JP2010194413A - 鋼板の水切り装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】十分な水切り性能が得られると共に、鋼板の安定搬送ができ、しかも省スペース化が図れる鋼板の水切り装置を提供する。
【解決手段】鋼板11の搬送方向に背面を向けて交差配置され、鋼板11の上面12の水13を除去する平板状の水切り用ゴム14を有する鋼板の水切り装置10であり、水切り用ゴム14は、その上側が上下方向に昇降可能に設けた吊持部材21に垂下固定され、その下端が鋼板11の搬送方向下流側に背面角部25aを有し、吊持部材21を下降して水切り用ゴム14を鋼板11の上面12に押付けた際に、その下部26が湾曲してその最下角部27が鋼板11に接触するように、吊持部材21の水切り用ゴム取付け基端位置Hから下端位置Hまでの水切り用ゴム14の自由長さHと、鋼板11の上面高さ位置から下端位置Hまでの水切り用ゴム14の突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下とした。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば、鋼板の超音波探傷時や冷却時に鋼板の表面にかけた水を除去するための鋼板の水切り装置に関する。
従来、鋼板は、超音波探傷装置によって品質検査をした後、出荷されている。
この超音波探傷装置は、鋼板の探傷時に多量の水を接触媒質として鋼板にかけて使用するため、探傷後の鋼板に付着した水が原因で、該鋼板の表面にさびが発生し、その外観性を悪くしていた。このため、超音波探傷が終了した鋼板の表面に、ゴム又は軟質合成樹脂等の弾性材料で製造された水切りロールを押付け、鋼板の表面に付着した水を除去していた(例えば、特許文献1参照)。
特開昭59−101219号公報
しかしながら、鋼板の表面に付着した水を水切りロールで除去する場合、上記したように、水切りロールが弾性材料であるため、鋼板と水切りロールとの接触面積が広くなり、水切りロールの鋼板への押付け力が分散して、水を除去できない箇所が発生していた。また、このような箇所が発生しないように、水切りロールの鋼板への押付け力を更に高めようとすると、鋼板の搬送速度の低下や鋼板の斜行が発生して、鋼板の搬送に支障をきたしていた。
なお、水切りロールの鋼板への押付け力を過剰に高めることなく、水の除去効率を高めるため、複数の水切りロールを、鋼板の搬送方向に間隔をあけて配置することも考えられるが、この場合、広い設置スペースが必要となる問題があった。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、十分な水切り性能が得られると共に、鋼板の安定搬送ができ、しかも省スペース化が図れる鋼板の水切り装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するためになされた本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)鋼板の搬送方向に背面を向けて交差配置され、該鋼板の上面に押付けて該鋼板の上面から水を除去する平板状の水切り用ゴムを有する鋼板の水切り装置であって、
前記水切り用ゴムは、その上側が上下方向に昇降可能に設けた吊持部材に垂下固定され、その下端が少なくとも前記鋼板の搬送方向下流側に背面角部を有する形状であり、前記吊持部材を下降して前記水切り用ゴムの下部を前記鋼板の上面に押付けた際に、該水切り用ゴムの下部が湾曲してその最下角部が前記鋼板に接触するように、前記吊持部材の水切り用ゴム取付け基端位置から下端位置までの前記水切り用ゴムの自由長さHと、前記鋼板の上面高さ位置から前記下端位置までの前記水切り用ゴムの突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下としたことを特徴とする鋼板の水切り装置。
(2)前記水切り用ゴムは、前記自由長さHが100mm以上400mm以下、厚みが5mm以上15mm以下であり、硬度が40IRHD以上60IRHD以下であることを特徴とする(1)記載の鋼板の水切り装置。
(3)前記吊持部材に垂下固定される前記水切り用ゴムは、スペーサーを介して前記鋼板の搬送方向に40mm以上60mm以下の間隔をおいて複数枚配置されていることを特徴とする(1)又は(2)記載の鋼板の水切り装置。
(4)前記水切り用ゴムの下流側には、前記鋼板に空気を吹付ける空気噴射手段が設けられていることを特徴とする(1)〜(3)記載の鋼板の水切り装置。
本発明に係る鋼板の水切り装置は、その上側が吊持部材に垂下固定され、その下端が少なくとも鋼板の搬送方向下流側に背面角部を有する形状となった平板状の水切り用ゴムを使用するので、水切り用ゴムの下部を鋼板の上面に押付けた際に、その下部を湾曲させて鋼板との接触面積を小さくすることが可能となり、水切り用ゴムの押付け力が分散する恐れを低減できる。また、平板状の水切り用ゴムを使用するので、広い設置スペースが不要である。
特に、水切り用ゴムの下部を鋼板に押付けた際に、その下部が湾曲してその最下角部が鋼板に接触するように、吊持部材の水切り用ゴム取付け基端位置から下端位置までの水切り用ゴムの自由長さHと、鋼板の上面高さ位置から下端位置までの水切り用ゴムの突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下とすることで、水切り用ゴムの押付け力を分散させることなく、水切り用ゴムの最下角部を鋼板に確実に接触させることができる。また、これにより、水切り用ゴムの押付け力を過剰に高める必要もないので、鋼板の搬送速度の低下や斜行といった問題もなくなる。
従って、十分な水切り性能が得られると共に、鋼板の安定搬送を実施でき、しかも省スペース化が図れる鋼板の水切り装置を提供できる。
また、水切り用ゴムの自由長さH、厚み、及び硬度を、それぞれ規定した場合、水切り用ゴムの自由長さHと突出長さDとの比D/Hを、上記した範囲に調整した効果が高められ、鋼板の搬送速度を向上させた際にも、十分な水切り性能が得られる。
そして、水切り用ゴムをスペーサーを介して鋼板の搬送方向に間隔をおいて複数枚配置する場合、例えば、鋼板に付着した水を、最初の水切り用ゴムで部分的に除去できなかったとしても、この水を、その下流側の水切り用ゴムで除去できる。また、複数の水切り用ゴムは、スペーサーを介して鋼板の搬送方向に配置されるので、コンパクトにできる。
更に、水切り用ゴムの下流側に、鋼板に空気を吹付ける空気噴射手段を設ける場合、例えば、鋼板が反ったり波打っている場合や、水切り用ゴムが部分的に損傷している場合に、鋼板に付着した水を、水切り用ゴムで部分的に除去できなかったとしても、この水を、その下流側に配置された空気噴射手段で除去できる。
本発明の第1の実施の形態に係る鋼板の水切り装置の正面図である。 同鋼板の水切り装置の使用状態の説明図である。 (A)は鋼板の水切り度と水切り用ゴムの比D/Hとの関係を示す説明図、(B)は水切り用ゴムの水切り状況を示す説明図である。 本発明の第2の実施の形態に係る鋼板の水切り装置の使用状態の説明図である。 鋼板の水切り度と水切り用ゴムの枚数との関係を示す説明図である。 鋼板の水切り度と噴射ノズルの吹付け角度との関係を示す説明図である。
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
図1、図2に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る鋼板の水切り装置(以下、単に水切り装置ともいう)10は、鋼板11の搬送方向に背面を向けて交差配置され、鋼板11の上面12に押付けて鋼板11の上面12から水13を除去する平板状の水切り用ゴム14を有するものであり、狭いスペース(例えば、鋼板の搬送方向に0.8m以上1.1m以下の狭い領域)に設置可能な装置である。以下、詳しく説明する。
水切り装置10は、床面15に立設された門型の固定フレーム16を有している。
固定フレーム16は、床面15に取付けたテーブルフレーム17上に設置した鋼板11を搬送するロール18を跨いで、しかも鋼板11の搬送方向に直交する方向に配置されている。
この固定フレーム16の対向配置された対となる支柱19、20には、それぞれ、水切り用ゴム14を取付けた吊持部材21を上下方向に昇降可能にする電動シリンダー22、23(昇降手段)が設けられている。なお、電動シリンダー22、23の動作は、制御部(図示しない)からの動作指令により行う。
吊持部材21は、その両端部が電動シリンダー22、23に取付けられた板状の固定部材24と、この固定部材24に取付けられ、水切り用ゴム14を垂れ下がった状態で固定(垂下固定)するため、水切り用ゴム14の上側を厚み方向両側から挟み込んで、ボルトにより固定する把持部材25とを有している。なお、固定部材24は、鋼板11の上方に、鋼板11の搬送方向に直交する方向に配置されている。
これにより、水切り用ゴム14も、鋼板11の搬送方向に直交する方向に配置されるが、例えば、鋼板11の搬送方向に対して、±10度(好ましくは、±3度)の範囲内で傾斜させて配置してもよい。この場合、吊持部材を、鋼板の搬送方向に対して傾斜配置する。
これにより、水切り用ゴムによる鋼板への押付け力を、直交配置したときよりも小さくできる。
水切り用ゴム14は、硬度が40IRHD(国際ゴム硬さ:ISO 48−1994、以下同様)以上の例えばネオプレンゴム(クロロプレンゴム)で構成され、図2に示すように、その下端が、水切り用ゴム14の厚み方向背面側(鋼板11の搬送方向下流側)に背面角部25aを、厚み方向正面側(鋼板11の搬送方向上流側)に、水切り用ゴム14の使用(湾曲)時に最下角部となる正面角部27を有する形状となっている。即ち、水切り用ゴム14の下端部の断面形状は、矩形(長方形)となっている。
なお、水切り用ゴムは、その下端が、少なくとも鋼板の搬送方向下流側に背面角部を有する形状、即ちこの背面角部が自由状態で水切り用ゴムの最下端位置となる形状であれば、これに限定されるものではなく、例えば、水切り用ゴムの下部の形状が、側面視して三角形又は台形等の形状でもよい。ここで、三角形の場合は、この背面角部が水切り用ゴムの使用時に最下角部となり、また、台形の場合は、下端の厚み方向正面側にある正面角部が、水切り用ゴムの使用時に最下角部となる。
この水切り用ゴム14は、自由長さ(自由状態での長さ)Hが100mm以上400mm以下(好ましくは、下限:130mm、上限:200mm)、厚みが5mm以上15mm以下(好ましくは、下限:8mm、上限:12mm)である。
この水切り用ゴムは、引裂き強さ(ISO 34−1994C、以下同様)が15N/mm以上25N/mm以下、引張り強さ(ISO 37−1994、以下同様)が10MPa以上15MPa以下のものである。
なお、水切り用ゴムが、十分な水切り性能を備えるには、硬度が50IRHD以上60IRHD以下のもの、例えば、ライナード60(株式会社ニッチツ製)等を使用するのが好ましい。
特に、水切り用ゴムに、引裂き強さが80N/mm以上100N/mm以下、引張り強さが25MPa以上30MPa以下(好ましくは、下限:27MPa、上限:29MPa)のものを使用することで、水切り用ゴムの長寿命化が図れて経済的であると共に、水切り用ゴムのメンテナンス頻度を低減できて作業性が良好になる。
この水切り用ゴム14は、吊持部材21の把持部材25を各電動シリンダー22、23により下降させ、水切り用ゴム14の下部26が、対象となる鋼板11の上面12のレベル(上面高さ位置)よりも下方となる位置にセットする。その後、この水切り用ゴム14の下部26が、搬送されてきた鋼板11の上面12と接触する。
これにより、水切り用ゴム14の正面角部27が、鋼板11に接触したままの状態で、水切り用ゴム14の下部26が湾曲し、その反力で正面角部27が鋼板11の上面12に押圧されて接触(圧接)された状態となる。この反力は、水切り用ゴム14の下端であって、少なくとも鋼板11の搬送方向下流側に、背面角部25aを設けたことにより生じる力である。
この状態を満足するためには、把持部材25の水切り用ゴム取付け基端位置Hから水切り用ゴム14の下端位置Hまでの水切り用ゴム14の自由長さ(垂下全長)Hと、鋼板11の上面高さ位置から下端位置Hまでの下降させた水切り用ゴム14の突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下にする。
ここで、鋼板の水切り装置に使用する水切り用ゴムの自由長さHと突出長さDとの比D/Hが、鋼板の水切り度に及ぼす影響について、図3(A)、(B)を参照しながら説明する。
この水切り度とは、水切り前の鋼板上の濡れ割合から、水切り後の鋼板上の濡れ割合を差し引いた数値である。また、鋼板上の濡れ割合とは、目視判定で、鋼板の上面全体に対する濡れている部分の面積割合(%)を意味する。つまり、水切り度の数値が大きくなるに伴って、水切り性能が高くなることを意味している。
本実施の形態では、水切り度が75%以上のものについて、水切り性能が良好であると判断した(以下、同様)。これは、水切り度が75%以上であれば、鋼板の上面の水膜の厚さが均等で、かつ斑(まだら)模様になっている状態であるため、冬場の乾燥条件の悪い季節でも、鋼板の乾燥が数分で完了し、例えば倉庫等で積み重ねても、鋼板に腐食問題が発生しない状態となることによる。
また、水切り用ゴム(ゴム)には、クロロプレンゴム製(硬度:45IRHD、引裂き強さ:20N/mm、引張り強さ:11.8MPa)のものを1枚使用し、自由長さHが、150mm(■)と300mm(▲)の2種類について検討した。このとき、鋼板の搬送速度を30m/分とした。
図3(A)に示すように、水切り用ゴムの自由長さHと突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下の範囲とすることで、水切り度75%以上を確保できることを確認できた。
このときの水切り用ゴムの状態について、図3(B)を参照しながら説明する。
水切り用ゴムの自由長さHと突出長さDとの比D/Hを、上記した範囲とすることで、水切り用ゴムの(湾曲時の)最下角部が、鋼板に接触したままの状態で、水切り用ゴムの下部が湾曲し、その反力で最下角部が鋼板の上面に圧接された状態となる。
なお、比D/Hが0.1未満の場合、水切り用ゴムの最下角部の鋼板上面への押付け力が弱過ぎて、最下角部の接触面圧を十分に確保できず、水切り度を目標値の75%まで向上できない。一方、比D/Hが0.38を超える場合、水切り用ゴムの最下角部の鋼板上面への押付け力が強過ぎて、図3(B)に示すように、水切り用ゴムの下端より上方部(吊持部材側)が鋼板上面に強く接触するようになり、水切り用ゴムの最下角部の面圧が低下して、水切り度が目標値の75%を確保できなくなる。
以上のことから、水切り用ゴム14の自由長さHと突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下としたが、下限を0.15、上限を0.35とするのが好ましい。
続いて、本発明の第1の実施の形態に係る鋼板の水切り装置10を用いた鋼板の水切り方法について説明する。
図2に示すように、超音波探傷装置を通過した鋼板11の上面12には、多量の水13が付着している。
そこで、まず、吊持部材21の把持部材25を各電動シリンダー22、23により下降させ、水切り用ゴム14の下部26を、対象となる鋼板11の上面12のレベルよりも下方となる位置、即ち水切り用ゴム14の自由長さHと突出長さDとの比D/Hが0.1以上0.38以下となる位置にセットする。
これにより、水切り用ゴム14の下部26が、搬送されてきた鋼板11の上面12と接触し、水切り用ゴム14の正面角部27が、鋼板11に接触したままの状態で、水切り用ゴム14の下部26が湾曲して、その反力で正面角部27が鋼板11の上面12に圧接された状態となる。
なお、水切り用ゴム14の下流側であって、鋼板11の下方に、鋼板11の下面28に接触するゴム製又は軟質合成樹脂製の水除去部材を配置することで、製品の外観性を更に良好にできる。
このとき、鋼板11の搬送速度は、10m/分以上60m/分以下の範囲内であるが、特に鋼板11を高速搬送(例えば、30m/分以上60m/分以下)した場合でも、十分な水切り性能が得られる。
次に、本発明の第2の実施の形態に係る鋼板の水切り装置について、図4を参照しながら説明する。
図4に示すように、吊持部材の把持部材(図示しない)に垂れ下がった状態で固定される水切り用ゴム14は、スペーサー30を介して、鋼板11の搬送方向に間隔Gをおいて複数枚(ここでは、3枚)配置されている。なお、間隔Gは、40mm以上60mm以下とすることが好ましい。
ここで、水切り用ゴム14の設置枚数が、鋼板の水切り度に及ぼす影響について、図5を参照しながら説明する。なお、水切り用ゴムに、前記したクロロプレンゴム製で、自由長さHが150mmのものを使用し、鋼板の搬送速度を30m/分とした。このとき、水切り用ゴムの自由長さHと突出長さDとの比D/Hを0.2とした。また、間隔Gを50mmとした。
図5に示すように、水切り用ゴムの設置枚数を増やすことで、水切り用ゴムによる水切り性能を向上できる。
更に、複数枚の水切り用ゴム14の下流側には、図4に示すように、鋼板11に空気を吹付ける空気噴射手段35を設けている。この空気噴射手段35は、鋼板11が反ったり波打っている場合や、水切り用ゴム14が部分的に損傷している場合に、水切り用ゴム14のみでは水切りが不十分になることがあることから、これをカバーするために設置するものである。
空気噴射手段35は、空気供給管36と、この空気供給管36の長さ方向(鋼板11の幅方向)に等ピッチ(例えば、100〜200mm程度)で設けられた噴射ノズル37とを有するものである。なお、ここでは、噴射ノズル37が設けられた空気供給管36は、鋼板11の搬送方向に間隔を有して3台配置されているが、1台でもよく、2台、又は4台以上(複数台)でもよい。
この噴射ノズル37の空気の噴射圧力は、例えば、0.1MPa以上0.7MPa以下(好ましくは、下限を0.3MPa)とするのがよい。
また、噴射ノズル37の噴射口の高さ位置は、鋼板11の上面12から、例えば、70mm以上130mm以下(好ましくは、下限を80mm、上限を120mm)とするのがよい。
そして、噴射ノズル37による鋼板11への空気の吹付け角度θは、鋼板11の上面12に直交する方向を基準(0度)とし、鋼板11の搬送方向の上流側へ向けて、例えば、5度以上30度以下(好ましくは、下限を10度、上限を20度)とするのがよい。
これにより、鋼板11や水切り用ゴム14の状態により、鋼板11の上面12に水が残存したとしても、空気噴射手段35によってこの水を確実に除去できる。
ここで、噴射ノズルによる空気の吹付け角度が、鋼板の水切り度に及ぼす影響について、図6を参照しながら説明する。ここでは、水切り用ゴムを使用することなく、噴射ノズルのみで、鋼板の上面の水を除去した結果について説明する。なお、鋼板の搬送速度を30m/分とした。また、噴射ノズルの空気の噴射圧力を、0.1MPa、0.2MPa、及び0.28MPaとし、噴射ノズルの噴射口の高さ位置を150mmとした。
図6に示すように、噴射ノズルの空気の吹付け角度を小さくすることで、水切り度を向上できることを確認できた。
従って、噴射ノズルによる空気の吹付け角度を規定することで、本願発明の作用効果を更に高めることができる。
次に、本発明の作用効果を確認するために行った実施例について説明する。
ここでは、ネオプレンゴム(硬さ:45IRHD)又はライナード60で構成された厚み10mmの水切り用ゴムの垂下全長Hと突出長さDとの比D/Hを変更して、搬送速度30m/分で搬送される厚み16mmの鋼板の水切り性能を調査した。なお、ネオプレンは、デュポンパフォーマンスエラストマーズエルエルシーの登録商標(登録番号:第612673号)である。
また、水切り用ゴムの下部の形状、水切り用ゴムの設置枚数、及び空気噴射手段の有無や吐出条件についても、種々検討した。
そして、鋼板の水切り度(目標値:75%以上)と、鋼板の腐食状況を調査した。なお、鋼板の腐食状況は、目視判定で、腐食面積が100mm以上の場合を腐食あり、100mm未満の場合を腐食なしとした。
この試験条件と結果を表1に示す。
Figure 2010194413
表1において、実施例1〜4、及び比較例2は、比D/Hを、前記した適正範囲(比D/H:0.1以上0.38以下)の範囲内に、また比較例1はこの適正範囲の上限値を上回る値に、そして比較例3はこの適正範囲の下限値を下回る値に、それぞれ設定した結果である。
なお、実施例1、2、4、及び比較例3の水切り用ゴムの下部の形状が角形とは、図2に示した形状であり、実施例3の三角形とは、その下端が、鋼板の搬送方向下流側に水切り用ゴムの使用時に最下角部となる背面角部を有し、これが鋼板上面に圧接される形状である。一方、比較例1の円弧とは、その下端が、側面視して半円形の形状となったものであり、比較例2の逆三角形とは、その下端が、背面角部を有さず、鋼板の搬送方向上流側に水切り用ゴムの使用時に最下角部となる正面角部を有し、これが鋼板上面に圧接される形状である。
実施例1〜4では、比D/Hを前記した適正範囲内としたため、いずれも水切り度75%以上を確保でき、鋼板への腐食もなかった。
特に、実施例1は、水切り用ゴムを鋼板の搬送方向に3枚設置しているため、水切り度を95%まで上昇させることができた。
また、実施例2は、水切り用ゴムを1枚設置した結果であり、しかも鋼板が波打った形状であったが、水切り用ゴムの下流側に空気噴射手段を設置したため、水切り度を80%にでき、鋼板への腐食もなかった。
そして、実施例3は、水切り用ゴムを鋼板の搬送方向に2枚設置した結果であるが、水切り用ゴムの下流側に空気噴射手段を設置したため、水切り度を95%まで上昇させることができた。
更に、実施例4は、水切り用ゴムを1枚設置した結果であるが、鋼板の表面状態が平坦であったため、空気噴射手段を使用しなくても、水切り度は目標値である75%を確保でき(80%)、鋼板への腐食もなかった。
一方、比較例1は、比D/Hが、前記した適正範囲を上回ったため、水切り用ゴムの最下部の鋼板上面への押付け力が強過ぎて、水切り用ゴムの下端より上方部が鋼板上面に強く接触するようになった。このため、水切り用ゴムの最下部の面圧が低下して、水切り度が目標値の75%を確保できず(65%)、その結果、鋼板に腐食が発生した。
また、比較例2は、水切り用ゴムの下端の正面角部が鋼板上面に圧接される形状であるため、水切り用ゴムの下部が湾曲した際の反力が弱くなった。このため、水切り用ゴムの下流側に空気噴射手段を設置しても、水切り度が目標値の75%を確保できず(70%)、その結果、鋼板に腐食が発生した。
更に、比較例3は、比D/Hが、前記した適正範囲を下回ったため、水切り用ゴムの最下角部の鋼板上面への押付け力が弱過ぎて、最下角部の接触面圧を十分に確保できなかった。このため、水切り用ゴムの下流側に空気噴射手段を設置しても、水切り度が目標値の75%を確保できず(70%)、その結果、鋼板に腐食が発生した。
以上の結果から、本発明の鋼板の水切り装置を使用することで、十分な水切り性能が得られると共に、鋼板の安定搬送ができ、しかも省スペース化が図れることを確認できた。
以上、本発明を、実施の形態を参照して説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。例えば、前記したそれぞれの実施の形態や変形例の一部又は全部を組合せて本発明の鋼板の水切り装置を構成する場合も本発明の権利範囲に含まれる。
また、前記実施の形態においては、鋼板の水切り装置を、超音波探傷時に鋼板の表面に付着した水を除去する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、鋼板の水切り装置を、例えば、鋼板の冷却時に鋼板の表面に付着した水を除去する場合についても適用できる。
10:鋼板の水切り装置、11:鋼板、12:上面、13:水、14:水切り用ゴム、15:床面、16:固定フレーム、17:テーブルフレーム、18:ロール、19、20:支柱、21:吊持部材、22、23:電動シリンダー、24:固定部材、25:把持部材、25a:背面角部、26:下部、27:正面角部、28:下面、30:スペーサー、35:空気噴射手段、36:空気供給管、37:噴射ノズル

Claims (4)

  1. 鋼板の搬送方向に背面を向けて交差配置され、該鋼板の上面に押付けて該鋼板の上面から水を除去する平板状の水切り用ゴムを有する鋼板の水切り装置であって、
    前記水切り用ゴムは、その上側が上下方向に昇降可能に設けた吊持部材に垂下固定され、その下端が少なくとも前記鋼板の搬送方向下流側に背面角部を有する形状であり、前記吊持部材を下降して前記水切り用ゴムの下部を前記鋼板の上面に押付けた際に、該水切り用ゴムの下部が湾曲してその最下角部が前記鋼板に接触するように、前記吊持部材の水切り用ゴム取付け基端位置から下端位置までの前記水切り用ゴムの自由長さHと、前記鋼板の上面高さ位置から前記下端位置までの前記水切り用ゴムの突出長さDとの比D/Hを、0.1以上0.38以下としたことを特徴とする鋼板の水切り装置。
  2. 請求項1記載の鋼板の水切り装置において、前記水切り用ゴムは、前記自由長さHが100mm以上400mm以下、厚みが5mm以上15mm以下であり、硬度が40IRHD以上60IRHD以下であることを特徴とする鋼板の水切り装置。
  3. 請求項1及び2のいずれか1項に記載の鋼板の水切り装置において、前記吊持部材に垂下固定される前記水切り用ゴムは、スペーサーを介して前記鋼板の搬送方向に40mm以上60mm以下の間隔をおいて複数枚配置されていることを特徴とする鋼板の水切り装置。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の鋼板の水切り装置において、前記水切り用ゴムの下流側には、前記鋼板に空気を吹付ける空気噴射手段が設けられていることを特徴とする鋼板の水切り装置。
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