JP2010189286A - 毛髪強化剤 - Google Patents

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Abstract

【課題】毛髪の損傷を修復して、パーマネントウェーブ効果やヘアカラー効果を向上させるための、毛髪強化効果を維持することが出来る毛髪強化剤を提供する。
【解決手段】A液とB液の2液からなる毛髪強化剤であって、A液が緩衝液であり、B液がD,L-ピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物とヒドロキシプロピルセルロースを含有する水溶液であって、B液はA液の毛髪への塗布後に続いて毛髪に塗布され、毛髪上で該2液を反応させて水に不溶性のガム状物質を形成させ、毛髪を強化する特徴を有する毛髪強化剤。
【選択図】なし

Description

本発明は毛髪強化剤に関するものであり、傷んだ毛髪に張りとつやを与え、かつパーマネントウェーブ処理またはヘアカラー処理を効果的に遂行するための毛髪強化剤に関するものである。
損傷した毛髪を強化し、美しくつやのある毛髪にするための処理剤はこれまでに多数存在する。しかしながら、そのほとんどがケラチンやコラーゲンなどの毛髪を構成するタンパク質を加水分解した水溶液や高分子樹脂の水溶液であり、一度の洗髪によって毛髪から流れ出てしまい、その効果を喪失してしまうという欠点があった。
近年では、ヒドロキシプロピルセルロースを含むカチオン性活性剤(塩化ラウリルトリメチルアンモニウムなど)と、アニオン性活性剤(ポリアクリル酸ナトリウムなど)を、毛髪上で反応させて、水に不溶性のガム状物質を作製し、毛髪を強化しようとする毛髪強化剤も存在するが、満足な結果は得られていない。
水溶性のタンパク質の加水分解物や高分子樹脂を用いても、毛髪強化の効果に永続性は無く、アニオン性物質とカチオン性物質による水に不溶性の造塩物質であっても十分な効果が得られていない。
本発明者らは鋭意検討を重ねた結果、A液とB液の2液からなる毛髪強化剤であって、
A液が緩衝液であり、B液がピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物とヒドロキシプロピルセルロースを含有する水溶液であって、
該A液と該B液は連続的に毛髪に塗布され、毛髪上で該2液を反応させてガム状物質を形成させ、毛髪を強化することを特徴とする毛髪強化剤の発明を完成するに至った。
本発明は以下の通りである。
項1.A液とB液の2液からなる毛髪強化剤であって、
該A液が緩衝液であり、該B液がピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物および、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する水溶液であって、該A液と該B液は連続的に毛髪に塗布され、毛髪上で該2液を反応させて水に不溶性のガム状物質を形成させ、毛髪を強化することを特徴とする毛髪強化剤。
項2.前記のアミノ酸が、酸性アミノ酸であることを特徴とする、項1に記載の毛髪強化剤。
項3.前記のA液のpHが2.0〜9.0であることを特徴とする、項1または項2のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
項4.前記のB液中に含まれる前記の化合物が、0.5重量%以上5.0重量%未満であることを特徴とする、項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
項5.前記のB液中に含まれるヒドロキシプロピルセルロースが、0.2重量%以上3.0%以下であることを特徴とする、項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
項6.前記のB液中に含まれる前記の化合物とヒドロキシプロピルセルロースの重量比が、1:6〜25:1であることを特徴とする、項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
項7.前記の化合物の、D-体とL-体の存在比が10:90〜90:10の混合物であることを特徴とする、項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
項8.項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪強化剤を用いて毛髪を前処理した後に、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、または縮毛矯正剤によってさらに該毛髪を処理する方法。
本発明によれば、毛髪を強化することが可能となり、弾力性が強く、張りのある毛髪に補修することが出来る。従って、整髪し易く美しさに富んだ毛髪を提供することが可能となり、さらに毛髪の手触り、しっとり感、柔軟性、すべりの良さ、風合い、艶などを良好にする効果も提供することが可能となる。
ガム状物質の形成におけるA液のpHの検討の結果を表す図 毛髪強化効果実験に用いた実験装置を説明する図
本発明におけるガム状物質とは、ピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物および、ヒドロキシプロピルセルロースからなる物質である。従って、本発明におけるピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物とヒドロキシプロピルセルロースは共に本発明の毛髪強化剤の有効成分となる。
本発明において、ガム状物質の有効成分となるアミノ酸は、グルタミン酸またはアスパラギン酸などの酸性アミノ酸であってもよいものとする。
本発明におけるピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物は、D体およびL体の化合物の混合物であり、両者の比率が1:1のようなラセミ体に限られることは無いものとする。
本発明において、皮膜成分であるガム状物質を形成するヒドロキシプロピルセルロースと、ピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物を同一液中に含有させ、該溶液と緩衝液を混ぜ合わせることによって、ヒドロキシプロピルセルロースと該アミノ酸アナログを反応させてガム状物質を作製することが好ましい。その理由として、該化合物とヒドロキシプロピルセルロースを、それぞれ別の液に含有させて混ぜ合わせると、毛髪上での反応の際にムラが生じて均一な処理が出来ないためである。
本発明において、A液およびB液を連続的に毛髪へ塗布する順序として、A液を塗布した後にB液を塗布することが望ましい。
本発明において、B液中に含まれるピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物の濃度は、0.5重量%以上5.0重量%未満である。より好ましくは1.0重量%以上3.0重量%以下である。
本発明において、B液中に含まれるピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物とヒドロキシプロピルセルロースの重量比は、1:6〜25:1である。より好ましくは、1:3〜15:1である。
本発明におけるピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物は、その塩類であってもよいものとする。
本発明におけるA液には、有機酸または無機酸が含まれるものとする。有機酸の例として酢酸、グリコール酸、プロピオン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、コハク酸、およびクエン酸が挙げられる。無機酸の例として塩酸、硫酸、およびリン酸が挙げられる。
本発明におけるA液のpHの範囲は2.0〜9.0である。好ましい範囲として2.0〜5.0である。更に好ましい範囲として2.0〜4.0である。
本発明におけるB液のpHは特に限定されるものではないが、好ましくは5.0〜9.0である。更に好ましくは6.0〜8.0である。
本発明のA液には、毛髪への塗布を容易にする目的で増粘剤が含まれていてもよいものとする。増粘剤の例としてポリアクリル酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、エステルガム、ニトロセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルメチルセルロース、ポリアミド樹脂、アラビアゴム、トラガントガム、グアーガム、ローカストビーンガム、カラヤガム、アイリスモス、クインスシード、ゼラチン、セラック、ロジン、カゼインなどなどが挙げられる。
本発明のA液には、毛髪の補修成分として保湿剤が含まれていてもよいものとする。保湿剤の例としてトリメチルグリシン、プロピレングリコール、濃グリセリン、1,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオールなどの多価アルコール類、ヒアルロン酸ナトリウム、尿素、乳酸菌培養液、酵母抽出液、卵殻膜タンパク、牛顎下腺ムチン、ヒポタウリン、ゴマリグナン配糖体、コンドロイチン硫酸、グルタチオン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、カルビトール、乳酸ナトリウム、アルブミンなどが挙げられる。
本発明のA液またはB液には、ガム状物質を形成させる有効成分のアミノ酸とは別に、毛髪の補修成分としてのアミノ酸、タンパク質またはタンパク質を分解したペプチド、ゼラチンなどが含まれていてもよいものとする。アミノ酸の例として、アラニン、システイン、アスパラギン酸、グルタミン酸、フェニルアラニン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、リジン、ロイシン、メチオニン、アスパラギン、プロリン、グルタミン、アルギニン、セリン、トレオニン、バリン、トリプトファン、チロシンなどのアミノ酸および、そのアナログ体が挙げられる。タンパク質の例として、コラーゲン、エラスチン、コラーゲン、ケラチン、コンキオリン、パールシンなどが挙げられる。タンパク質の分解ペプチドの例として、コラーゲン分解ペプチド、エラスチン分解ペプチド、ケラチン分解ペプチド、コンキオリン分解ペプチド、パールシン蛋白分解ペプチド、シルク蛋白分解ペプチド、大豆蛋白分解ペプチド、小麦蛋白分解ペプチド、カゼイン分解ペプチド、ミルク分解ペプチドなどの蛋白ペプチド類およびとその誘導体などが挙げられる。
本発明のA液またはB液には、配合される成分を長期間安定に保持するために防腐剤が含まれていてもよいものとする。防腐剤の例として安息香酸ナトリウム、塩化ベンザルコニウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル、パラオキシ安息香酸ブチル、フェノキシエタノール、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン、フェノキシエタノール、2−メチル-4−イソチアゾリン−3−オンなどが挙げられる。
本発明のA液またはB液には、界面活性剤が含まれていてよいものとする。また、該界面活性剤は、エーテル型非イオン性界面活性剤、エステル型非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤または、両性界面活性剤のいずれの種に属するものでもよいものとする。
エーテル型非イオン性界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレン(以下、POEという。)セチルエーテル、POEステアリルエーテル、POEベヘニルエーテル、POEオレイルエーテル、POEラウリルエーテル、POEオクチルドデシルエーテル、POEヘキシルデシルエーテル、POEイソステアリルエーテルなどが挙げられる。
エステル型非イオン性界面活性剤の例としては、モノオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEソルビタン、モノパルミチン酸POEソルビタン、モノラウリン酸POEソルビタン、トリオレイン酸POEソルビタン、モノステアリン酸POEグリセリン、モノミリスチン酸POEグリセリン、テトラオレイン酸POEソルビット、ヘキサステアリン酸POEソルビット、モノラウリン酸POEソルビット、POEソルビットミツロウ、モノオレイン酸ポリエチレングリコール、モノステアリン酸ポリエチレングリコール、モノラウリン酸ポリエチレングリコール、親油型モノオレイン酸グリセリン、親油型モノステアリン酸グリセリン、自己乳化型モノステアリン酸グリセリン、モノオレイン酸ソルビタン、セスキオレイン酸ソルビタン、トリオレイン酸ソルビタン、モノステアリン酸ソルビタン、モノパルミチン酸ソルビタン、モノラウリン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノラウリン酸デカグリセリル、モノステアリン酸デカグリセリル、モノオレイン酸デカグリセリル、モノミリスチン酸デカグリセリルなどが挙げられる。
カチオン性界面活性剤の例としては、メチル硫酸ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化ジアルキルジメチルアンモニウムなどの第4級アンモニウム塩などが挙げられる。
アニオン性界面活性剤の例としては、脂肪酸塩、金属セッケン、アシルグルタミン酸塩、アシルメチルタウリン塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸エステル塩、POEラウリルエーテルリン酸およびその塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸トリエタノールアミン、テトラデセンスルホン酸ナトリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウムなどが挙げられる。
脂肪酸塩としては、ヤシ油脂肪酸カリウム、ヤシ油脂肪酸トリエタノールアミン、ラウリン酸ナトリウム、ミリスチン酸カリウム、ミリスチン酸イソプロパノールアミン、パルミチン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸トリエタノールアミン、オレイン酸カリウム、オレイン酸ナトリウムなどが挙げられる。金属セッケンとしては、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ミリスチン酸マグネシウムなどが挙げられる。
アシルグルタミン酸塩としては、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸カリウム、ヤシ油脂肪酸アシルグルタミン酸トリエタノールアミン、ラウロイルグルタミン酸トリエタノールアミン、ミリストイルグルタミン酸カリウム、ステアロイルグルタミン酸ナトリウムなどが挙げられる。
アシルメチルタウリン塩としては、ラウロイルメチルタウリンカリウム、ヤシ油脂肪酸メチルタウリンナトリウム、パルミトイルメチルタウリンナトリウム、ステアロイルメチルタウリンナトリウムなどが挙げられる。
アルキル硫酸エステル塩としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。
アルキルエーテル硫酸エステル塩としては、POEラウリルエーテル硫酸ナトリウム、POEラウリルエーテル硫酸トリエタノールアミンなどが挙げられる。
本発明のA液またはB液には、配合する成分が溶けやくするための溶剤としてアルコール類が含まれていてもよいものとする。また、該アルコール類は溶剤としては、低級アルコールまたは多価アルコールなどのいずれの種に属するものでもよいものとする。
低級アルコールの例としては、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノールなどが挙げられる。
多価アルコールには、グリコール類、グリセリン類などが含まれ、グリコール類としては、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコールなどが挙げられる。グリセリン類としては、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリンなどが挙げられる。
上記の各成分の他に香料、ビタミン類、酸化防止剤、紫外線吸収剤などを、本発明の効果を損なわない範囲で毛髪強化剤に配合してもよいものとする。
以下本発明を実施例に従って、より詳細に説明するが本発明はこれら実施例に限定されないものとする。
実施例1:毛髪強化剤の作製
試験例1
表1に示す組成に基づいて、毛髪強化剤を作製した。また、各々の成分は精製水に溶かして作製した。A液およびB液を調整後、それぞれ等量を混合してガム状物質を析出させ、該ガム状物質の強さを検討した。
Figure 2010189286
また表1のB液において、ヒドロキシプロピルセルロースに換えて、同じ水溶性セルロース化合物であるメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースを等量用いた実験も行った。
その結果を表2に示した。メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを用いたものは、いずれもガム状物質が析出しないか、または析出しても強固な皮膜の形成には至らなかった。しかしながら、ヒドロキシプロピルセルロースを用いたものは強固なガム状物質の皮膜を形成した。
Figure 2010189286
試験例2
表3に示す組成に基づいて、毛髪強化剤を作製した。また、各々の成分は精製水に溶かして作製した。A液およびB液を調整後、それぞれ等量を混合してガム状物質を析出させ、該ガム状物質の強さを検討した。
Figure 2010189286
また表3のB液において、ヒドロキシプロピルセルロースに換えて、同じ水溶性セルロース化合物であるメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースを等量用いた実験も行った。
その結果、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを用いたものは、いずれもガム状物質が析出しないか、または析出しても強固な皮膜の形成には至らなかった。一方でヒドロキシプロピルセルロースを用いたものは強いガム状物質の皮膜を形成した。
試験例3
表4に示す組成に基づいて、毛髪強化剤を作製した。また、各々の成分は精製水に溶かして作製した。A液およびB液を調整後、それぞれ等量を混合してガム状物質を析出させ、該ガム状物質の強さを検討した。
Figure 2010189286
また表4のB液において、ヒドロキシプロピルセルロースに換えて、同じ水溶性セルロース化合物であるメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはカルボキシメチルセルロースを等量用いた実験も行った。
その結果、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、およびカルボキシメチルセルロースを用いたものは、いずれもガム状物質が析出しないか、または析出しても強固な皮膜の形成には至らなかった。一方でヒドロキシプロピルセルロースを用いたものは強いガム状物質の皮膜を形成した。
試験例4
表5に示す組成に基づいて、毛髪強化剤を作製した。また、A液45mLにリン酸及び水酸化ナトリウムを加えて、pHを2.0、3.0、4.0、5.0、7.0、9.0の溶液に調整し、これにB液45mLを混合して生成したガム状物質の量を測定した。
Figure 2010189286
結果を図1に示す。A液のpHが2〜9のすべての条件での実験おいて、ガム状物質の形成に成功したが、特にA液のpHが2の時に最もガム状物質を多く得ることに成功した。
比較試験例1
表6に示す組成に基づいて、毛髪強化剤を作製した。また、各々の成分は精製水に溶かして作製した。
Figure 2010189286
実施例2:毛髪強化効果実験
本実験において、長さ約350 mmの人毛を用い脱色を3回、パーマ処理を2回行った毛髪を利用した。
該ダメージ毛髪を試験例で記載した表1の組成のA液を塗布し、コーティングを行い毛になじませる。続いて試験例で記載した表1の組成のB液を塗布して更にコーティングを行い、毛髪上でA液とB液を混合させる。その後、加温および乾燥させた後に温水で洗浄し、乾燥したものを試験毛とした。
該ダメージ毛髪を比較試験例1で記載した表6の組成の液を塗布し、コーティングを行い毛になじませる。その後、加温および乾燥させた後に温水で洗浄し、乾燥したものを比較試験毛とした。
試験毛、比較試験毛および未処理毛のそれぞれ30本を1束にし、各々3束作製した。ここで、未処理毛とは作製したダメージ毛髪になんら処理をくわえていない毛髪を表す。続いて両端を切断して280mmとし、その両端に0.05 gの重りをつけて、図1に示すように吊り下げた後、即座に両端の距離(A)を測定した。また、24時間後においても同様の測定を行った。なお、試験時の温度は21℃で、湿度は79%であった。
試験結果を表7に示す。試験毛は比較試験毛および未処理毛と比較して、重りの吊り下げ直後においても、その24時間後においてもAの距離が明らかに大きい。この結果は、比較試験毛および未処理毛が、弾力性が弱く、張りがないのに対して、本発明の毛髪強化剤によって処理された試験毛は、弾力性が強く、張りがあること示している。弾力性が強く、張りのある毛髪は整髪し易く美しさに富むので、本願発明の毛髪強化剤は優れた効果を有することが示される。
従って、本発明の毛髪強化剤を用いることによって毛髪の手触り、しっとり感、柔軟性、すべりの良さ、風合い、艶などを良好にする効果がある。
さらにこの実験において、温水で毛髪強化剤による処理後の毛髪を洗浄したにもかかわらず、本発明の毛髪強化剤に含まれるガム状物質による効果が得られていることから、日常生活における洗髪を行ってもガム状物質が温水に溶解して、毛髪から流れ出ることは無く、長期にわたる毛髪強化効果を有する。
Figure 2010189286
実施例3:パーマネントウェーブ効果実験
試験毛、比較試験毛および未処理毛のそれぞれ90本を1束にし、各々2束作製した。続いて該束をそれぞれ直径8mmと12mmのパーマネントウェーブ用ロッドに巻きつけ、表8に示した組成のダメージヘア用パーマネントウェーブ第1剤およびノーマルヘア用パーマネントウェーブ第1剤で処理を行ったに、共用のパーマネントウェーブ第2剤で処理した後のウェーブ形成の度合いを、ウェーブ幅を測定することで評価した。その結果を表9に示す。
Figure 2010189286
この実験において評価されるウェーブ幅として20〜30mmが理想的なウェーブ幅となり、この範囲以下の数値ではかかりすぎで、この範囲以上の数値ではパーマネントウェーブ効果が低いとされる。
ダメージヘア用パーマネントウェーブ剤による処理の結果から、未処理毛はウェーブが良くかかっており、比較試験毛では若干のウェーブがかかっていた。一方で試験毛ではウェーブがかからなかった。ここで、試験毛はダメージヘアではないことが示唆される。ノーマルヘア用パーマネントウェーブ剤による処理の結果から、未処理毛において非常に強いウェーブがかかっておりかえって見栄えが悪くなる結果が得られた。
試験毛における結果はダメージヘア用パーマネントウェーブ剤を用いたときとは異なり、理想的なウェーブ幅の結果が得られた。従って、本発明の毛髪強化剤を用いることによってダメージ毛髪が補修されて、正常なノーマルヘアとなったためにノーマルヘア用パーマネントウェーブ剤で理想的なウェーブ幅の結果が得られたものと考えられる。
毛髪にパーマネントウェーブ処理を行う際、一般的にダメージ毛髪では強いウェーブが出来て、ノーマルヘア、新生毛では弱いウェーブがかかる。ヒトの毛髪は1ヶ月に約1〜2cm伸び、毛髪全体の損傷度は均一ではなく、毛先にかけてその度合いは増大する。従って、パーマネントウェーブ処理時には、毛根ほどウェーブのかかりが悪く毛先ほどウェーブのかかりが良くなり全体的な均一なウェーブ効果を得るのは至難を極める。
本発明の毛髪強化剤は、ダメージ毛髪を正常なノーマルヘアに補修する効果があるので、本発明の毛髪強化剤を用いて毛髪全体を処理した後に、パーマネントウェーブ処理を行うことで、均一なウェーブを形成するパーマネントウェーブ処理を行うことが可能となる。また、ウェーブの係り具合を調節することも容易になり、目的のヘアスタイルを形成することも可能となる。
ヘアカラー処理においても、一般的にダメージ毛髪では強い染色が得られ、一方でノーマルヘアでは弱い染色効果しかえられない。従ってパーマネントウェーブ処理と同様に、本発明の毛髪強化剤によって毛髪の損傷を修復して均一な状態にした後にヘアカラー処理を行うことで、均一な染色効果や、自由なヘアスタイルを提供することも可能となる。
さらにこの実験において、温水で毛髪強化剤による処理後の毛髪を洗浄したにもかかわらず、本発明の毛髪強化剤に含まれるガム状物質による効果が得られていることから、日常生活における洗髪を行ってもガム状物質が温水に溶解して毛髪から流れ出ることは無く、長期にわたってパーマネントウェーブ維持効果、ヘアカラー維持効果または、縮毛矯正効果を有する。
Figure 2010189286
1.試験毛、比較試験毛、または未処理毛の束
2.重り(0.05g)
3.測定距離(A)
本発明の毛髪強化剤は、パーマネントウェーブやヘアカラーなどの毛髪に対する処理前に用いて、該処理の効果を高めることが出来ることから美容室やエステサロンなどでのサービスの提供の際に用いることが出来る。また、同時にヘアトリートメントのサービスとしても提供することが可能である。また本発明は家庭用ヘアトリートメント剤として製造販売して提供することも可能である。

Claims (8)

  1. A液とB液の2液からなる毛髪強化剤であって、
    該A液が緩衝液であり、該B液がピロリドンカルボン酸、アミノ酸、およびグルタチオンからなる群より選ばれる、少なくとも1種以上の化合物および、ヒドロキシプロピルセルロースを含有する水溶液であって、該A液と該B液は連続的に毛髪に塗布され、毛髪上で該2液を反応させて水に不溶性のガム状物質を形成させ、毛髪を強化することを特徴とする毛髪強化剤。
  2. 前記のアミノ酸が、酸性アミノ酸であることを特徴とする、請求項1に記載の毛髪強化剤。
  3. 前記のA液のpHが2.0〜9.0であることを特徴とする、請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
  4. 前記のB液中に含まれる前記の化合物が、0.5重量%以上5.0重量%未満であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
  5. 前記のB液中に含まれるヒドロキシプロピルセルロースが、0.2重量%以上3.0%以下であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
  6. 前記のB液中に含まれる前記の化合物とヒドロキシプロピルセルロースの重量比が、1:6〜25:1であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
  7. 前記の化合物の、D-体とL-体の存在比が10:90〜90:10の混合物であることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の毛髪強化剤。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の毛髪強化剤を用いて毛髪を前処理した後に、パーマネントウェーブ剤、ヘアカラー剤、または縮毛矯正剤によってさらに該毛髪を処理する方法。
JP2009033180A 2009-02-16 2009-02-16 毛髪強化剤 Active JP5283531B2 (ja)

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