図1は本発明に係るパチンコ遊技機(所謂セブン機タイプ)の正面模式図である。パチンコ遊技機1(以下、単に遊技機ともいう)は、台枠に取り付けられた透明の前面ガラス扉2と、台枠の内側に配置されて前面ガラス扉2によって覆われる遊技盤3を有する。なお、図1において玉の流下方向を上下方向(鉛直方向)、遊技盤3の盤面に沿う態様で上下方向と直交する方向(水平方向)を左右方向、遊技盤3の盤面に直交する方向(水平方向)を前後方向とし、盤面の前側(遊技者側)が前方側であり、盤面の後側(奥側)が後方側である。
遊技盤3には、ハンドル装置4を含んで構成される発射装置124(図2参照)より発射された玉BL(以下、単に玉という)が流下する略円形状に囲まれた遊技領域3aが形成されている。遊技領域3aには、玉の流下方向を変化させる釘N(一部のみ図示)が植設されており、遊技盤3の前方下部に設けられた上皿5から供給された玉が、発射装置124によって遊技領域3aに向けて発射され、釘Nに弾かれながら遊技領域3aを落下するようになっている。なお、前面ガラス扉2には、スピーカ121、装飾ランプ類122などが設けられている。
上皿5の下方には、流入口6aを通して上皿5に連通した下皿6が設けられている。下皿6には、玉排出レバー6bが設けられている。玉排出レバー6bの操作により、下皿6の底部に形成された排出口(図示省略)が開口し、下皿6に貯えられた玉が玉箱7へ移される。
遊技領域3aの中央付近には、中央役物装置10が配置されている。中央役物装置10には、枠状の筐体11の奥側にて液晶表示装置12と、遊技領域3aを流下する玉を筐体11の内部に導き入れる管状のワープルート14とが設けられている。ワープルート入口から進入した玉は、ワープルート14内を移動して緩い傾斜状のステージ15上に落下する。ステージ15の前方側の中央には、遊技領域3aに連通する開口部16が形成され、その開口部16を除くステージ15の前端には、開口部16以外からの玉の転落を阻止するガイド部材17が設けられている。玉はステージ15上で左右に移動を繰り返し、開口部16を通って遊技領域3aへ流下して行く。
液晶表示装置12は、所定条件の成立に基づいて実行される特図保留の抽選処理の結果を特別図柄(特図)により表示して遊技者に報知するための特図表示部12aと、現在の特図保留数を遊技者に報知するための特図保留表示部12bと、後述するストック数を遊技者に報知するためのストック数表示部12cと、ストック分の抽選処理の結果を特図により表示して遊技者に報知するためのストック分特図表示部12dとを備えている。
特図表示部12aは、図柄を表示するための複数(例えば3つ)の表示領域を備えており、この全表示領域にて図柄の変動表示を開始し、各表示領域に停止表示された図柄の組合せにより抽選処理の結果を表示する。特図表示部12aが本発明の第1表示手段に相当する。
特図保留表示部12bは、特図表示部12aの一部の表示領域(例えば、左側下部領域、図9参照)が割り当てられて形成されている。特図保留表示部12bは、図柄を表示するための複数(例えば4つ)の表示領域を備えており、特図保留が増えるに従って左端から右端へと順に図柄を追加表示する。保留(記憶)可能な特図保留が例えば4つである場合、各特図保留に対応して4つの図柄を表示する。この場合、左端の図柄が最古の特図保留である保留順1に対応し、右端の図柄へ向かう順に各図柄がそれぞれ保留順2、保留順3、保留順4に対応する。特図の変動を開始すると、保留順1に対応する図柄を例えば縮小表示した後に消去し、保留順2〜4に対応する図柄を左へシフトさせる表示演出を行う。
ストック数表示部12cは、特図表示部12aの一部の表示領域(例えば、右側下部領域、図9参照)が割り当てられて形成されている。ストック数表示部12cは、ストックを意味する「ST」の文字図柄と、ストック数を表す数字図柄とを表示する。ストック数表示部12cが本発明の報知手段に相当する。
ストック分特図表示部12dは、特図表示部12aの一部の表示領域(例えば、右側上部領域、図9参照)が割り当てられて形成されている。ストック分特図表示部12dは、図柄を表示するための複数(例えば3つ)の表示領域を備えており、この全表示領域にて図柄の変動表示を開始し、各表示領域に停止表示された図柄の組合せによりストック分の抽選処理の結果を表示する。ストック分特図表示部12dが本発明の第2表示手段に相当する。
中央役物装置10の下方には、始動入賞装置21が配置され、始動入賞装置21の下方には大入賞装置22が配置されている。始動入賞装置21(始動口)は、開閉する一対の回動翼片21a,21a(電チュー)を備えており、回動翼片21a,21aが開放されると玉が入賞し易くなる。
大入賞装置22(大入賞口)は、いわゆるアタッカーと呼ばれる可変入賞装置であり、開口部と蓋部材とを備え、開口部に対する蓋部材の移動により玉が入賞容易な開放状態と入賞不可能な閉鎖状態とを呈する。大入賞装置22は、通常は閉鎖状態にあるが、後述する大当たり遊技の実行時に開放状態になる。大入賞装置22の下方には、玉を回収するための玉排出口23が設けられている。
中央役物装置10の左方には、玉が通過したとき始動入賞装置21の回動翼片21a,21aを所定時間及び所定回数だけ開放するための当たり抽選が行われる通過ゲート24が配置されている。通過ゲート24の左斜め下方には、1又は複数(例えば1つ)のLEDにより普通図柄(普図)を表示する普図表示部25と、複数(例えば4つ)のLEDからなる普図保留表示部26とが上下に配設されている。
次に、図2を用いて、パチンコ遊技機1の制御ブロック図について説明する。パチンコ遊技機1の主制御基板には主制御部100が搭載され、副制御部111と払出制御部112が接続されている。
主制御部100は、演算装置であるCPU(Central Processing Unit)101、各種プログラム及び判定テーブルが格納される読み取り専用記憶装置であるROM(Read Only Memory)102、ワークエリアや各種カウンタ等が割り当てられる読み書き可能な記憶装置であるRAM(Random Access Memory)103、入出力インターフェースであるI/O(Input/Output)104などを備えており、これらは図示を省略するバスを介して相互に接続されている。なお、その他の各制御部も、個別にCPUやメモリを備えているが、図2では省略してある。各制御部には、電源部114にて生成された所定電圧の電力が主制御部100を介して供給されている。主制御部100が本発明の(抽選手段、読出手段、遊技制御手段、ストック判定手段、ストック実行手段、ストック解除判定手段、ストック解除手段)に相当する。
副制御部111は、主制御部100から入力されるコマンドに応じてアンプ/スピーカ121(図1参照)に音声を出力させるとともに、装飾ランプ類122の点灯/消灯を制御する。また、副制御部111は、主制御部100からの指示に従って表示制御部115にコマンドを出力する。つまり、主制御部100は、副制御部111及び表示制御部115を経由して特図表示部12aにて特図の変動表示や停止表示を実行させ、特図保留表示部12bにて特図保留数に対応して図柄の演出表示を実行させる。また、主制御部100は、ストック数表示部12cにてストック数に対応して数字図柄の更新表示を実行させ、ストック分特図表示部12dにてストック分の特図の変動表示や停止表示を実行させる。主制御部100は表示制御手段としても機能する。
払出制御部112は、主制御部100より入力される賞球払出信号に応じて払出装置123を制御する。これにより、遊技者に対して所定数の賞球が上皿5に払い出される。発射制御部113は、遊技者のハンドル装置4の操作に応じて、ハンドル装置4に対応して設けられた発射装置124を作動させ、上皿5に準備された玉を遊技領域3aに向けて発射する。ハンドル装置4の操作量に応じて、玉の打ち出し強さ(玉の飛距離)を調節することが可能となっている。
主制御部100には、始動入賞装置21に付設された始動入賞検出器131、大入賞装置22に付設された大入賞検出器132、通過ゲート24に付設されたゲート通過検出器134からの玉検出信号がそれぞれ入力される。
また、主制御部100は、始動入賞装置21の回動翼片21a,21aを開閉する電チューソレノイド141、大入賞装置22を開閉する大入賞ソレノイド142、普図表示部25のLED、普図保留表示部26のLEDをそれぞれ駆動制御する。
図3に、RAM103の記憶内容の一例を示す。RAM103には、大当たりや特図変動等の時間管理を行うためのタイマ及びカウンタが格納される。RAM103には、例えば、特図用乱数カウンタ103a、図柄用乱数カウンタ103b、ストック用乱数カウンタ103c、特図保留記憶領域103d、特図ストック記憶領域103e、状態フラグ記憶領域103f、解除フラグ記憶領域103g、継続回数記憶領域103hなどが設けられている。RAM103が本発明の記憶手段に相当する。
特図用乱数カウンタ103aの値は、例えば0〜399までの間で変動(所定時間毎に1を加算)する。始動入賞装置21への入賞が検出されると、その検出タイミングでの値が特図用乱数カウンタ103aから抽出される。抽出された特図乱数値は、後述するようにストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶される場合を除き、特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶される。特図保留記憶領域103dには、複数(例えば、上限数4個)の特図保留を記憶可能である。特図保留記憶領域103dが本発明の保留領域に相当する。
図柄用乱数カウンタ103bの値は、例えば0〜799までの間で変動(所定時間毎に1を加算)する。始動入賞装置21への入賞時には、図柄用乱数カウンタ103bからも値が抽出され、その抽出された図柄乱数値に基づいて停止図柄(停止表示する図柄の組合せ、ハズレ時でのリーチ又は非リーチ図柄、大当たり時でのリーチ図柄、確変又は非確変大当たり図柄)が決定される。なお、図柄乱数値もストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶される場合を除き、特図乱数値とともに特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶される。
ストック用乱数カウンタ103cの値は、例えば0〜99までの間で変動(所定時間毎に1を加算)する。始動入賞装置21への入賞時には、ストック用乱数カウンタ103cからも値が抽出され、その抽出されたストック乱数値に基づいて、特図乱数値、図柄乱数値及びストック乱数値を特図ストック記憶領域103eに記憶するか否かが判定される。また、記憶すると判定された場合は、抽出されたストック乱数値に基づいて、さらに記憶するタイミング(ストックタイミング)が決定される。なお、ストック乱数値もストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶される場合を除き、特図乱数値及び図柄乱数値とともに特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶される。
特図保留記憶領域103dには、特図乱数値、図柄乱数値及びストック乱数値に加えて、上記した保留順を記憶可能である。この保留順は、特図保留記憶領域103dから特図保留が読み出される毎に更新される(1ずつ減算され、保留順が「0」になった特図保留は消去される)。
特図ストック記憶領域103eには、複数(例えば、上限数500個)の抽選結果(特図乱数値、図柄乱数値、ストック乱数値)を記憶可能である。この特図ストック記憶領域103eに抽選結果を記憶することをストックするともいい、特図ストック記憶領域103eに記憶されている抽選結果の数をストック数という。特図乱数値と図柄乱数値が本発明の抽選結果に相当し、特図ストック記憶領域103eが本発明のストック領域に相当する。
状態フラグは、パチンコ遊技機1の遊技状態を示すフラグであり、通常状態であるとき0に設定され、大当たり状態であるとき1に設定され、確変状態であるとき2に設定され、時短状態であるとき3に設定される。
解除フラグは、特図ストック記憶領域103eから抽選結果を読み出し不可能なストック解除禁止状態であるとき0に設定され、特図ストック記憶領域103eから抽選結果を読み出し可能なストック解除状態であるとき1に設定される。また、大当たり遊技中にストック解除状態となり、解除された抽選結果で大当たりになると解除フラグは2に設定されるが、この解除フラグが2に設定されているときもストック解除禁止状態となる。
継続回数は、大当たり終了時に時短状態となる場合は100をセットし、特図の変動表示を行う毎に1を減算する。
なお、図示は省略するが、RAM103には、特図用乱数カウンタ103aと同様の普図用乱数カウンタや、通過ゲート24への入賞時に普図用乱数カウンタから抽出された普図乱数値を普図保留として記憶するための普図保留記憶領域も設けられている。また、RAM103には、特図保留記憶領域103dから読み出した特図保留や、特図ストック記憶領域103eから読み出した抽選結果、普図保留記憶領域から読み出した普図保留などを、新たな値が読み出されるまで一時記憶しておく記憶領域も設けられている。
次に、図1〜図3を用いて、パチンコ遊技機1における遊技の流れ(遊技性)について概要を説明しておく。
玉が通過ゲート24を通過すると、ゲート通過検出器134による玉の検出に応じて、主制御部100は、普図の保留が3個以下であれば、普図用乱数カウンタから現在の値を抽出し、その抽出した普図乱数値を普図保留としてRAM103の普図保留記憶領域に記憶する。新たな普図の変動を開始可能なとき(普図の変動中でなく、始動入賞装置21の電チューが動作中でないとき)、普図保留が記憶されていれば、最古の普図保留を読み出して当たり判定を行う。読み出した普図保留の普図乱数値を、通常状態であれば通常用普図判定テーブル(普図当選確率:1/100)、時短状態や確変状態であれば時短用普図判定テーブル(普図当選確率:99/100)の当たり値と比較する。この当たり判定の結果に基づいて、普図の変動(普図表示部25のLED点滅)を開始する。なお、普図用乱数カウンタから値を抽出し、その抽出した普図乱数値の当たり判定を行う処理が、普図の抽選処理に相当する。
普図の判定結果が当たりの場合、変動時間(通常状態又は大当たり状態であれば30秒、時短状態や確変状態であれば1秒)経過時に普図表示部25のLEDを点灯し、電チューソレノイド141を励磁して電チューを開放する。所定時間(通常状態であれば0.1秒、時短状態や確変状態であれば1.5秒を3回)経過後、始動入賞装置21を閉鎖する。なお、普図の判定結果がハズレの場合は、変動時間経過時に普図表示部25のLEDを消灯する。
始動入賞装置21に玉が入賞し、始動入賞検出器131による玉の検出(始動入賞)に応じて、主制御部100は、払出制御部112に3個の賞球を払い出すように指示し、特図保留記憶領域103dに記憶された特図保留(最大で4個)が3個以下であれば、特図用乱数カウンタ103a、図柄用乱数カウンタ103b及びストック用乱数カウンタ103cからそれぞれ現在の値を抽出する。
主制御部100(ストック判定手段)は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、通常状態(状態フラグ:0)であると判定すると、抽出したストック乱数値に基づいて、各乱数値からなる抽選結果を特図ストック記憶領域103eにストックするか否かを判定する。具体的には、ストック乱数値と、ストック判定テーブル(ストック当選確率:1/10)に設定されている当たり値(例えば、0〜9)とを比較し、一致する場合はストックすると判定し、一致しない場合はストックしないと判定する。なお、ストック用乱数カウンタ103cから値を抽出し、その抽出したストック乱数値の当否判定を行う処理がストック抽選処理に相当し、その当否判定条件(当たり値と一致するか否か)がストック条件に相当する。
主制御部100が抽選結果を特図ストック記憶領域103eにストックしないと判定した場合、主制御部100は、抽選結果を特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶する。主制御部100(読出手段)は、新たな特図の変動を開始可能なとき(特図の変動中でなく、大当たり中でもないとき)、特図保留記憶領域103dに特図保留が記憶されていれば、記憶された順(保留順)に特図保留を読み出すとともに、読み出した特図保留を特図保留記憶領域103dから消去する。
主制御部100(抽選手段)は、読み出した特図保留の特図乱数値と、特図判定テーブルに設定されている当たり値とを比較し、一致する場合は当たりと判定する当否判定を行う。状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、通常状態(状態フラグ:0)や時短状態(状態フラグ:3)であれば通常用特図判定テーブル(特図当選確率:1/400)の当たり値(例えば、0)と、確変状態(状態フラグ:2)であれば確変用特図判定テーブル(特図当選確率:1/40)の当たり値(例えば、0〜9)と比較する。なお、特図用乱数カウンタ103aから値を抽出し、その抽出した特図乱数値の当否判定を行う処理が、特図の抽選処理に相当するとともに、本発明の抽選処理に相当する。
主制御部100は、この当否判定の判定結果と、読み出した特図保留の図柄乱数値とに基づいて、特図の停止図柄、変動時間、変動パターンなどを決定する。主制御部100の指示に従い、液晶表示装置12の特図表示部12aでは3つの図柄列(例えば、各桁が「1」〜「8」で表される3桁の数字)で変動表示を開始し、決定された変動パターンでの表示を行った後、左、右、中の順で図柄を停止し、停止表示した図柄の組合せにより判定結果を表示する。確変大当たりであった場合は、リーチ図柄(大当たり図柄へ移行する前に表示される図柄であり、3つの表示領域のうち中の表示領域ではまだ図柄が変動表示している状態で、左と右に同じ数字を停止表示した図柄)を表示した後、奇数のゾロ目(「111」、「333」、「555」、「777」)を停止表示する。一方、非確変大当たりであった場合は、リーチ図柄を表示した後、偶数のゾロ目(「222」、「444」、「666」、「888」)を停止表示する。
主制御部100は、判定結果が確変大当たりであれば(大当たりの振分率は、例えば確変大当たり:50%、非確変大当たり:50%)確変大当たり図柄である奇数のゾロ目が停止表示されたとき、判定結果が非確変大当たりであれば非確変大当たり図柄である偶数のゾロ目が停止表示されたとき、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを1に変更する。
主制御部100(遊技制御手段)は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、状態フラグが1(大当たり状態)であると、大当たり遊技を実行する。大当たり遊技では、大入賞装置22を開放して10個入賞するか30秒経過すると閉鎖する動作処理を15ラウンド繰り返す。大入賞装置22へ1個入賞すると15個の賞球が払い出される。
主制御部100は、確変大当たりの終了後は状態フラグを2に変更して遊技状態を確変状態とする。以降、主制御部100は、確変用特図判定テーブルを参照して大当たりの当否判定を行う。確変状態は次回の大当たりまで継続する。一方、主制御部100は、非確変大当たりの終了後は状態フラグを3に変更して遊技状態を時短状態とする。以降、主制御部100は、通常用特図判定テーブルを参照して大当たりの当否判定を行う。時短状態は、100回(ハズレの抽選結果が100回)の図柄変動が終了するか、新たな大当たりに当選するか何れか早い方が成立するまで継続する。主制御部100は、100回の図柄変動が終了すると状態フラグを0に変更して遊技状態を通常状態に戻す。確変状態と時短状態では、普図の当選確率が高くなり、普図当選時に電チューの開放時間が長くなるため、遊技者は持ち玉をさほど減らすことなく、遊技を継続することができる。
主制御部100(ストック判定手段)は、抽選結果を特図ストック記憶領域103eにストックすると判定した場合、さらに抽出した特図乱数値と、ストック用特図判定テーブル(特図当選確率:1/200)に設定されている当たり値(例えば、0と1)とを比較し、一致する場合は当たりと判定する当否判定を行う。この当否判定の判定結果と、ストック乱数値(ストックする判定であるので、0〜9のいずれかの値)とに基づいてストックタイミングを決定する。具体的には、判定結果が当たりの場合のストックタイミングは、リーチ演出中(例えば、ストック乱数値が0〜2)、全図柄変動中(例えば、ストック乱数値が3か4)、保留順が1になったとき(例えば、ストック乱数値が5か6)、保留順が2になったとき(例えば、ストック乱数値が7か8)、始動入賞時(例えば、ストック乱数値が9)に設定されている。
一方、判定結果がハズレの場合のストックタイミングは、リーチ演出中(例えば、ストック乱数値が0)、全図柄変動中(例えば、ストック乱数値が1)、保留順が1になったとき(例えば、ストック乱数値が2)、保留順が2になったとき(例えば、ストック乱数値が3)、始動入賞時(例えば、ストック乱数値が4〜9)に設定されている。
主制御部100(ストック判定手段)がストックタイミングを始動入賞時に決定した場合、主制御部100(ストック実行手段)は、抽選結果を直ちに特図ストック記憶領域103eにストックする。主制御部100は、抽選結果がストックされると、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる。
主制御部100(ストック判定手段)がストックタイミングを始動入賞時以外に決定した場合、主制御部100(ストック実行手段)は、抽選結果を一旦特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶する。この場合、主制御部100は、特図保留表示部12bの図柄を追加表示させる。なお、主制御部100(ストック判定手段)がストックタイミングを保留順1に決定した場合、主制御部100(ストック実行手段)は、特図保留記憶領域103dに特図保留が1つも記憶されていなければ、抽選結果を特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶した時点で保留順が「1」となり、直ぐに記憶した抽選結果を特図ストック記憶領域103eに移動しなければならなくなるので、抽選結果を直ちに特図ストック記憶領域103eにストックする。同様に、ストックタイミングを保留順2に決定した場合も、特図保留記憶領域103dに特図保留が1つしか記憶されていなければ、抽選結果を直ちに特図ストック記憶領域103eにストックし、特図保留記憶領域103dに特図保留が1つも記憶されていなければ保留順が「2」になることはないので、抽選結果を直ちに特図ストック記憶領域103eにストックする。なお、特図保留が常に1つか2つある状態で遊技を継続すれば、ストックタイミングとして保留順1又は2に決定された抽選結果が特図保留記憶領域103dから特図ストック記憶領域103eへ移動されるタイミングを認識しやすくなるので、そのストックされた抽選結果が当たりであるかもしれないと期待度を高めることができる。
主制御部100(ストック実行手段)は、特図保留記憶領域103dから新たな特図保留を読み出して特図の変動表示を開始するとき、保留順が「1」又は「2」となった特図保留について、その特図保留に係る特図乱数値及びストック乱数値に基づいて保留順が「1」又は「2」になったとき抽選結果をストックすることになっていないか確認する。主制御部100は、ストックすることになっている抽選結果が保留順1又は2にあった場合、特図の変動開始直後に、特図保留表示部12bにて対応する図柄を消滅させるとともに、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる。この場合、遊技者は特図保留表示部12bかストック数表示部12cに注目していないと、保留順1又は2の抽選結果がストックされたことに気が付かない。
また、主制御部100(ストック実行手段)は、特図保留記憶領域103dから新たな特図保留を読み出したとき、読み出した特図保留に係る特図乱数値及びストック乱数値に基づいてその抽選結果が特図の変動中にストックすることになっていないか確認する。主制御部100は、そのストックタイミングに合わせて特図の変動時間と変動パターンを決定し、特図表示部12aにて特図の変動表示を開始させる。
主制御部100(ストック判定手段)が抽選結果を全図柄の変動中にストックすると判定した場合、主制御部100は、全図柄の変動中に特図表示部12aにて所定の表示演出(例えば、ブラックアウト演出)を行なわせ、その図柄の変動表示開始時の表示(1つ前の抽選結果が表示された状態)に戻すとともに、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる。また、主制御部100(ストック判定手段)がリーチ演出中に抽選結果をストックすると判定した場合も同様である。
ストックされた抽選結果がハズレの場合は、そのうちの2割(例えば、ストック乱数値が「0」のときリーチ演出中にストックされ、ストック乱数値が「1」のとき全図柄変動中にストックされるように設定した場合)が特図の変動を開始してからストックされるが、ストックされた抽選結果が当たりの場合は、そのうちの5割(例えば、ストック乱数値が「0」〜「2」のときリーチ演出中にストックされ、ストック乱数値が「3」か「4」のとき全図柄変動中にストックされるように設定した場合)が特図の変動を開始してからストックされる。このため、遊技者は、特図の変動を開始してから抽選結果がストックされると、その抽選結果が当たりであるとの期待感を高めて遊技を継続して行うようになるので、遊技機の稼動を向上させることができる。さらに、特図ストック記憶領域103eのストック数が多くなればなるほど、その中に大当たりとなる抽選結果が含まれている可能性が高くなるので、この場合も遊技者が遊技を継続して行うようになり、稼動の向上を図ることができる。
主制御部100(ストック解除判定手段)は、通常状態で非確変大当たりに当選して主制御部100(遊技制御手段)が大当たり遊技を実行しているか否か判定する。主制御部100(ストック解除手段)は、主制御部100(ストック解除判定手段)による判定結果(大当たり遊技実行)に基づいて特図ストック記憶領域103eに抽選結果がストックされていれば、その大当たり遊技中にストックを解除、すなわち特図ストック記憶領域103eにストックされた順番が古い抽選結果から順に読み出す。主制御部100は、読み出したストック分の抽選結果をストック分特図表示部12dに順次表示させるとともに(1つの抽選結果に対する変動時間は、例えば1秒程度)、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる。
主制御部100(ストック解除手段)は、ストックされていた抽選結果の中に大当たりに当選するものがなければ、大当たり遊技が終了するまでストック分の抽選結果を一つずつ読み出すが、ストックされていた抽選結果の中に大当たりに当選するものがあれば、その大当たりの抽選結果までのストック分を一つずつ読み出す。主制御部100は、その大当たりの抽選結果の直前の抽選結果までをストック分特図表示部12dに表示させてから大当たりの抽選結果をストック分特図表示部12dに表示させ、それ以降の抽選結果はストック分特図表示部12dに表示させることなく現在の大当たり遊技が終了するまで待機する。主制御部100(遊技制御手段)は、現在の大当たり遊技を実行した後、ストック内の大当たりの抽選結果に基づいて引き続き新たな大当たり遊技の実行を開始する。通常状態で非確変大当たりに当選した場合に主制御部100(遊技制御手段)が実行する大当たり遊技が本発明の第1大当たり遊技に相当し、ストックされていた抽選結果の中の大当たりの抽選結果に基づいて主制御部100(遊技制御手段)が実行する大当たり遊技が本発明の第2大当たり遊技に相当する。
特図ストック記憶領域103eにストックされている抽選結果が多いと、1回の大当たり遊技中ではストックされている全ての抽選結果をストック分特図表示部12dで表示し切れない場合がある。このように1回の大当たり遊技中で表示されなかった抽選結果や、大当たりとなる抽選結果以降にストックされた抽選結果は、ストック分特図表示部12dに表示されることなく次回のストック解除条件が成立(通常状態で非確変大当たりに当選)するまで特図ストック記憶領域103eにストックされたままとなる。
図4は、本実施例における遊技状態の遷移関係を示す説明図である。この実施例では、遊技状態が通常状態(状態フラグ:0)である場合に限り、上記したストック抽選処理を実行するようになっている。つまり、大当たり状態(状態フラグ:1)や確変状態(状態フラグ:2)、時短状態(状態フラグ:3)では、ストック抽選処理が実行されないので、抽選結果が特図ストック記憶領域103eにストックされることはない。これは、確変状態や時短状態では始動入賞装置21への入賞数が著しく増加するので、ストックが貯まり過ぎるおそれがあること、これらの遊技状態ではストックを貯めるよりも直ちに読み出される構成とした方が遊技のより円滑な進行を図れることなどによる。
また、通常状態において非確変大当たりに当選した場合に限り、ストックを解除してストックされた抽選結果の表示を行うが、通常状態において確変大当たりに当選した場合や、確変状態又は時短状態で大当たりに当選した場合は、ストックを解除することなく、ストックされた抽選結果の表示は行わない。これは、通常状態において非確変大当たりに当選しても単発の大当たりで終わる可能性が高く、以降不利な状態に戻ると予想されること、これに対して確変状態又は時短状態で大当たりに当選することが既に連荘であり、さらに連荘する可能性が高いことなどによる。これにより、遊技者は、通常状態において非確変大当たりに当選した場合でも連荘となる期待感を高めることができる。
図9は、本実施例における一表示例を示す説明図である。図9(A)に示す表示例は、保留順2のときにストックすると判定された抽選結果が保留順3にある場合に、その抽選結果がストックされるまでの特図保留表示部12b及びストック数表示部12cでの表示過程を時系列的に示したものである。
液晶表示装置12の特図表示部12aにおいて先の特図の変動中((A)a.)からハズレ図柄が停止表示され((A)b.)、新たな特図の変動が開始されるとき((A)c.)、特図保留表示部12bにおいて保留順1に対応する左端の図柄が縮小表示される。左端の図柄が消滅し、保留順2〜4に対応する図柄が左へシフト表示される((A)d.)。保留順3にあった抽選結果が保留順2になると、保留順2に対応する図柄が縮小表示される((A)e.)。保留順2に対応する図柄が消滅すると、ストック数表示部12cのストック数が更新表示され((A)f.)、保留順3に対応する図柄が左へシフト表示される((A)g.)。
図9(B)に示す表示例は、リーチの演出中にストックすると判定された抽選結果がストックされるまでの特図保留表示部12b及びストック数表示部12cでの表示過程を時系列的に示したものである。
液晶表示装置12の特図表示部12aにおいて先の抽選結果(例えば、ハズレ図柄)が停止表示されている状態((B)a.)から、特図の変動が開始されると((B)b.)、特図保留表示部12bにおいて保留順2以降に対応する図柄が左へシフト表示される。特図表示部12aにおいて左端の図柄が停止表示され((B)c.)、特図表示部12aにおいて右端の図柄が停止表示されてリーチとなったとき((B)d.)、特図表示部12aが一瞬真っ黒になるブラックアウト演出が行われる((B)e.)。その後、先の抽選結果((B)a.)が特図表示部12aに再度表示され、ストック数表示部12cのストック数が更新表示される((B)f.)。
図9(C)に示す表示例は、通常状態で当選した非確変大当たり中での液晶表示装置12における特図表示部12a、ストック数表示部12c及びストック分特図表示部12dでの表示過程を時系列的に示したものである。
特図表示部12aにおいて非確変大当たり図柄が停止表示されると((C)a.)、解除フラグが1に設定されて大当たり遊技が開始される。大当たり遊技中は、ストック分特図表示部12dにおいて特図ストック記憶領域103eから読み出したストック分の抽選結果に対する図柄変動が開始され、ストック数表示部12cのストック数が更新表示される((C)b.)。なお、特図表示部12aで表示されていた大当たり図柄が特図表示部12aの一部の表示領域(例えば、左側上部領域)に縮小表示される。
ストック分特図表示部12dでは、読み出したストック分の抽選結果がハズレの場合は、一瞬図柄変動した後、直ちにハズレ図柄が停止表示され((C)c.)、さらに次のストック分の図柄変動が開始されるとともに、ストック数表示部12cのストック数が更新表示される((C)d.)。読み出したストック分の抽選結果が大当たりであると、ストック分特図表示部12dでは複数のラウンドに渡るほど長めの変動時間が設定された図柄変動が開始され((C)e.)、左端及び右端の図柄が停止表示されてリーチとなり((C)f.)、設定された変動時間経過時に大当たり図柄が表示される((C)g.)。大当たり図柄が表示されると解除フラグは2に設定されるので、以降はストック分特図表示部12dにおいて図柄の変動は行われず、ストック数表示部12cのストック数が維持表示される。なお、ストック分特図表示部12dで大当たり図柄が停止表示された後に、例えばその大当たり図柄を特図表示部12aにて拡大表示するようにしてもよい。また、これに加えて又は代えて、例えば連荘となった旨の表示演出を行うようにしてもよい。
次に、図5〜図8に示すフローチャートに従って、パチンコ遊技機1で実行される遊技の具体的処理について説明する。なお、図5〜図8のフローチャートで示されるプログラムは、主制御部100のROM102に格納されており、主制御部100のCPU101が所定のタイミングで繰り返し実行するように構成されている。
図5は、始動入賞処理を示すフローチャートである。主制御部100は、始動入賞検出器131による玉の検出に応じて(S11:YES)、払出制御部112に3個の賞球を払い出すように指示する。次に、主制御部100は、特図保留記憶領域103dに記憶された特図保留数が4個に達しているか否かを判定する(S12)。特図保留が3個以下であると判定すると(S12:YES)、特図用乱数カウンタ103a、図柄用乱数カウンタ103b及びストック用乱数カウンタ103cより現在の値を抽出する(S13)。
主制御部100は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、通常状態(状態フラグ:0)であるかを判定する(S14)。通常状態でないと判定した場合は(S14:NO)、抽選結果を特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶し(S21)、通常状態であると判定した場合は(S14:YES)、抽出した各乱数値からなる抽選結果を特図ストック記憶領域103eにストックするか否かを判定する(S15)。抽出したストック乱数値をストック判定テーブルの当たり値(例えば、0〜9)と比較し、両値が一致しないと判定した場合は抽選結果を特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶する(S16:NO、S21)。
一方、主制御部100は、両値が一致すると判定した場合はストックタイミングを判定する(S16:YES、S17)。この判定処理では、抽出した特図乱数値とストック用特図判定テーブルの当たり値(例えば、0と1)とを比較した当否判定結果に応じて、ストック乱数値に基づき抽選結果をストックするタイミングを振り分ける。
主制御部100は、ストックタイミングが始動入賞検出時であれば、直ちに抽選結果をストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶する(S18:YES、S22)。ストックタイミングが保留順1であれば、特図保留記憶領域103dに記憶されている現在の特図保留数を確認し、特図保留数が0であれば直ちに抽選結果をストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶する(S18:NO、S19:YES、S22)。ストックタイミングが保留順2であれば、特図保留記憶領域103dに記憶されている現在の特図保留数を確認し、特図保留数が2個に達していなければ直ちに抽選結果をストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶する(S18,S19:NO、S20:YES、S22)。
ストックタイミングが保留順1であって特図保留数が1個以上であるとき、ストックタイミングが保留順2であって特図保留数が2個以上であるとき、又はストックタイミングが図柄変動中(全図柄変動中、リーチ演出中)であるときは、抽選結果を特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶する(S18,S19,S20:NO、S21)。主制御部100は、抽選結果を特図保留として特図保留記憶領域103dに記憶したとき液晶表示装置12の特図保留表示部12bにて図柄を新たに(左から順に)1つ追加表示させる。また、抽選結果をストック分として特図ストック記憶領域103eに記憶したとき液晶表示装置12のストック数表示部12cにてストック数を更新表示させる。
図6は、特図変動処理を示すフローチャートである。主制御部100は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、状態フラグが1以外、すなわち遊技状態が通常状態、確変状態又は時短状態であり、特図表示部12aにおいて図柄変動停止中であるとき、特図保留記憶領域103dに特図保留が記憶されていることを条件として、特図変動処理を実行する。
主制御部100は、特図保留記憶領域103dから最古の特図保留を読み出すとともに、特図保留記憶領域103dからその特図保留を消去する(S31)。このとき、特図保留表示部12bの図柄表示を変更する(図9(A)参照)。次に、読み出した特図保留の特図乱数値の当否を判定し、その判定結果と図柄乱数値及びストック乱数値とに基づいて停止図柄、変動時間、変動パターンなどを決定する(S32)。
主制御部100は、特図の変動を開始する(S33)。すなわち、RAM103の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを開始するとともに、副制御部111に対し特図表示部12aでの図柄の変動開始を指示する。表示制御部115は、副制御部111を経由して受信した表示制御コマンドに従って特図表示部12aにて特図の変動を開始させる。
主制御部100は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し(S34)、状態フラグが0以外、すなわち遊技状態が通常状態でなければ(S34:NO)、ステップS35〜S39の処理をスキップしてステップS44の処理に移る。遊技状態が通常状態であれば(S34:YES)、現在保留順1の特図保留が保留順1で特図ストック記憶領域103eにストックすることになっていないか確認する(S35)。保留順1の特図保留に係る特図乱数値及びストック乱数値に基づいて、その特図保留を保留順1でストックすると判定した場合は、保留順1の特図保留を特図ストック記憶領域103eに移動する(S35:YES、S36)。なお、図6では特図ストック記憶領域103eを単にストック領域と記載してある。これに伴い、主制御部100は、液晶表示装置12の特図保留表示部12bの図柄表示を変更させるとともに、保留順2〜4の特図保留があればそれぞれの保留順を1〜3に変更し、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる。保留順1でストックしないと判定した場合は、ステップS36の処理をスキップする(S35:NO)。
次に、主制御部100は、現在保留順2の特図保留が保留順2で特図ストック記憶領域103eにストックすることになっていないか確認する(S37)。保留順2の特図保留に係る特図乱数値及びストック乱数値に基づいて、その特図保留を保留順2でストックすると判定した場合は、保留順2の特図保留を特図ストック記憶領域103eに移動する(S37:YES、S38)。これに伴い、主制御部100は、液晶表示装置12の特図保留表示部12bの図柄表示を変更させるとともに、保留順3〜4の特図保留があればそれぞれの保留順を2〜3に変更し、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる(図9(A)参照)。保留順2でストックしないと判定した場合は、ステップS38の処理をスキップする(S37:NO)。
次に、主制御部100は、現在変動表示している特図保留が特図変動中に特図ストック記憶領域103eにストックすることになっていないか確認する(S39)。変動表示中の特図保留に係る特図乱数値及びストック乱数値に基づいて、その特図保留を特図変動中にストックすると判定した場合は、さらにストックタイミングが全図柄変動中か、リーチ演出中か否かを判定する(S39:YES、S40)。
主制御部100は、決定したストックタイミングに応じて変動表示中の特図保留(抽選結果)を特図ストック記憶領域103eにストックする(S42)。このとき、主制御部100は、液晶表示装置12の特図表示部12aでの特図変動を中断(例えば、ブラックアウト演出)する(S41)。その後、特図変動前の図柄を再表示させるとともに(S43)、ストック数表示部12cのストック数を更新表示させる(図9(B)参照)。
変動表示中の特図保留を特図変動中にストックしない場合は(S39:NO)、特図変動時間が経過すると(S44:YES)、主制御部100は、特図の変動を停止する(S45)。すなわち、RAM103の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを停止、リセットするとともに、副制御部111に対し特図表示部12aでの特図の変動停止を指示する。特図表示部12aでは、副制御部111及び表示制御部115を経由して受信した表示制御コマンドに従って特図の変動を停止し、指示された停止図柄を表示する。例えば、特図抽選結果が大当たりのときは、特図表示部12aに大当たり図柄(「777」など奇数のゾロ目)が表示される。特図抽選結果がハズレのときは、特図表示部12aにハズレ図柄が表示される。
特図抽選の判定結果が大当たりであれば(S46:YES)、主制御部100は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、状態フラグが0、すなわち通常状態であるか否かを判定する(S47)。状態フラグが0であれば非確変大当たりか否かを確認し、非確変大当たりであれば解除フラグ記憶領域103gの解除フラグを1に変更してストック解除状態にする(S47,S48:YES、S49)。また、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを1(大当たり状態)に変更する(S50)。なお、状態フラグが0でない場合は、ステップS48,S49の処理をスキップし(S47:NO)、非確変大当たりでない場合は、ステップS49の処理をスキップする(S48:NO)。
特図抽選の判定結果が大当たりでなければ(S46:NO)、主制御部100は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、状態フラグが3、すなわち時短状態であるか否かを判定する(S51)。状態フラグが3であれば継続回数記憶領域103hの継続回数を1だけ減算する(S51:YES、S52)。減算後の継続回数が0になれば、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを0(通常状態)に変更する(S53:YES、S54)。なお、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグが3(時短状態)でない場合は、ステップS52〜S54の処理をスキップし(S51:NO)、継続回数記憶領域103hの継続回数が0でない場合は、ステップS54の処理をスキップする(S53:NO)。
図7は、大当たり処理を示すフローチャートである。主制御部100は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを確認し、状態フラグが1、すなわち大当たり状態であるか否かを判定する(S61)。状態フラグが1であればRAM103に記憶されたラウンド数(図示せず)に1を加算し(S62)、大入賞ソレノイド142を励磁することにより、大入賞装置22を開放する(S63)。これにより、大入賞装置22への玉の入賞が可能になる。
大入賞装置22へ1ラウンドの入賞可能玉数である10個の玉が入賞するか(S64:YES)、大入賞装置22が開放状態となってから1ラウンドの最大開放時間である30秒が経過するか(S65:YES)のいずれかが満たされると、主制御部100は、大入賞ソレノイド142を非励磁とすることにより、大入賞装置22を閉鎖する(S66)。これにより、大入賞装置22への玉の入賞ができなくなる。
そして、ラウンド数が最大ラウンド数である15に満たないとき(S67:NO)、本処理を一旦終了してから再度実行し、ラウンド数が15になるまで本処理を繰り返す。一方、ラウンド数が最大ラウンド数である15になると(S67:YES)、ラウンド数を0にリセットする(S68)。その後、主制御部100は、解除フラグ記憶領域103gの解除フラグを確認し、解除フラグが2であるか否かを判定する(S69)。
上述したように、通常状態で非確変大当たりに当選していれば解除フラグが1(解除状態)に変更され、その大当たり遊技中にストックが解除された抽選結果で大当たりになったときは解除フラグが2(大当たり待機状態)に変更され、そうでなければ0に維持されている。したがって、解除フラグが2でないとき(S69:NO)、非確変大当たりに当選していた場合は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを3(時短状態)に変更し、継続回数記憶領域103hの継続回数を100とする(S70:YES、S71、S72)。確変大当たりに当選していた場合は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグを2(確変状態)に変更する(S70:NO、S73)。ステップS72又はS73の処理後、解除フラグ記憶領域103gの解除フラグを0に変更又は維持する(S74)。
一方、大当たり遊技中にストックが解除された抽選結果で大当たりに当選することで解除フラグが2に変更されたときは、ステップS70〜S73の処理をスキップする(S69:YES)。したがって、この場合は、状態フラグ記憶領域103fの状態フラグが1に維持されるため、引き続き新たな大当たり遊技が開始されるようになる(S61:YES)。
図8は、解除変動処理を示すフローチャートである。主制御部100は、解除フラグ記憶領域103gの解除フラグを確認し、解除フラグが1、すなわちストック解除状態であるか否かを判定する(S81)。解除フラグが1であればストック分特図表示部12dにおいて図柄変動停止中であり、かつ特図ストック記憶領域103eに抽選結果がストックされていることを条件として、最古のストック分の抽選結果を読み出すとともに,特図ストック記憶領域103eから消去する(S81,S82,S83:YES、S84)。このとき、液晶表示装置12におけるストック数表示部12cのストック数を更新表示させる。
次に、読み出した抽選結果に係る特図乱数値の当否を判定し、その抽選結果に係る図柄乱数値に基づいて停止図柄、変動時間、変動パターンなどを決定する(S85)。主制御部100は、ストック分の特図の変動を開始する(S86)。すなわち、RAM103の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを開始するとともに、副制御部111に対しストック分特図表示部12dでの図柄の変動開始を指示する。表示制御部115は、副制御部111を経由して受信した表示制御コマンドに従ってストック分特図表示部12dにおいて特図の変動を開始させる。
変動時間が経過すると(S87:YES)、主制御部100は、ストック分の特図の変動を停止する(S88)。すなわち、RAM103の特図変動タイマ(図示せず)のカウントを停止、リセットするとともに、副制御部111に対しストック分特図表示部12dにおける特図の変動停止を指示する。ストック分特図表示部12dでは、副制御部111及び表示制御部115を経由して受信した表示制御コマンドに従って特図の変動を停止し、指示された停止図柄を表示する。例えば、ストック分の抽選処理の結果が大当たりのときは、ストック分特図表示部12dに大当たり図柄(「777」など奇数のゾロ目)が表示される。ストック分の抽選処理の結果がハズレのときは、ストック分特図表示部12dにハズレ図柄が表示される。
読み出したストック分の抽選結果がハズレであった場合は(S89:NO)、一旦この処理を終了し、次のストック分の抽選結果を読み出して図柄変動を行う。読み出したストック分の抽選結果に大当たりに当選したものがあれば(S89:YES)、主制御部100は、解除フラグ記憶領域103gの解除フラグを2に変更し、これ以降新たなストック分の抽選結果を読み出すことなく、現在の大当たり遊技が終了するまで待機する。上述したように、解除フラグが2に変更された場合は、現在の大当たり遊技(第1大当たり遊技)が終了した後、さらに新たな大当たり遊技(第2大当たり遊技)が開始される。なお、解除フラグ記憶領域103gの解除フラグが1(ストック解除状態)でない場合(S81:NO)、ストック分特図表示部12dにおいて図柄変動中である場合(S82:NO)、特図ストック記憶領域103eに抽選結果がストックされていない場合(S83:NO)は、直ちに本処理を終了する。
以上の説明からも明らかなように、この実施例では、ストック用乱数カウンタ103cより抽出されたストック乱数値に基づく当選をストック条件として、ストック条件が成立すると、抽選結果の当否にかかわらずその抽選結果が特図ストック記憶領域103eに記憶されて液晶表示装置12での表示が後回しにされる。特図ストック記憶領域103eに記憶されている抽選結果のストック数は液晶表示装置12のストック数表示部12cに表示される。通常状態で非確変大当たりに当選したことをストック解除条件として、ストック解除条件が成立すると、解除の切っ掛けとなった大当たり遊技中に、特図ストック記憶領域103eにストックされた抽選結果が読み出され、読み出された抽選結果が液晶表示装置12のストック分特図表示部12dに表示される。そして、特図ストック記憶領域103eに大当たりとなる抽選結果が含まれていた場合にその大当たりの抽選結果がストック分特図表示部12dに表示されると、実行中の大当たり遊技が終了した後、その大当たりの抽選結果に基づいて新たな第2大当たり遊技が実行される。
これにより、後回しにされた抽選結果の数が多いほど、その中に大当たりとなる抽選結果が含まれている可能性が高まるので、ストック解除条件が成立するまでの遊技者の大当たりに対する期待度を高めることができる。
また、この実施例では、通常状態で非確変大当たりに当選して第1大当たり遊技が実行されることをストック解除条件としている。したがって、前回の大当たり遊技以降なかなか新たな大当たりに当選しないパチンコ遊技機では、より多くの抽選結果が特図ストック記憶領域103eにストックされて表示が後回しにされるようになる。このため、ストックされた抽選結果に基づいて第2大当たり遊技が実行される可能性が高くなるので、遊技者の遊技意欲を高めることができる。
また、抽選結果が大当たりでない場合に比べ、抽選結果が大当たりである場合の方が、始動入賞装置21への入賞時から比較的遅いタイミングで特図ストック記憶領域103eにストックされるように設定されているので、特図表示部12aにて図柄変動中に抽選結果が特図ストック記憶領域103eにストックされる場合や、リーチ演出中に抽選結果が特図ストック記憶領域103eにストックされる場合などにおいて、遊技者が大当たりの期待感を高め、ストックが解除されるまで遊技を継続するようになるので、遊技機の稼働を向上させることができる。
上記実施例では、通常状態で非確変大当たりに当選することをストック解除条件としたが、確変大当たりに当選した場合や、それ以外の遊技状態で大当たりに当選した場合にもストックを解除するようにしてもよい。同様に、ストックされていた抽選結果で大当たりとなった大当たり遊技中においてストックを解除する構成としてもよい。或いは、ストック抽選とは独立したストック解除抽選を行うようにし、その抽選で当選することをストック解除条件としてもよい。
また、上記実施例では、確変大当たりに当選すると大当たり確率が高くなるセブン機タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したが、確変機能を備えていないパチンコ遊技機に本発明を適用してもよい。また、ストック条件もストック乱数値に基づいて抽選する場合に限らず、例えば特図乱数値に基づいて10回抽選する毎に1回ストックする場合など、規則的な一定のタイミングに設定してもよい。
大当たり遊技中のストック解除では、ストックされた抽選結果を1つずつ液晶表示装置12のストック分特図表示部12dに表示させるようにしたが、見かけ上はストック分特図表示部12dでの変動表示を継続させ、ストックされている抽選結果がハズレであれば次々とストック数を減らしていくように見せてもよい。この場合、大当たりのときだけリーチ演出を行わせたり、一部のハズレのリーチ演出を行わせてもよい。また、1つの抽選結果に対する変動時間を考慮することなく、ストックされている全ての抽選結果を一気に表示させ、大当たりがあれば大当たり図柄を表示させ、大当たりがなければハズレ図柄を表示させるようにしてもよい。その他、適宜の表示方法でストックされている抽選結果を表示させることができる。
また、上記実施例では、抽選結果をストックするタイミングとして、始動入賞時、特図保留中、図柄変動中などを設定したが、ストックタイミングはこれらに限らず、さらに多くのタイミングで振り分けることができる。始動入賞時から全図柄が確定表示されるまでの間であれば、上記実施例を含めて以下のようなタイミングとすることが考えられる。
始動入賞時
一旦特図保留として記憶した後
特図保留として記憶した直後
新たな特図の図柄変動が開始されるとき
所定の保留順になったとき
その抽選結果に基づく図柄変動の開始直前
その抽選結果に基づいて図柄変動を開始した後
図柄変動の開始直後
全図柄の変動中
一部の図柄停止後(ハズレ図柄、リーチ図柄など)
リーチ演出開始後
擬似連演出時(ハズレ図柄で停止表示するように見せかけた再変動時)
大当たり確定表示後の再変動表示中
この場合、ストックするタイミングが遅いほど、その抽選結果が当たりである可能性が高くなるように振り分けることで、遊技者の大当たりに対する期待度を高めることができる。
また、上記実施例では、大当たり遊技として1種類だけ設定したが、ラウンド数や、開放する大入賞装置の異なる様々な大当たり遊技を設定してもよい。この場合、ストックするタイミングが遅いほど、遊技者にとって有利な大当たり遊技が実行されることとなるように、ストックタイミングを振り分けるとよい。
また、上記実施例では、図柄変動中にストックする場合に、特図表示部12aにて一瞬のブラックアウト演出を行わせるようにしたが、仮停止した一部の図柄の再変動を開始するタイミングでストックし、継続して次の抽選結果に対する図柄の変動表示を開始するようにしてもよい。この場合、遊技者は特図保留数やストック数を常に把握していないとストックされたことに気付かない可能性があるので、ストックしたことを遊技者に知らせるような演出を行うようにするとよい。
上記実施例では、抽選結果を特図保留として記憶するとき、抽出したストック乱数値をそのまま記憶する構成としたが、ストック判定を行ったときに、ストックしない場合は0、保留順1のときストックする場合は1、保留順2のときストックする場合は2、全図柄変動中にストックする場合は3、リーチ演出中にストックする場合は4、というようにストックタイミングによって異なる値が設定される「ストック値」をストック乱数値に代えて特図保留として記憶する構成としてもよい。このストック値により、一旦特図保留として記憶された抽選結果のストックタイミングが判定できるので、通常状態において新たな特図保留を読み出したときの判定処理が楽になる。
この場合、読み出した特図保留のストック値が3であれば全図柄変動中に図柄の変動表示を中断する変動パターンを選択し、ストック値が4であればリーチ演出中に図柄の変動表示を中断する変動パターンを選択する。また、変動開始時に保留順1となった特図保留のストック値が1であればその特図保留をストックし、保留順2となった特図保留のストック値が2であればその特図保留をストックする。