JP2010190334A - ボールねじ装置の組立方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】締付けナットの締付けに伴うボールねじ軌道のリードの収縮量のばらつきを低減することができるボールねじ装置の組立方法を提供する。
【解決手段】ボールねじ軌道2aが設けられた中空状のねじ軸2と、ねじ軸2のボールねじ軌道にボール4を介してねじ合わされたボールねじナット3と、ねじ軸内に挿通されたロッド7と、ねじ軸2とロッド7とを結合する締結手段12とを備え、ボールねじ装置1の組立てに際し、2点間距離測定手段20によってねじ軸2の2点間の距離を測定しながら、締付けナット12を締め付けていき、2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了する。
【選択図】図1
【解決手段】ボールねじ軌道2aが設けられた中空状のねじ軸2と、ねじ軸2のボールねじ軌道にボール4を介してねじ合わされたボールねじナット3と、ねじ軸内に挿通されたロッド7と、ねじ軸2とロッド7とを結合する締結手段12とを備え、ボールねじ装置1の組立てに際し、2点間距離測定手段20によってねじ軸2の2点間の距離を測定しながら、締付けナット12を締め付けていき、2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了する。
【選択図】図1
Description
この発明は、ボールねじ装置の組立方法に関し、特に、ねじ軸が中空とされてねじ軸内に挿通されたロッドと結合されて使用されるボールねじ装置の組立方法に関する。
ボールねじとして、ボールねじ軌道が外周面に形成されたねじ軸の外側に、ボールねじ軌道が内周面に形成されたボールねじナットがはめられ、両ボールねじ軌道により形成されたボール通路に複数のボールが配設されたものが知られており、例えば電磁サスペンションなどで使用されている(特許文献1参照)。
ボールねじを装置(電磁サスペンションやアクチュエータ)に取り付ける際の1つの方法として、ねじ軸を中空状として、このねじ軸内にロッドを挿通し、ねじ軸とロッドとを結合することとし、この際の結合手段として、ねじ軸およびロッドの一端側を固定した状態で、ロッド他端部に形成されたおねじ部にねじ合わせられた締付けナットをねじ軸他端面に締め付けるものとすることが考えられる。
この場合、締付けナットの締付けに伴って、ねじ軸が収縮し、ボールねじ軌道のリードも収縮し、ボールねじナットのリードとボールねじ軌道のリードとの間にずれが生じることになる。通常、締付けナットの締付けをトルクレンチを使用して行い、トルク管理をすることで、ボールねじ軌道のリードの収縮量のばらつきが抑えられている。しかしながら、トルクレンチを使用したトルク管理では、ボールねじ軌道のリードの収縮量のばらつきが要求されるレベルよりも大きいものとなっており、リードの収縮量のばらつきのより一層の低減が課題となっている。
この発明の目的は、締付けナットの締付けに伴うボールねじ軌道のリードの収縮量のばらつきを低減することができるボールねじ装置の組立方法を提供することにある。
第1の発明によるボールねじ装置の組立方法は、ボールねじ軌道が設けられた中空状のねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされたボールねじナットと、ねじ軸内に挿通されたロッドと、ねじ軸とロッドとを結合する締結手段とを備えており、締結手段が、ねじ軸およびロッドの一端側を固定した状態で、ロッド他端部に形成されたおねじ部にねじ合わせられた締付けナットをねじ軸他端面に締め付けるものとされているボールねじ装置を組み立てる方法であって、ねじ軸の2点間の距離を測定しながら、締付けナットを締め付けていき、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了することを特徴とするものである。
第2の発明によるボールねじ装置の組立方法は、ボールねじ軌道が設けられた中空状のねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされたボールねじナットと、ねじ軸内に挿通されたロッドと、ねじ軸とロッドとを結合する締結手段とを備えており、締結手段が、ねじ軸およびロッドの一端側を固定した状態で、ロッド他端部に形成されたおねじ部にねじ合わせられた締付けナットをねじ軸他端面に締め付けるものとされているボールねじ装置を組み立てる方法であって、ねじ軸の所定位置とロッドの所定位置との2点間の距離を測定しながら、締付けナットを締め付けていき、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了することを特徴とするものである。
一般的なボールねじ装置では、ねじ軸が中実とされ、必要に応じて、その端部に、装置への取付け部等が設けられる。この発明による組立方法が対象とするボールねじ装置では、ねじ軸が中空状とされ、ねじ軸内に挿通されたロッドとねじ軸とが締付けナットを使用して結合される。この場合、締付けナットの締付けに伴って、ねじ軸が収縮し、ボールねじ軌道のリードも収縮し、リードの収縮量のばらつきによって、実際のリード収縮量とリード収縮量の設定値との相違量が大きくなり、ボールねじナットのリードとボールねじ軌道のリードとの間にずれが生じやすくなる。一般的に行われているトルクレンチを使用したトルク管理では、締結面の摩擦係数のばらつきなどによって締結力が変化し、締結力のばらつきに伴ってリード収縮量がばらつくことから、ずれを大幅に抑えることが難しい。
ねじ軸のリード収縮量は、ねじ軸の長さの収縮量と関係が深いことから、ねじ軸の長さの収縮量を管理することでその管理が可能であり、締結力も収縮量と線形の関係があるので、ねじ軸の長さの収縮量を管理することで締結力を管理することも可能となる。
この発明によるボールねじ装置の組立方法は、ボールねじ軌道のリードの収縮量と関係の強いねじ軸の収縮量を管理することにより、ボールねじナットのリードとボールねじ軌道のリードとの間のずれを防止するもので、第1の発明は、ねじ軸の2点間の距離を測定しながら、第2の発明は、ねじ軸の所定位置とロッドの所定位置との2点間の距離を測定しながら、締付けナットを締め付けていき、いずれの場合でも、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了するものである。これにより、トルクレンチを使用したトルク管理による締付けに比べて、締付けナットの締付けに伴うボールねじ軌道のリードの収縮量のばらつきを大幅に低減することができる。さらに、トルクレンチを使用した締付けの管理では、締結面の摩擦係数がばらつくことで、締結力が安定しにくいのに対し、締結力についても、そのばらつきを抑えることができる。
ねじ軸の2点間距離は、これを測定する測定手段を設置しやすい位置から適宜選択することができ、例えば、ねじ軸の一端部とこれの近傍とされる。ねじ軸の2点間距離は、一端から他端までの全長であってもよい。
ねじ軸の所定位置とロッドの所定位置との2点間距離は、これを測定する測定手段を設置しやすい位置から適宜選択することができ、例えば、ねじ軸の一端部またはその近傍とロッドの一端面との距離とされる。
ねじ軸の2点間距離を利用する場合は、ねじ軸の収縮量を直接測ることで精度が高いものとなる。ただし、その変化量が小さい点で不利であり、ねじ軸の所定位置とロッドの所定位置との2点間距離を利用する場合には、変化量が大きい点で有利となる。
2点間距離を測定するための測定手段としては、例えば、ダイヤルゲージ(アナログ式でもよく、デジタル式でもよい)を使用することができ、このほか、各種の距離測定用(変位)センサ(光学式変位センサ、超音波式変位センサ、電磁誘導式変位センサなど)を使用することができる。
ボールねじ装置は、アクチュエータ(モータによってボールねじナットが回転させられ、これにより、ねじ軸が直線移動する形態)として使用されることがあり、緩衝器(ねじ軸が外部からの力によって直線移動させられ、これにより、ボールねじナットが回転し、モータが発生する電磁力が減衰力となる形態)として使用されることがある。
ねじ軸およびボールねじナットは、例えば、S45C,S55Cなどの炭素鋼製あるいはSAE4150鋼製とされ、また、ボールは、例えば、軸受鋼(SUJ2)製とされる。ボールねじナットは、軸受鋼(SUJ2)製としてもよい。
この発明のボールねじ装置の組立方法によると、ボールねじ軌道のリードの収縮量と関係の強いねじ軸の収縮量が管理されるので、トルクレンチを使用したトルク管理による締付けに比べて、締付けナットの締付けに伴うボールねじ軌道のリード収縮量のばらつきを大幅に低減することができる。
以下、図面を参照して、この発明の実施形態について説明する。以下の説明において、上下は、各図の上下をいうものとする。
図3は、この発明が対象とするボールねじ装置を示しており、図1は、この発明によるボールねじ装置の組立方法の第1実施形態を、図2は、この発明によるボールねじ装置の組立方法の第2実施形態をそれぞれ示している。
図3に示すように、ボールねじ装置(1)は、ボールねじ軌道(2a)および上下方向にのびるスプライン軌道(図示略)が設けられた上下にのびる鋼製ねじ軸(2)と、ねじ軸(2)のボールねじ軌道(2a)にボール(4)を介してねじ合わされた回転自在の鋼製ボールねじナット(3)と、ねじ軸(2)の下端部側においてスプライン軌道にボールを介して嵌め合わされてねじ軸(2)の上下方向(軸方向)直線運動を案内する鋼製ボールスプライン外筒(5)と、ボールねじナット(3)を回転可能に支持する鋼製転がり軸受(6)とを備えている。
ねじ軸(2)は、中空状とされており、ねじ軸(2)内にロッド(7)が挿通されて、ねじ軸(2)とロッド(7)とが締結手段(8)によって結合されている。
締結手段(8)は、ねじ軸(2)およびロッド(7)の下端側を固定した状態で、ロッド(7)の上端部に形成されたおねじ部(11)にねじ合わせられた締付けナット(12)をねじ軸(2)の上端面に締め付けるものとされている。
この発明によるボールねじ装置の組立方法の第1実施形態では、図1に示すように、ねじ軸(2)の上端部に固定された基準プレート(21)と、基準プレート(21)から下方に所定距離離れた位置においてねじ軸(2)に固定された測定プレート(22)と、基準プレート(21)と測定プレート(22)との距離の変化量を計測するダイヤルゲージ(23)とを備えた2点間距離測定手段(20)が使用される。
ダイヤルゲージ(23)は、ばね(図示略)を内蔵し基準プレート(21)に固定されたゲージ本体(24)と、内蔵のばねで付勢されて測定プレート(22)に接触する測定子(25)と、測定子(25)の伸縮量に応じて基準プレート(21)と測定プレート(22)との距離の変化量を表示する目盛盤(26)とを有している。
この実施形態では、ボールねじ装置(1)の組立てに際し、締付けナット(12)は、まず、ねじ軸(2)の上端面に当接するまで手で締め付けられ、その後に、レンチ等の締付け治具(図示略)によって締め付けられる。このときの締付け荷重(締結力)は、数トンの大きさであり、締付けによって、ねじ軸(2)が軸方向に収縮し、その長さが減少する。これに伴って、ねじ軸(2)の2点間距離が小さくなり、それがダイヤルゲージ(23)によって検出される。締付けナット(12)を手で締め付けた後のねじ軸(2)の適正な収縮量(ねじ軸(2)の2点間距離の減少量)は、最終的に得られるボールスプライン軌道(2a)のリードがボールねじナット(3)のリードと一致するように、予め設定されており、ダイヤルゲージ(23)の目盛盤(26)によって2点間距離をモニタリングしながら締め付けていき、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了することで、目標とするねじ軸(2)の収縮量が得られるように締付けナット(12)を締め付けることができる。
この発明によるボールねじ装置の組立方法の第2実施形態では、図2に示すように、ねじ軸(2)の上端部に固定された取付けプレート(31)と、取付けプレート(31)の上面に設けられた高さ調節台(32)に固定されて取付けプレート(31)とロッド(7)上端面との距離の変化量を計測するダイヤルゲージ(33)とを備えた2点間距離測定手段(30)が使用される。
ダイヤルゲージ(33)は、ばね(図示略)を内蔵し取付けプレート(31)に固定されたゲージ本体(34)と、内蔵のばねで付勢されてロッド(7)上端面に接触する測定子(35)と、測定子(35)の伸縮量に応じて取付けプレート(31)とロッド(7)上端面との距離の変化量を表示する目盛盤(36)とを有している。
この実施形態では、ボールねじ装置(1)の組立てに際し、締付けナット(12)は、まず、ねじ軸(2)の上端面に当接するまで手で締め付けられ、その後に、レンチ等の締付け治具(図示略)によって締め付けられる。このときの締付け荷重(締結力)は、数トンの大きさであり、締付けによって、ねじ軸(2)が軸方向に収縮し、その長さが減少する。これに伴って、ロッド(7)上端面はねじ軸(2)の上端部に対して相対的に上方に移動し、取付けプレート(31)とロッド(7)上端面との2点間距離が大きくなり、それがダイヤルゲージ(33)によって検出される。締付けナット(12)を手で締め付けた後のねじ軸(2)の適正な収縮量(取付けプレート(31)とロッド(7)上端面との2点間距離の増加量)は、最終的に得られるボールスプライン軌道(2a)のリードがボールねじナット(3)のリードと一致するように、予め設定されており、ダイヤルゲージ(33)の目盛盤(36)によって2点間距離をモニタリングしながら締め付けていき、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了することで、目標とするねじ軸(2)の収縮量が得られるように締付けナット(12)を締め付けることができる。
(1) ボールねじ装置
(2) ねじ軸
(2a) ボールねじ軌道
(3) ボールねじナット
(8) 締結手段
(12) 締付けナット
(20)(30) 2点間距離測定手段
(2) ねじ軸
(2a) ボールねじ軌道
(3) ボールねじナット
(8) 締結手段
(12) 締付けナット
(20)(30) 2点間距離測定手段
Claims (2)
- ボールねじ軌道が設けられた中空状のねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされたボールねじナットと、ねじ軸内に挿通されたロッドと、ねじ軸とロッドとを結合する締結手段とを備えており、締結手段が、ねじ軸およびロッドの一端側を固定した状態で、ロッド他端部に形成されたおねじ部にねじ合わせられた締付けナットをねじ軸他端面に締め付けるものとされているボールねじ装置を組み立てる方法であって、
ねじ軸の2点間の距離を測定しながら、締付けナットを締め付けていき、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了することを特徴とするボールねじ装置の組立方法。 - ボールねじ軌道が設けられた中空状のねじ軸と、ねじ軸のボールねじ軌道にボールを介してねじ合わされたボールねじナットと、ねじ軸内に挿通されたロッドと、ねじ軸とロッドとを結合する締結手段とを備えており、締結手段が、ねじ軸およびロッドの一端側を固定した状態で、ロッド他端部に形成されたおねじ部にねじ合わせられた締付けナットをねじ軸他端面に締め付けるものとされているボールねじ装置を組み立てる方法であって、
ねじ軸の所定位置とロッドの所定位置との2点間の距離を測定しながら、締付けナットを締め付けていき、該2点間距離が所定値に達した時点で締付けを終了することを特徴とするボールねじ装置の組立方法。
Priority Applications (1)
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JP2009036058A JP2010190334A (ja) | 2009-02-19 | 2009-02-19 | ボールねじ装置の組立方法 |
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2009
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