JP2010193766A - 送風式茶園防除機における風量調節装置 - Google Patents

Abstract

【課題】 本発明では、茶畝への薬液散布を終えて本機にかかる方向転換等の際、吹出し風による周辺環境に与える悪影響を防ぐ為に、エンジンの回転を下げることなく、迅速および簡便な操作で風量を減じて方向転換し、予定の位置につくや直ちに所定の風量を得ることを課題とする。
【解決手段】 茶畝を挟んだ２本の走行装置を門型枠でつなぎ茶畝に沿って走行し、送風ファンの高速気流によって薬液を茶樹に噴霧する送風式茶園防除機において、送風ファンと薬液散布装置をつなぐ送風経路に分岐部を設け、該分岐部の一方は薬液散布装置と結び、他方は排気口に接続し、該分岐部に風向き切換板を設け送風方向を薬液散布装置接続側と、排気口接続側に切り換える手段と、排気口に排気口開閉版を設け送風方向を薬液散布装置接続側と、排気口接続側に切り換える手段を用いる。

【選択図】図１

Description

本発明は送風式茶園防除機において、風量を調節する装置に関する。

従来、茶樹に用いられる送風式茶園防除機は、茶畝を跨いだ機枠に大きな薬液タンクを載せ、機体後部に薬液散布部がある。特許文献１は、送風ファンに接続した吹出しノズルと薬液タンクを含む防除用薬液供給装置を設け、送風経路上へ防除用の薬液を注入し、送風ファンの高速気流によって、茶樹に薬液を霧状にして散布している。

特開２００３−３１０１３２号公報

送風ファンの高速気流によって農薬を散布する送風式茶園防除機の風量調節は、エンジンの回転数の増減によって調節されており、薬液の噴霧を止めても、エンジンと送風ファン作動中は少なからず風が地面にむけて吹出している。故に方向転換等で茶畝からはずれると、枕地や畑の通路では、吹出し口からの強風で土埃が飛散し、ほかの機器、周囲の作物、作業者及び隣接する住宅環境に悪影響を及ぼしている。

そのため、薬液散布をしない移動時には、送風ファンを一旦停止させる必要がある。再び作業を始める過程では、エンジンの回転を下げた状態で、送風ファンのスイッチを入れ、徐々にエンジンの回転を上げて目的の風量にする。こうして、送風ファンの回転開始時にベルト駆動装置及び送風ファンに急激な大きな負荷が掛るのを防いでいる。そのため操作が煩雑になり、時間を要する。

本発明では、送風式茶園防除機の方向転換等の際、エンジンの回転数を下げたり、送風ファンを停止させることなく、迅速および簡便な操作で風量を減じて方向転換し、予定の位置につくや直ちに所定の風量を得ることにより、吹出し風による周辺環境への悪影響を防ぐことを課題とする。

請求項１では 茶畝を挟んだ２本の走行装置を門型枠でつなぎ茶畝に沿って走行し、送風ファンの高速気流によって薬液を茶樹に噴霧する送風式茶園防除機において、送風ファンと薬液散布装置をつなぐ送風経路に分岐部を設け、該分岐部の一方は薬液散布装置と結び、他方は排気口に接続し、該分岐部に風向き切換板を設け、送風方向を薬液散布装置接続側と、排気口接続側に切り換えるという手段を用いる。

請求項２は、茶畝を挟んだ２本の走行装置を門型枠でつなぎ茶畝に沿って走行し、送風ファンの高速気流によって薬液を茶樹に噴霧する送風式茶園防除機において、送風ファンと薬液散布装置をつなぐ送風経路に分岐部を設け、該分岐部の一方は薬液散布装置と結び、他方は排気口に接続し、該分岐部において、送風ファン接続側と排気口接続側を直線上に設置し、排気口接続側に排気経路開閉板を設けるという手段を用いる。

本発明の送風式茶園防除機の風量調節装置は、送風ファンと薬液散布装置をつなぐ送風経路上で風向、風量を変更することで、エンジンの回転を下げることなく地面にむけられている薬液吹出し口からの風量を減じることができ、方向転換等で茶畝からはずれる場合に、土埃の吹き上げはなくなり、機械周辺環境への影響を軽減できる。また、本発明の風量調節装置は、構造が簡単であり、制作費も安価である。操作も簡便なので迅速に対応でき、作業時間の短縮が可能となる。

本発明の風量調節装置を設けた送風式茶園防除機側面図 本発明請求項１の風量調節装置側面図 本発明請求項２の風量調節装置側面図 本発明請求項２の排気口側からみた風量調節装置

本発明の実施例を、図１、図２、図３、図４により説明する。図１は風量調節装置７を設けた送風式茶園防除機６の側面図である。送風式茶園防除機６は、左右の走行装置２１を門型枠２２でつなぎ、茶畝２３をまたいで走行する。門型枠２２の上部前方には送風ファン８を設置し、中央上部には薬液タンク１３が設けてあり、機体後部には薬液散布装置１１が設けてある。送風ファン８は風量調節装置７を介して送風ホース９、１０により薬液散布装置１１と結ばれている。送風ファン８の回転軸は、Ｖベルトによりエンジンの出力軸と結ばれており、エンジンの回転が送風ファン８へ伝達される（未表示）。薬液散布装置１１には茶樹表面（地面方向）にむいた吹出しノズル１２が設けてあり、薬液供給管１４によって薬液タンク１３と接続されている。

図２は請求項１記載の風量調節装置７の分岐部の側面を示す図である。風量調節装置７は函型枠の中へ分岐部４を収めた構造となっている。送風ファン接続口１より送風される風の経路は、排気口２側と、薬液散布装置接続口３側に分岐する。分岐部４には風向切替え板５が取り付けられている。風向切替え板５は、分岐部４の支点２０を中心にして回動する。送風ファン接続口１から送られる風は、風向切替え板５が排気口２側の経路を閉塞する場合には、経路が開放されている薬液散布装置接続口３側の経路へ誘導される（白抜き矢印）。風向切替え板５が薬液散布装置接続口３側の経路を閉塞する場合（図２二点鎖線）には、送風ファン接続口１から送られる風は、排気口２側の経路へと誘導され、排出される。

図３、図４に請求項２記載の実施例を示す。図３は風量調節装置７を側面から見た図、図４は風量調節装置７を排気口２側からみた図である。図３は図２に於いて分岐部４に風向切換板５を設けない場合を示している。この場合には、排気口２に排気口開閉板１８を設ける。送風ファン接続口１と排気口２は、直線上に設置する。排気口２と薬液散布部接続口３への分岐する角度Ａは鋭角として、送風ファンからの風がスムーズに薬液散布装置に送られるようにする（好ましくは３０°〜６０°）。

排気口２には、摺動させて排気経路を開閉する排気経路開閉板１８を設ける。排気経路を閉じた場合、排気口開閉板１８と排気経路断面との接触部は、風がもれないよう密接することが望ましい。排気口開閉板１８の開閉は手動でも電動でもよい。排気経路を開いた場合、送風ファン８より送られる風は、直線方向である排気口２側に多く誘導され、薬液散布部接続口３への風は減少する。なお排気口２は機械上空方向にむけておく。風量調節装置７を介して薬液散布装置１１に送られた風は、吹出しノズル１２から吹出す。低圧のポンプ１５等により薬液タンク１３の薬液が薬液供給管１４を通って吹出しノズル１２に注入されると、吹出しノズル１２から吹出す高速気流によって、薬液が霧状に茶樹に散布される。

１ 送風ファン接続口
２ 排気口
３ 薬液散布装置接続口
４ 分岐部
５ 風向切換え板
６ 送風式茶園防除機
７ 風量調節装置
８ 送風ファン
９ 送風ホース（送風ファン側）
１０ 送風ホース（薬液散布装置側）
１１ 薬液散布装置
１２ 吹出しノズル
１３ 薬液タンク
１４ 薬液供給管
１５ ポンプ
１８ 排気口開閉板
１９ 排気口開閉板取手
２０ 支点
２１ 走行装置
２２ 門型枠
２３ 茶畝

Ａ 分岐する角度

Claims (2)

1. 茶畝を挟んだ２本の走行装置を門型枠でつなぎ茶畝に沿って走行し、送風ファンの高速気流によって薬液を茶樹に噴霧する送風式茶園防除機において、送風ファンと薬液散布装置をつなぐ送風経路に分岐部を設け、該分岐部の一方は薬液散布装置と結び、他方は排気口に接続し、該分岐部に風向き切換板を設け、送風方向を薬液散布装置接続側と、排気口接続側に切り換えることを特徴とした送風式茶園防除機の風量調節装置
2. 茶畝を挟んだ２本の走行装置を門型枠でつなぎ茶畝に沿って走行し、送風ファンの高速気流によって薬液を茶樹に噴霧する送風式茶園防除機において、送風ファンと薬液散布装置をつなぐ送風経路に分岐部を設け、該分岐部の一方は薬液散布装置と結び、他方は排気口に接続し、該分岐部において、送風ファン接続側と排気口接続側を直線上に設置し、排気口接続側に排気経路開閉板を設けることを特徴とした送風式茶園防除機の風量調節装置

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