JP2010190412A - 動力伝達装置及び動力伝達装置の中空軸の製造方法 - Google Patents

動力伝達装置及び動力伝達装置の中空軸の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】組み付け時の作業性を損なうことなく、また、装置全体の軸方向長を長くすることなく、簡易な構造でフレッティングの進行を効果的に阻止する。
【解決手段】被駆動軸(相手軸)14が挿入される中空部12Hを有し、該被駆動軸14に対してキー係合(形状的係合)によりトルクを伝達する出力軸(中空軸)12を備えたギヤドモータ(動力伝達装置)GM1において、中空部12Hの内周12Bに、コーティングを施す。コーティングの素材は、ニッケルNi(母材)にフッ素樹脂(固体微粒潤滑材)PTFEを散在させた複合材とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置及び動力伝達装置の中空軸の製造方法に関する。
従来、動力伝達装置の中空軸にモータ軸や被駆動軸等の相手軸を連結する場合に、キー溝に、キーを係合させるという手法が広く採用されている。
この連結手法では、動力伝達時に中空軸と相手軸との隙間に微小な滑りが発生し、「フレッティング」と称される現象が発生し易いという問題がある。フレッティングは、微小な滑り→磨耗発生→中空軸と相手軸の焼き付き、という経過を辿るもので、進行すると中空軸に相手軸が固着して分解ができなくなってしまう。
特許文献1では、こうした問題の発生を回避するために、「摩擦締結」による中空軸と相手軸との連結構造を提案している。この構造によれば、中空軸と相手軸との間に滑りが発生すること自体を防止できるため、フレッティングの進行を阻止することができる。
特開2001−99177号公報(段落0024、図2)
しかしながら、中空軸と該中空軸に挿入される相手軸とを摩擦締結によって連結する場合、全周に亘って数多く設けられた締結用ボルトを(均等に且つ少しずつ)締付けていかなければならない。このため、組付け時あるいは取り外し時の作業性が極めて悪く、また、定期的に適宜締め直しするというメンテナンスが必要になるという問題もある。
更には、摩擦締結具を配置するための軸方向スペースを必要とすることから、装置全体が軸方向に長くなってしまうというデメリットがある。中空軸に相手軸を挿入するという連結構造は、もともと、装置全体の軸方向長をできるだけ短くしたいという要請のある環境で採用されることが多い。そのため、このデメリットは現場において大きな問題となることがある。
本発明は、このような問題を解決するべくなされたもので、組み付け時等の作業性を損なうことなく、また、装置全体の軸方向長を長くすることなく、簡易な構造でフレッティングの進行を効果的に阻止することをその課題としている。
本発明は、相手軸が挿入される中空部を有し、該相手軸に対して形状的係合によりトルクを伝達する中空軸を備えた動力伝達装置において、前記中空部の内周に、コーティングが施されると共に、該コーティングの素材が、母材に固体微粒潤滑材が散在された複合材からなる構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明では、中空部の内周にコーティングを施すようにしている。コーティングの素材は、母材に固体微粒潤滑材が散在された複合材とする。従って、相手軸と中空軸との接触面において、コーティングが多少摩耗してきても、散在されている固体微粒潤滑材を常に新たな潤滑剤として中空部の内周表面に出現させることができる。このため、コーティング面と相手軸との間が適度に潤滑される作用を長期に亘って良好に得ることができる。また、単純に自己潤滑性のある素材を積層コーティングする構成と異なり、母材中に固体微粒潤滑材がほぼ均一に散在されているため、剥がれ現象が発生しにくく、常に適正なフレッティング防止効果が得られる。
従って、組付け時等の作業性がよく、また、摩擦締結手段の配置も不要となるため軸方向長も短くすることができる。更には、コーティングが「中空軸の内周に」に施されることから、搬送時あるいは組付け時に工具等がコーティング面に不用意に当たって該コーティング面が傷つく心配もない。
本発明によれば、組み付け時等の作業性を損なうことなく、また装置全体の軸方向長を長くすることなく、簡易な構造でフレッティングの進行を効果的に阻止することができる。
本発明の実施形態の一例が適用されたギヤドモータの構成を示す要部断面図 図1の矢視II−II線に沿う拡大断面図 上記実施形態における中空軸のコーティング作業の工程例を示す断面図及び端面図
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例が適用された中空の出力軸(中空軸)12を有するギヤドモータ(動力伝達装置)GM1の要部断面図、図2は、図1の矢視II−II線に沿う拡大断面図である。
このギヤドモータGM1は、モータM1と減速機G1とを連結したものである。
このギヤドモータGM1の出力軸12は、鉄系の素材で構成されており、相手機械(図示略)の被駆動軸(相手軸)14が挿入される中空部12Hを有する。相手機械の被駆動軸14も鉄系の素材で構成されている。この実施形態では、「相手機械」は、製パン等の食品搬送用コンベヤ(図示略)であり、「被駆動軸(相手軸)」は、そのローラ(図示略)を駆動するための軸である。なお、符号25は、ギヤドモータGM1全体が被駆動軸14の周りで回転してしまうのを防止するためのトルクアーム(図示略)を相手機械との間で連結・固定する際に用いるボルト孔である。
出力軸12に形成されている突起12Pは、その図中左側に形成された面12P1で図示せぬ出力ギヤの軸方向の位置決めを行うためのものであり、溝部12Cは、前段のギヤとの干渉を防止するための逃げに相当している。出力軸12は、2個の軸受19、21でケーシング15に支持されている。このうち軸受19は、突起12Qと共に出力軸12の図1の軸方向右側への位置決めにも寄与している。なお、出力軸12の図1の軸方向左側への位置決めも所定の構造にて実施されているが、図1では図示を省略している。
図1の符号15、17は前記軸受19、21より軸方向外側の出力軸12の両端外周に配置されたオイルシールである。オイルシール15、17は、出力軸12の外周12Aの摺接部12A1、12A2において、ギヤドモータGM1の内外をシールしている。出力軸12と被駆動軸14は、キー18を利用した「形状的係合(キー係合)」によりトルク伝達が行われるように構成されている。
本明細書及び特許請求の範囲において「形状的係合によるトルク伝達」とは、(いわゆる圧入や摩擦締結と異なり)一方の軸が、該一方の軸の接線方向と交差する受面(曲面を含む)を有しており、この受面を介して一方の軸が他方の軸の側から接線方向の力(または分力)を受けることによってなされるトルク伝達をいう。この実施形態に即して具体的に説明するならば、出力軸12には、キー溝12Kが穿設されており、被駆動軸14にもキー溝14Kが穿設されている。両キー溝12K、14Kによって形成される空間23にはキー18が係合・介在される。被駆動軸14に形成されたキー溝14Kの側面14K1または14K2が、この実施形態における「軸の接線方向と交差する受面」に相当する。キー溝12K、14Kによって形成される空間23にキー18を係合・介在させることにより、この側面14K1または14K2を介して被駆動軸14が出力軸12から接線方向の力(または分力)を受けることによってトルク伝達がなされる。
なお、形状的係合によるトルク伝達には、このような「キー係合によるトルク伝達」のほか、「スプライン係合によるトルク伝達」、軸断面がアルファベットの「D」の形状とされたいわゆる「Dカット係合によるトルク伝達」等がある。いずれの係合も、フレッティングが問題となる係合であり、本願発明を効果的に適用できる。
出力軸12の内径D1は、被駆動軸14の外径d1よりも僅かだけ大きく設定されている(いわゆる隙間嵌め)。これは、ギヤドモータGM1を被駆動軸14に容易に取り付けるためである。しかしながら、この構成のままではフレッティングが発生する恐れがあることから、この実施形態では出力軸12の内周12Bに、後述する特殊なコーティングを施すようにしている。
具体的にはこのコーティングは次のようにして行われる。
即ち、この実施形態では、図3(A)に示されるように、先ず、出力軸12の全体を、母材と固体微粒潤滑材との複合材にてコーティングする。なお、図3においては、2点鎖線で囲むと共に細かなハッチングの付された部分がコーティングが施されている部分に相当している。便宜上、コーティングの厚さを厚く模式的に描写している。その後、図3(B)に示されるように、コーティングを意図的にしない部位(この実施形態ではオイルシール15、17の摺接部12A1、12A2を含む出力軸12の外周12A)を切削または研削する。さらに、図3(C)に示されるように、コーティングを意図的にしない部位として、キー溝12Kを切削する。これにより、コーティングを意図的にしない部位でのコーティングの除去が可能となる。
以下、より詳細に説明する。
出力軸12の中空部12Hの内周12Bにコーティングを施す構成は、フレッティング防止のために別部材を介在させる構成と異なり、部品点数が増大することがなく、組み付け時や取り外し時の作業性も高い。更には締結具の存在により軸方向長さが長くなってしまうこともないため、軸方向のコンパクト性も向上できる。また、「中空軸内周12Bでのコーティング」であるため、搬送時、組付け時等において、工具等が衝突してコーティング面が傷付くのを防止できるのでコーティングの僅かな傷からフレッティングが進行を開始するのを防止できる。
発明者らは、こうした内周コーティングの利点に着目し、これを構成の核としてフレッティングを防止するためのより具体的な試験を行った結果、次のような知見を得た。
(a)(母材のみによる)単純なめっき(例えばニッケルめっき)を中空部12Hの内周12Bに行った場合、金属同士の接触となってしまうため、特に鉄系の素材のままの被駆動軸14の方に錆が生じ、結果としてフレッティングが発生した。
(b)硬度を上げるためにチタンコーティングを中空部12Hの内周12Bに施した場合も、結果としてフレッティングが発生した。即ち、コーティングは、単に硬ければ良いというものではなかった。
(c)摩擦係数を低減するために結晶性ポリマー(ポリエーテルエーテルケトン)を中空部12Hの内周12Bにコーティングした場合も、フレッティングを効果的に防止することはできなかった。これは、結晶性ポリマーと出力軸12との密着度が低く、摩耗というよりは、「剥がれ」或いは「ずれ」等が発生したためと推定される。
(d)ニッケル被膜をベースとし、析出させたニッケル被膜にフッ素樹脂(PFA:パーフルオロアルコキシアルカン:テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)を積層させたコーティングを行った場合も、フッ素樹脂が剥がれてニッケル被膜が早い時期に露出してしまい、必ずしも良好な結果とならなかった。即ち、単に「積層する」タイプのコーティングは、フレッティング防止のコーティングとしては必ずしも適さなかった。
(e)非粘着物質(特殊樹脂)を封入したプレセラミック(熱硬化性ケイ素系ポリマー)をコーティングする技術も試験してみた。このコーティングは、プレセラミックによって表面の硬さを維持する為、例えばフッ素樹脂等と比較すると非常に耐摩耗性があり、且ついわゆるガムテープやセロハンテープが全く貼れないほどに強力な非粘着特性が得られるコーティングである。しかし、強力な「非粘着特性」も、フレッティングの防止に関しては、必ずしも良好な結果とはならなかった。
試験の結果、フレッティングの防止に関して良好な結果が得られたのは、1つには、母材に固体微粒潤滑材を散在させた「複合めっき」を施した場合であった。複合めっきとは、めっき被膜中に分散微粒子を共析させる表面処理をいう。
複合めっきの中でも、フレッティングの防止に特に有効であったのは、例えば、ニッケルをベース(母材)としていわゆる固体微粒潤滑材としての機能を有するフッ素樹脂(PTFE:ポリテトラフロオロエチレン)を散在(共析)させたコーティング(厚さ3〜7μm)である。これはニッケルベースで適度な硬度が得られたこと、当該固体微粒潤滑材が、一部皮膜表面に露出した状態となり、いわゆる自己潤滑性が得られたことが主たる要因であったものと推察される。
また、フッ素樹脂(PTFE)からなる固体微粒潤滑材を、有機樹脂に散在させて塗料状にし、これを塗布する「りん酸マンガン化成被膜処理」と称されるコーティング処理を行った場合についても良好な試験結果が得られた。なお、この塗布試験では、ベースが樹脂であり、且つ塗布によるものなので、コーティングの厚さは10μmとしている。有機樹脂と鉄系の出力軸12との密着性は、必ずしも良いとは言えないが、出力軸12をリン酸被膜に晒して表面に厚さ5μm程度の粗面域(粗い面の領域)を形成し、この所定の粗度で粗された内周面上にコーティングしたところ、密着性についても一層良好な特性を得た。
これらの試験結果より、母材に固体微粒潤滑材を散在させた複合材によるコーティングをすることで、フレッティングに対して良好な結果が得られたことになる。
同様な特性を有する複合材としては、ニッケル(Ni)を母材とし、「固体微粒潤滑材」的な機能を発揮する固体微粒子、例えば、グラファイト(黒鉛)、二流化モリブデン(MoS2)、窒化ホウ素(BN)、二硫化タングステン(WS2)、ポリエチレン等の固体微粒子を散在させた複合材等がある。
具体的な実施形態の説明に戻る。
本実施形態では、こうした複合材を出力軸12の内周12Bにコーティングする。これは、出力軸12の内周12B及び被駆動軸14の外周の双方にコーティングすると、いわゆるコーティング後の両者の寸法公差が大きくなって、むしろ不具合が顕在化する可能性が高くなってしまうためである。例えば、ばらつきによってコーティングが厚くなり過ぎると、本発明のフレッティング防止の基本的目的である「組み付け、取り外しが容易」という効果が得られなくなってしまう。これを嫌って出力軸12と被駆動軸14との寸法差(隙間)を大きめに設定すると、ばらつきによってコーティングが薄かった場合、あるいは経時的に摩耗によってコーティングが薄くなってきた場合、「がた」が発生してしまう。がたの発生は、単に騒音、振動、バックラッシの増大の要因となるだけでなく、フレッティングがより生じ易くなるという不具合に繋がる点でも好ましくない。即ち、フレッティングの防止という観点で言うならば、出力軸12の内周12B及び被駆動軸14の外周の双方にコーティングするのは、(良好な結果が得られるときもあるが)必ずしも常に良好な結果が得られるとは限らないのである。
本実施形態では、出力軸12の中空部12Hの内周12Bのみにコーティングを施しているため、コーティング厚さのばらつきによって組付けが却って困難になってしまったり、必要以上にがたが大きくなってしまったりするのを防止できる。また、前述したように、「内周12Bでのコーティング」であるため、搬送時、組付け時等において、工具等が衝突してコーティング面が傷付くのを防止できる。フレッティングはコーティングの僅かな傷から進行するため、このメリットは現実には大きい。
ところで、前述したように、本実施形態では、キー溝12K(相手軸と形状的に係合する部位)及びオイルシール15、17の摺接部12A1、12A2についても、意図的にコーティングを避けるようにしている。これは次のような理由による。
キー溝12Kに関しては、「凹部」であるが故に、コーティングの厚さが特に制御しにくいことから、寸法精度が極めて出しにくい。そのため、寸法制度の確保とがたの防止の観点で、この部分についてのコーティングは必ずしも良い結果を生まない。但し、コーティングをすること自体が悪い要因となるわけではないため(むしろコーティングした方がフレッティング防止としては好ましい)、コーティングを行った後に、切削、または研削によって寸法精度を確保する手法は有効である。この場合、キー溝12Kでのコーティングは、必ずしもキー溝12Kの全面で完全に除去される必要はない。
一方、オイルシール15、17の摺接部12A1、12A2に関しては、一見コーティングによって摩擦係数が下がって効率が上がる等のメリットが期待できそうであるが、実際は、被駆動軸14が却って傷付くことが確認された。このため、オイルシール15、17の摺接部12A1、12A2に関しては、これをコーティングの対象部位から外すのが好ましい(コーティングを残存させないことが好ましい)。オイルシール15、17の摺接部12A1、12A2において被駆動軸14が傷付くメカニズムは、定かではないが、オイルシール15、17が常に摺接していると、その摺接部でのコーティングの一部分が削れてしまい、この削れてしまった粉がオイルシール15、17と被駆動軸14との相対回転によって「研磨材」として作用し、被駆動軸14自体を更に削るという悪循環が引き起こされるためと推察される。
なお、キー溝12Kやオイルシール15、17の摺接部を12A1、12A2など、部分的にコーティングを意図的に回避するには、前述したようなコーティング後に切削または研削する工程に代えて、コーティングを行う前に(コーティング工程に先だって)コーティングを意図的にしない部位を、被覆材にてマスキングする工程を加える方法を採用しても良い。
また、コーティング素材(複合材)と出力軸との密着度を高めるために、前述した良好例のように、コーティングを行う前に(コーティング工程に先だって)出力軸12の内周12B(コーティングを施すべき部位)の表面を粗くする工程を設けるのも有効である。これを実現するには、例えば、コーティングを意図しない部位に、被覆材によるマスキングを施した状態で、出力軸12に対してリン酸被膜処理(浸漬又は塗布)等を行えばよい。この粗面形成のためのマスキング手法は、該マスキングをしたままの状態で(即ちコーティングをしない部位を覆ったまま状態で)、(洗浄後)そのまま本来のコーティング工程に入れるため、(マスキング工程に)無駄がない点で優れる。なお、マスキングのための被覆材はコーティングの工程完了後に取り除くことになる。
これらの工程によって出力軸12の内周12Bに、母材に固体微粒潤滑材を散在させた複合材をコーティングすることができ、組付けの容易性を確保しつつ、また、軸方向長が増大することを回避しながら簡易な構成でフレッティングを効果的に防止することができる。
なお、上記実施形態については、出力軸(中空軸)の外周については、切削又は研削、あるいはマスキングによってコーティングを取り除くようにしていたが、本発明においては、中空軸の外周のコーティングを必ずしも禁止するものではない。オイルシールの摺接部については、コーティングしない方が好ましいが、この部分についても、例えば極めて高減速比の動力伝達装置の出力軸であって、回転速度が極めて遅い用途に適用する場合には、必ずしもコーティングを除去しなくても良い場合がある。
また、上記実施形態においては、相手軸の外周についてはコーティングを施さないようにしていたが、本発明においては、相手軸の外周のコーティングを禁止するものでもない。例えば、前述したキー溝におけるコーティングと同様に、コーティングを施した後に寸法精度を確保するための切削又は研削を施す手法は、用途によっては有効である。
更に、上記実施形態においては、中空部を有する出力軸に本発明を適用していたが、本発明の適用は、これには限定されず、例えば、中空の入力軸とモータとの係合、中空の継手と中実軸との係合等、要するに、相手軸が挿入される中空部を有し該相手軸に対して形状的係合によりトルクを伝達する中空軸を備えた動力伝達装置ならば、同様に適用でき、同様の作用効果が得られる。
12…出力軸(中空軸)
12K…キー溝
12A1、12A2…摺接部
12H…中空部
14…被駆動軸(相手軸)
14K…キー溝
15、17…オイルシール

Claims (9)

  1. 相手軸が挿入される中空部を有し、該相手軸に対して形状的係合によりトルクを伝達する中空軸を備えた動力伝達装置において、
    前記中空部の内周に、コーティングが施されると共に、
    該コーティングの素材が、母材に固体微粒潤滑材が散在された複合材からなる
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  2. 請求項1において、
    前記中空軸の内周面が所定の粗度で粗されており、この粗された内周面上に前記コーティングが施されていることを特徴とする動力伝達装置。
  3. 請求項1又は2において、
    前記コーティングが、前記中空軸の外周に於けるオイルシールの摺接部を除いて施されていることを特徴とする動力伝達装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記コーティングが、前記中空軸が相手軸と形状的に係合する部位を除いて施されている
    ことを特徴とする動力伝達装置。
  5. 相手軸が挿入され、該相手軸と形状的係合によりトルク伝達される動力伝達装置の中空軸の製造方法において、
    前記中空軸のコーティングを意図的にしない部位を含めて、前記中空軸に、母材に固体微粒潤滑材が散在された複合材からなるコーティング素材をコーティングする工程と、
    前記中空軸のコーティングを意図的にしない部位からコーティングされた前記複合材を取り除く工程と、を含む
    ことを特徴とする動力伝達装置の中空軸の製造方法。
  6. 請求項5において、
    前記中空軸のコーティングを意図的にしない部位が、該中空軸の外周に配置されたオイルシールの摺接面である
    ことを特徴とする動力伝達装置の中空軸の製造方法。
  7. 請求項5または6において、
    前記中空軸のコーティングを意図的にしない部位が、前記相手軸と形状的に係合する部位である
    ことを特徴とする動力伝達装置の中空軸の製造方法。
  8. 相手軸が挿入され、該相手軸と形状的係合によりトルク伝達される動力伝達装置の中空軸の製造方法において、
    前記中空軸のコーティングを意図的にしない部位を、被覆材にてマスキングする工程と、
    前記コーティングを施すべき部位に、母材に固体微粒潤滑材が散在された複合材からなるコーティング素材をコーティングする工程と、を含む
    ことを特徴とする動力伝達装置の中空軸の製造方法。
  9. 請求項5〜8のいずれかにおいて、
    前記コーティング素材をコーティングする工程の前に、更に、
    前記コーティングを施すべき部位の表面を粗くする工程と、を含む
    ことを特徴とする動力伝達装置の中空軸の製造方法。
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