JP2010193808A - 細胞培養基材 - Google Patents

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【課題】 魚鱗由来のコラーゲンを用い、従来の哺乳類由来のコラーゲンで被覆した基材よりも、長期にわたって優れた細胞接着性、伸展性を示す優れた基材を得ることを目的とする。
【解決手段】 魚鱗由来のコラーゲンで被覆された、表面が線維化状を有する細胞培養基材である。このようなコラーゲンは、従来の哺乳類由来のコラーゲンで被覆した基材よりも、長期にわたって優れた細胞接着性、伸展性を示す。とりわけ哺乳類由来の細胞培養に優れた基材を提供するものである。
【選択図】 図1

Description

本発明は、魚鱗由来のコラーゲンで被覆された、表面が線維化状を有する細胞培養基材、とりわけ哺乳類由来の細胞を培養するのに適した細胞培養基材に関する。
現在、物質産生や再生医療など様々な分野で、細胞培養に関する技術開発が盛んに行われている。生体を構成する細胞の多くは接着依存性細胞であり、通常使用されるようなポリスチレンやポリメチルメタクリレートなど合成樹脂製培養ディッシュなどの上で細胞培養した場合、接着性や増殖性が不足する場合がある。このような場合、培養基材表面に細胞外マトリックスタンパク質をコーティングすることで、細胞の接着性を高め、増殖を促進する努力がなされている。細胞外マトリックスタンパク質の中でも、コラーゲンは生体内で各種細胞基質の役割を担っており、好ましく用いられてきた。
コラーゲンは、少なくとも部分的に3本のポリペプチド鎖から形成される3重螺旋構造を有するタンパク質であり、分子量10万程度の各ポリペプチド鎖にはグリシン残基が3個目ごとに、またその他のアミノ酸残基としてプロリン残基、ヒドロキシプロリン残基が高頻度に現れる。コラーゲンは無脊椎動物あるいは脊椎動物の組織から抽出することができ、これまで、ウシやブタなどの哺乳類由来のコラーゲンが主に使用されてきた。しかし、BSE問題が顕在化し、哺乳類由来コラーゲンの危険性が指摘されるようになり、人との共通ウイルスが存在しない安全・安心な材料として、魚類由来のコラーゲンが注目されるようになってきた。
魚類コラーゲンの原料としては、魚皮や魚鱗が好ましく用いられる。細胞培養のような高純度が求められる用途の場合、魚皮と比べ脂質などの不純物が少ない魚鱗が注目されている。これまでに、コラーゲン分子には、構造の違いによって19種類の型の存在が報告されている。鱗中に含まれるコラーゲンのほとんどはI型であるが、生物原料であるため、厳密には他の型が混在する場合もある。
生物組織内では、コラーゲン分子が少しずつずれてたくさん集まり、数十〜百数十 nm程度の太さの線維を形成している。コラーゲン分子が規則正しく配列しているため、透過型電子顕微鏡で観察した際には、約65 nm周期の縞模様が観察されることが知られている。更に寄り集まって、数μm〜数十μm程度の強大な線維を形成している場合もある。このような生物組織からコラーゲンを抽出する方法として、哺乳類、魚類など様々な生物からコラーゲンを得る方法が知られている。一般的には、酸、アルカリ、あるいはタンパク質分解酵素を用いて鱗内からコラーゲンを可溶化することにより抽出される。可溶化されたコラーゲンは、コラーゲン分子が数分子以下の集合体にまで微細化されていて、均一な透明溶液を形成する。魚の鱗を原料としてコラーゲンを抽出する方法としては、例えば特許文献1あるいは2を例示することができる。
コラーゲンに熱を加えるとコラーゲン特有の三重螺旋構造がほぐれ、それぞれのポリペプチド鎖がランダムコイル状になった熱変性物となる。このような構造変化を起こす温度は変性温度と呼ばれ、熱変性物はゼラチンと呼ばれる。変性により、コラーゲン特有の構造が失われると、その生物学的機能も失われるため、変性温度は細胞培養用途に使用する際、重要な物性となる。コラーゲンの変性温度は由来生物の生活環境温度と密接に関係している。哺乳類由来コラーゲンの変性温度は概ね38〜42 ℃ 程度であるが、魚類は哺乳類よりも低く、特に鮭などの冷水性魚類では20℃ を下回る場合もある。このような低い熱安定性が、魚類コラーゲンの応用を制限している。
魚類コラーゲンを細胞培養用途に使用した例として、30℃以下の低温条件で培養される魚類細胞の培養があげられる(特許文献3)。しかしながら、37℃で培養される哺乳動物の細胞に用いた場合は、コラーゲンが熱変性してゼラチン化するため、細胞接着性、細胞増殖性などのコラーゲン特有の機能が発揮できないことが知られている(特許文献4)。
そのため魚類由来コラーゲンの哺乳類細胞培養用途への利用は、変性温度を高めるための加工なしでは使用できないとされていた。このため、たとえば特許文献4では、ポリアミノ酸ウレタン共重合体とコラーゲンを結合させることにより安定性を向上させている。特許文献5及び6では、線維化剤を用いてコラーゲンを線維化すると同時に架橋を施すことにより安定性を向上している。しかし、複合化や架橋反応によるこのようなコラーゲンの変性は、もはや自然界に存在する形のコラーゲンと本質的に異なるため、細胞培養上必ずしも満足できるものではなかった。
このような背景から、人に感染するウイルスが存在しない安全・安心な魚由来のコラーゲンを用い、哺乳類由来のコラーゲンに代わる哺乳類の細胞培養に優れた細胞培養基材が求められていた。
特開2003−327599号公報 特開2006−257014号公報 特開平07−075566号公報 特開2008−079598号公報 特開2006−257013号公報 特許4064435号公報
本発明は、人に感染するウイルスが存在しない安全・安心な魚鱗由来のコラーゲンを用い、とりわけ哺乳類由来の細胞を培養する際、従来の哺乳類由来のコラーゲンで被覆した基材よりも、長期にわたって優れた細胞接着性、伸展性を示す哺乳類由来の細胞培養に優れた基材を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく、魚鱗由来のコラーゲンについて鋭意検討を重ねた結果、これが細胞培養に優れた機能を発揮することを発見し、係る知見に基づき本発明を完成したものであって、即ち、本発明は魚鱗由来のコラーゲンで被覆された、表面が線維化状を有する細胞培養基材に関する。
更に、本発明は、魚鱗由来のコラーゲンが、変性温度が30℃以上のテラピア鱗由来のコラーゲンである上記細胞培養基材に関する。
更に、本発明は、細胞が哺乳類の細胞である上記細胞培養基材に関する。
魚鱗由来のコラーゲン、とりわけ変性温度が30℃以上のテラピア鱗由来のコラーゲンを線維化した状態で被覆した細胞培養基材を使用することにより、哺乳類由来の細胞を培養した際、37℃の培養温度でも長期間安定で、驚くべきことに従来から使用されている哺乳類由来のコラーゲンよりも優れた細胞接着性、伸展性を発揮することができる。加えて、哺乳類由来の細胞培養に汎用性があり、本発明細胞培養基材は実用的見地から極めて有用な細胞培養基材である。
本発明に用いられる魚鱗由来のコラーゲンは、強い線維化能を有し、かつ変性温度が30℃以上のテラピア鱗であることが重要である。このコラーゲンの変性温度は後述する方法により測定される。
原料とする鱗は、特に中国を中心としたアジア圏で多量に養殖されているテラピアの鱗が、安定入手の観点からも有利である。高い変性温度を有するテラピアの鱗からコラーゲンを抽出する方法としては、公知の方法を用いることができる。例えば特許文献2の方法を例示することができる。
先ず、集めた鱗から魚皮や鰭などの不要物を水洗により取り除く。必要に応じて、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類やアセトンなどの親水性有機溶剤、界面活性剤、塩化ナトリウムなどの塩類、水酸化ナトリウムなどのアルカリ溶液などを用いて、鱗表面に付着したコラーゲン以外のたんぱく質や脂質など、臭気の原因とされている物質を鱗から除去してもよい。
さらに、脱灰処理溶液中で、1〜48時間、攪拌羽根を用いて緩やかに攪拌し、鱗に含まれる無機成分(リン酸カルシウム)を除去する。処理溶液は、無機成分を溶解できればよく、塩酸やリン酸などの無機酸、酢酸、クエン酸などの有機酸、エチレンジアミン4酢酸などの水溶液を用いればよいが、汎用的に利用されている塩酸や酢酸が好ましく用いられる。使用量は、特に制限する必要はなく、脱灰終了後の鱗を水洗すれば良い。
このようにして夾雑物を除去した鱗を、プロテアーゼを添加した酸性溶液中で2時間〜72時間、攪拌羽根などを用いて緩やかに攪拌することでコラーゲン分子間の架橋が切断されて可溶化したコラーゲンが抽出される。この抽出工程以降の操作は、コラーゲンの変性を防ぐため、変性温度以下、望ましくは変性温度−5℃以下で行うべきである。
プロテアーゼの種類は、酸性溶液中で高い活性を有する、ペプシン、プロクターゼ、パパインなどが好ましく用いられる。溶液のpHは、プロテアーゼの活性が高くなる範囲を用いればよく、一般に2〜5程度である。プロテアーゼの使用量は、特に限定する必要はないが、通常は魚鱗の乾燥重量に対して1〜15%程度であり、鱗が均一に攪拌できる程度の液量となるように濃度を決定すれば良い。使用する酸は、特に制限されないが、塩酸や酢酸、クエン酸、リンゴ酸など、生物に対して安全性の高いものから選ぶことが望ましく、特に塩酸や酢酸が好ましく用いられる。このような方法により、コラーゲン分子の両末端に存在する非螺旋領域(テロペプチド)が分解されたコラーゲン(アテロコラーゲン)を抽出することができる。
このようにして可溶化したコラーゲンは、遠心分離、濾過などによって可溶化していない魚鱗残渣と分離する。魚鱗残渣は、プロテアーゼを添加した酸性溶液中で処理することで、再度、可溶化したコラーゲンを抽出することができるため、2〜4回程度繰り返して収率を高めてもよい。
このようにして得られたコラーゲン溶液には、プロテアーゼやコラーゲン以外のたんぱく質、ゼラチン(変性コラーゲン)などを含むため、必要に応じて精製する。精製方法について述べると、可溶化したコラーゲン溶液に、塩化ナトリウムなどの塩類を加え、塩濃度を上昇させることで、コラーゲンを析出させる。たとえば、可溶化したコラーゲン水溶液中に塩化ナトリウムを終濃度1Mになるように添加し、5分〜24時間程度静置することで、コラーゲンが析出する。
水酸化ナトリウムなどを添加して、pHを中性以上にすることでも析出することができる。たとえば、pH7〜9程度になるまで水酸化ナトリウム溶液を添加し、5分〜24時間程度静置することで、コラーゲンが析出する。このようなコラーゲンの析出は、溶液が白濁することで容易に確認できる。
析出したコラーゲンは遠心分離や濾過など、一般的な固液分離方法により回収し、これを酸性溶液中で緩やかに攪拌して再溶解する。たとえば、pH2〜4程度の塩酸溶液中で1〜48時間程度ゆるやかに攪拌すればよい。このようにして、コラーゲンを精製することができ、繰り返すことで更に純度を高めることができる。精製工程で使用した塩類は、透析膜などを用いて純水に対して脱塩することで除去することができる。
細胞を培養する際、細菌などが共存することは重大な問題となるため、得られたコラーゲン溶液は、ろ過滅菌などコラーゲンの構造を壊さない方法で無菌化して用いることが望ましい。
細胞培養基材をコーティングする溶液は、上述のようにして得られた魚鱗由来のコラーゲンが溶解した酸性溶液であって、塗布して乾燥した際にコラーゲン線維が均一にコートされる必要がある。コーティング溶液には細胞培養に必要なコラーゲン以外の成分を含んでいても良いが、線維化や架橋を引き起こす成分を添加した場合は、コーティングする溶液の状態で線維化やゲル化を引き起こし、均一なコートをすることが困難になるため望ましくない。
等電点以下であるpHが2〜5になればコラーゲンが均一に溶解する。溶液の酸源は特に制限されないが、塩酸や酢酸、クエン酸、リンゴ酸など、生物に対して安全性の高いものから選ぶことが望ましい。特に、乾燥時に気化する塩酸や酢酸が望ましい。pHについては、低すぎるとコラーゲンの構造を破壊する場合があり、また高すぎると溶解性が低下し、増粘、ゲル化する場合がある。
使用するコーティング溶液のコラーゲン濃度は、一般に0.01〜0.3wt%である。濃度が低いと、1回のコーティングで基材を被覆できるコラーゲン量が少なくなる。繰り返しコーティングすることで、基材を被覆するコラーゲン量を増やし、本発明の効果を発揮させることもできるが、製造工程が煩雑になるだけであり、実用的でない。濃度が高いと、基材を被覆するコラーゲン量を増やすことができるが、厚みが増すだけである。本発明の効果を発揮するのは、表層部分が主であるため、被覆したコラーゲンの厚さが増しても、コラーゲン量に見合った効果を期待できない。
希釈前のコラーゲン溶液の濃度に関しては格別制約はないが、0.01〜2wt%、特に0.3wt%〜1wt%が望ましい。0.01wt%以下では使用時に濃縮の必要があり現実的でない。また、高濃度であれば、使用時に溶媒で希釈すれば問題ないが、2wt%を越えると粘度が極めて高くなり、ハンドリングが著しく困難となるため望ましくない。凍結乾燥などにより、コラーゲンの乾燥体を作成しておき、これを溶媒に溶解して使用することも可能である。
コーティング方法としては、酸性溶液を用いて適度な濃度に調整したコラーゲン溶液を、あわ立たないようにディシュなどの細胞培養基材上に流し込み、基材上に均一に塗り広げたあと、余剰のコラーゲンを除去する。これを乾燥させることで、基材上に線維化したコラーゲンが均一に被覆される。これは魚鱗由来コラーゲン特有の現象であり、従来から使用されている哺乳類由来のコラーゲンでは達成されない。
細菌が混入することは細胞培養時に重大な問題となるため、コラーゲンの被覆作業は、清浄な無菌基材を用い、クリーンルームやクリーンベンチなどの無菌環境でおこなうことが望ましい。必要に応じて、エチレンオキサイドやUV照射など、コラーゲンの構造を壊さない滅菌工程を加えてもよい。
コーティングおよび乾燥時の温度について言えば、変性温度以下、望ましくは変性温度-5℃以下で行う。変性温度を上回る温度で処理すると、基材間結合やコラーゲン線維を形成する前にコラーゲンが変性することにより線維化機能が失われ、コラーゲンとしての特性を発揮できない場合がある。
乾燥時間は湿度などにより異なるが、クリーンベンチ内のような通風下であれば、5〜20分程度で乾燥する。乾燥が不十分な場合は、コラーゲンの線維化や基材との接着が不十分となる場合があり、細胞培養液を添加したとき、被膜の再溶解や剥離などにより本発明の効果を十分発揮しない場合がある。十分乾燥し、線維化した状態であれば、数ヶ月保存してもその効果を発揮することができる。保存は変性温度以下の温度、望ましくは冷蔵保存が好ましい。
本発明コーティング液で被覆する細胞培養基材としては、通常細胞培養用に使用されるガラス、プラスチック製のフラスコ、シャーレ、マルチカルチャープレートなどいずれでも使用可能であるが、コラーゲン溶液が親水性であるため、親水性の材質基材あるいは親水化処理を施した表面を有する基材が望ましい。
このようにして作成された、本発明基材は、次のような特徴を有している。即ち、本発明基材表面を原子間力顕微鏡を用いて観察すると、基材が線維化したコラーゲンで均一に被覆されていることを確認できることである。この線維化はコラーゲン分子が自己組織的に線維を形成したものであり、基材表面と強固に結合したために熱安定性が著しく向上し、37℃で哺乳類由来の細胞を長時間培養しても、コラーゲンの変性や再溶解を引き起こすことがない。また、このような、コラーゲンの生体内と類似の構造が、培養細胞と基材の接着性や伸展性を高め、長期の培養においても良好な結果を発揮するものと推定される。
以下に本発明の実施例を挙げて更に詳しく説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、「%」は特に断らない限り全て「wt%」を示す。
1.変性温度の測定方法
コラーゲンの変成温度は、International Journal of Biological Macromolecules, 32, 199 (2003)に記載の方法に従って、CD分光計(Jasco model 725 spectrometer) を使用してコラーゲン水溶液の温度を段階的に上昇させることによって求めた。即ち、コラーゲン水溶液をpH 3の希塩酸で希釈し、0.03wt%となるように調整し、光路長1mmの石英セルに入れた。セルの温度を1℃/minで上昇させ、221nmにおける旋光度を0.2℃ごとに測定した。各温度における旋光度を温度に対してプロットすると、旋光度の値がコラーゲン螺旋の値からランダムコイルの値へと急激に変化する変成曲線が得られる。それらの旋光度値の中間値を与える温度、すなわち、螺旋率(Helicity;%)が50%になるときの温度を変成温度とした。この測定は3 回行い、平均値を使用した。
<魚鱗由来コラーゲン溶液の製造>
テラピアの鱗を水で十分洗浄し、さらに10%塩化ナトリウム溶液で十分洗浄し、鰭などの夾雑物を除去した後、室温にて乾燥した。含水率は18.5%であった。
このテラピア鱗1kgをpH2の塩酸溶液9kgに分散し、1Mの塩酸溶液を添加しながらpHを2に保った状態で、25℃、2時間穏やかに攪拌し、鱗に含まれる無機成分を溶かしだした。これをザルにあげて、十分水洗した後、総重量が4kgとなるようにpH2の塩酸溶液を添加した。
これに、ペプシン(和光純薬 1:10000)24gを添加し、攪拌羽根を用いて25℃、24時間、穏やかに攪拌して、鱗からコラーゲンを溶かし出した。これをザルにあげて、鱗残渣と分離した後、さらに遠心分離(10000G、60min)により上澄を回収して微細な鱗残渣と分離した。これに、ペプシンを0.5g添加し、25℃、24時間保持した。
得られた溶液(2.4kg)を0.45μmのメンブレンフィルターでろ過したあと、終濃度が1.0 Mになるように塩化ナトリウムを加えて緩やかに攪拌した。25℃、30min静置して塩析したあと、遠心分離(10000G, 20min)により上澄を除去し、コラーゲンの沈殿物を回収した。この沈殿物にpH2の塩酸溶液 400mLを加え、5℃、24時間緩やかに攪拌して溶解した。この塩析精製工程を3回繰り返し、コラーゲン塩酸水溶液を得た。
これをセルロースチューブに入れて純水に対して透析し、塩析工程で残存した塩化ナトリウムを十分除去した。これをコラーゲン濃度が0.3% 、pH3〜4となるように塩酸溶液を用いて希釈した。これを、0.45μmのメンブレンフィルターを用いて、クリーンベンチ内で無菌的に滅菌ろ過し、0.3%、pH 3.2のコラーゲン溶液682gを得た。得られたコラーゲンの変性温度は、36.5℃であった。
<魚鱗由来のコラーゲンで被覆した細胞培養基材の製造>
上記テラピア鱗由来のコラーゲン溶液を、pH3の塩酸溶液を用いて0.03wt%に希釈した。これをアイスプレート上で24ウェル(BD社製)に薄く広げて、余分なコラーゲン溶液を除去した。次いでクリーンベンチ内で25℃、5分間乾燥した。対照として、同様の操作にて豚由来のコラーゲン(新田ゼラチン製、Cellmatrix Type I-C)を使用しコーティングしたウェルを作成した。
コーティングしたウェル上のコラーゲン量をSoluble Collagen Assay (Sircol製)にて定量したところ、テラピア鱗由来のコラーゲンが4.9μg/well、豚由来のコラーゲンが4.7μg/well、であり、ほぼ同量のコラーゲンがコーティングされていた。
コーティングした基材表面を原子間力顕微鏡で観察したところ、テラピア鱗由来のコラーゲンをコーティングしたものは、50〜200nm程度の太さのコラーゲン線維が、基材と接合し、均一に被覆されていることが確認された(図1左)。これに対して、豚由来のコラーゲンでコーティングしたものには、コラーゲン線維が確認されず、いくつかの凝集体が見られるにすぎなかった(図1右)。明らかに異なる被覆形態であり、本発明コラーゲンは豚由来のコラーゲンとは全く異なる線維化形態を有することが判明した。即ち、テラピア鱗のコラーゲン特有の形態といえる。
<足場依存性細胞の培養試験>
Growth Medium(5%FBS(SIGMA製)/alphaMEM(GIBCO製)/1%Antibiotec)にL929細胞を懸濁して、前記テラピア鱗由来のコラーゲンを用いて処理した24ウェルに播種密度3.4x103cells/cm2になるように播種した。37℃, 5%CO2において、 2、4dayインキュベートした。適宜、Growth Mediumを交換した。対照として、未処理のウェル、上記豚由来のコラーゲンで処理したウェルについても同様の試験を行った。
位相差顕微鏡を用いて形態観察を行った結果を図2に示す。テラピア鱗由来のコラーゲンで処理したものは、2日目で細胞が基材表面で伸展し紡錘形の形態をしており、細胞接着性が高いことを示している。4日後もその形態を維持しており、長期にわたって高い細胞接着性を維持していることが分かる。対して、未処理のものは、培養2日目から細胞の形態が円形をしており、細胞と基材の接着性が乏しいことを示している。この傾向は、4日目でも改善されることはなく、より顕著になる。他方、豚由来のコラーゲンで処理したものは、2日目で、細胞が基材表面で伸展し紡錘形の形態をとっているものも見受けられるが、4日後にはすでに細胞の形態が円形に変化し、細胞接着性が低下したことを示している。
このような形態の変化は、画像における細胞の面積を測定することにより数値化することができ、その結果を図3に示す。細胞面積が広いほど、細胞の伸展性が良好で、細胞接着性が高いことを示し、テラピア鱗由来のコラーゲンで処理した細胞培養基材が、従来の豚由来のコラーゲンよりも長期にわたって哺乳類由来の細胞接着性を高め、有用に作用することが確認された。
一方、テラピア鱗由来のコラーゲンと豚由来のコラーゲンのアミノ酸組成は、ほぼ同じであることが確認されており(特許文献2)、このことから、細胞培養に於いて、テラピア鱗由来のコラーゲンの効果は、豚由来のコラーゲンの効果と同等、あるいは変性温度が低いためそれ以下の効果であろうと推測されるところ、驚くべきことにテラピア鱗由来のコラーゲンは哺乳類の細胞培養において、上述のような高い細胞接着性が長期にわたって維持されている。係る予想外効果は、テラピア鱗由来のコラーゲンに於いて、線維化した状態でコラーゲンが基材表面を被覆してあるため(図1参照)であろうと推定される。対して豚由来のコラーゲンの細胞接着性が低くなったのは、コラーゲンが線維化した形態をとっておらず、粒子状の凝集体になっていたからと推定される。係る推定根拠は、生体内においてコラーゲンは線維化した状態で存在していることが既に知られていることによるものである。
<細胞骨格の観察>
Growth MediumにL929細胞を懸濁して、上記テラピア鱗由来のコラーゲン溶液を用いて処理したチャンバースライド上に播種密度5.0x103cells/cm2になるように播種した。これをセミコンフルエントまで増殖した後、リン酸バッファーを用いて培地を洗い流し、4%ホルムアルデヒドで固定した。さらにリン酸バッファーにより洗浄した後、0.5%TritinXで5分間透過処理を行い、再度リン酸バッファーで洗浄した。これを湿箱に移して、ローダミン-ハロイジン溶液を添加し、暗所に30分間置いた。これをPBSで洗浄し、DAPI in vector shield を添加し、カバーガラスをかけ、蛍光顕微鏡で観察した。対照として、未処理のチャンバースライド、豚由来コラーゲン、タイ鱗由来コラーゲンで処理したものについても同様の試験を行い蛍光顕微鏡で観察を行った。
その結果を、図4に示す。赤く染まっている部分がアクチンの存在を示している。テラピア鱗由来のコラーゲン上で培養した細胞は大きく伸展し、伸展した末端にアクチンが集中しており、強固に接着していることが確認された。対して、未処理および豚由来、タイ鱗由来のコラーゲン上では接着した細胞の伸展があまり見られず、細胞の形態を支えているアクチン線維がばらばらになって細胞の形態が丸くなっていた。このことは、テラピア鱗由来のコラーゲンが特異的に細胞接着性を高め、細胞の形態を長期にわたって維持する効果があることを示すものである。
実施例1のコラーゲンをコーティングした基材表面の原子間力顕微鏡像である(左:テラピア由来、右:豚由来)。 実施例1の細胞培養に於ける培養日数と細胞形態の変化を示す位相差顕微鏡像である。 [図2]に於ける培養日数に対応する細胞面積を数値化したグラフである。 細胞骨格の蛍光顕微鏡像である。

Claims (3)

  1. 魚鱗由来のコラーゲンで被覆された、表面が線維化状を有する細胞培養基材。
  2. 魚鱗由来のコラーゲンが、変性温度が30℃以上のテラピア鱗由来のコラーゲンである請求項1記載の細胞培養基材。
  3. 細胞が哺乳類の細胞である請求項1または2記載の細胞培養基材。
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