JP2010195742A - キノロン基含有シラン化合物 - Google Patents

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Abstract

【課題】i線に対して高感度である光分解性のキノロン基を、基体表面に導入可能なキノロン基含有シラン化合物、及び該シラン化合物を利用した表面修飾剤を提供すること。
【解決手段】式(1)で表されるキノロン基含有シラン化合物。
【化1】
Figure 2010195742

(R1−R6:H、ハロゲン、OR7(R7:アルキル基等)。X:−O−、−COO−、−SO3−、−NHCOO−。L:0、1、Y:−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−。m:2〜20。R8−R10:C1〜3のアルキル基等。R8−R10の全てがC1〜3のアルキル基ではない。)
【選択図】図1

Description

本発明は、汎用光源であるi線に対して高感度である光分解性のキノロン基含有シラン化合物、該化合物を利用した特定の極性官能基を有する基体用の表面修飾剤に関する。該技術は、インクジェットプロセスに利用可能な選択的極性変換材料や、生物分野における選択的に生体物質を固定する材料、化学分野においては特定の位置へ極性官能基を導入した材料の製造などに利用でき、特に、低いコストで、急速に表面親水化を必要とする用途に好適な表面修飾剤を提供することができる。
近年、半導体デバイスをはじめとする微細加工を必要とする各種電子デバイスの分野では、デバイスの高密度化、高集積化の要求がますます高まってきている。現行の電子デバイス製造工程で微細回路パターンの形成プロセスの主流は、フォトリソグラフィーに代表される基板上に作製した部材を必要な位置だけ削って微細加工を行うトップダウンプロセスである。しかし、微細化が進むフォトリソグラフィーは、光源の短波長化に伴い、装置の大型化及びコスト、その波長でのレンズの開発、対応するレジストのコストなど解決すべき課題が数多く浮上してきている。
一方でリソグラフィー技術に代わる低コストかつ簡便な微細パターン形成方法として、ボトムアッププロセスが次世代の半導体新プロセスなどに期待されている。ボトムアッププロセスとは、基板上の必要な位置にだけ分子を集合させることによって、ナノレベルで部材を組み立てる技術である。
ボトムアッププロセスにおいて有用な素材の一つが自己組織化単分子膜であり、下記の先行例のように光照射により極性官能基を発生するシランカップリング剤が使用される。非特許文献1においては、式(3)で示される表面修飾剤のトリメトキシシリル基を有するo−ニトロベンジルエステル誘導体が報告されている。この化合物(3)を用いることによって、基体表面に、極性官能基であるカルボキシル基を容易に導入することができる。例えば、シリカゲルやシリコンウェハ等の基体表面に存在する水酸基と、化合物(3)のトリメトキシシリル基とを反応させることにより、まず、基体表面に化合物(3)の膜を形成することができる。次いで、これに紫外線を照射することにより、化合物(3)におけるo−ニトロベンジル基とのエステル結合が切断され、極性官能基であるカルボキシル基を基板表面に容易に導入することができる。更に特許文献1〜4では上記カルボキシル基のほかに、水酸基、アミノ基、スルホ基、チオール基を材料表面に発現させる手法やパーフルオロアルキル基を有するo−ニトロベンジルエステル誘導体が開示されている。
Figure 2010195742
(式中、R11がHのときk=4又は10であり、R11がメチル基のときk=4である。)
他にも自己組織化単分子膜を利用した極性変換による選択的パターン形成方法がいくつか提案されている。例えば、次のようなものが挙げられる。
(i)特許文献5には、基板上にフルオロアルキルシランを持つ自己組織化単分子膜を形成し、プラズマまたは紫外線照射により自己組織化単分子膜を破壊して表面の極性変換を行う方法が開示されている。
(ii)特許文献6には、基板上にベンジルフェニルスルホン基を持つ自己組織化単分子膜を形成し、紫外線照射により表面の極性変換を行う方法が開示されている。
(iii)特許文献7には、基板上にナフチルメチルスルホニルベンゼン基を持つ自己組織化単分子膜を形成し、紫外線照射により表面の極性変換を行う方法が開示されている。
(iv)特許文献8には、凹凸の有る下地層と撥水性単分子膜の中間に光分解活性層を入れ、紫外線照射により撥水層を選択的に除去して表面の極性変換を行う方法が開示されている。
以上のように、カルボニル基、水酸基、アミノ基、スルホ基、チオール基の極性官能基を、シリカゲルやシリコンウェハ等の基体表面に導入するための手段として、光で容易に分解する保護基で極性官能基を保護した表面修飾剤の使用が知られている。このような表面修飾剤を、マスキングを用いて使用することによって極性官能基の選択的発現が可能となり、生物分野では生体物質を基体上の特定の位置に固定することが可能になり、インクジェット法の微細パターン形成、生体物質の固定、高分子の表面改質等、様々な分野で応用することができる。
このような選択的極性変換材料としては、設備コストの面から汎用光源であるi線(365nm)に感応して分解する保護基を持つことが望ましい。
しかしながら、特許文献1〜4に記載のo−ニトロベンジルエステル誘導体は、目標とする極性変換を達成するためのi線の照射量が6J〜720J/cm2と非常に大きく、長時間の光照射を必要とするために実用的ではない。また、特許文献5〜7に記載の化合物は、i線に感応する感光基を有しておらず、ミクロンオーダーの微細加工に対して設備コストおよび加工コストの点で問題がある。更に、特許文献8では、光照射プロセスに加えて撥水層の選択除去プロセスが必要なため、解像度が低下する問題がある。
以上のことから、i線に高感度で対応できる表面修飾剤を開発することが要望されている。
特開2002-80481号公報 特開2003-321479号公報 特開2008-50321号公報 特開2003-292496号公報 特開2004-6700号公報 特開2006-70026号公報 特開2005-112732号公報 特開2001-129474号公報
Chem.Let.,228-229(2000)
本発明の課題は、汎用光源であるi線に対して高感度である光分解性のキノロン基を、基体表面に導入可能なキノロン基含有シラン化合物、及び該シラン化合物を利用した表面修飾剤を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を進めた結果、光分解性保護基であるキノロン基を用いて極性官能基を保護したシラン化合物が上記課題を解決する化合物であることを見出し、本発明を完成するに到った。
すなわち本発明によれば、式(1)で表されるキノロン基含有シラン化合物(以下、化合物(1)と略すことがある)が提供される。
Figure 2010195742
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子、又はOR7(R7はアルキル基又はフッ化アルキル基を示す)を表す。Xは−O−、−COO−、−SO3−、又は−NHCOO−のいずれかを表す。Lは0又は1を示し、Yは−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−のいずれかを表す。mは2〜20の整数を表す。R8、R9、及びR10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基を表す。但しR8、R9、及びR10のすべてが炭素数1〜3のアルキル基であることはない。)
また本発明によれば、式(2)で表されるキノロン基含有化合物(以下、化合物(2)と略すことがある)が提供される。
Figure 2010195742
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子、又はOR7(R7はアルキル基又はフッ化アルキル基を示す)を表す。Xは−O−、−COO−、−SO3−、又は−NHCOO−のいずれかを表す。Lは0又は1を示し、Yは−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−のいずれかを表す。nは0〜18の整数を表す。)
更に本発明によれば、上記キノロン基含有シラン化合物を含有することを特徴とする表面修飾剤が提供される。
本発明の化合物(1)及び該化合物(1)を利用した本発明の表面修飾剤は、o−ニトロベンジルエステル誘導体以上にi線に適したUV吸収特性を持つことに加え、光反応性に優れたN−O結合を有しているため、短時間で極性変換が達成可能な優れた感度を有している。
(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステルを用いた表面修飾及び極性変換方法を説明するための概略図である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明のキノロン基含有シラン化合物は、上記式(1)で示される。
式(1)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子、又はOR7(R7はアルキル基又はフッ化アルキル基を示す)を表す。中でも、UV吸収特性をi線側に近づけることから、少なくとも一つはOR7であることが好ましい。特に好ましくはR4が臭素であり、且つR3がOR7である。
R7で表される基がアルキル基である場合は、水または有機溶剤に対する撥液性を発現することから、炭素数10以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数10〜15のアルキル基がより好ましい。アルキル基は直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。具体的にはデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基などが挙げられる。
R7で表される基がフッ化アルキル基である場合は、パーフルオロアルキル基(CH2)p(CF2)qFまたはその分岐異性体を含み、pは0〜10の整数であるのが好ましく、qは1〜10の整数であることが好ましい。パーフルオロアルキル基としては直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が望ましい。具体的には例えば、2−(パーフルオロブチル)エチル基、3−(パーフルオロブチル)プロピル基、6−(パーフルオロブチル)ヘキシル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、3−(パーフルオロヘキシル)プロピル基、6−(パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、3−(パーフルオロオクチル)プロピル基、6−(パーフルオロオクチル)ヘキシル基、2−(パーフルオロデシル)エチル基が挙げられる。
式(1)中、Xは−O−、−COO−、−SO3−、又は−NHCOO−のいずれかを表す。中でも−O−、−COO−が好ましい。Lは0又は1を示す。Yは−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−のいずれかを表す。mは2〜20の整数を表し、出発原料の入手のし易さから、4〜11の整数であることが好ましい。
式(1)中、R8、R9、及びR10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基を表す。但しR8、R9、及びR10のすべてが炭素数1〜3のアルキル基であることはない。具体的には、R8=R9=R10=−OCH3、R8=R9=R10=−OCH2CH3、R8=R9=−OCH3;R10=−CH3、R8=−OCH3;R9=R10=−CH3、R8=−OCH2CH3;R9=R10=−CH3及びR8=R9=−O CH2CH3;R10=−CH3が挙げられる。中でも、出発原料の入手のし易さからR8=R9=R10=−OCH3、R8=R9=R10=−OCH2CH3が好ましい。
本発明の化合物(1)としては、例えば、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリエトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリエトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、1−(4−トリエトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、5−ブロモ−1−(4−トリエトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、6−デシロキシ−2−キノリノイル N−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバメート、6−デシロキシ−2−キノリノイル N−(3−トリメトキシシリルプロピル)カルバメート、5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノリノイル N−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバメート、5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノリノイル N−(3−トリメトキシシリルプロピル)カルバメート、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリエトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリエトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン−1−イルエステル、1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン、1−(4−トリエトキシシリル)ブトキシ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン、5−ブロモ−1−(4−トリエトキシシリル)ブトキシ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン、(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノリノイル N−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバメート、(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノリノイル N−(3−トリメトキシシリルプロピル)カルバメート、5−ブロモ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノリノイル N−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバメート、5−ブロモ−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノリノイル N−(3−トリメトキシシリルプロピル)カルバメートが挙げられる。
中でも、合成のし易さから、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン−1−イルエステル、5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノリノイル N−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバメートが好ましい。
本発明のキノロン基含有化合物は、上記式(2)で示され、上記式(1)で示されるキノロン基含有シラン化合物の合成に利用することができる。
式(2)中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子、又はOR7(R7はアルキル基又はフッ化アルキル基)を表す。中でも、UV吸収特性をi線側に近づけることから、少なくとも一つはOR7であることが好ましい。特に好ましくはR4が臭素であり、且つR3がOR7である。
R7で表される基がアルキル基である場合は、水または有機溶剤に対する撥液性を発現することから、炭素数10以上のアルキル基であることが好ましく、炭素数10〜15のアルキル基がより好ましい。アルキル基は直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が好ましい。具体的にはデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基などが挙げられる。
R7で表される基がフッ化アルキル基である場合は、パーフルオロアルキル基(CH2)p(CF2)qFまたはその分岐異性体を含み、pは0〜10の整数であるのが好ましく、qは1〜10の整数であることが好ましい。パーフルオロアルキル基としては直鎖構造、分岐構造、環構造、または部分的に環を有する構造が挙げられ、直鎖構造が望ましい。具体的には例えば、2−(パーフルオロブチル)エチル基、3−(パーフルオロブチル)プロピル基、6−(パーフルオロブチル)ヘキシル基、2−(パーフルオロヘキシル)エチル基、3−(パーフルオロヘキシル)プロピル基、6−(パーフルオロヘキシル)ヘキシル基、2−(パーフルオロオクチル)エチル基、3−(パーフルオロオクチル)プロピル基、6−(パーフルオロオクチル)ヘキシル基、2−(パーフルオロデシル)エチル基が挙げられる。
式(2)中、Xは−O−、−COO−、−SO3−、又は−NHCOO−のいずれかを表す。中でも−O−、−COO−が好ましい。Lは0又は1を示す。Yは−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−のいずれかを表す。nは0〜18の整数を表し、出発原料の入手のし易さから、2〜9の整数であることが好ましい。
本発明の化合物(2)としては、例えば、4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−ヘプチロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−ヘプチロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、1−ブチ−3−エニルオキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−デシロキシ−2−キノロン、1−ブチ−3−エニルオキシ−6−(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−ヘプチロキシ)−2−キノロン、5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−(4,4,5,5,6,6,7,7,7−ノナフルオロ−ヘプチロキシ)−デシロキシ−2−キノロン、1−ブチ−3−エニルオキシ−6−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−2−キノロン、5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)−デシロキシ−2−キノロンが挙げられる。
中でも、合成のし易さから4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、4−(3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,8,8,8−トリデカフルオロ−オクチロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル、5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−デシロキシ−2−キノロンが好ましい。
本発明の化合物(1)及び化合物(2)は、例えば、以下の方法により製造することができる。尚、式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R8、R9、R10、X、Y、L、m、nは前記と同じ意味を表す。また、反応温度及び反応時間等の反応条件は、適宜選択することができる。
Xが−COO−である化合物の製造例
本発明の化合物(1)及び(2)において、Xが−COO−である化合物の製造方法の一例を以下に示す。
Figure 2010195742
はじめにキノリン化合物(a)を適当な酸化剤によって対応するキノリンN−オキシド化合物(b)へと酸化する。次いで、得られたキノリンN−オキシド化合物(b)を四酢酸鉛によってN−ヒドロキシキノロン(c)へと酸化する。一方、二重結合を有するカルボン酸(d)は、塩素化剤によって対応する酸塩化物(e)とする。N−ヒドロキシキノロン(c)と二重結合を有する酸塩化物(e)とをピリジンの存在下で反応させることにより、本発明の化合物(2)に相当するキノロンエステル(f)が得られる。最後に、この二重結合を有するキノロンエステル(f)を、適当な白金触媒下でヒドロシリル化を行うことによって、本発明の化合物(1)に相当するシラン化合物(g)を得ることができる。
上記キノリンN−オキシド化合物(b)の合成の際に用いる酸化剤としては、例えば、m−クロロ安息香酸、過酸化水素、過酢酸等の過酸化物類が挙げられる。
上記二重結合を有するカルボン酸塩化物(e)の合成の際に用いる塩素化剤としては、例えば、塩化チオニル、リン酸トリクロリド、塩化スルフリル、三塩化リン、五塩化リン、塩化オキザリルが挙げられる。
上記ヒドロシリル化の際に用いる白金試薬としては、例えば、白金/活性炭、酸化白金、Karsted's試薬、塩化白金(IV)酸六水和物(H2PtCl6・H2O)やシス−ジクロロビス(ジエチルスルフィド)プラチナ(II) (cis-((C2H5)2S)2PtCl2)等の白金触媒が挙げられる。
上記製造法において、反応に用いることができる溶媒としては、反応に不活性な溶媒であれば特に制約されない。例えば、テトラヒドロフラン、メチルエチルケトン、アセトニトリル、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロメタン、ベンゼン、トルエン、ヘキサンが好ましく挙げられる。前記溶媒を用いる場合の使用量は、化合物100質量部に対して0.1〜1000質量部程度である。
Xが−O−である化合物の製造例
本発明の化合物(1)及び(2)において、Xが−O−である化合物の製造方法の一例を以下に示す。
Figure 2010195742
上記式において、Gは塩素、臭素、ヨウ素、トシル基から選ばれる脱離基を表す。Lは0とする。まず、N−ヒドロキシキノロン(c)と二重結合を有する(h)とを強塩基存在下反応させて、本発明の化合物(2)に相当するエーテル(i)を得る。そして、この二重結合を有するエーテル(i)を、適当な白金触媒下でヒドロシリル化を行うことで、本発明の化合物(1)に相当するシラン化合物(j)を得ることができる。
Xが−SO3−である化合物の製造例
本発明の化合物(1)及び(2)において、Xが−SO3−である化合物の製造方法の一例を以下に示す。
Figure 2010195742
上記式においてLは0とする。はじめに二重結合を持つブロモ体(o)を亜硫酸ナトリウムによってスルホン酸塩(p)とする。次にこのスルホン酸塩(p)を、塩化ホスホリルによって対応する酸塩化物(q)とする。そして、N−ヒドロキシキノロン(c)を、二重結合を有する酸塩化物(q)とピリジンの存在下で縮合させることにより、本発明の化合物(2)に相当するキノロンエステル(r)を得ることができる。最後に、この二重結合を有するキノロンエステル(r)を適当な白金触媒下でヒドロシリル化を行うことによって、本発明の化合物(1)に相当するシラン化合物(s)を得ることができる。
Xが−NHCOO−である化合物の製造例
本発明の化合物(1)及び(2)において、Xが−NHCOO−である化合物の製造方法の一例を以下に示す。
Figure 2010195742
N−ヒドロキシキノロン(c)を、二重結合を有するイソシアネート(t)と触媒の存在下で縮合させ、本発明の化合物(2)に相当するキノロンカルバミン酸エステル(u)を得る。そして、この二重結合を有するキノロンカルバミン酸エステル(u)を適当な白金触媒下でヒドロシリル化を行うことによって、本発明の化合物(1)に相当するシラン化合物(w)を得ることができる。
上記カルバミン酸エステルを合成する際に用いる触媒としては、例えば、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジラウレートが挙げられる。
本発明の表面修飾剤は、本発明の化合物(1)を含有することを特徴とする。
本発明の表面修飾剤は、例えば、水酸基、アミノ基及びチオール基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を表面に有する、シリカゲル、シリコンウェハ、ガラス等の無機材料、金属材料、PET、PC、PI、PP、PA等のプラスチック、複合材料、マイクロアレイ等の基体表面を修飾するためのものであって、上記極性官能基と反応させることが可能で、修飾後、光照射により光分解性保護基であるキノロン基を脱離させることで、容易に親水性や酸性、塩基性等の機能を基体に付与することができる。
上記基体の形態は特に制限されるものではなく、例えば、シート状、ハニカム状、ファイバー状、ビーズ状、発泡状やそれらが集積した形態であっても良い。
本発明の表面修飾剤を用いて、光分解性の表面修飾基体を製造する方法としては、例えば、本発明の表面修飾剤を基体表面に反応させて表面修飾基体を作製する工程(A)、該表面修飾基体の少なくとも一部に光を照射し、キノロン基を光分解させて、該光照射面に、水酸基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の極性官能基を形成する工程(B)を含む方法が挙げられる。
工程(A)を実施するにあたり、通常、基体に対して前処理工程を行うことができる。
前処理工程は、基体表面にコーティングする化学的処理、及び基体表面を酸化又はエッチングする物理的処理が挙げられる。化学的処理の溶液としては、例えば、硫酸、塩酸、硝酸、過酸化水素のような酸性溶液が挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中では硫酸及び過酸化水素を等量混合した混合液が特に好ましい。
酸性溶液のコーティングは、基体表面をコーティングできる方法であれば特に制限はなく、例えば、塗布、スプレー、ディッピングにより行うことができる。酸性溶液による処理時間は、1〜48時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。処理時間が1時間より短い場合、表面改質が不十分という可能性が有る。処理時間が48時間以上の場合は材料表面にそれ以上変化がおきないため、生産性の低下となる可能性がある。この前処理工程により、例えば、シリコンウェハや石英等の無機材料の基体表面に親水性基(シラノール基)を形成することができる。
物理的処理としては、例えば、オゾン、プラズマ、紫外線処理が挙げられる。物理的処理の時間は1〜30分が好ましく、5〜15分がより好ましい。処理時間が1分より短い場合、表面改質が不十分という可能性が有る。この前処理工程により、例えば、シリコンウェハや石英等の無機材料の基体表面に親水性基(シラノール基)を形成させることができる。また、プラスチックの基体表面に親水性基(ヒドロキシル基、カルボキシル基)を形成することができる。
工程(A)において、本発明の表面修飾剤を基体表面に反応させるには、例えば、塗布、スプレー、ディッピング、真空蒸着法、イオンプレーティング、熱CVDにより行うことができる。この中でもディッピングか好ましい。
ディッピングを行う際に用いる溶媒としては、化合物(1)に対して不活性であり、化合物(1)を溶解するものであれば特に制限されない。例えば、アセトン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ペンタン、ヘキサン、シクロペンタン、シクロヘキサン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサンが挙げられ、この中でもベンゼン、トルエンが好ましく、環境性の面からトルエンがより好ましい。
本発明の表面修飾剤を、溶媒を用いてディッピングする場合、溶媒中の本発明の化合物(1)の濃度は、溶媒に対して1.0×10-4〜10モル%が好ましい。中でも生産性の面から1.0×10-4〜1.0×10-1モル%がより好ましい。
ディッピング温度は室温〜100℃が好ましく、50℃〜100℃がより好ましい。ディッピングを行う際の基体の浸漬時間は特に制限されないが、1〜24時間が好ましく、1〜10時間がより好ましい。処理時間が1時間より短い場合、表面修飾が不十分という可能性がある。
工程(B)において、表面修飾基体の全部又は一部に光を照射することにより、光照射部分の光分解性保護基であるキノロン基を脱保護して極性官能基の露出した表面修飾基体を調製することができる。この際、特定の箇所のみに光照射することにより、その部分にのみ極性官能基を形成することができる。
工程(B)に用いる照射光としては、光分解性保護基を脱保護して極性官能基を露出させることのできる波長であれば特に制限はないが、紫外線(1〜400nm)であることが好ましく、シラン化合物の有する光分解性保護基の光分解能に応じて波長を選択することができる。
光源としては、例えば、高圧水銀灯、低圧水銀灯、メタルハライドランプ、エキシマレーザー、電子線が挙げられる。照射光のエネルギーについては、照射箇所の保護基が脱保護されるエネルギーであれば問題なく、光源にもよるが、一般的には0.01〜100J/cm2が好ましく、0.1〜5J/cm2がより好ましい。
上記前処理工程、工程(A)及び工程(B)の各工程の作業後には、通常、基体や材料表面を洗浄する。該洗浄に使用する溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、ヘキサン、酢酸エチル、クロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノールが挙げられ、中でもクロロホルム、メタノールが好ましい。洗浄方法としては、浸漬−振動、スプレー、超音波が好ましく、スプレー、超音波がより好ましい。
本発明の表面修飾剤を用いて、上記工程を行った一例の反応を図1に概略的に示す。図1において基体は、シリカゲル、シリコンウェハ、ガラス等の無機材料を用い、表面修飾剤として(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステルを用いた場合の例である。
本発明の表面修飾剤を用いることにより、光照射により特定の極性官能基の選択的発現が可能となる。例えば、光ファイバー、粉末製造等の工業部材や複合材料への修飾のみならず、自己組織化単分子膜、メソポーラスシリカ、マイクロアレイ等、多くの分野における極性官能基の導入に有用である。また、親疎水性の差を利用したパターニングが可能となるため、生物分野では、細胞、糖、核酸、タンパク質等の生体物質を、基体上の特定の位置に固定した表面修飾材料を容易に得ることができる。化学分野では、インクジェットプロセスに利用可能な、基体上の特定の位置に特定の極性官能基を発現させた選択的極性変換材料を容易に得ることができる。従って、本発明は、生物分野や化学分野をはじめとする様々な分野で応用が可能である。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1−1
(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(vi)の合成を以下に示す。
Figure 2010195742
6−デシロキシキノリン(ii)の合成
窒素置換した100mlナスフラスコに6−キノリノール1.0g、10−ブロモデカン3.02g(2.0当量)、炭酸カリウム1.88g(2.0当量)及びN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)20mlを加え、50℃のオイルバスで18時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液及び酢酸エチルにて分液した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、濃縮してカラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)で精製し1.81gの6−デシロキシキノリン(ii)を収率93%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(400MHzCDCl3)δ0.87-0.90(t,3H),1.24-1.54(m,14H),1.82-1.89(m,2H),4.06- 4.10(t,2H),7.05-7.06(d,1H),7.33-7.38(m,2H),7.98-8.04(m,2H), 8.75-8.77(dd,1H)
6−デシロキシキノリン−1−オキシド(iii)の合成
窒素置換した50mlナスフラスコに6−デシロキシキノリン(ii)を1.81g、ジクロロメタンを15ml加えた。これにm−クロロ過安息香酸2.32g(1.3当量)を室温で加え20時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え過剰の過酸を反応させた。発泡が止まったらクロロホルム及び水酸化ナトリウムで分液した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後に、溶媒を減圧留去して1.89gの6−デシロキシキノリン−1−オキシド(iii)を収率99%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.87-0.90(t,3H),1.28-1.52(m,14H),1.82-1.89(m,2H),4.06-4.09(t,2H), 7.08-7.09(d,1H),7.21-7.25(dd,1H),7.36-7.39(dd,1H),7.59-7.61(d,1H),8.37-8.39(d,1H),8.64-8.66(d,1H)
6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(iv)の合成
窒素置換した100mlナスフラスコに6−デシロキシキノリン−1−オキシド(iii)を1.37g加えクロロホルム35mlに溶解させた。そこに四酢酸鉛(90%)を3.37g(1.5当量)加え、70℃で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え白色の沈殿物を減圧ろ過で除いた。ろ液を濃縮して得た黒色液体に、1N塩酸20mlを加えて100℃で1時間還流した。生じた固体をヘキサンで洗い減圧ろ過によって312mgの6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(iv)を収率21%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.87-0.90(t,3H),1.28-1.48(m,14H),1.78-1.85(m,2H),4.00-4.03(t, 2H),6.84-6.86(d,1H),7.04-7.05(d,1H),7.28-7.31(dd,1H),7.67-7.72(m,2H)
4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(v)の合成
窒素置換した50mlナスフラスコに、6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(iv) 596.5mg、ピリジン662.3mg(2.1当量)及びジクロロメタン20mlを加え、そこに10−ウンデセノキシベンゾイルクロライド925.2mg(1.6当量)を氷冷下で加えた。その後室温に戻して30分間撹拌した。反応後はクロロホルムと水によって分液を行い、クロロホルム相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後カラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)によって精製を行い、688.9mgの4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(v)を収率62%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.86-0.90(t,3H),1.24-1.56(m,26H),1.76-1.87(m,4H),2.02-2.08(t, 2H),3.97-4.01(t,2H),4.05-4.08(t,2H),4.92-5.03(m,2H),5.77-5.87(m,1H),6.80-6.82(d,1H), 6.99-7.02(d,2H),7.05-7.06(d,1H),7.12-7.15(dd,1H),7.23-7.25(d,1H),7.67-7.69(d,1H),8.20-8.24(d,2H)
(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(vi)の合成
窒素置換した10mlナスフラスコに、4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(v)を289.3mg、及びKarsted's試薬を一滴加えた。そこにトリメトキシシランを0.4ml加え室温で撹拌した。4時間後1H-NMRにより原料の消失を確認したため、減圧留去により過剰のトリメトキシシランを除去した。その後カラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=3:1:0.04)によって精製を行い、309.2mgの(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(vi)を収率88%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.63-0.67(m,2H),0.86-0.89(t,3H),1.24-1.46(m,26H),1.77-1.83(m, 4H),3.65(s,9H),3.97-4.00(t,2H),4.04-4.08(t,2H),6.79-6.82(d,1H),6.99-7.05(m,3H),7.11-7.14(d,1H),7.23-7.25(d, 1H),7.66-7.69(d, 1H),8.20-8.23(d, 2H)
実施例1−2
(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(xi)の合成を以下に示す。
Figure 2010195742
5−ブロモ−6−デシロキシキノリン(vii)の合成
窒素置換した100mlナスフラスコに、6−デシロキシキノリン(ii) 11.11g、水酸化ナトリウム3.0g(2.0当量)、及び特級メタノール30mlを加えた後に、臭素12.0g(2.0当量)を滴下し30分室温で撹拌した。反応終了後、亜硫酸ナトリウム水溶液にて過剰の臭素をクエンチした後、メタノールを減圧留去した。生じた固体を蒸留水で洗浄し、減圧ろ過及び減圧乾燥によって16.55gの5−ブロモ−6−デシロキシキノリン(vii)を収率86%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.87-0.90(t,3H),1.28-1.57(m,14H),1.86-1.93(m,2H),4.19-4.23(t, 2H),7.45-7.50(m,2H),8.06-8.08(d,1H),8.53-8.55(d,1H),8.79-8.80(d,1H)
5−ブロモ−6−デシロキシキノリン−1−オキシド(viii)の合成
窒素置換した500mlナスフラスコに、5−ブロモ−6−デシロキシキノリン(vii) 16.55g、及びジクロロメタン150mlを加えた。これにm−クロロ過安息香酸16.0g(1.3当量)を室温で加え20時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液を加え過剰の過酸を反応させた。発泡が止まった後にクロロホルムと水酸化ナトリウム水溶液にて分液した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後に溶媒を減圧留去し、16.14gの5−ブロモ−6−デシロキシキノリン−1−オキシド(viii)を収率93%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.87-0.90(t, 3H),1.24-1.57(m,14H),1.86-1.92(m,2H),4.21-4.24 (t, 2H),7.32-7.36(m,1H),7.44-7.47(d,1H),8.07-8.09(d,1H),8.42-8.43(d,1H),8.74-8.76(d,1H)
5−ブロモ−6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(ix)の合成
窒素置換した500mlナスフラスコに、5−ブロモ−6−デシロキシキノリン−1−オキシド(viii)を16.14g加えクロロホルム250mlに溶解させた。そこに四酢酸鉛(90%)を25.0g(1.2等量)を加え70℃で3時間撹拌した。反応終了後、クロロホルムを加え、水によって分液を行い、鉛及び酢酸成分を取り除いた。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後に濃縮しカラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル=1:1)を行い、(ix)のアセチル体を得た。これに500mlナスフラスコに加え、1N塩酸200mlを加えて100℃で1時間還流した。生じた固体をヘキサンで洗い減圧ろ過によって3.94gの5−ブロモ−6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(ix)を収率23%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.87-0.90(t,3H),1.27-1.56(m,14H),1.83-1.90(m, 2H),4.09-4.13(t, 2H),6.92-6.94(d,1H),7.31-7.33(d,1H),7.76-7.78(d,1H),8.19-8.22(d,1H)
4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(x)の合成
窒素置換した50mlナスフラスコに、5−ブロモ−6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(ix) 983.7mg、ピリジン477.3mg(2.4当量)及びジクロロメタン2.5mlを加え、そこに10−ウンデセノキシベンゾイルクロライド925.2mg(1.1当量)を氷冷下で加えた。その後室温に戻して1時間撹拌した。反応後はクロロホルムと水によって分液を行い、クロロホルム相を硫酸ナトリウムで乾燥させた。その後カラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)によって精製を行い、685.5mgの4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(x)を収率41%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.86-0.89(t,3H),1.27-1.53(m,26H),1.81-1.85(t, 4H),2.04-2.06(t, 2H),4.04-4.08(t, 4H),4.92-5.02(m,2H),5.78-5.91(m,1H),6.87-6.90(d,1H),6.99-7.02(d,1H), 7.12-7.14(d,1H),7.23-7.26(d,1H),8.20-8.23(m, 3H)
(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(xi)の合成
窒素置換した10mlナスフラスコに、4−(10−ウンデセノキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(x)を685.5mg、及びKarsted's試薬を一滴加えた。そこにトリメトキシシランを0.5ml加え室温で撹拌した。4時間後1H-NMRにより原料の消失を確認したため、減圧乾燥により過剰のトリメトキシシランを除去した。その後カラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=3:1:0.04)によって精製を行い、476.4mgの(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(xi)を収率59%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.63-0.67(m,2H),0.86-0.89(t,3H),1.29-1.54(m,26H),1.82-1.85(m, 4H),3.57(s,9H),4.03-4.08(m,4H),6.87-6.90(d,1H),7.00-7.02(d,2H),7.12-7.15(d,1H),7.24-7.26(d,1H),8.20-8.23(m,3H)
実施例1−3
5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xiii)の合成を以下に示す。
Figure 2010195742
5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xii)の合成
窒素置換した30mlナスフラスコに、5−ブロモ−6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン(ix) 209.2mg、4−ブロモ−1−ブタン95.6mg(1.2当量)、炭酸カリウム218.4mg(3.0当量)及びDMF5mlを加え、50℃のオイルバスで18時間撹拌した。反応終了後、炭酸水素ナトリウム水溶液及び酢酸エチルにて分液した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥させた後にカラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル=3:1)によって精製を行い、152.6.mgの5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xii)を収率64%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.87-0.90(t,3H),1.28-1.56(m,14H),1.82-1.89(t,2H),2.62-2.67(m, 2H),4.07-4.10(t, 2H),4.29-4.32(t,2H),5.17-5.28(m,2H),5.92-5.99(m,1H),6.80-6.82(d,1H), 7.21-7.24(d,1H),7.56-7.59(d,1H),8.10-8.13(d,1H)
5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xiii)の合成
窒素置換した10mlナスフラスコに、5−ブロモ−1−ブチ−3−エニルオキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xii)を152.6mg、及びKarsted's試薬を一滴加えた。そこにトリメトキシシランを0.3ml加え室温で撹拌した。4時間後1H-NMRにより原料の消失を確認したため、減圧乾燥により過剰のトリメトキシシランを除去した。その後カラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=3:1:0.04)によって精製を行い、56.8mgの5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xiii)を収率29%で得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.73-0.78(m,2H),0.87-0.90(t,3H),1.28-1.57(m,14H),1.64-1.72(m, 2H),1.82-1.95(m,4H),3.59(s,9H),4.07-4.10(t,2H),4.22-4.25(t,2H),6.79-6.82(d,1H),7.21-7.23(d,1H),7.53-7.56(d,1H),8.09-8.12(d,1H)
実施例1−4
5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノリノイル N−(3−トリエトキシシリルプロピル)カルバメート(xiv)の合成を以下に示す。
Figure 2010195742
窒素置換した30mlナスフラスコに、5−ブロモ−6−デシロキシ−1−ヒドロキシ−2−キノロン453mgを加えTHF5mlに溶解させた。フラスコにイソシアン酸3−(トリエトキシシリル)プロピル298mg(1当量)、ジブチルスズジラウレート20μl(触媒量)を加え、室温で終夜攪拌した。反応液を減圧濃縮した後に、カラムクロマトグラフィー(溶出液は、ヘキサン:酢酸エチル:テトラメトキシシラン=2:1:0.01)によって精製し、茶色液体を得た。得られた化合物の1H-NMRを以下に示す。
1H-NMR(CDCl3)δ0.70-0.74(m,2H),0.86-0.90(t,3H),1.21-1.55(m,25H),1.73-1.87(m, 4H),3.32-3.37(m,2H),3.81-3.88(m,6H),4.04-4.07(t,2H),5.93(s,1H),6.82-6.85(d,1H),7.16-7.19(d,1H),7.28-7.31(d,1H),8.16-8.19(d,1H)
製造例1
シリコンウェハの前処理工程
50mlナスフラスコにおいて、濃硫酸14ml及び過酸化水素6mlを混合し、前処理溶液を調製した。この溶液にシリコンウェハを入れて、12時間以上静置した。前処理溶液よりシリコンウェハを取り出して蒸留水で表面を洗い流し、蒸留水中で超音波を10分間当て、メタノールで洗浄した後窒素ガスにより風乾させ、前処理基板を得た。接触角を以下の方法により測定したところ15°であった。
シリコンウェハ表面の接触角測定法
接触角の測定は、接触角測定装置、協和界面科学株式会社CA−DT・A型を用い、液適法(静的接触角)により測定した。即ち、接触角測定装置により、1μlの液滴を滴下し、10秒後の接触角をθ/2法により解析した。
実施例2−1〜2−3
ディッピング法によるシリコンウェハのシラン型表面修飾剤による表面修飾工程(サンプル1〜3の製造)
50mlナスフラスコに、実施例1−1で合成した(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(vi) 20mg、実施例1−2で合成した(4−(11−トリメトキシシリル)ウンデシロキシ)安息香酸−5−ブロモ−6−デシロキシ−2−キノロン−1−イルエステル(xi) 20mg、又は実施例1−3で合成した5−ブロモ−1−(4−トリメトキシシリル)ブトキシ−6−デシロキシ−2−キノロン(xiii) 20mgとドライトルエン(活性化したモレキュラーシーブス3Aで脱水操作したもの)20mlを入れて、溶液を調製した。これに製造例1で製造した前処理を行ったシリコンウェハを入れ、100℃で3時間静置した。その後シリコンウェハを取り出し、メタノール、クロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を5分間当てた。その後、表面をクロロホルムで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、各表面修飾シリコンウェハを得た((vi)を用いたものをサンプル1、(xi)を用いたものをサンプル2、(xiii)を用いたものをサンプル3とする)。得られた各シリコンウェハについて上記と同様に接触角を測定した。結果を表1に示す。
比較例1
ディッピング法によるシリコンウェハのニトロベンジルエステル型表面修飾剤による表面修飾工程(比較サンプルの製造)
50mlナスフラスコに、5−(トリメトキシシリル)ペンタン酸1−(4,5−ジメトキシ−2−ニトロフェニル)エチルエステル20mgとドライトルエン(活性化したモレキュラーシーブス3Aで脱水操作したもの)20mlを入れて、溶液を調製した。これに製造例1で製造した前処理を行ったシリコンウェハを入れ、100℃で3時間静置した。その後シリコンウェハを取り出し、メタノール、クロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を5分間当てた。その後、表面をクロロホルムで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、各表面修飾シリコンウェハを得た。得られたシリコンウェハについて実施例2−1と同様に接触角を測定した。結果を表1に示す。
実施例3−1〜3−3
光照射による表面極性官能基を変換した表面修飾材料の製造
実施例2−1〜2−3で製造したサンプル1〜3の表面修飾シリコンウェハに、紫外線(20mW/cm2、Xe−Hgランプ、λ=365nm)を所定時間照射した。所定時間紫外線照射後に各シリコンウェハをメタノール及びクロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を5分間当てた。その後、表面をクロロホルムで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、極性変換を行った各シリコンウェハを得た。得られたシリコンウェハについて実施例2−1と同様に接触角を測定した。この操作を繰り返し、光照射後の接触角が一定となるときの照射量を各サンプルの感度とした。結果を表1に示す。
比較例2
比較例1で製造した比較サンプルの表面修飾シリコンウェハに、紫外線(20mW/cm2、Xe−Hgランプ、λ=365nm)を一定時間照射した。所定時間紫外線照射後に各シリコンウェハをメタノール及びクロロホルムで表面を洗い流し、クロロホルム中で超音波を5分間当てた。その後、表面をクロロホルムで洗い流し、窒素ガスで風乾させて、極性変換を行った各シリコンウェハを得た。得られたシリコンウェハについて実施例2−1と同様に接触角を測定した。この操作を繰り返し、光照射後の接触角が一定となるときの照射量エネルギーを比較サンプルの感度とした。結果を表1に示す。
Figure 2010195742
表1より、サンプル1〜3は比較サンプルと同等の極性変換能を持ちながら、i線に対して高い感度を持つため、より少ない照射エネルギーで極性変換が可能となることがわかった。

Claims (3)

  1. 式(1)で表されるキノロン基含有シラン化合物。
    Figure 2010195742
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子、又はOR7(R7はアルキル基又はフッ化アルキル基を示す)を表す。Xは−O−、−COO−、−SO3−、又は−NHCOO−のいずれかを表す。Lは0又は1を示し、Yは−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−のいずれかを表す。mは2〜20の整数を表す。R8、R9、及びR10は同一でも異なっていてもよく、それぞれ炭素数1〜3のアルキル基又はアルコキシ基を表す。但しR8、R9、及びR10のすべてが炭素数1〜3のアルキル基であることはない。)
  2. 式(2)で表されるキノロン基含有化合物。
    Figure 2010195742
    (式中、R1、R2、R3、R4、R5、及びR6は同一でも異なっていてもよく、それぞれ水素原子、又はフッ素、塩素、臭素、ヨウ素から選ばれるハロゲン原子、又はOR7(R7はアルキル基又はフッ化アルキル基を示す)を表す。Xは−O−、−COO−、−SO3−、又は−NHCOO−のいずれかを表す。Lは0又は1を示し、Yは−CH2−、−O−、−OCO−、−COO−のいずれかを表す。nは0〜18の整数を表す。)
  3. 請求項1記載のキノロン基含有シラン化合物を含有することを特徴とする表面修飾剤。
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