JP2010188389A - 熱延コイルの払い出し方法および熱延鋼帯の酸洗方法並びに酸洗設備 - Google Patents

熱延コイルの払い出し方法および熱延鋼帯の酸洗方法並びに酸洗設備 Download PDF

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Abstract

【課題】ペイオフリールの熱延コイルから熱延鋼帯を払い出す際、腰折れの発生を防止する熱延コイルの払い出し方法、および、この方法を利用して、熱延鋼帯の脱スケールを行う酸洗処理ラインにおいて低コスト、高効率の脱スケールを良好な表面品質を維持しながら実現する酸洗方法および酸洗設備を提供する。
【解決手段】ペイオフリールのマンドレルの温度を上昇させて、ペイオフリールに装着された熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で熱延鋼帯を払い出す。また、酸洗においては、熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出した熱延鋼帯を酸洗槽に供給して、酸洗処理を施す。その酸洗設備のペイオフリールのマンドレルは加熱手段を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は、熱延コイルの払い出し方法および熱間圧延後の鋼帯表面に生成している酸化スケールを連続的に除去する熱延鋼帯の酸洗方法ならびに酸洗設備に関するものである。
圧延ラインにおいて熱間圧延された熱延鋼帯は熱延コイルに巻き取られた後、各種の処理が施されるが、熱間圧延後の鋼帯表面には、酸化スケールが生成されているため、塩酸や硫酸を主体とする酸液中に鋼帯を浸漬することによりスケールを除去する、酸洗と呼ばれる処理が一般的に行われている。このとき、熱延コイルは、通常は冷却ヤード等で常温程度の温度になるまで冷却した後に酸洗処理ラインに搬送され、ペイオフリールに装着される。そして、ペイオフリールのコイルから鋼帯の払い出し(巻き戻し)を行い、次いで該鋼帯を酸洗槽に浸漬して酸洗処理が施される。
ところで、この酸洗処理では、酸液温度が高いほどスケールに対する酸液の反応速度が速く、そのため脱スケール性が向上し、生産性が高くなる一方、酸液温度が高すぎると、過酸洗により鋼帯の表面が荒れることがあり、また、酸液の蒸発量が増えるため、酸洗設備では高温の水蒸気や加熱ヒーターなどにより加熱して酸液温度を90℃前後に維持している。通常、それ故、酸洗設備において、常温の熱延鋼帯を供給した場合には、酸液温度が低下するため、酸液温度を90℃前後の好適な温度に維持するのに極めて多量の熱エネルギーを必要としていた。
そこで、酸液温度を経済的に維持することを目的とし、酸液温度より高温の金属ストリップを酸洗槽に供給する金属ストリップの連続酸洗方法が特許文献1に開示されている。この方法では、熱間圧延後の高温金属ストリップの保有熱を利用し、酸液温度よりも高温の金属ストリップを酸洗槽に供給して酸洗を行うことにより、無駄なエネルギー消費を抑制している。
上記の特許文献1に記載の従来技術では高温の鋼ストリップを酸液に浸漬することで、安価な費用で高効率のスケール除去を行うことができるが、以下の問題が生じる。
酸洗処理において、熱延コイルから鋼帯がペイオフリールから払い出されて酸洗処理ラインに装入されていくが、この払い出し過程で、「腰折れ」と呼ばれる皺状の表面欠陥が生じる場合がある。この腰折れは、払い出しの際、コイルに巻かれ湾曲した鋼帯が直線状に伸ばされる時の曲げ変形によって、降伏点伸びを有する鋼帯が不均一変形を起こすことによって生じる。図4に示すように、「腰折れ」が発生した鋼帯は表面に規則的な凹凸を有しており、この表面欠陥はユーザでの塗装後でも目立つことが多く、表面品質上で大きな問題となる。
特許文献2には、熱延コイルを巻き戻した際に、鋼帯の降伏現象に起因して発生する、この腰折れの発生を軽減するため、熱延コイルの外周面に小径のロール(プレッシャーロール)を接触させて、該プレッシャーロールにより鋼帯を曲げて巻き戻す熱延コイルの巻戻し方法が開示されている。
特許文献3にも、熱延コイルを巻き戻した際に、鋼帯の降伏現象に起因して発生する、この腰折れの発生を防止するため、熱延鋼板をロール(プレッシャーロール)により押し込んで鋼板表層に歪みを生じさせて、巻き戻す熱延コイルの巻戻し方法が開示されている。
他方、この腰折れの発生挙動に対しては曲げ変形時の温度が大きく影響することが知られており、例えば、非特許文献1では3ピース缶の製缶時の曲げ変形によって生じる腰折れの発生形態に及ぼす成形温度の影響を25℃〜150℃の温度範囲で調査しており、この温度範囲では、温度が高くなるほど腰折れの程度が悪化することが報告されている。
また、熱延鋼帯の酸洗処理の現場においても、装入コイル温度が高いほど「腰折れ」の発生比率が高いことが経験的に知られており、「腰折れ」の発生を抑制するために酸洗処理ラインに装入するコイルの温度に制約を設け、腰折れの発生が少ない、一定温度以下(50℃程度)のコイルのみを酸洗処理ラインに装入するなどの対策が取られていた。特許文献3においても、腰折れの防止のためには、酸洗処理ラインの装入前に、コイルを冷却しておくことが有効であることが指摘されている。
さらに同文献3には、腰折れを防止する他の方法として、腰折れが問題となる鋼板については、スキンパスラインで予め軽圧下のスキンパス圧延を施して、降伏点伸びを消去した後に、酸洗処理ラインに装入して脱スケールする方法に言及されているが、このスキンパス圧延を施す方法もコストアップにつながるものである。
このように、酸液温度(約90℃)より高い温度のコイルを装入する場合、低コストで高効率の脱スケールを行うことは可能となるが、逆にコイルの払い出し時に腰折れが発生し易い状況となり安定的に良好な表面品質を維持することが困難となるといった問題が生じていた。
特開昭55−6436号公報 特開2000−301237号公報 特開2004−1096号公報
荒谷 昌利、外4名、"3ピース缶用鋼板のフルーテリング性 に及ぼす製缶条件の影響"鉄と鋼、日本鉄鋼協会、1997年、 83巻、第4号、p.19−24
本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消し、ペイオフリールの熱延コイルから熱延鋼帯を払い出す際、腰折れの発生を防止する熱延コイルの払い出し方法を提供するとともに、この方法を利用して、熱延鋼帯の脱スケールを行う酸洗処理ラインにおいて低コスト、高効率の脱スケールを良好な表面品質を維持しながら実現する酸洗方法および酸洗設備を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
(1)ペイオフリールに装着された熱延コイルから熱延鋼帯を払い出す熱延コイルの払い出し方法であって、ペイオフリールのマンドレルの温度を上昇させて、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出すことを特徴とする、熱延鋼帯の腰折れを防止する熱延コイルの払い出し方法。
(2)ペイオフリールに装着された熱延コイルから熱延鋼帯を、ペイオフリールのマンドレルの温度を上昇させて、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出して、酸洗槽に連続的に供給し、該鋼帯の表面に付着しているスケールを除去することを特徴とする、熱延鋼帯の酸洗方法。
(3)酸洗槽の酸液温度を70〜95℃に保持し、かつ、酸洗槽に熱延鋼帯を酸液温度以上の温度で供給することを特徴とする、(2)に記載の熱延鋼帯の酸洗方法。
(4)熱延コイルが装着されるペイオフリールと該ペイオフリールから払い出される熱延鋼帯を酸洗する酸洗槽を備える酸洗設備であって、ペイオフリールのマンドレルに加熱手段を設けて該マンドレルの温度を上昇させ、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出すことを可能にしたことを特徴とする、熱延鋼帯の酸洗設備。
(5)マンドレルの加熱手段により該マンドレルの温度を制御可能としたことを特徴とする、(4)に記載の熱延鋼帯の酸洗設備。
本発明の熱延コイルの払い出し方法によれば、急激な温度低下が生じている熱延コイルの内径部をペイオフリールのマンドレルの温度を上昇させて、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって確実に250℃の温度以上にして払い出すことができるため、腰折れを発生させることなく酸洗処理などの処理ラインに鋼帯を供給することができ、処理後に表面品質のよい鋼帯を得ることができる。
また、本発明の酸洗処理方法および酸洗設備によれば、コイルの熱延鋼帯全長にわたって確実に250℃の温度以上にして払い出すことができるため、腰折れを発生させることなく酸洗槽に鋼帯を供給することができるのみならず、熱延コイルの保有熱を有効に活用して高温の酸液における酸洗を容易に行うことができるので、熱延鋼帯の脱スケールを行う酸洗処理ラインにおいて低コスト、高効率の脱スケール処理を良好な表面品質を維持しながら実現することができる。
鋼帯温度を変更した場合の引張り試験における荷重−ストローク線図 鋼帯温度による降伏点伸びの変化を示す図 本発明を実施するための酸洗処理ラインの一例を概略的に示す図 熱延鋼帯の表面に発生した腰折れを模式的に示す図
すでに記載したように、腰折れの発生挙動に対しては曲げ変形時の温度が大きく影響するが、高温度域での腰折れ発生挙動については、非特許文献1では150℃以下程度のものは調べられているが、それよりも高温での腰折れ発生挙動は言及されていない。
本発明者らは、熱延鋼帯払い出し時に発生する腰折れに対する温度の影響について詳細な調査を行い、一定温度以上の高温の温度域では降伏点伸び現象が消失することに着目し本発明を発明するに至った。
図1はJIS G 3131(熱間圧延軟鋼帯および鋼帯)に記載される板厚4.1mmのSPHCを供試材として、JIS G 0567で記載される鉄鋼材料の高温引張試験方法に従い、鋼板温度を50℃、100℃、200℃、300℃と変更して引張り試験を実施した時の荷重−ストローク線図を示したものである。
50℃の状態では、一定荷重(降伏点)に達した後に荷重が増加しないで変形が進む降伏点伸び現象が生じていることがわかる。鋼板温度がより高温域の、100℃、200℃の場合では第一の降伏点伸び現象が生じた後に、応力が増加する過程で再び降伏点伸びが生じていることが分かる。これは応力の負荷によって固溶Cなどが転位の固着から外れて変形応力が低下するものの、温度が高い状態では鋼中のCの拡散速度が速いため加工中に再度転位に固着するためと考えられる。実際の製造ラインで鋼板温度が高いほど腰折れが発生しやすいのは、このためである。
一方、鋼板温度がさらに高温の300℃になると、引張り試験時の荷重−ストローク線図では降伏点伸びは完全に消失する。これは温度の上昇によって鋼中Cの拡散が容易になり、転位などにCが固着しにくくなるためと考えられる。すなわち、鋼板温度を降伏点伸びが発生しない温度以上に保持した状態でコイルを払い出すことができれば、原理的に腰折れは発生しない。
図2は、腰折れの発生温度の限界を詳細に調べるために前述の供試材、試験方法により鋼板温度(横軸)に対する降伏点伸び(縦軸)の変化を調査した結果を示すものである。この図から、鋼板温度が250℃以上の高温域では降伏点伸びが完全に消失していることがわかる。
上記の結果から、コイル払い出し時の温度を250℃以上とすることで腰折れの発生を防止することができるが、実際の製造ラインではコイルの全長にわたって250℃以上の温度を確保しなければならない。
熱間圧延時の保有熱を有した熱延コイルをペイオフリールに装着した場合、熱延コイルは輻射伝熱、大気との対流熱伝達によって経時的に温度が低下していくが、該コイルの内径部を除いたコイル部分においては、この温度変化は比較的緩やかであるのに加えて、その温度変化は単純な伝熱計算で予測することが可能であり、酸洗処理ライン装入時のコイル温度を管理することで(一定以上の温度でラインに装入する)払い出し時の鋼帯温度を250℃以上とすることができる。
しかし、コイル内径部はペイオフリールのマンドレルとの接触熱伝達による温度変化が生じる。通常、マンドレルは常温となっており、接触熱伝達によってコイル内径部は急激な温度低下が生じてしまい、ペイオフリールのコイルからの払い出し時に、コイル内径部に相当する鋼帯の後半部は250℃を下回ることになる。その結果、熱延コイルの払い出し時に腰折れが発生してしまう。
そこで、本発明では、ペイオフリールのマンドレルに加熱手段を設けてマンドレルの温度を上昇させ、コイルをその内径部側から加熱することによって、この内径部での温度降下を補償する。加熱手段としては、マンドレル内部で抵抗発熱体を埋設して通電加熱する方法や、高温蒸気配管を埋設し蒸気加熱を行うなどの従来の方法を適用することができる。このような設備構成でマンドレルの温度を250℃以上とすることで、コイルの熱延鋼帯全長にわたって、コイルの払い出し温度を250℃以上に制御することが可能となる。
なお、コイルは通常冷却ヤードで放冷されるため、ぺイーオフリールからコイルが払い出される時点で、鋼帯温度が250℃以下になるコイル内径部の範囲は、放冷の程度などによって変動するので、本発明でのコイル内径部の範囲(径の値)を固定的に考えるべきものではない。この範囲はコイル温度測定や伝熱計算によって予測することができる。
以下、本発明の実施形態について、酸洗処理ラインを対象にして、詳しく説明する。
図3は酸洗処理ラインの設備構成の1例を概略的に図示したものであり、本発明の実施の一形態を示すものである。熱間圧延後の熱延鋼帯はコイル状に巻き取られて、熱間圧延時の保有熱を有した高温の状態で酸洗処理ラインに搬送される。高温のコイルはペイオフリール1のマンドレル2に装着され鋼帯3が払い出される。
マンドレル2の内部には、加熱手段として、例えば抵抗発熱体と制御用の熱伝対が埋設されており、目標温度と熱伝対出力に応じて抵抗発熱体への投入電力を制御することでマンドレルの温度を250℃以上の一定値に制御することが可能である。
上記の目標温度は、払い出し前のコイルの温度、とりわけコイル内径部の250℃未満の温度降下量や払い出し速度等を考慮して、250℃以上に設定する。コイル内径部の温度降下量や範囲が大きいときは目標温度をより高くして対応することができる。このように、マンドレルの温度を上昇させて、コイルを内径部側から加熱して、コイルの熱延鋼帯全長にわたって、250℃の温度以上で払い出すことにより、腰折れを防止することができる。
なお、コイル内径部等の温度推移を予測しておき、上記の抵抗発熱体への投入電力を予め設定しておくこともできる。この場合、加熱手段には抵抗発熱体のみを備え、制御用の熱電対を埋設しないことも可能である。
払い出されたストリップは先行材の尾端と溶接機4にて接続され、入側ルーパ5を経て、酸洗槽6a〜6cに連続的に供給される。酸洗槽内部には酸液温度制御する温度調節手段が付いており、操業中の酸液温度を一定範囲内に管理する。酸洗効率や酸液の蒸発等を考慮して、70〜95℃の範囲内に維持することが望ましい。酸洗された鋼帯3はリンスタンク7、水洗タンク8を経て酸液を除去され、乾燥装置9により乾燥され、出側ルーパ10を経てテンションリール11により巻き取られる。
本発明の酸洗処理ラインの実施形態は上記のものに限られるものではなく、ペイオフリールと酸洗槽を備えるものであれば、本発明を適用できることはいうまでもない。
酸洗処理ラインにおいて、鋼帯は250℃以上の温度でペイオフリールの熱延コイルから払い出され、酸洗処理ラインの酸洗槽に浸漬されるまでに温度が低下するが、熱間圧延時の保有熱を依然として有しているので、その保有熱を酸洗槽の酸液温度維持に有効に利用できる。
図3に示した酸洗設備を用い、板厚2.3mm、板幅1200mm、内径508mm、外径1900mmのSPHC(JISG 3131)の酸洗を、以下のように、酸洗処理ラインのペイオフリールの装入するコイルの温度やペイオフリールによる加熱の有無について条件が異なる条件1〜3のもとに行った。
条件1(従来例1):熱間圧延後の高温のコイルを数日間にわたって放冷して熱間圧延時の保有熱のほとんどを放熱させて、コイルの外表面温度が40℃となった時点で、酸洗処理ラインのペイオフリールに装入し、ペイオフリールのマンドレルによる加熱を実施しなかった。コイルの払い出し時の鋼帯温度は全長にわたって40℃以下であった。
条件2(従来例2):熱間圧延後の高温のコイルを条件1よりも短い時間(半日程度)放冷して熱間圧延時の保有熱がかなり残り、コイルの外表面温度が温度を350℃となった時点で、酸洗処理ラインのペイオフリールに装入し、マンドレルの加熱を実施しなかった。コイルの払い出し時の鋼帯温度は先端から中央付近までは250℃以上を確保できるが、鋼帯の尾端を含む後半部では250℃より低い温度であった。払い出し後、熱延鋼帯の温度は低下するが、コイル外表面に相当する鋼帯先端部は150℃前後で酸洗槽に供給された。
条件3(本発明例):条件2と同様に、装入するコイルの外表面温度が350℃となった時点でペイオフリールに装入し、ペイオフリールのマンドレルによる加熱を実施し、マンドレル温度を250℃以上に制御した。コイルの払い出し時の鋼帯温度はコイル全長にわたって250℃以上であった。払い出し後、熱延鋼帯の温度は低下するが、コイル外表面に相当する鋼帯先端部は150℃前後で酸洗槽に供給され、鋼帯先端部の酸洗槽への供給温度は条件2の場合と大きな差はなかった。
以上の3条件で酸洗を行い、酸洗後の鋼帯表面品質の確認を行った。このとき酸洗槽の液組成は塩酸濃度(重量%)10%、温度85℃の条件としている。
Figure 2010188389
表1はこのときの各条件での腰折れの発生状況と消費エネルギーを確認した結果をまとめたものである。
ここで、「消費エネルギー」欄は、酸洗槽の温度を85℃に保持するために酸洗槽に設けられた酸液の温度を制御する温度調節手段の加熱装置が消費するエネルギーを比較したもので、従来例1における消費エネルギーを1としている。
本発明例では、コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出されており、酸洗後の熱延鋼帯に腰折れは発生していなかった。消費エネルギーも、熱間圧延時の保有熱を酸液の温度保持に利用しているため、従来例1の1/2以下である。従来例1では、コイルが常温に近い温度にまで冷却された後に払い出されているので、腰折れは発生していない。しかし、消費エネルギーは、熱間圧延時の保有熱がほとんど利用されていないため、従来例2や本発明例の2倍以上である。従来例2では、コイルの外表面が250℃を超える350℃で払い出されているが、コイル内径部の温度が250℃を下回るため、消費エネルギーは、熱間圧延時の保有熱が利用されて従来例1の1/2以下であるものの、腰折れが発生している。
本発明の払い出し方法によれば、払い出し時に腰折れの発生を防止することができ、各種処理後の鋼帯表面の品質を向上することができる。さらに、予め、鋼帯に腰折れ防止のスキンパス圧延をする必要がないので、製造コストを下げることができる。
また、本発明の酸洗方法や酸洗設備によれば、熱間圧延時の保有熱を利用して、鋼帯を冷却手段で冷却することなく払い出して酸洗槽に装入することができるため、腰折れが防止できるとともに、省エネルギーに大きく寄与することができるので、良好な表面品質を維持しながら低コスト、高効率の脱スケールをすることができる。さらに、熱間圧延後の熱延コイルをコイルヤードで数日間放冷する必要もないのでコイル管理がし易くなる。
以上のとおり、熱延鋼帯の製品の製造に有益であり、産業上の利用可能性を有している。
1:ペイオフリール
2:マンドレル
3:熱延鋼帯
4:溶接機
5:入側ルーパ
6a〜6c:酸洗槽
7:リンスタンク
8:水洗タンク
9:乾燥装置
10:出側ルーパ
11:テンションリール

Claims (5)

  1. ペイオフリールに装着された熱延コイルから熱延鋼帯を払い出す熱延コイルの払い出し方法であって、ペイオフリールのマンドレルの温度を上昇させて、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出すことを特徴とする、熱延鋼帯の腰折れを防止する熱延コイルの払い出し方法。
  2. ペイオフリールに装着された熱延コイルから熱延鋼帯を、ペイオフリールのマンドレルの温度を上昇させて、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出して、酸洗槽に連続的に供給し、該鋼帯の表面に付着しているスケールを除去することを特徴とする、熱延鋼帯の酸洗方法。
  3. 酸洗槽の酸液温度を70〜95℃に保持し、かつ、酸洗槽に熱延鋼帯を酸液温度以上の温度で供給することを特徴とする、請求項2に記載の熱延鋼帯の酸洗方法。
  4. 熱延コイルが装着されるペイオフリールと該ペイオフリールから払い出される熱延鋼帯を酸洗する酸洗槽を備える酸洗設備であって、ペイオフリールのマンドレルに加熱手段を設けて該マンドレルの温度を上昇させ、熱延コイルをその内径部側から加熱することにより、該コイルの熱延鋼帯全長にわたって250℃以上の温度で払い出すことを可能にしたことを特徴とする、熱延鋼帯の酸洗設備。
  5. マンドレルの加熱手段により該マンドレルの温度を制御可能としたことを特徴とする、請求項4に記載の熱延鋼帯の酸洗設備。
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CN106111737A (zh) * 2016-06-24 2016-11-16 常州市瑞悦车业有限公司 一种钢卷开卷生产线

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