JP2010189997A - 免震構造、及び免震構造を有する建物 - Google Patents

免震構造、及び免震構造を有する建物 Download PDF

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Akira Wada
章 和田
Hiroki Hamaguchi
弘樹 濱口
Masafumi Yamamoto
雅史 山本
Hideo Hisaie
英夫 久家
Masahiko Tono
雅彦 東野
Hajime Taniguchi
元 谷口
Mitsuru Takeuchi
満 竹内
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Abstract

【課題】上部構造体の転倒を防止することを目的とする。
【解決手段】基礎部18には、相対移動した上部構造体16を支持可能な予備支承部24が設けられている。即ち、常時、上部構造体16は支承部22の上に載置されており、予備支承部24には上部構造体が載置されていない。ここで、予備支承部24で上部構造体16を支持可能としたことにより、上部構造体16と下部構造体14とが相対移動したときに、上部構造体16を支持する支持点数の不足を防止することができる。従って、上部構造体16の転倒が防止され、上部構造体16の破損、損傷を抑制することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、建物の免震構造に関する。
免震装置としては、例えば、図15(A)に示すように、滑り支承100が知られている。滑り支承100の上端部には滑り材104が取り付けられている。この滑り支承100は、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部108に固定されている。基礎部108の外周には、建物102の水平移動スペースを確保する擁壁110が立設されている。建物102の底面には滑り板112が取り付けられており、この滑り板112が滑り材104の上に載置される。地震時には、滑り板112が滑り材104上を滑ることにより、建物102が水平移動する。これにより、基礎部108から建物102に伝達される水平力が低減されると共に建物102の周期が長周期化され、建物102に発生する地震力が抑制される。
ここで、再現期間が数百年の大地震(例えば、震度6強〜震度7)によって建物102の水平移動量が過大になると、図中の二点鎖線で示すように、建物102が擁壁110に衝突する懸念がある。この対策として、図15(B)に示すように、基礎部108を拡張し、建物102と擁壁110とのクリアランスを大きくすることが考えられる。しかしながら、建物102と擁壁110とのクリアランスを大きくすると、建物102と擁壁110との衝突が回避される一方で、建物102の水平移動量が大きくなる。そのため、建物102の支持点数が不足し、建物102が転倒する恐れがある。
一方、特許文献1では、地表に構築された基礎部の上面に滑り板を配置し、この滑り板の上に建物を支持するスライダーが載置されている。特許文献1では、擁壁が存在しないため、建物と擁壁との衝突が問題とならない。また、地表に構築された基礎部に建物が載置されるため、大地震により建物の水平移動量が過大となっても、建物が転倒することがない。しかしながら、基礎部の上面に滑り板を配置するため、滑り板が雨水等に浸り易く、滑り板が腐食、劣化する懸念がある。また、プレート状の滑り板に替えて、積層ゴム支承や転がり支承を用いた場合、建物の水平移動量が過大になると、水平移動した先に当該建物を支持するものがないため、建物の支持点数が不足し、建物が転倒する恐れがある。
特開2007−197916号公報
本発明は、上記の事実を考慮し、上部構造体の転倒を防止することを目的とする。
請求項1に記載の免震構造は、下部構造体に設けられた支承部と、前記下部構造体の上に構築される上部構造体に取り付けられると共に、前記支承部に載置され、前記下部構造体と前記上部構造体とを相対移動可能とする滑り板と、前記下部構造体に前記上部構造体から離して設けられ、相対移動した前記上部構造体を支持可能な予備支承部と、を備えている。
上記の構成によれば、下部構造体には支承部が設けられている。下部構造体の上に構築される上部構造体には、支承部に載置される滑り板が取り付けられている。この滑り板が、支承部の上を滑ることにより、下部構造体と上部構造体とが相対移動可能とされている。
また、下部構造体には、相対移動した上部構造体を支持可能な予備支承部が、上部構造体16から離して設けられている。即ち、常時、上部構造体は支承部の上に載置されており、予備支承部には上部構造体が載置されていない。
ここで、地震時、強風時などにおいて、上部構造体と下部構造体とが相対移動したときに、相対移動した上部構造体を予備支承部で支持可能としたことにより、上部構造体を支持する支持点数の不足を防止することができる。従って、上部構造体の転倒が防止され、上部構造体の破損、損傷を抑制することができる。
請求項2の記載の免震構造は、請求項1に記載の免震構造において、前記滑り板と接触する前記予備支承部の接触面の摩擦係数が、前記滑り板と接触する前記支承部の接触面の摩擦係数よりも大きくされている。
上記の構成によれば、滑り板と接触する予備支承部の接触面の摩擦係数が、滑り板と接触する支承部の接触面の摩擦係数よりも大きくされている。これにより、滑り板と予備支承部の接触面の間に発生する摩擦力が、滑り板と支承部の接触面との間に発生する摩擦力よりも大きくなり、予備支承部が上部構造体の相対移動を減速させるブレーキとして機能する。また、予備支承部の摩擦係数を増減することで、下部構造体と上部構造体との相対移動量を調整することができ、上部構造体とその周囲にある部材との衝突を防止することができる。
請求項3に記載の免震構造は、請求項1又は請求項2に記載の免震構造において、前記下部構造体が、地表から掘り下げられた地盤上に構築されている。
上記の構成によれば、下部構造体が、地表から掘り下げられた地盤上に構築されている。下部構造体には、例えば、基礎、擁壁、柱、梁、スラブ等が含まれる。
ここで、地表から掘り下げられた地盤上に構築された第1構造部に支承部を設けたことにより、地上構造物だけでなく、地下構造物も支承部に載置することができる。従って、地下構造物に発生する地震力も低減できる。
請求項4に記載の免震構造は、請求項1又は請求項2に記載の免震構造において、前記下部構造体が、地表から掘り下げられた地盤上に構築された第1構造部と、前記第1構造部の周りの前記地表に構築された第2構造部と、を備え、前記支承部が、前記第1構造部に設けられ、前記予備支承部が、前記第2構造部に設けられている。
上記の構成によれば、下部構造体が第1構造部と、第2構造部を備えている。第1構造部は、地表から掘り下げられた地盤上に構築されており、支承部が設けられている。第2構造部は、第1構造部の周りの地表に構築されており、予備支承部が設けられている。
ここで、第1構造部の周りの地表に第2構造部を構築し、この第2構造部に予備支承部を設けたことにより、予備支承部の配置位置の自由度が向上する。例えば、予備支承部を擁壁の上端部や、擁壁より外側にある基礎部などに設けることができる。
請求項5に記載の免震構造は、請求項4に記載の免震構造において、前記第2構造部が、前記第1構造部の周りから立ち上げられた擁壁であり、前記予備支承部が、前記擁壁の上端部に設けられている。
上記の構成によれば、第2構造部が、第1構造部の周りから立ち上げられた擁壁とされており、この擁壁の上端部に予備支承部が設けられている。
ここで、擁壁の上端部に予備支承部を設けたことにより、相対移動した上部構造体が擁壁に衝突することがない。そのため、上部構造体と擁壁との間に衝突防止用のクリアランスを確保する必要がない。従って、地盤の掘削コストを削減できる。
請求項6に記載の免震構造は、請求項4に記載の免震構造において、前記第2構造部が、前記第1構造部の周りから立ち上げられた擁壁であり、前記予備支承部が、前記擁壁に設けられ前記上部構造体から突出した突出部が挿入可能とされた凹部の下面である。
上記の構成によれば、第2構造部が、第1構造部の周りから立ち上げられた擁壁とされている。擁壁に設けられた凹部には、上部構造体から突出した突出部が挿入可能とされており、当該凹部の下面に予備支承部が設けられている。
ここで、第1構造部に予備支承部を設ける場合は、第1構造部を拡張する必要があるが、擁壁に設けられた凹部の下面に予備支承部を設けたことにより、第1構造部を拡張する必要がない。従って、第1構造部を拡張するための掘削コストを削減できる。
請求項7に記載の免震構造は、請求項1〜6の何れか1項に記載の免震構造において、前記予備支承部の高さが前記支承部の高さよりも高く、該予備支承部には前記上部構造体が乗り上げるスロープが設けられている。
上記の構成によれば、予備支承部の高さが、支承部の高さよりも高くされている。また、予備支承部にはスロープが設けられており、当該予備支承部に上部構造体が乗り上げ易くなっている。
ここで、予備支承部の高さを支承部の高さよりも高くしたことにより、上部構造体の鉛直荷重を確実に予備支承部に伝達することができ、予備支承部の高さと支承部の高さとが同じ場合と比較して、予備支承部が支持する鉛直荷重が大きくなる。従って、上部構造体を確実に支持することができる。また、予備支承部と上部構造体との間に発生する摩擦力が大きくなり、上部構造体の相対移動を減速させるブレーキ効果が向上する。
請求項8に記載の免震構造は、請求項7に記載の免震構造において、上下方向に伸縮する弾性体を介して前記予備支承部に取り付けられた可動部材によって、前記スロープが形成されている。
上記の構成によれば、予備支承部には、上下方向に伸縮する弾性体を介して可動部材が取り付けられており、この可動部材によってスロープが形成されている。このように、弾性体を介して可動部材を取り付けたことにより、予備支承部に上部構造体が移動したときに、弾性体が圧縮されて可動部材が上方に移動する。従って、上部構造体が予備支承部に乗り上げ易くなると共に、弾性体によって上部構造体に発生する衝撃が吸収される。
請求項9に記載の免震構造は、請求項1〜6の何れか1項に記載の免震構造において、前記予備支承部の高さが前記支承部の高さよりも高く、前記上部構造体には、前記予備支承部に乗り上げるスロープが設けられている。
上記の構成によれば、予備支承部の高さが、支承部の高さよりも高くされている。また、上部構造体にはスロープが設けられており、予備支承部に上部構造体が乗り上げ易くなっている。
ここで、予備支承部の高さを支承部の高さよりも高くしたことにより、上部構造体の鉛直荷重を確実に予備支承部に伝達することができ、予備支承部の高さと支承部の高さとが同じ場合と比較して、予備支承部が支持する鉛直荷重が大きくなる。従って、上部構造体を確実に支持することができる。また、予備支承部と上部構造体との間に発生する摩擦力が大きくなり、上部構造体の相対移動を減速させるブレーキ効果が向上する。
請求項10に記載の免震構造は、請求項9に記載の免震構造において、上下方向に伸縮する弾性体を介して前記上部構造体に取り付けられた可動部材によって、前記スロープが形成されている。
上記の構成によれば、上部構造体には、上下方向に伸縮する弾性体を介して可動部材が取り付けられており、この可動部材によってスロープが形成されている。このように、弾性体を介して可動部材を取り付けたことにより、予備支承部に上部構造体が移動したときに、弾性体が圧縮されて可動部材が上方に移動する。従って、上部構造体が予備支承部に更に乗り上げ易くなると共に、弾性体によって上部構造体に発生する衝撃が吸収される。
請求項11に記載の免震構造は、請求項1〜10の何れか1項に記載の免震構造において、予備支承部には、前記下部構造体と前記上部構造体との相対移動量が所定値を超えたときに、前記上部構造体が支持される。
上記の構成によれば、下部構造体と上部構造体との相対移動量が所定値を超えたときに上部構造体が予備支承部に支持される。例えば、大地震等によって下部構造体と上部構造体との相対移動量が所定値を超えたときに、上部構造体が予備支承部に移動し、当該予備支承部によって上部構造体が支持される。従って、上部構造体を支持する支持点数が不足することがなく、上部構造体の転倒が防止される。よって、上部構造体の破損、損傷を抑制することができる。
請求項12に記載の建物は、請求項1〜11の何れか1項に記載の免震構造を有している。
上記の構成によれば、請求項1〜11の何れか1項に記載の免震構造を有することで、上部構造体の転倒が防止された建物を構築することができる。
本発明は、上記の構成としたので、上部構造体の転倒を防止することができる。
本発明の第1の実施形態に係る免震構造が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造が適用された建物を示す平面図である。 (A)〜(B)は、本発明の第1の実施形態に係る免震構造が適用された建物を模式的に示す立面図である。 (A)、(B)は、本発明の第2の実施形態に係る予備支承部を示す、拡大立面図である。 (A)、(B)は、本発明の第2の実施形態に係る予備支承部を示す、拡大立面図である。 本発明の第3の実施形態に係る免震構造が適用された建物を示す立面図である。 (A)〜(C)は、本発明の第3の実施形態に係る下部構造体の変形例を示す立面図である。 本発明の第4の実施形態に係る免震構造が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第4の実施形態に係る免震構造の変形例が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造の変形例が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造の変形例が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第3の実施形態に係る免震構造の変形例が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造が適用された建物を示す立面図である。 本発明の第1の実施形態に係る免震構造が適用された建物を示す立面図である。 (A)、(B)は、従来技術が適用された建物を示す立面図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の第1の実施形態に係る免震構造について説明する。図1は、免震構造が適用された建物12を示す立面図であり、図2は、建物12の平面図である。
建物12は、下部構造体14と、下部構造体14の上に構築される上部構造体16と、を備えている。下部構造体14は、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部18(第1構造部)と、基礎部18の周りから立ち上げられ、その上端部が地表Sに構築された擁壁20(第2構造部)を備えている。擁壁20は上部構造体16を囲んでおり、この擁壁20によって上部構造体16の水平2方向の移動スペースが確保されている。これらの基礎部18及び擁壁20によって、免震装置を設置するための免震層が構築されている。
免震構造は、支承部22と、予備支承部24と、上部構造体16に取り付けられる滑り板26を備えている。支承部22は、鋼製やコンクリート製で四角柱に形成され、基礎部18の上に所定の間隔で配置されており、上部構造体16の常時荷重を支持している。また、支承部22は、その上端部に取り付けられる板状の滑り材28を備えている。滑り材28と支承部22との間には、適宜施工誤差や回転などを吸収するための弾性体を介在させても良い。滑り材28には、四フッ化エチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリエチレン、ステンレス、テフロン(登録商標)等の低摩擦材料が用いられる。なお、滑り材28は、その表面に鏡面仕上げ等を施して、摩擦係数を下げることも可能である。
上部構造体16の底面には、板状の滑り板26が取り付けられている。滑り板26は滑り材28の上に載置され、この滑り板26が滑り材28の上を滑ることにより、下部構造体14と上部構造体16とが横方向(又は水平方向)に相対移動可能とされている。
なお、滑り板26には、滑り材28と同様に、四フッ化エチレン(PTFE)、ポリアミド、ポリエチレン、ステンレス、テフロン(登録商標)等の低摩擦材料が用いられる。なお、これらの滑り板26及び滑り材28の材料は、建物12に求められる免震性能に応じて適宜選択される。
上部構造体16と擁壁20との間の基礎部18には、予備支承部24が設けられている。この予備支承部24は鋼製やコンクリート製で四角柱に形成され、上部構造体16から離れた位置に、当該上部構造体16を囲むように所定の間隔で配置されており、相対移動した上部構造体16を支持可能とされている。
また、予備支承部24は、その上端部に取り付けられる板状の摩擦材30を備えており、この摩擦材30の上に上部構造体16の滑り板26が載置可能とされている。摩擦材30には、鋼板や、鋼板に粗面化処理(例えば、赤錆の自然発生、樹脂の吹き付けなど)を施したものが使用されている。これにより、摩擦材30の滑り板26との接触面の摩擦係数(動摩擦係数)が、滑り材28の滑り板26との接触面の摩擦係数(動摩擦係数)よりも大きくされ、即ち、滑り板26と摩擦材30の接触面との間に発生する摩擦力が、滑り板26と滑り材28の接触面との間に発生する摩擦力よりも大きくされている。
次に、第1の実施形態に係る免震構造の作用について説明する。
常時、上部構造体16は、滑り板26を滑り材28に載置した状態、即ち、横方向(又は水平方向)に相対移動し易い状態で支承部22に支持されている。一方、地震時、強風時などに、上部構造体16及び下部構造体14に水平力が作用すると、滑り板26が滑り材28の上を滑ることにより、下部構造体14と上部構造体16とが相対移動する。これにより、下部構造体14から上部構造体16へ伝達される水平力が低減されると共に、上部構造体16の周期が長周期化され、上部構造体16に発生する地震力が低減される。
ここで、従来の免震構造によれば、想定以上の地震、例えば、再現期間が数百年の大地震(例えば、震度6強〜震度7)によって、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が過大になると、上部構造体16が擁壁20に衝突する恐れがあった。この対策として、例えば、図15(B)に示すように、基礎部108を拡張し、建物102と擁壁110とのクリアランスを大きくすることが考えられる。しかしながら、建物102と擁壁110とのクリアランスを大きくすると、上述したように、建物102と擁壁110との衝突が回避される一方で、建物102の相対移動量が大きくなる。そのため建物102の支持点数が不足し、建物102の下部に転倒モーメント(矢印F)が発生して建物102が転倒する恐れがあった。
これに対して本実施形態では、上部構造体16と擁壁20との間の移動スペースに、予備支承部24を設けている。この予備支承部24には、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えたときに、図1の2点鎖線で示すように上部構造体16が移動される。従って、上部構造体16の相対移動量が過大となっても、予備支承部24に上部構造体16が移動し、当該予備支承部24によって上部構造体16が支持されるため、上部構造体16の転倒が防止される。よって、上部構造体16の破損、損傷が抑制される。
また、摩擦材30の滑り板26との接触面の摩擦係数が、滑り材28の滑り板26との接触面の摩擦係数よりも大きくされている。これにより、滑り板26と摩擦材30の接触面との間に発生する摩擦力が、滑り板26と滑り材28の接触面との間に発生する摩擦力よりも大きくなり、摩擦材30が上部構造体16の相対移動を減速させるブレーキとして機能する。従って、上部構造体16と擁壁20との衝突を防止することができる。また、摩擦材30の摩擦係数を増減することで、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量を調整することができる。
更に、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部18に支承部22を設けたことにより、地上構造物だけでなく、地下構造物も支承部22で支持することができる。従って、地下構造物に発生する地震力も低減できる。
なお、予備支承部24は、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えたときに、上部構造体16を支持可能な位置に適宜配置される。この所定値としては、下部構造体14と上部構造体16の相対移動量が想定される相対移動量を超えたときに、上部構造体16が予備支承部24に支持されるように設定される。例えば、上部構造体16の支持点数が減少するときの上部構造体16の変位量(相対移動量)が設定される。
具体的には、図3(A)に示すように、常時(初期位置)において、上部構造体16が4つの支承部22で支持されている場合に、上部構造体16の相対移動により、図面上右端の支承部22から上部構造体16が外れて上部構造体16の支持点数が3つになるときの上部構造体16の変位量(相対移動量)等が設定される。また、上部構造体16が支承部22から外れないまでも、図3(B)に示すように、上部構造体16の相対移動により、図面上左端の支承部22を支点とした転倒モーメントが上部構造体16に作用し、上部構造体16が回転し始めるときや、図3(C)に示すように、上部構造体16の左端に作用する地震時軸力Fを片持ち状に支持すべき部材(梁、スラブなど)に集中力が発生し、当該部材に破損、損傷し始めるときの上部構造体16の変位量(相対移動量)が設定される。なお、所定値は、必要に応じて適宜設定すれば良く、上記の例に限定されないことは勿論である。
次に、第2の実施形態に係る免震構造について説明する。なお、第1の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図4(A)及び図4(B)に示すように、第2の実施形態では、予備支承部24の高さHが、支承部22の高さHよりも高くされている。また、上部構造体16の下部に形成された切欠き溝16Aには、弾性体34を介して可動部材42が取り付けられている。弾性体34は、天然ゴムや合成ゴム等で板状に形成されており、上下方向に伸縮可能とされている。なお、弾性体34に替えて、ポリウレタン、コイルバネ等を用いても良い。
可動部材42の予備支承部24側の底面は、船底のように上方に向って緩やかに湾曲したスロープ42Aが形成されており、可動部材42が予備支承部24に乗り上げ易くなっている。また、可動部材42の底面には、スロープ42Aに沿って滑り板26が取り付けられている。
次に、第2の実施形態に係る免震構造の作用について説明する。
想定以上の地震等によって、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えると、上部構造体16が予備支承部24へ移動し、上部構造体16が予備支承部24によって支持される。従って、上部構造体16を支持する支持点数が不足することがなく、上部構造体16の転倒が防止される。
ここで、予備支承部24の高さHを支承部22の高さHよりも高くしたことで、上部構造体16の鉛直荷重を確実に予備支承部24に伝達することができ、予備支承部24の高さと支承部22の高さとが同じ場合と比較して、予備支承部24が支持する鉛直荷重が大きくなる。従って、上部構造体16を確実に支持することができる。また、摩擦材30と滑り板26との間に発生する摩擦力が大きくなり、上部構造体16の相対移動を減速させるブレーキ効果が向上する。
更に、可動部材42の底面にスロープ42Aを形成したことにより、上部構造体16が予備支承部24に乗り上げ易くなる。また、予備支承部24に可動部材42が乗り上げる際に、上部構造体16と可動部材42との間に介在する弾性体34が圧縮され、可動部材42が上方へ移動するため、上部構造体16が予備支承部24に更に乗り上げ易くなる。よって、上部構造体16に発生する衝撃を抑制することができる。
なお、本実施形態では、上部構造体16に可動部材42を取り付けたが、予備支承部24に可動部材を取り付けても良い。具体的には、図5(A)及び図5(B)に示すように、予備支承部24の上端部には、弾性体50を介して可動部材48が取り付けられている。弾性体50は、天然ゴム、合成ゴム等で板状に形成されており、上下方向に伸縮可能とされている。
可動部材48の上部構造体16側の上面は、下方に向って緩やかに湾曲したスロープ48Aが形成されており、上部構造体16が予備支承部24に乗り上げ易くなっている。また、可動部材48の上面には、スロープ48Aに沿って摩擦材30が取り付けられている。
ここで、可動部材48の上面にスロープ48Aを形成したことにより、上部構造体16が予備支承部24に乗り上げ易くなる。また、予備支承部24に可動部材42が乗り上げる際に、弾性体50が圧縮され、可動部材48が下方へ移動するため、上部構造体16が予備支承部24に更に乗り上げ易くなる。よって、上部構造体16に発生する衝撃を抑制することができる。
なお、上部構造体16の底面及び予備支承部24の上端部にそれぞれ可動部材42、48を設け、上部構造体16の底面及び予備支承部24の上端部にスロープ42A、48Aを設けても良い。また、可動部材42、48及び弾性体34、50を省略し、上部構造体16の底面及び予備支承部24の上端部の少なくとも一方にスロープを形成し、上部構造体16を乗り上げ易くすることも可能である。また、予備支承部24の高さと支承部22の高さが略同一の場合にも、スロープ42A、48A等を設けることが望ましい。支承部22は、上部構造体16の常時荷重を支持するため、その軸力によって圧縮変形されることが多く、予備支承部24よりも高さが低くなるためである。
次に、第3の実施形態に係る免震構造について説明する。なお、第1、第2の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
第3の実施形態では、予備支承部として擁壁20を用いる。図6に示すように、下部構造体14は、基礎部18と、基礎部18の周りから立ち上げられた擁壁20と、を備えている。擁壁20は上部構造体16を囲むように基礎部18の周りから立ち上げられており、その上端部が地表Sに構築されている。
地表Sから露出された擁壁20の上端部は予備支承部とされており、相対移動した上部構造体16を支持可能とされている。また、擁壁20の上端部には、摩擦材30が取り付けられている。摩擦材30の滑り板26との接触面の摩擦係数は、滑り材28の滑り板26との接触面の摩擦係数よりも大きくされている。これにより、滑り板26と摩擦材30の接触面との間に発生する摩擦力が、滑り板26と滑り材28の接触面との間に発生する摩擦力よりも大きくなり、擁壁20が上部構造体16の相対移動を減速させるブレーキとして機能する。
次に、第3の実施形態に係る免震構造の作用について説明する。
想定以上の地震等によって、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えると、上部構造体16が擁壁20の上端部へ移動し、上部構造体16が擁壁20によって支持される。従って、上部構造体16を支持する支持点数が不足することがなく、上部構造体16の転倒が防止される。
ここで、擁壁20の上端部を予備支承部としたことにより、相対移動した上部構造体16が擁壁20の上端部に移動するため、上部構造体16が擁壁20に衝突することがない。従って、上部構造体16と擁壁20との間の衝突防止用の移動スペースを大きくする必要がない。よって、基礎部18を拡張する必要がなく、地表Sの掘削コストを削減できる。
なお、本実施形態では、地表Sと擁壁20の上端部とが同一面上に位置しているが、擁壁20を高くし、地表Sから上方へ突出させることも可能である。
また、図7(A)に示すように、擁壁20の壁厚を厚くし、上部構造体16が移動されるスペースを広くしても良い。この場合、摩擦材30と滑り板26との接触面積が増えるため、上部構造体16の相対移動に対するブレーキ効果が向上する。
また、図7(B)に示すように、擁壁20とは別に、地表Sに基礎部52(第2構造部)を構築し、この基礎部52に予備支承部を設けても良い。具体的には、下部構造体14は、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部18と、擁壁20の外側の地表Sに構築された基礎部52(第2構造部)と、を備えている。基礎部52の上端部は地表Sから露出しており、擁壁20を通過して相対移動した上部構造体16が移動される予備支承部とされている。また、基礎部52の上端部には、摩擦材30が取り付けられている。これにより、滑り板26と摩擦材30との間に発生する摩擦力が、滑り板26と滑り材28との間に発生する摩擦力よりも大きくなり、上部構造体16の相対移動を減速させるブレーキとして機能する。
このように、基礎部18の周りの地表Sに、予備支承部としての基礎部52を設けたことにより、予備支承部の配置位置の自由度が向上する。なお、図7(B)に示す構成では、擁壁20を予備支承部として用いているが、擁壁20の上端部に滑り材28を取り付け、支承部として用いることも可能である。
更に、図7(C)に示すように、基礎部52の上に予備支承部54を設けても良い。具体的には、予備支承部54は、コンクリート製で四角柱に形成されており、相対移動された上部構造体16が移動可能とされている。一方、上部構造体16を支持する支承部22は擁壁20よりも高さが高くされており、相対移動した上部構造体16は、擁壁20の上方を通過して予備支承部54に移動し、予備支承部54によって支持される。このように、予備支承部は、必要に応じて様々な場所に設けることができる。
なお、図7(B)及び図7(C)に示す構成では、基礎部18と基礎部52とを別体としたが、基礎部18と基礎部52とを一体として形成しても良い。
次に、第4の実施形態に係る免震構造について説明する。なお、第1〜第3の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
第4の実施形態では、擁壁20に設けられた凹部62の下面62Aに予備支承部を設ける。図8に示すように、下部構造体14は、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部18と、基礎部18の周りから立ち上げられた擁壁20と、を備えている。擁壁20の壁面には、立面視にてC型に凹んだ凹部62が形成されている。この凹部62には、上部構造体16の側面16Bに突出して設けられた突出部64が挿入可能とされている。これらの凹部62の下面62A及び突出部64の下面64Aには摩擦材30がそれぞれ取り付けられており、上部構造体16が相対移動したときに、突出部64の摩擦材30が凹部62の摩擦材30に接触される。これにより、凹部62の下面62Aが、上部構造体16の相対移動を減速させるブレーキとして機能する。
次に、第4の実施形態に係る免震構造の作用について説明する。
想定以上の地震等によって、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えると、擁壁20の凹部62に上部構造体16の突出部64が挿入されると共に、凹部62の下面62Aに突出部64の下面64Aが移動され、上部構造体16が擁壁20によって支持される。従って、上部構造体16を支持する支持点数が不足することがなく、上部構造体16の転倒が防止される。
ここで、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部18に支承部22を設けたことにより、地上構造物だけでなく、地下構造物も支承部22で支持することができる。従って、地下構造物に発生する地震力も低減できる。
また、図1に示す構成のように、基礎部18に予備支承部24を設ける場合、基礎部18を拡張する必要があるのに対し、擁壁20に設けられた凹部62の下面62Aを予備支承部としたことにより、基礎部18を拡張する必要がない。従って、地表Sの掘削コストを削減できる。
なお、図9に示すように、擁壁20に凹部62を設けるのではなく、擁壁20に段部66を設け、この段部66の上面66Aを予備支承部として用いることも可能である。
また、上記第1〜第4の実施形態では、基礎部18の上面を平坦面としたがこれに限らない。例えば、図10に示すように、第1の実施形態に係る免震構造において、基礎部18の上面を、その中央部が最も低くなるような曲面形状又は球面形状とし、支承部22及び予備支承部24を配置する。他方、上部構造体16の底面は、下方に凸であって基礎部18の上面と略同一の曲率とされた曲面形状又は球面形状とされている。
ここで、地震等によって下部構造体14及び上部構造体16に水平力が作用すると、滑り板26が滑り材28の上を滑ることにより、上部構造体16が振り子のように揺れ動く(矢印A方向)。地震後には、低くされた基礎部18の中央部、即ち、初期位置に上部構造体16が移動する。また、想定以上の地震等により下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えた場合も同様に、予備支承部24に移動した上部構造体16が初期位置に移動する。従って、次の地震時に、上部構造体16が初期位置から滑り出すことが可能となり、免震効果の安定化を図ることができる。
更に、上記第1〜第4の実施形態では、免震装置を設置するための免震層に支承部22を設けたが、いわゆる地下基礎免震にも適用可能できる。即ち、図11に示す地下基礎免震では、上部構造体16の下部が地下構造物とされており、掘り下げられた地盤G上に構築された基礎部18に支承部22が設けてられている。
また、上記第1〜第4の実施形態では、基礎部18及び擁壁20によって下部構造体14を構成したこれに限らない。下部構造体14は、その上に上部構造体16が構築される構造体(構造部材も含む)であれば良く、例えば、地表Sから掘り下げられた地盤G上に構築された地下構造物もこれに含まれる。具体的には、図12に示すように、下部構造体14(地下構造物)の上に上部構造体16が構築されている。下部構造体14を構成する柱56の上端部56A(柱頭)は支承部とされており、当該上端部56Aによって上部構造体16が支持されている。一方、下部構造体14を構成する擁壁20の上端部は、予備支承部とされており、相対移動した上部構造体16を支持可能とされている。なお、符号58は、地下構造物を構成する梁又はスラブである。
更に、上記第1〜第4の実施形態では、地表Sから掘り下げられた地盤G上に下部構造体14を設けたがこれに限らない。例えば、図13に示すように、地表S上に構築された下部構造体14に支承部22を設け、中間層免震としても良い。
また、支承部22及び予備支承部24を鋼製やコンクリート製の支柱としたがこれに限らない。例えば、図14に示すように、支承部及び予備支承部を積層ゴム支承72、74で構成しても良い。積層ゴム支承72、74の上端部には、滑り材28、摩擦材30がそれぞれ設けられている。
このように、支承部に積層ゴム支承72を用いることにより、地震等により下部構造体14と上部構造体16とが相対移動したときに、積層ゴムがせん断変形して振動エネルギーを吸収する。また、地震等による水平力が所定値以上になると、上部構造体16の滑り板26が積層ゴム支承72の滑り材28の上を滑ることにより、下部構造体14から上部構造体16へ伝達される水平力が低減され、上部構造体16に発生する地震力が低減される。
更に、下部構造体14と上部構造体16との相対移動量が所定値を超えた場合、予備支承部としての積層ゴム支承74に上部構造体16が移動する。この際、積層ゴム支承74は、上部構造体16の相対移動を減速するブレーキとして機能するだけでなく、積層ゴム支承74がせん断変形することにより、上部構造体16の振動エネルギーを吸収する。従って、免震性能が向上する。なお、支承部及び予備支承部には、転がり支承等の免震装置を用いても良い。
また、上記第1〜第4の実施形態において、支承部22の上端部に滑り材28を設けたが、この滑り材28は適宜省略可能である。支承部22は、上部構造体16と下部構造体14とを相対移動可能に支持出来れば良く、滑り材28は、滑り板26の摩擦係数との関係で必要に応じて設ければ良い。例えば、コンクリート製の支承部22を用いた場合は、コンクリート面の上に滑り板26を直接載置することも可能である。
また、予備支承部24の上端部に摩擦材30を設け、上部構造体16の相対移動を減速させるブレーキ機能を付加したが、予備支承部24は少なくとも相対移動した上部構造体16を支持可能であれば良く、摩擦材30は適宜省略可能である。また、摩擦材30に替えて滑り材を設け、滑り支承としても良い。
更に、支承部22及び予備支承部24の形状は、四角柱に限らず多角柱や円柱、円錐台であっても良い。また、支承部22及び予備支承部24の数、配置は必要に応じて適宜変更可能であり、少なくとも1つの支承部22と予備支承部24を備えていれば良い。
更にまた、上記第1〜第4の実施形態は、中層建物や高層建物等の種々の建物に適用可能である。また、一般的な滑り支承が適用された既存建物に対し、予備支承部を追加することも可能である。
また、上記第1〜第4の実施形態では、従来の免震建物に設けられているオイルダンパなどの粘性・粘弾性ダンパや、鋼製ダンパなどの減衰材、積層ゴムなどの復元材を省略して説明したが、建物の設計条件に応じて適宜設けても良い。更に、これらの従来ダンパに必要に応じて大変形対応機構を設け、想定以上の地震力を受けた後でも所定の免震性能が保持されるようにしても良い。大変形対応機構としては、例えば、従来ダンパと建物等との連結部に摩擦材を設け、想定以上の地震力を受けたときに滑り出して連結を解除する滑り機構や、想定以上の地震力を受けたときに連結部から抜け落ちたり、破断したりして連結を解除する連結ピン機構などが挙げられる。
以上、本発明の第1〜第4の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に限定されるものでなく、第1〜第4の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
12 建物
14 下部構造体
16 上部構造体
18 基礎部(下部構造体、第1構造部)
20 擁壁(下部構造体、第2構造部)
22 支承部
24 予備支承部
26 滑り板
34 弾性体
42 可動部材
42A スロープ
48 可動部材
48A スロープ
50 弾性体
52 基礎部(下部構造体、第2構造部)
54 予備支承部
56 柱(下部構造体)
62 凹部
62A 下面
64 突出部
G 地盤
S 地表

Claims (12)

  1. 下部構造体に設けられた支承部と、
    前記下部構造体の上に構築される上部構造体に取り付けられると共に、前記支承部に載置され、前記下部構造体と前記上部構造体とを相対移動可能とする滑り板と、
    前記下部構造体に前記上部構造体から離して設けられ、相対移動した前記上部構造体を支持可能な予備支承部と、
    を備える免震構造。
  2. 前記滑り板と接触する前記予備支承部の接触面の摩擦係数が、前記滑り板と接触する前記支承部の接触面の摩擦係数よりも大きい請求項1に記載の免震構造。
  3. 前記下部構造体が、地表から掘り下げられた地盤上に構築されている請求項1又は請求項2に記載の免震構造。
  4. 前記下部構造体が、地表から掘り下げられた地盤上に構築された第1構造部と、前記第1構造部の周りの前記地表に構築された第2構造部と、を備え、
    前記支承部が、前記第1構造部に設けられ、
    前記予備支承部が、前記第2構造部に設けられている請求項1又は請求項2に記載の免震構造。
  5. 前記第2構造部が、前記第1構造部の周りから立ち上げられた擁壁であり、
    前記予備支承部が、前記擁壁の上端部に設けられている請求項4に記載の免震構造。
  6. 前記第2構造部が、前記第1構造部の周りから立ち上げられた擁壁であり、
    前記予備支承部が、前記擁壁に設けられ前記上部構造体から突出した突出部が挿入可能とされた凹部の下面である請求項4に記載の免震構造。
  7. 前記予備支承部の高さが前記支承部の高さよりも高く、該予備支承部には前記上部構造体が乗り上げるスロープが設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載の免震構造。
  8. 上下方向に伸縮する弾性体を介して前記予備支承部に取り付けられた可動部材によって、前記スロープが形成されている請求項7に記載の免震構造。
  9. 前記予備支承部の高さが前記支承部の高さよりも高く、
    前記上部構造体には、前記予備支承部に乗り上げるスロープが設けられている請求項1〜6の何れか1項に記載の免震構造。
  10. 上下方向に伸縮する弾性体を介して前記上部構造体に取り付けられた可動部材によって、前記スロープが形成されている請求項9に記載の免震構造。
  11. 予備支承部には、前記下部構造体と前記上部構造体との相対移動量が所定値を超えたときに、前記上部構造体が支持される請求項1〜10の何れか1項に記載の免震構造。
  12. 請求項1〜11の何れか1項に記載の免震構造を有する建物。
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KR101937252B1 (ko) * 2017-02-08 2019-01-14 김점철 건축물의 방진 시스템
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