JP2010192658A - 太陽電池用基板及び太陽電池用基板の製造方法 - Google Patents

太陽電池用基板及び太陽電池用基板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】集電効率が高く、かつ特性のばらつきが少ない太陽電池用基板、及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】基板層(12)と、基板層(12)の上に積層された金属層(14)と、を備え、基板層(12)は、金属層(14)との積層面に、平面視で、略円形状又は略多角形状である凹部(12a)を有し、金属層(14)は、基板層(12)における凹部(12a)以外の表面を被覆する、太陽電池用基板(10)とすること。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池用基板及び太陽電池用基板の製造方法に関する。
太陽電池は、光電効果を利用して光エネルギーを直接電力へと変化させる電池であり、クリーンで環境に優しい電池として注目されている。近年、太陽電池の需要発電が急速に伸びており、太陽電池の発電効率の改善や更なるコストダウン等の研究開発が盛んになされている。
太陽電池の集電電極方法として、種々の方法が用いられている。例えば、シリコン基板に集電電極を設ける方法が挙げられる。太陽光があたる面(表面)となるシリコン基板上に、スクリーン印刷によって銀ペーストで配線を描画し、800〜1000℃の高温でファイアースルーといわれる手法によってシリコン基板表面からシリコン基板内に集電電極を埋没させ、表面側の集電を行う。一方、裏面には銀ペーストやアルミペーストを全面に塗布し、裏面側の集電を行うものが挙げられる。
集電電極としてバスバー電極と呼ばれる抵抗損失を低下させた部分と、それに直角に繋がる低抵抗の集電電極を太陽電池用基板上に設け、発生した電気を低抵抗の集電電極によって効率よく集電する集電電極方法が用いられている。太陽電池のシリコン基板自体は高抵抗でありながら通電性を有しているので、シリコン基板上を伝播してきた電子を、バスバー電極及びそれに繋がる細い金属製の集電電極で集電する。
太陽光が入射する上面にフレネルレンズを配置したり、太陽の動きにあわせて太陽電池自身が方向を変えたりする集電電極方法が用いられている。
特許文献1には、太陽光が入射される半導体基板の表面部分が凹凸形状になっており、その表面部分に、ストライプ状に窪んだ電極設置凹部が設けられているとともに、電極設置凹部に、凹凸状になった表面部分から突出しないように表面電極が設けられている太陽電池が開示されている。
特開平9−205221号公報
ところで、太陽電池の発電効率を改善する目的として、大別すると、(1)集電電極の配線方法と集電電極自身の低抵抗化による損失の削減の検討、(2)太陽光を効率的に発電に関与させることができる太陽電池シリコン基板の表面形状の検討、(3)効率的に発電させることができる光の誘導の検討、が挙げられる。
しかしながら、いずれも実用レベルには至っていない。発電効率に優れた太陽電池の製造コストが高いことが理由の一つであり、上記(1)〜(3)のなかでも、特に(2)太陽電池シリコン基板の表面形状について検討の余地がある。
例えば、特許文献1に開示された高度なフォトレジスト技術を多く用いて作成された凹凸形状を有するシリコンウェハは、コスト的に見合うものではなく、実用化には程遠い。また、スクリーン印刷方法によって銀ペーストをシリコンウェハ表面上に配線する方法では、スクリーン印刷した配線が凹凸形状に部分的に埋没してしまい、安定して連なった配線を形成することが困難であり、配線不良を生ずる場合がある。
また、ファイアースルーによって電極をどの位の深さに埋めるのかと、逆ピラミッド形状の深度との兼ね合いが困難であることや、部分的に接点を形成できない場合があることや、スクリーン印刷方法によって形成した銀ペーストの配線が欠損したり、他の配線と短絡してしまったりするといった問題がある。
特に、太陽電池の集電能力を向上させるために重要である、(2)太陽電池用基板の表面形状の実現が困難であり、これを解決しうる技術が見出されていない。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、集電効率が高く、かつ特性のばらつきが少ない太陽電池用基板及びその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、基板層と、この基板層に積層された金属層と、を備え、基板層は、金属層との積層面に、平面視で、略円形状又は略多角形状である凹部を有し、かつ凹部以外の表面が金属層によって被覆されている構造とすることで、集電効率が高く、かつ特性のばらつきが少ない太陽電池用基板とできることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は以下のものを提供する。
[1]
基板層と、基板層上に積層された金属層と、を備え、
基板層は、金属層との積層面に、平面視で略円形状又は略多角形状を有する凹部を有し、
金属層は、基板層における凹部以外の表面を被覆する、太陽電池用基板。
[2]
基板層は、シリコンウェハを含む、[1]に記載の太陽電池用基板。
[3]
略円形状又は略多角形状の直径が、150nm〜2μmである、[1]又は[2]に記載の太陽電池用基板。
[4]
金属層の厚さが、100nm〜1μmである、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の太陽電池用基板。
[5]
金属層が、金又は白金を含む、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の太陽電池用基板。
[6]
基板層に形成されたテキスチャー構造を、更に備える、[1]〜[5]のいずれか一項に記載の太陽電池用基板。
[7]
基板層の表面を、下地処理剤により表面処理する表面処理工程と、
表面処理工程の後、金属コロイド溶液を含む塗膜を形成する塗膜形成工程と、
塗膜を焼結することにより、略円形状又は略多角形状の空孔を有する金属層を、基板層上に形成する金属層形成工程と、
金属層の空孔からエッチングすることで、基板層に凹部を形成する凹部形成工程と、
を含む、太陽電池用基板の製造方法。
本発明によれば、集電効率が高く、かつ特性のばらつきが少ない太陽電池用基板及びその製造方法を提供できる。
本実施形態の太陽電池用基板の一実施形態の概略断面図である。 本実施形態の製造方法を説明する概念図である。 実施例1のエッチング処理前の多孔質構造の図面代用の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1のエッチング処理後の多孔質構造の図面代用の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。 実施例1のエッチング処理後に基板層に形成された多孔質構造の図面代用の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について、必要に応じて図面を参照しつつ詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
[太陽電池用基板]
図1は、本実施形態の太陽電池用基板の一実施形態の概略断面図である。
太陽電池用基板10は、基板層12と、基板層12上に積層された金属層14と、を備え、基板層12は、金属層14との積層面に、平面視で略円形状又は略多角形状を有する凹部12aを有し、金属層14は、基板層12における凹部12a以外の表面を被覆する。即ち、金属層14は、空孔14aを有している多孔質構造を備えている。
太陽電池用基板10は、金属層14が多孔質構造を有することで、多孔質の空孔14aから光Lが透過し、基板12で発電した電気を金属層14が集電する。
即ち、太陽電池用基板10は、太陽光等の光Lが照射されることで発電できる基板である。例えば、太陽電池用基板10は、基板層12表面のp型化及び/又はn型化、パッシベーション化等によって太陽電池の内部構造にヘテロ構造を作製できる。ヘテロ構造の界面に光Lが照射されることによって、発電して電気が発生する。
基板層12の厚さは、特に限定されず、好ましくは140μm〜300μmである。かかる厚さにおいて、近赤外域の光を透過させる際の発電効率の低下を効果的に抑制できることや、ハンドリングが容易であることや、製造コストが低い観点から好適である。
基板層12は、基材として機能することができればよく、その材料や大きさ等は限定されず、例えば、シリコンウェハ、ガラス、プラスチックあるいはこれらの複合材等が挙げられる。それらの中でも、基板層12がシリコンウェハを含むことが好ましい。具体的には、単結晶シリコンウェハ、多結晶シリコンウェハ、非結晶シリコンウェハ及び化合物半導体ウェハ等が挙げられる。
基板層12の凹部12aの平面視形状は、略円形状又は略多角形状である。
本実施形態では、基板層12の凹部12aは、金属層14の空孔14aを利用したエッチング(後述する)によって形成されるため、基板層12の凹部12aと金属層14の空孔14aの位置関係は対応している。基板層12の凹部12aの直径としては、150nm〜2μmであることが好ましく、より好ましくは180nm〜1.8μm、さらに好ましくは200nm〜1.6μmである。なお、本実施形態において「直径」とは、平面視面積と同一の面積を有する真円の直径を意味する。
なお、凹部12aを断面視した際の形状は、特に限定されず、好ましくは逆ピラミッド形状である。逆ピラミッド形状であることで、光閉じ込め効果が期待できるため好ましい。この場合、ピラミッドの頂点部分(一番深い部分)の形状としては、R形状(一定の曲半径を有する形状)やテキスチャー構造(逆ピラミッドの底面部の中にさらに凹凸が形成されている構造)であることが好ましい。
なお、基板層12は、複数層であってもよい。例えば、寸法安定性等を向上させるために、複数の材料が積層された多層構造とすることができる。
金属層14は、基板層12で発生した電気を効率よく集電する機能や、後述するエッチング時のマスキングとしての機能を有する。金属層14の材料としては、エッチング液に対して耐性を有することが好ましく、具体的には、金、白金、銀等が挙げられるが、より好ましくは金又は白金であり、さらに好ましくは金である。
そして、金属層14は多孔質構造を有する。多孔質構造は、空孔14aを有する構造である。空孔14aの形状は、特に限定されず、金属層14を略垂直方向に貫通している形状であることが好ましい。空孔14aが略垂直方向に貫通していることにより、光Lを効率的に基板層12へ透過できるため好ましい。
空孔14aの形状は、特に限定されず、フォトミック効果の光染み出し効果を期待する場合は空孔14aが、平面視して、略円形状であることが好ましく、それぞれの空孔14aの大きさが均一であることがより好ましい。平面視とは、太陽電池用基板10を上から見ることをいい、図1でいえば図の上方から下方に見ることをいう。
基板層12の金属層14に面する表面には、下地層121が形成されている。このような下地層121を設けることは、基板層12と金属層14の接着性を良好にできる観点から好ましい。また、金属層14は、基板層12の凹部12a以外の表面を全部覆っていることが集電効率の観点からより好ましいが、一部を覆う態様であっても差し支えない。ただし、集電された電気が効率よく利用可能なように金属層14は出力端子に向けて連通していることが好ましい。
上記下地層121としては、基材と多孔質膜が安定して接着可能となる下地層であることが好ましく、カップリング剤又はカップリング剤を含む組成物(以下、「下地処理剤」と記載することがある)を基材に塗布して形成することができる。
上記カップリング剤としては、シランカップリング剤が好ましく用いられる。このようなシランカップリング剤としては、例えば、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルメトキシシラン、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニル−トリス(β−メトキシエトキシ)シラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、β−(3,4−エトキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラングリシドキシプロピルトリエトキシシラン等の不飽和基やエポキシ基を有するものが挙げられる。
上記下地層121は、所望の接着性の度合いや基材の種類によって、カップリング剤の使用量等を適宜調製することができるが、カップリング剤が下地処理剤中に含まれる割合としては、好ましくは50〜100質量%、より好ましくは80〜100質量%である。
金属層14に形成されている、略円形状又は略多角形状である空孔14aの直径は、特に限定されず、好ましくは150nm〜2μmである。空孔14aの直径を150nm以上とすることで、金属層14の厚さによらず光Lを効率よく透過できる。また、空孔14aの直径を2μm以下とすることで、基板層12で発生した電気をさらに効率よく集電できる。光Lの透過性及び集電効率の観点から、金属層14の略円形状又は略多角形状の空孔14aの直径が150nm〜2μmであることが好ましく、より好ましくは180nm〜1.8μm、さらに好ましくは200nm〜1.6μmである。
金属層14の厚さは、特に限定されず、好ましくは100nm〜1μmである。金属層14の厚さを100nm以上とすることで、金属層14の電気抵抗を低くでき、基板層12で発生した電気の集電効率をさらに向上させることができる。また、金属層14の厚さを1μm以下とすることで、光Lの基板層12への入射角の影響を緩和でき、光Lの透過性をさらに向上させることができる。集電効率と光Lの透過性の観点から、金属層14の厚さが100nm〜1μmであることが好ましく、より好ましくは120nm〜0.9μm、さらに好ましくは130nm〜0.85μmである。
[太陽電池用基板の製造方法]
太陽電池用基板10の製造方法について、図2を併用して説明する。図2は、本実施形態の製造方法を説明する概念図である。
本実施形態の太陽電池用基板10の製造方法は、基板層12の表面を、下地処理剤により表面処理する表面処理工程と、表面処理工程の後、金属コロイド溶液を含む塗膜を形成する塗膜形成工程と、塗膜を焼結することにより、略円形状又は略多角形状の空孔14aを有する金属層14を、基板層12上に形成する金属層形成工程と、金属層14の空孔14aからエッチングすることで、基板層12上に凹部12aを形成する凹部形成工程と、を含む。
[表面処理工程]
まず、基板層12の表面を下地処理剤により表面処理する。
下地処理剤を用いることで、基板層12と塗膜(後述)の密着性を向上させ得、塗膜形成時に金属コロイド溶液(後述)を塗布する際の濡れ性も向上し、均一に塗布することができる。
[塗膜形成工程]
次に、表面処理された基板層12上に、金属コロイド溶液を含む塗膜を形成する(図2の(A))。金属コロイド溶液は、金属粒子を含むコロイド溶液である。金属粒子としては、特に限定されず、市販品を用いることができる。例えば、金、銀、銅、白金、パラジウム、ニッケル等の公知の金属粒子が挙げられる。それらの中でも、金、銀、銅又は白金の金属粒子が汎用性、コスト及び機能性の観点から好ましい。金属粒子が、金又は白金の金属粒子である場合、金属層14の多孔質構造より安定化(錆びたりしない)できる。また、金属粒子が銀又は銅の金属粒子である場合、金属層14の多孔質構造の導電性をさらに高くすることができる。
前記金属粒子の粒径は、2nm〜15nmであると好ましく、2nm〜12nmであるとより好ましい。粒径を2nm以上とすることは、2次凝集性を抑制し、十分な分散性を得る観点から好ましい。また、粒径を15nm以下とすることは、より低い温度で金属粒子を焼結し得る観点、金属の自重により分散剤の効果が低下することを抑制する観点、安定な分散溶液を得る観点から好ましい。
なお粒径は、電子顕微鏡観察により、一次粒径の10点平均値として求められる値である。金属粒子の配分量としては、金属コロイド溶液中、好ましくは5〜40質量%、より好ましくは8〜20質量%、さらに好ましくは10〜20質量%である。
金属コロイド溶液は、分散剤を含むことが好ましい。分散剤を含むことにより、分散剤と金属粒子が相互作用することで溶媒との親和性を高めることができる。その結果、金属粒子が溶媒中に分散され、金属コロイド溶液を安定化できる観点から好ましい。分散剤は、金属粒子の表面を被膜し、金属コロイド溶液中における金属粒子の凝集を防止し得る。
なお分散剤は、焼結時に揮発して金属層14の多孔質構造から外に排出されることが好ましい。分散剤が除去されることで、焼結時に金属粒子同士が結着しやすくなるため好ましい。
焼結時の除去の容易さの観点から、分散剤の沸点が350℃以下であることが好ましく、分散剤及び金属コロイド溶液の安定性の観点から、沸点が150℃以上であることが好ましい。さらに、分散剤としては、金属との配位的な結合が可能であり、40℃以下の温度条件における通常の保管環境において、金属と安定な配位結合を形成し得るものを用いることが好ましい。
分散剤としては、公知の分散剤が使用可能であり、アミン類、アルコール類、フェノール類及びチオール類からなる群より選択される少なくとも1種類以上の化合物を含むことが好ましい。
アミン類としては、例えば、アルキルアミンやアルキルジアミンが挙げられる。アルコール類としては、例えば、アルキルジオールが挙げられる。チオール類としては、例えば、アルキルチオールやアルキルジチオールが挙げられる。
分散剤は、金属コロイド溶液として用いる金属の種類や、金属コロイド溶液の特性に応じて、適宜選択することが好ましい。
例えば、銀ナノ粒子を用いる場合、2−メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、ブトキシプロピルアミン、ジエチルメチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール又はメチルジエタノールアミン等のアミン化合物、エチレンジアミン等のアルキルアミン類、エチレングリコール又はプロピレングリコール等のアルキルアルコール類、エタンジチオール等のアルキルチオール類、シクロヘキシルチオール等の脂環式チオール類等が好ましい。
また、金ナノ粒子を用いる場合、オクチルチオール、ヘキサチオール又はデカンチオール等のアルキルチオール類等が好ましい。
金属ナノ粒子コロイド溶液が水を含有する場合、クエン酸、コハク酸、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリエチレンイミド、又は、テトラメチルアンモニウム等の4級アンモニウム塩等の親水性分散剤が好ましい。
分散剤の配合量は、特に限定されず、焼結時の分解の観点から、金属コロイド溶液中、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜8質量%、さらに好ましくは1〜5質量%である。
金属コロイド溶液に用いられる溶媒は、特に限定されず、公知のものを用いることができ、α異性体比率40〜85質量%のテルピネオール、トルエン又はキシレンが好ましい。これらの溶媒を用いることで、金属コロイド溶液を含む塗膜がほぼ均一な大きさの空孔を有し、かつ得られる多孔質構造の導電性と光透過性を更に向上させることができるため好ましい。
なお、テルピネオールのα異性体比率とは、金属コロイド溶液に用いられるテルピネオール異性体の総量に対する、α−テルピネオールの含有割合を表す。テルピネオールのα異性体比率は、50〜85質量%がより好ましく、53〜83質量%がさらに好ましい。溶媒の配合量としては、特に限定されず、金属コロイド溶液中、好ましくは50〜95質量%、より好ましくは60〜90質量%である。
金属コロイド溶液には、結合剤が含まれないことが好ましい。ここで、結合剤とは、金属ナノ粒子を結着させるために用いられるものを意味し、例えば、分子量が100000〜200000のエチルセルロースのような変性セルロース、変性尿素(例えば、BYKケミー社製、BYK−410、BYK−411、BYK−420)等が挙げられる。結合剤は焼結した際にカーボン等として残る可能性があるが、本実施形態では結合剤を含まなくてもよいため、かかる問題が起こることを防止できる。
なお、表面処理工程、及び塗膜形成工程において、カップリング剤又は金属コロイド溶液を基板層12に塗布する方法としては、基板層12上に均一に被膜できればよく、公知の方法を用いることができる。例えば、塗布する溶液を小さな液滴にして噴霧するスプレー法、液に浸漬するディッピング方法、スピンコート方法、メイヤーバー等を用いたバーコート法、又は、グラビア、フレキソ、スクリーン若しくはインクジェット等の印刷による方法等が挙げられる。
[金属層形成工程]
次に、金属コロイド溶液を含む塗膜を焼結する(図2の(B))。
焼結は、あらかじめ加温状態にしておいた焼結炉に塗布・乾燥した基材を所定時間挿入することで行うことができる。焼結条件は、塗布した金属種に応じて適宜選定されるが、好ましくは50〜400℃で0.2〜5時間の条件を採用することができる。なお、本実施形態では、塗布乾燥した時点で空孔14aは形成されており、焼結によって金属層14を固定化することができる。
下地処理剤又は金属コロイド溶液の塗布に際しては、塗布した膜の厚さ斑が10%以内であることが好ましい。厚さ斑とは、平均膜厚をT0、平均膜厚との差が最大となる部分の膜厚をT1とした時、下記式(1)で求められる。
厚さ斑(%)=(|T0−T1|×100)/T0 (1)
[凹部形成工程]
次に、金属層14の前記空孔14aからエッチングして、基板層12に凹部12aを形成する(図2の(C))。
エッチング液は特に限定されず、公知のものを用いることができる。金属層14の金属がエッチングされず、かつ基板層12をエッチングできることが好ましい。
また、凹部12aを形成してからp型化及び/又はn型化することは、p型化及び/又はn型化の厚さを均一に形成できるため好ましい。凹部12aを形成してからパッシベーション化する場合は、パッシベーション層の抵抗による集電効率の低下が無いため好ましい。
太陽電池用基板10は、集電効率が高い太陽電池用基板として好適に用いることができる。太陽電池用基板10を太陽電池の発電部として用いることで、効率的に発電できる。そして、本実施形態の製造方法によれば、簡便かつ低コストで、集電効率が高い太陽電池用基板を製造できる。
太陽電池用基板10は、基板層12に複数の凹部12aを形成できるため、複数個のセルを単一基板上に形成することも可能である。そして、シリコンウェハ等を基板層12に用いることで、種々の形状に基板層12を加工することもできるため、使用する際の形状による制限等も受けない。
本実施形態では、焼結によって微細な空孔14aを金属層14に多数形成できるため、その後のエッチングによって微細な凹部12aを基板層12に多数形成できる。これによって、基板層12の大面積化が可能となり、太陽電池として用いる際には、大容量化、軽量化及び小デバイス化等が可能となる。
以下、実施例を用いて本実施形態をより具体的に説明するが、本実施形態は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
3cm角のシリコンウェハ(厚さ250μm)の表面に下地処理剤(3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、和光純薬社製)を数滴滴下し、液状塗膜の膜厚が3μmになるようにスピンコーターを用いて塗布した。窒素ガスを用いて乾燥し、金属ナノ粒子コロイド溶液(金:粒径2〜4nm、田中貴金属社製、溶媒:テルピネオール、α異性体比率70%、和光純薬社製、分散剤:デカンチオール2質量%)を滴下して、2分間スピンコート法にて膜を形成させた。乾燥後、300℃、2時間の焼結条件で電気炉にて焼結させ、更にエッチング処理(詳細は後述する)を行うことにより、多孔質構造を金属層に有する太陽電池用基板を得た。表1に、用いた材料や条件、及び得られた基板の多孔質構造の物性をまとめた。
(実施例2〜18)
表1〜3に示す材料や条件で基板を製造した。3cm角のシリコンウェハの表面に下地処理剤を数滴滴下し、液状塗膜の膜厚が3μmになるようにスピンコーターを用いて塗布した。窒素ガスを用いて乾燥し、表1〜3に記載された金属ナノ粒子コロイド溶液又は塗工液1gを滴下して、2分間スピンコート法にて膜を形成させた。乾燥後、所定温度及び所定時間に調整した電気炉にて焼結させ、更にエッチングを行うことにより、多孔質構造の太陽電池用基板を得た。表1〜3に、用いた材料や条件、及び得られた基板の多孔質構造の物性をまとめた。
実施例1〜18で得られた太陽電池用基板の導電性及び光透過性を、以下の測定方法により評価した。その結果を表1〜3に示す。
<導電性評価>
導電性評価として四端子四探針方式ロレスタ・GP(ダイヤインストロメンツ社製)を用いてJIS K 7194に準拠して測定した。作成した多孔質構造上の任意の5箇所を測定し、その最小値から最大値の幅で表記した。
<透過率測定>
透過率測定としてオーシャンオプティクス社製USB4000−TR−600を用いてスライドガラス上に形成された多孔質構造を光波長が500nmにおける透過率を測定した。作成した多孔質構造上の任意の5箇所を測定し、最小値から最大値の幅で表記した。
いずれの実施例において、導電性及び透過率のいずれも良好であり、かつ導電性と透過性にいずれについても均一性を有することが示された。
<エッチング処理>
実施例1における焼結物、硝酸60質量%、フッ酸8%のエッチング溶液を用いて、3分間エッチング処理を行った。エッチング処理の前後の基板の構造を、日立社製走査型電子顕微鏡S3000Nを用いて観察した。エッチング処理前の平面のSEM写真を図3に示す。また、金属層よりエッチングした後の平面のSEM写真を図4に示す。図5は、金属層をAuエッチング液(AURM−302関東化学)にて剥ぎ取った後の基板層表面のSEM写真である。
図3ではほぼ均一な穴が金属層に形成されていることが確認でき、図4、5では金属層の空孔よりエッチングされたことによって、基板層に凹形状を作成できていることが確認できた。
実施例2〜18における焼結物についても上記した条件でエッチング処理を行ったところ、実施例1と同様に、ほぼ均一な穴が金属層に形成されていることが確認でき、かつ金属層の空孔よりエッチングすることにより基板層に凹形状を作製できていることが確認できた。
以上より、本実施例によれば、本実施形態の太陽電池用基板は、導電性及び高透明性が高く、かつ均一性に優れているため、集電効率が高く、特性のばらつきがない基板であることが示された。また、本実施形態の製造方法によれば、低コストで、集電効率が高く、特性のばらつきがない太陽電池用基板を簡便に製造できることが示された。
本発明の太陽電池用基板は、集電効率が高く、特性のばらつきがない太陽電池用基板として用いることができる。
10 太陽電池用基板
12 基板層
12a 凹部
121 下地層
14 金属層
14a 空孔

Claims (7)

  1. 基板層と、前記基板層上に積層された金属層と、を備え、
    前記基板層は、前記金属層との積層面に、平面視で略円形状又は略多角形状を有する凹部を有し、
    前記金属層は、前記基板層における前記凹部以外の表面を被覆する、太陽電池用基板。
  2. 前記基板層は、シリコンウェハを含む、請求項1に記載の太陽電池用基板。
  3. 前記略円形状又は前記略多角形状の直径が、150nm〜2μmである、請求項1又は2に記載の太陽電池用基板。
  4. 前記金属層の厚さが、100nm〜1μmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の太陽電池用基板。
  5. 前記金属層が、金又は白金を含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の太陽電池用基板。
  6. 前記基板層はテキスチャー構造を、更に備える、請求項1〜5のいずれか一項に記載の太陽電池用基板。
  7. 基板層の表面を、下地処理剤により表面処理する表面処理工程と、
    前記表面処理工程の後、金属コロイド溶液を含む塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    前記塗膜を焼結することにより、略円形状又は略多角形状の空孔を有する金属層を、前記基板層上に形成する金属層形成工程と、
    前記金属層の前記空孔からエッチングすることで、前記基板層に凹部を形成する凹部形成工程と、
    を含む、太陽電池用基板の製造方法。
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