JP2010192342A - 熱陰極ランプおよび照明装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 螺旋状のフィラメントを用いた場合において、バルブ端での水銀偏りを抑制可能な熱陰極ランプおよび照明装置を提供する。
【解決手段】 ガラスバルブ1の内部には水銀が封入されているとともに、端部には一対のリード31a、31bとフィラメント32とを備えた電極マウント3が封着されている熱陰極ランプであって、フィラメント32は一対のレグ部321a、321bと、一対のレグ部321a、321bに接続された螺旋状部322とを備え、一対のレグ部321a、321bは一対のリード31a、31bにそれぞれ接続されており、ガラスバルブ1の内径rは6mm以下であるとともに、ガラスバルブ1の空間内に位置するリード31a、31bとレグ部321a、321bの管軸方向の長さLは5mm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2
【解決手段】 ガラスバルブ1の内部には水銀が封入されているとともに、端部には一対のリード31a、31bとフィラメント32とを備えた電極マウント3が封着されている熱陰極ランプであって、フィラメント32は一対のレグ部321a、321bと、一対のレグ部321a、321bに接続された螺旋状部322とを備え、一対のレグ部321a、321bは一対のリード31a、31bにそれぞれ接続されており、ガラスバルブ1の内径rは6mm以下であるとともに、ガラスバルブ1の空間内に位置するリード31a、31bとレグ部321a、321bの管軸方向の長さLは5mm以下であることを特徴とする。
【選択図】 図2
Description
本発明は、バックライトなどに用いられる熱陰極ランプに関する。
従来より、室内灯などの一般照明の分野では熱陰極ランプが使用されているが、最近ではこの熱陰極ランプを液晶テレビやパーソナルコンピューターのモニターのバックライトの光源として用いる試みがなされている。
このような用途に用いる熱陰極ランプは、バックライトなどの厚みを薄くするために直径が細いことが要求される。しかし、ランプの直径が細くなると、フィラメントに塗布可能なエミッタの量が減少するために長寿命化が困難になるという問題があった。そこで、細管化、かつ長寿命の要求を実現すべく、特許文献1に示すような、管軸方向に螺旋状に巻回されたフィラメントが熱陰極ランプに使用されるようになっている。
しかしながら、特許文献1のような螺旋形状のフィラメントを用いた場合において、寿命中に中央輝度が大きく低下してしまうという問題が生じている。この問題について追求した結果、バルブの端部に水銀が偏ることが原因であることがわかった。
本発明の目的は、螺旋状のフィラメントを用いた場合において、バルブ端での水銀偏りを抑制可能な熱陰極ランプおよび照明装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の熱陰極ランプは、バルブの内部には水銀が封入されているとともに、端部には一対のリードとフィラメントとを備えた電極マウントが封着されている熱陰極ランプであって、前記フィラメントは一対のレグ部と、前記一対のレグ部に接続された螺旋状部とを備え、前記一対のレグ部は前記一対のリードにそれぞれ接続されており、前記バルブの内径rは6mm以下であるとともに、前記バルブの空間内に位置する前記リードと前記レグ部の管軸方向の長さLは5mm以下であることを特徴とする。
本発明によれば、螺旋状のフィラメントを用いた場合において、バルブ端での水銀偏りを抑制することができる。
(第1の実施の形態)
以下、本発明の実施の形態を図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の熱陰極ランプの全体図、図2は、熱陰極ランプの拡大図であり、(a)は側面図、(b)は図1の直線X−X’の断面を矢印方向から見た図である。
以下、本発明の実施の形態を図を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の第1の実施の形態の熱陰極ランプの全体図、図2は、熱陰極ランプの拡大図であり、(a)は側面図、(b)は図1の直線X−X’の断面を矢印方向から見た図である。
本実施の形態の熱陰極ランプは、図1に示すように、例えば、硬質ガラスからなるガラスバルブ1を備えている。ガラスバルブ1は、発光部11と封止部12とで構成されている。発光部11は、外径R=3mm〜7mm、内径r=2mm〜6mmであるガラス筒であり、ガラスバルブ1の中央部分に位置している。封着部12は、ガラスバルブ1内に気密な内部空間を形成するためのガラス溜まりであり、発光部11の両端部分に位置している。
このガラスバルブ1の内部空間には、放電媒体が封入されている。放電媒体は、ネオン、アルゴン、キセノン、クリプトンなどの希ガスを単体または混合してなるガスと水銀とで構成されている。また、発光部11の内面には、例えば、RGBの3波長蛍光体からなる蛍光体層2が形成されている。
封止部12には、図3に示すような、電極マウント3が位置している。この電極マウント3は、リード31a、31b、フィラメント32、エミッタ33およびビーズ34で構成されている。
リード31a、31bは、線径=0.2mm〜0.6mmの金属線であり、封止部12部分に封着され、一端はガラスバルブ1内に、他端はガラスバルブ1外に導出されている。このリード31a、31bのガラスバルブ1内部に配置される先端部には、プレス加工により、平坦部311a、311bが形成されている。この平坦部311a、311bは、図2(b)に示すランプの断面において中心を通る直線Y−Y’上に、その長手方向が位置するように配置されている。
フィラメント32は、一対のレグ部321a、321bと螺旋状部322とで構成されている。レグ部321a、321bは、例えば、タングステンやモリブデンなどの高融点金属からなる金属線を螺旋状に形成したシングルコイルであり、略平行の関係を保つように、管軸方向に延伸されている。螺旋状部322は、レグ部321a、321bから、タイミングの異なるシングルコイルをそれぞれ螺旋巻きした、いわゆるダブルヘリカルの形状となっている。具体的には、レグ部321a、321b端から互いに半ピッチだけタイミングがずれたヘリカル部322a、322bが先端方向にそれぞれ1ターン、2ターン・・・と巻回され、最終端で互いが繋がった形状であり、ヘリカル部322a、322bはその途中で接触していない。このようなフィラメント32が、リード31a、31bの平坦部311a、311bが備える一対の平坦面のうち、同一方向を向いている平坦面上に、レグ部321a、321bがそれぞれ溶接されることで一体化されている。
エミッタ33は、レグ部321a、321bの一部と螺旋状部322に形成されている。このエミッタ33は、例えば(Ba,Ca,Sr)Oと溶媒とを混合したエミッタ溶液を塗布、乾燥させることでフィラメント32の所定箇所に形成することができる。
ビーズ34は、ガラスバルブ1と同様の材料からなる球状のガラス玉であり、リード31a、31b間に跨るように、リード31a、31bのそれぞれの一軸部分を封着している。このビーズ34により、リード31a、31bの間隔が一定に保たれるとともに、電極マウント33のガラスバルブ1の端部への封着が容易になる。
このような構成の電極マウント3が、ガラスバルブ1の空間内に位置するリード31a、31bとレグ部321a、321bの管軸方向の長さLが5mm以下となるように、ガラスバルブ1の端部に封着されている。
ここで、本発明の放電ランプの実施例の一仕様を下記に示す。
(実施例)
ガラスバルブ1;硼珪酸ガラス、全長=970mm、外径R=4.0mm、内径r=3.0mm、
放電媒体;アルゴンガス、ガス圧=20torr、水銀=3.5mg、
リード31a、31b;コバール、線径=0.4mm、
レグ部321a、321b;線径=31μmのタングステン線を、内径=90μmでシングルコイル状に形成、
螺旋状部322;上記シングルコイルを、内径=1.0mmでダブルコイル状に形成し、かつそれをダブルヘリカル状に形成、管軸方向の長さ=2mm、
エミッタ33;(Ba,Ca,Sr)O、
L1=3.5mm、L2=1.5mm、L=L1+L2=5.0mm。
(実施例)
ガラスバルブ1;硼珪酸ガラス、全長=970mm、外径R=4.0mm、内径r=3.0mm、
放電媒体;アルゴンガス、ガス圧=20torr、水銀=3.5mg、
リード31a、31b;コバール、線径=0.4mm、
レグ部321a、321b;線径=31μmのタングステン線を、内径=90μmでシングルコイル状に形成、
螺旋状部322;上記シングルコイルを、内径=1.0mmでダブルコイル状に形成し、かつそれをダブルヘリカル状に形成、管軸方向の長さ=2mm、
エミッタ33;(Ba,Ca,Sr)O、
L1=3.5mm、L2=1.5mm、L=L1+L2=5.0mm。
上記実施例の熱陰極ランプとL=7mmである従来の熱陰極ランプ(従来例)を作成し、点灯試験を行った。その結果、実施例は点灯時間が経過しても中央輝度の変化が小さかったに対し、従来例は中央輝度が著しく低下していた。これは、点灯時のバルブの温度分布が関係している。すなわち、実施例と従来例の温度分布を示した図4からわかるように、実施例は中央領域に対するバルブ端の相対温度が80を超えているのに対し、従来例は相対温度が65程度と低くなり、これにより従来例は実施例と比較してバルブ端に多くの水銀が偏り、中央輝度が低下したと考えられる。
図5は、ガラスバルブの空間内に位置するリードとレグ部の管軸方向の長さ距離Lを変化させたときのバルブ端における水銀偏りについて説明するための図である。なお、×はバルブ端に大径の水銀あり、または小径の水銀多数あり、○はバルブ端に小径の水銀多少あり、◎はバルブ端に小径の水銀なしの場合を意味している。
結果からわかるように、距離Lが短いほど、水銀偏りが発生しにくくなる傾向があり、距離Lが5mm以下、さらには4mm以下になると高い効果が得られることがわかる。これは、図4の実施例と従来例の温度分布からわかるように、距離Lが短いほどバルブ端の温度が中央領域の温度に近づくことから、温度が低いところに集まる習性のある水銀がバルブ端に集まりにくくなったためである。なお、0.6mm以下の線径のリード31a、31bを用いるとさらに水銀が偏りにくくなるので好適である。
なお、本発明を実施する場合、電極マウント3が存在するガラスバルブ1内の領域には、ゲッターなどの水銀吸着材料をしないのが望まれる。これらを配置した場合、バルブ端の温度を中央領域の温度に近づけてもバルブ端に水銀が偏りやすくなるためである。また、本発明のようなバルブ端の水銀偏りは、ガラスバルブ1の内径rが6mmよりも大きなランプにおいてはあまり発生せず、つまり内径rが6mm以下のランプにおいて特に解決すべき問題である。
したがって、本実施の形態では、ガラスバルブ1の内径rが6mm以下である熱陰極ランプにおいて、ガラスバルブ1の空間内に位置するリード31a、31bとレグ部321a、321bの管軸方向の長さLを5mm以下としたことで、バルブ端における水銀の偏りを抑制することができる。
(第2の実施の形態)
図6は、本発明の第2の実施の形態の熱陰極ランプについて説明するための図である。これ以降の実施の形態の各部については、第1の実施の形態の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
図6は、本発明の第2の実施の形態の熱陰極ランプについて説明するための図である。これ以降の実施の形態の各部については、第1の実施の形態の各部と同一部分は同一符号で示し、その説明を省略する。
第2の実施の形態では、電極マウント3よりもランプ中央側であって、フィラメント32付近のガラスバルブ1に、温度低減手段として樹脂からなるOリング4を配置している。Oリング4を配置すると、その配置部分において温度が低下する。そのため、本発明と組み合わせれば、図7のように、Oリング4を装着した部分をガラスバルブ1内で最も温度が低い部分とすることができるため、バルブ端での水銀偏りをさらに抑制することができる。
なお、Oリング4をガラスバルブ1の好適な位置に設けるとさらに効果的であるので、フィラメント−Oリング間距離D1を変化させたときの水銀偏りついて試験を行った。その結果を図8に示す。
結果からわかるように、距離D1が短いほどバルブ端で水銀偏りが発生しにくい傾向があり、距離D1が100mm以下、さらには50mm以下になると高い効果が得られることがわかる。ただし、距離D1が10mmよりも短くなると、フィラメントの熱を起因とするOリング4の劣化による熱低減効果の低下や、フィラメントの熱がOリング4に奪われることによるフィラメントの熱電子放出性の低下などの問題が生じる。したがって、距離D1が、10≦D1≦100、望ましくは10≦D1≦50となるようにOリング4を配置するのが望ましい。
(第3の実施の形態)
図9は、本発明の第3の実施の形態の照明装置について説明するための図である。
図9は、本発明の第3の実施の形態の照明装置について説明するための図である。
第3の実施の形態の照明装置は、開口部を有するフロントケース51と有底開口状のバックケース52とからなるケース5を備えている。バックケース52の底部には、例えばPBT(ポリブチレンテレフタレート)からなるソケット6および例えばPC(ポリカーボネート)からなるランプホルダ7が配置されており、ソケット6およびランプホルダ7には、熱陰極ランプLAが保持されている。
バックケース52の開口部分には、フロントケース11と挟まれるように例えば拡散板と拡散シートとで構成された光学面材8が配置されている。バックケース52の背面側には、熱陰極ランプLAを点灯させるための回路基板9が配置されている。
この実施の形態では、ランプホルダ7をガラスバルブ1のフィラメント32付近の外周面に配置している。そのため、第2の実施の形態のOリング4と同様に、その配置部分において温度が低下して、バルブ端での水銀偏りを抑制することができる。また、フィラメント−ランプホルダ間距離D2(mm)が、10≦D2≦100、望ましくは10≦D2≦50となるようにランプホルダ7に熱陰極ランプLAを配置することで、第2の実施の形態と同様、バルブ端の水銀偏りに対してさらに高い効果を得ることができる。なお、この実施の形態において、Oリング4を併用してもよい。
なお、本発明の実施の形態は上記に限られるわけではなく、例えば次のように変更してもよい。
封止部12は、ビーズシールに限らず、ピンチシール、ステムシール、ボタンシールなどの封着方法で形成したものであってもよい。
リード31a、31bは単一部材のものに限らず、例えば、発光部11内に位置する部分をニッケルやタングステンやモリブデン、封止部12内に封着され、外部に導出される部分をジュメットで構成した部材など、複数部材を組み合わせたものを用いてもよい。
フィラメント32は、シングルコイルに限らず、ダブルコイル、トリプルコイルなどであってもよい。
1 ガラスバルブ
2 蛍光体層
3 電極マウント
31a、31b リード
311a、311b 平坦部
32 フィラメント
321a、321b レグ部
322 螺旋状部
322a、322b ヘリカル部
33 エミッタ
34 ビーズ
4 Oリング
2 蛍光体層
3 電極マウント
31a、31b リード
311a、311b 平坦部
32 フィラメント
321a、321b レグ部
322 螺旋状部
322a、322b ヘリカル部
33 エミッタ
34 ビーズ
4 Oリング
Claims (4)
- バルブの内部には水銀が封入されているとともに、端部には一対のリードとフィラメントとを備えた電極マウントが封着されている熱陰極ランプであって、
前記フィラメントは一対のレグ部と、前記一対のレグ部に接続された螺旋状部とを備え、前記一対のレグ部は前記一対のリードにそれぞれ接続されており、
前記バルブの内径rは6mm以下であるとともに、前記バルブの空間内に位置する前記リードと前記レグ部の管軸方向の長さLは5mm以下であることを特徴とする熱陰極ランプ。 - 前記電極マウントよりもランプ中央側の前記バルブには温度低減手段が設けられており、前記温度低減手段と前記螺旋状部の管軸方向の距離をD1(mm)としたとき、10≦D1≦100を満たしていることを特徴とする請求項1に記載の熱陰極ランプ。
- 前記電極マウントが存在する前記バルブ内の領域には、水銀吸着材料が存在しないことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の熱陰極ランプ。
- ケースと、
前記ケース上に配置されたランプホルダと、
前記ランプホルダと前記螺旋状部の管軸方向との距離をD2(mm)としたとき、10≦D2≦100を満たすように、前記バルブ部分が前記ランプホルダに保持された請求項1〜請求項3の何れかに記載の熱陰極ランプと、を具備することを特徴とする照明装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2009037212A JP2010192342A (ja) | 2009-02-19 | 2009-02-19 | 熱陰極ランプおよび照明装置 |
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2010192342A true JP2010192342A (ja) | 2010-09-02 |
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Family Applications (1)
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JP2009037212A Pending JP2010192342A (ja) | 2009-02-19 | 2009-02-19 | 熱陰極ランプおよび照明装置 |
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Country | Link |
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