JP2010187274A - 高周波増幅器のレベル調整回路及び高周波増幅器のレベル制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】比較器120は、変調信号出力を取り出すサンプル回路113の出力信号のレベルと、外部への出力信号を取り出すサンプル回路119の出力信号のレベルとを比較し、外部に送出する出力信号のレベルを適正化するために過不足している分の信号レベルを、ホールド回路115に伝達する。ホールド回路115は、比較器115から伝達された前記過不足信号レベルが所定の値以下の微小レベルか否かを判断し、所定の値以下の微小レベルであれば無視するが、所定の値以下の微小レベルでなければ、前記過不足信号レベルを現時点の出力信号レベルに加減算して出力する。
【選択図】図1
Description
図6に示す従来の高周波増幅器のレベル調整回路は、変調状態での高周波入力信号を可変ゲインで増幅して出力する可変ゲインアンプ901(レベル調整対象の増幅器)と、可変ゲインアンプ901が出力する高周波入力信号を外部に出力可能なパワーに変換するアンプ902と、可変ゲインアンプ901が出力する高周波入力信号を外部に出力すると共に、その一部を分岐出力するカプラ903と、カプラ903の分岐出力を取り出して出力する検出器904と、検出器904が出力する変調状態での出力信号のレベルを検出する積分器905と、出力信号の基準値906と、積分器905の出力と基準値906とを比較し、その差となる信号値を出力する比較器907と、比較器907の出力に時定数を持たせた信号を可変ゲインアンプ901のゲイン調整信号として出力するLPF(Low-Pass filter)908と、を備える。
また、特許文献2には、受信入力の包絡線の瞬時値を所定周期で検出し、所定周期でサンプリングする技術、即ち、受信入力の包絡線の瞬時値を所定周期で検出し、受信信号の短区間又は長区間平均値と入力IF(Intermediate Frequency)信号との差を求め、この差と閾値とを比較し、サンプルホールドして、ゲイン制御を行う技術を開示している。
また、特許文献3には、自動利得制御回路を有した増幅器において、増幅器出力がサンプルホールド回路入力に供給され、映像IF信号のサンプリングがアンダーサンプリングされる技術を開示している。
また、上記の問題点に関連したより根本的な問題点は、出力信号が変調波であるため、積分器905にて積分しないと正確なレベルを測定できないので、ゲイン調整に時間遅れが生じるということにあった。
また、変調方式毎に積分器905の積分時間を設定するため、新たに変調方式を追加することが容易にできないという問題点もあった。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、積分器を使用することなく変調状態での出力信号のレベル検出を可能にして、レベル調整の収束時間が変調方式に依存しないようにした高周波増幅器のレベル調整回路を提供することを目的とする。
本発明の他の目的は、積分器を使用することなく変調状態での出力信号のレベル検出を可能にして、レベル調整を高速に行えるようにすることにある。
本発明の他の目的は、増幅回路の出力信号のレベルと基準値とのレベル差が所定値以下の場合は、レベル調整を省略することを可能にして、スプリアスの発生を低減できる高周波増幅器のレベル調整回路を提供することにある。
なお、原理的には、可変ゲインアンプの出力として外部に送出される出力信号のレベルは、可変ゲインアンプの入力変調信号のレベルが主体であり、搬送される信号のレベルは殆ど無視できることから、入力変調信号のレベルを基準レベルにとり、外部に送出される出力信号のレベルを、この入力変調信号のレベルと比較することで、出力信号のレベル調整を行うことを可能にしている。
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る高周波増幅器のレベル調整回路を含む高周波回路の全体構成を示す回路構成図である。
同図に示す高周波回路は、変調回路部分を含み、よって、例えば送信機等を構成する基本的な回路である。
図1に示す変調回路部分や増幅器部分は周知の回路要素を含む周知の構成であり、よって、この部分に既製品を使用しても構わない。
図1において、サンプル回路113は検出器112の出力を、また、サンプル回路119は検出器118の出力を、一定間隔のサンプリング周期で、それぞれサンプリングするが、このサンプリング周期は、送信起動時と収束後とで変えることができる。
初期値116は、ホールド回路115が保持して出力すべき信号の初期値としてのレベル値である。
減衰器117は、高周波アンプ部(即ち、可変ゲインアンプ103及びパワーアンプ104)が所望の出力レベルで出力した時に、カプラ105にて分配される信号のレベルが、検出器112に入力されるIF信号のレベルと同じになるように減衰する(即ち、このような減衰機能を有するように事前に調整されている)。
ホールド回路115は、比較器115から伝達された前記過不足信号レベルが所定のレベル値以下の微小レベルか否かを判断し、所定のレベル値以下の微小レベルであれば無視するが、所定のレベル値以下の微小レベルでなければ、前記過不足信号レベルを現時点の出力信号のレベルに加減算して出力する。
検出器112は、分配器111にて分配されたIF信号生成部110のIF信号レベルを検出する。
図2に示すとおり、比較器120の比較部121は、サンプル回路113でサンプリングされた検出器112の出力信号と、サンプル回路119でサンプリングされた検出器118の出力信号との間に存在するレベル差を算出する。比較器120のデータ変換部122は比較部121が出力するレベル差の信号出力を、可変ゲインアンプ103のV−dB特性に合うようにデータ変換し、補正値として出力する。
図3に示すとおり、比較器1151は補正値(即ち、比較器120のデータ変換部122の出力信号)が微小レベルか否かを基準値との比較により判断し、補正値が基準値と比べて微小な場合は零レベルの信号を出力し、その結果、出力部1152のデータは、ホールド回路1153により保持される。補正値が基準値と比べて所定のレベル値以下の微小ではない場合は、出力部1152のデータを更新するために、当該補正値と共に、ホールド回路1153用の出力データ保持パルス及び出力部1152のデータ更新パルスを出力し、その結果、出力部1152のデータは更新される。即ち、ホールド回路1153は、比較器1151からの補正値が有る場合は出力部1152が現在出力しているデータをデータ保持パルスにてラッチしているが、その後、出力部1152にて、比較器1151からの補正値と、前記ラッチしたデータ(または初期値)とを、データ更新パルスにて加減算して、出力する。
以下、図4を参照して、本実施形態の高周波増幅器のレベル調整回路の動作特性を説明する。
同図に示すように、サンプル回路113によって検出器112の出力(基準値)がサンプルポイントにおいてサンプリングされ、また、サンプル回路119によって検出器118の出力がサンプルポイントにおいてサンプリングされて、それぞれ比較器120に送出されると、比較器120は、その瞬間のレベル差を可変ゲインアンプ103のゲインに変換し、ホールド回路115にて不足レベル分を上乗せしたレベル調整用の補正信号を、LPF114を介して可変ゲインアンプ103に供給する。これによって高周波増幅器部の出力信号が所望のレベルに調整される。
また、ホールド回路115は、比較器115から伝達された前記過不足信号レベルが所定の値以下の微小レベルか否かを判断し、所定の値以下の微小レベルであれば無視するので、スプリアスの発生を低減させることができる効果がある。
さらに、入力信号が検出器118のダイナミックレンジ内に存在する限り、瞬時の比較が可能であるので、変調方式に依存することなくレベル調整に要する時間を同じにできる効果がある。
〔第2の実施形態〕
図5は、本発明の第2の実施形態に係る高周波増幅器のレベル調整回路を含む高周波回路の全体構成を示す回路構成図である。
同図に示す高周波回路は、変調回路部分を含み、よって、例えば送信機等を構成する基本的な回路である。
同図において、本実施形態の高周波増幅器のレベル調整回路を含む高周波回路は、レベル調整回路として、変調状態での高周波入力信号を可変ゲインで増幅して出力する可変ゲインアンプ103(レベル調整対象の増幅器)と、可変ゲインアンプ103が出力する高周波入力信号を外部に出力可能なパワーに変換するパワーアンプ104と、可変ゲインアンプ103が出力する高周波入力信号を外部に出力すると共に、その一部を分岐出力するカプラ105と、カプラ105の分岐出力を取り出して適当なレベル値に減衰する減衰器117と、減衰器117の出力をアンダーサンプリングするアンダーサンプリング部214と、を備え、
図5に示す変調回路部分や増幅器部分は周知の回路要素を含む周知の構成であり、よって、この部分に既製品を使用しても構わない。また、直交変調部212は、直交振幅変調器で構成することが好ましい。
振幅成分抽出部213は、I_DATA210及びQ_DATA211の各信号を入力し、これらから振幅情報だけを抽出して比較器120に送出する。
アンダーサンプリング部214は、カプラ出力信号を減衰させた減衰器117の出力信号をアンダーサンプリングし、その振幅情報だけを抽出して、サンプル回路119を介して比較器120に送出する。
102 MIXER(混合回路)
103 可変ゲインアンプ
104 パワーアンプ
105 カプラ
110 IF(Intermediate Frequency)信号生成部
111 分配器
112,118 検出器
113,119 サンプル回路
114 LPF(Low-Pass filter)
115 ホールド回路
117 減衰器
120 比較器
212 直交変調部
213 振幅成分抽出部
214 アンダーサンプリング部
Claims (8)
- 高周波出力信号を増幅する可変利得増幅回路を備え、前記可変利得増幅回路の利得を制御することによって前記高周波出力信号の出力レベルを調整する高周波増幅器のレベル調整回路であって、
前記可変利得増幅回路に入力される前記高周波出力信号を変調した際に使用された変調信号の分岐成分の信号を取得してサンプリングする第1のサンプリング手段と、
前記可変利得増幅回路から出力される前記高周波出力信号の分岐成分の信号を取得してサンプリングする第2のサンプリング手段と、
前記可変利得増幅回路の利得を制御する利得制御パラメータとして、前記第1のサンプリング手段から供給される第1の信号の信号レベルと前記第2のサンプリング手段から供給される第2の信号の信号レベルとのレベル差を示す差信号を使用する利得制御手段と、
を備えたことを特徴とする高周波増幅器のレベル調整回路。 - 前記利得制御手段が前記利得制御パラメータとして使用する前記差信号は、ホールド回路でホールドされたものであることを特徴とする請求項1記載の高周波増幅器のレベル調整回路。
- 前記ホールド回路は、前記差信号が示す前記レベル差が所定のレベル値以下である場合は、前記差信号を利得制御パラメータとして出力しないことを特徴とする請求項2記載の高周波増幅器のレベル調整回路。
- 高周波出力信号を増幅する可変利得増幅回路を備え、前記可変利得増幅回路の利得を制御することによって前記高周波出力信号の出力レベルを調整する高周波増幅器のレベル調整回路であって、
前記可変利得増幅回路に入力される前記高周波出力信号を変調した際に使用された変調信号の分岐成分の信号を取得すると共に該信号から第1の振幅情報を抽出する振幅情報抽出手段と、
前記可変利得増幅回路から出力される前記高周波出力信号の分岐成分の信号を取得してアンダーサンプリングして第2の振幅情報を抽出するアンダーサンプリング手段と、
前記可変利得増幅回路の利得を制御する利得制御パラメータとして、
前記振幅情報抽出手段から供給される第1の振幅情報と前記アンダーサンプリング手段から供給される第2の振幅情報とから算出されるレベル差を示す信号を使用する利得制御手段と、
を備えたことを特徴とする高周波増幅器のレベル調整回路。 - 前記利得制御手段が前記利得制御パラメータとして使用する前記差信号は、ホールド回路でホールドされたものであることを特徴とする請求項4記載の高周波増幅器のレベル調整回路。
- 前記ホールド回路は、前記差信号が示す前記レベル差が所定のレベル値以下である場合は、前記差信号を利得制御パラメータとして出力しないことを特徴とする請求項5記載の高周波増幅器のレベル調整回路。
- 請求項1乃至6のいずれか1項に記載のレベル調整回路を備えた高周波増幅器。
- 高周波出力信号を増幅する可変利得増幅回路を備え、前記可変利得増幅回路の利得を制御することによって前記高周波出力信号の出力レベルを調整する高周波増幅器のレベル制御方法であって、
前記可変利得増幅回路に入力される前記高周波出力信号を変調した際に使用された変調信号の分岐成分の信号を取得してサンプリングする第1のサンプリングステップと、
前記可変利得増幅回路から出力される前記高周波出力信号の分岐成分の信号を取得してサンプリングする第2のサンプリングステップと、
前記可変利得増幅回路の利得を制御する利得制御パラメータとして、前記第1のサンプリングステップを介して供給される第1の信号の信号レベルと前記第2のサンプリングステップを介して供給される第2の信号の信号レベルとのレベル差を示す差信号を使用する利得制御ステップと、
を有することを特徴とする高周波増幅器のレベル制御方法。
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