JP2010196385A - スロープ用支柱の取付構造 - Google Patents

スロープ用支柱の取付構造 Download PDF

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Abstract

【課題】 ユニット式のスロープを後付で設置する場合に、それぞれ異なる設置場所の状況であっても現場で簡単にスロープユニットに支柱を取り付けることが可能なスロープ用支柱の取付構造を提供することを目的とする。
【解決手段】 床板3の両側端部に立設固定される縁板30と、縁板30の内側面に形成された被嵌合部35と嵌合する嵌合部45を有すると共に、ネジ部材47が挿通される貫通孔41を備えた保持部材40と、縁板30の外側面に取り付けられる取付具本体21であって、内部に支柱2を挿通するための支柱挿通部23を有すると共に、縁板30に取り付けられる側とは反対側には開口部22が設けられた取付具本体20と、取付具本体20の開口部22を覆うカバー部材27とを備えてなる。
【選択図】図4

Description

本発明は、スロープ用支柱の取付構造に関し、さらに詳しくは、ユニット式のスロープの側縁部の所望の位置に支柱を取り付けることが可能なスロープ用支柱の取付構造に関する。
介護の重要性及びその認識の高まりから、さまざまな介護用品が提案され、提供されている。その中の一つとして車椅子などによる住宅や建物からの出入りを容易にするために住宅や建物に後から設置されるユニット式のスロープがある。このようなユニット式のスロープとしては、例えば、特許文献1に開示されたものがある。特許文献1に示されたユニット式のスロープは、概略として、床部と、床部を支持する複数の脚部と、床部から立設された手摺部とを有して構成されており、床部は、窓などの出入り口の下部と略同一高さに略水平な水平床面を形成するための水平床部と、水平床面から下方に向けてスロープ床面を傾斜形成するためのスロープ床部とを有している。そして、複数の脚部は、水平床部の高さの調整、又はスロープ床部の傾斜角度の調整を行うための伸縮可能なアジャスタ部をそれぞれ有して構成されている。
また、特許文献2に示されたユニット式のスロープは、概略として、車椅子等が通行するための傾斜スロープ面を、床用フレーム及び床板からなる床部によって形成するものであり、床用フレームは、荷重受部に形成した山状傾斜面に載置した状態で支軸によって荷重受部に連結されている。そして、アジャスタ部により脚支柱部の長さを調整すると共に支軸を支点に床用フレームを回動させることによって床用フレームを脚支柱部に対して傾斜配置し、傾斜配置した床用フレームに床板を取り付けることにより傾斜スロープ面を形成させるというものである。
さらに、特許文献3に示すのは、段差解消スロープ及びその施工方法に関するものであり、その構成は概略として、下板と、この下板の裏面に固定される傾斜角度ブロックと、傾斜角度ブロックの裏面に固定され、その上端の係合部を前記傾斜角度ブロックの孔内に位置させた高さ調整脚とからなるスロープ構成部材を複数形成し、各高さ調整脚の高さを調整して、これらのスロープ構成部材の下板で連続した傾斜面を形成すると共に、隣接する下板のつなぎ目と隣接する上板のつなぎ目が合致しないように各下板上に複数の上板を固定するというものである。これにより、緩やかな傾斜角度の段差解消スロープを短時間の作業で、安全に形成することができるというものである。
特開2005−320826号公報 特開2007−138480号公報 特開平11−62150号公報
しかしながら、上記特許文献1−3に開示されたスロープにあっては、スロープを支持するための支柱は傾斜可能に形成されているものの、予めスロープの所定位置に固定されているか、或いは、支柱を取り付けるための支柱取付具が予めスロープの所定位置に取り付けられており、支柱の取り付け位置を変更できないものであった。そのため、取付現場において支柱の位置を少し移動させたいような場合の対応が困難であった。
また、ユニット式のスロープを設置する場合、これまでは設置現場での加工作業は負担となるためなるべく行わない方がよいとの考えから組み立て作業のみで完成するようなユニットとして形成されていた。しかし、現場での加工作業が作業者に負担の少ない簡便な作業、例えば、孔開け作業等であれば、かえって現場で加工作業を行って設置した方が上記したような設置現場の状況により作業性がよい場合もある。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑みなされたもので、ユニット式のスロープを後付で設置する場合に、それぞれ異なる設置場所の状況であっても現場で簡単にスロープユニットに支柱を取り付けることが可能なスロープ用支柱の取付構造を提供することを目的とする。
また、本発明は、スロープの傾斜角度を確実に維持すると共に、簡便でありながら安全性の高いスロープ用支柱の取付構造を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために請求項1に記載の発明は、後付で設置されるユニット式のスロープを支持するためのスロープ用支柱の取付構造であって、床板の両側端部に立設固定される縁板と、縁板の内側面に形成された被嵌合部と嵌合する嵌合部を有すると共に、ネジ部材が挿通される貫通孔を備えた保持部材と、縁板の外側面に取り付けられる取付具本体であって、内部に支柱を挿通するための支柱挿通部を有すると共に、縁板に取り付けられる側とは反対側には取付具本体をネジ部材によって保持部材を介して縁板に取り付ける作業、及び、支柱挿通部に挿通された支柱を固定するための作業を可能とする開口部が設けられた取付具本体と、取付具本体の開口部を覆うカバー部材とを備えてなることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の支柱取付構造において、保持部材の嵌合部は凸状に形成され、縁板の被嵌合部は凹状に形成されたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項3記載の発明は、請求項1又は2に記載の支柱取付構造において、縁板は、床板に取付固定される固定部と、固定部に対して直角方向に形成された取付部であって取付具本体を取り付けるための取付部とにより断面略T字状に形成されてなることを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項4記載の発明は、請求項1から3のいずれか1項に記載の支柱取付構造において、被嵌合部は、縁板の取付部の上部側及び下部側の2ヶ所に形成され、取付具本体をこの上下の2ヶ所において縁板に取付固定するようにされたことを特徴とする。
上記課題を解決するために請求項5記載の発明は、請求項1から4のいずれか1項に記載支柱取付構造において、縁板は、床板の側端部に沿って連続して配置されていることを特徴とする。
本発明に係るスロープ用支柱の取付構造によれば、取付具本体の開口部を利用して簡易に取付具本体を床板の縁板に取り付けることができるようにしたのでスロープの設置現場において取付具本体を縁板の所望の位置に容易に固定することができるという効果がある。そのため、ユニット式のスロープを現場の状況に応じて適宜設置することが可能となる。
また、本発明に係るスロープ用支柱の取付構造によれば、縁板の内側面に形成された被嵌合部と保持部材の嵌合部とを嵌合させることとしたので、取付具本体に対する縁板の傾斜をしっかりと維持することができ、支柱取付具を固定するネジ部材にかかる負担が緩和され高い安全性を確保できるという効果がある。
ユニット式のスロープの全体構成図である。 本発明に係るスロープ用支柱の取付構造を備えた最下段用のスロープユニットの斜視図である。 本発明に係るスロープ用支柱の取付構造を備えた踊り場用のスロープユニットの斜視図である。 本発明に係るスロープ用支柱の取付構造の一実施形態の部分拡大図である。 保持部材の斜視図である。 取付具本体を取付部に取り付けた状態の断面図である。 取付具本体にカバー部材を取り付けた状態の断面図である。 取付具本体の取り付け状態を示す側面図である。
以下、本発明に係るスロープ用支柱の取付構造の一実施形態について図面を参照しつつ説明するが、はじめに、ユニット式のスロープの全体構造についてその概要を説明した後、本発明に係るスロープ用支柱の取付構造について説明する。図1はユニット式のスロープの全体構成図である。
図示されたユニット式のスロープ1は、概略として、最下段用のスロープユニット11、踊り場用のスロープユニット12、13及び基本のスロープユニット10を適宜組み合わせることによって形成されるもので、各ユニットを設置現場において組み合わせることで設置される。これらの各スロープユニットを構成する部材は基本的に共通の部材によって形成されている。
最下段用スロープユニット11を例に説明すると、図2に示すように、概略として、長方形状の床板3aを複数連設することによって略方形状の床部3が形成され、この床部3の左右両側端部にスロープの配設方向に沿って縁板30、30が取り付けられている。そして、縁板30、30の外側面には支柱2を取り付けるための本発明に係るスロープ用支柱の取付構造を備えている。尚、スロープ用支柱の取付構造についての詳しい説明は後述する。
床部3の連結側端部(傾斜の上側)には他のスロープユニット、例えば、図3に示すような踊り場用のスロープユニット12や基本のスロープユニット10等と連結するための連結部材4、4がフレーム31に取り付けられており、この最下段用スロープユニット11に取り付けられる図示しない相手側のスロープユニットに設けられた同様の連結部材と連結されるようになっている。さらに、連結部材4、4が取り付けられた側とは反対側の端部(傾斜の下側)には地面などの設置面との段差を解消するための案内板5が取り付けられている。床部3を構成する長方形状の床板3aの表面には、幅方向に伸びる図示しない滑り止めが複数段にわたって取り付けられている。尚、踊り場用のスロープユニット12、13や基本のスロープユニット10も最下段用スロープユニット11とほぼ同様にして構成されているためそれら各ユニットの構成についての説明は省略する。
次に、本発明に係るスロープ用支柱の取付構造について説明すると、縁板30は、図4に示すように、床板3aに取り付けられて固定される固定部31と、固定部31に対して直角方向に形成された取付部33を備えて構成されている。すなわち縁板30は断面形状が略T字状に形成された部材となっている。縁板30は、強度や耐久性等の観点から金属製材料によって形成することが好ましいが、これに限定されるものではない。本実施形態における縁板30は、床部3の両側縁部に沿って配置されるような長尺部材として形成されている。そして、縁板30の取付部33は床部3の側部から物が落下するのを防ぐ壁面の役割も果たす。
図4に示されているように、縁板30の固定部31は、床板3aの底裏面側に固定されている。これを詳述すると、まず、固定部31の底裏面にはネジ3dによって補強板3eが取り付けられており、補強板3eが取り付けられた状態でさらに床板3aの底裏面に2つのネジ3c、3cによって取り付け固定されている。ここで、床板3aは、内部に空間部を有するボックス形状となっており、この空間部は蓋板3f(図4の斜線部)によって塞いでいる。これにより、縁板30を床部3の側面に取り付ける際には、まず蓋板3fを外し、ネジ3c、3cで床板3aの底板面に固定部31を取り付けることによって行われる。
また、固定部31の側端部には固定部31に対して直角方向に伸びる取付部33が配設されており、上述のように取付部33は床部3の側端部に沿って配置されて落下防止の役割も果たしている。尚、取付部33は本実施形態のように、床板3aの側端部の全長にわたる長さに形成しても良いし、後述する取付具本体20の幅サイズとほぼ同様な幅サイズとすることもできる。取付部33の長さを取付具本体20の幅サイズとほぼ同様な幅サイズするのは取付具本体20を取り付けるべき箇所の床板3aの部分に縁板30を取り付けることで所望の位置に支柱2を設けることを可能とするためである。
さらに、取付部33の表面には後述する保持部材40の凸部45と嵌合する凹部35が形成されている。凹部35は、図8に示されているように、取付部33の所定の高さ位置に長手方向に伸びるように長溝状に形成され、本実施形態では取付部33の上部側と下部側の2ヶ所に設けられている。これにより、保持部材40を所望の位置に取り付けることが可能となる。
次に、保持部材40は、図5に示すように、外形形状が略円形状の部材で、その表面には取付部33の凹部35と嵌合する凸部45が形成されると共に、ネジ部材47が挿通される貫通孔41を備えて構成されている。凹部35と凸部45を嵌合させることにより取付具本体20に対する縁板の傾斜を確実に維持することができ、それによって取付具本体20を固定するネジ部材47にかかる負担を緩和して高い安全性を確保すること可能となる。保持部材40は弾性を有する硬質のゴムや合成樹脂などによって形成することができる。なお、貫通孔41が設けられた部分は段部43となっており、取付部33の角部と当接することによって位置決めが行われるようになっている。
次に、取付具本体20は、図6に示されているように、少なくとも縁板30の取付部33の外側面と密着するような密着面21aを有する外形形状を備えると共に、内部に支柱2を挿通するための支柱挿通部23を有して形成されている。図示された取付具本体20の断面形状は略八角形とされているがこれに限るものではなく、四角形等であってもよい。また、密着面21a側とは反対側は開口部22とされており、取付具本体20をネジ部材47によって保持部材40を介して縁板30に取り付ける作業や支柱挿通部23に挿通した支柱2をネジ部材26によって固定するための作業を行うことが可能な構造となっている。そして、開口部22にはカバー部材27が取り付けられるようになっている。
すなわち、カバー部材27の両側端部には係止部27aが設けられ、取付具本体20には被係止部25aが設けられており、カバー部材27の係止部27aを取付具本体20の被係止部25aに係止させることによってカバー部材27は取付具本体20の開口部22へ取り付けられる。尚、取付具本体20の上面と下面には蓋部材29を取り付けて目隠しを行う。ここで、支柱2の頂部には公知の自在継手51を取り付け、各支柱2の自在継手51に手摺材50を架け渡すことによって手摺が取り付けられる。また、支柱2の他端部にはアジャスタを兼ねた石突き2aが取り付けられている。
次に、本発明に係るスロープ用支柱の取付構造についてユニット式のスロープの設置作業の説明と共に上述の各部材との関連を説明する。はじめに、ユニット式スロープ1の設置場所について設置面から住宅や建物などの出入り口までの状況を確認し、設置すべきスロープの形状及び傾斜角度を予め決定する。そして、決定された傾斜角度に基づき各スロープユニット10、11、12、13への取付具本体20の取り付けを行う。取付具本体20は後付けなので設置面の凹凸の状況や地面に埋設された水道メータの蓋などを避けた好ましい位置に取り付けることができる。
すなわち、取付具本体20を取り付けるべき縁板30の取付部33に対する位置及び高さが決まったら、取付部33の内側面の上下位置に保持部材40を取り付ける。保持部材40の取り付けは取付部33の凹部35に保持部材40の凸部45を嵌合させることによって行う。そして、取付具本体20を取付部33に仮固定し、保持部材40の貫通孔41が位置する部分の密着面21aにドリルな等によって孔を穿設し、貫通孔41と連通させる。そして、この連通孔にネジ部材47を挿通し取付具本体20を取付部33に締着固定する。これにより、各スロープユニット10〜13を水平状態から傾斜状態まで所望の角度で設置することができる。
取付具本体20を取付部33に固定したら支柱挿通部23に支柱2を挿通し、所定の高さ位置において2つのネジ部材26、26によって支柱2を取付具本体20に2ヶ所で締着固定する。そして、開口部22にカバー部材27を取り付ける。この作業を左右の縁板30についてそれぞれ行うことによって作業を完了する。取付部33に取り付ける取付具本体20の数は通常の場合は左右それぞれ2ヶ所でよいが、それ以上取り付けることもできるし、実際に取り付けても構わない。
上述の作業を各スロープユニットについて行った後は、各取付具本体20に固定された支柱2の頂部に自在継手51を取り付け、手摺材50を架け渡すことでユニット式のスロープ1の設置が完了する。このように、本発明に係る本発明に係るスロープ用支柱の取付構造は、現場において取付部33に取付具本体20をネジ部材47で取り付けるためのネジ孔及び支柱2をネジ部材26で固定するための孔を開けるという簡単な作業を行うだけで設置場所の状況に左右されることなく簡便にユニット式のスロープ1を設置することが可能となる。
以上のように、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は係る特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内において、種々の変形・変更が可能であることはいうまでもない。
1 ユニット式のスロープ
2 支柱
2a 石突き
3 床部
3a 床板
4 連結部材
5 案内板
10、11、12、13 スロープユニット
20 取付具本体
22 開口部
29 蓋部材
30 縁板
31 固定部
33 取付部
35 凹部
40 保持部材
43 段部
45 凸部
47 ネジ部材
50 手摺材
51 自在継手
53 支柱

Claims (5)

  1. 後付で設置されるユニット式のスロープを支持するためのスロープ用支柱の取付構造であって、
    床板の両側端部に立設固定される縁板と、
    前記縁板の内側面に形成された被嵌合部と嵌合する嵌合部を有すると共に、ネジ部材が挿通される貫通孔を備えた保持部材と、
    前記縁板の外側面に取り付けられる取付具本体であって、内部に支柱を挿通するための支柱挿通部を有すると共に、前記縁板に取り付けられる側とは反対側には当該取付具本体を前記ネジ部材によって前記保持部材を介して前記縁板に取り付ける作業、及び、前記支柱挿通部に挿通された前記支柱を固定するための作業を可能とする開口部が設けられた取付具本体と、
    前記取付具本体の前記開口部を覆うカバー部材と、
    を備えてなることを特徴とする支柱取付構造。
  2. 請求項1に記載の支柱取付構造において、
    前記保持部材の前記嵌合部は凸状に形成され、前記縁板の前記被嵌合部は凹状に形成されたことを特徴とする支柱取付構造。
  3. 請求項1又は2に記載の支柱取付構造において、
    前記縁板は、前記床板に取付固定される固定部と、前記固定部に対して直角方向に形成された取付部であって前記取付具本体を取り付けるための取付部とにより断面略T字状に形成されてなることを特徴とする支柱取付構造。
  4. 請求項1から3のいずれか1項に記載の支柱取付構造において、
    前記被嵌合部は、前記縁板の前記取付部の上部側及び下部側の2ヶ所に形成され、前記取付具本体をこの上下の2ヶ所において当該縁板に取付固定するようにされたことを特徴とする支柱取付構造。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載支柱取付構造において、
    前記縁板は、前記床板の側端部に沿って連続して配置されていることを特徴とする支柱取付構造。
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