JP2010195644A - 水素発生方法及び水素発生システム - Google Patents

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【課題】水素発生が必要なとき以外の水素発生量を極力低減できる水素発生方法を提供する。
【解決手段】水素貯蔵材料粉末と界面活性剤との貯蔵材混合物を収容、保持する貯蔵材供給タンク11と、貯蔵材供給タンク11から供給される貯蔵材混合物が反応水との共存下で、貯蔵材混合物中の水素貯蔵材料粉末が加水分解される反応容器16とを備える。貯蔵材供給タンク11内の水素貯蔵材料は、貯蔵材混合物内で界面活性剤に取り囲まれているために、水との直接的な接触が制限される。貯蔵材供給タンク11内で保持されている間の水素の発生量が低減される。一方、水素発生が必要なときには、反応容器16に貯蔵材混合物を供給し、加熱することにより加水分解を促進して水素を積極的に発生させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、水素化マグネシウム(MgH)等の加水分解により水素を発生する水素貯蔵材料から水素を発生させる方法及びシステムに関する。
地球環境保全や化石燃料の枯渇の問題から、化石燃料に代わる代替エネルギーとして燃料電池が電力の供給源として考えられている。燃料電池は原料に水素と酸素を用い、その排ガスもクリーンであることから注目されている。自動車への搭載を想定すると、400〜500km走行するためには水素が5kg程度必要である。したがって、貯蔵容積が小さくて軽量な水素貯蔵材料が求められている。その中で、水素化マグネシウム(MgH)は、理論水素発生量が15.3質量%と多く、水素化リチウム(LiH)のように爆発的な加水分解反応を示すこともないので、コストも低いこともあって水素貯蔵材料として有望視されている。
水素化マグネシウムは、加水分解反応の進行と同時に不活性な水酸化マグネシウム膜(Mg(OH)膜)が形成されるので反応が完了まで進まないために実質的な水素発生量は理論値よりも少ないという問題があるが、これに対しては本願発明者らが特許文献1で解決策の一つを提案している。すなわち、水素化マグネシウム粒子を、Zn、Ni及びAlから選択される1種又は2種以上からなる酸化物粒子とともに機械的なエネルギーを付与、典型的には機械的な粉砕を行うと、水素発生率が向上できることを特許文献1で示した。
特開2008−156148号公報
水素化マグネシウムに加水分解を生じさせて水素を発生させる際には、加水分解反応を促進するために、水素化マグネシウムに水を加えるだけでなく、40〜100℃程度に加熱する。実際は、水素化マグネシウム粉末と水からなるスラリーを予め作製しておき、燃料電池が発電するときにスラリーを加熱して水素を発生させることが想定される。一方、燃料電池が発電しないときには、水素貯蔵材料から水素を発生させる必要はない。スラリーの温度を常温以下に保てば水素化マグネシウムの加水分解反応は著しく遅くなるものの、水素の発生をゼロにすることはできない。このように不必要なときにも水素が発生するので、水素貯蔵材料の一回の補給による自動車の走行距離が短くなるか、又は、損失の分だけ余計に水素貯蔵材料を補給する必要があり、水素化マグネシウムが有する高い水素貯蔵量を有効に活用できない。
本発明は、このような技術的課題に基づいてなされたもので、不必要なときの水素発生量を極力低減できる水素発生方法を提供することを目的とする。また本発明は、この水素発生方法を実施することのできる水素発生システムを提供することを目的とする。
かかる目的のもと、本発明の水素発生方法は、水素貯蔵材料粉末を界面活性剤との貯蔵材混合物として保持しておき、水素貯蔵材料から水素を発生させる際に、貯蔵材混合物が保持されている領域とは異なる反応領域に貯蔵材混合物を供給するとともに、反応領域において反応水との共存下で水素貯蔵材料を加水分解することにより、水素貯蔵材料から水素を発生させることを特徴とする。
本発明は、水素貯蔵材料粉末を界面活性剤との貯蔵材混合物として保持する。貯蔵材混合物内において水素貯蔵材料粉末を構成する粒子は、界面活性剤に取り囲まれる。したがって、貯蔵材混合物が水に分散されたとしても、水素貯蔵材料と水との直接的な接触が界面活性剤により制限されるため、不必要なときの水素の発生を抑制できる。また、積極的に水素の発生が必要なときには、例えば加熱により加水分解を促進することによって、積極的に水素を発生できる。
本発明における貯蔵材混合物は、水素貯蔵材料粉末及び界面活性剤が分散される分散媒を含むことが好ましい。水素発生させる場合、キャリアガスを用いた反応領域への供給が困難なので、流動性を持たせてポンプにより貯蔵材混合物を供給することが要求される。そこで、分散媒に分散させることが有効である。この場合、水を分散媒とすることができる。そうすれば、反応領域に水素貯蔵材料粉末及び界面活性剤とともに水が供給されるので、別途加水分解のための水を反応領域に供給する必要がない。
以上の水素発生方法を実施するシステムとして以下を提案する。すなわち本発明の水素発生システムは、水素貯蔵材料粉末と界面活性剤との貯蔵材混合物を収容する貯蔵材供給タンクと、貯蔵材供給タンクから供給される貯蔵材混合物が反応水との共存下で、貯蔵材混合物中の水素貯蔵材料粉末が加水分解される反応容器と、を備える。
本発明の水素発生システムは、反応容器において水素貯蔵材料が加水分解された後の残渣を回収する貯蔵材回収タンクと、加水分解で発生した水素を用いて発電することにより燃料電池で生成された水を回収する水回収タンクを備えることが好ましい。加水分解により生じた残渣を反応領域から第3領域に適時に回収すれば、以後の加水分解の進行を妨げない。また、回収された水を反応水として再利用できるので、効率的な水素発生システムとなる。
さらに、貯蔵材供給タンク内の貯蔵材混合物を反応容器に供給し終わった後に、貯蔵材供給タンクを貯蔵材回収タンクとして機能させることが好ましい。貯蔵材混合物を反応領域に供給し終わった後には貯蔵材供給タンクは空になる。そこで、空になった貯蔵材供給タンクに残渣を回収するのである。このとき、貯蔵材回収タンクを新たな貯蔵材供給タンクに取り替え、かつ物理的に同じ領域に貯蔵材供給タンクと貯蔵材回収タンクを交互に設置すれば、2つの領域を設けるだけで、貯蔵材混合物(水素貯蔵材料)の供給と残渣の回収を連続的に行うことができる。
本発明によれば、水素貯蔵材料が界面活性剤との貯蔵材混合物として保持されているので、水素が発生したとしても微量に抑えることができる。しかも、本発明は、水素を発生させる必要があるときには、反応領域において反応水の存在下で水素貯蔵材料を加水分解できる。
本実施の形態における水素発生システムの構成を示す。
以下、本発明をより詳細に説明する。
<対象となる水素貯蔵材料>
本発明は、加水分解により水素を発生する水素貯蔵材料を対象とする。この様な水素貯蔵材料として、水素化リチウム(LiH)、水素化ナトリウム(NaH)、水素化カルシウム(CaH)、水素化マグネシウム(MgH)等が知られており、本発明はこれらの水素貯蔵材料に広く適用できる。しかし、理論水素発生量、加水分解反応が穏やかであること、低コストであることから、水素化マグネシウム(MgH)を対象とすることが最も好ましい。本発明における水素貯蔵材料は粉末の形態で用いられ、粒子の平均粒径は概ね1〜100μm程度である。
なお、水素化マグネシウムの加水分解反応は以下の式に従って行われる。
MgH+2HO→Mg(OH)+2H
<水面活性剤との貯蔵材混合物>
本発明における水素貯蔵材料は、界面活性剤との貯蔵材混合物として保持される。本発明の界面活性剤としては、イオン性界面活性剤の中で、陽イオン性(カチオン性)界面活性剤を使用できるが、陰イオン性(アニオン性)界面活性剤、両性界面活性剤を含まない。また、本発明の界面活性剤としては、非イオン性界面活性剤を使用できる。陽イオン性(カチオン性)界面活性剤、非イオン性界面活性剤の具体例としては、以下のものが掲げられる。
(1)カチオン性界面活性剤
・モノアルキルアンモニウムクロライド(第4級アンモニウム塩)
・ジアルキルアンモニウムクロライド
・ポリアルキレンオキシ化アルキルメチルアンモニウムクロライド
(2)非イオン性界面活性剤
・ポリオキシエチレンアルキルエーテル
・ポリオキシアルキレンアルキルエーテル
・脂肪酸メチルエステルエトキシレート
・脂肪酸ジエステル
・アルキルグルコシド
<貯蔵材混合物>
粉末形態の水素貯蔵材料は界面活性剤との貯蔵材混合物とされる。この貯蔵材混合物における水素貯蔵材料の含有量は、少ないと発生する水素量が不足し、多いと粘性が大きくなりポンプによる供給が難しくなるので、10〜60質量%とすることが好ましく、20〜50質量%とすることがより好ましい。この貯蔵材混合物は、一般にスラリーと称される形態となる。
界面活性剤には、常態が液体のものと固体のものが存在する。
界面活性剤が液体の場合には、水素貯蔵材料をそのまま界面活性剤に添加、混合して貯蔵材混合物を作製すればよい。
また、界面活性剤が固体の場合には、水素貯蔵材料と界面活性剤を固体の状態で十分に混合した後に、分散媒に添加して液状の貯蔵材混合物を作製する。水素貯蔵材料と界面活性剤との混合は、機械的な粉砕を伴うことが好ましい。水素貯蔵材料の粒子の周囲に界面活性剤の粒子が付着して隙間なく取り囲むことが理想的である。分散媒としては、水を用いることができるが、他にアルカリ性水溶液などの水溶液を用いることができる。
以上のように水素貯蔵材料を界面活性剤との貯蔵材混合物とすることにより、水素貯蔵材料の粒子は水との接触が回避又は低減されるので、水との加水分解が制約される。したがって、不必要なときに水素貯蔵材料から水素が発生するのを抑制できる。
<水素貯蔵材料における水素発生>
本発明による貯蔵材混合物を用いて水素発生を行うためには、貯蔵材混合物を加熱する。加熱温度は、40〜100℃の範囲で適宜選択できる。ただし、この加水分解は発熱を伴うので、加熱は当初のみで足りる。水素発生は加水分解に基づくものであるから、水の存在が不可避である。界面活性剤が液体の貯蔵材混合物の場合、または、界面活性剤が固体であって水以外を分散媒とする貯蔵材混合物の場合には、貯蔵材混合物に水を加えた後に加熱する。また、界面活性剤が固体であって水を分散媒とする貯蔵材混合物の場合には、さらに水を加えることなく、当該貯蔵材混合物を加熱する。なお、加熱の際に必要な水は、理論上は等量で足りるが、等量の1.2〜2.5倍程度の量とすることが好ましい。
加水分解反応を促進するために、酸性物質又は弱塩基性物質を添加することもできる。酸性物質又は弱塩基性物質の添加により、加水分解反応時に溶液中のpHを固定できる。そうすることにより、水素発生を阻害するMg(OH)の生成を抑制できる。酸性物質は、酸解離定数pKaが4〜9であることが好ましい。pKaが4未満では、酸が強く、反応が急激に進み、pKaが9を超えると酸が弱くMg(OH)の生成を防止する効果が十分に得られない。このような酸性物質としては、塩酸、硫酸、酢酸などのカルボン酸、炭酸、燐酸水素ナトリウムなどがあり、それらを混合して用いることもできる。弱塩基性物質としては、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、水酸化アンモニウムなどを用いることができる。また、これら物質としては、pHの固定作用を維持するために、その水溶液の濃度は、例えば、塩酸:0.001〜0.1mol/l、硫酸:0.001〜0.1mol/l、酢酸:0.01〜1mol/l、炭酸水素ナトリウム:0.01〜1mol/l、水酸化アンモニウム:0.01〜1mol/lとすることが好ましい。
<水素発生システム>
次に、水素発生システムの実施形態を図1に基づいて説明する。
本実施形態に係る水素発生システム10は、例えば電気自動車に搭載され、燃料電池システム20に水素を供給するためのものである。燃料電池システム20は、水素を供給することにより発電する燃料電池を含む。
水素発生システム10は、貯蔵材供給タンク11から水素貯蔵材料を前述した貯蔵材混合物の形態で反応容器16に供給し、加熱することにより、水素貯蔵材料に加水分解反応を生じさせて、水素を発生する。なお、ここでは、界面活性剤が固体であって水を分散媒とする貯蔵材混合物を例にして説明する。
貯蔵材供給タンク11には、水素貯蔵材料及び界面活性剤と、分散媒としての水とからなる所定量の貯蔵材混合物が収容、保持されている。例えば電気自動車が水素貯蔵材料の補充なしに十分に走行できる水素量を発生できるように所定量が定められる。貯蔵材供給タンク11は供給配管L1を介して反応容器16に繋がっており、貯蔵材供給タンク11内に保持されている貯蔵材混合物は、供給配管L1(ポンプ15)を通って反応容器16に供給される。
貯蔵材供給タンク11は、例えば電気自動車の所定位置に着脱自在に搭載され、供給配管L1との接続も自在とされる。
貯蔵材供給タンク11に繋がる供給配管L1上にはポンプ15が設けられており、ポンプ15が動作することにより、貯蔵材供給タンク11内の貯蔵材混合物は供給配管L1を通って反応容器16に供給される。
反応容器16内にはヒータ16hが設けられている。ヒータ16hを加熱することにより、反応容器16内を40〜100℃の温度に加熱、保持して加水分解反応を促進する。
また、反応容器16内には、撹拌羽16fが設けられている。水素発生が要求されるときには、撹拌羽16fを回転することにより、加水分解反応を促進する。
さらに、酸性物質又は弱塩基性物質を促進剤供給容器17から配管L2を介して反応容器16に供給することもできる。
反応容器16には回収配管L3の一端が繋がれており、回収配管L3の他端は貯蔵材回収タンク12に繋がれている。水素の発生が終了すると、水素貯蔵材料は残渣となる。例えば、水素貯蔵材料がMgHの場合にはMg(OH)が残渣となる。また、水素貯蔵材料とともに反応容器16に供給された保存液、反応液も残渣となる。これら残渣は、回収配管L3を通って貯蔵材回収タンク12に回収される。
反応容器16には、水素貯蔵材料から発生した水素を燃料電池システム20に向けて供給する供給配管L4が繋がれている。燃料電池システム20には回収配管L5の一端が繋がれており、回収配管L5の他端には水回収タンク13が繋がれている。燃料電池システム20が発電することにより生成される水は、回収配管L5を通って水回収タンク13に回収される。
水素発生システム10の運転例を以下説明する。
本発明に係る所定量の貯蔵材混合物が充填された貯蔵材供給タンク11を水素発生システム10の所定位置に搭載する。このとき、貯蔵材回収タンク12、水回収タンク13は、各々の回収が十分できるように内部に回収空間が設けられている。もちろん、空の貯蔵材回収タンク12、水回収タンク13としてもよい。
燃料電池システム20で発電する際には、ポンプ15を作動させることにより、貯蔵材供給タンク11から水素貯蔵材料、界面活性剤及び水からなる貯蔵材混合物が供給配管L1を通って反応容器16に供給される。このとき、反応容器16内には先行する水素発生に伴う残渣が残されていても構わないが、残渣は極力少ないことが好ましい。
反応容器16は、ヒータ16hにより40〜100℃の温度に保持されているので加水分解が促進され、水素貯蔵材料から水素が発生する。この水素は、供給配管L4を通って燃料電池システム20に供給される。なお、加水分解反応は発熱反応であるため、ヒータ16hによる加熱は、当初のみで足りる。
反応容器16に残った残渣は、好ましくは、発電が行なわれない間に貯蔵材回収タンク12に回収される。また、燃料電池システム20で生成される水は、好ましくは、発電が行なわれている間に、水回収タンク13に回収される。
燃料電池システム20で発電を行なわないときには、ポンプ15を停止する。貯蔵材供給タンク11に保持されている水素貯蔵材料(粒子)は周囲が界面活性剤に覆われているために、水との接触が制限され、水素の発生を抑えることができる。
貯蔵材供給タンク11内の貯蔵材混合物が不足したならば、貯蔵材混合物が充填されている新たな貯蔵材供給タンク11を貯蔵材回収タンク12と置き換える。そうすることにより、貯蔵材混合物が不足した貯蔵材供給タンク11を、今度は貯蔵材回収タンク12として利用できる。そのために、供給配管L1及び回収配管L3を以下のように繋ぎ替える。つまり、供給配管L1を新たな貯蔵材供給タンク11に繋ぎ、回収配管L3を貯蔵材混合物が不足した貯蔵材供給タンク11に繋げばよい。
燃料電池システム20から水を回収していた水回収タンク13が満たされたならば、今度は新たな水回収タンク13と取り替える。
以上の通りであり、水素発生システム10は、発電するときには反応容器16に貯蔵材混合物を供給して水素を発生させるが、そうでないときには、貯蔵材混合物に含まれる水素貯蔵材料からの水素の発生を抑制する。
また、水素発生システム10は、所定量の貯蔵材混合物を貯蔵材供給タンク11に保持し、貯蔵材混合物が不足したならば、新たな貯蔵材供給タンク11を積むことにより、永続的な水素発生システム10を構築できる。また、貯蔵材混合物が不足した貯蔵材供給タンク11は、反応容器16に溜まる残渣の回収用に用いることができるので、貯蔵材混合物が不足した貯蔵材供給タンク11を降ろす手間が少なくてすむ。
以上説明した水素発生システム10は、界面活性剤が固体であって水を分散媒とする貯蔵材混合物を用いているが、本発明はこれに限定されない。界面活性剤が液体の場合には、加水分解反応のための水(反応水)を収容するタンクを別途用意し、このタンクから反応水を反応容器16に供給するとともに、水素貯蔵材料と界面活性剤とからなる貯蔵材混合物を反応容器16に供給してもよい。
以下、本発明を具体的な実施例に基づいて説明する。
水素化マグネシウム(MgH)粉末(平均粒径:10μm)と表1に示す種々の界面活性剤とを、水素化マグネシウム粉末が50質量%になるように混合した。固体の界面活性剤は、水素化マグネシウム粉末とともに乳鉢を用いて強制的に混合した。この貯蔵材混合物を確認したところ、水素化マグネシウム粒子の周囲が界面活性剤に密に取り囲まれていた。また、液体の界面活性剤は、ビーカーにて水素化マグネシウム粉末と撹拌混合した。この貯蔵材混合物を40質量%になるように水に添加してスラリー状の貯蔵材混合物を作製した。なお、水素化マグネシウム粉末だけを水に分散させたスラリー(比較スラリー)も作製した。この場合の水に対する水素化マグネシウム粉末の含有量は25質量%とした。
これらスラリーを恒温槽に入れ、100時間経過するまでの発生水素量をガスメータで測定した。その結果から、水素化マグネシウムの理論水素発生量に対する1日(24時間)当りの水素発生量の比率(%/日)を求めた。なお、恒温槽を30℃に維持した。
結果を表1に示すが、界面活性剤を添加しない比較スラリーに比べて、界面活性剤を添加した水素化マグネシウム粉末を含むスラリーは、水素の発生を低減できることがわかる。また、界面活性剤の中でも、陰イオン性界面活性剤では、水素の発生を低減できないことがわかった。
なお、水素化マグネシウム粒子の周囲を界面活性剤でより密に取り囲めば、水素発生量をさらに低減できるものと推測される。
Figure 2010195644
次に、作製したスラリーを用いて加水分解により水素を発生させ、水素発生率を測定した。なお、水素発生率は、水素化マグネシウムの理論水素発生量を100%とし、水素発生開始から1時間経過までの水素発生総量に基づいて算出した。また加水分解は、加熱下(80℃)で行ない、反応水として水(真水)の他に酢酸(5mol/l)水溶液及びクエン酸水溶液(2mol/l)を用いて行なった。
結果を表2に示すが、界面活性剤を添加しても十分な量の水素を発生できることがわかる。
Figure 2010195644
10…水素発生システム、
11…貯蔵材供給タンク、12…貯蔵材回収タンク、13…水回収タンク
16…反応容器
20…燃料電池システム

Claims (6)

  1. 水素貯蔵材料粉末を界面活性剤との貯蔵材混合物として保持しておき、
    前記水素貯蔵材料から水素を発生させる際に、前記貯蔵材混合物が保持されている領域とは異なる反応領域に前記貯蔵材混合物を供給するとともに、前記反応領域において反応水との共存下で前記水素貯蔵材料を加水分解することにより、前記水素貯蔵材料から水素を発生させることを特徴とする水素発生方法。
  2. 前記貯蔵材混合物は、前記水素貯蔵材料粉末及び前記界面活性剤が分散される分散媒を含むことを特徴とする請求項1に記載の水素発生方法。
  3. 前記分散媒が水であり、前記反応領域に前記水素貯蔵材料粉末及び前記界面活性剤とともに供給されることを特徴とする請求項2に記載の水素発生方法。
  4. 水素貯蔵材料粉末と界面活性剤との貯蔵材混合物を収容する貯蔵材供給タンクと、
    前記貯蔵材供給タンクから供給される前記貯蔵材混合物が反応水との共存下で、前記貯蔵材混合物中の前記水素貯蔵材料粉末が加水分解される反応容器と、
    を備えることを特徴とする水素発生システム。
  5. 前記反応容器において前記水素貯蔵材料が加水分解された後の残渣を回収する貯蔵材回収タンクと、
    前記加水分解で発生した水素を用いて燃料電池が発電することにより生成された水を回収する水回収タンクを備えることを特徴とする請求項4に記載の水素発生システム。
  6. 前記貯蔵材供給タンク内の前記貯蔵材混合物を前記反応容器に供給し終わった後に、前記貯蔵材供給タンクは前記貯蔵材回収タンクとなることを特徴とする請求項4又は5に記載の水素発生システム。
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