JP2010188889A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【課題】ベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させるとともに、軽量化を実現することのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】ベルト層を2層構造とするとともに、カーカス層を、ビード部11を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包むターンナップカーカス層12と、このターンナップカーカス層12のタイヤ径方向外側に配置され、ビード部11の外側に延長してビード部11の横で終端するダウンカーカス層13とから構成し、更に、前記ターンナップカーカス層12のプライ材の切伸を、前記ダウンカーカス層13のプライ材の切伸よりも小さくした。
【選択図】図2
【解決手段】ベルト層を2層構造とするとともに、カーカス層を、ビード部11を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包むターンナップカーカス層12と、このターンナップカーカス層12のタイヤ径方向外側に配置され、ビード部11の外側に延長してビード部11の横で終端するダウンカーカス層13とから構成し、更に、前記ターンナップカーカス層12のプライ材の切伸を、前記ダウンカーカス層13のプライ材の切伸よりも小さくした。
【選択図】図2
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するもので、特に、小型トラック等に用いられるアップダウン構造を有するカーカスプライを備えた空気入りタイヤに関する。
重荷重用型小型トラック用タイヤは、一般に、乗用車用タイヤに比較して内圧が高く設定されており、近年、小型トラック市場においては、タイヤ空気圧が高圧側へシフトしている状況にある。このような高圧化へのシフトの傾向は、ベルト端部の径成長が増大することになる、ベルト部の耐久性能にとっては厳しい方向となる。
一般に、重荷重用型小型トラック用タイヤは過酷な条件下で使用されることから、走行時にはタイヤに大きな繰り返し歪みが発生する。そのため、重荷重用型小型トラック用タイヤのベルト構造としては、スチールベルトをタイヤ径方向に3層配置した3ベルト構造が多く用いられている。
また、カーカス層としては、ビード部を内側から外側に向かって押し返し巻き上げて包むように配置されたターンナップカーカス層(TU層)と、タイヤサイド部からビード部外側に延長してビード部の横で終端するダウンカーカス層(D層)とを備えたアップダウン構造が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、サイドウォール部の湾曲によるベルト端部のセパレーションの発生を抑制することができるので、ベルト部の耐久性能を確保することができる。また、これと同時に、ビード部の倒れこみによるビード部のプライコードの疲労によるコードの破断を防止することができるので、ビード部の耐久性能についても確保することができる。
一般に、重荷重用型小型トラック用タイヤは過酷な条件下で使用されることから、走行時にはタイヤに大きな繰り返し歪みが発生する。そのため、重荷重用型小型トラック用タイヤのベルト構造としては、スチールベルトをタイヤ径方向に3層配置した3ベルト構造が多く用いられている。
また、カーカス層としては、ビード部を内側から外側に向かって押し返し巻き上げて包むように配置されたターンナップカーカス層(TU層)と、タイヤサイド部からビード部外側に延長してビード部の横で終端するダウンカーカス層(D層)とを備えたアップダウン構造が多く用いられている(例えば、特許文献1参照)。
これにより、サイドウォール部の湾曲によるベルト端部のセパレーションの発生を抑制することができるので、ベルト部の耐久性能を確保することができる。また、これと同時に、ビード部の倒れこみによるビード部のプライコードの疲労によるコードの破断を防止することができるので、ビード部の耐久性能についても確保することができる。
ところで、小型トラック業界においては、燃費の向上が要求されており、このため、タイヤに対しても、軽量化による転がり抵抗の低減が求められている。
上述したように、重荷重用型小型トラック用タイヤでは3ベルト構造が多く用いられているが、これを、2ベルト構造とすればタイヤの軽量化は可能である。
しかしながら、2ベルト構造は、3ベルト構造に比べて、ベルト端部の径成長が増大し易いことから、ベルト層の枚数を減らすと、ベルト部の耐久性能が低下することが懸念される。
上述したように、重荷重用型小型トラック用タイヤでは3ベルト構造が多く用いられているが、これを、2ベルト構造とすればタイヤの軽量化は可能である。
しかしながら、2ベルト構造は、3ベルト構造に比べて、ベルト端部の径成長が増大し易いことから、ベルト層の枚数を減らすと、ベルト部の耐久性能が低下することが懸念される。
そこで、カーカス層を形成しているプライ材を、従来から用いられている切伸の大きなプライ材から切伸の小さなプライ材に変更することでベルト端部の径成長を抑制し、ベルト部の耐久性を向上させることが提案されている。
しかし、カーカス層に切伸の小さなプライ材を適応すると、今度は、ビード部の倒れこみによって生じる走行時の繰り返し歪みにより、プライコードの強度が低下してしまうといった問題点が発生する。
しかし、カーカス層に切伸の小さなプライ材を適応すると、今度は、ビード部の倒れこみによって生じる走行時の繰り返し歪みにより、プライコードの強度が低下してしまうといった問題点が発生する。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、ベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させるとともに、軽量化を実現することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本願発明は、ビード部を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包むターンナップカーカス層と、このターンナップカーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、前記ビード部外側に延長して前記ビード部の横で終端するダウンカーカス層とを備えた空気入りタイヤであって、前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材と前記ダウンカーカス層を構成するプライ材とは同一材料でかつ同一繊度を有し、前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材の切伸が前記ダウンカーカス層を構成するプライ材の切伸よりも小さいことを特徴とする。
なお、「繊度」はプライなどのように、複数の素線を撚り合わせて形成された、断面が真円ではない線材の太さをその断面積に比例する値で表したもので、一般には「デニール」単位が使用されている。また、「切伸」はプライの伸長のし易さを示す値で、一般には、コードの撚り数を多くすると切伸は大きくなり、逆に、コードの撚り数を少なくすると切伸は小さくなる。切伸が大きい方がコードの耐疲労性能が高い。
また、本願発明は、前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材の補強部材と前記ダウンカーカス層を構成するプライ材の補強部材とが、ともに、有機繊維から成るコードであることを特徴とする。
また、本願発明は、前記有機繊維がポリエステルであることを特徴とする。
また、本願発明は、前記ダウンカーカス層のタイヤ径方向外側に、2層構造のベルト層が配置されていることを特徴とする。
なお、「繊度」はプライなどのように、複数の素線を撚り合わせて形成された、断面が真円ではない線材の太さをその断面積に比例する値で表したもので、一般には「デニール」単位が使用されている。また、「切伸」はプライの伸長のし易さを示す値で、一般には、コードの撚り数を多くすると切伸は大きくなり、逆に、コードの撚り数を少なくすると切伸は小さくなる。切伸が大きい方がコードの耐疲労性能が高い。
また、本願発明は、前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材の補強部材と前記ダウンカーカス層を構成するプライ材の補強部材とが、ともに、有機繊維から成るコードであることを特徴とする。
また、本願発明は、前記有機繊維がポリエステルであることを特徴とする。
また、本願発明は、前記ダウンカーカス層のタイヤ径方向外側に、2層構造のベルト層が配置されていることを特徴とする。
本発明によれば、ターンナップカーカス層を構成するプライ材とダウンカーカス層を構成するプライ材とに同一材料を用いかつ同一繊度に形成するとともに、ターンナッププライの切伸を小さくすることで、ベルト層の径成長を抑制するとともに、切伸の大きなダウンプライにより、走行時の繰り返し歪みによるコードの強度の低下を抑制するようにしたので、ベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させることができる。
前記プライ材の補強部材としては、伸縮性の観点から、有機繊維コードが好ましく、特に、ポリエステルのコードが好ましい。
また、ベルト層を2層構造とすればタイヤを軽量化できるので、このタイヤを車両に搭載すれば、転がり抵抗が少なくなり燃費を向上させることができる。
前記プライ材の補強部材としては、伸縮性の観点から、有機繊維コードが好ましく、特に、ポリエステルのコードが好ましい。
また、ベルト層を2層構造とすればタイヤを軽量化できるので、このタイヤを車両に搭載すれば、転がり抵抗が少なくなり燃費を向上させることができる。
なお、前記発明の概要は、本発明の必要な全ての特徴を列挙したものではなく、これらの特徴群のサブコンビネーションもまた、発明となり得る。
以下、実施の形態を通じて本発明を詳説するが、以下の実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また、実施の形態の中で説明される特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、本実施の形態に係るアップダウン構造のカーカス層を備えた小型トラック用空気入りタイヤ(以下、タイヤという)10の構成を示す断面図で、図2は、ビード部の断面を示す模式図である。
各図において、11はビード部、12はターンナップカーカス層、13はダウンカーカス層、14はサイドウォール部、15は第1ベルト層、16は第2ベルト層、17はトレッド部、18はインナーライナーである。
ビード部11はビードコア11aとビードフィラー11bとを備えている。ビードコア11aは、タイヤ10の径方向内側の端部付近に埋設され、ビードフィラー11bはビードコア11aのトレッド部17側に配置される。ビードコア11aとビードフィラー11bとは、タイヤ10の径方向内側の端部付近にそれぞれ左,右1対ずつ配置される。
ターンナップカーカス層12は、1対のビードコア11aにトロイド状をなして跨るように設けられて、ビード部11を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包み、ビード部11のトレッド部17側で終端する終端部12zを有する。
ダウンカーカス層13は、ターンナップカーカス層13のタイヤ径方向外側に配置され、ビード部11の外側に延長してビード部11の横(タイヤ幅方向外側)で終端する終端部13zを有する。
サイドウォール部14は左,右のビード部11からタイヤ径方向外側にそれぞれ延長して、トレッド部17と連結している。
トレッド部17は、タイヤ径方向外側に配置されるトレッドゴム17aを備え、トレッドゴム17aのタイヤ踏面側には、周方向溝17bや図示しないラグ溝などから成るトレッドパターンが形成される。
各図において、11はビード部、12はターンナップカーカス層、13はダウンカーカス層、14はサイドウォール部、15は第1ベルト層、16は第2ベルト層、17はトレッド部、18はインナーライナーである。
ビード部11はビードコア11aとビードフィラー11bとを備えている。ビードコア11aは、タイヤ10の径方向内側の端部付近に埋設され、ビードフィラー11bはビードコア11aのトレッド部17側に配置される。ビードコア11aとビードフィラー11bとは、タイヤ10の径方向内側の端部付近にそれぞれ左,右1対ずつ配置される。
ターンナップカーカス層12は、1対のビードコア11aにトロイド状をなして跨るように設けられて、ビード部11を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包み、ビード部11のトレッド部17側で終端する終端部12zを有する。
ダウンカーカス層13は、ターンナップカーカス層13のタイヤ径方向外側に配置され、ビード部11の外側に延長してビード部11の横(タイヤ幅方向外側)で終端する終端部13zを有する。
サイドウォール部14は左,右のビード部11からタイヤ径方向外側にそれぞれ延長して、トレッド部17と連結している。
トレッド部17は、タイヤ径方向外側に配置されるトレッドゴム17aを備え、トレッドゴム17aのタイヤ踏面側には、周方向溝17bや図示しないラグ溝などから成るトレッドパターンが形成される。
第1及び第2のベルト層15,16は、トレッド部17のトレッドゴム17aとダウンカーカス層13との間に配置される。
第1及び第2のベルト層15,16は、それぞれ、スチールコードもしくは有機繊維を撚ったコードが、赤道方向に対して20°〜70°の角度で交錯するように配置されたものである。タイヤ径方向内側に配置される第1のベルト層15はタイヤ径方向外側に配置される第2のベルト層16よりも幅広に形成されており、第1のベルト層15のコードの延長方向と第2のベルト層16のコードの延長方向とは互いに交錯している。以下、第1及び第2のベルト層15,16の配置されている箇所をベルト部という。
インナーライナー18は、ダウンカーカス層13のタイヤ径方向内側に設けられて、タイヤ10の内面側を覆っている。
第1及び第2のベルト層15,16は、それぞれ、スチールコードもしくは有機繊維を撚ったコードが、赤道方向に対して20°〜70°の角度で交錯するように配置されたものである。タイヤ径方向内側に配置される第1のベルト層15はタイヤ径方向外側に配置される第2のベルト層16よりも幅広に形成されており、第1のベルト層15のコードの延長方向と第2のベルト層16のコードの延長方向とは互いに交錯している。以下、第1及び第2のベルト層15,16の配置されている箇所をベルト部という。
インナーライナー18は、ダウンカーカス層13のタイヤ径方向内側に設けられて、タイヤ10の内面側を覆っている。
本例では、ターンナップカーカス層12を構成するプライ材(以下、ターンナッププライという)の補強部材であるコードとダウンカーカス層13を構成するプライ材(以下、ダウンプライという)の補強部材であるコードとを、ともに、有機繊維材料であるポリエステルから構成している。また、ターンナッププライの繊度とダウンプライの繊度は同一である。すなわち、同じ太さである。
一方、ターンナッププライの切伸は、ダウンプライの切伸よりも小さい。
本例では、プライを構成するコードの撚り数を変化させることにより、切伸を変化させるようにしている。コードの撚り数を多くすると、コードとしての耐久疲労特性は向上するが切伸は大きくなる。逆に、コードの撚り数を少なくすると、切伸は小さくなるが、コードとしての耐久疲労特性が低下する。
したがって、ターンナッププライの切伸とダウンプライの切伸とをともに大きくすると、ベルト部の径成長が大きくなってしまう。一方、ターンナッププライの切伸とダウンプライの切伸とをともに小さくすると、ベルト部の径成長は抑制できるものの、コードとしての耐久疲労特性が低下する。
一方、ターンナッププライの切伸は、ダウンプライの切伸よりも小さい。
本例では、プライを構成するコードの撚り数を変化させることにより、切伸を変化させるようにしている。コードの撚り数を多くすると、コードとしての耐久疲労特性は向上するが切伸は大きくなる。逆に、コードの撚り数を少なくすると、切伸は小さくなるが、コードとしての耐久疲労特性が低下する。
したがって、ターンナッププライの切伸とダウンプライの切伸とをともに大きくすると、ベルト部の径成長が大きくなってしまう。一方、ターンナッププライの切伸とダウンプライの切伸とをともに小さくすると、ベルト部の径成長は抑制できるものの、コードとしての耐久疲労特性が低下する。
本例では、ビード部11を包むターンナップカーカス層12を構成するプライ材の切伸を小さくすることで、ビード部11の繰り返し歪みを吸収するとともに、ターンナップカーカス層12のタイヤ径方向外側に配置されダウンカーカス層13を構成するプライ材の切伸を大きくすることで、ベルト部の径成長を抑制するようにしている。
したがって、2層構造のベルト層を有するタイヤであっても、背反する性能であるベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させることができる。
したがって、2層構造のベルト層を有するタイヤであっても、背反する性能であるベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させることができる。
このように、本実施の形態によれば、2層構造のベルト層とアップダウン構造のカーカス層とを備えた小型トラック用空気入りタイヤにおいて、ビード部11内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包むターンナップカーカス層12のプライ材の切伸を、ビード部11の外側に延長してビード部11の横で終端するダウンカーカス層13のプライ材の切伸よりも小さくすることで、ビード部11の繰り返し歪みを吸収するとともに、ベルト部の径成長を抑制するようにしたので、タイヤ10を軽量化でき、燃費を向上させることができるとともに、ベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させることができる。
なお、前記実施の形態では、ベルト層が2層構造であるタイヤ10について説明したが、本発明は、ベルト層が3層構造である空気入りタイヤにも適用可能である。ベルト層が3層構造の空気入りタイヤでは、ベルト層が2層構造の空気入りタイヤに比較して、ベルト端部の径成長は少ないが、本発明を適用することにより、ベルト端部の径成長をさらに抑制して、ベルト部の耐久性能を一層向上させることができる。
また、前記例では、ターンナッププライの補強部材とダウンプライの補強部材とをともにポリエステルから構成したが、芳香族ポリアミド等の他の有機繊維であってもよい。
また、前記例では、ターンナッププライの補強部材とダウンプライの補強部材とをともにポリエステルから構成したが、芳香族ポリアミド等の他の有機繊維であってもよい。
本発明による、ターンナッププライ(TU層のプライ)の切伸を小さくし(70)、ダウンプライ(D層のプライ)の切伸を大きくした(100)空気入りタイヤ(本発明)を作製し、ベルト端部の径成長とビード部の耐久性とを評価した結果を図3の表に示す。
なお、切伸の大きさについては、新品のプライに引張試験を施し、破断時の伸び量を指数表示にて表わしている。
また、本発明の空気入りタイヤのターンナッププライのプライ材及びダウンプライのプライ材の材質はポリエステルとした。また、ベルト層は2層構造(2B)である。
なお、切伸の大きさについては、新品のプライに引張試験を施し、破断時の伸び量を指数表示にて表わしている。
また、本発明の空気入りタイヤのターンナッププライのプライ材及びダウンプライのプライ材の材質はポリエステルとした。また、ベルト層は2層構造(2B)である。
比較のため、ターンナッププライの切伸とダウンプライの切伸が等しい、従来のタイヤについても同様の評価を行った。その結果も、図3の表に合わせて記した。
従来例1では、各プライの切伸がともに大きく、ベルト層は3層構造(3B)である。
従来例2では、各プライの切伸がともに大きく、ベルト層は2層構造(2B)である。
従来例3では、各プライの切伸がともに小さく、ベルト層は2層構造(2B)である。
なお、従来例1〜3のプライ材の材質もポリエステルとした。
従来例1では、各プライの切伸がともに大きく、ベルト層は3層構造(3B)である。
従来例2では、各プライの切伸がともに大きく、ベルト層は2層構造(2B)である。
従来例3では、各プライの切伸がともに小さく、ベルト層は2層構造(2B)である。
なお、従来例1〜3のプライ材の材質もポリエステルとした。
ベルト部の耐久性能については、ベルト端部径成長の大きさで評価した。
評価条件は、各タイヤを16.5×5.5Jのリム(JATMA標準規格リム)に装着し、内圧を50kPaとしたときのタイヤ周長Aと、内圧を600kPa(JATMA規格の最大空気圧)としたときのタイヤ周長Bとをそれぞれ測定して、ベルト端部成長比率R(%)={(B−A)/A}×100を算出し、このRの大きさにてベルト部の耐久性能を評価する。
図3の表では、評価結果を、従来例1でのベルト端部成長比率Rを100としたときの指数で示した。指数が小さいほど径成長が小さく、ベルト部の耐久性に優れている。
評価条件は、各タイヤを16.5×5.5Jのリム(JATMA標準規格リム)に装着し、内圧を50kPaとしたときのタイヤ周長Aと、内圧を600kPa(JATMA規格の最大空気圧)としたときのタイヤ周長Bとをそれぞれ測定して、ベルト端部成長比率R(%)={(B−A)/A}×100を算出し、このRの大きさにてベルト部の耐久性能を評価する。
図3の表では、評価結果を、従来例1でのベルト端部成長比率Rを100としたときの指数で示した。指数が小さいほど径成長が小さく、ベルト部の耐久性に優れている。
ビード部の耐久性能については、室内ドラム試験により評価した。
評価条件は、各タイヤを16.5×5.5Jのリム(JATMA標準規格リム)に装着し、内圧を600kPa(JATMA規格の最大空気圧)とし、ドラム上を、荷重1939kg(JATMA規格の最大荷重×150%)、ドラム速度60km/hで走行させ、ビード部が破断し、試験続行不能になるまでの走行距離を測定した。測定結果は、従来例1を100としたときの指数で示した。指数が大きいほどビード部のコードの耐久性能が優れている。
また、各タイヤを、ドラム上を10000km走行させた後、ビード部のコードを取り出して引張試験を行い、コードが剥離するときの引張力F(B)を測定して、これを走行前の引張力F(A)と比較した。具体的には、コードの残存強度S={F(B)/F(A)}×100を算出し、このSの大きさにてコードの耐久性能を評価した。測定結果は、従来例1を100としたときの指数で示した。指数が大きいほどビード部のコードの耐久性能が優れている。
なお、各タイヤの重量を比較した結果も図3に示した。当然のことながら、2層構造(2B)のタイヤの方が軽量である。
評価条件は、各タイヤを16.5×5.5Jのリム(JATMA標準規格リム)に装着し、内圧を600kPa(JATMA規格の最大空気圧)とし、ドラム上を、荷重1939kg(JATMA規格の最大荷重×150%)、ドラム速度60km/hで走行させ、ビード部が破断し、試験続行不能になるまでの走行距離を測定した。測定結果は、従来例1を100としたときの指数で示した。指数が大きいほどビード部のコードの耐久性能が優れている。
また、各タイヤを、ドラム上を10000km走行させた後、ビード部のコードを取り出して引張試験を行い、コードが剥離するときの引張力F(B)を測定して、これを走行前の引張力F(A)と比較した。具体的には、コードの残存強度S={F(B)/F(A)}×100を算出し、このSの大きさにてコードの耐久性能を評価した。測定結果は、従来例1を100としたときの指数で示した。指数が大きいほどビード部のコードの耐久性能が優れている。
なお、各タイヤの重量を比較した結果も図3に示した。当然のことながら、2層構造(2B)のタイヤの方が軽量である。
図3の表から明らかなように、本発明のタイヤは、ドラム試験結果もコード残存強度も、切伸がともに小さい従来例3のタイヤよりも良好であるだけでなく、切伸がともに大きい従来例2のタイヤやベルト層が3層構造でかつ切伸がともに大きい従来例1のタイヤと同等であった。
また、ベルト層が2層構造でかつ切伸がともに小さい従来例3では、D層のコード残存強度が極端に低下しているが、本願発明では、D層のコード残存強度は、従来例1,2と変わらないことから、D層の切伸を大きくするだけで、ビード部のコードの耐久性を確保できることが確認された。
また、本発明のタイヤは、径成長が、切伸がともに小さい従来例3のタイヤよりも小さいだけでなく、切伸がともに大きい従来例2のタイヤやベルト層が3層構造でかつ切伸がともに大きい従来例1のタイヤと同等である。これにより、本発明のタイヤは、ビード部のコードの耐久性能だけでなく、ベルト層の耐久性能にも優れていることが確認された。
また、ベルト層が2層構造でかつ切伸がともに小さい従来例3では、D層のコード残存強度が極端に低下しているが、本願発明では、D層のコード残存強度は、従来例1,2と変わらないことから、D層の切伸を大きくするだけで、ビード部のコードの耐久性を確保できることが確認された。
また、本発明のタイヤは、径成長が、切伸がともに小さい従来例3のタイヤよりも小さいだけでなく、切伸がともに大きい従来例2のタイヤやベルト層が3層構造でかつ切伸がともに大きい従来例1のタイヤと同等である。これにより、本発明のタイヤは、ビード部のコードの耐久性能だけでなく、ベルト層の耐久性能にも優れていることが確認された。
以上、本発明を実施の形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は前記実施の形態に記載の範囲には限定されない。前記実施の形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者にも明らかである。そのような変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲から明らかである。
このように、本発明によれば、ベルト部の耐久性能とビード部の耐久性能とをともに向上させるとともに、軽量化を実現することができるので、優れた性能を備えた重荷重用小型トラック用タイヤを提供することができる。
10 小型トラック用空気入りタイヤ、11 ビード部、
11a ビードコア、11b ビードフィラー、12 ターンナップカーカス層、
13 ダウンカーカス層、14 サイドウォール部、
15 第1ベルト層、16 第2ベルト層、17 トレッド部、17a トレッドゴム、17b 周方向溝、18 インナーライナー。
11a ビードコア、11b ビードフィラー、12 ターンナップカーカス層、
13 ダウンカーカス層、14 サイドウォール部、
15 第1ベルト層、16 第2ベルト層、17 トレッド部、17a トレッドゴム、17b 周方向溝、18 インナーライナー。
Claims (4)
- ビード部を内側から外側に向かって折り返し巻き上げて包むターンナップカーカス層と、このターンナップカーカス層のタイヤ径方向外側に配置され、前記ビード部外側に延長して前記ビード部の横で終端するダウンカーカス層とを備えた空気入りタイヤであって、
前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材と前記ダウンカーカス層を構成するプライ材とは同一材料でかつ同一繊度を有し、
前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材の切伸が前記ダウンカーカス層を構成するプライ材の切伸よりも小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。 - 前記ターンナップカーカス層を構成するプライ材の補強部材と前記ダウンカーカス層を構成するプライ材の補強部材とが、ともに、有機繊維から成るコードであることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記有機繊維がポリエステルであることを特徴とする請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記ダウンカーカス層のタイヤ径方向外側に、2層構造のベルト層が配置されていることを特徴とする請求項1に記載の空気入りタイヤ。
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Legal Events
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20120209 |
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A761 | Written withdrawal of application |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A761 Effective date: 20121011 |