図1において、本実施形態に係るパチンコ遊技機は、遊技盤1を備え、遊技盤1は、遊技者が、遊技盤1の正面視右下方に位置するハンドル2を操作することによって発射された遊技球が転動しながら落下してゆく遊技領域3を備える。
遊技領域3の中央部には、センター装飾部材4が配設され、センター装飾部材4の内側に、画像表示器5の表示画面5aが配される。表示画面5aには、公知のデモ表示、第1始動口6又は第2始動口(電動チューリップ)7への遊技球の入賞に基づく装飾図柄の変動表示、大当たり演出などが行われ、これらの演出表示は、後述する画像制御基板54によって制御される。
センター装飾部材4の左右中央部の下方には、第1始動口6及び第2始動口8(電動チューリップ)7が配設される。第1始動口6には、常時、遊技領域3を転動落下する遊技球が入賞可能である。第2始動口7は、開閉可能に構成され、開放時のみ遊技球が入賞可能である。第1始動口6又は第2始動口7に遊技球が入賞すると、後述するように大当たり乱数など各種乱数が取得され、大当たり乱数が所定の大当たり乱数値に該当する場合、遊技者に有利な特別遊技状態となる大当たり遊技状態が発生する。
第2始動口7の下方に大入賞口装置(アタッカー)8の大入賞口81を開閉する回動扉82が配設される。
さらに、遊技領域3には、普通入賞口9、ゲート10、アウト口11などが配設される。
遊技領域3の外側には、第1始動口6への入賞を契機に画像表示器5による装飾図柄の変動表示と同期して第1特別図柄を変動表示する第1特別図柄表示器12、第2始動口7への入賞を契機に画像表示器5による装飾図柄の変動表示と同期して第2特別図柄を変動表示する第2特別図柄表示器13、第1始動口6へ入賞した遊技球の保留球数を最大4個まで表示する第1特別図柄保留ランプ14、第2始動口7へ入賞した遊技球の保留球数を最大4個まで表示する第2特別図柄保留ランプ15、遊技球がゲート10を通過したことを契機に普通図柄を変動表示する普通図柄表示器16、ゲート10を通過した遊技球の保留球数を最大4個まで表示する普通図柄保留ランプ17などが配設される。
また、球発射装置(図示せず。)に供給する遊技球を貯留する上皿18には、遊技者によって操作される演出ボタン26が設けられている。演出ボタン26は、遊技者によって操作されたとき、後述する演出制御基板53に対して操作信号を出力する。
次に、パチンコ遊技機の電気系統を図2に基づいて説明する。
図2において、電気系統は遊技制御基板(メイン制御基板)50を中枢部とし、遊技制御基板50にサブ基板51及び払出制御基板52が接続される。サブ基板(サブ制御基板)51は、演出制御基板53、画像制御基板54及びランプ制御基板55からなり、演出制御基板53は遊技制御基板50に接続され、画像制御基板54及びランプ制御基板55はそれぞれ演出制御基板53に接続される。遊技制御基板50、払出制御基板52、演出制御基板53、画像制御基板54及びランプ制御基板55は、それぞれCPU、ROM、RAMを備え、演出制御基板53は、さらにRTC(リアルタイムクロック)を備える。
遊技制御基板50には、第1始動口6への遊技球の入賞を検知する第1始動口SW(スイッチ)21、第2始動口7への遊技球の入賞を検知する第2始動口SW(スイッチ)22、第2始動口(電動チューリップ)7を開放駆動する電チューソレノイド23、ゲート10を通過する遊技球を検知するゲートSW(スイッチ)24、大入賞口81に入賞した遊技球を検知する大入賞口SW(スイッチ)83、通電時に回動扉82を開放可能にし、通電停止時に回動扉82を閉鎖可能にする大入賞口ソレノイド84、普通入賞口9への遊技球の入賞を検知する普通入賞口SW(スイッチ)25、第1特別図柄表示器12、第2特別図柄表示器13、普通図柄表示器16、第1特別図柄保留ランプ14、第2特別図柄保留ランプ15及び普通図柄保留ランプ17などが接続される。
演出制御基板53には、遊技者によって操作される演出ボタン26が接続される。
画像制御基板54には、画像表示器5およびスピーカ20が接続される。
ランプ制御基板55には、枠ランプ21、盤ランプ22及び可動役物23が接続される。
払出制御基板52には、賞球を払出す賞球払出装置の駆動源である払出駆動モータ24が接続される。
次に、遊技制御基板50が実行するタイマ割込処理を図3〜図11に基づいて説明する。
A. タイマ割込処理(図3〜図11)
図3は、タイマ割込処理の概要を表しており、タイマ割込処理は所定周期例えば4ミリ秒間隔で実行される。
タイマ割込処理においては、乱数更新処理(ステップS1)、スイッチ処理(ステップS2)、図柄処理(ステップS3)、電動役物処理(ステップS4)、賞球処理(ステップS5)及び出力処理(ステップS6)が順に実行される。
(1) 乱数更新処理(ステップS1)
乱数更新処理は、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、変動パターン乱数など所定の乱数を更新することを内容とする。
(2) スイッチ処理(ステップS2)
スイッチ処理には、始動口SW(スイッチ)処理(図4)とゲートSW(スイッチ)処理がある。
i) 始動口SW処理(図4)
始動口SW処理においては、図4に示すように、第1始動口SW21がONしたか否かを判定する(ステップS11)。
第1始動口SW21がONしたと判定した場合は、第1始動口6への入賞を契機に大当たり乱数を取得することができた遊技球であって、取得した乱数に応じた第1特別図柄の変動表示が未だ行われていない遊技球の個数を示す第1特別図柄保留球数U1が「4」未満であるか否かを判定し(ステップS12)、U1が「4」未満である場合、U1を「1」だけ加算して更新し(ステップS13)、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数を取得、格納し(ステップS14)、第1始動口コマンドをセットし(ステップS15)、ステップS16に移行する。第1始動口コマンドは、後述するように、演出制御基板53において実行される演出ボタン26に対する操作の有効、無効の判定処理に関連する。
一方、ステップS11で第1始動口SW21がONしていないと判定した場合、又は、ステップS12で第1特別図柄保留球数U1が「4」であると判定した場合は、直接、ステップS16に移行する。
ステップS16では、第2始動口SW22がONしたか否かを判定する。
第2始動口SW22がONしたと判定した場合は、第2始動口7への入賞を契機に大当たり乱数を取得することができた遊技球であって、取得した乱数に応じた第2特別図柄の変動表示が未だ行われていない遊技球の個数を示す第2特別図柄保留球数U2が「4」未満であるか否かを判定し(ステップS17)、U2が「4」未満である場合、U2を「1」だけ加算して更新し(ステップS18)、大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数を取得、格納し(ステップS19)、始動口SW処理に続く後続の処理に移行する。
一方、ステップS16で第2始動口SW22がONしていないと判定した場合、又は、ステップS17で第2特別図柄保留球数U2が「4」であると判定した場合は、直接、始動口SW処理に続く後続の処理に移行する。
ii) ゲートSW処理
ゲートSW処理の内容は図示しないが、ゲートSW処理においては、ゲートSW24がONしたと判定したとき、普通図柄保留球数が「4」未満であることを条件として当たり乱数を取得、格納する。
(3) 図柄処理(ステップS3)
図柄処理には、特別図柄処理(図5〜図8)と普通図柄処理がある。
i) 特別図柄処理(図5〜図8)
特別図柄処理においては、図5に示すように、当たり遊技フラグがONか否かを判定する(ステップS21)。ここで、当たり遊技フラグとは、後述する停止中処理(図8)において、大当たりの発生と判定され、かつ、大当たりのうちの長当たり(大入賞口81の開放時間が長い例えば15R(ラウンド)の大当たり)であると判定された場合にONされる長当たり遊技フラグ、大当たりの発生と判定され、かつ、大当たりのうちの短当たり(大入賞口81の開放時間が短い例えば15Rの大当たり)であると判定された場合にONされる短当たり遊技フラグ、又は、ハズレの発生と判定され、かつ、ハズレのうちの小当たり(回動扉82の開閉動作が短当たり時と同じになるハズレ)の発生と判定された場合にONされる小当たり遊技フラグをいう。
当たり遊技フラグがONしていると判定した場合、特別図柄処理に続く後続の処理に移行する。
一方、当たり遊技フラグがONしていないと判定した場合、第1特別図柄表示器12又は第2特別図柄表示器13において第1特別図柄又は第2特別図柄が変動表示中であるか否かを判定する(ステップS22)。ここで、変動停止したときの停止図柄としての第1特別図柄及び第2特別図柄には、大当たり図柄とハズレ図柄があり、大当たり図柄には、時短長当たり図柄(長当たりであって、大当たり終了後の遊技状態が時短遊技状態となる時短長当たりの発生を示す図柄)と、時短短当たり図柄(短当たりであって、大当たり終了後の遊技状態が時短遊技状態となる時短短当たりの発生を示す図柄)と、確変長当たり図柄(長当たりであって、大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態となる確変長当たりの発生を示す図柄)と、確変短当たり図柄(短当たりであって、大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態となる確変短当たりの発生を示す図柄)と、潜確短当たり図柄(短当たりであって、大当たり終了後の遊技状態が確変遊技状態となる潜確短当たりの発生を示す図柄)とがある。また、ハズレ図柄には、通常ハズレ図柄と、小当たりの発生を示す小当たり図柄とがある。
a. 第1特別図柄又は第2特別図柄が未だ変動開始されていない間、ステップS22の判定結果は「NO」となり、第2特別図柄保留球数U2が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS23)。
第2特別図柄保留球数U2が「1」以上である場合、第2特別図柄保留球数U2を「1」だけ減算し(ステップS24)、客待ちコマンドをOFFし(ステップS25)、大当たり判定処理を行う(ステップS26)。
一方、第2特別図柄保留球数U2が「0」である場合、第1特別図柄保留球数U1が「1」以上であるか否かを判定する(ステップS27)。
第1特別図柄保留球数U1が「1」以上である場合、第1特別図柄保留球数U1を「1」だけ減算し(ステップS28)、客待ちコマンドをOFFし(ステップS25)、大当たり判定処理を行う(ステップS26)。
一方、第1特別図柄保留球数U1が「0」である場合、客待ち設定処理を行い(ステップS29)、大当たり判定処理に続く後続の処理(変動パターン選択処理(ステップS30))に移行する。
<大当たり判定処理(図6)>
大当たり判定処理においては、図6に示すように、大当たり乱数判定処理を行う(ステップS41)。
大当たり乱数判定処理は、ステップS14(図4)で格納した乱数のうちから大当たり乱数を読み出し、大当たり乱数と、現在の遊技状態に対応する大当たり乱数テーブルとの照合を行う。ここで、現在の遊技状態が通常遊技状態又は時短遊技状態である場合には、大当たり乱数テーブルにおける大当たり乱数値の数は少なく設定され(例えば、1/300の割合に設定される。)、一方、現在の遊技状態が確変遊技状態又は潜確遊技状態である場合には、大当たり乱数値の数は多く設定されている(例えば、10/300の割合に設定される)。
次に、大当たり乱数が大当たり乱数値に該当するか否かを判定する(ステップS42)。
大当たり乱数が大当たり乱数値に該当する場合、大当たり図柄乱数判定処理(ステップS43)を行う。
大当たり図柄乱数判定処理は、ステップS14(図4)で格納した乱数のうちから大当たり図柄乱数を読み出し、大当たり図柄乱数と大当たり図柄乱数テーブルとの照合を行う。
大当たり図柄乱数が確変図柄(確変長当たり図柄、確変短当たり図柄又は潜確短当たり図柄)である場合、第1特別図柄表示器12又は第2特別図柄表示器13に停止表示すべき特別図柄として確変長当たり図柄、確変短当たり図柄又は潜確短当たり図柄をセットし、一方、大当たり図柄乱数が時短図柄(時短長当たり図柄又は時短短当たり図柄)である場合、特別図柄表示器12に停止表示すべき特別図柄として時短長当たり図柄又は時短短当たり図柄をセットし(ステップS44)、大当たり判定処理に続く後続の処理(変動パターン選択処理(ステップS30))に移行する。
一方、大当たり乱数が大当たり乱数値に該当しない場合、大当たり乱数が小当たり乱数値に該当するか否かを判定する(ステップS45)。
大当たり乱数が小当たり乱数値に該当する場合、第1特別図柄表示器12又は第2特別図柄表示器13に停止表示すべき特別図柄として小当たり図柄をセットし(ステップS46)、大当たり判定処理に続く後続の処理(変動パターン選択処理(ステップS30))に移行する。
一方、大当たり乱数が小当たり乱数値に該当しない場合、第1特別図柄表示器12又は第2特別図柄表示器13に停止表示すべき特別図柄として通常ハズレ図柄をセットし(ステップS47)、大当たり判定処理に続く後続の処理(変動パターン選択処理(ステップS30))に移行する。
<変動パターン選択処理(図7)>
変動パターン選択処理においては、図7に示すように、大当たりか否かを判定する(ステップS51)。
大当たりである場合、大当たり用テーブルをセットする(ステップS52)。
一方、大当たりでない場合、リーチ乱数判定処理を行う(ステップS53)。
リーチ乱数判定処理は、ステップS14(図4)で格納した乱数のうちからリーチ乱数を読み出し、リーチ乱数とリーチ乱数テーブルとの照合を行う。
次に、リーチ乱数がリーチ乱数値に該当するか否かを判定する(ステップS54)。
リーチ乱数がリーチ乱数値に該当する場合、リーチ用テーブルをセットする(ステップS55)。
一方、リーチ乱数がリーチ乱数値に該当しない場合、ハズレ用テーブルをセットする(ステップS56)。
次に、セットされた大当たり用テーブル、リーチ用テーブル又はハズレ用テーブルから変動パターン乱数を取得、格納する(ステップS57)。
次に、変動パターン乱数判定処理を行う(ステップS58)。
変動パターン乱数判定処理は、変動パターン乱数と変動パターンテーブルとの照合を行う。
次に、上記照合結果から変動パターン(第1特別図柄又は第2特別図柄の変動時間など)を設定する(ステップS59)。
上述した変動パターン選択処理(ステップS30、図7)を終了した後、変動開始コマンドをセットする(ステップS31)。ここで、変動開始コマンドには、現在の遊技状態を指定する遊技状態指定コマンド、大当たり判定処理(ステップS26、図6)において設定された確変長当たり図柄、確変短当たり図柄、潜確短当たり図柄、時短長当たり図柄、時短短当たり図柄、小当たり図柄又は通常ハズレ図柄を指定する図柄指定コマンド、及び、変動パターン選択処理(ステップS30、図7)でセットされた変動パターンを指定する変動パターン指定コマンドが含まれる。
次に、第1特別図柄表示器12又は第2特別図柄表示器13において第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を開始させる(ステップS32)。
次に、変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS33)。この時点では、変動表示の開始直後であることからステップS33の判定結果は「NO」となり、特別図柄処理に続く後続の処理に移行する。
b. 第1特別図柄又は第2特別図柄が変動開始した後は、ステップS22の判定結果は「YES」となり、変動時間が終了したか否かを判定する(ステップS33)。
変動時間が終了する前においては、ステップS33の判定結果は「NO」となり、特別図柄処理に続く後続の処理に移行する。
その後、変動時間が終了すると、変動停止コマンドをセットする(ステップS34)。次に、第1特別図柄表示器12又は第2特別図柄表示器13における第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示を停止させ、大当たり判定処理(ステップS26、図6)において設定した確変長当たり図柄、確変短当たり図柄、潜確短当たり図柄、時短長当たり図柄、時短短当たり図柄、小当たり図柄又は通常ハズレ図柄を停止表示させる(ステップS35)。そして、停止中処理(ステップS36、図6)に移行する。
<停止中処理(図8)>
停止中処理においては、図8に示すように、大当たりか否かを判定する(ステップS41)。
大当たりであると判定した場合、大当たりが長当たり、即ち、確変長当たり又は時短長当たりであるか、あるいは、大当たりが短当たり、即ち、確変短当たり、潜確短当たり又は時短短当たりであるかを判定する(ステップS42)。
大当たりが長当たりであると判定した場合、長当たり遊技フラグをONし(ステップS43)、この時点で時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜確遊技フラグのうちのいずれかの遊技フラグがONしている場合、このONしている遊技フラグをOFFし(ステップS44)、オープニングを開始し(ステップS45a)、オープニングコマンドをセットし(ステップS45b)、停止中処理に続く後続の処理に移行する。
一方、大当たりが長当たりでない、即ち、確変短当たり、潜確短当たり又は時短短当たりであると判定した場合、短当たり遊技フラグをONし(ステップS46)、この時点で時短遊技フラグ、確変遊技フラグ、潜確遊技フラグのうちのいずれかの遊技フラグがONしている場合、このONしている遊技フラグをOFFし(ステップS44)、オープニングを開始し(ステップS45a)、オープニングコマンドをセットし(ステップS45b)、停止中処理に続く後続の処理に移行する。
上記ステップS41で大当たりでないと判定した場合、時短遊技フラグがONしているか否かを判定する(ステップS47)。ここで、時短遊技フラグは、後述する大入賞口処理(図9〜図11)の遊技状態設定処理(ステップS80、図11)においてONされるフラグである。
時短遊技フラグがONしていると判定した場合、後述する大入賞口処理(図9〜図11)の遊技状態設定処理(ステップS80、図11)においてセットされる時短回数J(例えば、J=100)を「1」だけ減算し(ステップS48)、次に、時短回数Jが「0」に達したか否かを判定し(ステップS49)、時短回数Jが「0」に達する前は直接、一方、「0」に達したときは時短遊技フラグをOFFした上で(ステップS50)、ステップS51に移行する。
一方、上記ステップS47で時短遊技フラグがONしていないと判定した場合、直接ステップS51に移行する。
ステップS51においては、確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグがONしているか否かを判定する。ここで、確変遊技フラグ及び潜確遊技フラグは、後述する大入賞口処理(図9〜図11)の遊技状態設定処理(ステップS80、図11)においてONされるフラグである。
確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグがONしていると判定した場合、後述する大入賞口処理(図9〜図11)の遊技状態設定処理(ステップS80、図11)においてセットされる高確率変動回数X(例えば、X=10000)を「1」だけ減算し(ステップS52)、高確率変動回数Xが「0」に達する前は直接ステップS55に移行し、一方、「0」に達したときは(通常は、高確率変動回数Xが「0」に達する前に次の大当たりが発生する。)確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグをOFFした上で(ステップS54)、ステップS55に移行する。
一方、確変遊技フラグ又は潜確遊技フラグがONしていないと判定した場合、直接ステップS55に移行する。
ステップS55においては、変動停止後に小当たりを発生させるか否かを判定する。
小当たりを発生させると判定した場合、小当たり遊技フラグをONし(ステップS56)、オープニングコマンドをセットし(ステップS45)、停止中処理に続く後続の処理に移行する。
一方、小当たりを発生させないと判定した場合、停止中処理に続く後続の処理に移行する。
ii) 普通図柄処理
普通図柄処理の内容は図示しないが、普通図柄処理においては、ゲートSW処理において格納した当たり乱数が、現在の遊技状態(確変遊技状態、通常遊技状態、潜確遊技状態又は時短遊技状態)に対応して予め設定された当たり乱数値であるかハズレ乱数値であるかの判定を行うとともに、現在の遊技状態に応じて普通図柄の変動時間を選択し、普通図柄表示器16に上記選択した変動時間だけ普通図柄を変動表示させ、変動時間が経過して普通図柄の変動表示を停止させたとき、当たり乱数が当たり乱数値である場合に補助遊技フラグをONする。補助遊技フラグがONされると、後述する電チュー処理において、第2始動口(電動チューリップ)7が、現在の遊技状態に応じて設定された開時間及び回数だけ開放動作される。
(4) 電動役物処理(ステップS4)
電動役物処理には、大入賞口処理(図9〜図11)と電チュー処理がある。
i) 大入賞口処理(図9〜図11)
大入賞口処理においては、図9〜図11に示すように、まず、当たり遊技フラグがONしているか否かを判定する(ステップS61)。ここで、当たり遊技フラグは、長当たり遊技フラグ、短当たり遊技フラグ又は小当たり遊技フラグであり、上述した停止中処理(図6)においてONされるフラグである。
当たり遊技フラグがOFFしていると判定した場合、大入賞口処理に続く後続の処理に移行する。
一方、当たり遊技フラグがONしていると判定した場合、オープニング中であるか否かを判定する(ステップS62)。ここで、オープニング中とは、大当たり遊技状態又は小当たり遊技状態の開始時点から第1ラウンド(小当たり遊技状態においては、回動扉82は15回分の開閉動作を行うが、大入賞口処理においては各開閉動作を1ラウンドとして説明する。)の開始時点までの期間をいう。
大当たり遊技状態又は小当たり遊技状態の開始直後では、オープニング中となるため、次に、オープニング時間つまり、大当たり遊技状態又は小当たり遊技状態の開始時点から第1ラウンド開始時点までの予め設定した時間が経過したか否かを判定する(ステップS63)。
オープニング時間が経過する前は、ステップS63の判定結果は「NO」となり、ステップS61、S62及びS63を経て大入賞口処理に続く後続の処理に移行する処理を繰り返し実行する。
その後、オープニング時間が経過したと判定すると、R数即ち最大ラウンド数と大入賞口81の開閉時間の設定処理を行う(ステップS64)。このR数/開閉時間設定処理においては、長当たり遊技状態が発生した場合には、R数を「15」に設定し、短当たり遊技状態が発生した場合には、R数を「15」に設定し、小当たり遊技状態が発生した場合には、R数を「15」に設定する。また、大入賞口81の開閉時間は、例えば、長当たり遊技状態の場合、開放時間として29.5秒、インターバル時間(閉鎖時間)として2.0秒を設定し、短当たり遊技状態の場合、開放時間として0.1秒、インターバル時間として2.0秒を設定し、小当たり遊技状態の場合、短当たり遊技状態の場合と同様、開放時間として0.1秒、インターバル時間として2.0秒を設定する。したがって、短当たり遊技状態のときの大入賞口装置8の回動扉82の開閉動作と、小当たり遊技状態のときの大入賞口装置8の回動扉82の開閉動作は、略同一となり、遊技者は、大入賞口装置8の回動扉82の開閉動作から両者を識別することは不可能となる。
次に、現在のラウンドが第何回目のラウンドであるかを示すラウンド数Rを「1」だけ加算する(ステップS65)。オープニング時間経過直後においては、現在のラウンドが第0回目のラウンドであり、ラウンド数Rは「0」であるため、ステップS65における加算後のラウンド数Rは「1」となる。次に、大入賞口装置8の大入賞口81を開放し、第1ラウンドが開始される(ステップS66)。ここで、大入賞口81の開放は、大入賞口ソレノイド84への通電を開始することによって行われる。
次に、開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS67)。
ソレノイド86への通電開始直後においては、ステップS67の判定結果は「NO」となるため、次に、大入賞口81に規定個数例えば「9」だけ遊技球が入賞したか否かを判定し(ステップS68)、この判定結果は「NO」であることから、大入賞口処理に続く後続の処理に移行する。
次回の大入賞口処理においては、現時点がオープニング終了後であるため、ステップS62の判定結果は「NO」となり、エンディング中か否かを判定する(ステップS69)。
この時点ではエンディング中ではないため、ステップS68の判定結果は「NO」となり、現時点がインターバル中か否かを判定する(ステップS70)。
この時点ではインターバル中ではないため、ステップS70の判定結果は「NO」となり、現時点が大入賞口81の開放中であるか否かを判定する(ステップS71)。
この時点では大入賞口81の開放中であるため、ステップS71の判定結果は「YES」となり、開放時間が経過したか否かを判定する(ステップS67)。
この時点では大入賞口81が開放を開始した直後であるため、ステップS67の判定結果は「NO」となり、大入賞口81への遊技球の入賞個数が規定個数に達したか否かを判定し(ステップS68)、この判定結果は「NO」となるため、大入賞口処理に続く後続の処理に移行する。
その後、開放時間が経過するまで、又は、大入賞口81に規定個数の遊技球が入球するまで、ステップS61、S62、S69、S70、S71、S67及びS68を経て大入賞口処理に続く後続の処理に移行する処理を繰り返し実行する。
短当たり遊技状態又は小当たり遊技状態の場合、大入賞口81の開放時間が0.1秒と極めて短く設定されているため、ステップS68の判定結果が「YES」に反転することなくステップS67の判定結果が「YES」に反転するようになり、大入賞口81を閉鎖する(ステップS72)。
一方、長当たり遊技状態の場合、大入賞口81の開放時間が29.5秒と長いため、通常は、大入賞口81の開放時間が経過する前に規定個数の遊技球が大入賞口に入球するようになり、規定個数の遊技球が大入賞口81に入球すると、ステップS68の判定結果が「YES」に反転し、大入賞口81を閉鎖する(ステップS72)。ここで、大入賞口81の閉鎖は、ソレノイド84への通電を停止することによって行われる。
次に、インターバルを開始し(ステップS73)、インターバル時間(2.0秒)が経過したか否かを判定する(ステップS74)。
インターバル時間が経過する前は、ステップS74の判定結果は「NO」となり、ステップS61、S62、S69、S70及びS74を経て大入賞口処理に続く後続の処理に移行する処理を繰り返し行う。
その後、インターバル時間が経過すると、ステップS74の判定結果は「YES」に反転し、次に、最大のラウンド数R(=15)に達したか否かを判定する(ステップS75)。
この時点では、第1ラウンドが終了した直後であるため、ステップS75の判定結果は「NO」となり、大入賞口処理に続く後続の処理に移行する。
次回の大入賞口処理においては、ステップS70の判定結果は「NO」に反転するため、次に、大入賞口81が開放中か否かを判定し(ステップS71)、このステップS71の判定結果は「NO」となるため、次に、ラウンド数Rを「1」だけ加算してラウンド数Rを「2」に更新し(ステップS65)、大入賞口81を開放し(ステップS66)、第2ラウンドを開始する。
以後、第2ラウンド、第3ラウンド、…、第15ラウンドと順に続き、各ラウンドにおいて上述した第1ラウンド時の処理と同様な処理が実行される。
第15ラウンドが終了すると、ステップS75の判定結果は「YES」に反転し、エンディングを開始し(ステップS76)、エンディングコマンドをセットし(ステップS77)、ラウンド数Rをリセットする(ステップS78)。
次に、エンディング時間が経過したか否かを判定する(ステップS79)。
この時点はエンディングを開始した直後であるため、ステップS79の判定結果は「NO」となり、大入賞口処理に続く後続の処理に移行する。
その後、エンディング時間が経過する前は、ステップS61、ステップS62、ステップS69及びステップS79を経て大入賞口処理に続く後続の処理に移行する処理を繰り返し実行する。
その後、エンディング時間が経過すると、ステップS79の判定結果は「YES」に反転し、遊技状態設定処理を実行する(ステップS80)。
<遊技状態設定処理(ステップS80、図11)>
遊技状態設定処理においては、図11に示すように、今回の当たりが15R通常大当たりであった場合には、時短遊技フラグをONするとともに時短回数Jとして「100」をセットし(ステップS91、S92、S93、S94)、今回の当たりが15R確変大当たり又は15R突確大当たりであった場合には、確変遊技フラグをONするとともに高確率変動回数Xとして「10000」をセットし(ステップS91、S92、S95、S96、S97)、今回の当たりが15R潜確大当たりであった場合には、潜確遊技フラグをONするとともに高確率変動回数Xとして「10000」をセットし(ステップS91、S92、S95、S98、S97)、今回が小当たりであった場合には、処理を一切行わず(ステップS91)、遊技状態設定処理に続く後続の処理に移行する。
次に、当たり遊技フラグをOFFし、大入賞口処理に続く後続の処理に移行する(ステップS81)。
当たり遊技フラグがOFFされた後は、ステップS61の判定結果は「NO」に反転し、上述した当たり遊技フラグがONのときの処理を一切行わず大入賞口処理に続く後続の処理に移行する。
ii) 電チュー処理
電チュー処理の内容は図示しないが、電チュー処理においては、上述した普通図柄処理において補助遊技フラグがONされたとき、第2始動口(電動チューリップ)7を現在の遊技状態に応じた開時間及び回数だけ開放動作する。
(5) 賞球処理
賞球処理の内容は図示しないが、賞球処理においては、大入賞口81に遊技球が入球して大入賞口SW83がオンすると入賞個数を「1」だけ加算してゆき、大入賞口処理におけるステップS68の判定材料にするとともに、払出制御基板52に対する賞球払出コマンドをセットする。
(6) 出力処理
出力処理の内容は図示しないが、出力処理においては、各種コマンドを演出制御基板53及び払出制御基板52に出力する。
次に、演出制御基板53が実行するタイマ割込処理を図12〜図15に基づいて説明する。
B. タイマ割込処理(図12〜図15)
図12は、タイマ割込処理の概要を表しており、タイマ割込処理は所定周期例えば1ミリ秒間隔で実行される。
タイマ割込処理においては、コマンド受信処理(ステップS101)、演出ボタン処理(ステップS102)及びコマンド送信処理(ステップS103)が順に実行される。
(1) コマンド受信処理(ステップS101、図13及び図14)
コマンド受信処理においては、図13及び図14に示すように、第1始動口コマンド受信処理を行う(ステップS111)。
<第1始動口コマンド受信処理(ステップS111、図14)>
第1始動口コマンド受信処理においては、図14に示すように、第1始動口コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS121)。
第1始動口コマンドを受信しない間、ステップS121の判定結果は「NO」となり、図16に示す判定基準期間Tsの後半期間Tr(後半期間Trは、後述するステップS125でセットされる。)がセットされているか否かを判定する(ステップS122)。
ここで、判定基準期間Tsは、演出ボタン26の操作が有効か否かを判定するために設定した期間、即ち、演出ボタン26からの操作信号の入力時点が判定基準期間Ts内に属する場合は演出ボタン26の操作を有効なものと判定し、一方、演出ボタン26からの操作信号の入力時点が判定基準期間Ts内に属さない場合は演出ボタン26の操作を無効なものと判定するために設けられた期間であり、後半期間Trは、第1始動口SW6がONした時点(判定基準時点t0)から所定時間(第3所定時間H3)が経過する第2時点t2までの期間に相当し、例えば50ミリ秒に設定される。
後半期間Trがセットされていない場合、第1始動口コマンド受信処理に続く後続の処理(ステップS112)に移行する。
その後、第1始動口コマンドを受信すると、ステップS121の判定結果は「YES」に反転し、判定基準期間Tsの前半期間Tf内に演出ボタン26の操作が有ったか否かを判定する(ステップS123)。
ここで、前半期間Tfは、判定基準時点tsから所定時間(第2所定時間H2)だけ遡った第1時点t1から判定基準時点tsまでの期間に相当し、例えば50ミリ秒に設定される。
このステップS123の判定は、後述する演出ボタン処理(図15)において履歴更新される所定時間(第1所定時間H1、H1≧Tf)内における演出ボタン26に対する操作履歴情報に基づいて行われ、判定基準期間Tsの前半期間Tf内に、演出ボタン26の操作が有ったか否かを判定する。
判定基準期間Tsの前半期間Tf内に演出ボタン26の操作が有った場合、ステップS123の判定結果は「YES」となり、演出ボタンコマンドをセットし(ステップS124)、第1始動口コマンド受信処理に続く後続の処理に移行する。
ここで、演出ボタンコマンドとしては、例えば、i)画像制御基板54に対して、画像表示器5において通常は登場しないキャラクタを登場させる演出表示を行わせるコマンド、ii)画像制御基板54に対して、画像表示器5において第1特別図柄保留球数又は第2特別図柄保留球数を表示させる場合に、先読み演出(各保留球の事前の大当たり判定による判定結果、リーチの種類、大当たり信頼度の高さなどを当該保留球による図柄変動表示が開始される前に報知する演出)を行わせるコマンド、iii)画像制御基板54に対して、スピーカ27による特殊な音の演出を行わせるコマンド、iv)ランプ制御基板55に対して、可動役物30による特殊な演出を行わせるコマンド、v)ランプ制御基板55に対して、枠ランプ28、盤ランプ29による特殊な光の演出を行わせるコマンドなどがある。
上記先読み演出を行う場合、保留球についての先読み処理の結果が大当たりである場合には、当該保留球についての保留球表示(画像表示器5の表示画面5aに表示される保留球の数の表示)として、通常の保留球表示の代わりに、大当たりの発生を報知するような特殊な保留球表示(例えばキャラクタによる表示)を用いるようにし、また、先読み処理の結果がリーチの発生するハズレである場合には、当該保留球についての保留球表示として、通常の保留球表示の代わりに、ハズレリーチの発生を報知するような特殊な保留球表示(例えば、大当たりの発生を報知するキャラクタとは異なるキャラクタによる表示)を用いるようにし、また、先読み処理の結果がリーチの発生しないハズレである場合には、当該保留球についての保留球表示として、通常の保留球表示の代わりに、ハズレを報知するような特殊な保留球表示(例えば、大当たりの発生を報知するキャラクタ、及び、ハズレリーチの発生を報知するキャラクタとは異なるキャラクタによる表示)を用いるようにする。また、先読み処理の結果に基づき、通常の保留球表示の代わりに、大当たり期待度に対応するキャラクタを保留球表示として用いるようにしてもよい。
また、大当たりが発生する旨を報知する先読み演出としては、上述したような画像表示器5における演出の他、画像制御基板54又はランプ制御基板55により、ハンドル2に埋設された発光素子を点灯してフラッシュを発生させたり、スピーカ27から特殊な音響を発生させるようにしてもよい。このような報知が行われることで、遊技者は大当たりの発生を確信し、楽しく遊技を続けることができる。このような大当たりの報知は、先読み演出に限定されるものではなく、保留球数が「0」のときの第1始動口6への入賞時に行われる演出ボタン26操作に対して行うようにしてもよい。
上記のようにステップS124で演出ボタンコマンドがセットされた後の次回の第1始動口コマンド受信処理においては、ステップS121の判定結果は「NO」、ステップS122の判定結果は「NO」となり、第1始動口コマンド受信処理に続く後続の処理に移行する。
一方、判定基準期間Tsの前半期間Tf内に演出ボタン26の操作が無かった場合、後半期間Trをセットし(ステップS125)、第1始動口コマンド受信処理に続く後続の処理に移行する。
次回の第1始動口コマンド受信処理においては、ステップS121の判定結果は「NO」、ステップS122の判定結果は「YES」となり、後半期間Trが経過したか否かを判定する(ステップS126)。
後半期間Trが経過する前においては、ステップS126の判定結果は「NO」となり、演出ボタン26が操作されたか否かを判定する(ステップS127)。
後半期間Trが経過する前に演出ボタン26が操作された場合、演出ボタンコマンドをセットし(ステップS128)、後半期間Trをリセットし(ステップS129)、第1始動口コマンド受信処理に続く後続の処理に移行する。
一方、後半期間Trが経過する前に演出ボタン26が操作されなかった場合、ステップS126の判定結果は「YES」に反転し、後半期間Trをリセットし(ステップS129)、第1始動口コマンド受信処理に続く後続の処理に移行する。
コマンド受信処理(図13)において、上述したような第1始動口コマンド受信処理(ステップS111)の次に、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS112)。
変動開始コマンドを受信した場合、演出選択処理を実行し(ステップS113)、次にステップS114に移行し、一方、変動開始コマンドを受信しない場合、直接ステップS114に移行する。
演出選択処理においては、変動開始コマンド、即ち、遊技状態指定コマンド、図柄指定コマンド、及び変動パターン指定コマンドなどからなる変動開始コマンドを解析し、現在の遊技状態(時短遊技状態、通常遊技状態、確変遊技状態又は潜確遊技状態)、大当たり図柄又はハズレ図柄の種類(時短長当たり図柄、時短短当たり図柄、確変長当たり図柄、確変短当たり図柄、潜確短当たり図柄、通常ハズレ図柄又は小当たり図柄)、及び、変動パターン(変動時間など)を認識し、変動演出パターンを選択し、変動演出開始コマンドをセットする。
ステップS114においては、変動停止コマンド(終了コマンド)を受信したか否かを判定する。
変動停止コマンドを受信した場合、変動演出終了処理を行い(ステップS115)、次にステップS116に移行し、一方、変動停止コマンドを受信しない場合、直接ステップS116に移行する。
変動演出終了処理においては、変動停止コマンドを解析し、当たりの場合はモードフラグを変更し、ハズレの場合は、現在のモードの継続回数を「1」だけ減算し、変動演出終了コマンドをセットする。
ステップS116においては、オープニングコマンドを受信したか否かを判定する。
オープニングコマンドを受信した場合、当たり演出選択処理を行い(ステップS117)、ステップS118に移行し、一方、オープニングコマンドを受信しない場合、直接ステップS118に移行する。
当たり演出選択処理においては、オープニングコマンドを解析し、当たり演出パターンを選択し、オープニング演出開始コマンドをセットする。
ステップS118においては、エンディングコマンドを受信したか否かを判定する。
エンディングコマンドを受信した場合、エンディング演出選択処理を行い(ステップS119)、客待ちコマンド受信処理(ステップS120)に移行し、一方、エンディングコマンドを受信しない場合、直接客待ちコマンド受信処理(ステップS120)に移行する。
エンディング演出選択処理においては、エンディングコマンドを解析し、エンディング演出パターンを選択し、エンディング演出開始コマンドをセットする。
客待ちコマンド受信処理においては、客待ちコマンドを受信したか否かを判定し、客待ちコマンドを受信すると、客待ち時間の計測を開始し、タイムアップすると客待ち演出コマンドをセットする処理などを行う。
(2) 演出ボタン処理(ステップS102、図15)
演出ボタン処理においては、図15に示すように、演出ボタン26がONされたか否かを判定し(ステップS131)、演出ボタン26がONされたと判定した場合には、ON情報を演出ボタン26の操作履歴として更新記憶し(ステップS132)、一方、演出ボタン26がONされていないと判定した場合には、OFF情報を演出ボタン26の操作履歴として更新記憶する(ステップS133)。
ここで、演出ボタン26に対する操作履歴情報は、現時点から所定時間(第1所定時間H1、例えば最大で1分間)だけ遡った時点(第2時点t2)までの期間における演出ボタン26に対する操作の有無を示す情報であり、時間の経過に従い更新されてゆく。この操作履歴情報は、上述したように、第1始動口コマンド受信処理(ステップS111、図14)において、判定基準期間Tsの前半期間Tf内に演出ボタン26の操作が有ったか否かの判定を行う際に利用される。なお、演出ボタン26に対する操作の有無は、演出ボタン26からの操作信号の立上り又は立下りに基づいて判定される。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ遊技機は、遊技者により操作される演出ボタン26と、演出ボタン26の操作時点が、予め定めた判定基準期間Ts内に属するか否かにより、演出ボタン26に対する操作の有効、無効を判定する演出制御基板53(操作判定手段)とを備える遊技機において、演出制御基板53(操作判定手段)は、第1所定時間H1内における演出ボタン26に対する操作履歴情報を常時更新しつつ記憶してゆくとともに、判定基準時点t0から第2所定時間H2だけ遡った第1時点t1から判定基準時点t0までの期間を判定基準期間Tsの前半期間Tfとして設定し、操作履歴情報に基づき、操作時点が判定基準期間Tsの前半期間Tf内に属する場合には演出ボタン26に対する操作を有効と判定する。
本実施形態のパチンコ遊技機によると、演出ボタン26に対する操作履歴情報を常時更新しつつ記憶してゆくようにしたため、この操作履歴情報を演出ボタン26操作の有効、無効の判定に利用することが可能になり、演出ボタン26操作に対し正確性、公平性を担保し得る判定を行うことができる。
また、演出ボタン26の操作に基づく演出は、演出ボタン26をタイミングよく操作できた場合に限り行われるため、遊技者が演出ボタン26を操作する際に、操作タイミングに対して注ぐ注意力が増すようになり、遊技に対して積極的に参加しているとの実感が増すことになる。
また、上述した実施形態では、判定基準期間Ts内に演出ボタン26が操作された場合を一律に有効な操作として判定したが、判定基準期間Tsに長短を設け、短い判定基準期間内に演出ボタン26が操作された場合と、長い判定基準期間内に演出ボタン26が操作された場合とで、演出の内容に差を設けるようにしてもよい。例えば、大当たりに対する先読み演出を行う場合に、大当たりの報知がハンドル2に埋設された発光素子を点灯してフラッシュを発生させるものであるとき、あるいは、スピーカ27から特殊な音響を発生させるものであるとき、フラッシュ又は音響に強弱をつけるようにする。
なお、上記実施形態では、遊技制御基板50から演出制御基板53に送信されてきた第1始動口コマンドに基づいて判定基準時点t0を設定しているが、演出制御基板50自体が基準判定時点t0を設定する、例えば、遊技者に対してボタン操作を指示するときに設定したタイミングを基準判定時点t0として設定するようにしてもよい。