JP2005240887A - 燃料ポンプ用軸受およびその軸受の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 燃料中に有機酸またはその化合物が含まれる粗悪燃料を使用する場合であっても、耐腐食性の向上が図れるとともに、軸受部材を圧入により固定する際に異物の発生防止が図れる燃料ポンプ用軸受およびその軸受の製造方法を提供する。
【解決手段】 モータ50と、モータ50の回転軸55を軸受けする軸受部材30、40と、軸受部材を圧入して保持する保持部材21とを備え、モータ50の回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられる燃料ポンプ用軸受の製造方法において、軸受部材30、40は、軸受本体32、42に酸性を有する被覆材34、44を被覆されて形成されるものであって、軸受本体32、42を被覆材34、44で被覆するコーティング処理工程302と、ケーシング本体21、吐出側カバーにそれぞれ圧入して保持される圧入部位32a、42aの被覆材34、44を削る圧入部被覆除去工程303とを備えている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、燃料ポンプ軸受およびその軸受の製造方法に関し、例えばモータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いる軸受および軸受の製造方法に適用して好適なものである。
従来、例えば円板の外周縁に羽根を有するインペラ等の回転部材がモータの回転子とともに回転することにより、燃料タンクから吸入した燃料を吐出する燃料ポンプが知られている(特許文献1参照)。
特開平5−180172号公報
この種の従来技術の燃料ポンプを用いて、例えば精製度が悪く硫黄成分を多く含んでいる燃料を吸入し吐出する場合、回転子の回転軸の軸受部材が硫化して腐食するおそれがある。
例えば硫黄成分を多く含んでいる燃料を、使用燃料として給油される給油環境が異なる仕向地へ輸出等する場合には、耐硫化性を有する材質で軸受部材を形成し、軸受部材の腐食を防止することが考えられる。しかしながら、実際に給油に使用される燃料性状は、燃料管理等の諸事情により異なり、場合によっては、燃料中に有機酸またはその化合物が含まれることがあり、これら有機酸またはその化合物により軸受部材が腐食するおそれがある。
この問題を解決するために出願人は、特願2002−253541号に示される技術を考案した。この技術は、軸受本体の表面を被覆材でコーティング処理することにより、有機酸等を含む燃料中にさらされても軸受部材の腐食防止を図るものである。しかしながら、軸受部材を圧入等により固定する際に、被覆材がはがれ、そのはがれた被覆材が異物となる可能性がある。はがれた被覆材が異物となってモータの燃料室内を浮遊すると、場合によっては、モータのブラシと整流子としてのコンミテータの間に挟まって導通不良等を生じるおそれがある。
本発明は、このような事情を考慮してなされたものであり、その目的は、燃料中に有機酸またはその化合物が含まれる粗悪燃料を使用する場合であっても、耐腐食性の向上が図れるとともに、軸受部材を圧入により固定する際に異物の発生防止が図れる燃料ポンプ用軸受およびその軸受の製造方法を提供することにある。
本発明の請求項1によると、モータと、保持部材とを備え、モータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられ、保持部材に圧入されて、モータの回転軸を軸受けする燃料ポンプ用軸受において、軸受本体と、軸受本体を被覆する、耐酸性を有する被覆材とを有し、軸受本体のうち、保持部材に圧入して保持される圧入部は、被覆材が被覆されることなく、保持部材に圧入され、その他の部位は、前記被覆材を被覆していることを特徴とする。
これによると、モータの回転軸を軸受けする軸受部材は、軸受本体と、軸受本体を被覆する、耐酸性を有する被覆材とを有し、軸受本体のうち、保持部材に圧入して保持される圧入部は、被覆材が被覆されることなく、保持部材に圧入され、その他の部位は、被覆材を被覆しているので、有機酸等の粗悪な品質の燃料を燃料ポンプ内に吸入した場合であっても、燃料中の有機酸等よる回転軸を軸受けする部位の腐食を防止する。その結果、例えば腐食の影響により燃料ポンプのモータの回転が妨げられるのを防止できる。
さらに、軸受部材を保持部材に圧入して保持される際、軸受本体のうち、圧入部は被覆材が被覆されていないので、圧入による被覆材のはがれ等が生じない。したがって、軸受部材を圧入により固定する際に異物の発生が防止される。その結果、例えばはがれた被覆材がモータに挟まり導通不良等を生じるのを防止することができる。
本発明の請求項2によると、被覆材は、さらに耐硫黄化を有していること特徴とする。
これによると、モータの回転軸を軸受けする軸受部材の軸受本体は、圧入部以外のその他の部位を、耐酸性に加えて耐硫化生を有する被覆材で被覆されているので、燃料中に有機酸またはその化合物が含まれるもの、および硫黄成分を比較的に多く含有するものであっても、軸受部材における回転軸を軸受けする部位の腐食を防止する。
本発明の請求項3によると、軸受部材は、略筒状に形成されており、被覆材は少なくとも軸受本体の軸方向両端面および内周面を被覆していることを特徴とする。
これによると、軸受部材が略筒状に形成されているいわゆるすべり軸受の場合において、軸受本体における被覆材で被覆する被覆対象は、少なくとも軸受本体の軸方向両端面および内周面に限定することができる。
本発明の請求項4によると、軸受部材は、略筒状に形成されており、前記その他の部位は、軸受本体の軸方向両端面および内周面であることを特徴とする。
これによると、少なくとも燃料にさらされる部位が軸受本体の軸方向両端面および内周面である軸受部材を有する燃料ポンプに適用して好適である。例えば、軸受部材のうち燃料にさらされにくい部位には被覆材を形成しないため、被覆材の無駄消費を低減することが可能である。また、例えば、軸受部材を保持部材に圧入して固定する際に、圧入による被覆材のはがれ等を防止できるため、軸受部材を保持部材に圧入して固定する際に異物発生の防止が図れる。
本発明の請求項5によると、軸受本体は、耐硫化性を有する材質で形成されていることを特徴とする。
これによると、軸受本体は、耐硫化性を有する材質で形成されているので、被覆材が軸受本体からはがれるような場合があったとしても、硫黄成分を比較的に多く含む燃料による軸受本体の腐食を防止できる。
本発明の請求項6によると、被覆材の厚みは、1μm〜50μmの範囲にあることを特徴とする。
例えば被覆材の厚みが薄いと、被覆材の耐酸性、あるいは被覆材の耐酸性および耐硫化性の効果が低く、軸受部材が腐食するおそれがある。被覆材の厚みが厚いと、軸受部材とモータの回転軸とのクリアランスが小さくなり、モータの回転を妨げるおそれがある。
これに対して請求項6に記載の燃料ポンプでは、被覆材の厚みを、1μm〜50μmの範囲に設定したことにより、被覆材の耐酸性、あるいは被覆材の耐酸性および耐硫化性の効果を保持して軸受部材の腐食を防止し、軸受部材とモータの回転軸とのクリアランスをモータの回転を妨げない大きさにすることができる。
本発明の請求項7によると、モータと、モータの回転軸を軸受けする軸受部材と、軸受部材を圧入して保持する保持部材とを備え、モータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられる燃料ポンプ用軸受の製造方法において、軸受部材は、軸受本体に酸性を有する被覆材を被覆されて形成されるものであって、軸受本体を被覆材で被覆するコーティング処理工程と、保持部材に圧入して保持される圧入部位の被覆材を削る圧入部被覆除去工程とを備えていることを特徴とする。
これによると、モータの回転軸を軸受けする軸受部材は、軸受本体に酸性を有する被覆材を被覆されて形成されるものであって、軸受本体を被覆材で被覆するコーティング処理工程と、保持部材に圧入して保持される圧入部位の被覆材を削る圧入部被覆除去工程とを備えているので、有機酸等の粗悪な品質の燃料を燃料ポンプ内に吸入した場合であっても、燃料中の有機酸等よる回転軸を軸受けする部位の腐食を防止する。その結果、例えば腐食の影響により燃料ポンプのモータの回転が妨げられるのを防止できる。
さらに、軸受部材を保持部材に圧入して保持される際、圧入部位に相当する軸受本体側に被覆される被覆材が圧入部被覆除去工程によって削られているので、圧入による被覆材のはがれ等が生じない。したがって、軸受部材を圧入により固定する際に異物の発生が防止される。その結果、例えばはがれた被覆材がモータに挟まり導通不良等を生じるのを防止することができる。
本発明の請求項8によると、モータと、モータの回転軸を軸受けする軸受部材と、軸受部材を圧入して保持する保持部材とを備え、モータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられる燃料ポンプ用軸受の製造方法において、軸受部材は、軸受本体に酸性を有する被覆材を被覆されて形成されるものであって、軸受本体のうち、保持部材に圧入して保持される圧入部位を、マスキングするコーティング前処理工程と、圧入部をマスキングされた軸受本体を被覆材で被覆するコーティング処理工程とを備えていることを特徴とする。
これによると、モータの回転軸を軸受けする軸受部材は、軸受本体に酸性を有する被覆材を被覆されて形成されるものであって、軸受本体のうち、保持部材に圧入して保持される圧入部位を、マスキングするコーティング前処理工程と、圧入部をマスキングされた軸受本体を被覆材で被覆するコーティング処理工程とを備えているので、有機酸等の粗悪な品質の燃料を燃料ポンプ内に吸入した場合であっても、燃料中の有機酸等よる回転軸を軸受けする部位の腐食を防止する。その結果、例えば腐食の影響により燃料ポンプのモータの回転が妨げられるのを防止できる。
さらに、軸受部材を保持部材に圧入して保持される際、コーティング前処理工程にて圧入部をマスキングした後に、コーティング処理工程によって軸受本体を被覆材で被覆するので、圧入による被覆材のはがれ等が生じない。したがって、軸受部材を圧入により固定する際に異物の発生が防止される。その結果、例えばはがれた被覆材がモータに挟まり導通不良等を生じるのを防止することができる。
以下、本発明の燃料ポンプ用軸受およびその軸受の製造方法を、具体化した実施形態を図面に従って説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本実施形態の燃料ポンプに係わる軸受部材を示す図であって、図1(a)は断面図、図1(b)は図1(a)中のB部分を拡大した部分断面図である。図2は、本実施形態の燃料ポンプの一実施例を示す断面図である。図3は、図1の軸受部材の製造方法の一実施例を示す図であって、図3(a)は工程図、図3(b)から図3(d)は図3(a)に示す各工程における軸受部材の状態を示す断面図である。
図2に示す燃料ポンプ10は、例えば図示しない二輪または四輪車両等の燃料タンク内に収容されており、燃料タンクから吸入した燃料をエンジン側に供給するものである。
燃料ポンプ10はポンプ部20とこのポンプ部20を駆動する電磁駆動部としてのモータ部50とから構成されている。
モータ部50はブラシ付の直流モータであり、円筒状のハウジング11内に永久磁石を環状に配置し、この永久磁石の内周側に同心円上に回転子52を配置した構成となっている。回転子52はモータ50内に回転可能に収容され、コイルがコア52aの外周に巻回されている。整流子54は円板状に形成されており、回転子52の上部に配設されている。図示しない電源から、コネクタ67に埋設されたターミナル68、図示しないブラシ、整流子54を介してコイルに電力が供給される。供給された電力により回転子32が回転する。
ポンプ部20は、ケーシング本体21、ケーシングカバー22、およびインペラ23を含んで構成されている。ケーシング本体21およびケーシングカバー22により一つの流路部材が構成され、その内部に回転部材としてのインペラ23が回転可能に収容されている。インペラ23は、外周縁に全周にわたり羽根と、羽根の間に形成された羽根溝とを有している。ケーシング本体21およびケーシングカバー22は、例えばアルミダイカスト材でダイカスト成形により形成され、アルマイト処理などが施されている。ケーシング本体21はハウジング11の一方の端部内側に圧入固定されており、その中心に軸受部材30が嵌着されている。ケーシングカバー22は、ケーシング本体21に被せられた状態でハウジング11の一端にかしめ等により固定されている。回転子52の回転軸55の一方の端部は、軸受部材30により回転可能に径方向に支持されている。回転軸55の他方の端部は軸受部材40により回転可能に径方向に支持されている。なお、ハウジング11の一方の端部内側に吐出側カバーが圧入固定されており、その吐出側カバーの中心に軸受部材40が嵌着されている。なお、ここで、ケーシング本体21、および吐出側カバーは、それぞれ、軸受部材30、軸受部材40を保持する保持部材である。この保持部材には、軸受部材30、40を圧入等することで装着され、軸受部材30、40は保持部材に保持されている。なお、ここで、回転軸55と軸受部材30、40は軸受を構成している。
軸受部材30および軸受部材40は、略円筒状にほぼ同じ構成で形成されている。以下、本実施形態では、説明の簡便のため、軸受部材30を説明し、軸受部材40の説明は省略する(図1(a)および(b)参照)。図1に示すように、軸受部材30は、軸受本体32と、軸受本体32を被覆する被覆材34とを有している。なお、詳しくは、図1(a)に示すように、軸受本体32のうち、保持部材(詳しくは、ケーシング本体)21に圧入して保持される圧入部(以下、軸受圧入部と呼ぶ)32aは、被覆材34を被覆せず、その他の部位は、被覆材34を被覆している。圧入部32aは、図1(a)に示す略円筒状の外周面である。また、その他の部位とは、図1(a)および図2に示すように、軸受本体32の軸方向両端面および内周面であり、これら軸方向両端面および内周面は被覆材34で全て覆われている。軸受本体32は、NiまたはZnを含有するCu合金、NiおよびZnを含有するCu合金等からなり、例えばCu、Ni、およびZnの各金属粉末を焼結して形成されている(以下、Cu−Ni−Zn合金と呼ぶ)。被覆材34は、軸受本体32にPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)を吹付け等の被膜処理をして形成される樹脂皮膜材である。軸受本体32に被覆される被覆材34の膜厚は、1μm〜50μmの範囲に設定されている。軸受本体32を形成するCu−Ni−Zn合金は、耐硫化性に比較的優れており、被覆材34を形成するPTFEは、耐酸性および耐硫化性に比較的優れている。なお、被膜は、被覆材34、44を膜状に被覆したものであり、被覆される被覆材の厚みを膜厚と呼ぶ。
なお、燃料ポンプ10内の燃料流路を説明すると、図2に示すように、ケーシングカバー22に燃料入口60が形成されている。インペラ23が回転することにより燃料が燃料入口60からポンプ流路61に吸入される。ポンプ流路61に吸入された燃料はインペラ23の回転により昇圧され、ケーシング本体21に形成された燃料出口からモータ50の燃料室51に排出される。
上述した構成を有する本実施形態において、軸受部材30、40の製造方法を、図3に従って説明する。軸受部材30、40の製造方法を、主な工程で表すと、図3(a)に示すように、軸受本体32、42を形成する軸受本体形成工程301と、軸受本体32、42に被覆材34、44を被覆するコーティング処理工程302と、軸受圧入部32a、42aに被覆した被覆材34、44を削る除去工程(以下、圧入部被覆除去工程と呼ぶ)303とから構成されている。軸受本体形成工程301では、Cu、Ni、およびZnの各金属粉末を焼結して軸受本体32、42を形成する(図3(b)参照)。Cu−Ni−Zn合金に切削、研削等の機械加工を実施して軸受本体32、42を形成してもよい。また、Cu、Ni、およびZnの各金属粉末を焼結されて成形されたCu−Ni−Zn合金からなる軸受本体32、42の一部を機械加工により形成してもよい。次に、コーティング処理工程302では、軸受本体32、42の全面を、メッキまたは吹付け等によるコーティング処理を実施して、軸受本体32、42の全面を被覆材34で被覆する(図3(c)参照)。さらに、圧入部被覆除去工程303では、図1(a)の二点差線の部位の被覆材34を切削あるいは研削加工等の機械加工により除去する(図3(d)参照)。これにより、軸受本体32の軸受圧入部すなわち外周面32aを、被覆材34で被覆せずに、剥き出し状態としている。
次に、上述した構成を有する本実施形態の作動について説明する。エンジン1が駆動され、コネクタ67から燃料ポンプ10に駆動電流が供給されると、回転子52の回転軸55とともにインペラ23が回転する。インペラ23が回転すると、図示しない燃料タンク内の燃料が燃料入口60からポンプ流路61に燃料が吸入される。この燃料は、インペラ23の回転によりインペラ23の各羽根から運動エネルギーを受けて、ポンプ流路61から燃料室51に排出される。燃焼室51に排出された燃料は、回転子52の周囲を通過し吐出口65から燃料ポンプ外に吐出される。なお、吐出口65には逆止弁66が収容されており、この逆止弁66が吐出口65から吐出された燃料の逆流を防止している。
次に、本実施形態の作用効果を説明すると、(1)モータ50(詳しくは回転子52)の回転軸55を軸受けする軸受部材30、40は、軸受本体32、42と被覆材34、44とから構成されており、軸受本体32、42のうち、それぞれケーシング本体21、吐出側カバーに圧入して保持される軸受圧入部32a、42aは被覆材を被覆しておらず、その他の部位つまり軸方向両端面および内周面は被覆材を被覆しているので、有機酸等の粗悪な品質の燃料を燃料ポンプ内に吸入した場合であっても、燃料中の有機酸等よる回転軸を軸受けする部位の腐食を防止する。その結果、例えば腐食の影響により燃料ポンプのモータの回転が妨げられるのを防止できる。
さらに、軸受部材30、40をそれぞれケーシング本体21、吐出側カバーに圧入して固定する際、軸受本体32、42のうち、軸受圧入部32a、42aは被覆材34、44が被覆されていないので、圧入による被覆材のはがれ等が生じない。したがって、軸受部材を圧入により固定する際に異物の発生が防止される。その結果、例えばはがれた被覆材がモータに挟まり導通不良等を生じてモータが回転停止となるのを防止することができる。
(2)なお、軸受本体32、42のうち、軸受圧入部32a、42a以外のその他の部位は被覆材34、44で被覆されるので、軸受部材30、40における回転軸55を軸受けする機能部の腐食防止が図れ、従って回転子52の回転が妨げられない。また、被覆材34、44としてPTFEを用いることにより回転軸55との摺動抵抗が小さくなるので、燃料ポンプ10の燃料吐出効率が向上する。さらに、PTFEは耐摩耗性に優れているので、軸受部材30、40の寿命が延びる。
(3)なお、軸受本体32、42のうち、軸受圧入部32a、42aに被覆材34、44を被覆させずに、その他の部位に被覆材34、44を被覆する製造方法として、軸受本体を被覆材で被覆するコーティング処理工程302と、保持部材に圧入して保持される圧入部位32a、42aの被覆材34、44を削る圧入部被覆除去工程303とを備えている。これにより、予め軸受本体32、40の全面を被覆材34、44で覆った後、切削あるいは研削等の機械加工によって、軸受圧入部32a、42aを被覆する被覆材34、44を削ることができる。その結果、軸受本体32、42の軸受圧入部すなわち外周面32a、42aは、被覆材34で被覆されないようにし、軸受圧入部32a、42aを剥き出し状態としている。
(4)本実施形態では、被覆材34、44の厚みを1μm以上にすることで、被覆材34、44の耐酸性および耐硫化性の効果を保持して軸受部材30、40の腐食を防止している。さらに、被覆材34、44の厚みを50μm以下にすることで、軸受部材30、40とモータ50の回転軸55とのクリアランスが小さくなりモータ50の回転が妨げられることを防止する。
(5)本実施形態では、軸受本体32、42を耐硫化性に比較的優れているCu−Ni−Zn合金で形成するので、もし万が一、摩耗等によって被覆材34、44の厚みが薄くなり耐酸性および耐硫化性の効果が低くなってしまった場合でも、粗悪燃料にさらされる軸受本体32、42の部位が、その燃料中に比較的多く含まれる硫黄成分による腐食を防止できる。
(第2の実施形態)
以下、本発明を適用した他の実施形態を説明する。なお、以下の実施形態においては、第1の実施形態と同じもしくは均等の構成には同一の符号を付し、説明を繰返さない。
第2の実施形態では、軸受本体32、42のうち、軸受圧入部32a、42aに被覆材34、44を被覆させずに、その他の部位に被覆材34、44を被覆する製造方法として、図5(a)に示すように、軸受圧入部32a、42aをマスキングするコーティング前処理工程(以下、マスキング工程と呼ぶ)502と、軸受圧入部32a、42aをマスクされた軸受本体32、42を被覆材34、44で被覆するコーティング処理工程503とを備えている。図4は、本実施形態に係わる軸受部材を示す断面図である。図5は、図4の軸受部材の製造方法の一実施例を示す図であって、図5(a)は工程図、図5(b)から図5(d)は図5(a)に示す各工程における軸受部材の状態を示す断面図である。なお、図5(a)において、コーティング前処理工程502の前工程である軸受本体形成工程301は、第1の実施形態で説明したので詳細説明は省略する。軸受本体形成工程301で軸受本体32、44が形成されると、次に、マスキング工程502では、マスキング部材200で軸受圧入部32a、42aのマスキングを行う(図5(c)参照)。なお、軸受圧入部すなわち外周面32a、42aに繋がる両端部の角部を、マスキング部材200で覆うことが好ましい。マスキング部材200の治具構造として、図5(c)に示すように、例えばマスキング部材200を軸方向にほぼ二分割されたマスキング部200a、200bから構成される。あるいは、図示しない径方向にほぼ二分割されたマスキング部から構成されるものであってもよい。これにより、軸受圧入部32a、42aに両マスキング部200a、200bを挿入させることで、軸受圧入部32a、42aを容易に覆いながら保持される。次に、コーティング処理工程302では、マスキング部材200でマスクキングされた軸受本体32、42を、メッキまたは吹付け等によるコーティング処理を実施して、軸受本体32、42を被覆材34で被覆する。そして、マスキング部材200を軸受圧入部32a、42aからはずす(図5(d)参照)。
この様な方法であっても、予め軸受本体32、42を被覆材34、44で覆うときに、外周面32a、42aを図示しないマスキング部材によってマスキングを行ってコーティング処理を実施することで、軸受本体32、42の軸受圧入部すなわち外周面32a、42aを、被覆材34、44で被覆せずに、剥き出し状態としている。したがって、第1の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、軸受部材30、40に被覆材34、44を形成するのに、被覆材34、44のコーティング処理を実施する時点で、軸受本体32、42の全面に被覆材34、44を被覆しないので、被覆材34、44の原材料の無駄消費を低減することができる。
さらに、本実施形態では、図4に示すように、被覆材34、44のコーティング処理を実施する際に、マスキング部材200で、外周面32a、42a、および外周面32a、42aに繋がる両端部の角部をマスキングしてもよい。マスキング部材200の外周辺側に形成される被覆材34、44は厚みが不安定となり薄くなり易く、剥離し易い。これに対して、外力によって応力集中し易い角部には、マスキングによるコーティング処理によって形成された被覆材34、44がないので、組付作業等で万が一外力が角部に加わったとしても角部の応力集中による変形により被覆材34、44が剥離することはない。
(その他の実施形態)
以上説明した本実施形態では、耐酸性および耐硫化性に比較的優れた被覆材34、44の材質として、PTFEの樹脂皮膜材で説明したが、Au、Ni、SnまたはNiとPTFEの複合メッキ処理を用いて軸受本体32、42を被覆してもよい。
なお、以上説明した本実施形態では、軸受本体32、42を、Cu−Ni−Zn合金からなるものとして説明したが、耐硫化性を有しない材質で軸受本体32、42が形成されていてもよい。
本発明の第1の実施形態の燃料ポンプに係わる軸受部材を示す図であって、図1(a)は断面図、図1(b)は図1(a)中のB部分を拡大した部分断面図である。 本発明の第1の実施形態の燃料ポンプの一実施例を示す断面図である。 図1の軸受部材の製造方法の一実施例を示す図であって、図3(a)は工程図、図3(b)から図3(d)は図3(a)に示す各工程における軸受部材の状態を示す断面図である。 第2の実施形態に係わる軸受部材を示す断面図である。 図4の軸受部材の製造方法の一実施例を示す図であって、図5(a)は工程図、図5(b)から図5(d)は図5(a)に示す各工程における軸受部材の状態を示す断面図である。
符号の説明
10 燃料ポンプ
20 ポンプ部
21 ケーシング本体
30、40 軸受部材
32、(42) 軸受本体
32a、(42a) 軸受圧入部(圧入部、外周面)
34、(44) 被覆材
50 モータ
52 回転子
54 整流子
55 回転軸

Claims (8)

  1. モータと、保持部材とを備え、前記モータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられ、前記保持部材に圧入されて、前記モータの回転軸を軸受けする燃料ポンプ用軸受において、
    軸受本体と、前記軸受本体を被覆する、耐酸性を有する被覆材とを有し、
    前記軸受本体のうち、前記保持部材に圧入して保持される圧入部は、前記被覆材が被覆されることなく、前記保持部材に圧入され、
    その他の部位は、前記被覆材を被覆していることを特徴とする燃料ポンプ用軸受。
  2. 前記被覆材は、さらに耐硫黄化を有していることを特徴とする請求項1に記載の燃料ポンプ用軸受。
  3. 前記軸受部材は、略筒状に形成されており、前記被覆材は少なくとも前記軸受本体の軸方向両端面および内周面を被覆していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料ポンプ用軸受。
  4. 前記軸受部材は、略筒状に形成されており、前記その他の部位は、前記軸受本体の軸方向両端面および内周面であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の燃料ポンプ用軸受。
  5. 前記軸受本体は、耐硫化性を有する材質で形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の燃料ポンプ用軸受。
  6. 前記被覆材の厚みは、1μm〜50μmの範囲にあることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の燃料ポンプ用軸受。
  7. モータと、前記モータの回転軸を軸受けする軸受部材と、前記軸受部材を圧入して保持する保持部材とを備え、前記モータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられる燃料ポンプ用軸受の製造方法において、
    前記軸受部材は、軸受本体に酸性を有する被覆材を被覆されて形成されるものであって、
    前記軸受本体を前記被覆材で被覆するコーティング処理工程と、
    前記保持部材に圧入して保持される圧入部位の被覆材を削る圧入部被覆除去工程とを備えていることを特徴とする燃料ポンプ用軸受の製造方法。
  8. モータと、前記モータの回転軸を軸受けする軸受部材と、前記軸受部材を圧入して保持する保持部材とを備え、前記モータの回転駆動力により燃料を吸入し吐出する燃料ポンプに用いられる燃料ポンプ用軸受の製造方法において、
    前記軸受部材は、軸受本体に酸性を有する被覆材を被覆されて形成されるものであって、
    前記軸受本体のうち、前記保持部材に圧入して保持される圧入部位を、マスキングするコーティング前処理工程と、
    前記圧入部をマスキングされた前記軸受本体を前記被覆材で被覆するコーティング処理工程とを備えていることを特徴とする燃料ポンプ用軸受の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008057557A (ja) * 2006-08-29 2008-03-13 Bando Chem Ind Ltd オートテンショナ
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