JP2012085566A - 茶園への肥料散布方法、肥料散布装置と茶園管理機 - Google Patents

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【課題】近年では、様々なデータを取り、茶園の精密な管理をするようになっており、精密な肥料の散布が必要とされてきている。本発明は、従来より精密に肥料を散布することができる茶園への肥料散布方法、肥料散布装置と茶園管理機を提供することを課題としている。
【解決手段】茶園への肥料を収容する肥料コンテナと、該肥料コンテナの下部の肥料を一方へ搬送するスクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤにより搬送された肥料へ送風する送風ダクトと、該送風ダクトへ風を供給する送風ファンと、散布口を茶樹の畝間上に配置し、送風により肥料を誘導する散布ホースとより構成することを特徴とする肥料散布装置。
【選択図】図１

Description

茶園へ肥料を散布するための装置に関するものである。
茶園へ肥料を散布するには、主に次の３つの形態がある。まず、１つ目は走行形態が自走式の肥料散布であり、例えば特許文献１のように、肥料コンテナに車輪を設け、茶樹の畝間を作業者が押して走行し、肥料を散布するものである。これは、肥料コンテナ内の肥料をスクリューコンベヤで搬送し、排出口から自然落下させる。
２つ目は走行形態がレール式の肥料散布であり、あらかじめ茶園に敷設してあるレールの上を走行して茶葉を摘採する茶葉摘採機のフレームの片側に、上記特許文献１とほぼ同様の肥料コンテナを設け、肥料を散布するものである。
３つ目は走行形態が走行式の肥料散布であり、例えば特許文献２、３のように、走行装置を備えた茶園管理機に肥料コンテナを設け、作業者が乗車して肥料を散布するものである。特許文献２は、肥料をコンテナ（１１０）に収容し、肥料搬出装置（１０７）により左右の畝間上へ搬送し、落下ダクト（１０４）より肥料を落下させるものである。特許文献３は、特許文献１と同様に、肥料コンテナよりスクリューで肥料を取出し、開口部の面積をシャッターによって調節して、供給量の調節を行なうものである。
また、従来の茶葉摘採機は可搬式だったが、近年では走行式の茶葉摘採機が普及してきており、同様に、茶葉摘採機以外の茶園を管理する機械に関しても、走行式の開発が行なわれている。茶園の管理には、剪枝、浅刈り、中切り、台切り、肥料散布、堆肥散布、防除などの作業があり、各作業の専用機の場合と、特許文献４のような走行機体に作業する部分をアタッチメントとして取付ける場合がある。
肥料は種類が多く、散布時期も様々である。肥料の種類や散布時期によっては、散布位置や散布範囲、散布量がそれぞれ異なり、茶樹の根元に散布する肥料や反対に茶樹の根元には散布しない（茶樹の畝間に散布する）肥料があり、多量に散布するものや少量しか散布しないものなど、様々である。
実公昭５６−５３６０２号公報 特開２００２−１５９２１１号公報 特開２００４−３０５０２６号公報 特開２００９−１０６１７０号公報
従来の特許文献１〜３のような肥料散布装置は、茶樹の畝間に自由落下させるため、茶樹の根元に散布することはできず、散布範囲も指定できなかった。また、ホースで誘導して自然落下させる場合、そのホース内で肥料が詰まる問題があり、それは肥料の種類によって顕著となる。また、散布量の調節は目安でしかなく、不十分だった。
近年では、様々なデータを取り、茶園の精密な管理をするようになっており、精密な肥料の散布が必要とされてきている。本発明は、従来より精密に肥料を散布することができる茶園への肥料散布方法、肥料散布装置と茶園管理機を提供することを課題としている。
本発明の第１手段は、肥料コンテナ内の肥料をスクリューコンベヤにより一方へ搬送し、該搬送された肥料を送風して散布することを特徴とする茶園への肥料散布方法。本発明の第２手段は、前記スクリューコンベヤの速度を調節して、肥料の散布量を調整することを特徴とする第１手段記載の茶園への肥料散布方法。
本発明の第３手段は、茶園への肥料を収容する肥料コンテナと、該肥料コンテナの下部の肥料を一方へ搬送するスクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤにより搬送された肥料へ送風する送風ダクトと、該送風ダクトへ風を供給する送風ファンと、散布口を茶樹の畝間上に配置し、送風により肥料を誘導する散布ホースとより構成することを特徴とする肥料散布装置。本発明の第４手段は、前記スクリューコンベヤの上部にカキオトシ装置を設けることを特徴とする第３手段記載の肥料散布装置。本発明の第５手段は、前記散布口付近に、散布補助板を設けることを特徴とする第３または４手段記載の肥料散布装置。
本発明の第６手段は、前記第３、４または５手段記載の肥料散布装置を、左右の走行装置と、該走行装置を接続する門型フレームとを有する走行機体に搭載することを特徴とする茶園管理機。
本発明の第１、３手段により、自由落下とは異なり、送風することで肥料が経路途中で詰まることなく、スムーズに肥料を散布することができる。本発明の第２手段により、散布量の調整を容易に行なうことができ、茶園への精密な肥料散布を実現する。本発明の第４手段により、肥料が肥料コンテナ内でブリッジを起こすことなく、スムーズにスクリューコンベヤ内へ入れることができる。本発明の第５手段により、肥料の散布位置や散布範囲を指定することができる。本発明の第６手段により、肥料散布装置を作業者が持たなくても、作業者は茶園管理機に乗ることで、肥料を散布できる。
図１は肥料散布装置の斜視図である。 図２は肥料散布装置の一方の側壁を略した説明図である。 図３は肥料散布装置の一方の側壁を略した説明図である。 図４は肥料散布装置の前面図である。 図５は茶園管理機を後ろから見た斜視図である。 図６は茶園管理機を前から見た斜視図である。 図７は散布口付近に耕耘装置を取りつけた斜視図である。
図１〜４を参照して、肥料散布装置を説明する。肥料コンテナ１は、主に側壁４と蓋２で構成しており、蓋２は蝶番３により開閉自在である。側壁４の一部には、窓１７を設けてあり、肥料コンテナ１内の肥料の量や状態などを外から確認することができる。肥料コンテナ１の下部にはスクリューコンベヤ６を備えており、肥料コンテナ１内の肥料５をスクリューコンベヤ６により一方へ搬送する。スクリューコンベヤ６に向かって肥料５が入りやすいように、肥料コンテナ１の側壁４は、適度な傾斜が設けられている。このスクリューコンベヤ６の上部にはカキオトシ装置１２を備え、肥料５が固まるを防ぎ、また、肥料５がスクリューコンベヤ６のスクリュー羽根７の間へ入るときにブリッジを起こすのを防ぐ。スクリューコンベヤ６とカキオトシ装置１２は、それぞれのスクリュー軸７とカキオトシ軸１３をチェーン１５で接続してあり、モータ１６により駆動している。これは、カキオトシ装置１２はスクリューコンベヤ６が駆動しているときのみ駆動すればよく、本実施例では連動しているが、必要に応じて別のモータにより別駆動でもよい。スクリュー軸８の回転速度を操作部１８上で任意に設定することで、スクリューコンベヤ６の速度を任意に設定することができる。送風ダクト９をスクリューコンベヤ６の送出端に接続し、送風ファン２４（図１〜４には図示しない。図５、６に記載。）による送風を行なう。散布ホース１０は送風ダクト９を通ってきた風と肥料５を茶樹の畝間へ誘導し、散布口２９より肥料５を散布する。
実施例１では、図５、６を参照して、茶園管理機を説明する。左右の走行装置２１を門型フレーム２２で接続した走行機体３３に肥料散布装置２０を搭載している。走行装置２１はエンジン２３等の駆動源により駆動され、走行する。シート３２は作業者３５が座る部分であり、作業者３５は操縦部３１を操作して、走行させる。走行機体３３の後部には荷台２５を設け、荷台上下シリンダ２６によって上下可動となるように設ける。上下可動とするための機構は他でもよく、モータによるものでも良い。この荷台２５上に肥料散布装置２０の大部分を搭載する。この肥料散布装置２０を荷台２５上へ設置するときや、肥料コンテナ１に肥料を補充するときには荷台２５を最低位置にし、設置終了後に荷台２５を上昇させる。肥料コンテナ１に肥料５を補充するときにも、荷台２５を最低位置にするとよい。散布ホース１０の散布口２９は走行装置２１の後部に散布口固定具３４を取付けて、固定するとよい。散布口２９の下方には散布補助板３０を取付け、肥料５の散布位置や散布範囲を調節する。肥料５を広範囲にばら撒きたいときには、肥料補助板３０を取付けなくても良い。散布口２９を茶樹３５の根元に向けて固定すると、散布口２９は茶樹３５の畝間に配置されているが、送風によって肥料は茶樹３５の根元に到達する。
肥料５を散布するときには、スクリューコンベヤ６と送風ファン２４を起動し、走行装置２１を走行させる。肥料５の散布と停止は、スクリューコンベヤ６の起動と停止により、コントロールできる。肥料５の散布量の調整も、スクリューコンベヤ６の速度を調節することにより、可能である。また、送風ファン２４の送風が停止しているときにスクリューコンベヤ６を起動すると、散布ホース１０の中で肥料５が詰まってしまうため、送風ファン２４が駆動している場合のみ、スクリューコンベヤ６が駆動するように設定しておくとよい。
実施例１では、走行装置２１による走行機体３３に肥料散布装置２０を搭載したが、レール式による走行機体に肥料散布装置２０を搭載してもよく、また、肥料散布装置２０の下に車輪を取り付けて自走式としてもよい。
実施例３では、走行装置２１の後部に耕耘装置４１を取付け、散布口３９を耕耘爪（図示しない）の直前に設置している。このようにすると、肥料５を茶樹３５の畝間へ散布直後に耕耘作業を行なうことができ、土壌の深部に肥料を散布することができる。肥料を散布した後に、別途耕耘機を走らせることと比べると、効率を向上することができる。
１ 肥料コンテナ
２ 蓋
３ 蝶番
４ 側壁
５ 肥料
６ スクリューコンベヤ
７ スクリュー羽根
８ スクリュー軸
９ 送風ダクト
１０ 散布ホース
１１ フレーム
１２ カキオトシ装置
１３ カキオトシ軸
１４ カキオトシ爪
１５ チェーン
１６ モータ
１７ 窓
１８ 操作部
２０ 肥料散布装置
２１ 走行装置
２２ 門型フレーム
２３ エンジン
２４ 送風ファン
２５ 荷台
２６ 荷台上下シリンダ
２７ 荷台固定用アーム（上）
２８ 荷台固定用アーム（下）
２９ 散布口
３０ 散布補助板
３１ 操縦部
３２ シート
３３ 走行機体
３４ 散布口固定具
３５ 茶樹
３６ 作業者
４１ 耕耘装置

Claims (6)

  1. 肥料コンテナ内の肥料をスクリューコンベヤにより一方へ搬送し、該搬送された肥料を送風して散布することを特徴とする茶園への肥料散布方法。
  2. 前記スクリューコンベヤの速度を調節して、肥料の散布量を調整することを特徴とする請求項１記載の茶園への肥料散布方法。
  3. 茶園への肥料を収容する肥料コンテナと、該肥料コンテナの下部の肥料を一方へ搬送するスクリューコンベヤと、該スクリューコンベヤにより搬送された肥料へ送風する送風ダクトと、該送風ダクトへ風を供給する送風ファンと、散布口を茶樹の畝間上に配置し、送風により肥料を誘導する散布ホースとより構成することを特徴とする肥料散布装置。
  4. 前記スクリューコンベヤの上部にカキオトシ装置を設けることを特徴とする請求項３記載の肥料散布装置。
  5. 前記散布口付近に、散布補助板を設けることを特徴とする請求項３または４記載の肥料散布装置。
  6. 前記請求項３、４または５記載の肥料散布装置を、左右の走行装置と、該走行装置を接続する門型フレームとを有する走行機体に搭載することを特徴とする茶園管理機。
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