JP2010194465A - 液滴塗布方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 塗布ヘッドのノズルから基板の所定の塗布範囲に吐出される液滴の着弾位置ずれを正しく把握し、その着弾位置精度を向上すること。
【解決手段】 液滴塗布方法において、ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを求め、第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズル11による液滴の塗布範囲に対する着弾位置ずれを求めるもの。
【選択図】 図2
【解決手段】 液滴塗布方法において、ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを求め、第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズル11による液滴の塗布範囲に対する着弾位置ずれを求めるもの。
【選択図】 図2
Description
本発明は液滴塗布方法及び装置に関する。
従来、インクジェット塗布方法を用いてカラーフィルタ用基板を製作する技術としては、特許文献1に記載の如く、塗布ヘッドのノズルから吐出される複数の液滴(インク)を、基板の表面に格子状に区画した凹部(画素)に塗布するものがある。凹部に塗布された液滴は乾燥して凹部内に着色層を形成する。
カラーフィルタ用基板の品質の確保には、基板の各凹部に必要量の液滴を該凹部の全域に均等厚になるように装填する必要があり、各ノズルから吐出される全ての液滴が対応する凹部からはみ出すことのないように、それら液滴の当該凹部に対する着弾位置精度を向上することが望まれる。
特許文献1では、この着弾位置ずれを抑えるために、ノズルから吐出される液滴が凹部の中央に着弾するように塗布ヘッドを位置調整することを提案しているが、この着弾位置ずれを正しく把握する具体的手段についての記載がない。
本発明の課題は、塗布ヘッドのノズルから基板の所定の塗布範囲に吐出される液滴の着弾位置ずれを正しく把握し、その着弾位置精度を向上することにある。
請求項1の発明は、塗布ヘッドに設けたノズルから吐出される液滴を基板上の所定の塗布範囲に着弾させて塗布する液滴塗布方法において、前記塗布範囲の内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とされてなる基板に対し、基板上の塗布範囲の内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置、又はそれらの境界位置から等距離だけ外側に設けた2つの仮想位置を、第1と第2の狙い位置として定め、ノズルから第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズルから第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを求め、第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズルから吐出された液滴の着弾位置ずれを求めるようにしたものである。
請求項2の発明は、請求項1の発明において更に、前記第1と第2のはみ出し量U、Lの差の1/2を着弾位置ずれとするようにしたものである。
請求項3の発明は、請求項1又は2の発明において更に、前記基板が検査用基板であり、この検査用基板を用いて求めた着弾位置ずれに基づき、製品用基板の塗布範囲に対する当該ノズルによる液滴の狙い位置を補正するようにしたものである。
請求項4の発明は、ノズルを備えた塗布ヘッドと基板とを該基板の表面に沿う方向で相対移動させる移動手段と、ノズルから吐出されて基板上に着弾した液滴を撮像する撮像部と、撮像部で撮像した液滴の画像に基づいて、当該ノズルから吐出された液滴の着弾位置ずれを求める制御部とを有してなる液滴塗布装置であって、基板が塗布範囲の内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とされ、制御部が、第1と第2の狙い位置として定めた、基板上の塗布範囲の内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置、又はそれらの境界位置から等距離だけ外側に設けた2つの仮想位置を狙ってノズルから液滴を吐出させるように塗布ヘッドと移動手段の駆動を制御するとともに、ノズルから第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズルから第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを撮像部で撮像した画像に基づいて求め、これら第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズルから吐出された液滴の着弾位置ずれを求めるようにしたものである。
請求項5の発明は、請求項4の発明において更に、前記制御部が、第1と第2のはみ出し量U、Lの差の1/2を着弾位置ずれとして求めるようにしたものである。
請求項6の発明は、請求項4又は5の発明において更に、前記基板上の塗布範囲が格子状をなす多数の凹部のそれぞれからなるようにしたものである。
請求項7の発明は、請求項4〜6のいずれかの発明において更に、前記基板が検査用基板であり、前記制御部が、この検査用基板を用いて求めたノズルの着弾位置ずれに基づき、製品用基板の塗布範囲に対する当該ノズルによる液滴の狙い位置を補正するようにしたものである。
本発明によれば、塗布ヘッドのノズルから基板の所定の塗布範囲に吐出される液滴の着弾位置ずれを正しく把握し、その着弾位置精度を向上し、ひいては必要量の液滴を塗布範囲の全域に均等厚となるように装填することが可能となり、液滴が塗布された基板の品質を確保できる。
液滴塗布装置1は、図1に示す如く、ガラス基板Gの主たる範囲に区画されている、塗布対象物である製品用基板Kが水平状態(図1中、基板Kの表面がX軸方向とそれに直交するY軸方向に沿う状態)で載置される移動テーブル2と、その移動テーブル2を保持してY軸方向に移動させるY軸移動機構3と、そのY軸移動機構3を介して移動テーブル2をX軸方向に移動させるX軸移動機構4と、移動テーブル2上の基板Kに向けてインク等の塗布液を液滴Eとして吐出する複数の塗布ヘッド5と、基板K上の液滴Eを撮像する撮像部6と、撮像部6により撮像された液滴Eの画像を表示する表示部7と、それらのY軸移動機構3、X軸移動機構4、各塗布ヘッド5、撮像部6等を制御する制御部8を備えている。
移動テーブル2は、Y軸移動機構3上に積層され、Y軸方向に移動可能に設けられている。この移動テーブル2はY軸移動機構3によりY軸方向に移動する。尚、移動テーブル2には、基板Kが自重により載置されるが、これに限るものではなく、例えば、その基板Kを保持するため、静電チャックや吸着チャック等の機構を設けるようにしても良い。このような移動テーブル2の端部には、各塗布ヘッド5の吐出を安定させるための吐出安定部2aが設けられている。この吐出安定部2aは、各塗布ヘッド5のダミー吐出用の受皿、及び各塗布ヘッド5の吐出面をワイプするワイプブレード等を有している。
Y軸移動機構3は、移動テーブル2をY軸方向に案内して移動させる機構である。このY軸移動機構3は制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御される。尚、Y軸移動機構3としては、例えば、リニアモータを駆動源とするリニアモータ移動機構やモータを駆動源とする送りネジ移動機構等を用いる。
X軸移動機構4は、Y軸移動機構3をX軸方向に案内して移動させる機構である。このX軸移動機構4は制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御される。尚、X軸移動機構4としては、例えば、リニアモータを駆動源とするリニアモータ移動機構やモータを駆動源とする送りネジ移動機構等を用いる。
塗布ヘッド5は、インク等の塗布液を収容する液体タンク(図示せず)から供給される塗布液を複数のノズル11からそれぞれ液滴Eとして吐出するインクジェットヘッドである。この塗布ヘッド5は、液滴Eを吐出する複数のノズル11にそれぞれ対応する複数の圧電素子(図示せず)を内蔵している。各ノズル11は、所定のピッチ(間隔)で直線一列状に並べて吐出面に形成されている。例えば、ノズル11の数は数十個から数百個程度であり、ノズル11の直径は数μmから数十μm程度であり、更に、ノズル11のピッチは数十μmから数百μm程度である。
この塗布ヘッド5は制御部8に電気的に接続されており、その駆動が制御部8により制御される。塗布ヘッド5は、各圧電素子に対する駆動電圧の印加に応じて各ノズル11から液滴(インク滴)Eを吐出する。ここで、塗布液は揮発性を有している。この塗布液は、基板K上に残留物として残留する溶質と、その溶質を溶解(分散)させる溶媒とにより構成されている。例えば、塗布液であるインクは、顔料、溶剤(インク溶剤)、分散剤及び添加剤等の各種の成分により構成されている。
ここで、本実施例の液滴塗布装置1は、液晶表示パネルのカラーフィルタ用基板を塗布対象としての製品用基板Kとする。実際の製品となる製品用基板Kは、図2に示す如く、基板Kの表面にブラックマトリックスBMとしての格子状のパターンをなす凸部を設けている。そして、液滴塗布装置1の塗布ヘッド5のノズル11から吐出される着色用の複数の液滴(R:赤色、G:緑色、B:青色のいずれかのインク)を、凸部により区画されて塗布範囲Aを構成する凹部K1に所定量塗布する。凹部K1に塗布された液滴は乾燥して凹部K1内に着色層を形成する。実際の基板Kの格子BMは横に1000列以上、縦に1000行以上の凹部K1を設けている。
液滴塗布装置1が備える各塗布ヘッド5の各ノズル11から吐出される液滴を基板Kの凹部K1に塗布するに際しては、塗布ヘッド5を回転機構によりY軸方向に対して傾け、塗布ヘッド5の相隣るノズル11のY軸方向ピッチを、移動テーブル2上に載置した基板Kの凹部K1のうち、同一色を着色すべき凹部K1のY軸方向ピッチに合せる。そして、移動テーブル2のX軸移動機構4を制御部8により駆動し、移動テーブル2上の基板Kを塗布ヘッド5の下方で塗布ヘッド5に対してX方向へ相対移動させながら、塗布ヘッド5の各ノズル11のそれぞれから吐出される複数の液滴、例えば5滴を予め設定された滴下タイミングt(滴下時間間隔)で順に基板Kの同一色を着色すべき凹部K1内に塗布する。例えば、塗布ヘッド5の各ノズル11から赤色Rのインクを吐出する場合、赤色を着色する凹部K1のそれぞれに対してインクを塗布する。尚、塗布ヘッド5の各ノズル11からの液滴Eの吐出周波数(滴下タイミングt)を変更することにより、基板Kの凹部K1内におけるX軸方向の塗布ピッチpを調整することができる。
しかるに、液滴塗布装置1は、塗布ヘッド5のノズル11から製品用基板Kの凹部K1に吐出される液滴Eの着弾位置を撮像部6及び制御部8並びに検査用基板Jを用いて検査調整するため、以下の構成を備える。
尚、撮像部6は、図3に示すように、ノズル11から吐出されて検査用基板J(ガラス基板G上の製品用基板Kが区画されている範囲以外の従たる範囲に区画されている。)上に定められた塗布範囲Aに着弾した液滴Eを撮像する撮像カメラであり、各液滴Eを検出する検出部として機能する。この撮像部6は制御部8に電気的に接続されており、その駆動は制御部8により制御され、撮像した液滴Eの画像を制御部8に送信する。尚、撮像部6としては、例えばCCD(Charge
Coupled Device)カメラ等を用いる。ここで、撮像部6は、検査用基板J上の着弾した液滴Eを塗布範囲A毎に撮像しても、塗布範囲A複数個単位で撮像しても良いが、本実施例では、塗布範囲A毎に撮像するものとして説明する。
Coupled Device)カメラ等を用いる。ここで、撮像部6は、検査用基板J上の着弾した液滴Eを塗布範囲A毎に撮像しても、塗布範囲A複数個単位で撮像しても良いが、本実施例では、塗布範囲A毎に撮像するものとして説明する。
表示部7は、撮像した液滴Eの画像等の各種画像を表示する表示装置である。この表示部7は電気的に撮像部6に接続されている。尚、表示部7としては、例えば、液晶ディスプレイやCRTディスプレイ等を用いる。
制御部8は、各部を集中的に制御するマイクロコンピュータと、塗布に関する塗布情報や各種のプログラム等を記憶する記憶部と(いずれも図示せず)を備えている。塗布情報は、ドットパターン等の所定の塗布パターン、塗布ヘッド5の傾斜角度、塗布ヘッド5の吐出周波数及び基板Kの移動速度に関する情報等を含んでいる。この塗布情報としては、製造塗布用の塗布情報及び検査塗布用の塗布情報(検査用のパターン及び溶媒雰囲気形成用のパターンを含む)が記憶部に格納されている。
液滴塗布装置1の制御部8は、塗布ヘッド5の各ノズル11から製品用基板Kの凹部K1に吐出される液滴Eの着弾位置精度を向上し、ひいては必要量の液滴Eを凹部K1の全域に均等厚となるように装填し、カラーフィルタ用基板の品質を確保すため、以下の如くに動作する。
(A)検査用基板J
ガラス基板Gの製品用基板Kに隣接する、従たる範囲に区画される検査用基板Jを用いる。検査用基板Jは、製品用基板Kの格子状をなす多数の凹部K1と同寸法の格子状の複数の凹部J1のそれぞれからなる塗布範囲Aを備える。
ガラス基板Gの製品用基板Kに隣接する、従たる範囲に区画される検査用基板Jを用いる。検査用基板Jは、製品用基板Kの格子状をなす多数の凹部K1と同寸法の格子状の複数の凹部J1のそれぞれからなる塗布範囲Aを備える。
検査用基板Jは、塗布範囲A(凹部J1)の内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とする。ここで、凹部J1の底部は、塗布液との接触角が10°以下の親液性が好ましく、凹部J1の外側域、即ち、格子BMの表面は、接触角が30°、好ましくは40°以上の疎液性が好ましい。尚、本実施例では、凹部J1の側壁面は、接触角30°程度の疎液性の表面とするが、親液性の表面としても良い。
(B)検査調整手順
(1)吐出工程
移動テーブル2のY軸移動機構3、X軸移動機構4を制御し、移動テーブル2に載置してある検査用基板Jを塗布ヘッド5に対するXY方向に移動させ、塗布ヘッド5の直下に検査用基板Jの塗布範囲Aを位置付ける。
(1)吐出工程
移動テーブル2のY軸移動機構3、X軸移動機構4を制御し、移動テーブル2に載置してある検査用基板Jを塗布ヘッド5に対するXY方向に移動させ、塗布ヘッド5の直下に検査用基板Jの塗布範囲Aを位置付ける。
このとき、塗布ヘッド5の各ノズル11について、検査用基板J上で当該ノズル11に対応する塗布範囲A(凹部J1)の内側域(親液性の表面)において相対する両側で、その外側域(疎液性の表面)に接する2つの境界位置(本実施例では凹部J1の相対する側壁の縁)を、当該ノズル11から吐出させて着弾させる第1と第2の液滴E1、E2のための第1と第2の狙い位置として定める。例えば、塗布範囲Aの2つの境界位置、即ち、図4において、塗布範囲Aの長手方向で対向する両側の縁位置は、検査用基板Jの凹部J1の設計データから知ることができる。
移動テーブル2のX軸移動機構4を制御部8により駆動し、移動テーブル2上の検査用基板Jを塗布ヘッド5の下方で塗布ヘッド5に対してX方向へ相対移動させながら、塗布ヘッド5の各ノズル11から、当該ノズル11に対応する塗布範囲A(凹部J1)の上述の第1と第2の狙い位置に向けて第1と第2の液滴E1、E2を吐出させる。
(2)撮像工程
撮像部6の直下に検査用基板Jの塗布範囲A(凹部J1)を位置付け、塗布ヘッド5の各ノズル11から上述(1)により当該ノズル11に対応する塗布範囲A(凹部J1)に対して着弾させた第1と第2の液滴E1、E2を撮像する。撮像部6により撮像した第1と第2の液滴E1、E2の画像を制御部8に送信する。即ち、撮像部6は、図4に示す如く、1つの塗布範囲Aに対して着弾された第1と第2の液滴E1、E2を同一視野内に入れて撮像する。
撮像部6の直下に検査用基板Jの塗布範囲A(凹部J1)を位置付け、塗布ヘッド5の各ノズル11から上述(1)により当該ノズル11に対応する塗布範囲A(凹部J1)に対して着弾させた第1と第2の液滴E1、E2を撮像する。撮像部6により撮像した第1と第2の液滴E1、E2の画像を制御部8に送信する。即ち、撮像部6は、図4に示す如く、1つの塗布範囲Aに対して着弾された第1と第2の液滴E1、E2を同一視野内に入れて撮像する。
(3)検査工程
制御部8は、撮像部6が撮像した第1と第2の液滴E1、E2の図4に示す如くの画像に基づいて、塗布ヘッド5の各ノズル11について、当該ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1の第1の狙い位置に対する反内側域(外側域)の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2の第2の狙い位置に対する反内側域(外側域)の側への第2のはみ出し量Lを求める。
制御部8は、撮像部6が撮像した第1と第2の液滴E1、E2の図4に示す如くの画像に基づいて、塗布ヘッド5の各ノズル11について、当該ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1の第1の狙い位置に対する反内側域(外側域)の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2の第2の狙い位置に対する反内側域(外側域)の側への第2のはみ出し量Lを求める。
制御部8は、塗布ヘッド5の各ノズル11から吐出させた第1と第2の液滴E1、E2の第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて、当該ノズル11から吐出された液滴Eの塗布範囲A(凹部J1)に対する着弾位置ずれδを、以下の如くに求める。
まず、検査用基板Jは、基板J上の塗布範囲A(凹部J1)の内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面としたから、塗布範囲Aの境界位置の内外に跨るように着弾した液滴E1、E2は、内側域の側では経時的に自由に広がって変形するものの(図4の鎖線)、外側域の側では一定の概ね円形状の外形を保つ(図4の実線)。即ち、凹部J1の縁に向けて吐出された液滴Eは、凹部J1の内外に跨って着弾する。液滴Eの一部が凹部J1の外側に着弾した時点では、他の部分は凹部J1の内側にあって凹部J1の底部に未だ着弾していない。そのため、液滴Eの他の部分は、更に落下を続け、液滴Eの凹部J1の外側に着弾した一部から分断されて凹部J1の底部に着弾することとなる。この結果、疎液性の表面の凹部J1の外側(格子BM)に着弾した液滴Eの一部は、着弾時の形状を概ね保って半円形の外形となり、親液性の凹部J1の底部に着弾した液滴Eの他の部分は、濡れ広がって変形する。
このことは、ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1が第1の狙い位置に対し反内側域(外側域)の側へ第1のはみ出し量Uだけはみ出した第1のはみ出し部E1aと、ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2が第2の狙い位置に対し反内側域(外側域)の側へ第2のはみ出し量Lだけはみ出した第2のはみ出し部E2aは、それらの外形を概ね円形の一部をなすように保形するものであることを意味する。
そして、塗布ヘッド5、又は塗布ヘッド5と移動テーブル2の相対移動手段(Y軸移動機構3及びX軸移動機構4)の機械精度等に起因し、あるノズル11が吐出した第1の液滴E1の中心c1が第1の狙い位置に対し例えば第1のはみ出し部E1aの反対側(塗布範囲Aの内側域に入る側)にδの着弾位置ずれを生ずる(第1の液滴E1の中心c1に対する第1のはみ出し部E1aの側(保形側)の半径はU+δになる)ときには、当該ノズル11が吐出する第2の液滴E2の中心c2も第2の狙い位置に対し同じ方向に同じ量だけずれ、例えば第2のはみ出し部E2aの側にδの着弾位置ずれを生ずる(第2の液滴E2の中心c2に対する第2のはみ出し部E2aの側(保形側)の半径はL−δになる)ものになる。
このとき、第1と第2の液滴E1、E2は、共に吐出量を同じくする液滴であるので、基板J上の塗布範囲A(凹部J1)の疎液面(外側域)の上では概ね同一半径の円形状をなす。従って、第1の液滴E1の中心c1に対する第1のはみ出し部E1aの側(疎液性の表面の側)の半径(U+δ)と、第2の液滴E2の中心c2に対する第2のはみ出し部E2aの側(疎液性の表面の側)の半径(L−δ)が同一をなすものになり、これらの関係から、第1と第2のはみ出し量U、Lの検出値に基づき、当該ノズル11による液滴Eの塗布範囲Aに対する着弾位置ずれδを求めることができる。即ち、U+δ=L−δより、δ=(L−U)/2として求めることになる。
(4)調整工程
塗布ヘッド5の各ノズル11について、当該ノズル11が製品用基板Kの塗布範囲Aに対して液滴Eを塗布するに際し、上述(3)により検査用基板Jを用いて求めた当該ノズル11の着弾位置ずれδに基づき、製品用基板Kの塗布範囲Aに対する当該ノズル11による液滴の狙い位置を補正する。
塗布ヘッド5の各ノズル11について、当該ノズル11が製品用基板Kの塗布範囲Aに対して液滴Eを塗布するに際し、上述(3)により検査用基板Jを用いて求めた当該ノズル11の着弾位置ずれδに基づき、製品用基板Kの塗布範囲Aに対する当該ノズル11による液滴の狙い位置を補正する。
例えば、図4において基板Kに対する塗布ヘッド5の移動方向を右方向とした場合、この移動方向において、ノズル11が吐出した液滴Eが塗布範囲Aの内側域に入る側にδだけの着弾位置ずれを生じていたときには、当該ノズル11の塗布範囲Aに対する液滴の狙い位置を塗布ヘッド5の反移動方向へδだけずらすように、塗布ヘッド5及び当該ノズル11を動作させる。即ち、当該ノズル11から液滴を吐出させるタイミングを着弾位置ずれδを相殺する分だけ早めるように制御する。これにより、塗布ヘッド5の各ノズル11から吐出される全ての液滴Eを対応する塗布範囲Aにはみ出すことのないように着弾させ、必要量の液滴Eが塗布範囲Aの全域に均等厚になるように装填できる。
液滴塗布装置1は、全塗布ヘッド5の全ノズル11のそれぞれについて、上述の着弾位置ずれの検出、それに基づく狙い位置の補正を行なう。
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)基板K上の塗布範囲Aの内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とし、基板K上の塗布範囲Aの内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置を、第1と第2の狙い位置として定め、ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを求め、第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズル11による液滴の塗布範囲Aに対する着弾位置ずれδを求めることができる。これにより、疎液性の表面上で外径が円形上に保たれた液滴の一部と、この液滴と塗布領域Aとの相対的な位置関係とによって、液滴の着弾位置ずれを正確に求めることができる。
(a)基板K上の塗布範囲Aの内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とし、基板K上の塗布範囲Aの内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置を、第1と第2の狙い位置として定め、ノズル11から第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴E1の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズル11から第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴E2の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを求め、第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズル11による液滴の塗布範囲Aに対する着弾位置ずれδを求めることができる。これにより、疎液性の表面上で外径が円形上に保たれた液滴の一部と、この液滴と塗布領域Aとの相対的な位置関係とによって、液滴の着弾位置ずれを正確に求めることができる。
(b)第1と第2の液滴E1、E2は、基板J上の塗布範囲A(凹部J1)の疎液性の表面(外側域)の上では概ね同一半径の円形状をなす。従って、第1の液滴E1の中心c1に対する第1のはみ出し部E1aの側(疎液性の表面の側)の半径(U+δ)と、第2の液滴E2の中心c2に対する第2のはみ出し部E2aの側(疎液性の表面の側)の半径(L−δ)が同一をなすものになり、U+δ=L−δより、δ=(L−U)/2とすることができる。液滴の着弾位置ずれを簡単な数式により容易に求めることができる。
(c)上述(a)の基板J上の塗布範囲Aは、カラーフィルタ用基板ではその画素となる凹部J1であり、凹部J1の相対する両側壁を、第1と第2の狙い位置の基準となる2つの境界位置とすることができる。
(d)上述(a)の基板Jが検査用基板であり、この検査用基板Jを用いて求めたノズル11の着弾位置ずれδに基づき、製品用基板Kの塗布範囲Aに対する当該ノズル11による液滴の狙い位置を補正する。これにより、塗布ヘッド5の各ノズル11から吐出される全ての液滴Eを対応する塗布範囲Aにはみ出すことのないように着弾させ、必要量の液滴Eが塗布範囲Aの全域に均等厚になるように装填できる。これにより、製品用基板Kであるカラーフィルタ基板の各画素に形成される塗布膜を画素間で均一な厚さに形成することができ、カラーフィルタ基板の品質を向上させることができ、ひいては、このカラーフィルタ基板を用いて製造された液晶表示パネルの表示品質を向上させることができる。
以上、本発明の実施例を図面により詳述したが、本発明の具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。例えば、塗布ヘッド5の各ノズル11から吐出される液滴の第1と第2の狙い位置は、基板上の塗布範囲の内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置そのものとすることに限らず、それらの境界位置から等距離だけ外側に設けた2つの仮想位置のそれぞれとするものでも良い。また、検査用基板Jを用いて液滴Eの着弾位置ずれδを求めたが、製品用基板の一部を用いて行っても良い。即ち、生産に供する複数の製品用基板のうちの1枚を検査用基板として用いても良い。更に、検査用基板Jと製品用基板Kとが単一のガラス基板Gに形成されたものとしたが、それぞれの基板K、Jを個別に設けても良い。
本発明は、塗布ヘッドのノズルから基板の所定の塗布範囲に吐出される液滴の着弾位置ずれを正しく把握し、その着弾位置精度を向上することができる。
1 液滴塗布装置
5 塗布ヘッド
6 撮像部
8 制御部
11 ノズル
5 塗布ヘッド
6 撮像部
8 制御部
11 ノズル
Claims (7)
- 塗布ヘッドに設けたノズルから吐出される液滴を基板上の所定の塗布範囲に着弾させて塗布する液滴塗布方法において、
前記塗布範囲の内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とされてなる基板に対し、
基板上の塗布範囲の内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置、又はそれらの境界位置から等距離だけ外側に設けた2つの仮想位置を、第1と第2の狙い位置として定め、
ノズルから第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズルから第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを求め、第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズルから吐出された液滴の着弾位置ずれを求めることを特徴とする液滴塗布方法。 - 前記第1と第2のはみ出し量U、Lの差の1/2を着弾位置ずれとする請求項1に記載の液滴塗布方法。
- 前記基板が検査用基板であり、この検査用基板を用いて求めた着弾位置ずれに基づき、製品用基板の塗布範囲に対する当該ノズルによる液滴の狙い位置を補正する請求項1又は2に記載の液滴塗布方法。
- ノズルを備えた塗布ヘッドと基板とを該基板の表面に沿う方向で相対移動させる移動手段と、
ノズルから吐出されて基板上に着弾した液滴を撮像する撮像部と、
撮像部で撮像した液滴の画像に基づいて、当該ノズルから吐出された液滴の着弾位置ずれを求める制御部とを有してなる液滴塗布装置であって、
基板が塗布範囲の内側域を親液性の表面、外側域を疎液性の表面とされ、
制御部が、
第1と第2の狙い位置として定めた、基板上の塗布範囲の内側域において相対する両側で外側域に接する2つの境界位置、又はそれらの境界位置から等距離だけ外側に設けた2つの仮想位置を狙ってノズルから液滴を吐出させるように塗布ヘッドと移動手段の駆動を制御するとともに、
ノズルから第1の狙い位置を狙って着弾させた第1の液滴の第1の狙い位置に対する反内側域の側への第1のはみ出し量Uと、当該ノズルから第2の狙い位置を狙って着弾させた第2の液滴の第2の狙い位置に対する反内側域の側への第2のはみ出し量Lを撮像部で撮像した画像に基づいて求め、これら第1と第2のはみ出し量U、Lに基づいて当該ノズルから吐出された液滴の着弾位置ずれを求める液滴塗布装置。 - 前記制御部が、第1と第2のはみ出し量U、Lの差の1/2を着弾位置ずれとして求める請求項4に記載の液滴塗布装置。
- 前記基板上の塗布範囲が格子状をなす多数の凹部のそれぞれからなる請求項4又は5に記載の液滴塗布装置。
- 前記基板が検査用基板であり、前記制御部が、この検査用基板を用いて求めたノズルの着弾位置ずれに基づき、製品用基板の塗布範囲に対する当該ノズルによる液滴の狙い位置を補正する請求項4〜6のいずれかに記載の液滴塗布装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009042731A JP2010194465A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 液滴塗布方法及び装置 |
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ID=42819762
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JP2009042731A Withdrawn JP2010194465A (ja) | 2009-02-25 | 2009-02-25 | 液滴塗布方法及び装置 |
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JP (1) | JP2010194465A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012098337A (ja) * | 2010-10-29 | 2012-05-24 | Shibaura Mechatronics Corp | 液滴塗布装置及び液滴塗布方法 |
JP2015010883A (ja) * | 2013-06-27 | 2015-01-19 | 株式会社リコー | 濡れ性パターンの表面エネルギー検査方法 |
-
2009
- 2009-02-25 JP JP2009042731A patent/JP2010194465A/ja not_active Withdrawn
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