JP2009270647A - 位置決めテーブル - Google Patents

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秀彦 西島
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Abstract

【課題】広範囲の振動周波数に対して良好な減衰特性を持ち、かつ減衰特性の調整が容易な位置決めテーブルを提供する。
【解決手段】位置決めテーブル101は、駆動機構53と、駆動機構53により直線的に移動可能なテーブル可動部11と、テーブル可動部11に取り付けられたダンパ機構3と、テーブル可動部11の振動量を検出する振動検出部32A,32Bとを備え、ダンパ機構3は、圧電素子1A,1Bと、圧電素子1A,1Bに組み合わされたおもり2とを含み、さらに、振動検出部32A,32Bによって検出された振動量に基づいて圧電素子1A,1Bに駆動電圧を供給する制御部33を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、位置決めテーブルに関し、特に、駆動機構により直線的に移動可能なテーブル可動部を有する位置決めテーブルに関する。
精密加工装置、精密検査装置等に用いられる位置決めテーブルが開発されている。たとえば、特開2007−198848号公報(特許文献1)には以下のような位置決めテーブルが開示されている。すなわち、駆動機構と、駆動機構により直線的に移動可能なテーブル可動部と、テーブル可動部に取り付けられたダンパ機構とを備え、ダンパ機構は、素線を網状に編成した弾性体と、弾性体に組み合わされたおもりとを有している。
このダンパ機構は、送りねじ軸と移動用ナットとの間に発生した軸方向の振動を速やかに減衰させる。これにより、テーブルの高速移動が可能であり、かつ、テーブルの位置決めを高精度で行なうことが可能な位置決めテーブルを実現している。
また、このダンパ機構では、弾性体およびおもりの設定によりばね定数および減衰係数が設定され、テーブル可動部の振動を抑制することが可能である。そして、弾性体のばね定数およびおもりの質量によって周波数特性を調整し、テーブル可動部の特定の振動周波数に対して最適な減衰特性を持つように、設計および製作することができる。
特開2007−198848号公報
しかしながら、特許文献1記載の位置決めテーブルでは、上記特定の周波数以外の振動に対しては、減衰特性が低下する。このため、テーブル可動部にこのダンパ機構を組込んだ後、たとえば、搭載物を変更してテーブル可動部の質量が変わり、テーブル可動部の振動周波数が変わった場合には、減衰効果が小さくなり、速やかな減衰が困難となる。
すなわち、弾性体とおもりの組み合わせによるダンパ機構では、弾性体とおもりすなわちばね定数と減衰係数によりテーブル可動部の振動を抑えているが、効果的な減衰特性を得られる周波数の範囲が限られており、その範囲以外の周波数では減衰効果が小さく、減衰時間が掛かり、位置決め性能が低下する場合がある。
また、特許文献1記載の位置決めテーブルでは、ダンパ特性を調整する際、弾性体とおもりを組替える必要があるため、調整作業に熟練と時間を要する。
それゆえに、本発明の目的は、広範囲の振動周波数に対して良好な減衰特性を持ち、かつ減衰特性の調整が容易な位置決めテーブルを提供することである。
上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる位置決めテーブルは、駆動機構と、駆動機構により直線的に移動可能なテーブル可動部と、テーブル可動部に取り付けられたダンパ機構と、テーブル可動部の振動量を検出する振動検出部とを備え、ダンパ機構は、圧電素子と、圧電素子に組み合わされたおもりとを含み、さらに、振動検出部によって検出された振動量に基づいて圧電素子に駆動電圧を供給する制御部を備える。
好ましくは、振動検出部は、圧電素子の静電容量を測定し、測定した静電容量の変化量に基づいてテーブル可動部の振動量を検出する。
好ましくは、位置決めテーブルは、さらに、おもりの運動方向を規制するための案内部材を備える。
より好ましくは、おもりの運動方向の両側に圧電素子が配置されている。
好ましくは、駆動機構は、第1のねじ溝を有するボールねじ軸と、第2のねじ溝を有しかつテーブル可動部に取り付けられたボールねじナットと、第1および第2のねじ溝に配置されたボールとを含む。
より好ましくは、ダンパ機構はボールねじナットに取り付けられている。
本発明によれば、広範囲の振動周波数に対して良好な減衰特性を持ち、かつ減衰特性の調整が容易である。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を示す外観図である。
図1を参照して、位置決めテーブル101は、テーブル可動部11と、テーブル固定部51と、駆動機構53と、リニアガイド54とを備える。駆動機構53は、駆動モータ52と、ボールねじ軸13とを含む。
テーブル固定部51上に、テーブル可動部11と、駆動機構53と、リニアガイド54とが設けられている。
駆動機構53は、テーブル可動部11をリニアガイド54に沿って図中のテーブル移動方向に直線的に移動させる。なお、駆動機構53は、図中のテーブル移動方向に直線的に駆動力を発生するものであればよく、リニアモータなどであってもよい。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。
図2を参照して、位置決めテーブル101は、駆動機構53により図中のテーブル移動方向に沿って直線的に移動可能なテーブル可動部11と、テーブル可動部11に取り付けられたダンパ機構3とを備える。ダンパ機構3は、圧電素子1A,1Bと、圧電素子1A,1Bに組み合わされたおもり2と、リニアガイド21とを含む。
おもり2の移動方向(テーブル移動方向)の両側にそれぞれ圧電素子1A,1Bが配置されている。これら2個の圧電素子1A,1Bは、たとえばテーブル可動部11に直接固定されている。これにより、ダンパ機構3がテーブル可動部11に直接取り付けられている。
また、おもり2の運動方向を規制するための案内部材としてリニアガイド21がおもり2とテーブル可動部11との間に設けられている。このリニアガイド21により、おもり2は図中のテーブル移動方向にのみ運動するように、その運動方向を規制されている。すなわち、おもり2が振り子運動する方向とテーブル可動部11の移動可能方向とが揃えられている。また、図中のテーブル移動方向以外の力が圧電素子1A,1Bに作用して圧電素子1A,1Bが破損することが防止される。
なお、駆動機構53は、たとえばボールねじ駆動、リニアモータ駆動など、テーブル可動部11を図中のテーブル移動方向に直線的に移動させるものであればよい。本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルでは、駆動機構の一例としてボールねじ駆動を用いる。
図3は、駆動機構としてボールねじ駆動を用いた場合の本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。
図3を参照して、駆動機構53は、ボールねじナット12と、ボールねじ軸13と、複数のボール14とを含む。
ボールねじナット12は、内周面に螺旋状のねじ溝12aを有しており、かつテーブル可動部11に取り付けられている。ボールねじ軸13は、外周面に螺旋状のねじ溝13aを有している。複数のボール14は、互いに対向するねじ溝12aとねじ溝13aとにより構成されるボール転動路に装填されている。
ボールねじ軸13は、その軸を中心に回転可能なようにベース(固定板)15に支持されている。このボールねじ軸13には、複数のボール14を介してボールねじナット12がねじはめられている。
このボールねじ駆動においては、ボールねじ軸13をその軸を中心として回転させることで、ボールねじナット12をボールねじ軸13に対して相対的にその軸方向に直線的に移動させることができる。このボールねじナット12の移動により、ボールねじナット12に固定されたテーブル可動部11もボールねじ軸13に対して相対的にその軸方向(図中のテーブル移動方向)に直線的に移動させることができる。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルにおいて圧電素子を制御する構成を示す図である。
図4を参照して、位置決めテーブル101は、アンプ部31A,31Bと、振動検出部32A,32Bと、制御部33とを備える。
テーブル可動部11が振動すると、おもり2の慣性力により圧電素子1A,1Bの静電容量が変化する。より詳細には、テーブル可動部11の移動時にその移動方向の振動が生じると、おもり2はテーブル可動部11の振動により振り子運動をする。おもり2の振り子運動によって圧電素子1A,1Bは変形し、その変形によって静電容量が変化する。
振動検出部32A,32Bは、圧電素子1A,1Bの静電容量をそれぞれ測定し、測定した静電容量の変化量に基づいてテーブル可動部11の振動量を検出する。より詳細には、振動検出部32A,32Bは、圧電素子1A,1Bの静電容量をアナログ電圧に変換する。また、振動検出部32A,32Bは、このアナログ電圧をデジタル電圧に変換する図示しないA/D変換器を含む。
制御部33は、振動検出部32A,32Bによって検出されたテーブル可動部11の振動量に基づいて、駆動電圧の指令値をそれぞれ演算し、アンプ部31A,31Bへ出力する。
アンプ部31A,31Bは、制御部33から受けたデジタル値である指令値をアナログ電圧に変換することにより、圧電素子1A,1Bに駆動電圧をそれぞれ供給する。
圧電素子1A,1Bは、アンプ部31A,31Bから供給された駆動電圧によって伸縮することにより、おもり2を移動させ、おもり2に慣性力を発生させる。この慣性力によってテーブル可動部11の振動が抑制される。
このように、本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルでは、テーブル可動部11の振動を抑制するために圧電素子を用いる。このような構成により、構成部品のばね定数等の機械的特性によらず、減衰特性を設定することができるため、広範囲の周波数において、速やかに振動を抑えることが可能となる。これにより、高速かつ高精度な位置決めが可能となる。
また、簡単な構成であり、ダンパ機構をテーブル可動部に組込んだ状態で、位置決め系の固有振動数に合わせて、減衰特性を広範囲にかつ容易に設定できるため、位置決め系の振動特性が変化する場合でも、高速でかつ高精度な位置決めが可能となる。
また、圧電素子は、おもりの駆動力を発生するだけでなく、テーブル可動部の振動を検出する検出器として兼用されている。これにより、新たに検出器を設ける必要がなく、設置場所の柔軟性の向上および費用を削減することができる。
また、圧電素子1A,1Bに組み合わされたおもり2により質量が付加されているため、負荷容量を大きくでき、振動減衰の効果を向上させることができる。これにより、テーブル可動部11を高速移動させたときに生じる振動を速やかに減衰させることができ、高速かつ高精度の位置決めが可能となる。
また、おもり2の運動方向の両側に圧電素子1A,1Bが配置されているため、圧電素子1A,1Bによりおもり2を両側から支持することができるとともに、両側の圧電素子1A,1Bで振動を減衰させることができる。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの変形例において圧電素子を制御する構成を示す図である。
図5を参照して、この位置決めテーブルは、アンプ部31A,31Bと、A/D変換器34A,34Bと、振動検出部35A,35Bと、制御部33とを備える。
振動検出部35A,35Bは、テーブル可動部11の振動量を検出し、検出した振動量を示すアナログ電圧をA/D変換器34A,34Bへ出力する。
A/D変換器34A,34Bは、振動検出部35A,35Bから受けたアナログ電圧をデジタル電圧にそれぞれ変換する。
制御部33は、A/D変換器34A,34Bから受けたデジタル電圧に基づいて、駆動電圧の指令値をそれぞれ演算し、アンプ部31A,31Bへ出力する。
この位置決めテーブルでは、圧電素子1A,1Bを振動検出手段として用いず、振動検出部35A,35Bによって直接テーブル可動部11の振動量を検出する。振動検出部35A,35Bは、テーブル可動部11の振動を検知できるものであればよく、たとえば振動検出器、位置検出器および速度検出器である。具体的には、加速度ピックアップ、リニアエンコーダ、静電容量センサ、うず電流式センサなど、様々な加速度センサ、変位センサ、速度センサを用いることができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る位置決めテーブルと比べてダンパ機構の構成を変更した位置決めテーブルに関する。以下、圧電素子1A,1Bの各々を圧電素子1と称する場合がある。
図6は、本発明の第2の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。
図6を参照して、ボールねじナット12にダンパ機構3が一体的に取り付けられている。具体的には、ボールねじナット12に圧電素子1の一方側が接するように配置されており、その圧電素子1の他方側に接するようにおもり2が配置されている。
圧電素子1およびおもり2の双方には貫通孔が設けられている。ボルト42は圧電素子1およびおもり2の双方の貫通孔に挿通されるとともにボールねじナット12に螺合されている。またボルト42の頭とおもり2との間には補助ばね41が配置されており、この補助ばね41によりおもり2はボールねじナット12側に付勢されている。このように圧電素子1およびおもり2は、ボルト42および補助ばね41によりボールねじナット12に固定されている。
このように、本発明の第2の実施の形態に係る位置決めテーブルによれば、ダンパ機構3がボールねじナット12に取り付けられて一体化されているため、装置をコンパクトにすることができる。また補助ばね41のばね定数を変えればダンパ機構3のばね定数を変えることもできる。さらにテーブル可動部11を駆動する力とダンパ機構3で発生する振動減衰のための力とが同じ軸線上に作用するため、テーブルの傾きを小さくすることができ、位置決め精度が向上する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る位置決めテーブルと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第3の実施の形態>
本実施の形態は、第2の実施の形態に係る位置決めテーブルと比べてダンパ機構の構成を変更した位置決めテーブルに関する。
図7は、本発明の第3の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。
図7を参照して、おもり2の運動方向を規制するための案内部材としてのリニアガイド22が、おもり2とテーブル可動部11との間に設けられている。このリニアガイド22により、おもり2は図中のテーブル移動方向にのみ運動するように、その運動方向を規制されている。すなわち、おもり2が振り子運動する方向とテーブル可動部11の移動可能方向とが揃えられている。
本発明の第3の実施の形態に係る位置決めテーブルによれば、装置を小型化できるとともに、おもり2の運動方向を規制するためのリニアガイド22が設けられているため、おもり2の運動方向以外の方向に振動が発生することを防止することができる。また、圧電素子1に推力方向以外の方向の力が作用することにより、圧電素子1が破損することを防止できる。
その他の構成および動作は第2の実施の形態に係る位置決めテーブルと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を示す外観図である。 本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。 駆動機構としてボールねじ駆動を用いた場合の本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。 本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルにおいて圧電素子を制御する構成を示す図である。 本発明の第1の実施の形態に係る位置決めテーブルの変形例において圧電素子を制御する構成を示す図である。 本発明の第2の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。 本発明の第3の実施の形態に係る位置決めテーブルの構成を概略的に示す部分断面図である。
符号の説明
1A,1B 圧電素子、2 おもり、3 ダンパ機構、11 テーブル可動部、12 ボールねじナット、12a ねじ溝、13 ボールねじ軸、13a ねじ溝、14 ボール、15 ベース(固定板)、21,22 リニアガイド、31A,31B アンプ部、32A,32B 振動検出部、33 制御部、34A,34B A/D変換器、35A,35B 振動検出部、41 補助ばね、42 ボルト、51 テーブル固定部、52 駆動モータ、53 駆動機構、54 リニアガイド、101 位置決めテーブル。

Claims (6)

  1. 駆動機構と、
    前記駆動機構により直線的に移動可能なテーブル可動部と、
    前記テーブル可動部に取り付けられたダンパ機構と、
    前記テーブル可動部の振動量を検出する振動検出部とを備え、
    前記ダンパ機構は、圧電素子と、前記圧電素子に組み合わされたおもりとを含み、
    さらに、
    前記振動検出部によって検出された振動量に基づいて前記圧電素子に駆動電圧を供給する制御部を備える位置決めテーブル。
  2. 前記振動検出部は、前記圧電素子の静電容量を測定し、前記測定した静電容量の変化量に基づいて前記テーブル可動部の振動量を検出する請求項1に記載の位置決めテーブル。
  3. 前記位置決めテーブルは、さらに、
    前記おもりの運動方向を規制するための案内部材を備える請求項1に記載の位置決めテーブル。
  4. 前記おもりの運動方向の両側に前記圧電素子が配置されている請求項3に記載の位置決めテーブル。
  5. 前記駆動機構は、第1のねじ溝を有するボールねじ軸と、第2のねじ溝を有しかつ前記テーブル可動部に取り付けられたボールねじナットと、前記第1および第2のねじ溝に配置されたボールとを含む請求項1に記載の位置決めテーブル。
  6. 前記ダンパ機構は前記ボールねじナットに取り付けられている請求項5に記載の位置決めテーブル。
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