以下、図面を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機(遊技台)について詳細に説明する。
まず、図1を用いて、本発明の第1実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、同図はパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
パチンコ機100は、ガラス製または樹脂製の透明板部材152および透明部材保持枠154からなるガラス枠156の奥側に、その透明板部材152を通して視認可能に配設した後述する遊技盤(盤面)102を備えている。この遊技盤102は、外枠101に対して開閉自在に設けられた内枠103に取り付けられている。なお、いずれも図示省略したが、パチンコ機100には、ガラス枠156が開放したことを検知するガラス枠開放センサや、内枠103が開放したことを検知する内枠開放センサが設けられている。
ガラス枠156の下方には、後述する発射モータ602によって回動する発射杆138と、この発射杆138の先端部に取り付けて球を後述する遊技領域104に向けて打ち出す発射槌140と、この発射槌140によって打ち出す球を後述する外レール106に導くための発射レール142と、球を一時的に貯留すると共に、貯留している球を順次、発射レール142に供給するための貯留皿144と、遊技者による押下操作が可能であり、所定の時期にその操作を検出した場合に後述する装飾図柄表示装置110等による演出表示を変化させるためのチャンスボタン146を配設している。
また、発射杆138および発射槌140の下方には、発射杆138を制御して遊技領域104に向けて球の発射強度の操作を行うための操作ハンドル148を配設していると共に、貯留皿144の下方には、貯留皿144に貯留できない溢れ球を貯留するための下皿150を設けている。貯留皿144と下皿150を結ぶ内部経路の下皿近傍には、不図示の下皿満タンセンサが設けられている。下皿満タンセンサからが下皿150が満杯になると下皿満タンエラーが出力される。
図2は、遊技盤102を正面から見た略示正面図である。
遊技盤102には、外レール106と内レール108とを配設し、遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある。)が転動可能な遊技領域104を区画形成している。
遊技領域104の略中央には、センター役物200を配設している。このセンター役物200の右横には横長の装飾図柄表示装置110を配設している。また、装飾図柄表示装置110の下方には、普通装飾図柄表示装置112、普通図柄保留ランプ116、特別装飾図柄表示装置114、特別図柄保留ランプ118、および高確中ランプ120を配設している。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」と称する場合がある。
センター役物200は、演出を行うものであり、チャンスルート231とハズレルート232とのいずれか一方のルートに遊技球を振分ける第2振分装置220と、その第2振分装置220とアウト口241とのいずれか一方に遊技球を振分ける第1振分装置210とを有する。なお、アウト口241は、×印のランプ240の裏側に設けられている。また、第2振分装置220も上部近傍には「GO」と表示されたランプ242が配置されている。センター役物200の詳細については後述する。
装飾図柄表示装置110は、装飾図柄(図7(b)参照)ならびに演出に用いる様々な画像を表示するための表示装置であり、本実施形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。この装飾図柄表示装置110は、特図表示装置114に表示される特図の表示を演出を高めた装飾図柄の組み合わせで表すものである。図2に示す装飾図柄表示装置110は、表示画面を、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cおよび演出表示領域110dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび右図柄表示領域110cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域110dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域110a、110b、110c、110dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置110の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置110には、液晶表示装置に代えて、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、EL(ElectroLuminescence)表示装置、ドラム式表示装置、リーフ式表示装置等他の表示デバイスを採用してもよい。
普図表示装置112は、普図(図7(c)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。特図表示装置114は、特図(図7(a)参照)の表示を行うための表示装置であり、本実施形態では7セグメントLEDによって構成する。この特図表示装置114は、本発明にいう報知手段の一例に相当する。
普図保留ランプ116は、保留している普図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、普図変動遊技を2つまで保留することを可能としている。特図保留ランプ118は、保留している特図変動遊技(詳細は後述)の数を示すためのランプであり、本実施形態では、特図変動遊技を4つまで保留することを可能としている。すなわち、特図変動遊技では当り抽選が行われ、この当り抽選を行う権利を4つまで保留可能である。高確中ランプ120は、遊技状態が特図高確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率よりも高く設定した遊技状態)であること、または特図高確率状態になることを示すためのランプであり、遊技状態を特図低確率状態(後述する大当り遊技の当選確率を通常の確率に設定した遊技状態)から特図高確率状態にする場合に点灯し、特図高確率状態から特図低確率状態にする場合に消灯する。
また、センター役物200の周囲には、一般入賞口122と、普図始動口124と、第1特図始動口126と、第2特図始動口128と、可変入賞口130を配設している。一般入賞口122は、本実施形態では遊技盤102に複数配設しており、この一般入賞口122へ遊技球が進入(入球)したことを所定の球検出センサ(一般入賞口センサ)が検出した場合(一般入賞口122に入賞した場合)、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では10個)の球を賞球として図1に示す貯留皿144に排出する。貯留皿144に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口122に入球した球は、遊技盤102の裏側(遊技者側とは反対側)に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。
普図始動口124は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる。この普図始動口124へ進入(入球)した球は、遊技領域のうち、その普図始動口124からつながる所定領域を通過する。この普図始動口124に入球した球は一般入賞口122に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。遊技盤102には、上記所定領域を通過する球を検出する所定の球検出センサ(ゲートセンサ)が設けられており、そのゲートセンサが遊技球を検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置112による普図変動遊技を開始する。
第1特図始動口126および第2特図始動口128は、本実施形態ではセンター役物200の真上に1つずつ配設している。第2特図始動口128は、本実施形態では第1特図始動口126の真下に配設している。第1特図始動口126および第2特図始動口128についての詳しい説明は、センター役物200の詳しい説明とともに後述する。
可変入賞口130は、本実施形態では遊技盤102の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口130は、ソレノイドによって開閉自在な扉部材1301によって入球可能状態になったり、入球不能状態になったりする。すなわち、その扉部材1301の閉鎖中は可変入賞口130への入球は不可能であるが、特図変動遊技に当選し、特図表示装置114が大当り図柄を停止表示した場合には、扉部材1301が所定の時間間隔、所定の回数で開閉し、可変入賞口130への入球が可能になる。本実施形態のパチンコ機100では、扉部材1301が、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒の開閉動作(ただし可変入賞口130に10個目の入球があった時点で閉鎖)を、15回連続で行う場合(以下、この場合を15ラウンドと称する)と、開放時間0.9秒、閉鎖時間0.2秒の開閉動作を、2回連続で行う場合(以下、この場合を2ラウンドと称する)とがある。可変入賞口130は大入賞口と呼ばれることがあり、扉部材1301と可変入賞口130を併せてアタッカと呼ばれることがある。可変入賞口130への入球を所定の球検出センサ(カウントセンサ)が検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では15球)の球を賞球として図1に示す貯留皿144に排出する。なお、可変入賞口130に入球した球は、遊技盤102の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材132や、遊技釘134を複数個、配設していると共に、内レール108の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球を遊技盤102の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口136を設けている。
このパチンコ機100は、遊技者が貯留皿144に貯留している球を発射レール142の発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドル148の操作量に応じた強度で発射モータ602を駆動し、発射杆138および発射槌140によって外レール106、内レール108を通過させて遊技領域104に打ち出す。ここで、射幸性を低下させない目的、または、部材の耐久性を維持させるために、たとえば、1分間に100発以上発射できないように構成されている。そして、遊技領域104の上部に到達した球は、打球方向変換部材132や遊技釘134等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口122、可変入賞口130)や始動口(第1特図始動口126、第2特図始動口128)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口124を通過するのみでアウト口136に到達する。発射された遊技球が始動口に到達するまでの時間は、始動口の位置や、遊技釘134、打球方向変換部材132等の障害物の配置によって変わるが、盤面略中央に設けられた始動口にはどんなに早くても数秒(たとえば2秒)程度はかかる。
図3は、第1特図始動口126、第2特図始動口128、およびセンター役物200の第1振分装置210を示す図である。同図(a)は、遊技者側から見た第1特図始動口126、第2特図始動口128、およびセンター役物200の第1振分装置210を示す正面図であり、同図(b)は、側面から見た第1特図始動口126、第2特図始動口128、およびセンター役物200の第1振分装置210を示す側面図である。
第1特図始動口126は、ゲートタイプの始動口であり、この第1特図始動口126へ遊技球が進入(入球)したことを検出するセンサは設けられておらず、遊技球は第1特図始動口126をただ通過するだけである。第2特図始動口128の近傍には、ソレノイドによって左右に開閉自在(図3(a)に示す矢印参照)な一対の羽根部材1281が設けられており、一対の羽根部材1281と第2特図始動口128を併せて、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれることがある。この一対の羽根部材1281は、第2特図始動口128への入賞の難易度を変更する部材であるが、一対の羽根部材1281の開閉に関わらず第1特図始動口126を通過した遊技球は第2特図始動口128に入球する。一方、一対の羽根部材1281が閉鎖したままでは、第1特図始動口126を通過しない限り第2特図始動口128への入球は不可能である。普図変動遊技に当選し、普図表示装置112が当り図柄を停止表示した場合には、一対の羽根部材1281が所定の時間間隔で所定回数開閉し、第1特図始動口126を通過しない遊技球であっても、第2特図始動口128への球の入球が可能になる。また、図3(b)に示すように、第2特図始動口128へ遊技球が入球したことを検出する入賞検知センサ1282が設けられており、その入賞検知センサ1282が遊技球を検出した場合、後述する払出装置552を駆動し、所定の個数(本実施形態では5個)の球を賞球として図1に示す貯留皿144に排出するとともに、特図表示装置114による特図変動遊技を開始する。上述のごとく、特図変動遊技では当り抽選が行われる。特図変動遊技が開始されると、図2に示す特図表示装置114は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す特図変動表示を行う。そして、特図変動開始前に決定した変動時間が経過すると、特図表示装置114は、当り抽選の結果を表す特図の停止図柄態様(図7(a)参照)を停止表示する。以下、特図の変動表示を開始してから特図の停止図柄態様を停止表示するまでを特図変動停止表示と称する。この特図変動停止表示は本発明にいう変動停止表示を一例に相当する。後述するように、特図変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。第2特図始動口128に入球した球は、遊技盤102の裏側に誘導された後、第1振分装置210に排出される。
図3(b)に示すように、第2特図始動口128には、遊技盤102(図2参照)の裏側に設けられた入賞球集合樋1021がつながっている。この入賞球集合樋1021からは、第1振分装置210につながった連絡通路2101が分岐している。上述のごとく、本実施形態では、当り抽選を行う権利を4つまで保留可能であり、連絡通路2101の長さは、その保留4つ分に対応した遊技球4個分の長さである。また、第1振分装置210は、遊技球を1球貯留する貯留機能を有するものである。図3(b)には、第1振分装置210に貯留された1球の遊技球B1と、連絡通路2101を埋め尽くした4球の遊技球B2〜B5との合計5球の遊技球が示されている。第1振分装置210は、図3(b)に示す駆動モータ2102を備えており、遊技球1球を貯留し、その駆動モータ2102が正逆回転することで、図2に示す第2振分装置220とアウト口241とのいずれか一方に遊技球を振分ける(図3(a)に示す矢印参照)。図3(b)に示す遊技球B1は、特図表示装置114が変動を開始した現在の特図変動遊技に対して第1振分装置210が振分ける予定の遊技球になる。また、図3(b)に示す遊技球B2は一番最初に保留された特図変動遊技の遊技球であり、遊技球B3は二番目に保留された特図変動遊技の遊技球であり、遊技球B4は三番目に保留された特図変動遊技の遊技球であり、遊技球B5は一番最後に保留された特図変動遊技の遊技球である。保留が4つ貯まった状態以降に入賞した遊技球B6は、第1振分装置210側には行かずに、入賞球集合樋1021を通って図2に示す遊技盤102の裏側(遊技者側とは反対側)に誘導した後、遊技島側に排出される。
図4(a)は、センター役物200の第2振分装置220を示す正面図であり、同図(b)は、その第2振分装置220を示す斜視図図である。
第2振分装置220には、放出領域221と、チャンスルート領域222と、ハズレルート領域223が設けられている。図4(a)に示すように、第1振分装置210から第2振分装置220に振分けられた遊技球は放出領域221にまず放出される。ここで放出領域221に放出される遊技球は、図3(b)に示す第2特図始動口128に入賞した遊技球である。同図(b)に示すように、チャンスルート領域222はチャンスルート231につながる領域であり、ハズレルート領域223はハズレルート232につながる領域である。なお、チャンスルート231に入った遊技球も、ハズレルート232に入った遊技球も、遊技盤102の裏側(遊技者側とは反対側)を通って、遊技島側に排出される。
また、第2振分装置220は、誘導手段224と図4(b)に示す駆動モータ2242を備えている。誘導手段224は、板状の物であり、一端側に回動支点2241を有し、駆動モータ2242が正逆回転することによって、同図(a)に示す矢印のように、その回動支点2241を中心に左右に首振りする。チャンスルート領域222およびハズレルート領域223はいずれも、放出領域221からつながる領域であるが、両領域(222,223)は、この誘導手段224によって区画される。すなわち、図4(a)の実線で示す誘導手段224は、図の右側に回動しきった状態のものであり、この状態では、第1振分装置210から放出された遊技球は、放出領域221を通って誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導され、そのハズレルート領域223に進入する。一方、同図(a)の点線で示す誘導手段224は、図の左側に回動しきった状態のものであり、この状態では、第1振分装置210から放出された遊技球は、放出領域221を通って誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導され、そのチャンスルート領域222に進入する。すなわち、放出領域221は、誘導手段224によって誘導される遊技球が通過する領域であり、放出領域221は本発明にいう通過領域の一例に相当し、第1振分装置210が本発明にいう放出手段の一例に相当する。また、チャンスルート領域222およびハズレルート領域223それぞれの領域は本発明にいう所定領域の一例に相当する。さらに、本実施形態では、第2特図始動口128に入賞した遊技球が本発明にいう移動体の一例に相当する。
図5は、遊技球が第1特図始動口126に入球してから第1振分装置210によって振分けられるまでを詳しく示した図である。
図5(a)に示す第1特図始動口126に遊技球Bが進入すると、その遊技球Bは第1特図始動口126を通って第2特図始動口128に入球し、図3(b)に示す入賞検知センサ1282によって検出される。入賞検知センサ1282によって遊技球が検出されると、当り抽選や、後述する装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選が行われ、さらに、第1振分装置210や第2振分装置220の可動態様も抽選によって決定される。後述するように、当り抽選の結果には大きく分けて、大当り、小当り、ハズレの3つがある。また、装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果には、大きく分けて、リーチなしとリーチありの2つがある。リーチには、ノーマルリーチ、ロングリーチ、ダブルラインリーチ、トリプルラインリーチ、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチの7種類のリーチパターンが用意されている。
第1振分装置210の可動態様が抽選によって決定されると、図3(b)に示す駆動モータ2102が駆動され、第1振分装置210は決定された可動態様で動作する。この第1振分装置210の初期姿勢は、図5(b)に示すように、左回転も右回転もせずに、図3(b)に示す連絡通路2101から遊技球Bを受け入れることができる水平姿勢である。
図5(c)は、例えば、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がリーチなしであった場合の、第1振分装置210の可動態様を示す図である。図5(c)に示す第1振分装置210は、左回転し、遊技球Bを、×印のランプ240の裏側に設けられたアウト口241に振分ける。遊技球Bをアウト口241に振分けた第1振分装置210は、同図(b)に示す初期姿勢に復帰する。
一方、図5(d)は、例えば、装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がリーチありであった場合の、第1振分装置210の可動態様を示す図である。図5(d)に示す第1振分装置210は、右回転し、遊技球Bを第2振分装置220に振分ける。遊技球Bを第2振分装置220に振分けた第1振分装置210も、同図(b)に示す初期姿勢に復帰する。
図6は、遊技球が第2振分装置220に振分けられてから今度は第2振分装置220によって振分けるまでを詳しく示した図である。
第2振分装置220に振分けられた遊技球Bは、まず、放出領域221に放出される。第1振分装置210による遊技球Bの放出タイミングは、その第1振分装置210が貯留している遊技球B1(図3(b)参照)の入賞に基づく特図変動表示が特図表示装置114によって開始されてから、その入賞に基づく抽選の結果を表す特図の停止図柄態様が特図表示装置114によって表示される前のタイミングである。なお、第1振分装置210による遊技球Bの放出タイミングは、遊技者がセンター役物200以外による演出を楽しめるように、特図表示装置114が停止表示を行う直前であることが好ましい。
第2振分装置220の可動態様が抽選によって決定されると、図4(b)に示す駆動モータ2242が駆動され、誘導手段224は決定された可動態様で動作する。すなわち、図6(a)に示すように、誘導手段224は回動支点2241を中心に左右に首振りする。
図6(b)に示す3つの第2振分装置220のうち、一番左に示す第2振分装置220の動作態様は、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がノーマルリーチであった場合の動作態様である。この動作態様では、誘導手段224が、図の右側に回動しきった状態から左側に向けて一切回動せず、この誘導手段224の状態では、放出領域221に放出された遊技球Bがチャンスルート領域222へ振分けられる遊技者からみた可能性が相対的に低く、遊技者の期待感も低くなる。実際にも、遊技球Bは、誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導される。
一方、図6(b)の一番右に示す第2振分装置220の動作態様は、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がダブルラインリーチや、トリプルラインリーチであった場合の動作態様である。この動作態様では、誘導手段224が、図の右側に回動しきった状態から左側に向けて回動し、あと少しで垂直状態になるところまで回動する。一番右に示す第2振分装置220の誘導手段224は、垂直状態よりもわずかに右側に傾いた状態であり、この状態では、放出領域221に放出された遊技球Bがチャンスルート領域222へ振分けられる遊技者からみた可能性が相対的に高く、遊技者の期待感も高くなる。しかしながら、実際には、遊技球Bは、誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導される。
図6(b)の中央に示す第2振分装置220の動作態様は、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がロングリーチであった場合の動作態様である。この動作態様では、誘導手段224が、図の右側に回動しきった状態から左側に向けて回動するが、一番右に示す誘導手段224ほどは回動せず、中央に示す第2振分装置220の誘導手段224は、一番右に示す誘導手段224よりも右側に傾いた状態である。そのため、放出領域221に放出された遊技球Bがチャンスルート領域222へ振分けられる遊技者からみた可能性は、左右の第2振分装置220における可能性の中間程度であり、遊技者の期待感も中間程度になるが、ここでも実際には、遊技球Bは、誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導される。
以上説明したように、図6(b)に示す3つの第2振分装置220の動作態様はいずれも、当り抽選の結果がハズレであった場合の動作態様であって、遊技者の期待感の大きさに違いはあるものの、放出領域221に放出された遊技球Bはいずれも誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導される。
なお、図6(b)を用いた説明では、第2振分装置220の動作態様は、誘導手段224が図の右側に回動しきった状態から左側に向けて回動するか否かの態様であったが、誘導手段224が図の左側に回動しきった状態から右側に向けて回動する態様であってもよい。この場合には、図6(b)の一番左に示す第2振分装置220の誘導手段224は、図の左側に回動しきった状態から右側に回動しきった状態まで回動することになる。
図6(c)に示す3つの第2振分装置220のうち、一番左に示す第2振分装置220の動作態様は、例えば、当り抽選の結果が大当りあるいは小当りであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果が全回転リーチや特別全回転リーチであった場合の動作態様である。この動作態様では、誘導手段224が、図の左側に回動しきった状態から右側に向けて一切回動せず、この誘導手段224の状態では、放出領域221に放出された遊技球Bがチャンスルート領域222へ振分けられる遊技者からみた可能性が相対的に高く、遊技者の期待感も高くなる。実際にも、遊技球Bは、誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導される。
一方、図6(c)の一番右に示す第2振分装置220の動作態様は、例えば、当り抽選の結果が大当りあるいは小当りであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がダブルラインリーチであった場合の動作態様である。この動作態様では、誘導手段224が、図の左側に回動しきった状態から右側に向けて回動し、あと少しで垂直状態になるところまで回動する。一番右に示す第2振分装置220の誘導手段224は、垂直状態よりもわずかに左側に傾いた状態であり、この状態では、放出領域221に放出された遊技球Bがチャンスルート領域222へ振分けられる遊技者からみた可能性が相対的に低く、遊技者の期待感も低くなる。しかしながら、実際には、遊技球Bは、誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導される。
図6(c)の中央に示す第2振分装置220の動作態様は、例えば、当り抽選の結果が大当りあるいは小当りであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がトリプルラインリーチや特別マルチラインリーチであった場合の動作態様である。この動作態様では、誘導手段224が、図の左側に回動しきった状態から右側に向けて回動するが、一番右に示す誘導手段224ほどは回動せず、中央に示す第2振分装置220の誘導手段224は、一番右に示す誘導手段224よりも左側に傾いた状態である。そのため、放出領域221に放出された遊技球Bがチャンスルート領域222へ振分けられる遊技者からみた可能性は、左右の第2振分装置220における可能性の中間程度であり、遊技者の期待感も中間程度になるが、ここでも実際には、遊技球Bは、誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導される。
以上説明したように、図6(c)に示す3つの第2振分装置220の動作態様はいずれも、当り抽選の結果が大当りあるいは小当りであった場合の動作態様であって、遊技者の期待感の大きさに違いはあるものの、放出領域221に放出された遊技球Bはいずれも誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導される。
なお、図6(c)を用いた説明では、第2振分装置220の動作態様は、誘導手段224が図の左側に回動しきった状態から右側に向けて回動するか否かの態様であったが、誘導手段224が図の右側に回動しきった状態から左側に向けて回動する態様であってもよい。この場合には、図6(c)の一番左に示す第2振分装置220の誘導手段224は、図の右側に回動しきった状態から左側に回動しきった状態まで回動することになる。
図6を用いた説明では、チャンスルート領域222を本発明にいう所定領域にすると、同図(b)に示す誘導手段224は、遊技球を所定領域に誘導し難い非誘導状態にあり、同図(c)に示す誘導手段224は、遊技球を所定領域に誘導し易い誘導状態にあることになる。すなわち、垂直状態よりも右側に傾いた誘導手段224は非誘導状態であり、垂直状態よりも左側に傾いた誘導手段224は誘導状態である。一方、ハズレルート領域223を本発明にいう所定領域にすると、これとは反対になり、垂直状態よりも右側に傾いた誘導手段224は誘導状態であり、垂直状態よりも左側に傾いた誘導手段224は非誘導状態である。
<図柄の種類>
次に、図7(a)〜(c)を用いて、パチンコ機100の特図表示装置114、装飾図柄表示装置110、普図表示装置112が停止表示する特図および普図の種類について説明する。
図7(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。
この図7(a)には、特図変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されている。図7(a)においては、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。
「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、時短状態に移行しない状態である。
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、ともに特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R時短無し大当りと同じものに相当する。すなわち、「特図G」も「特図H」も「特図F」と同じ状態であるが、これら3者では装飾図柄表示装置110に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」、および「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
また、「特図I」は、第1ハズレ図柄であり、「特図J」は、第2ハズレ図柄である。これらはいずれもハズレ図柄であり、ともに遊技者に付与する利益量は相対的に小さく、両者の間で利益量に差はないが、装飾図柄表示装置110に表示される演出が異なり、あえて、「特図I」と「特図J」を設けておくことで、ここでも遊技の興趣を高めている。
なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
図7(b)は装飾図柄の一例を示したものである。本実施形態の装飾図柄には、「装飾1」〜「装飾10」の10種類がある。図3(b)に示す入賞検知センサ1282が第2特図始動口128に入球した遊技球を検知したことを条件にして、装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110b、右図柄表示領域110cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。そして、「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに15R大当りに対応する、同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当りおよび「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
一方、「特図I」や「特図J」のハズレを報知する場合には、図柄表示領域110a〜110cに図7(b)に示す図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
図7(c)は普図の停止表示図柄の一例を示したものである。本実施形態の普図の停止表示態様には、当り図柄である「普図A」と、ハズレ図柄である「普図B」の2種類がある。普図始動口124を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、普図表示装置112は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示し、普図変動遊技のハズレを報知する場合には「普図B」を停止表示する。この図7(c)においても、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。
<制御部>
次に、図8を用いて、このパチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。
パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて、主に演出の制御を行う副制御部400と、主制御部300が送信するコマンドに応じて、主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部550と、遊技球の発射制御を行う発射制御部600と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源管理部650によって構成されている。
<主制御部>
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。
主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、この基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM(RWM)308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT313を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶手段を用いてもよく、この点は後述する副制御部400についても同様である。この基本回路302のCPU304は、水晶発振器314bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路302には、水晶発振器314aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用しているカウンタ回路316と、各種センサ318が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果をカウンタ回路316および基本回路302に出力するためのセンサ回路320と、特図表示装置114の表示制御を行うための表示回路322と、普図表示装置112の表示制御を行うための表示回路324と、各種状態表示部326(普図保留ランプ116、特図保留ランプ118、高確中ランプ118等)の表示制御を行うための表示回路328と、第2特図始動口128や可変入賞口130等を開閉駆動する各種ソレノイド330を制御するためのソレノイド回路332を接続している。図8に示す各種センサ318には、上述のガラス枠開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ等、また球検出センサである上述の一般入賞口センサ、ゲートセンサ、入賞検知センサ1282、カウントセンサ等が含まれる。
なお、第2特図始動口128に球が入賞したことを入賞検知センサ1282である球検出センサ318が検出した場合には、センサ回路320は球を検出したことを示す信号をカウンタ回路316に出力する。この信号を受信したカウンタ回路316は、その信号が入力されたタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、内蔵の当選用カウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
さらに、基本回路302には、情報出力回路334を接続しており、主制御部300は、この情報出力回路334を介して、外部の遊技店コンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路652にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
また、主制御部300には、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路336を設けており、この電圧監視回路336は、電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けており、CPU304は、この起動信号出力回路338から起動信号を入力した場合に、後述する主制御部メイン処理を開始する。
また、主制御部300は、副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部550にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、副制御部400および払出制御部550との通信を可能としている。なお、主制御部300と副制御部400および払出制御部550との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は副制御部400および払出制御部550にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、副制御部400および払出制御部550からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
<副制御部>
次に、パチンコ機100の副制御部400について説明する。
副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、この基本回路402には、CPU404と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM406と、一時的にデータを記憶するためのRAM(RWM)408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。この基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
また、基本回路402には、スピーカ416(およびアンプ)の制御を行うための音源IC418と、各種ランプ420の制御を行うための表示回路422と、演出用可動体(例えば、センター役物200)等を駆動する駆動装置であるソレノイドまたはモータ等が含まれる各種演出用駆動装置424の制御を行うための演出用駆動装置制御回路426と、装飾図柄表示装置(液晶表示装置)110の制御を行うための装飾図柄表示制御部500と、チャンスボタン146の押下を検出して信号を出力するチャンスボタン検出回路380を接続している。
<払出制御部、発射制御部、電源管理部>
次に、パチンコ機100の払出制御部550、発射制御部600、電源管理部650について説明する。
払出制御部550は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置552を制御すると共に、払出センサ554が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部556を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット654との通信を行う。
発射制御部600は、払出制御部550が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、操作ハンドル148内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による発射ハンドル148の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆138および発射槌140を駆動する発射モータ602の制御や、貯留皿144から発射レール142に球を供給する球送り装置604の制御を行う。
電源管理部650は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、副制御部400等の各制御部や払出装置552等の各装置に供給する。さらに、電源管理部650は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えばコンデンサ)を備えている。
<主制御部メイン処理>
次に、図9を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)338を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図9に示す主制御部メイン処理を実行する。
ステップS101では、初期設定1を行う。この初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割り込みマスクの設定、I/Oポート310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT313への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT313に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
ステップS102では、WDT313のカウンタの値をクリアし、WDT313による時間計測を再始動する。
ステップS103では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路336が、電源管理部650から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9v)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS102に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS104に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS102に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS103は繰り返し実行される。
ステップS104では、初期設定2を行う。この初期設定2では、後述する主制御部タイマ割り込み処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
ステップS105では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS107)に進む。
具体的には、最初に、電源基板に設けたRAMクリアスイッチを遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS107に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS106に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS107に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS107に進む。
ステップS106では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割り込み許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割り込み処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS108、ステップS109内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図8に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS106では、その送信情報記憶領域に、EHを復電コマンドとしてセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割り込み処理におけるステップS215において、副制御部400へ送信される。
ステップS107では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割り込み禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS107)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割り込み処理におけるステップS215において、副制御部400へ送信される。
ステップS108では、割り込み禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、普図当選乱数カウンタ、特図乱数値カウンタ、特図ラウンド決定乱数カウンタ、および特図時短決定乱数カウンタの初期値をそれぞれ生成するための初期値生成用乱数カウンタ等を更新する。例えば、乱数値として取り得る数値範囲が0〜20とすると、RAM308に設けた、乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が21であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、この基本乱数初期値更新処理の終了後に割り込み許可の設定を行ってステップS109に進む。
ステップS109では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割り込み処理を行っている間を除いて、ステップS108およびS109の処理を繰り返し実行する。
<主制御部タイマ割り込み処理>
次に、図10を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割り込み処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割り込み信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割り込み信号を契機として主制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で開始する。
ステップS201では、タイマ割り込みスタート処理を行う。このタイマ割り込みスタート処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。
ステップS202では、WDT313のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割り込みが発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割り込みの周期である約2msに1回)リスタートを行う。
ステップS203では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述のガラス枠開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ等、また入賞検知センサ1282等の球検出センサを含む各種センサ318の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ318ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割り込み処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割り込み処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
また、ステップS203では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割り込み処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割り込み処理が起動する度に、上述のステップS203では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図8に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS203では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口122、可変入賞口130、および第2特図始動口128への入球、または普図始動口124の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口122,130や、これらの始動口124,128への入賞があったと判定する。例えば、第2特図始動口128への入球を検出する入賞検知センサ1282において過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、第2特図始動口128へ入賞があったと判定し、以降の第2特図始動口128への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の第2特図始動口128への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
ステップS204およびステップS205では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。これらの基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理では、上記ステップS108で行った初期値生成用乱数カウンタの値の更新を行い、次に主制御部300で使用する、普図当選乱数値、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、および特図時短決定乱数値をそれぞれ生成するための乱数カウンタを更新する。例えば、普図当選乱数値として取り得る数値範囲が0〜100とすると、RAM308に設けた普図当選乱数値を生成するための乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が101であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、乱数カウンタが一周していると判定した場合にはそれぞれの乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、乱数カウンタの記憶領域にセットする。例えば、0〜100の数値範囲で変動する普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタにセットすると共に、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。また、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、特図乱数生成用の乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。
ステップS206では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。
ステップS207では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、普通装飾図柄表示装置112に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、特図表示装置114に図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
ステップS208では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口122,130や始動口124,126,128に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
また、ステップS209では、入賞受付処理(詳細は後述)を行う。
ステップS210では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部550に出力する出力予定情報および払出要求情報は1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
ステップS211では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、普図表示装置112は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、当りフラグがオフの場合には、ハズレ図柄の表示態様となるように普図表示装置112を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、普図表示装置112は、当り図柄(図7(c)に示す普図A)およびハズレ図柄(図7(c)に示す普図B)いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、第2特図始動口128の羽根部材1281の開閉駆動用のソレノイド(330)に、羽根部材1281を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(羽根開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、羽根部材1281の開閉駆動用のソレノイド330に、羽根部材1281を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(羽根閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がハズレであれば、後述するように、普図ハズレフラグがオンされる。この普図ハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS212に移行するようにしている。
ステップS212では、普図関連抽選処理(詳細は後述)を行う。
次いで、特図状態更新処理を行う(ステップS213)。この特図状態更新処理は、特図の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図変動表示の途中(上述の特図表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図状態更新処理では、特図表示装置114を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、特図表示装置114は特図の変動表示(特図変動遊技)を行う。
また、詳しくは後述するが、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。なお、以下の説明では、第1小当りと第2小当りとを特に区別することなく単に小当りと称したり、第1ハズレと第2ハズレとを特に区別することなく単にハズレと称することがある。特図変動表示時間が経過したタイミング(特図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図7(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1ハズレフラグがオンの場合には特図I、第2ハズレフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、特図表示装置114を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、特図表示装置114は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1ハズレ図柄(特図I)、および第2ハズレ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図が所定期間停止表示され、特図変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。
また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転停止設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に4Hを送信情報(一般情報)として追加記憶する。
また、特図変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド入賞演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に5Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口130に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで。)可変入賞口130の扉部材1301の開閉駆動用のソレノイド(330)に、扉部材1301を開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口開放設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に7Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口130の扉部材1301の開閉駆動用のソレノイド(330)に、扉部材1301を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に8Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、この扉部材1301の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置110による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、時短回数記憶部に時短回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンすることもない。ここにいう時短とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技に大当りすると、変動時間が短くなる可能性が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間は短くなる。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、図2に示す一対の羽根部材1281の1回の開放における開放時間が長くなりやすい。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、一対の羽根部材1281は多く開きやすい。また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口130に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に第2特図始動口128に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド終了演出設定送信処理を実行させるために上述の送信情報記憶領域に6Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。さらに、特図変動遊技の結果が第1ハズレであれば、後述するように、第1ハズレフラグがオンされ、第2ハズレであれば第2ハズレフラグがオンされる。これらのハズレフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。特図非作動中の場合における特図状態更新処理では、何もせずに次のステップS214に移行するようにしている。
ステップS214では、特図関連抽選処理(詳細は後述)を行う。
ステップS214の特図関連抽選処理に続いて行われるステップS215では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが副制御部400に送信される。なお、副制御部400に送信する出力予定情報は16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(0Hの場合は基本コマンド、1Hの場合は図柄変動開始コマンド、4Hの場合は図柄変動停止コマンド、5Hの場合は入賞演出開始コマンド、6Hの場合は終了演出開始コマンド、7Hの場合は大当りラウンド数指定コマンド、EHの場合は復電コマンド、FHの場合はRAMクリアコマンドをそれぞれ示すなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオン、オフするようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、普図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択するタイマ番号や停止図柄などを示す情報を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、第2特図始動口128への入賞の有無、可変入賞口130への入賞の有無などを含む。
また、上述の一般コマンド回転開始設定送信処理では、コマンド種別に1H、コマンドデータにRAM308に記憶している、大当りフラグや15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、普図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択するタイマ番号や停止図柄、特図変動遊技の保留数増加情報などを設定する。この保留数増加情報は、図柄変動開始コマンドを前回送信してから今回送信するまでの間に増加した保留数を表す情報であり、増加した保留数が0回の場合には設定されない。すなわち、本実施形態では、副制御部400に送信されるコマンドのデータに、入賞がある度に、特図変動遊技の保留増加情報を設定するのではなく、特図関連抽選処理における前回の抽選から今回の抽選までの間に増加した保留数を表す情報(保留数増加情報)を、図柄変動開始コマンド(1H)のデータに設定する。上述の一般コマンド回転停止設定送信処理では、コマンド種別に4H、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド入賞演出設定送信処理では、コマンド種別に5H、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ423・スピーカ416に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド終了演出設定送信処理では、コマンド種別に6H、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置110・各種ランプ423・スピーカ416に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口開放設定送信処理では、コマンド種別に7H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の一般コマンド大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンド種別に8H、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。なお、入賞演出開始コマンド(5H)のデータ、終了演出開始コマンド(6H)のデータ、大当りラウンド数指定コマンド(7H)のデータそれぞれには、保留している特図変動遊技の数を示す情報は設定されず、保留に関する情報は、上述の保留数増加情報が、副制御部400に送信される総てのコマンドのデータのうちの図柄変動開始コマンド(1H)のデータにのみ設定される。
副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
ステップS216では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路334を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路652に出力する。
ステップS217では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップ203において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、ガラス枠開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、副制御部400に送信すべき送信情報に、ガラス枠開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド330を駆動して第2特図始動口128や、可変入賞口130の開閉を制御したり、表示回路322、324、328を介して普図表示装置112、特図表示装置114、各種状態表示部326などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS210)で設定した出力予定情報を出力ポート310を介して副制御部400に出力する。
ステップS218では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS219に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS220に進む。
ステップS219では、タイマ割り込みエンド処理を行う。このタイマ割り込みエンド処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割り込み許可の設定などを行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
一方、ステップS220では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断時処理を行い、その後、図9に示す主制御部メイン処理に復帰する。
<入賞受付処理>
次に、図11および図12を用いて、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理におけるステップS209の入賞受付処理について説明する。
上述のごとく、第1特図始動口126へ遊技球が入球しても、第1特図始動口126には球検出センサは設けられておらず、遊技球は第1特図始動口126をただ通過するだけであるため、第1特図始動口126に関する入賞受付処理は用意されていない。一方、図3(b)に示す入賞検知センサ1282が設けられている第2特図始動口128には入賞受付処理が用意されている。
図11は、第2特図始動口128に関する入賞受付処理の流れを示すフローチャートである。
図11に示すステップS1101では、第2特図始動口128への入賞があったか否かを判定する。ここでは、図10に示すステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS1102に進み、入賞がなかった場合には図12に示すステップS1201に進む。主制御部300のRAM308には特図保留数記憶領域が設けられている。ステップS1102では、RAM308の特図保留数記憶領域を参照し、保留している特図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS1103に進む。
ステップS1103では、カウンタ回路316の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図当選乱数値として取得する。上述のごとく、図8に示すカウンタ回路316の当選用カウンタ値記憶用レジスタには、入賞検知センサ1282が遊技球を検出したことによって送られてきた信号の受信タイミングで、カウンタ回路316の特図当選用カウンタにおいてラッチされた値(ハードウエア乱数値)が記憶されている。ここで取得したこのハードウエア乱数値(特図当選乱数値)は、詳しくは後述する特図関連抽選処理(ステップS216)において特図変動遊技における大当りか否かの判定(大当りの抽選)に用いられる。また、上述の特図乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図乱数値として取得する。この特図乱数値生成用の乱数カウンタは、図10に示すステップS205において更新された値(ソフトウエア乱数値)になっている。ここで取得したこのソフトウエア乱数値(特図乱数値)は、特図関連抽選処理(ステップS216)において特図の特別大当り(確変大当り)か否かの判定に用いられる。加えて、ソフトウエア乱数値である、特図ラウンド決定乱数値および特図時短決定乱数値も取得する。さらに、このステップS1103では、RAM308に設けた特図保留数記憶領域の値を更新する。すなわち、特図保留数記憶領域の値に1を加算する。ステップS1103の実行が終了すると、ステップS1104に進む。
一方、保留している特図変動遊技の数が所定数以上の場合は、図12に示すステップS1201に進み、RAM308の特図保留数記憶領域の値に1を加算することは行われない。ステップS1103においてRAM308の特図保留数記憶領域の値に1を加算することは、特図関連抽選処理における抽選を行う権利の個数をカウントすることに相当し、ここでは、その権利を保留したことにはならない。
主制御部300のRAM308には、特図の乱数値記憶領域も設けられている。ステップS1104では、その特図の乱数値記憶領域に、上述のステップS1103で取得した4種類の値(特図当選乱数値、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、および特図時短決定乱数値)を格納する。特図の乱数値記憶領域はさらに、特図変動遊技の保留数に応じた4つの領域に区分けされており、このステップS1104では、上記4種類の値をひとまとめにして、これら4つの領域のうちの未格納の領域に格納する。すなわち、特図の乱数値記憶領域のうちの第特図変動遊技の保留数に基づいて決定される記憶領域に、ステップS1103で取得した乱数値を格納する。ステップS1104の実行が終わると、ステップS1105に進む。
ステップS1105では、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、特図変動遊技の保留の増加(特図保留増加)を示す情報を追加記憶する。上述のコマンド設定送信処理(ステップS215)で実行される一般コマンド回転開始設定送信処理では、この送信情報記憶領域に記憶された特図保留増加を示す情報を参照することにより、図柄変動開始コマンドを前回送信してから今回送信するまでの間(特図関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの間)に増加した第特図変動遊技の保留数を得ることができる。
次に、図12に示す普図始動口124および可変入賞口130に関する入賞受付処理を行う。図12は、普図始動口124および可変入賞口130に関する入賞受付処理の流れを示すフローチャートである。この図12に示すステップS1201では、普図始動口124への入賞があったか否かを判定する。ここでは、図10に示すステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS1202に進み、入賞がなかった場合にはステップS1206に進む。ステップS1202では、RAM308に設けた普図保留数記憶領域を参照し、保留している普図変動遊技の数が所定数(本実施形態では2)未満であるか否かを判定し、所定数未満の場合はステップS1203に進む。一方、所定数以上の場合は、ステップS1206に進み、この時の普図始動口124への入賞に基づく抽選は行われない。
ステップS1203では、上述の普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得する。普図当選乱数値生成用の乱数は、図10に示すステップS205において更新された値(ソフトウエア乱数値)になっている。ここで取得したこのソフトウエア乱数値(普図当選乱数値)は、普図関連抽選処理(ステップS212)において普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定に用いられる。ステップS1203の実行が終了すると、ステップS1204に進む。
主制御部300のRAM308には、普図用の乱数値記憶領域が設けられている。ステップS1204では、その普図用の乱数値記憶領域に、上述のステップS1203で取得した普図当選乱数値を格納する。普図用の乱数値記憶領域はさらに、普図変動遊技の保留数に応じた2つの領域に区分けされており、このステップS1204では、普図当選乱数値を、これら2つの領域のうちの未格納の領域に格納する。すなわち、普図用の乱数値記憶領域のうちの普図変動遊技の保留数に基づいて決定される記憶領域に、ステップS1203で取得した普図当選乱数値を格納する。ステップS1204の実行が終わると、ステップS1205に進む。
ステップS1205では、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド普図保留増加設定処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、普図保留増加を示す情報であるCHを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。
ステップS1206では、可変入賞口130への入賞があったか否かを判定する。ここでも、図10に示すステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。入賞があった場合にはステップS1207に進み、入賞がなかった場合には図10に示す主制御部タイマ割り込み処理に復帰する。
主制御部300のRAM308には、可変入賞口用の入賞記憶領域も設けられている。ステップS1207では、RAM308に設けた可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口130に球が入球したことを示す情報を格納する。
ステップS1208では、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド可変入賞口入賞処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、可変入賞口入賞を示す情報であるDHを送信情報(コマンド種別)として追加記憶した後、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理に復帰する。
<特図関連抽選処理>
次に、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理におけるステップS214の特図関連抽選処理について説明する。図13は主制御部300のCPU304が実行する特図関連抽選処理の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS2102では、後述するステップS2131においてRAM308の設定領域に設定される特図変動表示中の設定と、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理におけるステップS213の特図状態更新処理においてRAM308の設定領域に設定される停止表示中の設定とに関する判定を行う。このステップS2102では、RAM308の設定領域を参照し、特図表示装置114が特図変動表示中であるか、または停止表示中であるか否かを判定し、いずれかの表示中である場合には、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理に戻り、いずれの表示中でもない場合には、特図作動中であるか否かを判定する(ステップS2103)。上述のごとく、図10の主制御部タイマ割り込み処理における特図状態更新処理(ステップS213)では、RAM308の設定領域に特図作動中か特図非作動中を設定する。この特図状態更新処理(ステップS213)において、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、および第2小当りフラグのいずれかのフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)に、RAM308の設定領域に特図作動中を設定し、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)に、そのRAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。また、第1ハズレフラグまたは第2ハズレフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)に、RAM308の設定領域に特図非作動中を設定する。図13に示すステップS2103では、そのRAM308の設定領域を参照し、特図作動中が設定されているかを判定し、設定されている場合には図10に示す主制御部タイマ割り込み処理に戻り、いずれの設定もない場合には、ステップS2104に進む。
以上説明したステップS2102およびステップS2103の各条件が、本実施形態における抽選禁止条件になる。特図変動遊技の抽選結果は、装飾図柄表示装置110において、図柄変動表示を経て確定表示(停止表示)によって報知される。以下、装飾図柄表示装置110において、図柄の変動表示を開始してから確定表示(停止表示)するまでの間を図柄変動停止表示と称することがある。抽選結果が、大当りや小当りであれば確定表示に続いて装飾図柄表示装置110において演出表示がなされる。一方、抽選結果がハズレであれば、装飾図柄表示装置110における表示は終了になる。なお、抽選結果がハズレであっても装飾図柄表示装置110において演出表示を行ってもよく、抽選結果が小当りの場合には反対に、装飾図柄表示装置110における演出表示を行わずに装飾図柄表示装置110における表示を終了してもよい。本実施形態では、装飾図柄表示装置110において、図柄変動表示、確定表示(停止表示)、および演出表示のいずれかの表示がなされていると、抽選禁止条件が成立していることになり、いずれの表示もされておらず、かつ抽選が1回も行われていなければ、抽選禁止条件が不成立であることになる。
図13に示すステップS2103に続いて実行されるステップS2104では、RAM308に設けた特図保留数記憶領域を参照し、特図変動遊技の保留数が0より大きいか否かを判定する。すなわち、保留している特図変動遊技の数が1以上であるか否かを判定し、0であれば、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理に戻る。
一方、保留している特図変動遊技の数が1以上であればステップS2105に進んで、当りの判定を行う。このステップS2105における条件が、本実施形態における抽選開始条件の一例に相当する。すなわち、本実施形態では、特図関連抽選処理における抽選を行う権利の個数が1以上であることが抽選を開始する条件になる。これは、第2特図始動口128への遊技球の入球に基づくことを条件とするものである。
本実施形態では、ステップS2102およびステップS2103の抽選禁止条件が成立しかつステップS2104における抽選開始条件も成立している場合には、特図関連抽選処理における抽選を行う権利が保留されることになる。
ステップS2105では、RAM308の特図の乱数値記憶領域から特図当選乱数値を取得し、その取得した特図当選乱数値について当りの判定を行う。RAM308の特図の乱数値記憶領域には、図11に示す、第2特図始動口128に関する入賞受付処理におけるステップS1104において、ハードウエア乱数値である特図当選乱数値が格納されている。このステップS2105では、その特図当選乱数値を取得し、図14(a)に示す当り判定テーブルを用いて、特図当選乱数値について特図変動遊技の抽選を行い、ステップS2106に進む。
図14(a)は、主制御部300のROM306が記憶している当り判定テーブルを示す図である。
本実施形態のパチンコ機100は、特図変動遊技終了後に、大当りに当選する確率が相対的に低い特図低確率状態と、相対的に高い特図高確率状態のいずれか一方の状態にある。特図高確率状態であることは確率変動中と呼ばれる。主制御部300のRAM308には、後述する特図確率変動フラグが用意されている。この特図確率変動フラグがオンに設定されていると、特図高確率状態(確率変動中)であり、特図確率変動フラグがオフに設定されていると、特図低確率状態である。
図14(a)に示す当り判定テーブルには、特図変動遊技状態(特図低確率状態,特図高確率状態)と、第2特図始動口大当りデータおよび第2特図始動口小当りデータそれぞれとの関係が規定されている。図13に示すステップS2105における当りの判定では、取得した特図当選乱数値が、図14(a)の当り判定テーブルに示す第2特図始動口用大当りデータの数値範囲に属していれば特図変動遊技の大当りに当選と判定し、その数値範囲に属さなければ特図変動遊技の大当りに不当選(はすれ)と判定する。
ここでは、RAM308に用意された特図確率変動フラグを参照し、特図変動遊技状態が特図低確率状態の場合、取得した特図当選乱数値が10001〜10187であるときには、特図変動遊技の大当りに当選と判定する。また、取得した特図当選乱数値が50001〜51092であるときは、特図変動遊技の小当りに当選と判定する。一方、取得した特図当選乱数値が10001〜10187、および50001〜51092以外の数値である場合には、特図変動遊技のハズレと判定する。本実施形態では、特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)、特図低確率状態における第2特図始動口大当り抽選データが示す数値範囲は10001〜10187(数値範囲の大きさは187)であるから、特図低確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の大当り当選確率は、約1/350.4(=187/65536)である。これに対して、特図高確率状態における第2特図始動口大当り抽選データが示す数値範囲は30001〜31310(数値範囲の大きさは1310)であり、特図高確率状態の第2特図始動口128への球の入賞に基づく特図変動遊技の大当り当選確率は約1/50.0(=1310/65536)になり、特図変動遊技の当選確率は、特図低確率状態よりも特図高確率状態の方が高い。また、特図低確率状態であっても特図高確率状態であっても、第2特図始動口小当り抽選データが示す数値範囲の大きさは1092であり、特図変動遊技の小当り当選確率は約1/60.0(=1092/65536)になる。
ステップS2106では、先のステップS2105において特図変動遊技のハズレと判定された場合には、RAM308の特図の乱数値記憶領域から特図乱数値を取得し、その取得した特図乱数値を用いて第1ハズレに当選したか否かについて判定する。なお、ステップS2105において特図変動遊技のハズレとは判定されていない場合には、ここでの判定は行わずにステップS2108に進む。RAM308の特図の乱数値記憶領域には、図11に示す、第2特図始動口128に関する入賞受付処理におけるステップS1104において、ソフトウエア乱数値である特図乱数値も格納される。ステップS2106では、その特図乱数値を取得し、図14(b)に示すハズレ当選時の特図決定テーブルを用いて、特図乱数値が第1ハズレの数値範囲に属しているか否かを判定する。本実施形態では、取得した特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)である。
図14(b)は、主制御部300のROM306が記憶している、ハズレ当選時の特図決定テーブルを示す図である。
図14(b)に示す特図決定テーブルには、特図変動遊技状態(特図低確率状態,特図高確率状態)と、第1ハズレデータおよび第2ハズレデータそれぞれとの関係が規定されている。ステップS2106では、RAM308に用意された特図確率変動フラグを参照し、特図変動遊技状態が特図低確率状態の場合には、取得した特図乱数値が0〜126であれば、第1ハズレに当選と判定する。特図低確率状態の場合の第2ハズレデータは127である。一方、特図変動遊技状態が特図高確率状態の場合には、取得した特図乱数値が0〜125であれば、第1ハズレに当選と判定する。特図高確率状態の場合の第2ハズレデータは126〜127である。第1ハズレに当選していれば、RAM308に用意された第1ハズレフラグをオンに設定し(ステップS2107)、後述するステップS2125に進む。一方、第1ハズレに不当選であれば、ステップS2108に進む。
ステップS2108では、先のステップS2105において特図変動遊技のハズレと判定された場合には、第2ハズレに当選と判定し、RAM308に用意された第2ハズレフラグをオンに設定し(ステップS2109)、後述するステップS2125に進む。一方、ステップS2105において特図変動遊技のハズレとは判定されていない場合には、こでの判定も行わずにステップS2110に進む。
ステップS2110では、先のステップS2105において特図変動遊技の小当りと判定された場合には、RAM308の特図の乱数値記憶領域から特図乱数値を取得し、取得した特図乱数値を用いて第1小当りに当選したか否かについて判定する。なお、ステップS2105において特図変動遊技の小当りとは判定されていない場合には、ここでの判定は行わずにステップS2112に進む。このステップS2110では、図14(c)に示す小当り当選時の特図決定テーブルを用いて、特図乱数値が第1小当りの数値範囲に属しているか否かを判定する。
図14(c)は、主制御部300のROM306が記憶している、小当り当選時の特図決定テーブルを示す図である。
図14(c)に示す特図決定テーブルには、特図変動遊技状態(特図低確率状態,特図高確率状態)と、第1小当りデータおよび第2小当りデータそれぞれとの関係が規定されている。ステップS2110では、RAM308に用意された特図確率変動フラグを参照し、特図変動遊技状態が特図低確率状態の場合には、取得した特図乱数値が0〜63であれば、第1小当りに当選と判定する。特図低確率状態の場合の第2小当りデータは64〜127である。一方、特図変動遊技状態が特図高確率状態の場合には、取得した特図乱数値が0〜95であれば、第1小当りに当選と判定する。特図高確率状態の場合の第2小当りデータは96〜127である。第1小当りに当選していれば、RAM308に用意された第1小当りフラグをオンに設定し(ステップS2111)、後述するステップS2125に進む。一方、第1小当りに不当選であれば、ステップS2112に進む。
ステップS2112では、先のステップS2105において特図変動遊技の小当りと判定された場合には、第2小当りに当選と判定し、RAM308に用意された第2小当りフラグをオンに設定し(ステップS2113)、後述するステップS2125に進む。一方、ステップS2105において特図変動遊技の小当りとは判定されていない場合には、ここでの判定も行わず、RAM308に用意された大当りフラグをオンに設定し(ステップS2114)、ステップS2115に進む。ここで大当りフラグがオンに設定されると、特図変動遊技終了後に大当り遊技(特別遊技)が開始される。
RAM308の特図の乱数値記憶領域には、図11に示す、第2特図始動口128に関する入賞受付処理におけるステップS1104において、ソフトウエア乱数値である特図ラウンド決定乱数値も格納されている。ステップS2115では、RAM308の特図の乱数値記憶領域から特図ラウンド決定乱数値を取得し、その取得した特図ラウンド決定乱数値についてラウンド数の判定を行う。このステップS2115では、図14(d)に示すラウンド抽選テーブルを用いて、特図ラウンド決定乱数値がいずれのラウンド数の数値範囲に属しているかを判定し、ステップS2116に進む。
図14(d)は、主制御部300のROM306が記憶している、大当り当選時のラウンド抽選判定テーブルを示す図である。
特図変動遊技において大当り当選すると、可変入賞口130を開閉する扉部材1301が所定の回数開閉する。この扉部材1301が開閉する回数(ラウンド数)には、15ラウンド(R)と2ラウンド(R)が用意されている。図14(d)に示すラウンド抽選判定テーブルは、ラウンド数と、第2特図始動口128に球が入賞したことに基づいて使用する抽選データ(第2特図始動口用抽選データ)との関係を規定したものである。ここでは、取得した特図ラウンド決定乱数値が0〜63であるときには、ラウンド数は15Rと判定し、15R大当りに当選したことになる。一方、取得した特図ラウンド決定乱数値が64〜127であるときには、ラウンド数は2Rと判定し、2R大当りに当選したことになる。本実施形態では、特図ラウンド決定乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であり、15Rの第2特図始動口用抽選データが示す数値範囲の大きさも2Rの第2特図始動口用抽選データが示す数値範囲の大きさも64であることから、第2特図始動口128への球の入賞に基づく15Rの当選確率と2Rの当選確率は、1/2(=64/128)ずつになる。
ステップS2116では、15R大当りに当選したか否かについて判定する。主制御部300のRAM308には、2R大当りフラグと、15R大当りフラグが用意されており、2R大当りに当選していれば、一方の2R大当りフラグをオンに設定して(ステップS2117)、ステップS2119に進み、15R大当りに当選していれば、もう一方の15R大当りフラグをオンに設定して(ステップS2118)、ステップS2119に進む。
ステップS2119では、RAM308の特図の乱数値記憶領域から特図乱数値を取得し、その取得した特図乱数値について特図確率変動の判定を行う。なお、ステップS2105における大当り判定に用いた特図当選乱数値を用いてもよい。このステップS2119では、特図乱数値を取得し、図14(e)に示す特図高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図乱数値が特図低確率状態の数値範囲と、特図高確率状態の数値範囲とのいずれに属しているかを判定し、ステップS2120に進む。
図14(e)は、主制御部300のROM306が記憶している、大当り当選時の特図高確率状態移行判定テーブルを示す図である。
図14(e)に示す特図高確率状態移行判定テーブルには、特図変動遊技の終了後の特図確率状態(特図低確率状態,特図高確率状態)と、移行判定乱数値の範囲を示す抽選データとの関係が規定されている。主制御部300のCPU304は、図14(e)に示す特図高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図変動遊技の終了後に大当り遊技を開始する(特図低確率状態)か、または特別大当り遊技を開始する(特図高確率状態)かの判定、すなわち特図確変移行判定を行う。ここでは、取得した特図乱数値が64〜127の数値である場合には、特別大当り遊技に当選(特図確率変動当選)と判定する。一方、取得した特図乱数値が0〜63の数値である場合には、特別大当り遊技に不当選(特図確率変動不当選)と判定する。本実施形態では、特図高確率状態への移行判定乱数の範囲は64〜127(数値範囲の大きさは64)であり、上述のごとく、特図乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であるから、大当り判定の結果が当選である場合に特図高確率状態へ移行する確率は1/2(=64/128)である。
ステップS2120では、特図確率変動に当選したか否かを判定し、特図確率変動に不当選(特別大当り遊技に不当選)ならばステップS2122に進み、特図確率変動に当選(特別大当り遊技に当選)していれば、RAM308に用意された上述の特図確率変動フラグをオンに設定し(ステップS2121)、ステップS2122に進む。
RAM308の特図の乱数値記憶領域には、図11に示す、第2特図始動口128に関する入賞受付処理におけるステップS1104において、ソフトウエア乱数値である特図時短決定乱数値も格納されている。ステップS2122では、特図時短決定乱数値を取得して、今度は、その特図時短決定乱数値について普図確率変動の判定を行う。ここでも、ステップS2105における大当り判定に用いた特図当選乱数値を用いてもよい。このステップS2122では、図14(f)に示す普図高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図時短決定乱数値が普図低確率状態の数値範囲と、普図高確率状態の数値範囲とのいずれに属しているかを判定し、ステップS2123に進む。なお、上述の如く、普図高確率状態とは時短状態のことであり、普図低確率状態とは非時短状態のことである。
図14(f)は、主制御部300のROM306が記憶している、大当り当選時の普図高確率状態移行判定テーブルを示す図である。
上述のごとく、本実施形態では、特図変動遊技中(図柄変動表示中)は、普図低確率状態である。図14(f)に示す普図高確率状態移行判定テーブルには、特図変動遊技終了後の普図確率状態(普図低確率状態,普図高確率状態)と、移行判定乱数値の範囲を示す抽選データとの関係が規定されている。主制御部300のCPU304は、図14(f)に示す普図高確率状態移行判定テーブルを用いて、特図の変動表示が終了した時点で普図高確率状態に移行させるか否かの判定、すなわち普図確変移行判定を行う。ここでは、特図時短決定乱数値が64〜127の数値である場合には、普図高確率状態に移行させる(普図確率変動当選)と判定する。一方、特図時短決定乱数値が0〜63の数値である場合には、特図の変動表示が終了しても、普図低確率状態のまま(普図確率変動不当選)と判定する。本実施形態では、特図時短決定乱数値の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であり、普図高確率状態への移行判定乱数の範囲は64〜127(数値範囲の大きさは64)であるから、大当り判定の結果が当選である場合に普図高確率状態(時短状態)へ移行する確率は1/2(=64/128)である。
ステップS2123では、まず、2R大当りフラグを参照して、2R大当りに当選しているか否かを判定する。本実施形態では、図7(a)に示すように、2R大当りには、普図高確率状態である「特図C」の突然確変および「特図D」の突然時短と、普図低確率状態である「特図E」の隠れ確変および「特図F」の突然通常とがある。一方、「特図A」の15R特別大当りおよび「特図B」の15R大当りの2種類の15R大当りは、いずれも普図高確率状態である。2R大当りに当選していれば、普図高確率状態であるのか普図低確率状態であるのかの判定を行う必要があるため、ステップS2123では、先のステップS2122における判定結果が普図確率変動に当選したという判定結果であるか否かを判定し、普図確率変動に当選していれば、RAM308に用意された上述の普図確率変動フラグをオンに設定し(ステップS2124)、ステップS2125に進む。普図確率変動に不当選であればステップS2123からステップS2125へ直接進む。一方、2R大当りに不当選という判定結果であれば、15R大当りに当選していることになり普図高確率状態であることから、普図確率変動フラグをオンに設定し(ステップS2124)、ステップS2125に進む。上述のごとく、ここで普図確率変動フラグをオンに設定しておくことで、大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた時短回数記憶部に時短回数100回がセットされるとともに、RAM308に設けられた時短フラグがオンされる。なお、ここでオンされなかった時短フラグはオフの状態にある。
ステップS2125では、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグに基づいて停止図柄を決定する。
次に、ステップS2105における大当り判定に用いた特図当選乱数値を再度取得し、図15(a)に示すタイマ番号決定テーブルを用いて、特図当選乱数値がタイマ1〜5のいすれのタイマ番号の数値範囲に属しているかを判定し、タイマ番号を決定する。RAM308にはタイマ番号格納領域が用意されており、決定したタイマ番号をそのタイマ番号格納領域に記憶させる。さらに、そのタイマ番号に対応する変動時間を、特図変動表示時間として、上述の特図表示図柄更新タイマにも記憶させる。
図15(a)は、主制御部300のROM306が記憶している、タイマ番号決定テーブルを示す図である。
図15(a)に示すタイマ番号決定テーブルには、タイマ番号と、そのタイマ番号を決定するための抽選に使用する抽選データと、各種フラグ(15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ)との関係が規定されている。主制御部300のCPU304は、RAM308に用意された各種フラグを参照し、特図当選乱数値が、オンに設定されているフラグに対応したいすれのタイマ番号の数値範囲に属しているかを判定する。本実施形態では、上述の如く特図当選乱数値の取り得る数値範囲は0〜65535(数値範囲の大きさは65536)であり、第1ハズレフラグがオンに設定されている場合のタイマ1の乱数範囲は0〜60235(数値範囲の大きさは60236)であるから、タイマ番号としてタイマ1を選択する確率はおよそ91.9%(60236/65536)である。また、この場合、タイマ番号として、タイマ2を選択する確率はおよそ6.5%(4250/65536)であり、タイマ3を選択する確率はおよそ1.2%(800/65536)、タイマ4を選択する確率はおよそ0.4%(250/65536)である。また、15R大当りフラグがオンに設定されている場合には、タイマ番号として、タイマ4を選択する確率はおよそ95.4%(62536/65536)であり、タイマ5を選択する確率はおよそ4.6%(3000/65536)である。一方、第2ハズレフラグがオンに設定されている場合や、第2小当りフラグがオンに設定されている場合には、タイマ4が必ず選択され、2R大当りフラグがオンに設定されている場合や、第1小当りフラグがオンに設定されている場合には、タイマ1が必ず選択される。
ステップS2126に続いて実行されるステップS2127では、ステップS2126と同じく特図当選乱数値を用いて、ここでは擬似連タイマ番号を決定してRAM308に記憶する。このステップS2127では、図15(b)に示す擬似連タイマ番号決定テーブルを用いて、特図当選乱数値が擬似連タイマ番号1〜4のいすれの番号の数値範囲に属しているかを判定し、擬似連タイマ番号を決定する。RAM308には擬似連タイマ番号格納領域も用意されており、決定した擬似連タイマ番号をその擬似連タイマ番号格納領域に記憶させる。擬似連タイマ番号は、図柄変動開始コマンドに含まれて、主制御部300から副制御部400に送られる。ここで説明する擬似連は、主制御部300が決定する擬似連である。
図15(b)は、主制御部300のROM306が記憶している、擬似連タイマ番号決定テーブルを示す図である。この擬似連タイマ番号決定テーブルは、ステップS2126において決定したタイマ番号に応じて設けられた抽選データと、擬似連タイマ番号、その擬似連タイマ番号に応じた変動時間、および擬似連回数との関係が規定されている。擬似連が実行されると、後述する変動形態(リーチなしを含めたリーチパターン)とは別に、その変動形態が行われる前に、仮停止を入れた図柄の変動が行われ、遊技者は、実際の図柄変動の回数よりも多くの図柄変動が行われているように思う。例えば、先のステップS2126でタイマ番号4が決定され、特図当選乱数値が51200であった場合、擬似連タイマ番号は擬似連タイマ4になり、変動時間は15秒、擬似連3回になる。まず、擬似連タイマ4に応じた15秒の変動を行い、この15秒の変動の中で、約5秒おきに3回の仮停止を行い、次にタイマ番号4に応じた図柄の変動を続けて行って、最後に停止表示する。
図2に示す装飾図柄表示装置110の左図柄表示領域110a、中図柄表示領域110bおよび右図柄表示領域110cはそれぞれに表示される装飾図柄は、特図表示装置114の図柄変動停止表示に合わせて変動表示され、最後に停止表示される。ここでは、この装飾図柄表示装置110に表示される装飾図柄を用いて、装飾図柄の変動時間を40秒として説明する。
まず、擬似連回数が無しの場合には、装飾図柄表示装置110に、40秒の装飾図柄の変動が表示された後、最後に1回の停止表示が行われる。
図16は、擬似連が1回行われたときの装飾図柄の変動の様子を(a)から(d)の順に段階的に示す図である。
擬似連回数が1回の場合には、まず、図16(a)に示すように装飾図柄の変動が開始され、5秒弱の間変動表示が行われると、同図(b)に示すように図柄の仮停止が1回行われる。この時、特図表示装置114は変動中の状態である。その後、同図(c)に示すように40秒の装飾図柄の変動が表示された後、同図(d)に示すように停止図柄(ここでは「装飾4−装飾2−装飾3」のハズレの図柄組合せ)を確定表示(停止表示)する。この時、特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄である「特図I」が表示されている。擬似連回数が1回の場合には、遊技者は、図柄変動が2回(図16(a)と(c))行われているように思う。
図17は、擬似連が2回行われたときの装飾図柄の変動の様子を(a)から(f)の順に段階的に示す図である。
擬似連回数が2回の場合にも、まず、図17(a)に示すように装飾図柄の変動が開始され、5秒弱の間変動表示が行われると、同図(b)に示すように図柄の仮停止が1回行われる。この時の特図表示装置114は変動中の状態である。続いて、同図(c)に示すように装飾図柄の変動が再開され、5秒弱の間変動表示が行われると、同図(d)に示すように2回目の図柄の仮停止が行われ、この時の特図表示装置114も変動中の状態である。その後、同図(e)に示すように40秒の装飾図柄の変動が表示された後、同図(f)に示すように停止図柄(ここでも「装飾4−装飾2−装飾3」のハズレの図柄組合せ)を確定表示(停止表示)する。この時、特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄である「特図I」が表示されている。擬似連回数が2回の場合には、遊技者は、図柄変動が3回(図17(a)と(c)と(e))行われているように思う。
図18は、擬似連が3回行われたときの装飾図柄の変動の様子を(a)から(h)の順に段階的に示す図である。
擬似連回数が3回の場合にも、まず、図18(a)に示すように装飾図柄の変動が開始され、5秒弱の間変動表示が行われると、同図(b)に示すように図柄の仮停止が1回行われる。この時の特図表示装置114は変動中の状態である。続いて、同図(c)に示すように装飾図柄の変動が再開され、5秒弱の間変動表示が行われると、同図(d)に示すように2回目の図柄の仮停止が行われ、この時の特図表示装置114も変動中の状態である。続いて、同図(e)に示すように装飾図柄の三回目の変動が行われ、5秒弱の間変動表示が行われると、同図(f)に示すように3回目の図柄の仮停止が行われる。この時の特図表示装置114も変動中の状態である。そして、同図(g)に示すように40秒の装飾図柄の変動が表示された後、同図(h)に示すように停止図柄(ここでも「装飾4−装飾2−装飾3」のハズレの図柄組合せ)を確定表示(停止表示)する。この時、特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄である「特図I」が表示されている。擬似連回数が3回の場合には、遊技者は、図柄変動が4回(図18(a)と(c)と(e)と(f))行われているように思う。
続いて、各種の情報をRAM308に設けた送信情報記憶領域に追加記憶する(ステップS2128)。具体的には、コマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために上記送信情報記憶領域に変動開始を示す情報である1Hを送信情報(コマンド種別)として追加記憶する。また、各種フラグ(15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1ハズレフラグ、第2ハズレフラグ)が設定されている情報や、特図確率変動フラグが設定されている情報や、普図確率変動フラグが設定されている情報や、上述のタイマ番号の情報や擬似連タイマ番号も追加記憶する。このステップS2128の実行が終了すると、ステップS2129において、RAM308に設けた特図保留数記憶領域に記憶されている特図変動遊技の保留数を1つデクリメントし、ステップS2130に進む。
ステップS2130では、RAM308の特図乱数値記憶領域から特図当選乱数値、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、および特図時短決定乱数値を削除し、ステップS2131に進む。
ステップS2131では、RAM308の設定領域に、特図変動表示中の設定を行い、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理に戻る。
なお、大当りの抽選、大当り当選時のラウンド抽選、大当り当選時の特図高確率状態移行抽選、および普図高確率状態移行抽選を、図11のS1104で取得した特図当選乱数値と特図乱数値の2つの乱数値を用いて行ってもよい。また、各種乱数値の取得タイミングも、入賞受付に基づくタイミング(図10のS209)に限られない。また、上記記載に限られず、各々の乱数値を他の乱数値と共用したり、各々の乱数の取得タイミングを入賞時または抽選時のいずれかにするかは、いずれの組み合わせでもよい。
以上説明した、特図関連抽選処理を実行する主制御部300のCPU304が、本発明にいう抽選手段の一例に相当する。
<副制御部メイン処理>
次に、図19(a)を用いて、副制御部400のCPU404が実行する副制御部メイン処理について説明する。なお、同図は副制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400には、電源が投入されるとリセット信号を出力するリセット信号出力回路を設けている。このリセット信号を入力した基本回路402のCPU404は、リセット割り込みによりリセットスタートしてROM406に予め記憶した制御プログラムに従って図19(a)に示す副制御部メイン処理を実行し、まず、ステップS301で各種の初期化を行う。この初期化では、入出力ポートの初期設定や、各種変数の初期化等を行う。
ステップS302では、コマンド入力処理(詳細は後述)を行う。
ステップS303では、後述するタイマ変数記憶領域の値が10以上であるか否かを判定する。タイマ変数記憶領域の値が10以上である場合はステップS304に進み、タイマ変数記憶領域の値が10未満である場合にはステップS302に戻る。
ステップS304では、タイマ変数記憶領域に0を格納する。
ステップS305では、演出データ更新処理を行う。この演出データ更新処理では、後述する変動パターン選択処理で記憶する変動番号の更新を行うと共に、装飾図柄の変動表示を開始してからの経過時間に基づいて装飾図柄表示装置110、スピーカ416、各種ランプ420およびセンター役物200等の演出用可動体による演出を制御するための演出データの更新を行う。また、装飾図柄表示装置110が、こうして更新した演出データに基づく装飾図柄や演出表示等を表示するように、後述するステップS306の装飾図柄表示装置制御処理で図柄表示制御部500に出力するコマンド(例えば左に第7組の組画像図柄を停止することを指示するコマンド等)をRAM408に設けた送信コマンド格納領域に格納するとともに、後述するステップS307、308、309によるスピーカ416、各種ランプ420、およびセンター役物200等の演出用可動体を制御する、ここで更新した演出データを、RAM408の設定領域にセットする。さらに、所定の条件が成立している場合には所定の演出を実行するか否か、例えばチャンスボタン146を用いた演出を行うか否か等の抽選を行う。
ステップS306では、装飾図柄表示装置制御処理を行う。この装飾図柄表示装置制御処理では、I/O410の出力ポートを介して装飾図柄表示制御部500にコマンドを出力する。ここでは、上記ステップS305でRAM408に設けた送信コマンド格納領域に格納したコマンドをI/O410の出力ポートに設定し、装飾図柄表示装置110の表示制御を装飾図柄表示制御部500に行わせる。
ステップS307では、RAM408の設定領域にセットされた演出データに基づいて、音源IC418に対してスピーカ416の音出力設定情報を送る音出力処理を実行する。
ステップS308では、RAM408の設定領域にセットされた演出データに基づき、表示回路422を用いて、各種ランプ420を点灯させたり消灯させたりするランプ制御処理を実行する。
ステップS309では、RAM408の設定領域にセットされた演出データに基づき、演出用駆動回路426を用いてセンター役物200等の演出用可動体を動作させる各種演出用駆動装置424を駆動させる演出用駆動装置制御処理を実行する。
副制御部400は、後述するストローブ処理、チャンスボタン処理、または副制御部タイマ割り込み処理による中断を除いて、以降、ステップS302〜S304の処理を繰り返し実行する。
<コマンド入力処理>
次に、図19(b)を用いて、上記副制御部メイン処理におけるコマンド入力処理(ステップS302)について説明する。同図はコマンド入力処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示す副制御部400における基本回路402に搭載されているRAM408には、コマンド記憶領域が設けられている。副制御部400は、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理におけるステップS215において主制御部300から副制御部400に送信されてきた各種コマンドを、後述するストローブ割り込み処理を実行することで、そのコマンド記憶領域に未処理コマンドとして格納する。コマンド記憶領域には、図柄変動開始コマンドや図柄変動停止コマンド、RAMクリアコマンド等が格納される。図19(b)に示すステップS401では、RAM408に設けられたコマンド記憶領域の内容を確認し、未処理のコマンドが残っているか否かを判断する。そして、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っている場合にはステップS402に進み、コマンド記憶領域に未処理のコマンドが残っていない場合には処理を終了して副制御部メイン処理に復帰する。
ステップS402では、ステップS401においてその存在を肯定した未処理コマンドに応じた処理にジャンプする。
また、図19(c)に示す図柄停止処理のステップS601では、RAM408に用意された図柄記憶領域に記憶している停止図柄の組合せを構成する3つの装飾図柄を装飾図柄表示装置110の左、中、右図柄表示領域110a〜110cの3つの表示領域に表示するように設定して処理を終了する。
なお、ラウンド開始処理では未処理コマンドに含まれている上記大当り開始後の可変入賞口130の開放回数を示す情報を抽出し、RAM408の記憶領域に記憶する。
<ストローブ割り込み処理>
次に、図19(d)を用いて、副制御部400のストローブ割り込み処理について説明する。なお、同図はストローブ割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このストローブ割り込み処理は、副制御部400が、主制御部300が出力するストローブ信号を検出した場合に実行する処理である。すなわち、上述の如く、ストローブ信号は、副制御部400に送信されるコマンドにストローブ情報として含まれており、図10に示す主制御部タイマ割り込み処理のコマンド設定送信処理(ステップS215)において、主制御部300から副制御部400にコマンドが送信され、副制御部400が、送信されてきたコマンドにストローブ信号を検出した場合に、このストローブ割り込み処理が実行される。ストローブ割り込み処理のステップS701では、主制御部300が出力したコマンドを未処理コマンドとしてRAM408に設けた上記コマンド記憶領域に記憶する。
<チャンスボタン割り込み処理>
次に、図19(e)を用いて、副制御部400のチャンスボタン割り込み処理について説明する。なお、同図はチャンスボタン割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
このチャンスボタン割り込み処理は、副制御部400がチャンスボタン検出回路364によってチャンスボタン146の操作を検出した場合に実行する処理である。
チャンスボタン割り込み処理のステップS801では、RAM408の検知カウンタ記憶領域に記憶している、チャンスボタン146の押下回数を計測するための検知カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の検知カウンタ記憶領域に記憶する。
<変数更新割り込み処理>
次に、図19(f)を用いて、副制御部400のCPU404によって実行する変数更新割り込み処理について説明する。なお、同図は変数更新割り込み処理の流れを示すフローチャートである。
副制御部400は、所定の周期(本実施形態では2msに1回)でタイマ割り込みを発生するハードウェアタイマを備えており、このタイマ割り込みを契機として、副制御部タイマ割り込み処理を所定の周期で実行する。
変数更新割り込み処理のステップS901では、図19(a)に示す副制御部メイン処理におけるステップS304において説明したRAM408のタイマ変数記憶領域の値に、1を加算して元のタイマ変数記憶領域に記憶する。従って、ステップS304において、タイマ変数の値が10以上と判定されるのは20ms毎(2ms×10)となる。
また、副制御部400のRAM408には、0から127の範囲の値を取り得る特図予告抽選乱数値を生成する特図予告抽選乱数カウンタが設けられている。ステップS902では、この乱数カウンタを更新する。
次に、図20を用いて特図保留増加処理について説明する。図20は、特図保留増加処理の流れを示すフローチャートである。
まず、この特図保留増加処理が開始されるまでの流れについて説明する。図11に示す、第2特図始動口128に関する入賞受付処理におけるステップS1105において、主制御部300のCPU304が、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、特図変動遊技の保留の増加(特図保留増加)を示す情報を追加記憶し、図10に示す、主制御部タイマ割り込み処理におけるコマンド設定送信処理(ステップS215)で一般コマンド回転開始設定送信処理が実行される。上述のごとく、この一般コマンド回転開始設定送信処理では、RAM308の送信情報記憶領域に記憶された特図保留増加を示す情報を参照して、図柄変動開始コマンドを前回送信してから今回送信するまでの期間(特図関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの期間)に増加した特図変動遊技の保留数を表す保留数増加情報を図柄変動開始コマンド(1H)のデータに設定する。なお、増加した保留数が0回の場合には設定されない。こうすることで、この保留数増加情報を含んだ図柄変動開始コマンド(1H)が、主制御部300から副制御部400に送信される。副制御部400は、図19(d)に示すストローブ処理において、この図柄変動開始コマンドを未処理コマンドとして保存し(ステップS701)、図19(b)に示すコマンド入力処理(S402)を経て、この図20に示す特図保留増加処理が開始される。すなわち、この特図保留増加処理は図柄変動開始時に行われる。
ステップS411では、主制御部300から受信した図柄変動開始コマンドに、特図の保留数増加情報が含まれているか否かを判定し、含まれている場合にはステップS412に進み、含まれていない場合にはステップS418に進む。副制御部400のRAM408には、特図の保留情報記憶領域が用意されている。この保留情報記憶領域は、4つの領域に区分けされており、各領域には保留番号が付されている。この保留番号は、保留が消化される順番を表すものであり、保留番号1番から順に保留が消化される。ステップS412では、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域の区分けされた領域に、特図の保留数増加情報に基づく増加した保留を格納する。
また、その保留情報記憶領域の区分けされた領域には、事前予告情報や偽事前予告情報も格納されている(後述するS422,S427,S432,S435で追加記憶)。ここにいう事前予告情報は、事前予告といった予告報知を行うことを表す情報であり、偽事前予告情報は、第1偽事前予告や第2偽事前予告といった予告報知を行うことを表す情報である。事前予告も第1・第2偽事前予告も、特図変動遊技における抽選の結果が遊技者に有利な結果であることを、当該結果を報知する前に遊技者に期待させる演出である。第1偽事前予告による演出態様と第2偽事前予告による演出態様は同じであり、遊技者が両者を区別することは困難である。ここで、装飾図柄表示装置110において図柄変動停止表示が複数回連続する場合に、事前予告を行う抽選結果を表す停止図柄を表示する図柄変動停止表示(以下、最後の図柄変動停止表示と称することがある)よりも前に行われる図柄変動停止表示(以下、先図柄変動停止表示と称することがある)において予告報知を行うことを、連続図柄変動停止表示における事前予告として連続予告と呼ぶことがある。なお、予告報知は、最後の図柄変動停止表示の図柄の変動中にも行われる。事前予告では予告した抽選結果が本当に遊技者にとって相対的に有利な結果(例えば15R大当たり)になるのに対し、第1偽事前予告や第2偽事前予告では予告した抽選結果が遊技者にとって相対的に不利な結果(例えば小当りやハズレ)になる。図20に示す特図保留増加処理は、これらの事前予告や第1・第2偽事前予告といった演出を行うか否か、すなわち演出を行う態様にするか、演出を行わない態様にするかを、抽選によって決定する処理である。
図柄変動開始コマンドのデータに設定される特図の保留数増加情報には、増加した保留に対応する、特図当選乱数値、特図乱数値、特図ラウンド決定乱数値、および特図時短決定乱数値が含まれている。これらの乱数値は、図11に示す入賞受付処理のステップS1103において取得された乱数値であり、特図の保留情報記憶領域に、保留ごとに格納される。また、副制御部400のROM406にも、図14(a)に示す当り判定テーブルや、同図(b)に示すハズレ当選時の特図決定テーブルや、同図(c)に示す小当り当選時の特図決定テーブルや、同図(d)に示す大当り当選時のラウンド抽選判定テーブルや、同図(f)に示す大当り当選時の普図高確率状態移行判定テーブルが記憶されている。なお、保留扱いにされたものは、図13に示すステップS2105が実行されていないため、保留数増加情報に大当りフラグ等の各種フラグの値を含めることはできない。
ステップS418では、特図の保留数増加情報に含まれている特図当選乱数値が、ROM406に記憶された図14(a)に示す当り判定テーブルの大当り数値範囲(第2特図始動口大当りデータの数値範囲)に属するか否かを判定し、属さなければステップS423に進み、属していればステップS419に進む。このステップS418では、増加した保留が複数ある場合には、変動の順番(入賞タイミング)が早い保留を優先して処理する。例えば、特図の保留数増加情報が増加した保留数が3(保留Aと保留Bと保留C)であることを表すものであって、変動が早い順番(入賞タイミングが早い順番)が、保留A、保留B、保留Cである場合には、まず、保留Aの特図当選乱数値が大当り数値範囲に属するか否かを判定し、属していればステップS419に進み、属さなければ、今度は、保留Bの特図当選乱数値が大当り数値範囲に属するか否かを判定し、属していればステップS419に進み、属さなければ、さらに、保留Cの特図当選乱数値が大当り数値範囲に属するか否かを判定し、属していればステップS419に進み、保留Cでも属していなければ、ここでステップS423に進む。この変動の順番が早い保留を優先して処理することは、後述するステップS423、S428においても同じである。
ステップS419では、今度は、特図の保留数増加情報に含まれている特図ラウンド決定乱数値が、ROM406に記憶された図14(d)に示す大当り当選時のラウンド抽選判定テーブルの15Rの数値範囲に属するか否かを判定し、属さなければ図19(b)に示すコマンド入力処理に戻り、事前予告も第1・第2偽事前予告も行われない。すなわち、事前予告や第1・第2偽事前予告といった演出を行わない態様に決定される。一方、15Rの数値範囲に属していればステップS420に進む。
上述のごとく、副制御部400のRAM408には、0から127の範囲の値を取り得る特図予告抽選乱数値を生成する特図予告抽選乱数カウンタが設けられている。また、そのRAM408には、特図予告抽選乱数値記憶領域も設けられている。ステップS420では、まず、特図予告抽選乱数カウンタから値を特図予告抽選乱数値として取得し、取得した特図予告抽選乱数値を特図予告抽選乱数値記憶領域に記憶する。次いで、ステップS420では、図21(a)に示す事前予告決定テーブルを用いて事前予告の抽選を行う。
図21(a)は、副制御部400のROM406に記憶された事前予告決定テーブルを示す図である。
このステップS420における事前予告の抽選では、副制御部400のCPU404は、RAM408の特図予告抽選乱数値記憶領域に格納した特図予告抽選乱数値が、図21(a)に示す事前予告決定テーブルの事前予告有りの数値範囲に属するか否かを判定する。特図予告抽選乱数値の数値範囲の大きさは128になる。図21(a)に示すように、事前予告有りの数値範囲は0〜15(数値範囲の大きさは16)である。したがって、特図予告抽選乱数値が事前予告有りの数値範囲に属する確率は、16/128=12.5%である。特図予告抽選乱数値が事前予告有りの数値範囲に属する場合には、ステップS421に進む。反対に属さない場合には、図19(b)に示すコマンド入力処理に戻り、事前予告や第1・第2偽事前予告といった演出を行わない態様に決定される。
ステップS421では事前予告の回数を決定する。この事前予告の回数の決定には、事前予告/第1偽事前予告回数決定テーブルが用いられる。図21(b)は、副制御部400のROM406に記憶された事前予告/第1偽事前予告回数決定テーブルを示す図である。
図21(b)に示すテーブルは、事前予告の回数決定と後述する第1偽事前予告の回数決定に共通して使用されるテーブルである。このテーブルは、残り図柄確定回数と予告回数との関係が規定されたものである。残り図柄確定回数は、図柄変動停止表示における停止図柄表示があと何回行われるか、すなわち装飾図柄表示装置110においけるて図柄変動停止表示があと何回行われるかを表す回数であり、本実施形態では、4回が最大値になる。また、予告回数は、事前予告あるいは第1偽事前予告を行う回数であり、本実施形態では、1回の図柄変動停止表示に対して1回の事前予告あるいは第1偽事前予告を行う。事前予告回数の決定では、副制御部400のCPU404は、ステップS412で追加記憶した特図の保留情報記憶領域を参照し、先のステップS420で用いた特図予告抽選乱数値を再度用いて決定する。残り図柄確定回数が1回の場合には、事前予告が残り図柄確定回数と同じ1回必ず行われる。一方、残り図柄確定回数が2回以上の場合には、残り図柄確定回数と同じ回数だけ事前予告が行われやすいが、残り図柄確定回数よりも少ない決定回数になる場合もある。この場合には、後に行われる図柄変動停止表示ほど事前予告を行うことが優先される。すなわち、残り図柄確定回数が4回に対して決定回数が1回である場合には、最後の図柄変動停止表示で事前予告が行われ、残り図柄確定回数が4回に対して決定回数が2回である場合には、最後になる4回目の図柄変動停止表示と3回目の図柄変動停止表示それぞれで事前予告が行われる。
ステップS422では、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域に、事前予告を何回行うことを表す事前予告情報を追加記憶する。すなわち、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域の区分けされた領域に格納されている保留のうち、ステップS421で決定された回数に基づく保留に事前予告を行うことを追加記憶する。このステップS422の実行が終わると、図19(b)に示すコマンド入力処理に戻る。
一方、ステップS418において、特図の保留数増加情報に含まれている特図当選乱数値が大当り数値範囲に属さなければ、ステップS423において、今度は、その特図当選乱数値が、ROM406に記憶された図14(a)に示す当り判定テーブルの小当り数値範囲(第2特図始動口小当りデータの数値範囲)に属するか否かを判定し、属さなければステップS428に進み、属していればステップS424に進む。
上述のごとく、図柄変動開始コマンドのデータには、特図確率変動フラグの値が含まれており、ステップS424では、この特図確率変動フラグの値を参照して、特図乱数値が、ROM406に記憶された図14(c)に示す小当り当選時の特図決定テーブルの第2小当りの数値範囲に属するか否かを判定し、属さなければ図19(b)に示すコマンド入力処理に戻り、事前予告や第1・第2偽事前予告といった演出を行わない態様に決定される。一方、第2小当りの数値範囲に属していればステップS425に進む。
ステップS425では、ステップS420と同じく、まず、特図予告抽選乱数カウンタから値を特図予告抽選乱数値として取得し、取得した特図予告抽選乱数値を特図予告抽選乱数値記憶領域に記憶する。次いで、このステップS425では、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルを用いて第1偽事前予告の抽選を行う。
図21(c)は、副制御部400のROM406に記憶された第1偽事前予告決定テーブルを示す図である。
このステップS425における第1偽事前予告の抽選では、副制御部400のCPU404は、RAM408の特図予告抽選乱数値記憶領域に格納した特図予告抽選乱数値が、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルの第1偽事前予告有りの数値範囲に属するか否かを判定する。この第1偽事前予告決定テーブルでは、図柄変動開始コマンドを前回受信してから今回受信するまでの期間に増加した、特図変動遊技の保留数(保留増加数)が多ければ多いほど、第1偽事前予告の抽選に当選しやすい。すなわち、特図関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの期間内に、第2特図始動口128への入賞数が増加すればするほど、第1偽事前予告といった演出を行う態様に決定しやすくなる。図21(c)に示すように、保留数の増加が1回であれば、第1偽事前予告を行う態様に決定する決定確率は50%であるが、保留数の増加が2回から4回の範囲では、第1偽事前予告有りの数値範囲が8、8、16と拡大しており、保留数の増加が4回であれば、その決定確率は75%になる。以上説明したように、このステップS425では、第1偽事前予告といった演出を行う態様にするか行わない態様にするかを、保留増加数、すなわち特図関連抽選処理における抽選を行う権利がどれだけ増加したかに基づいて決定する。
なお、図21(a)に示す事前予告決定テーブルについても、事前予告有りの数値範囲を保留増加数が多くなるにつれて拡大するようにしてもよい。
ステップS426では第1偽事前予告の回数を決定する。この第1偽事前予告の回数の決定にも、図21(b)に示す事前予告/第1偽事前予告回数決定テーブルが用いられる。
ステップS427では、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域に、第1偽事前予告を何回行うことを表す偽事前予告情報を追加記憶する。すなわち、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域の区分けされた領域に格納されている保留のうち、ステップS426で決定された回数に基づく保留に第1偽事前予告を行うことを追加記憶する。このステップS427の実行が終わると、図19(b)に示すコマンド入力処理に戻る。
一方、ステップS423において、特図の保留数増加情報に含まれている特図当選乱数値が、小当り数値範囲にも属さなければ、ステップS428において、さらに、その特図当選乱数値が、ROM406に記憶された図14(a)に示す当り判定テーブルの、大当り数値範囲(第2特図始動口大当りデータの数値範囲)および小当り数値範囲(第2特図始動口小当りデータの数値範囲)の双方の数値範囲以外の値であるか、すなわちハズレの数値範囲に属するか否かを判定し、属さなければ図19(b)に示すコマンド入力処理に戻り、属していればステップS429に進む。ここで、特図当選乱数値が、ハズレの数値範囲にも属さないということは、図柄変動開始コマンドに、特図の保留数増加情報が含まれていない、すなわち保留増加が無いということに相当する。
ステップS429では、図柄変動開始コマンドのデータに含まれている特図確率変動フラグの値を参照して、特図乱数値が、ROM406に記憶された図14(b)に示すハズレ当選時の特図決定テーブルの第2ハズレの数値範囲に属するか否かを判定し、属さなければステップS433に進み、属していればステップS430に進む。このステップS429でも、増加した保留が複数ある場合には、変動の順番(入賞タイミング)が早い保留を優先して処理する。例えば、特図の保留数増加情報が増加した保留数が3(保留Aと保留Bと保留C)であることを表すものであって、変動が早い順番(入賞タイミングが早い順番)が、保留A、保留B、保留Cである場合には、まず、保留Aの特図乱数値が第2ハズレの数値範囲に属するか否かを判定し、属していればステップS430に進み、属さなければ、今度は、保留Bの特図乱数値が第2ハズレの数値範囲に属するか否かを判定し、属していればステップS430に進み、属さなければ、さらに、保留Cの特図乱数値が第2ハズレの数値範囲に属するか否かを判定し、属していればステップS430に進み、保留Cでも属していなければ、ここでステップS433に進む。
ステップS430では、上述のステップS425と同じく、特図予告抽選乱数値を取得し、取得した特図予告抽選乱数値が、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルの第1偽事前予告有りの数値範囲に属するか否かを判定する。ここでも、保留数の増加が多ければ多いほど、第1偽事前予告の抽選に当選しやすい。
ステップS431では第1偽事前予告の回数を決定する。この第1偽事前予告の回数の決定にも、図21(b)に示す事前予告/第1偽事前予告回数決定テーブルが用いられる。
ステップS432では、特図の保留情報記憶領域に偽事前予告情報を追加記憶する。すなわち、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域の区分けされた領域に格納されている保留のうち、ステップS431で決定された回数に基づく保留に第1偽事前予告を行うことを追加記憶する。このステップS432の実行が終わると、図19(b)に示すコマンド入力処理に戻る。
上述のステップS428において、特図乱数値が第2ハズレの数値範囲に属さないという判定がなされたことは、その乱数値が第1ハズレの数値範囲に属しているということになる。ステップS433では、図22(a)に示す第2偽事前予告決定テーブルを用いて第2偽事前予告の抽選を行う。
図22(a)は、副制御部400のROM406に記憶された第2偽事前予告決定テーブルを示す図である。
このステップS433における第2偽事前予告の抽選では、副制御部400のCPU404は、特図予告抽選乱数値が、図22(a)に示す第2偽事前予告決定テーブルの第2偽事前予告有りの数値範囲に属するか否かを判定する。ここで使用される第2偽事前予告決定テーブルには、図柄変動開始コマンドを前回受信してから今回受信するまでの期間(特図関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの期間)に増加した、特図変動遊技の保留数(保留増加数)ごとに、増加分を除いた保留数と、第2偽事前予告有りの乱数範囲および第2偽事前予告無しの乱数範囲との関係が規定されているが、図22(a)に示す第2偽事前予告決定テーブルには、保留増加数ごとに、増加分を除いた保留数と、第2偽事前予告有りの当選確率および第2偽事前予告無しの当選確率との関係が示されている。ここにいう増加分を除いた保留数とは、特図関連抽選処理における前回の抽選前までに保留していた保留数に相当する。なお、増加分を除いた保留数の最大値と保留増加数を合わせると、保留増加数の最大値である4から、今回送信されてきた図柄変動開始コマンドが由来する1回の抽選分(保留消化分)を差し引いた3になる。保留増加数が1の場合における第2偽事前予告無しの当選確率の欄に示された丸で囲んだ1〜3の数字は、保留増加数が2以上の場合における各当選確率の欄での引用数字になる。例えば、保留増加数が2の場合における増加分を引いた保留数が0の第2偽事前予告有りの当選確率は、1−(49/50×39/40)=0.0445になり、保留増加数が1の場合における増加分を引いた保留数が0の第2偽事前予告有りの当選確率(1/50=0.02)よりも高くなる。また、保留増加数が2の場合における増加分を引いた保留数が1の第2偽事前予告有りの当選確率は、1−(39/49×29/30)=0.0575になり、同じ場合の増加分を引いた保留数が0の第2偽事前予告有りの当選確率よりも高くなる。図22(a)に示す第2偽事前予告決定テーブルでは、保留増加数が多くなればなるほど、第2偽事前予告有りの当選確率も高くなる。したがって、ステップS433では、保留増加数が多くなればなるほど、第2偽事前予告を行う態様に決定しやすくなる。また、保留増加数が1および2の範囲では、同じ保留増加数であれば、増加分を除いた保留数が多くなればなるほど、第2偽事前予告有りの当選確率も高くなる。したがって、ステップS433では、増加分を除いた保留数が相当する、特図関連抽選処理における前回の抽選前までに保留していた保留数が多くなればなるほど、第2偽事前予告を行う態様に決定しやすくなる。こうすることで、保留が多いほど予告報知が行われ易くなるため、遊技者は、予告報知見たさにできるだけ保留を増加させようとするので遊技台の稼動を上げることができる。
なお、図21(a)に示す事前予告決定テーブルについても、事前予告有りの数値範囲を増加分を除いた保留数が多くなればなるほど拡大するようにしてもよく、当選確率を、この第2偽事前予告決定テーブルに示すような数式により算出された値にしてもよい。
ステップS434では第2偽事前予告の回数を決定する。この第2偽事前予告の回数の決定には、第2偽事前予告回数決定テーブルが用いられる。図22(b)は、副制御部400のROM406に記憶された第2偽事前予告回数決定テーブルを示す図である。
図22(b)に示すテーブルは、残り図柄確定回数と予告回数との関係が規定されたものである。また、予告回数は、第2偽事前予告を行う回数であり、本実施形態では、1回の図柄変動停止表示に対して1回の第2偽事前予告を行う。第2偽事前予告では、予告回数は最大で3回である。第2偽事前予告は、最後の変動を意図的に長くすることができないため、予告回数を多くても3回と制限することによって、事前予告または第1偽事前予告の演出効果をより際立たせることができる。第2偽事前予告回数の決定では、副制御部400のCPU404は、特図予告抽選乱数値を用いて決定する。第2偽事前予告では、残り図柄確定回数が2回以上であっても、1回の第2偽事前予告しか行われないことが多い。第2偽事前予告でも、後に行われる図柄変動停止表示ほど第2偽事前予告を行うことが優先される。
ステップS435では、特図の保留情報記憶領域に偽事前予告情報を追加記憶する。すなわち、RAM408に設けた特図の保留情報記憶領域の区分けされた領域に格納されている保留のうち、ステップS434で決定された回数に基づく保留に第2偽事前予告を行うことを追加記憶する。なお、第2偽事前予告では、第1偽事前予告とは異なり、予告回数は最大で3回であることから、先に行われる図柄変動停止表示ほど第2偽事前予告を行うことを優先するようにしてもよい。
以上説明したように、図20に示す特図保留増加処理は、副制御部400が行う処理であり、保留数増加情報がある場合には、RAM408に設けた保留情報記憶領域に、その保留数増加情報基づく増加した保留を格納し、事前予告または第1・2偽事前予告をするか否かを決定する。なお、事前予告判定を前回行ってから今回行うまでの間に保留が増加しない場合には事前予告および第1・2偽事前予告を行わないことに決定する。
次に、図23および図24を用いて変動パターン選択処理について説明する。図23は変動パターン選択処理における一部の流れを示すフローチャートである。
この変動パターン選択処理も、上述の特図保留増加処理と同じく、図柄変動開始コマンド(1H)が主制御部300から副制御部400に送信されされたことに基づいて開始される。すなわち、副制御部400が、図19(d)に示すストローブ処理において図柄変動開始コマンドを未処理コマンドとして保存し(ステップS701)、図19(b)に示すコマンド入力処理(S402)を経て変動パターン選択処理が開始される。
上述の如く、図柄変動開始コマンドには、15R大当りフラグの値、2R大当りフラグの値、小当りフラグの値、ハズレフラグの値、特図確率変動フラグの値、普図確率変動フラグの値、および図13に示す特図関連抽選処理のステップS2126で決定したタイマ番号等の情報が含まれている。図23に示す変動パターン選択処理のステップS501では、まず、未処理コマンドである図柄変動開始コマンドに含まれているこれらの情報を抽出し、RAM408のそれぞれの記憶領域に記憶する。次いで、図25に示す変動番号選択テーブルや不図示の図柄決定テーブルを参照して変動番号と停止図柄の組合せを選択し、これをRAM408に設けた記憶領域に記憶する。変動番号選択テーブルについては後述する。
さらに、ステップS501では、図22(c)に示す保留増加数に応じた変動演出決定テーブルを用いて演出データを選択し、これもRAM408に設けた記憶領域に記憶する。
図22(c)は、副制御部400のROM406に記憶された保留増加数に応じた変動演出決定テーブルを示す図である。
図22(c)に示すテーブルは、変動番号に基づく変動形態と特図の保留数増加情報に基づく保留増加数との関係が規定されたものである。変動形態には、リーチなしと7種類のリーチパターンが用意されている。演出A0〜演出A4までのアルファベットのAは、リーチなしであることを表し、演出B0〜演出B4までのアルファベットのBは、ノーマルリーチであることを表し、演出C0〜演出C4までのアルファベットのCは、ロングリーチであることを表し、その他の演出についても同様である。演出A0〜演出A4までの数字や、演出B0〜演出B4までの数字や、演出C0〜演出C4までの数字は、同じリーチパターンであっても、登場キャラクタの種類(増加数0でキャラα登場、増加数1でキャラβ登場…など)、背景の種類(増加数0で街背景、増加数1で海背景…など)、リーチストーリの種類(増加数0で100m走、増加数1で球入れ…など)、表示・音・ランプ・センター役物200の動作の種類等が異なることを表し、その他の演出についても同様である。
このステップS501では、演出の種類を保留増加数に応じて選択し、保留増加数に応じて演出を異ならせているが、保留増加数毎に複数の演出から選択できるようにし、それぞれの選択確率を異ならせてもよい。例えば、保留増加数が多い程、特定のキャラクタ・特定の背景または特定の演出が出現し易くなるようにしてもよい。
続いて、特図保留増加処理における、図20に示すステップS422で追加記憶した事前予告情報や、ステップS427、S432、S435で追加記憶した偽事前予告情報に基づいて、特図の図柄変動停止表示において予告報知(事前予告、第1偽事前予告、あるいは第2偽事前予告)を行うか否かを判定する(ステップS502)。なお、以下の説明では、第1偽事前予告と第2偽事前予告を特に区別することなく単に偽事前予告と称する。
ステップS502における判定で、予告報知を行わないという判定であれば、図19(b)に示すコマンド入力処理に戻る。反対に予告報知を行うという判定であれば、連続図柄変動停止表示における予告報知(連続予告)における最後の図柄変動停止表示であるか否かを判定する(ステップS503)。副制御部400のROM406には予告報知の演出データが記憶されている。最後の図柄変動停止表示であれば、そのROM406から、遊技状態等に応じた予告報知の演出データを選択して、RAM408に記憶する(ステップS504)。ここにいう“遊技状態等に応じた予告報知の演出データ”とは、詳しくは後述するが、この演出データには、遊技状態に限らず、例えば、連続予告の最後に長い図柄変動がある場合には、遊技者を飽きさせないために、その長い図柄変動の最中に所定時間(例えば5秒)以上間隔を開けずに予告報知を行う演出データ等も含まれる。
一方、最後の図柄変動停止表示でなければ、今度は、連続予告における最初の図柄変動停止表示(最先の先図柄変動停止表示)であるか否かを判定し(ステップS505)、最初の図柄変動停止表示でもなければ、後述するステップS507に進み、最初の図柄変動停止表示であれば、ステップS501においてRAM408に記憶したタイマ番号が、タイマ1以外であるか否かを判定する(ステップS506)。タイマ1は、相対的に短い変動時間(5秒以下の変動時間)のタイマ番号であり、タイマ2〜5は、相対的に長い変動時間(5秒を超える変動時間)のタイマ番号である。すなわち、このステップS506では、最先の先図柄変動停止表示であれば、相対的に短い変動時間(5秒以下の)のタイマ番号であるか否かを判定する。タイマ番号がタイマ1以外、すなわち変動時間が5秒より長ければ、図19(b)に示すコマンド入力処理に戻る。こうすることで、連続予告における最初の図柄変動停止表示の変動時間が5秒より長ければ、その最初の図柄変動停止表示における予告報知は行われないことになる。反対に、タイマ番号がタイマ1、すなわち変動時間が5秒以下であればステップS504に進み、最初の図柄変動停止表示における予告報知が実行される。なお、この例では、5秒を基準にしているが、10秒や20秒といった他の秒数を基準にしてもよい。
図24は変動パターン選択処理における残りの部分の流れを示すフローチャートである。
図24に示すステップS507は、最後の図柄変動停止表示でもなく最初の図柄変動停止表示でもない場合に実行されるステップであり、RAM408に記憶したタイマ番号が、タイマ1以外であるか否かを判定し、タイマ1であれば、ステップS504に進み、予告報知が実行される。一方、タイマ1でなければ、RAM408に設けられた、特図の保留情報記憶領域に事前予告情報があるか否かを判定し(ステップS508)、事前予告情報があれば、ステップS509に進む。
ステップS509では、擬似連演出を行うか否かを判定する。ここにいう擬似連演出は、図15(b)を用いて説明した、主制御部300が決定する擬似連とは異なり、副制御部400が決定する擬似連演出である。副制御部400のCPU404は、擬似連演出を1/2の所定確率で行うことになる抽選を実施し、その抽選の結果に基づいて、擬似連演出を行うか否かを判定する。擬似連演出を行わない場合には、ステップS504に進み、擬似連演出を行う場合には、ステップS510に進む。
図15(b)を用いて説明した、主制御部300が決定する擬似連では、図柄の変動が行われる前に仮停止を入れた図柄の変動を行うが、ここで副制御部400が決定した擬似連演出では、図柄の変動中に仮停止を入れた演出になる。副制御部400の擬似連演出が行われる場合とは、最後の図柄変動停止表示でもなく最初の図柄変動停止表示でもない図柄変動停止表示(いわゆる中間の図柄変動停止表示)において、5秒を越える変動時間(10秒,20秒,40秒,50秒)にわたって図柄の変動が行われる中で、事前予告を実施する場合である。この場合には、ステップS501において予め選択した変動番号に対応する演出データに代えて、副制御部400のROM406から、変動時間に対応する擬似連用の演出データを選択する。すなわち、5秒を越える変動時間を均等に分け、各時間ごとに擬似連演出を行う。この擬似連演出については、詳しくは後述する。ステップS510の実行が完了すると、ステップS504に進む。すなわち、連続する複数回の図柄変動停止表示に亘って予告報知を行う場合の途中の図柄変動停止表示が5秒を越える変動時間である場合には、事前予告の報知を擬似連演出に切り替えるか否かを抽選し、抽選に当選した場合には擬似連用の演出データを選択して、RAM408に記憶する。
一方、ステップS508における判定で、RAM408に設けられた特図の保留情報記憶領域に事前予告情報がなければ、先のステップS503(図23参照)における予告報知を行うという判定結果から、それらの保留情報記憶領域には偽事前予告情報があることになり、ステップS511に進む。ステップS511では、今回の予告報知を最後の予告報知とするか否かを判定する。副制御部400のCPU404は、今回の予告報知を最後の予告報知にするか否かの抽選を行う。この抽選では、今回の予告報知が1/2の所定確率で最後の予告報知になる。副制御部400のCPU404は、その抽選の結果に基づいて判定を行い、今回の予告報知を最後の予告報知にしない場合には、ステップS509に進む。反対に、今回の予告報知を最後の予告報知にする場合には、RAM408に設けられた、特図の保留情報記憶領域にある偽事前予告情報をクリアし(ステップS512)、ROM406から、遊技状態等に応じた予告報知の演出データを選択して、RAM408に記憶する(ステップS504)。こうすることで、今回の先図柄変動停止表示においては予告報知が行われ、この予告報知を最後の予告報知にして、以降に予定されていた予告報知はキャンセルされる。すなわち、連続する複数回の図柄変動停止表示に亘って予告報知を行う場合の途中の図柄変動停止表示が5秒を越える変動時間である場合には、偽事前予告の報知を行う最後の図柄変動停止表示とするか否かを抽選し、抽選に当選した場合には次以降の図柄変動停止表示では偽事前予告を行わない。
なお、15R大当りになる場合には、必ず連続予告が行われるようにしてもよい。
<副制御部のデータテーブル>
次に、副制御部400のROM406が記憶しているデータテーブルについて説明する。
図25(a)はハズレフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものであり、同図(b)は15R大当りフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものである。また、同図(c)は、小当りフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものであり、同図(d)は、2R大当りフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルの一例を示したものである。
副制御部400は、受信したコマンドを判定した際に、図柄変動開始コマンドであった場合に変動決定用乱数を取得する。この変動決定用乱数の取り得る数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)である。図25(a)〜(d)に示す変動番号選択テーブルは、装飾図柄表示装置110における演出表示態様(リーチ態様)を決定するためのデータテーブルであり、各図に示す変動番号選択テーブルの「変動形態」の項目に対応する列には、変動番号に対応する変動形態を参考までに記載しており、例えば、変動番号の変動2を選択した場合には、変動形態「ノーマルリーチ」で装飾図柄表示装置110の表示制御を行い、変動番号の変動19を選択した場合には、変動形態「全回転リーチ」で装飾図柄表示装置110の表示制御を行うことを示している。各変動形態については、詳しくは後述する。
図25(a)および(c)に示す変動番号選択テーブルを用いた変動番号の決定では、副制御部400が受信する図柄変動開始コマンドに含まれているタイマ番号、および副制御部400が取得した変動決定用乱数の値に基づいて変動番号が決定される。図25(b)に示す変動番号選択テーブルを用いた変動番号の決定では、タイマ番号、特図確率変動フラグの設定状況、および変動決定用乱数の値に基づいて変動番号が決定される。図25(d)に示す変動番号選択テーブルを用いた変動番号の決定では、タイマ番号、普図確率変動フラグの設定状況、および変動決定用乱数の値に基づいて変動番号が決定される。
例えば、特図変動遊技の抽選結果がハズレ、タイマ番号がタイマ1の場合には、副制御部400は、図25(a)に示すハズレフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルを参照する。上記の場合、タイマ番号=タイマ1に対応する変動決定用乱数値の数値範囲は0〜127(数値範囲の大きさは128)であるから、変動番号として、100%(=128/128)の確率で、すなわち取得した変動決定用乱数値に関わらず変動1を選択し、RAM408に設けている変動番号記憶領域に、選択結果が変動1であることを示す情報を記憶する。また、15R大当りに当選し、タイマ番号がタイマ4、特図確率変動フラグがオフの場合には、図25(b)に示す、15R大当りフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルを参照する。この場合、タイマ番号=タイマ4、特図確率変動フラグ=オフに対応する変動決定用乱数値の数値範囲は0〜47(数値範囲の大きさは48)と48〜127(数値範囲の大きさは80)の2種類があるから、変動番号として、48/128の確率で変動13を選択し、80/128の確率で変動14を選択する。さらに、小当りの判定に当選し、タイマ番号がタイマ1の場合には、図25(c)に示す、小当りフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルを参照する。この場合、変動21が必ず選択され、「リーチなし」になる。またさらに、2R大当りに当選した場合には、タイマ番号はタイマ1に限定される(図15(a)参照)。この場合には、図25(d)に示す、2R大当りフラグがオンの場合に使用する変動番号選択テーブルを参照し、普図確率変動フラグがオフの場合には変動24が必ず選択され、普図確率変動フラグがオンの場合には変動25が必ず選択され、いずれも「リーチなし」になる。
また、副制御部400のROM406には図柄決定テーブルも記憶されている。副制御部400は、図柄決定用乱数値を取得し、図柄決定テーブルを用いて図柄決定用乱数値に基づいて図7(b)に示す装飾図柄の停止図柄の組合せを決定する。
<特図変動遊技中に装飾図柄表示装置で行う変動形態の種類>
次に、パチンコ機100の特図変動遊技中に装飾図柄表示装置110で行う演出表示である各変動形態について説明する。
本実施形態の装飾図柄表示装置110による変動形態は、リーチなし、とリーチの2種類に大別され、リーチはさらに、ノーマルリーチ、ロングリーチ、ダブルラインリーチ、トリプルラインリーチ、特別マルチラインリーチ、全回転リーチ、特別全回転リーチの7種類に分けられる。
ここで、リーチ(ノーマルリーチ)とは、一般に2つの図柄表示領域(例えば、図2に示す左右図柄表示領域110a、110c)が等しい装飾図柄を停止表示し、残りの1つの図柄表示領域(例えば中図柄表示領域110b)が変動表示している状態のこと、すなわち、変動表示している図柄表示領域が特定の図柄(停止表示している図柄表示領域と等しい図柄)を停止表示すれば大当りまたは特別大当りを報知することとなる状態のことである。なお、本実施形態のように、このノーマルリーチとこのノーマルリーチにさらに特殊な変動表示等を加味して演出効果を向上させたもの(ロングリーチ等)を含めてリーチと称してもよいし、ノーマルリーチにさらに特殊な変動表示を加味したものだけをリーチと称してもよい。
リーチなしでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110a、右図柄表示領域110c、中図柄表示領域110bの順に装飾図柄を停止表示する。本実施形態では、リーチなしの演出表示では、停止表示する装飾図柄の組合せを15R大当りまたは15R特別大当りとなる図柄組合せとすることはない。
ノーマルリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110aと右図柄表示領域110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時点から時間を計測し、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した場合、中図柄表示領域110bの装飾図柄を停止表示する。この時に、中図柄表示領域110bに停止表示した装飾図柄が左右図柄表示領域110a、110bと等しい場合は、15R大当りまたは15R特別大当りを遊技者に報知し、中図柄表示領域110bに停止表示した装飾図柄が左右図柄表示領域110a、110bと異なる場合は、ハズレを遊技者に報知することとなる。
なお、この装飾図柄表示装置110を停止表示して15R大当り、15R特別大当り、2R大当り、小当り、またはハズレを遊技者に報知するタイミングは、特図表示装置114を停止表示して当りまたはハズレを遊技者に報知するタイミングと略同時である。
ロングリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左図柄表示領域110aと右図柄表示領域110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、ノーマルリーチよりも長い時間、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した場合、中図柄表示領域110bの装飾図柄を停止表示する。
全回転リーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、15R特別大当りあるいは15R大当りとなる組合せの装飾図柄を所定の回数だけ停止表示する演出を行った上で、15R特別大当りあるいは15R大当りとなる組合せの装飾図柄を停止表示する。
特別全回転リーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、15R特別大当りとなる組合せの装飾図柄を所定の回数だけ停止表示する演出を行った上で、15R特別大当りとなる組合せの装飾図柄を停止表示する。
ダブルラインリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、2種類の装飾図柄を上下2段に表示するように、左右図柄表示領域110a、110cの表示をそれぞれ変更し、中図柄表示領域110bにこれら2種類の図柄のいずれかが停止すれば大当りとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域110bに装飾図柄を停止表示する。そして、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、左右図柄表示領域110a、110cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。
トリプルラインリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、3種類の装飾図柄を上下3段に表示するように、左右図柄表示領域110a、110cの表示をそれぞれ変更し、中図柄表示領域110bにこれら3種類の図柄のいずれかが停止すれば大当りとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域110bに装飾図柄を停止表示する。そして、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、左右図柄表示領域110a、110cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。
特別マルチラインリーチでは、全ての図柄表示領域110a〜110cの装飾図柄を変動表示した後、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。そして、装飾図柄の変動表示の開始時から所定の変動時間が経過する前に、全ての種類の装飾図柄を上下4段左右2列に表示するように、左右図柄表示領域110a、110cの表示をそれぞれ変更し、中図柄表示領域110bにどの装飾図柄が停止しても大当りとなるといった期待感を遊技者に持たせる演出を行った後で、中図柄表示領域110bに1つの装飾図柄を停止表示する。そして、変動表示の開始時から所定の変動時間が経過した後に、15R特別大当りとなる図柄の組合せとなるように、左右図柄表示領域110a、110cを1つの装飾図柄の停止表示に戻す。
ここで、リーチなしでは、隠れ確変と称される2R大当りを報知する装飾図柄の組み合わせとして「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。また、上述のダブルラインリーチの変形例や、トリプルリーチの変形例では、確定表示の前に、一旦、ハズレの停止図柄態様を示してから、爆発などの場面切り替えを行った上で、例えば、小当りを報知する装飾図柄の組み合わせとして「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示(確定表示)する。したがって、いずれも「装飾1−装飾2−装飾3」が停止表示され、遊技者は、装飾図柄表示装置110の停止図柄を見ただけでは、隠れ確変と称される2R大当りに当選したのか、小当りにしか当選していないのかが不明である。
次に、隠れ確変と称される2R大当りにおける装飾図柄表示装置110に表示される演出等について詳述する。
特図変動遊技が開始されると、装飾図柄表示装置110の装飾図柄が変動を開始する。ここではタイマ番号にタイマ1が選ばれ、5秒間の図柄の変動表示が行われる。特図表示装置114も、5秒間の図柄の変動を行う。変動開始から5秒が経過すると、装飾図柄表示装置110には「装飾1−装飾2−装飾3」が0.5秒停止表示されるとともに、特図表示装置114には図7(a)に示す「特図E」が0.5秒停止表示される。隠れ確変と称される2R大当りに当選していると、続いて、特定演出が5.5秒行われる。この特定演出は装飾図柄表示装置110で行われ、特図表示装置114はその間、停止図柄態様(ここでは「特図E」)を点滅表示させる。なお、特図表示装置114は停止図柄態様を、表示させ続けたり、全消灯または全点灯、またはそれらを繰り返してもよい。
続いて、隠れ確変と称される2R大当りや突然通常と称される2R大当りに当選した場合、あるいは小当りに当選した場合の、可変入賞口130の扉部材1301の開放態様と、特定演出の表示態様について説明する。
図2に示す可変入賞口130の扉部材1301は、5.5秒の特定演出の間、最初に3秒間閉鎖しておいてから開く。この扉部材1301が3秒間閉鎖している間に、装飾図柄表示装置110には、主人公と敵役の決闘場面が表示される。そして、扉部材1301が開くと同時に、装飾図柄表示装置110には主人公が勝利した画像が表示される。上述のごとく、2R大当りに当選すると、扉部材1301は、開放時間0.9秒、閉鎖時間0.2秒の開閉動作を、2回連続で行う。なお、2回目の閉鎖では、プラス0.3秒の閉鎖時間を加え、主人公が勝利した画像が2.5秒表示され続ける。
以上説明した、隠れ確変と称される2R大当りや突然通常と称される2R大当りにおける装飾図柄の変動表示から特定演出までの流れは、小当りの場合も全く同じである。すなわち、装飾図柄表示装置110の装飾図柄が変動を開始してから停止表示するまでの態様も、隠れ確変と称される2R大当りや突然通常と称される2R大当りにおける場合と、小当りにおける場合では全く同じである。なお、特図表示装置114の停止図柄態様は、隠れ確変と称される2R大当りでは図7(a)に示す「特図E」になり、突然通常と称される2R大当りでは図7(a)に示す「特図F」になり、小当りでは図7(a)に示す「特図G」又は「特図H」になり互いに異なるが、この違いを知らない遊技者にとっては、隠れ確変と称される2R大当りと、突然通常と称される2R大当りと、小当りの3者の区別を行うことは不可能である。また、図7(a)には、それぞれの停止図柄態様の一例を示したにすぎず、隠れ確変と称される2R大当りの特図の停止図柄態様は複数種類用意されており、突然通常と称される2R大当りにの特図の停止図柄態様も複数種類用意されており、小当りの特図の停止図柄態様も複数種類用意されている。このため、それぞれがどの停止図柄態様で表示されるかは遊技者には分からず、特図の停止図柄態様によって3者の区別を行うことは極めて困難なことである。しかも、装飾図柄表示装置110に表示される特定演出の表示態様も、3者の間では全く同じである。すなわち、小当りでも、主人公が勝利した画像が表示される。
上述のごとく、隠れ確変と称される2R大当りに当選していれば、特図高確率状態へ移行し、特図変動遊技に当選しやすくなるが、突然通常と称される2R大当り、あるいは小当りに当選しても、そのようなことはない。したがって、遊技者は、上述の特定演出の表示態様を見ることによって、もしかしたら隠れ確変と称される2R大当りに当選しているかもしれないといった期待感をもってその後の遊技に望み、遊技の進行に非常に興味を持つことになる。
なお、遊技者は、予告報知後に15R特別大当り遊技ではなく、隠れ確変と称される2R大当り遊技状態が開始されたとしても、その後に特図確率変動状態が開始されることを期待して遊技することができる。特図確率変動状態では、通常状態(特図低確率状態)よりも15R大当りに当選する可能性が高くなり、引いては予告報知も行われやすくなるため、通常状態よりも遊技者の興趣を向上させることができる。また、特図確率変動状態が遊技者による判別が困難な状態である場合、予告報知を行っておくことで、特図確率変動状態であるか否かを遊技者に予想させることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
なお、小当りに当選していると、扉部材1301が開くと同時に、装飾図柄表示装置110には主人公が敗北した画像が表示されるようにしてもよい。小当りに比べて、遊技者に有利な遊技状態になる隠れ確変と称される2R大当りでは主人公が勝利した画像が表示されるため、隠れ確変と称される2R大当りの場合と小当りの場合では、明確な違いがあり、遊技者は、どちらに当選したのかが容易にわかる。このため、遊技者は、扉部材1301が開くと同時に表示される主人公の勝敗を表す画像を非常に楽しみにして待つことになる。
次に、事前予告と偽事前予告の例について説明する。以下の説明では、装飾図柄表示装置110による図柄の変動表示の開始や停止表示をタイミングの基準して説明することがあるが、装飾図柄表示装置110による図柄の変動表示の開始は、特図表示装置114の特図の変動表示の開始と同タイミングであり、装飾図柄表示装置110による図柄の停止表示は、特図表示装置114による特図の停止表示と同タイミングである。
図26(a)は事前予告の一例を示す図であり、同図(b)は偽事前予告の一例を示す図である。
図26では、図の左から右に時間が経過していく。また、この図26では、4つの保留が一気に貯まった状態で、最初の図柄変動停止表示(最先の先図柄変動停止表示)が開始される例を示しており、4つの保留に基づいて4回の図柄変動停止表示が連続して行われる。同図(a)では、図20に示す特図保留増加処理において事前予告を行うことに決定された保留を濃い目に塗りつぶし、事前予告も偽事前予告も行わないことに決定された保留を薄目に塗りつぶしている。すなわち、4つの保留のうち、最も遅かった入賞に基づく特図関連抽選処理における抽選を行う権利の保留のみ事前予告の対象になる。
最初の図柄変動停止表示を開始することを指示する図柄変動開始コマンドには、図柄変動開始コマンドを前回送信してから今回送信するまでの期間(特図関連抽選処理において前回抽選してから今回抽選するまでの期間)に増加した特図変動遊技の保留数(保留増加数)を表す保留数増加情報は含まれており、その保留増加数は4になる。この図柄変動開始コマンドを受信した副制御部400では、図20に示す特図保留増加処理のステップS418において、1番目の保留から順に判定していき、4番目の保留の特図当選乱数値が大当り数値範囲に属していると判定し、さらにステップS419においてその保留の特図乱数値が15Rの数値範囲に属していると判定される。続いて、ステップS420において事前予告の抽選に当選し、ステップS421では事前予告回数が4回に決定される。次いで、図19(a)に示すステップS309では、1回目の事前予告として、第1振分装置210を左回転させるとともに、第2振分装置220の、図の右側に回動しきった状態の誘導手段224を、左側に向けて回動させ始める。最初の図柄変動停止表示(最先の先図柄変動停止表示)では、リーチなしの変動形態が選択されており、図柄変動表示の時間(変動時間)は5秒である。なお、2回目および3回目の図柄変動停止表示(先図柄変動停止表示)においても、同様である。第1振分装置210に貯留されている遊技球は、最初の図柄変動停止表示における図柄変動表示が開始されてからハズレの停止図柄の組み合わせ(「装飾0−装飾8−装飾9」)が停止表示される前までに、図5(c)に示すようにアウト口241に振分けられる。なお、振分作業が終わった第1振分装置210は、図5(b)に示す初期姿勢に復帰する。
2回目の事前予告としては、図19(a)に示すステップS309において、第1振分装置210を左回転させるとともに、第2振分装置220の誘導手段224をさらに左側に向けて回動させる。この結果、第1振分装置210に新たに貯留された遊技球も、2回目の図柄変動停止表示における図柄変動表示が開始されてからハズレの停止図柄の組み合わせ(「装飾3−装飾1−装飾2」)が停止表示される前までに、図5(c)に示すようにアウト口241に振分けられる。なおここでも、振分作業が終わった第1振分装置210は、図5(b)に示す初期姿勢に復帰する。また、誘導手段224は、左側に向けて回動しているものの、まだ右側に傾いた状態である。
3回目の事前予告としても、図19(a)に示すステップS309において、第1振分装置210を左回転させるとともに、第2振分装置220の誘導手段224をさらに左側に向けて回動させる。この結果、第1振分装置210に新たに貯留された遊技球も、3回目の図柄変動停止表示における図柄変動表示が開始されてからハズレの停止図柄の組み合わせ(「装飾9−装飾7−装飾8」)が停止表示される前までに、図5(c)に示すようにアウト口241に振分けられる。なおここでも、振分作業が終わった第1振分装置210は、図5(b)に示す初期姿勢に復帰する。また、誘導手段224は、引き続き左側に向けて回動し、3回目の図柄変動停止表示における停止表示が行われる時には、垂直状態よりもわずかに右側に傾いた状態になり、さらに4回目の図柄変動停止表示における図柄の変動表示が開始されるまで、左側に向けて回動する。この結果、4回目の図柄変動停止表示における図柄の変動表示が開始される時点では、垂直状態を越えてわずかに左側に傾いた状態になる。
4回目(最後)の事前予告としては、図19(a)に示すステップS309において、第1振分装置210を今度は右回転させるとともに、第2振分装置220の誘導手段224を垂直状態を越えてわずかに左側に傾いた状態に維持させる。最後の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)では、スペシャルリーチ(ダブルラインリーチ)の変動形態が選択されており、変動時間は40秒である。第1振分装置210に新たに貯留された遊技球は、4回目の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)における図柄変動表示が開始されてから15R特別大当りの停止図柄の組み合わせ(「装飾3−装飾3−装飾3」)が停止表示される前までに、図5(d)に示すように第2振分装置220に振分けられる。すなわち、ここで初めて、第1振分装置210から第2振分装置220の放出領域221に遊技球が放出される。なおここでも、振分作業が終わった第1振分装置210は、図5(b)に示す初期姿勢に復帰する。また、誘導手段224は、第2振分装置220の放出領域221に放出された遊技球を誘導するまで垂直状態を越えてわずかに左側に傾いた状態を維持する。この結果、第2振分装置220の放出領域221に初めて放出された遊技球は、その放出領域221を通過して、装飾図柄表示装置110に15R特別大当りの停止図柄の組み合わせが停止表示される前に、誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導される。
一方、図26(b)では、図20に示す特図保留増加処理において偽事前予告を行うことに決定された保留を濃い目に塗りつぶし、事前予告も偽事前予告も行わないことに決定された保留を薄目に塗りつぶしている。以下、同図(a)に示す事前予告の一例との違いを中心に説明する。
この例でも、最初の図柄変動停止表示を開始することを指示する図柄変動開始コマンドには、保留増加数が4であることを表す保留数増加情報が含まれている。この図柄変動開始コマンドを受信した副制御部400では、図20に示す特図保留増加処理のステップS428において、1番目の保留の特図当選乱数値がハズレの数値範囲に属していると判定し、ステップS429では、1番目の保留から順に判定していき、4番目の保留の特図乱数値が第2ハズレの数値範囲に属していると判定される。続いて、ステップS430において第1偽事前予告の抽選に当選し、ステップS431では第1偽事前予告回数が4回に決定される。この例でも、1回目の第1偽事前予告から3回目の第1偽事前予告までは、図19(a)に示すステップS309において、第1振分装置210を左回転させるとともに、第2振分装置220の誘導手段224を、左側に向けて回動させる。この結果、最初の図柄変動停止表示から3回目の図柄変動停止表示まではいずれも、第1振分装置210に貯留された遊技球は、図柄変動表示が開始されてからハズレの停止図柄の組み合わせが停止表示される前までに、図5(c)に示すようにアウト口241に振分けられる。また、誘導手段224は、左側に向けて回動し続け、3回目の図柄変動停止表示における停止表示が行われる時には、垂直状態よりもわずかに右側に傾いた状態になり、さらに4回目の図柄変動停止表示における図柄の変動表示が開始されるまで、左側に向けて回動する。この結果この例でも、4回目の図柄変動停止表示における図柄の変動表示が開始される時点では、誘導手段224は、垂直状態を越えてわずかに左側に傾いた状態になる。
4回目(最後)の第1偽事前予告としては、図19(a)に示すステップS309において、第1振分装置210を今度は右回転させるとともに、第2振分装置220の誘導手段224を、これまでの回動方向とは逆の右側に向けて回動させる。第1振分装置210に貯留された遊技球は、4回目の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)における図柄変動表示が開始されてから第2ハズレの停止図柄の組み合わせ(「装飾3−装飾2−装飾3」)が停止表示される前までに、図5(d)に示すように第2振分装置220に振分けられる。また、誘導手段224は、図柄変動表示の開始時には垂直状態を越えてわずかに左側に傾いた状態であったものの、これまでとは反対方向に向けて回動するため、右側に傾いた姿勢に戻る。この結果、第1振分装置210から第2振分装置220の放出領域221に遊技球が放出され、放出された遊技球は、その放出領域221を通過して、装飾図柄表示装置110に第2ハズレの停止図柄の組み合わせが停止表示される前に、誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導される。なお、この例では、誘導手段224を垂直状態を越えて一旦左側に傾いた状態まで回動させた後、逆方向に戻して右側に傾いた状態にする動作態様であったが、誘導手段224を垂直状態を越えないところまで左側に向かって回動させ、わずかに右側に傾いた状態で止める動作態様であってもよいし、そのわずかに右側に傾いた状態からさらに右側に回動させる動作態様であってもよい。
以上説明したように、センター役物200が本発明にいう予告報知手段の一例に相当し、第2振分装置220の誘導手段224が本発明にいう誘導手段の一例に相当する。すなわち、図26(a)に示す例では、センター役物200は、第1振分装置210によって遊技球を第2振分装置220の放出領域221に放出させるとともに、誘導手段224を、本発明にいう非誘導状態の一例に相当する右側に傾いた状態から本発明にいう誘導状態の一例に相当する左側に傾いた状態に向けて状態変化させ、その左側に傾いた状態にすることで事前予告を行う。また、図26(b)に示す例では、センター役物200は、誘導手段224を、右側に傾いた非誘導状態から左側に傾いた誘導状態に向けて状態変化させ、左側に傾いた誘導状態までは状態変化させずに右側に傾いた非誘導状態を維持することで偽事前予告を行う。
図26を用いて説明した例では、状態変化に時間のかかる誘導手段224を、4回目の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)が開始される前から状態変化させておくことで、予告報知(事前予告や偽事前予告)を行いつつ予告対象となる抽選結果を停止表示する図柄変動停止表示で状態変化を行う時間を短縮または無くして状態変化の時間に制約されない演出を行うことができ、演出を多彩にすることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。また、誘導手段224を短時間で状態変化させなくてすむため、誘導手段224の負担を軽減して耐久性を向上させることができる。また、予告報知として誘導手段224を遊技者にとって不利な状態から有利な状態へ近づくように遊技者に見せることができ、遊技者は、誘導手段224が不利な状態から有利な状態に近づくたびに後の変動で当るのではないかと予想して楽しむことができる。さらに、予告報知に用いられる演出体が遊技者の打ち出した遊技球であるため、遊技者はその遊技球の動きにより親しみを感じることができる。
また、図26(a)に示す例では、事前予告の対象とならない抽選結果を停止表示する図柄変動停止表示で左側に傾いた誘導状態(遊技者にとって有利な状態)に近づけるため、事前予告の対象となる抽選結果を停止表示する特定図柄変動停止表示の開始より前の段階で左側に傾いた誘導状態とすることができ、上記特定図柄変動停止表示で状態変化を行う時間を無くして状態変化の時間に縛られない演出を行うことができる。さらに、上記特定図柄変動停止表示の開始時には、誘導手段224が左側に傾いた誘導状態に維持されるため、遊技者の期待感を高い状態で維持させることができる。また、誘導手段224が、遊技者にとって有利な状態である左側に傾いた誘導状態に変化した後に遊技球を放出することで、誘導手段224が有利な状態に変化してもなかなか遊技球が放出されないといった焦りを遊技者に与え、遊技の幅を拡げることができる。加えて、上記特定図柄変動停止表示の図柄変動表示が行われている最中に誘導手段224によって遊技球が誘導されるため、遊技者は、有利な状態となることを迫力ある演出とともに知覚することができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
一方、図26(b)に示す例では、誘導手段224が右側に傾いた非誘導状態(遊技者にとって有利な状態)に近づくことで、抽選結果がハズレであることを遊技者に早期に知覚させ、次以降の図柄変動停止表示に期待させるように頭を切り替えさせることができ遊技者の興趣が低下することを防止することができる。
さらに、特定図柄変動停止表示が開始されるまで、遊技球を放出しないことで誘導手段224の状態変化に遊技者の注目を集めさせることができる。
以上のことから、本実施形態のパチンコ機100によれば、遊技性が高められ、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
図27は、図26に示す例とは、第1振分装置210の振分けタイミングが異なる例を示す図である。
以下、図26に示す例との違いを中心に説明する。図27(a)は、事前予告の例を示す図であり、同図(b)は、偽事前予告の例を示す図である。いずれの例においても、図19(a)に示すステップS309では、1回目予告報知(事前予告あるいは偽事前予告)として、第1振分装置210を右回転させるとともに、第2振分装置220の、図の右側に回動しきった状態の誘導手段224を、左側に向けて回動させ始める。この結果、最初の図柄変動停止表示(最先の先図柄変動停止表示)では、第1振分装置210に貯留されている遊技球は、図柄変動表示が開始されてからハズレの停止図柄の組み合わせが停止表示される前までに、図5(d)に示すように第2振分装置220に振分けられ、第2振分装置220の放出領域221に放出された遊技球はさらに、右側に傾いた状態の誘導手段224によってハズレルート領域223に誘導される。2回目および3回目の予告報知においても同様である。4回目の予告報知では、図27(a)に示す事前予告の例では、図26(a)に示す例と同じく、第2振分装置220の放出領域221に放出された遊技球は、垂直状態を越えてわずかに左側に傾いた状態の誘導手段224によってチャンスルート領域222に誘導される。一方、図27(b)に示す第1偽事前予告の例では、図26(b)に示す例と同じく、第2振分装置220の放出領域221に放出された遊技球は、右側に傾いた状態の誘導手段224によってここでもハズレルート領域223に誘導される。
この図27に示す例では、遊技球が図柄変動停止表示の度に放出されるため、放出された遊技球の動きによる演出効果が高まる。
次に、本発明の遊技台の第2実施形態について説明する。以下の説明では、これまで説明したきたパチンコ機との相違点を中心に説明し、重複する説明は省略する。また、これまで説明した構成要素と同じ構成要素には、これまで用いた符号と同じ符号を付して説明する。
図28は、第2実施形態のパチンコ機の遊技盤を正面から見た略示正面図である。
第2実施形態のパチンコ機における遊技盤102の構成は、遊技領域104の略中央に配置されたセンター役物250を除いて、第1実施形態のパチンコ機100における遊技盤の構成と同じである。第2実施形態におけるセンター役物250は、第1振分装置251、第2振分装置252、および第3振分装置253を有する。図28に示す第1振分装置251の機能は、第1実施形態の第1振分装置210の機能と同じであり、第1振分装置251は、第2振分装置252とアウト口241とのいずれか一方に遊技球を振分ける。すなわち、図28に示す第1振分装置251には、アウト口241につながる筒状のアウト口連絡ルート2511と、第2振分装置252を経由して第3振分装置253につながる同じく筒状の通過ルート2512それぞれが接続されており、第1振分装置210に貯留されている、第2特図始動口128に入賞した遊技球は、その第1振分装置251が、左回転するとアウト口連絡ルート2511を通ってアウト口241に振分けられ、反対に右回転すると通過ルート2512を通って第2振分装置252に振分けられる。
第2振分装置252は、回動通路2521と、図28では不図示のストッパを有する。
図29は、図28に示す第2振分装置252と第3振分装置253の構造を示す図である。
図29(a)は第2振分装置252が有するストッパの正面図であり、同図(b)はそのストッパの側面図である。
図29(b)に示すストッパ2522は、第2振分装置252を経由する通過ルート2512に対して進退する。すなわち、ストッパ2522は、筒状の通過ルート2512内を通過してきた遊技球Bを進出することによって通過ルート2512内に停留させ、後退することによって第2振分装置252を通過させる。図29(b)には、通過ルート2512に対して進出したストッパ2522が、その通過ルート2512を通過してきた遊技球Bを通過ルート2512内に停留させている様子が示されている。このストッパ2522には、同図(a)に示すオウムの顔を模した装飾2523が施され、ストッパ2522自体は遊技者からは見えない構造になっている。ストッパ2522は、このオウムの顔を模した装飾2523を介して、ソレノイド2524によって進退する。操作杆2524aには、その操作杆2524aを押し出す方向(図の左側)に付勢するバネ部材2524bが設けられている。ソレノイド2524は、オンすると、そのバネ部材2524bの付勢力に抗して操作杆2524aを引き込むものであり、ソレノイド2524がオンされることによってストッパ2522は通過ルート2512から後退する。すなわち、ストッパ2522は、同図(a)においては図の右側に移動し、同図(b)においては紙面奥側に移動する。一方、ソレノイド2525がオン状態からオフ状態へ切り替わると、装飾2523を介してバネ部材2524bの作用によって通過ルート2512に進出する。すなわち、ストッパ2522は、同図(a)においては図の左側に移動し、同図(b)においては紙面手前側に移動する。
また、筒状の通過ルート2512の周壁には開口2512aが設けられている。同図(b)に示すように、この開口2512aの大きさは遊技球Bよりも大きく、開口2512aの位置はストッパ2522によって停留された遊技球Bの位置に一致する位置である。
図29(c)は第2振分装置252が有する回動通路周辺の斜視図である。
筒状の回動通路2521はL字状のものであり、図29(c)では、図の左側に向かって延びている。一端側の開口2521aは下方に向かって開口している。また、第2振分装置252は、駆動モータ2525、モータギア2526、および環状の回動ギア2527も有する。筒状の回動通路2521の他端側の開口は、その環状の回動ギア2527の内周面2527aに開口している。同図(d)は、その他端側の開口2521bを、環状の回動ギア2527の内周面2527a側から見えるように示した図である。同図(c)に示す駆動モータ2525は正逆回転自在なものであり、この駆動モータ2525が回転するとモータギア2526も回転する。モータギア2526と回動ギア2527は噛合しており、駆動モータ2525からの回転駆動力は、モータギア2526を介して回動ギア2527に伝わり、回動キア2527とともに回動通路2521が回動する。なお、図28に示す回動通路2521は、通過ルート2512の裏側(遊技者側とは反対側)で、紙面奧側に向かって延びており、この図28に示す回動通路2521の位置が回動通路2521の初期位置になる。回動通路2521は、この初期位置から回動を開始し、回動を終えると、初期位置に復帰する。
環状の回動ギア2527は、同図(a)等に示す筒状の通過ルート2512に回動自在に外嵌めされており、回動ギア2527は、通過ルート2512を回動中心にして、通過ルート2512の周壁と回動ギア2527の内周壁2527aが接した状態で回動する。こうして回動ギア2527が回動することで、通過ルート2512の周壁に設けられた開口2512aと、回動通路2521の他端側の開口2521bが一致する。同図(b)に示すように、ストッパ2522によって通過ルート2512内に停留させられていた遊技球Bは、通過ルート2512の開口2512aと回動通路2521の開口2521bが一致することで、通過ルート2512から回動通路2521に流れ込む。一方、ストッパ2522が後退した状態で、通過ルート2512の開口2512aと回動通路2521の開口2521bが不一致であれば、遊技球は、第2振分装置252を通過して通過ルート2512をさらに進む。したがって、第2振分装置252は、遊技球Bを、回動通路2521と通過ルート2512とのいずれか一方に振分けるものである。
図28に示すように、第3振分装置253は、円形の回転テーブル2531を有し、その回転テーブル2531の中心部分2531aには、人形の装飾2531bが施されている。図29(e)は第3振分装置が有する回転テーブルを、人形の装飾2531bを省略して上方から表す図(上面図)である。図29(e)に示す回転テーブル2531は、所定の一方向に回転するものである。この回転テーブル2531では、外周部分2531cと、ここでは省略した人形の装飾2531bが施されている中心部分2531aが、回転方向に均等に間隔をあけて設けられた連結部2531dによって結ばれている。回転方向に隣り合う連結部2531dの空隙は、チャンスルート領域2532になり、このチャンスルート領域2532は5箇所に設けられている。また、外周部分2531cには、チャンスルート領域案内口2533が1箇所設けられている。チャンスルート領域案内口2533は、5箇所に設けられたチャンスルート領域2532のうちの所定の1箇所のチャンスルート領域2532につながるものである。さらに、外周部分2531cには、ハズレルート領域2534が3箇所設けられている。チャンスルート領域案内口2533と3つのハズレルート領域2534は、一つずつ90度間隔で設けられている。
同図(c)に示す回動通路2521は、下方を向いた一端側の開口2521aが、回転する回転テーブル2531のチャンスルート領域2532の真上にくるように回動し、回動通路2521に振分けられた遊技球は、チャンスルート領域2532に直接誘導される。一方、図28に示すように、通過ルート2512の終端に設けられた排出口2512bは、回転テーブル2531の外周部分2531cに向いており、第2振分装置252によって通過ルート2512に振分けられた遊技球は、通過ルート2512によって、チャンスルート領域案内口2533かハズレルート領域2534に誘導される。チャンスルート領域案内口2533に排出された遊技球は、上記所定の1箇所のチャンスルート領域2532に案内される。
また、第3振分装置253は、チャンスルート用遊技球集合樋とハズレルート用遊技球集合樋も有する。同図(d)は、これらの集合樋を示す図である。同図(d)に示すように、ハズレルート用遊技球集合樋2536は、チャンスルート用遊技球集合樋2535よりも大きく、チャンスルート用遊技球集合樋2535の真下に位置している。外側チャンスルート領域2532に直接誘導された遊技球や、チャンスルート領域案内口2533から外側チャンスルート領域2532に案内された遊技球は、チャンスルート用遊技球集合樋2535に落下し、ハズレルート領域2534に誘導された遊技球はハズレルート用遊技球集合樋2536に落下する。なお、チャンスルート用遊技球集合樋2535に落下した遊技球も、ハズレルート用遊技球集合樋2536に落下した遊技球も、遊技盤102の裏側(遊技者側とは反対側)を通って、遊技島側に排出される。
図30は、回動通路2521の回動を説明する図である。
図30(a)は、通過ルート2512、回動ギア2527、および回動通路2521を水平方向に沿って断面したときの様子を示す図である。
この図30(a)には、図29(e)に示す、第3振分装置の回転テーブル2531も示されている。また、図30(a)に点線で表す回動通路2521は初期位置にあるものである。この初期位置では、通過ルート2512の開口2512aと回動通路2521の開口2521bは不一致であり、遊技球は通過ルート2512に振分けられる。一方、実線で表す回動通路2521は、下方を向いた一端側の開口2521aが、回転する回転テーブル2531のチャンスルート領域2532の真上にくるように回動したものである。
図30(b)は、初期位置にある回動通路2521が少し回動した様子を示す図であり、同図(c)は、初期位置にある回動通路2521が同図(a)に実線で示す位置まで回動した様子を示す図である。なお、両図では、遊技者から回動通路2521がどのように見えるかを表すため、遊技者側に遊技者の目Eを記している。
初期位置にある回動通路2521は遊技者から見えなかったが、図30(b)に示す位置まで回動通路2521が回動してくると、遊技者には回動通路2521が見えてくる。この図30(b)では、通過ルート2512の開口2512aと回動通路2521の開口2521bは完全に一致していない。このため、図29(b)に示すように、ストッパ2522によって通過ルート2512内に停留させられていた遊技球Bは、両者の開口2512a,2521bを通過することができず、ストッパ2522が後退すると、ここではまだ、その遊技球Bは通過ルート2512に振分けられる。一方、同図(c)では、通過ルート2512の開口2512aと、回動通路2521の開口2521bが一致しており、上記遊技球Bは、両者の開口2512a,2521bを通過することが可能になり、その遊技球Bは回動通路2521に振分けられる。
図31は、遊技球が第2振分装置252によって通過ルート2512に振分けられるいくつかの演出態様を説明する図である。
図31(a)は、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がノーマルリーチであった場合の、遊技球の、回転テーブル2531の外周部分2531cへの排出を行う演出態様を示す図である。回転テーブル2531は、所定の一方向(ここでは右方向)に所定の一定速度で回転している(図中の矢印参照)。第2実施形態のパチンコ機でも、図19(a)に示す副制御部のメイン処理と同じ処理が実施され、ステップS309と同じステップでは、予告報知として、まず、特図表示装置114による変動表示が開始されると、第1振分装置210を右回転させるとともに、図29(a)に示す第2振分装置252のソレノイド2524をオフ状態に維持する(以下、これらの動作を第1振分動作態様と称する。)。この第1振分動作態様を行うことで、第1振分装置210に貯留されていた遊技球が第2振分装置252に振分けられ、第2振分装置252に振分けられた遊技球は一旦ストッパ2522によって通過ルート2512内に停留させられる。次いで、一定速度で回転している回転テーブル2531の外周部分2531cに設けられたチャンスルート領域案内口2533が、通過ルート2512の、その外周部分2531cを向いて配置された排出口2512bを通過したことを不図示のセンサが検知すると、回動通路2521は回動させずに第2振分装置252のソレノイド2524をオン状態に切り替える。このソレノイド2524のオン状態への切り替えは、特図表示装置114が停止表示する前までに行われ、以降の同図(b)〜(d)においても同様である。なお、ソレノイド2524のオン状態への切り替えタイミングは、遊技者がセンター役物200以外による演出を楽しめるように、特図表示装置114が停止表示を行う直前であることが好ましい。ソレノイド2524がオン状態へ切り替えられると、ストッパ2522によって通過ルート2512内に停留させられていた遊技球が、通過ルート2512の排出口2512b側に振分けられ、遊技球はその排出口2512bに到達する。図31(a)は、遊技球が排出口2512bに到達した様子を示す図であり、以降の同図(b)〜(d)においても同様である。また、外周部分2531cに設けられた3つのハズレルート領域2534はいずれも、外周部分2531cの外周縁2531eから切り欠かれた開口であり、以下、回転テーブル2531の回転方向(図中の矢印参照)に見て、チャンスルート領域案内口2533の隣に位置するハズレルート領域2534を第1ハズレルート領域2534aと称し、通過ルート2512の排出口2512をチャンスルート領域案内口2533が通過してから次に通過するハズレルート領域を第1ハズレルート領域2534aと称し、その次に通過するハズレルート領域を第2ハズレルート領域2534bと称し、3番目に通過するハズレルート領域を第3ハズレルート領域2534cと称する。さらに、同図(a)に示すハッチングを施した開度略90度の扇形の領域Sは、一定速度で回転する回転テーブル2531が、遊技球が到達した排出口2512bの位置を通過する領域を表すものであり、以降の同図(b)〜(d)においても同様である。当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がノーマルリーチであった場合の同図(a)では、この領域Sの範囲は、チャンスルート領域案内口2533よりも、回転テーブル2531の回転方向下流側であって、第1ハズレルート領域2534aを越えない範囲である。通過ルート2512は排出口2512bに向かって下方へ傾斜しており、第1ハズレルート領域2534aが排出口2512bの目の前に来る前にその排出口2512bに到達した遊技球Bは、回転テーブル2531が回転することによって第1ハズレルート領域2534aが目の前を通過するまで外周部分2531cの外周縁2531eに当接している。やがて、第1ハズレルート領域2534aが目の前に来ると、その遊技球Bは第1ハズレルート領域2534aへ排出される。
同図(b)は、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がロングリーチであった場合の、遊技球の、回転テーブル2531の外周部分2531cへの排出を行う演出態様を示す図である。ここでも、図19(a)に示すステップS309と同じステップにおいて、予告報知として、まず、同図(a)と同じく第1振分動作態様を行い、遊技球は第2振分装置252のストッパ2522によって通過ルート2512内に一旦停留させられる。次いで、一定速度で回転している回転テーブル2531の外周部分2531cに設けられた第1ハズレルート領域2534aが、通過ルート2512の排出口2512bを通過したことを不図示のセンサが検知すると、回動通路2521は回動させずに第2振分装置252のソレノイド2524をオン状態に切り替える。これにより、遊技球が、通過ルート2512の排出口2512b側に振分けられ、遊技球はその排出口2512bに到達する。当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がロングリーチであった場合の同図(b)に示す領域Sの範囲は、第1ハズレルート領域2534aよりも、回転テーブル2531の回転方向下流側であって、第2ハズレルート領域2534bを越えない範囲である。第2ハズレルート領域2534bが排出口2512bの目の前に来る前にその排出口2512bに到達した遊技球Bは、回転テーブル2531が回転することによって第2ハズレルート領域2534bが目の前を通過するまで外周部分2531cの外周縁2531eに当接している。やがて、第2ハズレルート領域2534bが目の前に来ると、その遊技球Bは第2ハズレルート領域2534bへ排出される。
同図(c)は、当り抽選の結果がハズレであって、かつ装飾図柄(図7(b)参照)の演出抽選の結果がダブルラインリーチあるいはトリプルラインリーチであった場合の、遊技球の、回転テーブル2531の外周部分2531cへの排出を行う演出態様を示す図である。ここでも、図19(a)に示すステップS309と同じステップにおいて、予告報知として、まず、第1振分動作態様を行い、遊技球は第2振分装置252のストッパ2522によって通過ルート2512内に一旦停留させられる。次いで、第2ハズレルート領域2534bが、通過ルート2512の排出口2512bを通過したことを不図示のセンサが検知すると、回動通路2521は回動させずに第2振分装置252のソレノイド2524をオン状態に切り替え、遊技球はその排出口2512bに到達する。同図(c)に示す領域Sの範囲は、第2ハズレルート領域2534bよりも、回転テーブル2531の回転方向下流側であって、第3ハズレルート領域2534cを越えない範囲である。第3ハズレルート領域2534cが排出口2512bの目の前に来る前にその排出口2512bに到達した遊技球Bは、第3ハズレルート領域2534cが目の前を通過するまで外周部分2531cの外周縁2531eに当接しており、第3ハズレルート領域2534cが目の前に来ると、その遊技球Bは第3ハズレルート領域2534cへ排出される。
同図(d)は、当り抽選の結果が大当りであった場合の、遊技球の、回転テーブル2531の外周部分2531cへの排出を行う演出態様を示す図である。ここでも、図19(a)に示すステップS309と同じステップにおいて、予告報知として、まず、第1振分動作態様を行い、遊技球は第2振分装置252のストッパ2522によって通過ルート2512内に一旦停留させられる。次いで、第2ハズレルート領域2534cが、通過ルート2512の排出口2512bを通過したことを不図示のセンサが検知すると、回動通路2521は回動させずに第2振分装置252のソレノイド2524をオン状態に切り替え、遊技球はその排出口2512bに到達する。同図(d)に示す領域Sの範囲は、第3ハズレルート領域2534cよりも、回転テーブル2531の回転方向下流側であって、チャンスルート領域案内口2533を越えない範囲である。チャンスルート領域案内口2533が排出口2512bの目の前に来る前にその排出口2512bに到達した遊技球Bは、チャンスルート領域案内口2533が目の前を通過するまで外周部分2531cの外周縁2531eに当接しており、チャンスルート領域案内口2533が目の前に来ると、その遊技球Bはチャンスルート領域案内口2533へ排出される。
図32は、遊技球が第2振分装置252によって回動通路2521に振分けられる演出態様を説明する図である。
回転テーブル2531は、駆動モータ2537からの駆動力を受けて、所定の一定速度で所定の一方向に回転する(図中の矢印参照)。同図(a)は、回動通路2521が初期位置にある状態を示す図であり、遊技球が回動通路2521に振分けられず、チャンスルート領域2532に遊技球が誘導される遊技者からみた可能性が相対的に低く、遊技者の期待感も相対的に低い。同図(b)は、初期位置にあった回動通路2521を少しだけ回動させた状態を示す図である。この状態では、実際には、遊技球が回動通路2521に振分けられないが、チャンスルート領域2532に遊技球が誘導される遊技者からみた可能性は、同図(a)に示す回動通路2521が初期位置にある可能性より、回動通路2521が回動しただけ高い。しかしながら、遊技者の期待感はさほど高いものではない。同図(c)は、回動通路2521を図30(b)に示す状態までさらに回動させた様子を示す図である。上述のごとく、図30(b)に示す状態では、実際には、遊技球が回動通路2521に振分けられないが、チャンスルート領域2532に遊技球が誘導される遊技者からみた可能性は、同図(b)に示す状態よりも高く、遊技者の期待感はかなり高くなる。
図19(a)に示すステップS309と同じステップでは、予告報知として、まず、特図表示装置114による変動表示が開始されると、上述の第1振分動作態様を行い、遊技球は第2振分装置252のストッパ2522によって通過ルート2512内に一旦停留させられる。次いで、回動通路2521を初期位置から回動させる。ここで、偽事前予告を行う場合には、図32(c)に示す状態まで回動通路2521を回動させた後、初期位置へ回動通路2521を戻す。なお、第2振分装置252のソレノイド2524は、例えば、チャンスルート領域案内口2533が、通過ルート2512の排出口2512bを通過したことを不図示のセンサが検知したタイミングでオン状態に切り替えられ、遊技球は、通過ルート2512の排出口2512b側に振分けられる。一方、事前予告を行う場合には、図32(d)に示す状態まで回動通路2521をさらに回動させる。同図(d)は、下方を向いた一端側の開口2521aが、回転する回転テーブル2531のチャンスルート領域2532の真上にくるまで回動通路2521を回動させた様子を示す図である。すなわち、この同図(d)に示す回動通路2521の状態は、図30(c)に示す状態であり、通過ルート2512の開口2512aと、回動通路2521の開口2521bが一致し、遊技球は回動通路2521に振分けられ、回動通路2521に振分けられた遊技球は、チャンスルート領域2532に直接誘導される。回動通路2521は、特図表示装置114が停止表示する前までに図32(d)に示す状態になる。なお、回動通路2521が図32(d)に示す状態になるタイミングは、遊技者がセンター役物200以外による演出を楽しめるように、特図表示装置114が停止表示を行う直前であることが好ましい。
以上説明した第2実施形態でも、センター役物250が本発明にいう予告報知手段の一例に相当する。また、第1振分装置251を、本発明にいう放出手段の一例としてとらえることができる。第1振分装置251を放出手段も一例としてとらえると、通過ルート2512の、第1振分装置251からストッパ2522が設けられた部分までが、本発明にいう通過領域の一例に相当する。また、回動通路2521が本発明にいう誘導手段の一例に相当し、チャンスルート領域2532を本発明にいう所定領域にすると、初期位置にある状態や図30(b)に示す状態が本発明にいう非誘導状態に相当し、図30(c)に示す状態が本発明にいう誘導状態に相当することになる。
また、第2振分装置252を、本発明にいう放出手段の一例としてとらえることもできる。第2振分装置252を放出手段も一例としてとらえると、通過ルート2512の、ストッパ2522が設けられた部分から排出口2512bまでが、本発明にいう通過領域の一例に相当する。また、第3振分装置253が本発明にいう誘導手段の一例に相当し、チャンスルート領域案内口2533を本発明にいう所定領域にすると、図31(a)〜同図(c)に示す状態が本発明にいう非誘導状態に相当し、同図(d)に示す状態が本発明にいう誘導状態に相当することになる。
第2実施形態のパチンコ機においても、第1実施形態のパチンコ機と同じく、遊技性が高められ、遊技者の遊技意欲を持続させることができる。
続いて、第1実施形態のパチンコ機および第2実施形態のパチンコ機の装飾図柄表示装置110においてなされる予告報知について説明する。
図33は、図柄の変動開始と同時に予告報知を開始し、左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示前に予告報知を終了する例を説明するための図である。
この図33には、特図表示装置114と装飾図柄表示装置110それぞれにおける入賞順変動の流れが示されている。
図33(a)は、主制御部300が、特図表示装置114を用いて特図の停止表示を行い、副制御部400が、装飾図柄表示装置110を用いて装飾図柄の停止表示(確定表示)(この例では、ハズレに対応する装飾7−装飾5−装飾6の停止表示)を行っている状態を示している。また、同時に、主制御部300は、特図保留ランプ118を用いて、保留している特図変動遊技の回数(この例では0回)を表示している。
同図(b)は、第2特図始動口128に入賞があった状態を示している。主制御部300が、第1始動口センサにより第2特図始動口128の入球を検出した場合には、保留している特図変動遊技の数が所定数(本実施形態では4)であるため、上述の特図当選乱数値と特図乱数値を取得した後、これらの乱数値をRAM308に設けた特図乱数値記憶領域のうちの特図変動遊技の保留数に基づいて決定される記憶領域に格納する(上記ステップS1101〜S1104)。また、主制御部300は、同図(b)に示すように、特図保留ランプ118を用いて、保留している特図変動遊技の回数(この例では1回)に対応する数のランプを点灯する。
続いて、主制御部300は、図13に示す特図関連抽選処理における当り抽選(ステップS2105)等、一連の処理を実行する。ここでは、第1ハズレに当選し、主制御部300は、コマンド設定送信処理で一般コマンド回転開始設定送信処理を実行させるために、RAM308に設けた送信情報記憶領域に、変動開始を示す情報である図柄変動開始コマンドを送信情報(一般情報)として追加記憶する(ステップS215)。
続いて、主制御部300は、同図(c)に示すように、特図表示装置114を用いて、特図の変動表示を開始するとともに、副制御部400に図柄変動開始コマンドを送信する。これにより、副制御部400は、装飾図柄表示装置110を用いて、特図変動遊技に基づく装飾図柄による変動表示を開始する。また、この図柄変動開始コマンドを受信した副制御部400は、上述の特図保留増加処理を実行する。ここでは、副制御部400が受信した図柄変動開始コマンドには、保留増加数が1であることを表す特図の保留数増加情報や、普図確率変動フラグがオフであることを表す情報等が含まれている。また、この保留数増加情報には、図14(a)に示す大当りや小当りの数値範囲には属さずハズレの数値範囲に属する特図当選乱数値と、図14(b)に示す第1ハズレの数値範囲に属する特図乱数値が含まれている。この結果、図20に示すステップS433における判定が実施され、まず、RAM408に設けた特図予告抽選乱数カウンタから特図予告抽選乱数値を取得する。ここでは、保留増加数が1で増加分を除いた保留数が0であり、取得した特図予告抽選乱数値は、第2偽事前予告回数決定テーブルにおける第2偽事前予告無しの数値範囲に属し、事前予告や偽事前予告が行われないことになる。なお、主制御部300は、特図保留ランプ118を用いて、保留していた特図変動遊技の回数(この例では1回)に対応する数のランプを消灯する。
同図(d)は、第2特図始動口128に4回の入賞があった状態を示している。ここでは、装飾図柄表示装置110による特図変動遊技に基づく装飾図柄による変動表示が開始しているため、抽選禁止条件が成立しており、ここでの第2特図始動口128への入賞に基づく抽選は総て保留される。主制御部300は、同図(d)に示すように、特図保留ランプ118を用いて、保留している特図変動遊技の回数(この例では4回)に対応する数のランプを点灯する。
同図(e)では、装飾図柄表示装置110による特図変動遊技に基づく装飾図柄による変動表示において、左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示し、同図(f)では、右図柄表示領域110cの装飾図柄が停止表示し、同図(g)では、最後に中図柄表示領域110bの装飾図柄が停止表示して確定表示(ここではハズレに対応する装飾4−装飾2−装飾3の確定表示)がなされている。また、同図(g)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示されている。
特図の停止表示が終了すると、抽選禁止条件が不成立になり、主制御部300は、図13に示す特図関連抽選処理における当り抽選(ステップS2105)等、一連の処理を実行し、続いて、主制御部300は、特図変動遊技を開始する。具体的には、主制御部300は、同図(h)に示すように、特図表示装置114を用いて、特図の変動表示を開始するとともに、副制御部400に図柄変動開始コマンドを送信する。これにより、副制御部400は、装飾図柄表示装置110を用いて、特図変動遊技に基づく装飾図柄による変動表示を開始する。なお、主制御部300は、特図保留ランプ118を一つ消灯する。
また、この図柄変動開始コマンドを受信した副制御部400は、上述の特図保留増加処理を実行する。ここでは、副制御部400が受信した図柄変動開始コマンドには、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報や、普図確率変動フラグがオフであることを表す情報等が含まれている。また、この保留数増加情報のうちの、最後に増加した保留を除く3つの保留のいずれの特図当選乱数値も、図14(a)に示す大当りの数値範囲に属するものではないが、最後に増加した保留の特図当選乱数値は図14(a)に示す大当りの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値は図14(d)に示す15Rの数値範囲に属するものであり、図20に示すステップS420における判定が実施される。ステップS420では、まず、RAM408に設けた特図予告抽選乱数カウンタから特図予告抽選乱数値が取得される。ここでは、保留増加数が4で増加分を除いた保留数が1であり、特図予告抽選乱数値は、図21(a)に示す事前予告決定テーブルにおける事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS421において事前予告回数は4回に決定される。この結果、副制御部400は、図柄の変動開始と同時に、「アタリですかな?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として装飾図柄表示装置110に報知させる。同図(h)〜(j)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。ここでの図柄の変動時間は5秒である。また、ここでの予告報知は、連続する図柄変動停止表示における1回目になり、同図(i)に示す左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示する前に終了する。同図(k)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、第1ハズレに対応する装飾0−装飾8−装飾9の停止表示がなされている。
続いて、主制御部300は、再び、特図変動遊技を開始し、同図(l)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。なお、特図保留ランプ118は一つ消灯する。また、副制御部400は、図柄の変動開始と同時に、「アタリかな?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として装飾図柄表示装置110に報知させる。同図(l)〜(n)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。ここでの図柄の変動時間も5秒である。また、ここでの予告報知は、2回目になり、同図(m)に示す左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示する前に終了する。同図(o)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、第1ハズレに対応する装飾5−装飾3−装飾4の停止表示がなされている。
続いて、主制御部300は、三度目の特図変動遊技を開始し、同図(p)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。なお、特図保留ランプ118は一つ消灯する。また、副制御部400は、図柄の変動開始と同時に、「アタリ?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として装飾図柄表示装置110に報知させる。同図(p)〜(r)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。ここでの図柄の変動時間も5秒である。また、ここでの予告報知は、3回目になり、同図(q)に示す左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示する前に終了する。同図(s)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、第1ハズレに対応する装飾9−装飾7−装飾8の停止表示がなされている。
続いて、主制御部300は、四度目の特図変動遊技を開始し、同図(t)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。なお、特図保留ランプ118は一つ消灯し、保留が総てなくなる。また、副制御部400は、図柄の変動開始と同時に、「アタリか?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として装飾図柄表示装置110に報知させる。同図(t)〜(x)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。ここでの図柄の変動時間は40秒である。また、ここでの装飾図柄表示装置110の変動形態は、ダブルラインリーチである。4回目になる予告報知は、同図(u)に示す左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示する前に終了する。同図(y−1)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す15R特別大当り図柄の「特図A」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、15R特別大当りに対応する装飾7−装飾7−装飾7の停止表示がなされている。
また、同図(g)から同図(h)にかけてのタイミングで副制御部400が受信した図柄変動開始コマンドに含まれている、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報の、最後に増加した保留の特図当選乱数値が図14(a)に示す小当りの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値が図14(c)に示す第2小当りの数値範囲に属するものであって、特図予告抽選乱数値が、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルにおける第1偽事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS426において第1偽事前予告回数が4回に決定された場合にも、同図(x)までは同じであり、同図(y−2)に示すように、特図表示装置114には、図7(a)に示す第2小当り図柄の「特図H」と同じ停止図柄態様が表示される。また、装飾図柄表示装置110には、第2小当りに対応する装飾1−装飾2−装飾3の停止表示がなされる。
さらに、同図(g)から同図(h)にかけてのタイミングで副制御部400が受信した図柄変動開始コマンドに含まれている、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報の、最後に増加した保留の特図当選乱数値がハズレの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値が図14(b)に示す第2ハズレの数値範囲に属するものであって、特図予告抽選乱数値が、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルにおける第1偽事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS431において第1偽事前予告回数が4回に決定された場合にも、同図(x)までは同じであり、同図(y−3)に示すように、特図表示装置114には、図7(a)に示す第2ハズレ図柄の「特図J」と同じ停止図柄態様が表示される。また、装飾図柄表示装置110には、第2ハズレに対応する装飾3−装飾2−装飾3の停止表示がなされる。
図34は、連続予告において、途中の図柄変動に長時間の図柄変動が入る場合の予告報知を説明するための図である。
図33を用いて説明した事項と重複する事項は省略して説明する(以下、同じ。)。この図34に示す例でも、予告報知は、連続する4回の図柄変動停止表示にわたって行われる。
図34(a)に示す状態では保留が4つ増加し、副制御部400に送られてくる図柄変動開始コマンドには、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報が含まれている。この保留数増加情報のうちの、最後に増加した保留を除く3つの保留のいずれの特図当選乱数値も、図14(a)に示す大当りの数値範囲に属するものではないが、最後に増加した保留の特図当選乱数値は図14(a)に示す大当りの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値は図14(d)に示す15Rの数値範囲に属するものであり、図20に示すステップS420における判定が実施され、特図予告抽選乱数値は、図21(a)に示す事前予告決定テーブルにおける事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS421において事前予告回数は4回に決定される。
主制御部300は、特図変動遊技を開始し、同図(b)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。副制御部400は、ここでも図柄の変動開始と同時に、「アタリですかな?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として報知する。同図(b)〜(d)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。ここでの図柄の変動時間は5秒である。また、ここでの予告報知は、連続する図柄変動停止表示における1回目になり、同図(c)に示す左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示する前に終了する。同図(e)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、第1ハズレに対応する装飾0−装飾8−装飾9の停止表示がなされている。
特図の停止表示が終了すると、副制御部400は、主制御部300から図柄変動開始コマンドを再び受信し、図23および図24に示す変動パターン選択処理を実行する。ここでは、この変動パターン選択処理におけるステップS509が実行されたが、擬似連演出を行うことの抽選にハズレ、擬似連演出は行われない。しかしながら、40秒に亘る図柄の変動表示が行われることから、ステップS504において、5秒を越えない間隔で予告報知を繰り返し行う予告報知の演出データを選択する。すなわち、この例では、40秒に亘る図柄の変動表示を行う図柄変動停止表示を実行する場合には、その40秒に亘る図柄の変動表示において、タイマ1の変動時間である5秒を超えない間隔(例えば3秒)で予告報知を繰り返し行う。このように、連続した複数回の図柄変動停止表示に亘って予告報知を行う場合の途中の図柄変動停止表示(2回目以降の先図柄変動停止表示)が5秒を越える長い変動時間の場合、擬似連演出をするか否かに係らず所定時間(例えば5秒)以上間隔が開かないように予告報知を行うことで、長い変動表示の終了に続いて短い変動表示において予告報知を行った場合に、前の予告報知との関連性(連続性)を遊技者に認識させることができる。従って、予告報知の演出効果が低下するのを防ぐことができ、遊技者の興趣の低下を防止することができる。なお、1回の図柄変動停止表示において予告報知を複数回行う場合は同じ予告演出を繰り返してもよいし、この例に示すように毎回予告演出を異ならせてもよい。
主制御部300は、特図変動遊技を開始し、同図(f)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。同図(f)〜(j)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。ここでの図柄の変動時間は40秒である。また、ここでの装飾図柄表示装置110の変動形態は、マルチラインリーチである。副制御部400は、まず、図柄の変動開始と同時に、「アタリかな?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として報知し、その後、5秒を越えない間隔で予告報知を繰り返し行う(同図(h)と(i)を繰り返す)。同図(k)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、第1ハズレに対応する装飾5−装飾4−装飾5の停止表示がなされている。
特図の停止表示が終了すると、副制御部400は、主制御部300から図柄変動開始コマンドをまた受信し、上述の変動パターン選択処理を実行する。ここでは、この変動パターン選択処理におけるステップS504において、予告報知を変動開始から2秒行い、今回(3回目)の図柄変動における予告報知と、次回(4回目)の図柄変動における予告報知との時間間隔を、少なくとも、タイマ1の変動時間である5秒よりも短い3秒の時間とする予告報知の演出データを選択する。
主制御部300は、特図変動遊技を開始し、同図(l)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。同図(l)〜(o)の間に、特図表示装置114では図柄の変動表示が行われている。副制御部400は、ここでも図柄の変動開始と同時に、「アタリ?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として2秒間報知し、3秒間は事前予告を行わない。すなわち、予告報知時間を2秒、インターバル時間を3秒とする。こうすることで、長い変動での予告報知にメリハリをもたせて演出が単調になることを防ぎ、遊技者の興趣を向上させることができる。ここでの図柄の変動時間は5秒であることから、インターバル時間の3秒が経過する時点で、同図(o)に示すように特図表示装置114に、図7(a)に示す第1ハズレ図柄の「特図I」と同じ停止図柄態様が表示される。また、装飾図柄表示装置110には、第1ハズレに対応する装飾9−装飾7−装飾8の停止表示がなされる。
特図の停止表示が終了すると、主制御部300は、特図変動遊技をまた開始し、同図(q)に示すように、特図表示装置114は図柄の変動を開始するとともに、装飾図柄表示装置110は装飾図柄の変動表示を開始する。また、副制御部400は、図柄の変動開始と同時に、「アタリか?」という吹き出しを添えたキャラクター図柄を事前予告として報知する。今回の予告報知と前回の事前予告とでは、3秒以上の時間が空いている。ここでの装飾図柄表示装置110の変動形態は、ダブルラインリーチである。同図(u)に示す特図表示装置114には、図7(a)に示す15R特別大当り図柄の「特図A」と同じ停止図柄態様が表示されている。また、装飾図柄表示装置110には、15R特別大当りに対応する装飾7−装飾7−装飾7の停止表示がなされている。
図35は、図24に示すステップS509における副制御部の抽選に基づく擬似連を行った場合の予告報知の例を示す図である。
この図35でも、予告報知は、連続する4回の図柄変動停止表示にわたって行われる。
また、図34に示す例と同じく、連続予告において、途中の図柄変動停止表示に長時間の図柄変動が入る。しかしながら、図34に示す例では、図24に示すステップS509における副制御部400の抽選に基づく擬似連演出は行われていないが、この図35に示す例では、その擬似連演出が行われる。以下、図34に示す例との相違点について説明する。
連続予告における2回目の図柄変動停止表示(図35(f)〜(m))の変動時間は20秒であり、この2回目の図柄変動停止表示が始まる前に、図24に示す変動パターン選択処理におけるステップS509が実行され、擬似連演出を行うことの抽選に当選している。ここでは、20秒の変動時間を5秒(タイマ1の変動時間)ごとに分け、合計4回の擬似連演出を行う。各擬似連演出では、最初に予告報知を行い、最後に図柄の仮停止を行う。図35(f)〜(g),(h)〜(i),(j)〜(k),(l)〜(m)の4回の擬似連演出が行われ、図35(f),(h),(j),(l)のそれぞれで予告報知を行い、図35(g),(i),(k),のそれぞれで仮停止を行っている。なお、図35(m)では、図柄変動停止表示における停止表示(本停止)のタイミングと一致するため、ここでは仮停止ではなく本停止が行われる。
また、変動時間が40秒である場合には、40秒の変動時間を5秒(タイマ1の変動時間)ごとに分け、合計8回の擬似連演出を行ってもよいし、あるいは10秒(タイマ2の変動時間)ごとに分け、合計4回のノーマルリーチ擬似連演出を行ってもよい。
図35に示す例では、予告報知が仮停止表示であるため、1回の変動表示において図柄が停止する表示が複数回行われることとなる。また、長い変動表示においては、仮停止表示が複数回行われることとなるため、仮停止表示と停止表示とが連続した予告報知を行うことができ、予告報知の演出効果を高めることができ、遊技者の興趣を向上させることができる。
図36は、副制御部の抽選に基づく擬似連における仮停止を予告報知として行った場合の例を示す図である。
この図36でも、予告報知は、連続する4回の図柄変動停止表示にわたって行われる。
連続する4回の図柄変動停止表示のうち、最初の図柄変動停止表示(最先の先図柄変動停止表示)(図36(a)〜(e))および3回目の先図柄変動停止表示(図36(n)〜(q))それぞれの変動時間は5秒である。この5秒の変動時間を2.5秒ごとに分け、合計2回の擬似連演出を行う。各擬似連演出では、最後に、図柄の仮停止を予告報知として行う。こうして、予告報知としての仮停止が図36(c),(o)において行われる。図36(e),(q)では、図柄変動停止表示における停止表示(本停止)のタイミングと一致するため、ここでは仮停止ではなく本停止が行われる。
2回目の先図柄変動停止表示(図36(f)〜(m))の変動時間は20秒である。この20秒の変動時間を5秒ごとに分け、合計4回の擬似連演出を先と同様にして行う。こうして、予告報知としての仮停止が図36(g),(i),(k)において行われる。
最後の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)(図36(r)〜(z))の変動時間は40秒である。この40秒の変動時間を10秒ごとに分け、擬似連演出を行う。この最後の図柄変動停止表示では、予告報知としての仮停止が図36(s),(u)において行われる。ここでの装飾図柄表示装置110の変動形態は、ダブルラインリーチであり、残り20秒から、左右図柄表示領域110a、110cにそれぞれ等しい装飾図柄を停止表示し(図36(w)参照)、中図柄表示領域110bの装飾図柄だけ変動表示を継続する。したがって、残りの2回の擬似連演出では、ダブルラインリーチの変動を優先し、仮停止(予告報知)は行わない。このように、擬似連演出を複数の図柄変動停止表示に亘って連続して行い、仮停止を予告報知とする。なお、選択されたタイマ番号が5秒を越える長い変動時間の場合は、仮停止までの変動時間にわたって、タイマ1と同じ表示態様で擬似連を行ってもよい。また、選択されたタイマ番号が5秒以下の短い変動時間のものであっても、仮停止表示を1回以上表示することで予告報知を行ってもよい。
図37は、遊技状態に応じて予告報知の演出内容が異なる場合の一例を示す図である。
本実施形態のパチンコ機100の遊技状態には、通常状態、特図高確率普図高確率状態、特図高確率普図低確率状態、特図低確率普図高確率状態、および特図低確率普図低確率状態がある。図37に示す予告報知の例は、パチンコ機100が、特図高確率普図低確率状態、いわゆる隠れ確変状態にあるときの例である。この図37に示す予告報知の例と、図33に示した予告報知の例とでは、事前予告に用いているキャラクターの吹き出しの言葉(台詞)が異なる以外は同じである。すなわち、図37に示す予告報知の例では、キャラクターの台詞が総て「BONUS?」になっている(図37(h),(l),(p),(t)参照)。図23に示す変動パターン選択処理におけるステップS504において、パチンコ機100の遊技状態に応じて、このようなちょっとした違いをもたせた予告報知の演出データを選択することで、遊技者に、パチンコ機100の遊技状態が変動していることを示唆することができ、好ましい。すなわち、図37に示す例では、通常状態での予告報知と異なる予告報知を遊技者に認識させることで、その遊技者に隠れ確変状態かもしれないと思わせることができる。なお、通常状態と通常状態とは異なる状態(本例のような隠れ確変状態)とで共通する複数の予告報知を行うようにし、状態別に予告報知が行われる頻度を異ならせてもよく、この場合、特定の予告報知が頻出することを遊技者に認識さることで、その遊技者に隠れ確変状態かもしれないと思わせることができる。
図38は、予告報知を行う手段を追加した例を示す図である。
この図38に示す例では、4つある特図保留ランプ118のうちの、最後の保留を表すランプ1181の点灯態様(色や点灯周期等)が、そのランプ1181自身の通常時の点灯態様とは異なっている。この例では、吹き出しを添えたキャラクター図柄の表示とは別に、最後の保留を表すランプ1181によっても予告報知を行う。図38(d)〜(s)に示す最後の保留を表すランプ1181は発光色が異なっている。また、図38に示す例では、特図の保留数を表す表示119が、装飾図柄表示装置110の演出表示領域110dに示される。この特図の保留数を表す表示119においても、最後の保留を表す表示1191の表示態様(色や形等)が、その表示1191自身の通常時の表示態様とは異なっており、その表示1191によっても予告報知を行う。図38(d)〜(s)に示す最後の保留を表す表示1191は表示色が異なっている。
吹き出しを添えたキャラクター図柄の表示による予告報知と、最後の保留を表す表示1191による予告報知は、副制御部400が行い、最後の保留を表すランプ1181の点灯制御は、主制御部300が行う。
なお、予告報知は、音等で行ってもよい。
また、図38(m)では、第2特図始動口128に入賞があった状態を示している。ここでの入賞に基づく図柄変動停止表示は、予告報知がなされている連続した図柄変動停止表示の終了後になり、ここでは保留される。この図38に示す例では、予告報知がなされている連続した図柄変動停止表示の終了後に、その保留が消化されること(図柄変動停止表示が開始されること)を明確にするため、ここでの入賞に基づく保留を表すランプ1182の点灯態様を、そのランプ1182自身の、通常時の点灯態様および最後の保留を表す点灯態様双方の点灯態様とは異ならせている。さらに、装飾図柄表示装置110の演出表示領域110dに示される、特図の保留数を表す表示1192においても、その表示1192自身の、通常時の表示態様および最後の保留を表す表示態様双方の表示態様とは異ならせている。
図39は、勝負演出への移行で予告報知を行う例を示す図である。
図39(a)に示す保留が何も無い状態から同図(b)において第2特図始動口128に1回の入賞があり、図柄の変動表示を行っている間(同図(c)〜(f))、同図(d)において、第2特図始動口128に4回の入賞があった。ここでも、副制御部400に送られてくる図柄変動開始コマンドには、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報が含まれている。この保留数増加情報のうちの、最後に増加した保留を除く3つの保留のいずれの特図当選乱数値も、図14(a)に示す大当りの数値範囲に属するものではないが、最後に増加した保留の特図当選乱数値は図14(a)に示す大当りの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値は図14(d)に示す15Rの数値範囲に属するものであり、図20に示すステップS420における判定が実施され、特図予告抽選乱数値は、図21(a)に示す事前予告決定テーブルにおける事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS421において事前予告回数は4回に決定される。なお、図柄変動停止表示は連続して4回行われる。
図39(g)において、特図表示装置114は図柄変動を終了し、第1ハズレの停止図柄態様を表示するとともに装飾図柄表示装置110も第1ハズレの装飾図柄の組み合わせ(装飾4−装飾2−装飾3)を停止表示する。特図の停止表示が終了すると、副制御部400は、主制御部300から図柄変動開始コマンドを受信し、上述の変動パターン選択処理を実行して、予告報知の演出データを選択する(ステップS504)。ここでは、予告報知の演出データとして主人公と敵役による勝負演出の演出データを選択する。
図39(h)では、1回目の図柄変動停止表示(最先の図柄変動停止表示)が開始され、特図表示装置114が図柄変動を開始する。また、1回目の図柄変動停止表示では、装飾図柄表示装置110に表示される画像の背景が切り替わり、主人公と敵役による勝負演出に移行する。この例では、こうして背景が切り替わって勝負演出が表示されていること自体が予告報知である。この勝負演出による予告報知は、4回目の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)まで続けて行われる。さらに、同図(i)では、左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示するタイミングで、装飾図柄表示装置110に主人公と敵役が切り結ぶ場面が表示される。この、主人公と敵役が切り結ぶ場面が表示されることも予告報知である。すなわち、この場面表示による予告報知は、図33等の例でキャラクタが登場した予告報知と同じ種類の単発の予告報知である。同図(k)では、特図表示装置114が図柄変動を終了し、第1ハズレの停止図柄態様を表示するとともに、装飾図柄表示装置110は、第1ハズレの装飾図柄の組み合わせ(装飾0−装飾8−装飾9)を右上に停止表示する。
図39(l)〜(o)が2回目の先図柄変動停止表示になり、図39(p)〜(s)が3回目の先図柄変動停止表示になる。これらの先図柄変動停止表示においても、装飾図柄表示装置110には、勝負演出が表示され、予告演出が継続している。さらに、同図(m)や(q)に示すように、左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示するタイミングで、装飾図柄表示装置110に主人公と敵役が切り結ぶ場面が単発の予告演出として表示される
図39(t)では、4回目の図柄変動停止表示(特定図柄変動停止表示)が開始され、特図表示装置114が図柄変動を開始する。装飾図柄表示装置110には、引き続き勝負演出が表示され、予告演出が継続している。また、同図(u)では、左図柄表示領域110aの装飾図柄が停止表示するタイミングで、装飾図柄表示装置110に主人公と敵役が切り結ぶ場面が単発の予告演出として表示され、同図(y−1)では、特図表示装置114が図柄変動を終了し、15R特別大当りの停止図柄態様を表示する。また、装飾図柄表示装置110は、勝負がついて主人公が勝利した画像とともに15R特別大当りの装飾図柄の組み合わせ(装飾7−装飾7−装飾7)を中央に大きく停止表示する。
また、同図(g)から同図(h)にかけてのタイミングで副制御部400が受信した図柄変動開始コマンドに含まれている、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報の、最後に増加した保留の特図当選乱数値が図14(a)に示す小当りの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値が図14(c)に示す第2小当りの数値範囲に属するものであって、特図予告抽選乱数値が、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルにおける第1偽事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS426において第1偽事前予告回数が4回に決定された場合にも、同図(x)までは同じであり、同図(y−2)に示すように、特図表示装置114には、図7(a)に示す第2小当り図柄の「特図H」と同じ停止図柄態様が表示される。また、装飾図柄表示装置110には、第2小当りに対応する装飾1−装飾2−装飾3の停止表示がなされる。
さらに、同図(g)から同図(h)にかけてのタイミングで副制御部400が受信した図柄変動開始コマンドに含まれている、保留増加数が4であることを表す特図の保留数増加情報の、最後に増加した保留の特図当選乱数値がハズレの数値範囲に属するものであるとともに、最後に増加した保留の特図乱数値が図14(b)に示す第2ハズレの数値範囲に属するものであって、特図予告抽選乱数値が、図21(c)に示す第1偽事前予告決定テーブルにおける第1偽事前予告有りの数値範囲に属し、ステップS431において第1偽事前予告回数が4回に決定された場合にも、同図(x)までは同じであり、同図(y−3)に示すように、特図表示装置114には、図7(a)に示す第2ハズレ図柄の「特図J」と同じ停止図柄態様が表示される。また、装飾図柄表示装置110には、第2ハズレに対応する装飾3−装飾2−装飾3の停止表示がなされる。
なお、これまでの予告報知についての説明では、事前予告を主として説明してきたが、偽事前予告も事前予告と同様に行われる。
以上説明したパチンコ機によれば、第2特図始動口128への入賞によって特図変動遊技が行われるが、第1特図始動口126、あるいは第1特図始動口126および第2特図始動口128とは別の特図始動口を設けて、第1特図変動遊技と第2特図変動遊技が行われるようにしてもよく、この場合には、一対の羽根部材1281が設けられた第2特図始動口128への入賞に基づく特図変動遊技を、他の特図始動口への入賞に基づく特図変動遊技よりも優先して行うことが好ましい。
また、予告報知に用いる演出体として、第2特図始動口128に入賞した遊技球を用いたが、第2特図始動口128に入賞した遊技球に限らず、遊技領域104に打ち込まれた遊技球を用いてもよい。あるいは、予告報知に用いる演出体として、所定空間に封入されその所定空間内を循環移動する封入式の移動体をもちいてもよい。なお、遊技盤に移動自在に取り付けられたものは移動態様の自由度が低く、予告報知に用いる演出体としては遊技球に劣る。
また、これまでに説明したパチンコ機では、センター役物200,250と、装飾図柄表示装置110に表示される演出画像との双方で予告報知を行っているが、装飾図柄表示装置110を省略して、センター役物200,250のみで予告報知を行ってもよい。
さらに、上記の説明では、特図の保留数増加情報や特図の保留数増加情報を、図柄変動開始コマンドに含ませたが、これらの保留数増加情報を、図柄変動開始コマンドの送信タイミングと同じタイミングで、直接送信してもよいし他のコマンドに含めて送信してもよい。
また、前回抽選してから今回抽選するまでの期間(事前予告判定を前回行ってから今回行うまでの期間)内に増加した保留数に基づいて事前予告を行うか否かを判定していたが、この期間に限らず、所定時間(例えば、3分間)に増えた保留増加数に基づいてもよいし、特図変動回数が所定回(例えば、10回)の間に増えた保留増加数に基づいてもよい。
以上、本発明をパチンコ機(弾球遊技機)に適用させた実施例について詳細に説明したが、本発明の遊技台は、これに限るものではなく、例えば、メダルや遊技球(パチンコ球)を使用する回胴遊技機(スロットマシン)にも適用可能である。
図40は、本発明を適用可能なスロットマシンの一例を示す図である。
図40に示すスロットマシン900は、本体901と、本体901の正面に取付けられ、本体901に対して開閉可能な前面扉902と、を備える。本体901の中央内部には、(図40において図示省略)外周面に複数種類の図柄が配置されたリールが3個(左リール910、中リール911、右リール912)収納され、スロットマシン900の内部で回転できるように構成されている。これらのリール910乃至912はステッピングモータ等の駆動手段により回転駆動される。
図40に示すスロットマシン900では、各図柄は帯状部材に等間隔で適当数印刷され、この帯状部材が所定の円形筒状の枠材に貼り付けられて各リール910乃至912が構成されている。リール910乃至912上の図柄は、遊技者から見ると、図柄表示窓913から縦方向に概ね3つ表示され、合計9つの図柄が見えるようになっている。そして、各リール910乃至912を回転させることにより、遊技者から見える図柄の組み合せが変動することとなる。つまり、各リール910乃至912は複数種類の図柄の組合せを変動可能に表示する表示手段として機能する。なお、このような表示手段としてはリール以外にも液晶表示装置等の電子画像表示装置も採用できる。また、図40に示すスロットマシン900では、3個のリールをスロットマシン900の中央内部に備えているが、リールの数やリールの設置位置はこれに限定されるものではない。
各々のリール910乃至912の背面には、図柄表示窓913に表示される個々の図柄を照明するためのバックライト(図40において図示省略)が配置されている。バックライトは、各々の図柄ごとに遮蔽されて個々の図柄を均等に照射できるようにすることが望ましい。なお、スロットマシン900内部において各々のリール910乃至912の近傍には、投光部と受光部から成る光学式センサ(図示省略)が設けられており、この光学式センサの投光部と受光部の間をリールに設けられた一定の長さの遮光片が通過するように構成されている。このセンサの検出結果に基づいてリール上の図柄の回転方向の位置を判断し、目的とする図柄が入賞ライン上に表示されるようにリール910乃至912を停止させる。
入賞ライン表示ランプ920は、有効となる入賞ライン914を示すランプである。有効となる入賞ラインは、遊技媒体としてベットされたメダルの数によって予め定まっている。入賞ライン914は5ラインあり、例えば、メダルが1枚ベットされた場合、中段の水平入賞ラインが有効となり、メダルが2枚ベットされた場合、上段水平入賞ラインと下段水平入賞ラインが追加された3本が有効となり、メダルが3枚ベットされた場合、右下り入賞ラインと右上り入賞ラインが追加された5ラインが入賞ラインとして有効になる。なお、入賞ライン914の数については5ラインに限定されるものではなく、また、例えば、メダルが1枚ベットされた場合に、中段の水平入賞ライン、上段水平入賞ライン、下段水平入賞ライン、右下り入賞ラインおよび右上り入賞ラインの5ラインを入賞ラインとして有効としてもよい。
告知ランプ923は、例えば、後述する内部抽選において特定の入賞役(具体的には、ボーナス)に内部当選していること、または、ボーナス遊技中であることを遊技者に知らせるランプである。遊技メダル投入可能ランプ924は、遊技者が遊技メダルを投入可能であることを知らせるためのランプである。再遊技ランプ922は、前回の遊技において入賞役の一つである再遊技に入賞した場合に、今回の遊技が再遊技可能であること(メダルの投入が不要であること)を遊技者に知らせるランプである。リールパネルランプ928は演出用のランプである。
ベットボタン930乃至932は、スロットマシン900に電子的に貯留されているメダル(クレジットという。)を所定の枚数分投入するためのボタンである。図40に示すスロットマシン900においては、ベットボタン930が押下される毎に1枚ずつ最大3枚まで投入され、ベットボタン931が押下されると2枚投入され、ベットボタン932が押下されると3枚投入されるようになっている。以下、ベットボタン932はMAXベットボタンとも言う。なお、遊技メダル投入ランプ929は、投入されたメダル数に応じた数のランプを点灯させ、規定枚数のメダルの投入があった場合、遊技の開始操作が可能な状態であることを知らせる遊技開始ランプ921が点灯する。
メダル投入口934は、遊技を開始するに当たって遊技者がメダルを投入するための投入口である。すなわち、メダルの投入は、ベットボタン930乃至932により電子的に投入することもできるし、メダル投入口934から実際のメダルを投入(投入操作)することもでき、投入とは両者を含む意味である。貯留枚数表示器925は、スロットマシン900に電子的に貯留されているメダルの枚数を表示するための表示器である。遊技情報表示器926は、各種の内部情報(例えば、ボーナス遊技中のメダル払出枚数)を数値で表示するための表示器である。払出枚数表示器927は、何らかの入賞役に入賞した結果、遊技者に払出されるメダルの枚数を表示するための表示器である。
スタートレバー935は、リール910乃至912の回転を開始させるためのレバー型のスイッチである。即ち、メダル投入口934に所望するメダル枚数を投入するか、ベットボタン930乃至932を操作して、スタートレバー935を操作すると、リール910乃至912が回転を開始することとなる。スタートレバー935に対する操作を遊技の開始操作と言う。
ストップボタンユニット936には、ストップボタン937乃至939が設けられている。ストップボタン937乃至939は、スタートレバー935の操作によって回転を開始したリール910乃至912を個別に停止させるためのボタン型のスイッチであり、各リール910乃至912に対応づけられている。以下、ストップボタン937乃至939に対する操作を停止操作と言い、最初の停止操作を第1停止操作、次の停止操作を第2停止操作、最後の停止操作を第3停止操作という。なお、各ストップボタン937乃至939の内部に発光体を設けてもよく、ストップボタン937乃至939の操作が可能である場合、該発光体を点灯させて遊技者に知らせることもできる。
メダル返却ボタン933は、投入されたメダルが詰まった場合に押下してメダルを取り除くためのボタンである。精算ボタン934は、スロットマシン900に電子的に貯留されたメダル、ベットされたメダルを精算し、メダル払出口955から排出するためのボタンである。ドアキー孔940は、スロットマシン900の前面扉902のロックを解除するためのキーを挿入する孔である。メダル払出口955は、メダルを払出すための払出口である。
音孔960はスロットマシン900内部に設けられているスピーカの音を外部に出力するための孔である。前面扉902の左右各部に設けられたサイドランプ944は遊技を盛り上げるための装飾用のランプである。前面扉902の上部には演出装置990が配設されている。この演出装置990は、水平方向に開閉自在な2枚の右扉963a、左扉963bからなる扉(シャッタ)部材963と、この扉部材963の奥側に配設された予告報知手段957(図示省略)を備えており、2枚の右扉963a、左扉963bが予告報知手段957の手前で水平方向外側に開くと予告報知手段957(図示省略)がスロットマシン900正面(遊技者側)に出現する構造となっている。この予告報知手段957には、遊技球に代えて、所定空間に封入されその所定空間内を循環移動する球状の演出体を有する、図2に示すセンター役物200や図28に示すセンター役物が用いられている。
また、本発明を、アレンジボール遊技機、じゃん球遊技機、ピンボールマシン、に適用してもよい。また、本発明を、遊技媒体の投入を契機として遊技可能となる遊技機(例えば、カジノマシン、ビデオゲームマシン、封入式のパチンコ遊技機)、遊技媒体自体を遊技に使用する遊技機(例えば、メダル落としゲーム機)に適用してもよい。ここで、「遊技媒体の投入」とは「賭ける」を意味し、「ベット」とも同意である。「遊技媒体の投入」は、「通貨の投入」や「電子マネーの投入」を含む。カジノマシンとは、通貨の投入により遊技が開始可能となり、抽選結果が当選の場合に、該当選結果に対応付けられて設定された図柄が停止し、遊技者に特典となる払出しを行う、カジノマシンである。
図41は、本発明を適用可能なカジノマシンの一例を示す図である。
図41に示すカジノマシン950も、予告報知手段951を有する。このカジノマシン950でも、予告報知手段951には、遊技球に代えて、所定空間に封入されその所定空間内を循環移動する球状の演出体を有する、図2に示すセンター役物200や図28に示すセンター役物が用いられている。