ての領域Aで面積割合≦2%の場合、転写電流値を可変せず、通常設定値1.6μAのまま転写を行う(ステップS6)。
面積割合>2%となる領域Aが少なくとも1つ存在する場合、現像ユニット8における累積動作時間を算出する8(ステップS7)。なお、現像ユニット8において前回からの現像動作間隔が60分以上の場合には、リセットして新たに累積動作時間の計測を開始する。次に、制御部32は、現像ユニット8の累積動作時間が30分(所定時間)よりも長いか否かを判断する(ステップS8)。
現像ユニット8の累積動作時間≦30分の場合、転写電流値を可変せず、通常設定値1.6μAのまま転写を行う(ステップS9)。一方、累積動作時間>30分の場合、転写電流値を通常設定値1.6μAよりも高い3μA(高設定値)に設定して転写を行う(ステップS13)。そして、所定印数の印刷処理が終了したか否かが判断され(ステップS11)、印刷が継続中であれば、ステップS4に戻り同様の制御を行う(ステップS4〜S10)。また、ステップS1で設定された印刷枚数が終了している場合、制御部32は、全ての処理を終了する。
本制御例により、現像ユニット8の現像性能が向上し供給されるトナー量が多くなったときに用紙Sに対するトナーの吸着力を増加することができるため、トナーの飛び散りをより効果的に抑制することができ、より効果的に尾引きを抑制することができる。また、線画像の面積割合のみならず現像性能にも応じて転写ローラ14に高い転写電流を流す時間を制限することができるため、感光体ドラム5の劣化をより効果的に抑制することができる。
次に、本発明の転写電流制御の第3制御例について説明する。本制御例では、上記第2制御例に加え、線画像の面積割合が所定面積割合よりも大きいときには転写電流値を通常よりも高い第1の高設定値に設定し、さらに現像ユニット8の累積動作時間が所定時間よりも長くなったときには、第1の高設定値よりも高い第2の高設定値に設定することとした。
図7は、本発明の転写電流制御の第3制御例の手順を示すフローチャートである。先ず、印刷枚数、印刷倍率等の印刷条件がユーザによる操作パネル34或いはパソコンからの入力操作により手動設定され、用紙サイズが入力操作により手動設定若しくは原稿読み取り動作により自動設定される(ステップS1)。このとき、転写ローラ14に流れる転写電流値は、通常の設定値1.6μAに設定されている(ステップS2)。そして、スタートボタンONにより印刷開始指示(印刷信号)が入力される(ステップS3)。
印刷信号が入力されると、制御部32によって、入力された画像データ(ここではA4サイズ)を、搬送方向に7つ、搬送方向とは垂直方向に5つに分割することにより所定の領域Aに35分割し(図4参照)、各領域における画像データに対する線画像データの面積割合を算出する(ステップS4)。次に、制御部32は、算出された面積割合が2%(所定値)よりも大きい(面積割合>2%)領域Aが少なくとも1つ存在するか否かを判断する(ステップS5)。
全ての領域Aで面積割合≦2%の場合、転写電流値を可変せず、通常設定値1.6μAのまま転写を行う(ステップS6)。一方、面積割合>2%となる領域Aが少なくとも1つ存在する場合、転写電流値を通常設定値1.6μAよりも高い3μA(第1の高設定値)に設定して転写を行う(ステップS7)。
次に、現像ユニット8の累積動作時間を算出する8(ステップS8)。なお、現像ユニット8において前回からの現像動作間隔が60分以上の場合には、リセットして新たに累積動作時間の計測を開始する。そして、制御部32は、現像ユニット8の累積動作時間が30分(所定時間)よりも長いか否かを判断する(ステップS9)。現像ユニット8の累積動作時間≦30分の場合、転写電流値を可変せず、3μAのまま転写を行う(ステップS10)。一方、累積動作時間>30分の場合、転写電流値を、3μAよりも高い5μA(第2の高設定値)に設定して転写を行う(ステップS11)。
そして、所定印数の印刷処理が終了したか否かが判断され(ステップS12)、印刷が継続中であれば、ステップS4に戻り同様の制御を行う(ステップS4〜S11)。また、ステップS1で設定された印刷枚数が終了している場合、制御部32は、全ての処理を終了する。
本制御例により、転写電流値を、線画像の面積割合と現像ユニット8の累積動作時間とに基づいて段階的に高く設定することができるため、転写ローラ14に流れる転写電流値をより適切に設定することが可能となり、より効果的に尾引きを抑制することができる。また、段階的に転写電流値を高くすることにより、必要以上に転写電流値を高く設定することを回避することができるため、感光体ドラム5の劣化をより効果的に抑制することができる。
なお、上記第1〜第3制御例で設定した通常の設定値1.6μA、高設定値3μA、5μAは一例に過ぎず、転写電流値は、トナーの種類、感光体ドラム5の感光層の種類、定着温度、定着ニップ圧、転写ローラ14の導電性等の装置構成に応じて適宜設定することができ、本制御例に特に限定されるものではない。また、現像バイアスも一例に過ぎず、トナーの種類や用紙Sの種類等、装置構成等に応じて適宜設定することができる。
また、上記実施形態では、感光体ドラム5の感光層として有機感光体を用いたため、特に転写電流による影響を受け易く劣化し易い場合であっても、効果的に感光体ドラム5の劣化を抑制することができる。しかし、感光体ドラム5の感光層は、上記実施形態に特に限定されるものではなく、その他、アモルファスシリコン(a−Si)等を用いることもできる。
その他本発明は、上記各実施形態に限定されず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。例えば上記実施形態では、帯電方向が正(プラス側)である正帯電トナーを用い、感光体表面の露光部にトナーを飛翔させる反転現像方式を例に挙げて説明したが、帯電方向が負(マイナス側)である負帯電トナーを用いる現像装置や、感光体表面の未露光部にトナーを飛翔させる正転現像方式の現像装置にも全く同様に適用可能である。
また本発明は、デジタル複合機やタンデム式のカラー複写機、アナログ方式のモノクロ複写機等の複写機、或いはファクシミリやレーザプリンタ等、帯電装置を用いて感光体表面を帯電させる種々の画像形成装置に適用可能である。
本発明は、像担持体、現像手段及び転写手段を有し、入力された画像情報に基づいて前記像担持体上に形成された静電潜像を前記現像手段により現像し、前記転写手段により記録媒体上にトナー像を転写する画像形成部と、加熱部及び加圧部により記録媒体を挿通させる定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部で前記画像形成部により記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着手段と、を備えた画像形成装置において、前記画像情報に対する該画像情報に含まれる記録媒体搬送方向とは垂直方向に形成され且つ前記定着ニップ部のニップ幅よりも狭い線画像情報の面積割合を算出し、前記面積割合が所定値よりも大きいとき、前記転写手段に流れる転写電流値を所定の設定値よりも高く設定する制御手段が設けられたものである。
これにより、記録媒体に対するトナーの吸着力を増加し定着時のトナーの飛び散りを抑制して尾引きを抑制することができ、像担持体の劣化原因となる高い転写電流値が流れる時間を制限して像担持体の劣化を抑制することができ、長期に亘って安定した画像品質を維持することが可能となる。
また、制御手段が、上記面積割合が所定値よりも大きく且つ現像手段において所定間隔未満でなされる現像動作の累積動作時間が所定時間よりも長いとき、転写電流値を設定値よりも高く設定することにより、トナーの飛び散りをより効果的に抑制することができ、線画像の面積割合だけでなく現像性能に応じて転写電流値を高くする時間を制限することができるため、像担持体の劣化をより効果的に抑制することができる。
また、制御手段が、上記面積割合が所定値よりも大きいとき、転写電流値を設定値よりも高い第1の高設定値に設定し、さらに累積動作が所定時間よりも長くなったとき、転写電流値を第1の高設定値よりも高い第2の高設定値に設定することにより、より適切に転写電流値を設定すると共に、転写電流値を段階的に高く設定することが可能となるため、より効果的に尾引きを抑制することができ、転写電流値を高くする時間をより効果的に制限して像担持体の劣化をより効果的に抑制することができる。
また、上記面積割合を、画像情報を所定の領域に分割し、上記領域ごとに該領域に含まれる画像情報に対する線画像情報の面積割合を算出し、上記領域のうち少なくとも1つにおいて面積割合が所定値よりも大きいとき、転写電流値を設定値よりも高く設定することにより、より精度良く詳細に線画像の面積割合を算出することができるため、より確実に転写電流値を高く設定して尾引きの抑制及び像担持体の劣化の抑制を図ることができる。また、像担持体を有機感光体とすることにより、転写電流の影響を受け易い場合であっても、像担持体の劣化を効果的に抑制することができる。
4 帯電器
5 感光体ドラム(像担持体)
6 クリーニング装置
7 露光ユニット
8 現像ユニット(現像手段)
14 転写ローラ(転写手段)
15 定着部(定着手段)
15a 加熱ローラ(加熱部)
15b 加圧ローラ(加圧部)
27 現像バイアス回路
28 転写バイアス回路
30 画像入力部
32 記憶部
33 制御部(制御手段)
100 画像形成装置
A 領域
N 定着ニップ部
P プロセスユニット
S 用紙(記録媒体)

Claims (5)

  1. 像担持体、現像手段及び転写手段を有し、入力された画像情報に基づいて前記像担持体上に形成された静電潜像を前記現像手段により現像し、前記転写手段により記録媒体上にトナー像を転写する画像形成部と、
    加熱部及び加圧部により記録媒体を挿通させる定着ニップ部を形成し、前記定着ニップ部で前記画像形成部により記録媒体に担持されたトナー像を定着する定着手段と、を備えた画像形成装置において、
    前記画像情報に対する該画像情報に含まれる記録媒体搬送方向とは垂直方向に形成され且つ前記定着ニップ部のニップ幅よりも狭い線画像情報の面積割合を算出し、前記面積割合が所定値よりも大きいとき、前記転写手段に流れる転写電流値を所定の設定値よりも高く設定する制御手段が設けられたことを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記制御手段が、前記面積割合が前記所定値よりも大きく且つ前記現像手段において所定間隔未満でなされる現像動作の累積動作時間が所定時間よりも長いとき、前記転写電流値を前記設定値よりも高く設定することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記制御手段が、前記面積割合が前記所定値よりも大きいとき、前記転写電流値を前記設定値よりも高い第1の高設定値に設定し、さらに前記累積動作時間が前記所定時間よりも長くなったとき、前記転写電流値を前記第1の高設定値よりも高い第2の高設定値に設定することを特徴とする請求項2に記載の画像形成装置。
  4. 前記面積割合は、前記画像情報を所定の領域に分割し、前記領域ごとに算出される前記画像情報に対する前記線画像情報の面積割合であり、
    前記制御手段が、前記領域のうち少なくとも1つにおいて前記面積割合が前記所定値よりも大きいとき、前記転写電流値を前記設定値よりも高く設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の画像形成装置。
  5. 前記像担持体は、有機感光体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の画像形成装置。
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