JP2010192479A - 金属基板、金属基板に薄膜を形成する装置および金属基板を用いた太陽電池 - Google Patents

金属基板、金属基板に薄膜を形成する装置および金属基板を用いた太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】金属基板の上に金属不純物が拡散しない低温でシリコン結晶膜を作る方法がない。また、パッシベイション(保護)膜や透明電極膜の熱処理も基板を低温に維持したままで行う必要がある。
【解決手段】低温の支持台に保持した尖頭を有する錐を形成した金属基板の上に基板より相対的に高温のガスでシランを熱分解させることによりシリコン結晶層を成長させてpn接合を作る。これにより、長い光路長を確保できる薄膜結晶の太陽電池を安価に製造する金属板が可能となる。シランとしてはモノシラン(SiH)やジシラン(Si)、トリシラン(Si)を用いることができる。錐を形成する金属基板材料としてはアルミニュームやステンレスが可能である。金属基板の上に太陽電池を製造するための製造装置が提供できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜型太陽電池とその製造方法および製造装置に関する。
300ºC以上にできないガラス基板や200℃にもできない樹脂基板(以下低温基板と総称する)上に半導体薄膜を形成した太陽電池がある。低温基板の上に成長できる半導体としてはプラズマCVDで成長させるアモルファスシリコンがよく用いられる。
薄膜はp型とn型の半導体でありpn接合を形成する。アモルファスシリコンの薄膜を用いるとき光励起で発生させた電子と正孔を再結合させずに早くpn電極層に移動させる割合を大きくするために加速のための内部電界を発生させる層となる真性層を間に挟む。
pn接合の層は基板が絶縁膜であるので、基板の上に電極層を予め形成してから成膜を行うことが一般的である。
この太陽電池のエネルギー変換効率を決定する要素のうち、接合層に入射する太陽光の量と接合材料の吸収特性とその吸収に寄与する光路長の確保で決まる要素がある。
材料が決まると吸収特性は設計できる。太陽光の吸収量を決める他の要素に表面材料の屈折率と表面の物理形状で決まる反射率がある。
太陽電池の主面に対して垂直に太陽光を入射させると、光の一部は反射して一部が接合層に進入する。進入した光も再び裏面反射されて主面から反射光とともに外にでる。
また、入射した光は吸収係数で決まる吸収が光の進入に従い起きる。大部分が吸収に寄与するためには光路長は吸収係数の逆数(吸収長とここでは定義する)より十分に長い必要がある。光路長が吸収長より短いと吸収量が少なくなり電子正孔対を発生させる効率が下がる。
この対策のために、長い光路長を作り出すために、よく基板の主面に対して凹凸処理を施す。凹凸は斜面で形成される。斜面で反射した光は対向する斜面に入射する。また接合層に斜め入射した光は層の中を多重反射を繰り返し進行するので長い光路長を確保できる。
この原理のために、太陽電池の基板の主面に対して斜めの面を有するように凹凸処理がなされる。
特開2006−120745に開示された「薄膜シリコン積層型太陽電池」では、上述のような凹凸処理がなされる場合に、この凹凸部の凹凸ピッチおよび高低差の値を最適化する技術が開示されている。
結晶シリコン基板を用いる太陽電池のときは、選択性のあるシリコンエッチ薬品で表面に低速エッチ面のファセットを形成してこの凹凸を形成できる。薬品エッチに対しては結晶面に依存してエッチ速度が異なるのでファセットが形成される。従って、結晶のシリコンに凹凸を作る工程は薬品エッチの方法で容易である。
ガラス基板は結晶面のないアモルファスであるので、この凹凸形成処理はシリコンエッチほど簡単でない。従って、ガラス基板の上に形成する透明電極に凹凸をつくるやり方がある。その構造例を図23に示す。
現在、ガラス基板は安価な基板であるので、大型のガラス基板の上に透明電極をつけて、この凹凸を作る処理を施している。
しかし、大型になるつれ、割れることや搬送装置の巨大化、また真空成膜装置の巨大化など、コストを押し上げる大型ガラスの弊害がある。また暴風雨などに耐えられるようにそれらを収納する建築物のコストも大きい。
従って、大型に拡張できて、搬送が容易で、収納建設も安価にさせる割れない基板の上に太陽電池を作ることがコストの点から望ましい。さらに表面の凹凸作製が容易な基板があれば、太陽電池に好適であると言える。その観点から、鉄板などの上に結晶半導体層を成長させたいというニーズがあった。
ガラス基板につけた透明電極に凹凸処理を施しても、凹凸の段差は透明電極の厚み程度に制限される。それでも反射率の低減に対しては光の波長程度の凹凸で反射率は影響されるので1um程度の凹凸処理は、反射率低減には有効であろう。
しかし、もっと吸収効率を高くするには吸収長より長い光路長を得たい。このために結晶シリコン太陽電池の場合,必要光路長の50um以上の厚みの200um厚みの結晶シリコン基板を用いる。凹凸は少なくとも必要光路長50um以上の深さが好ましいのであるが、大型ガラス基板にこのような凹凸を作ることは容易でない。
凹凸を作る目的には鉄板のような金属基板が簡単である。凹凸の型のプレス加工またはロール加工で容易に50μm以上の凹凸作製が可能である。
ところが金属を基板とし結晶成長の通常の高い温度に基板を加熱してシランガスを分解して結晶成長させるとき、希望しない金属不純物が結晶層に拡散する。課題は鉄板のような金属基板をガスの分解温度にまで加熱させないで金属不純物が拡散しない低温でシリコン結晶膜を作る方法がなかったことである。またパッシベイション(保護)膜や透明電極膜の熱処理も基板を低温に維持したままで行う必要がある。ポリシリコン成長に必要なシランガスの熱分解温度は通常620℃である。基板は300℃以下に維持したままシリコンを成長させたい。透明電極としての塗布式ZnOの熱処理温度は500〜600℃である。熱処理も300℃以下に基板を維持したまま行いたいという要求がある。
要求に応える従来技術は、370℃程度の金属基板の上にシランガスのプラズマCVD法によりアモルファスシリコンを成長させる方法である。しかしアモルファスシリコンの生成キャリアーの拡散距離は短く、10%以上の光電気変換効率を得ることは望めない。基板の上に拡散防止の膜をつけてそれを600℃程度に加熱すれば熱CVDの方法で高い効率の得られるポリシリコン膜を作製できるが、金属基板の熱収縮が大きいので大型基板の上の結晶膜が割れる。また拡散防止の膜のピンホールなどを貫いて鉄などの不純物が結晶中に拡散する課題がある。
特開2006−120745号公報
もし、凹凸処理をした金属板に基板をガスの分解温度より低温に維持したままでシリコン結晶膜を成長できれば、以上の課題は解決する。課題は金属基板の上にシリコン結晶膜を成長させる結晶形成技術である。また、製造に必要な絶縁膜や透明電極膜を高くともポリシリコンの形成温度を超えない基板温度で形成する技術である。
本発明は、上述の従来技術による課題を解決し、凹凸が施された金属板の上にシリコン結晶膜を成長させることができるようにした技術であって、この金属板の温度をポリシリコン形成温度よりも低温に維持して絶縁膜および透明電極膜を形成できる技術を提供するものである。
本発明は、斜面で囲まれて尖頭を有する錐を整列形成した金属基板に、当該基板より相対的に高温のガスを吹き付けて半導体膜、絶縁膜、金属膜のいずれか、またはこれら複数種の膜を形成させることにより当該斜面に半導体との接合または半導体と半導体同士の接合が形成されたことを特徴とする。
本発明によれば、斜面で囲まれた尖頭を有する錐を整列形成した金属基板に、当該基板より相対的に高温のガスを吹き付けて2層以上の半導体膜を形成させるので、当該斜面にpn接合を形成できる。
また、金属基板の斜面に形成する半導体膜はシリコン、またはシリコンカーバイドを含む膜から形成された多層構造であることが望ましい。
また、上記錐の横断面の形が、3角形、4角形、6角形を含む多角形か、または丸であってもよい。
上記金属基板が鉄またはアルミニュームのいずれか、または両方を含んでもよい。
上記尖頭を有する錐は、上記金属基板を屈曲させて形成することができる。
また、上記金属基板において、尖頭を有する錐を整列形成した尖頭錐領域があり、当該尖頭錐領域を横切る平坦溝領域とともに、当該先頭錐領域を囲う平坦な周辺平坦領域があり、当該周辺平坦領域には孔または凹凸の模様を配置してあることを特徴とする。
上記模様は直線で形成されうる。
また、多数の上記錐が形成された領域を囲う峰、または当該領域を分離する溝、または交差する当該溝を配置してもよい。
本出願の第2の発明は、斜面で囲まれて尖頭を有する錐を整列形成した金属基板の一部を遮蔽する板またはシートを当該金属基板にマスクとして被せ、当該金属基板と当該マスクを同期させて共に移動させる機構により、遮蔽部に膜を付着させないことを特徴とする製造装置である。
また、この製造装置は、上述の金属基板の支持台より相対的に高い温度のガスを吹き付けて半導体膜、絶縁膜、金属膜のいずれか、またはこれら複数種の膜を形成させることにより当該基板に半導体接合装置を形成させることを特徴とする。
上述のガスは、熱分解して膜を堆積させるガスを含むことを特徴とする。
また、上述のガスは、当該膜に不純物をドーピングさせるガスを含むことができる。
上述の膜を体積させるガスは、シリコンまたは炭素または水素の元素のいずれか、または複数を含んでもよい。
上述の金属基板は、それが巻きつけられたロールから供給され、またそれがロールに巻きとられて回収されるものであってもよい。
上述の金属基板を屈曲させるプレス機構を有することが望ましい。
上述のマスクは、それが巻きつけられたロールから供給され、またそれがロールに巻きとられて回収されることを特徴とする。
本出願に係る第3の発明は、上述の金属基板を用いた太陽電池である。
本出願の第1の発明によれば、屈曲させて尖頭を有する錐を整列形成した金属基板の斜面に半導体pn接合を形成した基板形成が可能になる。屈曲により光の反射を防止させながら、与えられた限られた基板面積の中で長い光路長を確保することが可能になる。
また、屈曲自在のアルミニュームまたは鉄を含むシートまたは板を基板として用いるとロールから原料基板を供給し、それにpn接合を形成させてその基板をロールに巻き取る製造方法と製造装置が可能になる。シート状の基板に対して、ロールから供給されるシート状のマスクを接触させ、基板と同期して同時に移動させると、マスクのセット、膜の成長、マスクのロール巻き取り回収という基本の膜成長工程が連続して可能になる。
さらに、金属基板の尖頭錐領域の周辺部分の平坦面の部分に直線状の孔や凹凸を配置することにより、それを基板の位置座標として用いるとともに位置決め物差しとして基板を正確に移動させることが可能である。基板に鉄などの磁性材料を用いると孔の位置を磁気ヘッドで読み取ることも可能になる。鉄を含む基板を用いると電磁誘導加熱の方法で基板を部分的に加熱することも、時間的に制御して加熱することも可能である。
基板の孔や凹凸模様を位置情報として使うとともに、マスクを接触させて被せるときの位置合わせのための勘合突起や孔としても利用できる。ガスを吹き付けて膜を選択的に成長させるときのマスクは、尖頭錐領域に半導体層領域を形成するための中抜きマスクが可能であり、マスクを支持する枠としての稜は当該領域を囲う平坦部に下ろすことが可能である。半導体層を形成すべき領域をマスクする周辺抜きマスクのときは、マスクの形を支持する稜は十字に配置させて当該領域を横切る平坦溝部に下ろすことが可能である。
本出願の第2の発明によれば、金属基板の尖頭錐領域の上に、基板の支持台温度より相対的に高い温度でガスを吹き付けて、堆積性のあるガスを熱分解させて結晶薄膜を堆積させる装置が可能である。
また、ドーピングが可能であるので、同装置は薄膜のpn接合、ヘテロ接合形成を可能にさせる。同じ機構でSiO絶縁膜の形成も可能であるので、同装置により絶縁膜で周辺を保護されたpn接合を金属基板の尖頭錐領域の上に製造することが可能である。
さらに、金属基板をロールから供給して屈曲加工や孔加工をプレスで行い、膜形成と加熱処理を連続して行い、処理の終了した金属基板をロールに巻き取り回収することが可能である。勿論、予め加工を施した基板をロールから供給することも自由である。
これによって、金属基板がシート状で連続供給されると結晶成長させたくない領域をマスクするマスクも連続供給することが製造技術的に簡単になる。マスクを金属シートで形成してマスク自身もシートとしてロール供給、ロール回収することが可能である。金属基板を1のシート、マスクを2のシートとすると上に述べた位置合わせの突起と孔で機械的な勘合により、金属基板とマスクを重なる2枚のシートとして移動させることも可能になる。
本出願の第3の発明によれば、尖頭錐の整列配置された金属基板の上に太陽電池を安価に高速で製造可能である。金属基板であるので、堅牢な装置となり、設置や維持費用の節約になる。
図1は基板を相対的に吹き付けガス温度より低温に維持したまま、膜を成長させる装置構造の模式的平面図である。 図2は基板を吹き付けガス温度より相対的に低温に維持して基板表面を加熱する装置構造の模式的断面図である。 図3は、表面に尖頭凹凸加工処理をした金属シート基板に結晶膜を高温ガス吹き付け装置で形成した太陽電池の模式断面図であって、(A)はSiC/n−Si/p−Si/SiC/金属の構造を示し、(B)はn−Si/p−Si/金属の構造を示す。 図4は、欠陥や界面準位などを無視したSiC/n−Si/p−Si/SiC/金属構造のバンドダイヤグラム模式図であって、(A)は光が当たる前を示し、(B)は光が当たったときを示す。 図5は、n−Si/p−Si/金属構造のバンドダイヤグラム模式図であって、(A)は光が当たる前を示し、(Bは)光が当たったときを示す。 図6は、太陽電池の製造工程例の模式図である。 図7は、図6に続く太陽電池の製造工程例の模式図である。 図8は、図7に続く太陽電池の製造工程例の模式図である。 図9は、プレス51で尖頭錐加工した金属シートの平面模式図である。 図10は、プレス51で尖頭の凹凸加工した金属シートのX1X1断面構造を示す図である。 図11は、pマスクを被せた構造の模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)はX2X2断面図を示す。 図12は、図11(A)に示す平面図におけるY2Y2の断面図である。 図13は、pマスクを外した構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X3X3断面図を示す。 図14は、nマスクを被せた構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X4X4断面図を示す。 図15は、nマスクを回収した構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X5X5断面図を示す。 図16は、コンタクトマスク(Cマスク)を被せた構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)はX6X6断面図を示す。 図17は、SOG焼成シリコン酸化膜を形成させコンタクト窓を形成した構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X8X8断面図を示し、(C)は、X9X9断面図を示す。 図18は、透明電極マスクを被せた構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X10X10断面図を示す。 図19は、透明電極を成長させた構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X11X11断面図を示す。 図20は、電極マスクを被せた構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X12X12断面図を示す。 図21は、電極ラインを形成した構造模式図であって、(A)は平面図を示し、(B)は、X13X13断面図を示す。 図22は、太陽電池のカセット式製造工程ユニット例の模式図である。 図23は、アモルファスシリコン太陽電池の基本構造を示す模式図である。
本発明を実施するための最良の形態について、図1乃至図3を用いて説明する。本実施形態では、基板を低温に維持したままで、その上に結晶膜を形成させる。これによって、金属基板上にシリコン結晶膜を成長させることができるようにし、上述の課題を解決する。
基板より高い温度のガスを作り、そのガスに基板を接触させると表面が停滞層を介して加熱されて、基板全体はガスの温度ほどには加熱されない。これが表面を加熱するまたは加熱されたガスに接触させ、基板の内部または裏面の温度を相対的に低温に維持する解決方法の原理である。
本解決方法に用いる結晶薄膜の成長装置の基本原理図を図1に示す。図1は基板を吹き付けガス温度より相対的に低温に維持したまま、膜を成長させる装置構造の模式図である。図2は基板を吹き付けガス温度より相対的に低温に維持して基板表面を加熱する装置構造の模式図である。成長装置を説明する。ガスを加熱器13で加熱して、例えばこの場合、二つの高温ガス12を作り出す。高温ガス12はアパーチャー14にあたり、ノズル15から吹き出る。このときのガスは窒素、アルゴン、ヘリュームなどの不活性ガスのほか水素などの還元ガスを選ぶことができる。二つの高温ガス12が出会う場所にシラン16を加熱しないで導く。シラン16は手前の途中熱分解の量を少なくさせるように加熱器13を通さず石英管17を通して導かれる。
シラン16は加熱された高温ガスが作る高温の空間18で高温ガス12に触れて分解活性種を作り出す。モノシランSiHであればガスの例えば温度が600℃で、またジシランSiは例えば570℃で、トリシランであれば例えば500℃でポリシリコンを成長させることができる。分解活性種は高温ガスより低温の支持台10の上に保持された基板11に接触すると、シリコン膜19を堆積させる。即ち、図1に示す装置は基板11をガス温度より相対的に低温に保持したままシリコン膜19を熱CVD(化学気相成長)で成長させる。シランの中にフォスフィンPHを不純物として混合させるとn型シリコンが成長する。ジボランBを混合させるとp型シリコンが成長する。シランと共にアセチレンCを混合するとシリコンカーバイドSiC膜が高温ガスの温度750度で成長する。またこれと同時にフォスフィンを混合するとn型のSiCが成長する。シリコンカーバイドはシランとアセチレンの代わりにアルキルシランを導入しても例えば800ºCで成長させることできる。
シランとともにNOのガスを導入すると高温ガスの温度が700℃でシリコン酸化膜が成長する。またアンモニアNHを同時に導入するとシリコン窒化膜が成長する。
基板は、基板を保持する支持台10からの冷却効果により、高温ガスより相対的に低い温度に保持される。例えば、ポリシリコンを成長させるとき、高温ガスの温度が600℃でもカーボン製の支持台に置かれた金属板を300℃に維持したまま、シリコン膜を成長させることができる。
次に高温ガスを吹き付けて基板11の表面を熱処理する装置を図2で説明をする。ガスを加熱器13で加熱して二つの高温ガス12Aと12Bを作り出す。
例えば高温ガス12Aは30SLMで、12Bは3SLMで基板11にあてる。流速が早いガス12Aはビーム状に垂直に近い形で当たり、薄い停滞層ができる。薄い停滞層はガスの熱を基板表面によく伝達させるのでガスの温度を表面によく伝える。流速の遅いガス12Bは相対的に厚い停滞層を作るので相対的に熱伝達の効率が低い。従って、相対的に12Aが作る温度より低い表面温度を基板上に作る。ガス12Aは流量が大きいので12Bのビームを外側に曲げる。基板表面に例えばスピンオングラスが塗られているとき基板をガス12B側から挿入移動させると低温の処理をまず先行して行い溶剤(例えばアルコール)を揮発させ仮焼成を行い、ガス12Aを通過することで相対的により高温のアニール処理がされて焼成が完全に行われる。揮発した溶剤はガス12Bの曲げられた方向に排出される。熱を加えるだけでなく、材料を熱処理で1方向に除くためには、このように2系統のガス流量のバランスを不均等にするのが有効である。これを多段に組み合わせる加熱法も被材料に依存して有効である。
水分に親和力がある材料を除く目的の熱クリーニング処理をするためには、水分を含ませた高温ガスの吹き付けが有効である。
次にプレスで表面に凹凸加工処理を施した金属基板21に積層で結晶シリコン膜を成長させたサンプルの構造の模式図を図3に示す。p型シリコン層22、n型シリコン層23、n型シリコンカーバイト層24、透明電極層25を上に述べた熱CVDにより凹凸表面の金属基板上に成長させる。この場合、凹凸は尖頭を有する錐である。錐は基板の主面に対して傾いた斜面で囲まれている。錐の横断面は長方形を含む四角でもよいし、3角形であっても、6角形であっても良い。また断面は多角形でなく、丸であっても良い。錐の頂点の隣同士の距離Wが頂点の高さHより小さい場合であっても熱CVDで成長させる薄膜結晶膜が斜面表面を覆うので図2に示した構造が可能である。即ちH/Wが1より大であっても良い。
機械加工でHは50um以上、例えば500umであっても凹凸表面の加工は可能であるので、斜面のシリコン層を伝播する光の光路長は十分長く設計できる。凹凸加工は切削であっても、プレス加工でも可能である。基板が薄いときはプレス加工で基板を屈曲させて凹凸を作ることができる。また屈曲させた表面を持つ第1の基板に第2の基板となるべき金属薄膜、例えばアルミニュームシートを押し付けて形成した積層の基板であっても良い。
ガラス基板は屈曲させて表面に深い凹凸を作ることは出来なかったのに対して、屈曲させて得た深い凹凸表面を持った金属基板の上に図1に示す高温ガスを吹き付ける熱CVDの装置により、シリコン積層膜のpn接合層を作ることが可能になった。
当該屈曲金属基板の上にp型シリコン結晶層22とp型シリコン結晶層23を成長させた断面構造模式図を図3(B)に示した。それに相当する表面準位を考慮しない単純なエネルギーバンドダイヤグラムを図5に示した。成長させるp型シリコンの不純物としてはボロン(B)を選ぶ。シリコン中のBは鉄(Fe)と結合してFeゲッターとしての役割をする。従って、金属基板がFeを含む材料から構成されるときボロン(B)の不純物がFeのゲッターとして好適である。金属基板がFeを含む材料であるとき、例えばアルミニューム(Al)の薄膜シートを上打ちした2層の多層膜構造の基板であるとき、Feはアルミニュームシートで拡散阻止されて、BとともにAlがシリコンのp型不純物として作用しても良い。
シリコンカーバイド(SiC)を積層させる例を図3(A)を示す。SiCをシリコンのpn接合の上に配置させた例である。不純物濃度に依存するバンド曲がりや欠陥などを無視して、それに相当する単純なエネルギーバンドダイヤグラムを図4に示す。SiCはワイドバンドギャップ材料であり、硬い材料でもあるので、光の窓材としても汚染や不純物拡散の防止膜としても作用するので、シリコンと積層にすることで長期使用の信頼性を改善する特性がある。n型にドーピングするときはフォスフィンガスをドーピングガスとして用いることができる。窒素(N)は一般なn型不純物なのでアンモニア(NH3)のガスを不純物導入ガスとして選ぶこともできる。
シリコンカーバイド(SiC)層24はシリコンよりワイドバンドギャップなので、シリコンのバンドギャップ相当の波長より短波長の光を吸収する。このため、光のスペクトルの利用幅の効率が改善される。上に積層させたSiCは光生成した正孔のリペラー障壁としての効果も期待できる。
p型シリコンを金属基板の上に成長させるのに先行してSiC21を成長させても良い。しかし、p型にドーピングは困難であるのでSiC21を成長させない部分を作り金属基板とp型シリコンを電気短絡させて、光で生成された電子の部分的なリペラーとして用いることも設計できる。
上下のSiC層に短絡した部分が存在すると全体のバンドダイヤグラムは図3と図4の部分ダイヤグラムを混合したバンドダイヤグラムのごとくなるであろう。
結晶層としてシリコンとシリコンカーバイドを積層させる半導体膜の積層例をしめしたが、本成長技術では他の材料の積層も可能である。
シランとゲルマンガスGeHを同時に入れるとゲルマニュームとシリコンの混晶膜が成長する。
シリコンとゲルマニュームは混合可能な結晶系である。ゲルマニュームはシリコンに歪を与えて電子構造を変化させるので、適度な比率のとき太陽光を効率よく吸収させるのに有効である。任意の組成が可能であるのでゲルマニュームの混合量を膜の厚み方向に変化させると傾斜構造の薄膜を形成できる。
以上、低温に保持した屈曲金属基板の上に基板より相対的に高温のガスでシランを熱分解させることによりシリコン結晶膜を成長させてpn接合を作る発明を説明した。これにより、長い光路長を確保できる薄膜結晶の太陽電池を金属板の上に作製することが可能となった。シランとしてはモノシラン(SiH)やジシラン(Si)、トリシラン(Si)を用いることができる。また水素との化学反応の助けをかりて熱分解させるときは塩化シランを用いることも可能である。
pn接合を安定に保持するにはpn接合の界面が外に顔を出す部分には絶縁膜を形成することが必要である。先に述べたシリコン酸化膜やシリコン窒化膜をシランと酸化ガス、シランと窒化ガスから成長させることが可能である。さらに簡単には酸化膜の場合、必要な部分にスピンオングラス(SOG)をスプレイや塗布の方法で付着形成させ、それを例えば300℃でアニールするという方法でも絶縁膜が形成できる。
電極膜も付着形成とアニールの方法で形成できる。n型シリコン結晶層の上の透明電極25を、例えばZnO塗布材料をインクジェットの方法や塗布の方法で付着させ形成することが可能である。まず、吹き付け付着させたあと加熱して溶剤を揮発させる。次に基板より高い温度、例えば600℃の高温窒素ガスを吹き付けて完全焼成することによりZnOの透明電極を形成できる。吹き付ける部分を打ち抜いた金属マスクを被せて行うと、打ち抜いたマスクのパタンの透明電極パタンができる。
以上述べた方法により成膜が相対的に低温で行われると、製造技術的に利益がある。まず、金属の基板が利用できるので、金属基板を巻きつけたロールから基板の連続供給が可能になる。金属基板がシート状で連続供給されると膜を成長させたくない領域をマスクするマスクも異なる金属や同じ金属で製作して連続供給することが製造技術的に簡単に可能になる。金属基板に孔や突起を設けて、その孔や突起と合うように金属マスクの側に対応する孔や突起を設けることで簡単に基板とマスクの位置合わせができる。
次に、屈曲させて尖頭のある錐を整列形成した金属基板に太陽電池を作る工程実施例を図6に示す。
図6において、金属基板はロール550に巻かれたステンレス板金である。ステンレス板金は鉄、クロム、ニッケルの元素を含む。基板はアルミニュームを含む他の金属であっても良い。また基板はこれらの金属の積層したものでも良い。金属基板は曲がるので、その特徴を現すようにここでは以後これを金属シート60と呼ぶ。金属シート60はロール551で方向を変えて屈曲を与えるプレス552に進む。
プレスした基板の平面図を図9に示す。プレス552により屈曲させて太陽電池の半導体膜を形成する領域に尖頭のある錐(以後、これを錐と記す)を整列して配置した領域(整列尖頭錐領域)61を形成した。尖頭とは底部より先の細くなった形を意味するが、先が丸くなっていても、一部平坦になっている場合も含む。錐とは先が細い多面体または円錐を意味する。シート60の長手方向周辺の平坦部分に必要な座標となる孔マーク62と凹凸マーク63を形成した。整列尖頭錐領域61を横切るように底が平坦な谷の溝部(平坦溝部)64を形成した。領域61周辺の平坦な領域には基板の位置移動のための駆動力を伝える駆動孔68と一定間隔を与える間隔孔65が同じ間隔で形成された。
さらに、マスクの位置を載せるだけで決まるための錐形状のアラインメント突起66が配置されて金属シートが形成された。錐と突起66の横断面は多角形でも丸でも設計は自由であるが、ここでは正方形を選んだ。整列尖頭錐領域61を囲むように稜67が形成された。
図9に示した平面図のX1X1断面図を図10に示す。錐の頂点と頂点の距離Wと錐の高さHは設計事項である。錐は四角錐として、頂点と頂点の距離は1mm,錐を形成する斜面72同士の角度が60度に設計した。ここでは、錐が見えるように描くための紙面の都合上、錐の数とその領域は限られた数と面積で示したが、設計により自由に多数配置して拡張できる。また、平面形状の寸法はWの1/2をデザインルール(設計寸法の単位)として全体を描いた例を示したが、デザインルールを用いずに自由に平面寸法を設計することができる。
プレスによる尖頭錐の形成工程ユニットのあと、金属シートは汚れを取るための洗浄のための高温ガス吹出し加熱器553の下を通る。加熱器553の基本構造は図2に示した。水を窒素でバブリングさせて水分を含む高温の窒素ガスを吹き付けることで、油やゴミを取り除く効率を改善する。2つの高温窒素ガスの12Aは30SLM,12Bは3SLMとし、ガスの温度は例えば設定250℃である。
このあとP型半導体成長工程ユニットに進む。ここではまずpマスクを被せる。pマスクはp型半導体層を成長させる領域を決めるためのマスクである。p型半導体はp型シリコンである。pマスク81と金属シートとのかぶさりを表す平面図を図11(A)に示した。pマスク81の材料は例えば不透明石英である。熱膨張率の違いによる寸法や位置のずれを少なくするために金属基板と同じ材料、または熱膨張率を近づけた別の材料を用いることも可能である。
ポリシリコンが付着するので当該マスクは洗浄する必要がある。一定の厚みのポリシリコンがついたあと、廃棄する製造管理法を用いるときは安価な金属、例えばアルミニュームなどの金属でも良い。4箇所にあるマスクアラインメント孔82にマスクアラインメント突起66が貫通してマスクが位置合わせされる。
図11(B)はその様子を示す。マスクと基板の位置が合っていることは位置合わせ確認孔83を貫通して光で透過型ホトセンサーで分かる。マスクの位置合わせ確認孔83を設計して孔の有無を設計すると、デジタル信号の列として扱うコードとすると、マスクの種類や仕様の区別と管理データとして用いることもできる。
これを表現するために図11では、異なる配置の位置合わせ確認孔83を用いたことを示した。pマスク81を被せたあと送り機構554により金属シートを移動させる。マスクは金属シートとともに移動する。金属シートを移動させながらp型シリコン成長ガス吹き付け装置555によりp型シリコンを成長させる。
図1に成長ガス吹き付け装置555の原理的構造を既に示した。加熱器13はカーボンにSiCのコーテングをしてゴミの発生と酸化を抑制する材料構造とした。カーボン加熱器の加熱はそれを貫く2.2KWの赤外ランプで行った。窒素ガスはカーボン加熱器に閉じ込められて左右の主面を沿うように2系統に分かれる。分かれたガスがさらに10の系統の細い流れに分かれ、その細い流れがカーボンと垂直衝突をしてまた一つになる。これを10回繰り返して進み、それぞれが主表面で合流する。
表面にそって加熱されたガス12は1mmX180mmの断面形状を持った2系統の高温ガスビームとなり加熱器13を出る。左右2系統の高温ガスビームである窒素ガス12の合計流量は10SLMとした。窒素ガスを設定600℃の加熱器13で加熱して二つの600℃ガス12を作り出す。
ガス12はアパーチャー14にあたり、ノズル15から吹き出る。二つのガス12が出会う場所に窒素で1%に希釈したモノシラン16を1SLMで加熱器13を通さない石英管17で導いた。モノシラン16の流れには1%に窒素で希釈したジボランBを10SCCMの流量で合流させてp型ドーパントを合流させて導入した。
シラン16とドーパントガスは加熱されたガス12が作る高温の空間18で600℃の窒素ガスに触れて分解活性種を作り出す。この場合、モノシランSiHであればガスの温度が600℃かそれ以上で活性種がよく発生してポリシリコンがよく成長する。以上の処理を行うことによりp型ポリシリコンがマスクの上と金属シート上に成長した。されに低温のポリシリコンの成長にはモノシランに代えて高次のシランを用いることができる。ジシランSiは例えば570℃で、トリシランSiは例えば500℃で、よくポリシリコンを成長させることができる。
シランと共にアセチレンCを混合するとシリコンカーバイドSiC膜を高温ガスの温度750度で成長させることができるので、p型シリコンの成長に先立ってSiCを例えば50nm成長させて、金属シートからの金属の拡散防止をさせる材料設計をすることもできる。p型シリコン膜の成長が終わったあと、pマスク81を回収する。
図12に図11(A)のY2Y2の断面を示す。リフトピン84が間隔孔65を貫通してリフトピン孔85にドッキングする。ピン84がさらに押し上げ、金属シート60からマスク81を分離する。図示しない回収アームでマスク81の横を押さえてマスクを回収する。回収したマスクは図示しないマスクカセットに収納される。
図13(A)にマスクが回収された金属シート60の平面図を示す。マスクの開口した表面にp型シリコン91が成長している。X3X3断面構造を図9(B)に示す。表面の尖頭を有する錐の斜面72にそってp型シリコン91が成長する。pマスク回収したあとnマスクをセットする。
nマスクはn型半導体層を成長させる領域を決めるためのマスクである。n型半導体はここではn型シリコンである。nマスク101と金属シートとのかぶさりを表す平面図を図14(A)に示した。nマスク101の材料は例えばアルミニューム板である。4箇所にあるマスクアラインメント孔102にマスクアラインメント突起66が貫通してマスクが位置合わせされる。図14(B)はその様子を示すX4X4断面図である。マスクと基板の位置合わせは位置合わせ確認孔103で確認する。
nマスク101を被せたあと送り機構554により金属シートを移動させる。金属シートを移動させながらn型シリコン成長ガス吹き付け装置556によりn型シリコンを成長させる。二つのガス12が出会う場所に窒素で1%に希釈したモノシラン16を1SLMで加熱器13を通さない石英管17で導いた。モノシラン16の流れには1%に窒素で希釈したホスフィンPHを10SCCMの流量で合流させてn型ドーパントを合流させて導入した。シラン16とドーパントガスは加熱されたガス12が作る高温の空間18で600℃の窒素ガスに触れて分解活性種を作り出し、n型シリコンがマスク開口部に成長する。
n型シリコン膜の成長が終わったあと、nマスク101を回収する。マスクの回収は、pマスク回収と同じ手順であるので記述しない。
図15(A)にnマスクが回収された金属シート60の平面図を示す。マスクの開口した表面にn型シリコン111が成長している。X5X5断面構造を図15(B)に示す。表面の尖頭錐の斜面72にそってn型シリコン111が成長する。nマスク回収したあとコンタクトマスク(Cマスク)121をセットする。
Cマスク121はn型半導体層にコンタクトをさせる窓を開口して、pn接合の界面端をカバーするように絶縁膜を成長させる領域を決めるためのマスクである。Cマスクは中央のコンタクト窓となるべき領域を覆う。Cマスク121と錐形成した金属シートとのかぶさりを表す平面図を図16(A)に示した。Cマスク121の材料は例えばステンレス板である。中央にある錐を十字に横切るクロス溝部64にマスクの稜122が位置が合わせられる。4箇所にある孔マーク62を参照してクロス溝54にマスク稜は図示しないマスク搬送アームで正確に置かれる。図16(B)はその様子を示すX6X6断面図である。
Cマスク121を被せたあと送り機構554により金属シートを移動させる。金属シートを移動させながらSOGスプレイ塗り装置557によりSOG(図示しない)をスプレイする。スプレイのあとCマスク121を回収する。
回収のあと送り機構554により金属シート60を移動させる。移動させながら焼成アニール装置558によりSOGの溶剤揮発を高温ガス12Bで行い、焼成アニールを高温ガス12Aで行う。例えば高温ガス12Aは30SLMで相対的に高温ガス12Bより流速の早いビーム状に当てて吹き付ける。高温ガス12Bは3SLMで相対的に高温ガス12Aより低速で金属シートにあてる。ガス温度は300℃とした。相対的に低いシート表面温度を作るガス12Bでアルコール(IPA)が蒸発し、そのあと相対的に高い表面温度に到達する12Aで照射されてSOGは焼成されて固まる。
焼成されるとSOGはシリコン酸化膜131である。Cマスク121で覆われた領域はn型シリコンが露出して周りは接合部を含めてSOGが焼成されて形成されたシリコン酸化膜131で被覆される。
図17(A)にSOG焼成のシリコン酸化膜131を形成させてコンタクト窓132が形成された平面構造を示す。コンタクト窓132にはn型シリコン111が露出している。X8X8断面構造を図17(B)に、X9X9断面構造を図17(C)に示す。Cマスク131を回収したあと透明電極マスク(Tmマスク)141をセットする。
Tmマスク141は、露出したn型半導体層に透明電極膜をコンタクトをさせ、かつ絶縁膜と露出させたn型半導体の境目を覆う窓を開口してある。Tmマスク141と金属シートとのかぶさりを表す平面図を図18(A)に示した。Tmマスク141の材料は例えばアルミニュームである。4箇所にあるマスクアラインメント孔142にマスクアラインメント突起66が貫通してマスクが位置合わせされる。図18(B)はその様子を示すX10X10断面図である。マスクと基板の位置合わせは位置合わせ確認孔143で確認する。
Tmマスク141を被せたあと送り機構554により金属シート60を移動させる。金属シート60を移動させながら透明電極材料のZnO塗布原料をスプレイ塗り装置559によりZnOをスプレイする。スプレイのあとTmマスク141を回収する。スプレイされたZnO膜(図示しない)が残る。
Tmマスク回収のあと送り機構554により金属シート60を移動させる。移動させながら低抵抗化アニール装置560によりZnO塗布膜の溶剤揮発を窒素の高温ガス12Bで行い、低抵抗化アニールを窒素の高温ガス12Aで行う。例えば高温ガス12Aは30SLMで相対的に高温ガス12Bより流速の早いビーム状に当てて吹き付ける。高温ガス12Bは1SLMで相対的に高温ガス12Aより低速で金属シートにあてる。ガス温度は600℃とした。相対的に低いシート表面温度を作るガス12Bで溶剤が蒸発し、そのあと相対的に高い表面温度に到達する12Aで照射されてZnOの中の不純物(例えばアルミニュームAl)が移動して低抵抗化処理が完了したZnO膜151が形成される。
図19(A)に透明電極を形成させた構造の平面図を示す。n型半導体層(n型シリコン111)に透明電極膜(低抵抗化処理のZnO膜151)をコンタクトさせ、かつ絶縁膜(シリコン酸化膜131)とn型半導体の境目を覆う透明電極が形成された。X11X11断面構造を図19(B)に示す。Tmマスク151を回収したあと電極ラインマスク(Mマスク)161をセットする。
Mマスク161は、透明電極膜に電極となるラインを形成する窓を開口してある。Mマスク161と金属シートとのかぶさりを表す平面図を図20(A)に示した。Mマスク161の材料は例えばアルミニュームである。4箇所にあるマスクアラインメント孔162にマスクアラインメント突起66が貫通してマスクが位置合わせされる。
図20(B)はその様子を示すX12X12断面図である。マスクと基板の位置合わせは位置合わせ確認孔163で確認する。Mマスク161を被せたあと送り機構554により金属シート60を移動させる。金属シート60を移動させながら電極材料の銀塗布原料をスプレイ塗り装置561により銀をスプレイする。スプレイのあとMマスク161を回収する。スプレイされた銀膜(図示しない)が残る。
Mマスク回収のあと送り機構554により金属シート60を移動させる。移動させながら金属アニール装置562により銀塗布ライン(図示しない)の溶剤揮発を窒素の高温ガス12Bで行い、酸化膜破壊のためのアニールを水素の高温ガス12Aで行う。例えば高温ガス12Aは30SLMで相対的に高温ガス12Bより流速の早いビーム状に当てて吹き付ける。高温ガス12Bは1SLMで相対的に高温ガス12Aより低速で金属シートにあてる。ガス温度は600℃とした。相対的に低いシート表面温度を作るガス12Bで溶剤が蒸発し、そのあと相対的に高い表面温度に到達する12Aで照射されて銀の粒子の酸化皮膜を破壊して低抵抗化処理が完了した電極ライン171が形成される。
図21(A)に電極ラインを形成させた構造の平面図を示す。また、このX13X13断面構造を図21(B)に示す。
以上の処理が終わった金属シートは太陽電池セルユニット563が作製されたシートである。回収する工程に移る。回収は切断機64で切断して金属シート60を個別に切り離して太陽電池セルユニット563が回収される。切断しないときは、金属シート60を金属シート回収ロール565に回収される。
以上は連続したシートに太陽電池セルユニットを作製する例であった。連続させず、尖頭を有する錐を形成した金属基板シート60を個別のシートに切り離して供給して個別に工程ユニットを行う実施例を図22に示す。尖頭錐形成の加工の済んだ金属シート基板180を基板供給カセット181にセットする。カセット181は上下に移動する。基板押し出し機182で基板180を押しだして基板送り機構183の突起184を間隔孔65に貫通させる。
マスク186を被せたあと基板が送られる。送りベルト185で基板は移動させる。ガス吹き付け装置187により膜形成、あるいはアニールの処理工程を行う。処理工程は例えば、既に上述したシリコン膜形成、絶縁膜形成、電極膜形成工程である。ここでは膜188を形成させた例を示す。吹きつけ工程が終わったあとマスク186を外して回収する。処理した基板189は上下できる基板回収カセット190に収納する。
以上、個別の金属シート基板にガス吹き付け処理を個別に行い、処理基板を回収する例を示した。
本発明は、薄膜型太陽電池を廉価に大量生産する工程に適用できる。
10 支持台
11 基板
12 高温ガス
12A 高温ガス
12B 高温ガス
13 加熱器
14 アパーチャー
15 ノズル
16 シラン
17 石英管
18 高温の空間
19 シリコン膜
20 プレスで凹凸表面を作った金属基板
21 SiC結晶層
22 p型シリコン結晶層
23 n型シリコン結晶層
24 n型SiC層
25 透明電極層
60 金属シート
61 整列尖頭錐領域
62 孔マーク
63 凹凸マーク
64 平坦溝部
65 間隔孔
66 マスクアラインメント突起
67 稜
68 駆動孔
69 シートの周辺平坦部
71 錐
72 錐の斜面
81 Pマスク
82 マスクアラインメント孔
83 位置合わせ確認孔
84 リフトピン
85 リフトピン孔
91 P型シリコン
101 nマスク
102 マスクアラインメント孔
103 位置合わせ確認孔
111 n型シリコン
121 Cマスク
122 Cマスク稜
131 シリコン酸化膜
132 コンタクト窓
141 透明電極マスク(Tmマスク)
142 マスクアラインメント孔
151 透明電極ZnO膜
161 電極ラインマスク
162 マスクアラインメント孔
163 金属ライン窓
171 電極ライン
180 尖頭錐加工をした金属シート基板
181 基板供給カセット
182 基板押し出し機
183 基板送り機構
184 突起
185 送りベルト
186 マスク
187 ガス吹き付け装置
188 膜
189 処理した基板
190 基板回収カセット
550 金属シート基板供給ロール
551 ロール
552 プレス
553 高温ガス吹出し加熱器
554 送り機構
555 p型シリコン成長ガス吹き付け装置
556 n型シリコン成長ガス吹き付け装置
557 SOGスプレイ塗り装置
558 焼成アニール装置
559 ZnOスプレイ塗り装置
560 低抵抗化アニール装置
561 銀スプレイ装置5
562 金属アニール装置
563 太陽電池セルユニット
564 切断機
565 金属シート回収ロール

Claims (17)

  1. 斜面で囲まれて尖頭を有する錐を整列形成した金属基板に、当該基板より相対的に高温のガスを吹き付けて半導体膜、絶縁膜、金属膜のいずれか、またはこれら複数種の膜を形成させることにより当該斜面に半導体との接合または半導体と半導体同士の接合が形成された基板。
  2. 前記金属基板の斜面に形成する半導体膜はシリコン、またはシリコンカーバイドを含む膜から形成された多層構造であることを特徴とする請求項1記載の基板。
  3. 前記錐の横断面の形が、3角形、4角形、6角形を含む多角形か、または丸であることを特徴とする請求項1または2記載の基板。
  4. 前記金属基板が鉄またはアルミニュームのいずれか、または両方を含むことを特徴とする請求項1乃至3記載の基板。
  5. 前記尖頭を有する錐は前記金属基板を屈曲させて形成したことを特徴とする請求項1乃至4記載の基板。
  6. 前記金属基板において、尖頭を有する錐を整列形成した尖頭錐領域があり、当該尖頭錐領域を横切る平坦溝領域とともに、当該先頭錐領域を囲う平坦な周辺平坦領域があり、当該周辺平坦領域には孔または凹凸の模様を配置してあることを特徴とする請求項1乃至5記載の基板。
  7. 前記模様は直線で形成されていることを特徴とする請求項1乃至6記載の基板。
  8. 多数の前記錐が形成された領域を囲う峰、または当該領域を分離する溝、または交差する当該溝を配置したことを特徴とする請求項1乃至7記載の基板。
  9. 斜面で囲まれて尖頭を有する錐を整列形成した金属基板の一部を遮蔽する板またはシートを当該金属基板にマスクとして被せ、当該金属基板と当該マスクを同期させて共に移動させる機構により、遮蔽部に膜を付着させないことを特徴とする製造装置。
  10. 前記の金属基板の支持台より相対的に高い温度のガスを吹き付けて半導体膜、絶縁膜、金属膜のいずれか、またはこれら複数種の膜を形成させることにより当該基板に半導体接合装置を形成させることを特徴とする請求項9記載の製造装置。
  11. 前記のガスは熱分解して膜を堆積させるガスを含むことを特徴とする請求項10記載の製造装置。
  12. 前記のガスは当該膜に不純物をドーピングさせるガスを含むことを特徴とする請求項10または11記載の製造装置。
  13. 前記の膜を体積させるガスはシリコンまたは炭素または水素の元素のいずれか、または複数を含むことを特徴とする請求項10乃至12記載の製造装置。
  14. 前記の金属基板は、それが巻きつけられたロールから供給され、またそれがロールに巻きとられて回収されることを特徴とする請求項9乃至13記載の製造装置。
  15. 前記の金属基板を屈曲させるプレス機構を有することを特徴とする請求項9乃至14記載の製造装置。
  16. 前記のマスクはそれが巻きつけられたロールから供給され、またそれがロールに巻きとられて回収されることを特徴とする請求項9乃至15記載の製造装置。
  17. 請求項1乃至8に記載の前記金属基板を用いた太陽電池。
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