JP2010196684A - Egrバルブの検査方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ハイブリッド車両のエンジンのEGRバルブの検査方法において、エンジンのEGRバルブの開閉状態を確実に検出する。
【解決手段】ハイブリッド車両1にEGRバルブ検査装置12を接続し、ハイブリッドコントローラ8をEGRバルブ検査モードに切換え、エンジンコントローラ7をEGRバルブ強制開閉モードに切換える。EGRバルブ検査モードでは、エンジン2によってモータジェネレータ3を駆動してハイブリッドバッテリ5を充電し、充電量を一定に制御する。EGRバルブ検査装置12により、EGRバルブ10を開閉させ、圧力センサ9が検出する吸気圧力の変化に基づいてEGRバルブの開閉動作の異常を診断する。エンジン負荷が一定の状態で、EGRバルブ10の開閉による吸気圧力の変化を検出できるので、EGRバルブ10の開閉状態を確実に検出することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力源としてエンジン及びモータジェネレータを備えたハイブリッド車両において、エンジンのEGR(排気ガス再循環)バルブの異常を検査するためのEGRバルブの検査方法に関するものである。
一般的に、自動車等に搭載される内燃エンジンには、排気ガス中の窒素酸化物(NO)を低減するため、EGRバルブが設けられている。EGRバルブは、例えばエンジンコントローラからの制御信号によって開閉され、エンジンの運転状態に応じて、適宜開弁し、排気ガスの一部を吸気マニホールドに再循環させることにより、燃焼温度を下げて窒素酸化物の生成を抑制する。
従来、自動車の製造工程等において、EGRバルブの異常を検査する場合、例えば、次のように行なわれている。検査機器を車両に接続し、エンジンのアイドリング状態において、車載の圧力センサによって吸気マニホールド内の吸気圧力を監視しながら、EGRバルブに開閉指令信号を供給してEGRバルブを強制的に開閉する。このとき、図6に示すように、EGRバルブが開くと、排気ガスの一部が吸気マニホールドに導入されることにより、吸気圧力が上昇する。したがって、EGRバルブの開閉前後の吸気圧力の変化ΔPを一定の閾値と比較することにより、EGRバルブの開閉状態を検知することができ、EGRバルブの開閉動作の異常を診断することができる。このように、吸気マニホールド内の吸気圧力の変化に基づいてEGRバルブの開閉状態を検知するEGRバルブの検査方法については、例えば特許文献1に記載されている。
特開2007−118764号公報
しかしながら、動力源としてエンジン及びモータジェネレータを備えたハイブリッド車両のエンジンにおいて、上述のEGRバルブの検査方法を適用しようとした場合、次のような問題が生じる。
ハイブリッド車両では、走行状態に応じて、ハイブリッドコントローラによってエンジンとモータジェネレータの駆動比率を最適に制御し、また、エンジンがアイドリング状態であっても、ハイブリッドバッテリの充電残量が少ない場合には、ハイブリッドコントローラが充電制御を実行してエンジンによってモータジェネレータを駆動してハイブリッドバッテリの充電を行なう。充電制御が実行されると、図7に示すように、バッテリ残量等に応じてモータジェネレータによる充電量が自動的に制御されるため、エンジン負荷が変動して吸気圧力が変動する。このため、EGRバルブの開弁前後の吸気圧力の変化ΔPがエンジン負荷による吸気圧力の変動の影響を受けるので、吸気圧力の変化ΔPを一定の閾値と比較しても、EGRバルブの開閉状態を正確に検出することができない。
なお、通常の車両においても、エアコン、ヘッドランプ、ワイパー等の車載電装品の使用状態により、オルタネータの発電量が変化してエンジン負荷が変動することになるが、バッテリ電圧が12V程度であり、オルタネータの発電量が小さく、エンジン負荷が小さいので、吸気圧力の変動が問題となることはない。これに対して、ハイブリッド車両では、ハイブリッドバッテリの電圧は、200Vを超え、モータジェネレータの発電量が大きく、エンジン負荷が大きいため、エンジン負荷の変動に伴なう吸気圧力の変動が問題となる。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、ハイブリッド車両において、エンジンのEGRバルブの開閉状態を確実に検出することができるEGRバルブの検査方法を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明は、動力源としてエンジン及びモータジェネレータを備えたハイブリッド車両の前記エンジンに設けられたEGRバルブを検査するためのEGRバルブの検査方法であって、
前記エンジンによって前記モータジェネレータを駆動してバッテリへの充電を行い、前記モータジェネレータによる充電量を一定に制御した状態で、前記EGRバルブを開閉させ、該EGRバルブの開閉により変化する車載のセンサ手段のセンサ出力に基づいて、前記EGRバルブの開閉動作の異常を診断することを特徴とする。
(発明の態様)
以下に、本発明において特許請求が可能と認識される発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。なお、以下の(1)乃至(5)の内容が請求項1乃至5に対応する。
(1) 動力源としてエンジン及びモータジェネレータを備えたハイブリッド車両の前記エンジンに設けられたEGRバルブを検査するためのEGRバルブの検査方法であって、
前記エンジンによって前記モータジェネレータを駆動してバッテリへの充電を行い、前記モータジェネレータによる充電量を一定に制御した状態で、前記EGRバルブを開閉させ、該EGRバルブの開閉により変化する車載のセンサ手段のセンサ出力に基づいて、前記EGRバルブの開閉動作の異常を診断することを特徴とするEGRバルブの検査方法。
このように構成したことにより、エンジン負荷が一定の状態で、EGRバルブの開閉によるセンサ出力の変化を検出できるので、EGRバルブの開閉状態を確実に検出することができる。このとき、センサ出力の変化を一定の閾値と比較することにより、EGRバルブの開閉の検知が可能である。
センサ手段としては、例えば、吸気圧力を検出する圧力センサ、吸入空気の流量を検出するエアフローメータ、排気マニホールドに装着される空燃比センサ等を用いることができる。
(2) (1)の構成において、前記ハイブリッド車両は、前記エンジン及び前記モータジェネレータを制御するコントローラを備え、該コントローラは、前記モータジェネレータによる充電量を一定に制御した状態で、前記EGRバルブを開閉可能とするEGRバルブ検査モードを有していることを特徴とするEGRバルブの検査方法。
このように構成したことにより、コントローラをEGRバルブ検査モードに切換え、EGRバルブを開閉させて、センサ出力を監視することにより、EGRバルブの検査を実行することができる。
(3) (2)の構成において、EGRバルブ検査装置を前記コントローラに接続し、前記EGRバルブ検査装置により、前記コントローラをEGRバルブ検査モードで作動させ、前記EGRバルブを開閉させ、前記センサ手段のセンサ出力を読み出して、前記EGRバルブの開閉による前記センサ出力の変化に基づいて前記EGRバルブの開閉動作の異常を診断することを特徴とするEGRバルブの検査方法。
このように構成したことにより、EGRバルブ検査装置から車載のコントローラに指令して、EGRバルブの検査を実行することができる。
(4) (1)から(3)のいずれかの構成において、前記センサ手段は、前記エンジンの吸気圧力を検出する圧力センサであることを特徴とするEGRバルブの検査方法。
このように構成したことにより、吸気圧力の変化に基づいて、EGRバルブの開閉状態を検出することができる。
(5) (1)から(4)のいずれかの構成において、前記モータジェネレータによる充電量に応じて、前記センサ手段のセンサ出力の閾値を変化させることを特徴とするEGRバルブの検査方法。
このように構成したことにより、車型等により、エンジン負荷(充電量)に対するセンサ出力が異なる場合でも、モータジェネレータによる充電量に応じて閾値を変化させることにより、様々な車型に対応することが可能になる。
本発明に係るEGRバルブの検査方法によれば、ハイブリッド車両において、エンジンのEGRバルブの開閉状態を確実に検出することができる。
本発明の一実施形態に係るEGRバルブの検査方法が適用されるハイブリッド車両及びEGRバルブ検査装置の概略構成を示す図である。 本発明の一実施形態に係るEGRバルブの検査方法を適用した場合のハイブリッド車両のEGRバルブの開閉による吸気圧力の変化を示すグラフ図である。 本発明の一実施形態に係るEGRバルブの検査方法の検査フローを示すフローチャートである。 本発明の一実施形態に係るEGRバルブの検査方法を実行した場合の車両側及び設備側の各指令信号及び各読出しデータの変化を示すタイムチャートである。 本発明の一実施形態に係るEGRバルブの検査方法において、モータジェネレータによる充電量に応じて検査閾値を変化させる場合を示すグラフ図。 通常の車両のEGRバルブの開閉による吸気圧力の変化を示すグラフ図である。 従来のEGRバルブの検査方法を適用した場合のハイブリッド車両のEGRバルブの開閉による吸気圧力の変化を示すグラフ図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係るEGRバルブの検査方法が適用されるハイブリッド車両及び検査機器であるEGRバルブ検査装置の概略構成を図1に示す。図1に示すように、検査されるハイブリッド車両1は、エンジン2と、モータジェネレータ3と、ハイブリッドトランスアクスル4と、ハイブリッドバッテリ5(バッテリ)と、ハイブリッドコントローラ6(コントローラ)と、エンジンコントローラ7(コントローラ)とを備えている。
エンジン2は、ガソリン、ディーゼル等の内燃機関であり、エンジンコントローラ7によって運転を制御する。モータジェネレータ3は、モータ及び発電機を兼ねており、高圧電源ケーブル8によってハイブリッドバッテリ5に接続されている。そして、ハイブリッドバッテリ5から電力の供給によって動力を発生し、また、発電機としてハイブリッドバッテリ5を充電する。ハイブリッドトランスアクスル4は、差動装置及び変速機を含み、エンジン2及びモータジェネレータ3と連結され、これらの動力を所望の減速比で車輪に伝達し、また、エンジン2とモータジェネレータ3の駆動力を所望の比率で分配して車輪を駆動する。
ハイブリッドコントローラ6は、エンジン2、モータジェネレータ3、ハイブリッドトランスアクスル4、ブレーキ装置(図示せず)、その他の車載機器を統合制御し、例えば、駆動制御を実行して運転状態に応じてエンジン2とモータジェネレータ3との駆動比を最適に制御し、制動時には、回生ブレーキ制御を実行して、モータジェネレータ3を発電機としてハイブリッドバッテリ5を充電し、また、充電制御を実行して、ハイブリッドバッテリ5の充電残量に応じて、エンジン2によってモータジェネレータ3を駆動してハイブリッドバッテリ5の充電を行なう。
エンジン2には、吸気マニホールド内の吸気圧力を検出する圧力センサ9(センサ手段)が設けられている。エンジンコントローラ7は、例えば、圧力センサ9によって検出した吸気圧力及び他の車載センサ手段によって検出したエンジン回転数、アクセルペダル変位量、冷却水温度等の車両の運転状態を表すパラメータに基づいて、スロットル開度、空燃比、燃料噴射量等を決定して、エンジンの運転を制御する。
また、エンジン2には、排気マニホールドと吸気マニホールドとを接続するERG通路を開閉するEGRバルブ10が設けられている。そして、エンジンコントローラ7によって、エンジン2の運転状態に応じて、適宜EGRバルブ10を開いて、排気ガスの一部を吸気マニホールドに再循環することにより、エンジン2の燃焼室内の燃焼温度を低下させて窒素酸化物(NO)の生成を抑制する。
ハイブリッド車両1は、上述の車載機器を含む各種車載機器間で入出力信号を授受するため、所定のプロトコルに適合した車載通信ネットワークシステムを備えている。この車載通信ネットワークシステムには、外部コネクタ11が設けられている。そして、この外部コネクタ11に、車載通信ネットワークシステムの通信プロトコルに適合した各種検査機器等の外部機器を接続することができ、これにより、外部機器と車載機器との間で、入出力信号の授受を行うことができるようになっている。
次に、本実施形態に係るEGRバルブの検査方法を実行するためのEGRバルブ検査システムについて説明する。
ハイブリッドコントローラ6及びエンジンコントローラ7は、通常の車両運転時に、これらに接続されたエンジン2、モータジェネレータ3、ハイブリッドトランスアクスル4等の各種車載機器を制御するための各種制御モードの他、こられの車載機器及び各種センサ等の異常診断を行なうための選択可能な各種検査モードを備えている。
ハイブリッドコントローラ6は、検査モードとして、「EGRバルブ検査モード」を備えている。そして、ハイブリッドコントローラ6は、EGRバルブ検査モードが選択されたとき、アイドリング状態のエンジン2によってモータジェネレータ3を駆動してハイブリッドバッテリ5の充電を開始し、このとき、エンジン2に対する負荷が一定となるように、モータジェネレータ3のハイブリッドバッテリ5への充電量、すなわち、発電量を一定に制御する。また、ハイブリッドバッテリ5への充電量データを読出し可能にする。
エンジンコントローラ7は、EGRバルブ検査モードとして、「EGRバルブ強制開閉モード」を備えている。そして、エンジンコントローラ7は、EGRバルブ強制開閉モードが選択されたとき、EGRバルブの自動制御を中止し、開閉指令信号に応答して、EGRバルブ10を強制的に開閉する。また、圧力センサ9からの吸気圧力データを読出し可能にする。
EGRバルブ検査装置12は、通信ケーブル13によってハイブリッド車両1の外部コネクタ11に接続され、車載通信ネットワークを介してハイブリッドコントローラ6及びエンジンコントローラ7と通信可能なハードウエア機器であり、本実施形態では、汎用のコンピュータシステムを用いて、ソフトウエアによって所定のEGRバルブ検査プログラムを実行するようにしている。なお、EGRバルブ検査装置12は、同様のEGR検査プログラムを実行する専用のハードウエアとしてもよい。
EGRバルブ検査装置12は、通信ケーブル13をハイブリッド車両1の外部コネクタ11に接続して、EGRバルブ検査プログラムを実行すると、ハイブリッドコントローラ6及びエンジンコントローラ7に指令信号を出力して、EGRバルブ検査モード及びEGRバルブ強制開閉モードを選択する。そして、図2に示すように、圧力センサ9からの吸気圧力データを読み出して監視し、エンジンコントローラ7にEGRバルブ強制閉指令信号を出力して、EGRバルブ10を一旦閉じた後、EGRバルブ強制開指令信号を出力してEGRバルブ10を開く。このとき、EGRバルブ10の閉から開への作動前後の吸気圧力の変化ΔP1を一定の閾値と比較し、吸気圧力の変化ΔP1が閾値よりも大きい場合、EGRバルブ10の閉から開への作動を正常と判断し、閾値より小さい場合、異常と判断する。これにより、EGRバルブ10の閉弁状態での固着による異常を診断する。
次いで、エンジンコントローラ7に、EGRバルブ強制閉指令信号を再度出力して、EGRバルブ10を閉じる。このとき、EGRバルブの開から閉への作動前後の吸気圧力の変化ΔP2を一定の閾値と比較し、吸気圧力の変化ΔP2が閾値よりも大きい場合、EGRバルブ10の開から閉への作動を正常と判断し、閾値より小さい場合、異常と判断する。これにより、EGRバルブ10の開弁状態での固着による異常を診断する。
このようにして、EGRバルブ10の閉から開及び開から閉への作動の異常を診断して検査を終了する。EGRバルブ検査モードでは、モータジェネレータ3による充電量、すなわち、発電によるエンジン負荷を一定に制御することにより、エンジン負荷による吸気圧力の変動が最小限に抑えられるので、EGRバルブ10の開閉による吸気圧力の変化を確実に検知することができる。
なお、EGRバルブ検査モードにおいて、モータジェネレータ3のハイブリッドバッテリ5への充電量が0となるように制御することによってもエンジン負荷を一定にすることができるが、ハイブリッド車両1の完成車を出荷する際には、ハイブリッドバッテリ5は、できるだけ満充電に近い状態とすることが望まれるので、モータジェネレータ3による充電量を一定として、ハイブリッドバッテリ5の充電を行うことが望ましい。
次に、本実施形態に係るEGRバルブの検査方法を実行するための制御フローの一例について図3を参照して説明する。
図3を参照して、検査プログラムを実行すると、ハイブリッドコントローラ6をEGRバルブ検査モードに切換え、エンジンコントローラ7をEGRバルブ強制開閉モードに切換え、ステップS1で、ハイブリッドバッテリ5の充電残量にかかわらず、エンジン2によってモータジェネレータ3を駆動して、ハイブリッドバッテリ5の充電を行い、充電量を一定に制御する。ステップS2でEGRバルブ強制閉指令信号を出力して、EGRバルブ10を閉じる。ステップS3で一定時間待機して圧力センサ9の出力を安定させる。ステップS4で、圧力センサ9が検出した吸気圧力P1の読出しを行なう。
その後、ステップS5で、ハイブリッドバッテリ5の充電残量を読み出し、ステップS6でモータジェネレータ3による充電が行なわれているか否かをチェックする。このとき、ハイブリッドバッテリ5の充電残量が満充電状態であると、過充電を防止するため、保護機能が優先的に作動して、モータジェネレータ3による充電を中止する。充電が中止されている場合、ステップS7でEGRバルブ10を強制的に開閉する指令を解除し、ステップS8で、検査モードの充電量制御を解除し、検査不合格として検査を終了する。
一方、ステップS6で、モータジェネレータ3による充電の継続が確認された場合、ステップS9で、EGRバルブ強制開指令信号を出力して、EGRバルブ10を開く。ステップS10で一定時間待機して圧力センサ9の出力を安定させる。ステップS11で、圧力センサ9が検出した吸気圧力P2の読出しを行なう。
その後、ステップS12で、上述のステップS5、S6と同じ内容の操作を実行して、モータジェネレータ3による充電が行なわれているか否かをチェックする。そして、上述のステップS6の場合と同様、充電が中止されている場合には、ステップS7でEGRバルブ10を強制的に開閉する指令を解除し、ステップS8で、検査モードの充電量制御を解除し、検査不合格として検査を終了する。
ステップS12で、モータジェネレータ3による充電の継続が確認された場合には、ステップS13で、EGRバルブ10の閉から開への作動前後の吸気圧力の変化(P2−P1)を所定の閾値(規格値A及び規格値B)と比較する。吸気圧力の変化が所定の閾値よりも小さい(所定の範囲内にない)場合、上述のステップS7、S8を実行し、検査不合格とし検査を終了する。
吸気圧力の変化が所定の閾値よりも大きい(所定の範囲内にある)場合、ステップS14で、EGRバルブ強制閉指令信号を出力して、EGRバルブ10を閉じる。ステップS15で一定時間待機して圧力センサ9の出力を安定させる。ステップS16で、圧力センサ9が検出した吸気圧力P3の読出しを行なう。
その後、ステップS17で、上述のステップS5、S6と同じ内容の操作を実行して、モータジェネレータ3による充電が行なわれているか否かをチェックする。そして、上述のステップS6の場合と同様、充電が中止されている場合には、上述のステップS7、S8を実行し、検査不合格とし検査を終了する。
ステップS17で、モータジェネレータ3による充電の継続が確認された場合、ステップS18で、EGRバルブ10の開から閉への作動前後の吸気圧力の変化(P2−P3)を所定の閾値(規格値A及び規格値B)と比較する。吸気圧力の変化が所定の閾値よりも小さい(所定の範囲内にない)場合、上述のステップS7、S8を実行し、検査不合格とし検査を終了する。
吸気圧力の変化が所定の閾値よりも大きい(所定の範囲内にある)場合、ステップS19でEGRバルブ10の強制開閉の指令を解除し、ステップS20で検査モードの充電制御を解除し、検査合格として検査を終了する。
以上の制御フローを実行することにより、EGRバルブ10の閉から開及び開から閉への作動の異常を診断することができる。本実施形態のEGRバルブ検査方法を実行した場合のハイブリッド車両1(車両)側及びEGRバルブ検査装置12(設備)側の各指令信号及び各読出しデータの変化を示す検査タイムチャートを図4に示す。
なお、上記実施形態では、圧力センサ9によって検出した吸気圧力に基づいて、本発明に係るEGRバルブの検査方法を実行した場合について説明しているが、本発明は、これに限らず、エンジンの吸入空気の流量を検出するエアフローメータ、排気マニホールドに装着される空燃比センサ等のように、EGRバルブ10の開閉及びエンジン3に対する負荷の変動によってセンサ出力が変化する車載のセンサ手段を用いてもよい。
また、車型等により、エンジン負荷(充電量)に対する吸気圧力が異なるので、吸気圧力の変化ΔP1及びΔP2と比較する閾値は、検査する車型に応じて適宜設定することになるが、図5に示すように、モータジェネレータ3による充電量に応じて閾値を変化させることにより、様々な車型に対応することができる。
1 ハイブリッド車両、2 エンジン、3 モータジェネレータ、5 ハイブリッドバッテリ(バッテリ)、9 圧力センサ(センサ手段)、10 EGRバルブ

Claims (5)

  1. 動力源としてエンジン及びモータジェネレータを備えたハイブリッド車両の前記エンジンに設けられたEGRバルブを検査するためのEGRバルブの検査方法であって、
    前記エンジンによって前記モータジェネレータを駆動してバッテリへの充電を行い、前記モータジェネレータによる充電量を一定に制御した状態で、前記EGRバルブを開閉させ、該EGRバルブの開閉により変化する車載のセンサ手段のセンサ出力に基づいて、前記EGRバルブの開閉動作の異常を診断することを特徴とするEGRバルブの検査方法。
  2. 前記ハイブリッド車両は、前記エンジン及び前記モータジェネレータを制御するコントローラを備え、該コントローラは、前記モータジェネレータによる充電量を一定に制御した状態で、前記EGRバルブを開閉可能とするEGRバルブ検査モードを有していることを特徴とする請求項1に記載のEGRバルブの検査方法。
  3. EGRバルブ検査装置を前記コントローラに接続し、前記EGRバルブ検査装置により、前記コントローラをEGRバルブ検査モードで作動させ、前記EGRバルブを開閉させ、前記センサ手段のセンサ出力を読み出して、前記EGRバルブの開閉による前記センサ出力の変化に基づいて前記EGRバルブの開閉動作の異常を診断することを特徴とする請求項2に記載のEGRバルブの検査方法。
  4. 前記センサ手段は、前記エンジンの吸気圧力を検出する圧力センサであることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のEGRバルブの検査方法。
  5. 前記モータジェネレータによる充電量に応じて、前記センサ手段のセンサ出力の閾値を変化させることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のEGRバルブの検査方法。
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