JP2010186691A - 電気化学セル - Google Patents

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恒昭 玉地
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Abstract

【課題】セラミックスを用いた容器の電気化学セル内に封入する電解液が液体の場合、抵抗溶接法を用いたシーム溶接を行うと抵抗溶接時の加熱により、液体の電解液が蒸発し、気化熱を奪い、セラミックス製の凹状容器にクラック等の欠陥が生じるという問題があった。また、高温高湿試験において封口板から腐食が発生するという課題があった。
【解決手段】本願発明では、封口板上にリンを含有せず融点の高いニッケルめっき層を形成し、さらにその上にリン濃度の高いニッケルめっき層を形成した。これにより、金属リングと封口板とを溶接する際に、封口板の最外層にあるリン濃度の高いニッケルめっき層だけが融解し、下のリンを含有せず融点の高いニッケルめっき層が溶融しない。
【選択図】 図1

Description

本発明は、高温高湿下で用いられる耐腐食性に優れた非水電解質電池および電気二重層キャパシタなどの電気化学セルに関するものである。
近年、電気化学セルのニーズとして、小型化、薄型化に対する要求が強くなっている。これは、電気化学セルが搭載される電子機器が小型化しているためである。また、実装する際にリフローハンダ付け法(ハンダクリームを塗布した電気化学セルを実装基板上に配置し、回路基板ごと加熱しハンダ付けを行う方法)が多用されており、電気化学セルに、リフローハンダ付けの温度に耐え得る耐熱性が求められるようになった。
従来の電気化学セルは、電池缶をかしめて封口するため、コイン状の形状をしていた。コイン形状をしているため、実装面積を有効に活用することができず、省スペース化を阻害する要因となっていた。また、リフローハンダ付けを行うには端子等をケースにあらかじめ溶接しておく必要があり、部品点数の増加および製造工数の増加という点でコストアップとなっていた。
この問題を解消するため、実装面積を有効に活用できる四角い形状の電気化学セルが検討されるようになった。四角い形状の電気化学セルは、コイン型と異なりケースをクリンプして封口することが出来ない。このため、凹状容器と封口板とを溶接することにより密閉した電気化学セルが開発された。
特開2004-227959号
前記電気化学セルでは凹状容器の中に有機溶媒を含む電解液を収納しているため、封口時の溶接熱による電解液の蒸発を防がなければならない。このため、封口板と凹状容器との溶接に要する時間を極力短くすることが好ましく、溶接温度を高くする必要がある。
しかし、溶接温度を高くするとセラミックス製の容器にクラックが生じた。容器の温度変化が大きく、セラミックス製の凹状容器が溶接時の熱衝撃に耐えられないためである。
上記問題を解決するためには、溶接熱を低下させる必要がある。溶接パワーを小さくし溶接熱を低くすれば、凹状容器に加わる熱衝撃を軽減できクラックの発生を防止することができる。封口時の溶接温度を下げるには、封口板や金属リング上に設けられるロウ材の融点を下げればよい。
ところが、シーム溶接においては溶接される面だけでなく、溶接ローラー等の通電部と接するめっき層も融けてしまうという問題があった。高温高湿下で用いられる耐腐食性に優れた電気化学セルは、封口板をめっき層で被覆し腐食を防止していた。製造効率の観点から、封口板の最外層のめっき層は、封口板全体に形成されている。このため、封口板の最外層に形成されるめっき層の融点を低くすると、封口板と溶接機の通電部とが接触する部分において、めっき層が溶融し封口板が露出してしまっていた。特に、高温高湿下で電気化学セルを使用する場合には、めっき層が溶融し封口板が露出している部分から腐食が生じてしまい問題となる。
本願発明は、上記問題を解決し、耐食性に優れ信頼性の高い電気化学セルの提供を目的とする。
上記課題を解決するために、封口板上にリン濃度が低く、融点の高いニッケルめっき層を形成した。さらに、その上にリン濃度の高いニッケルめっき層を形成した。これにより、凹状容器の金属リングと封口板とを溶接した場合、封口板上の最外層にあるリン濃度の高いニッケルめっき層だけが融解し、下のリン濃度が低く、融点の高いニッケルめっき層が解けずに残る。本願発明により、溶接時の容器に生じるクラックと、封口板の腐食とを防止できた。さらに、本願発明は、封口板と金属リングとの接合部に10重量%以上リンが残存していると、NiPが多く生成し、組成が不均一となり接合部の強度が低下することを見出した。このため、接合部に残存するリンの含有量は10重量%以下となることが好ましい。
具体的に、本願発明の電気化学セルは、正極および負極からなる一対の電極とセパレータと電解液からなる発電要素と、前記発電要素を収納し、底面に一対の接続端子を有するセラミックス製の凹状容器と、前記凹状容器の上端に設けられた金属リングと、前記金属リング上に形成された第一のニッケルめっき層と、前記凹状容器を密閉する封口板と、前記凹状容器表面に形成された第ニのニッケルめっき層と、前記第ニのニッケルめっき層上に形成され、リンを含有する第三のニッケルめっき層と、前記第一のニッケルめっき層と前記第三のニッケルめっき層が溶融して形成される接合部と、前記接合部を介して前記金属リングと前記封口板とが接合され、前記正極または前記負極のいずれか一方が封口板と金属リングとを介して前記接続端子のいずれか一方に電気的に接続されている。
さらに、本願発明の電気化学セルは、第一のニッケルめっき層がリンを含有している。また、本願発明の電気化学セルでは、接合部に含まれるリンの量が10重量%以下であると好ましい。さらに好ましくは、本願発明の電気化学セルは、第一のニッケルめっき層と前記第三のニッケルめっき層が無電解めっきにより形成されている。また、本願発明の電気化学セルは、凹状容器がアルミナ製である。
電気化学セルの封口板の最外層にリンを含まず融点が高いニッケルめっき層を形成し、さらにその上にリン濃度の高いニッケルめっき層を形成した。これにより、凹状容器の上端の金属リングと前記封口板とを溶接した場合、封口板上の最外層にあるリン濃度の高いニッケルめっき層だけが融解し、下の融点の高いニッケルめっき層が溶融されずに残った。
本願発明により、封口板と凹状容器とを封口する際の溶接熱を低下させ、かつ封口板はニッケルめっき層により確実に被覆されているので、高温高湿使用時の腐食を防止することができた。また、溶接時間を短くすることができ、凹状容器に生じるクラックを防止することができた。本願発明により、封口の信頼性を向上させることができ、耐食性が高くかつ信頼性の高い電気化学セルの提供が可能となった。
本発明の電気化学セルの断面図である。 実施例と比較例の実験結果を対比した表である。
本発明の代表的な構造について図1を用いて説明する。図1は、直方体である本発明の非水電解質電池または電気二重層キャパシタの断面図である。凹状容器101はセラミックス製である。凹状容器101は、グリーンシートを積層した後、タングステンを凹状容器にプリントし焼成した。タングステンをプリントしたグリーンシートの積層体を焼成することにより、接続端子A103、接続端子B104を具備した凹状容器101が得られた。次に、コバール(Co:17重量%、Ni:29重量%、Fe:残部、からなる合金)製の金属リング109を凹状容器の上端にロウ付けした。さらに、接続端子A103、接続端子B104の表面には、ニッケルめっき、金めっきを施した。また、金属リング109の上部にはリンを含有したニッケルめっきを施し、第一のニッケルめっき層1081を形成した。酸化防止のため、第一のニッケルめっき層1081の表面に金めっきを施しても良い。
接続端子B104は、凹状容器101の外側底面から金属リング109まで延設されており、接続端子B104と金属リング109とは電気的に接続された。接続端子A、接続端子Bは凹状容器の外側の底面に達しているが、容器側面部で止まっていても、ハンダとの濡れにより、基板とのハンダ付けが可能である。凹状容器の内側底面には、タングステンからなる集電体が設けられた。集電体は、凹状容器壁面を貫通し接続端子A103に電気的に接続された。グリーンシートにタングステンをプリントすることにより、集電体と接続端子が一体的に形成された。凹状容器101の内側に位置する集電体には、腐食防止のため、アルミニウムなどの弁金作用金属で被覆することが好ましい。集電体と正極活物質106は炭素を含有する導電性接着剤1111で接着した。集電体と正極活物質106は特に接着する必要はなく上に載せるだけでもよい。
封口板102には、電解めっきによりリンを含有しない第二のニッケルめっき層1083と、その上にリンを含有する第三のニッケルめっき層1082を形成した。封口板102と負極活物質107は、あらかじめ炭素を含有する導電性接着剤1112で接着された。発電要素は、正極および負極からなる一対の電極と、セパレータと、電解液からなる。
容器内部に正負極電極、セパレータ105、電解液を収納し、封口板102で蓋をした後、抵抗溶接の原理を利用したパラレルシーム溶接機により、封口板102の向かい合う2辺ずつ溶接を行った。この方法により信頼性の高い封口が得られた。金属リング上のニッケルメッキ層1081と封口板の第三のニッケルメッキ層1082とが溶融して、接合部を形成する。接合部はリンを含んだニッケル合金からなる。接合部により、金属リングと凹状容器とが接合された。
溶接時の熱衝撃によるクラックの発生を防止するためには、溶接温度を下げることが重要である。溶接温度を下げるためには、金属リング109および封口板102の接合される面に、ロウ材としてリンを含むニッケルめっき層を設けることが効果的である。
ニッケルの融点は1453℃であるが、ニッケルにリンを添加することにより融点を低下させることができる。また、溶接面に金を存在させることでも溶接温度を下げることができる。リンを含むニッケルめっき層は、金属リング109および封口板102の両方に配置されていれば、溶接温度を下げる信頼性の高い溶接が可能となる。
ローラー電極を回転させながら電流をパルス状に流すシーム溶接時には、溶接される部分だけではなく、封口板102の上方のローラー電極と接する部分のニッケルめっき層も融けてしまう。そのため、リンを含むニッケルめっき層が、封口板上に一層しかなければ、溶接時に溶解して、下地の封口板を構成する金属であるコバールが露出してしまう。
それに対し、図1に示すよう、封口板102に、リンを含有しない第ニのニッケルめっき層1083とその上の層にリンを含有する第三のニッケルめっき層1082を無電解めっきにより形成する。溶接時にリンを含有する第三のニッケルめっき層1082が薄くなっても、その下に融点の高い第ニのニッケルめっき層1083があるため、下地のコバールが露出することは無い。コバールを十分に保護するだけの膜厚を確保できなくなったり、コバールが露出されてしまう場合は、電気化学セルが高温高湿環境下で使用されるとき、電気化学セルはサビなどを発生してしまう。
リンを含有するニッケルめっき層を形成する方法は限定されず、電解めっき、無電解めっき等を用いることができる。無電解めっきにおいては還元剤としている用いる次亜リン酸ナトリウムからリンを含有させることができる。電解めっきにおいては、亜リン酸、リン酸を含むニッケルめっき浴からリンを含有するニッケルめっき層が成膜可能である。
なお、リンを含むニッケルめっき層の生成方法は、無電解めっきにより形成すると特に好ましい。無電解ニッケルめっき層をSEMのEDXにより観察した結果、表面にリンが多く分布することが分かった。リンが多量に含まれる層は、めっき初期に生じ、析出反応が進行してもこの層は常にめっき表面の上部に位置するためと考えられる。すなわち、無電解めっきでは、表面に多くリンを含有するため、ニッケルめっき層の表面の融点を、内部より低くすることができる。これにより、金属リング109および封口板102に施されたニッケルめっき中のリン濃度が異なっても双方容易に融解し、信頼性の高い溶接が可能となる。
リンを含有しない第ニのニッケルめっき層1083のめっき方法は限定されないが、電解めっき法を用いると特に好ましい。それにより、ニッケル中のリンの少ないニッケル層を得ることができる。次にリンを含有する第三のニッケルめっき層1082を、次亜リン酸ナトリウムを還元剤とする無電解めっきにより形成する場合は、第ニのニッケルめっき層1083が無電解めっきの触媒として働くため、新たにパラジウム等の触媒を封口板102に担持しなくとも済むというメリットがある。
リンを含有しない第ニのニッケルめっき層1083を無電解めっきにより設けたい場合は、ジメチルアミンボランや水素化ホウ素ナトリウム等のホウ素系の還元剤を用いることが望ましい。これは、ニッケル中にホウ素が入っても融点はほとんど下がらないためである。
リンを含むニッケルめっき層は、金属リング109および封口板102の両方の接触面に配置されていれば、溶接温度を下げる信頼性の高い溶接が可能となる。
リンを含むニッケル化合物NiPの場合、融点は約965℃である。めっき終了後の膜は、X線回折を行うとアモルファスに近い微結晶であるため、リンは粒界近傍に偏析していることが考えられる。そのため、リンを含むニッケルめっき膜の融点は、965℃以下に下げられるものと考えられる。
第一のニッケルめっき層及び第三のニッケルめっき層に含まれるリンは、5〜12重量%が好ましい。ニッケル中に含まれるリンが多いほど溶接温度を下げることができる。ニッケルの融点を低下させるためには、ニッケルめっき層に5%以上のリンを含有することが好ましい。しかし、ニッケル中に含まれるリンの量が多すぎると、溶接によって、接合部中にNiPが多く生成することとなる。接合部に10重量%以上リンが残るとNiPが多く生成し、組成が不均一となり接合部の強度が低下する。このため、接合部に含まれるリンの含有量は10重量%以下となることが好ましい。溶接時の熱で昇華することによりリンが減少することを考慮すると、第一のニッケルめっき層1081、第三のニッケルめっき層1082に含まれるリンの含有量は、12重量%以下であることが好ましい。ニッケルめっき層に含まれるリンの含有量が12重量%であれば、溶接熱によりリンが昇華するため、接合部に含まれるリンの含有量は10重量%以下となる。
凹状容器101は、コストおよび成形性を考慮するとアルミナが良好である。製法としては、アルミナのグリーンシートと導体印刷により積層し、焼成することも可能である。
金属リング109の材質は、凹状容器101に熱膨張係数の近いものが望まれる。たとえば、凹状容器101が熱膨張係数6.8×10−6/℃のアルミナを用いる場合、金属リングとしては熱膨張係数5.2×10−6/℃のコバールを用いることが望ましい。また、封口板102も溶接後の信頼性を高めるため、金属リングと同じコバールを用いることが望ましい。リフローハンダ付けにより電気化学セルが加熱されても、金属リングと封口板とが剥離することを防ぐためである。
また、凹状容器101の内側底面に形成される集電体は、タングステンが好ましいが、それ以外にも、パラジウム、銀、白金または金を用いることができる。また、集電体をアルミニウム、チタンなどの弁作用金属や炭素などで被覆することが好ましい。これは、耐電圧の高い弁作用金属で被覆することにより、プラス側の電位がかかったときに集電体が溶解しないようにするためである。アルミニウムを用いる場合は、蒸着、溶射や常温溶融塩からのめっき(ブチルピジウムクロリド浴、イミダゾリウムクロリド浴)を利用できる。さらに、電極と集電体との導通をよくするため、炭素を含有する導電性接着剤を用いることが有効である。また、耐電圧の低い材料を集電体に用いる場合は、集電体表面に炭素を含有する導電性接着剤を全面に塗りつけ焼付け硬化させることが有効である。
接続端子A103、接続端子B104の実装基板と接する部分については、ハンダ付け性を向上させるため、ニッケル、金、スズ、ハンダの層を表面に設けることが好ましい。
接合部の溶接は、抵抗溶接法を利用したシーム溶接が利用できる。封口板102と凹状容器101をスポット溶接し仮止めしたあと、封口板102の対向する二辺に対向するローラー型の電極を押し付け、電流を流すことで、封口板102と金属リング109の対抗する面に配置されたニッケルめっき層が融け、抵抗溶接の原理により溶接できる。封口板102の四辺を溶接することにより封止することができる。ローラー電極を回転させながら電流をパルス状に流すため溶接後はシーム状になる。
セパレータ105は耐熱性のある不織布であることが好ましい。たとえば、ロール圧延したポーラスフィルム等のセパレータにおいては耐熱性があるものの、抵抗溶接法を利用したシーム溶接時の熱で圧延方向に縮んでしまう。その結果、内部ショートを起こしやすい。耐熱性のある樹脂またはガラス繊維を用いたセパレータの場合縮みが少なく良好であった。樹脂としてはPPS(ポリフェニレンサルファイド)、PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)が良好であった。特にはガラス繊維が有効であった。また、セラミックスの多孔質体を用いることもできる。
本発明の電気化学セルの形状は基本的に自由である。従来のコイン型電気化学セルは、デットスペースができ無駄であった。本発明の電気二重層キャパシタは四角い設計も可能であり、端子の出っ張りが無いため効率的に基板上に配置することができる。
図1に示した収納容器を用いて実施例1を作製した。凹状容器101はアルミナ製で、サイズは3.2×2.5×0.9mmの大きさである。凹状のへこみは深さが0.4mm、大きさは2.4×1.7mmとした。接続端子A、接続端子B、集電体はタングステン層の表面に金めっきを施して形成した。凹状容器101の金属リング109には、リンを8重量%含有した第一のニッケルめっき層を約5μmの厚さで形成したものを用いた。封口板102は、厚さ0.1mmのコバール板に、リンを含有しない第ニのニッケルめっき層を形成し、その上にリンを8重量%含有した第三のニッケルめっき層を形成した。第ニのニッケルめっき層と第三のニッケルめっき層は、それぞれ膜厚が5μmであった。
活物質は活性炭(比表面積2260m/g)に導電剤としてカーボンブラックを加え、テフロンバインダーを結着剤としてシート化したものを用いた。電解液としては、(CH)(CNBFをプロピレンカーボネートに1mol/L溶かした溶液を用いた。このシートを切断し、正極活物質106、負極活物質107とした。セパレータ105はテフロン製のものを用いた。
凹状容器101の底面に導電性接着剤1111で正極活物質106を接着した。封口板上の第三のニッケルめっき層に負極活物質107を導電性接着剤1112で接着した。それぞれを250℃で乾燥させた。同様に乾燥させたセパレータ105を凹状容器内の正極活物質106の上に設置し、凹状容器101に電解液を滴下した。その後、凹状容器101の開口部に封口板102を乗せ、凹状容器の上端に設けられた金属リング109と封口板102とを抵抗溶接した。金属リングと封口板との溶接は、継ぎ目の無いシーム溶接が好ましい。
実施例2は、金属リング109上にリンを含まないニッケルめっき層を形成した。それ以外の製造条件は、実施例1と同条件で作成した。
(比較例1)
比較例1は、金属リング109上にリンを含まないニッケルめっき層を形成した。封口板上にリンを含まないニッケルめっき層を形成した。封口板上に形成されたニッケルめっき層は単層である。それ以外の製造条件は、実施例1と同条件で作成した。
(比較例2)
比較例2は、金属リング109上にリンを8重量%含むニッケルめっき層を形成した。封口板上にリンを8重量%含むニッケルめっき層を形成した。封口板上に形成されたニッケルめっき層は単層である。それ以外の製造条件は、実施例1と同条件で作成した。
実施例と比較例の実験結果を対比した表を図2に示す。実施例、比較例をそれぞれ100個ずつ作成し評価した。その結果、実施例1、実施例2と比較例2では、溶接後に凹状容器にクラックが発生したものは無かった。しかし、比較例1では、500個中4個、容器にクラックが発生した。比較例1は封口板上のニッケルめっき層にリンを含有していないので、溶接熱を高くする必要がある。このため、比較例1の容器にクラックが発生したと考えられる。
次に、作製した電気化学セルは、85℃、85%湿度、48時間の高温高湿保管された後、外観検査により耐食性の評価が行われた。その結果、実施例1、実施例2、比較例1では、封口板に腐食は生じなかった。しかし、比較例2には、500個中6個腐食が見られた。比較例2の封口板には、リンを含有したニッケルめっき層が形成されており、溶接熱によりニッケルめっき層が溶融し封口板のコバールが露出し腐食を生じたと考えられる。
以上の実験結果より、封口板上にリンを含まず融点が高いニッケルめっき層を形成し、さらにその上にリン濃度の高いニッケルめっき層を形成すれば、溶接時の容器に生じるクラックと、封口板の腐食とを防止できることが分かった。
また、金属リングと封口板のニッケルめっき層が溶融して形成される溶接部のリンの含有量は10重量%以下であることが好ましい。溶接部にリンが10重量%より多く残存しているとNiPを多く生成し組成が不均一になり、溶接部の機械的強度が低下するためである。溶接時に昇華して失われるリンの量を考慮すると、溶接前にニッケルめっき中に存在するリンの含流量は、12重量%以下であることが好ましい。ニッケルめっき中に含まれるリンの量が12重量%程度であれば、溶接後にはリンの含有量が10重量%以下となり好ましいからである。
なお、金属リングと封口板に施されるニッケルめっきにおいて、リンの含有量が異なっていても良い。溶接後の電気化学セルの断面図を観察すると、金属リング上のニッケルめっき層が大きく溶融していることが分かった。このため、金属リング上に形成されるニッケルめっき層にのみリンを含有させても良い。溶接熱の加わり易い金属リング上のニッケルめっき層にリンを含有していれば、溶接パワーを低減させることが可能だからである。
電解液の構成要素として用いる溶媒としては、プロピレンカーボネートもしくはスルフォランが良好であった。また、沸点の低い副溶媒であるジメチルカーボネート、プロピオン酸メチル、エチルメチルスルフォランのいずれかを含む電解液を用いた場合も金属リング109および封口板102の両方に配置されるニッケルめっき中のリンの含有量を5〜12重量%とすることにより、良好に封止することができた。沸点の低い有機溶媒が電解液に含まれる場合には、溶接時に電解液中の有機溶媒が蒸発することにより、電気化学セルに加えられた熱が急激に低下する。このため、凹状容器に加えられる熱衝撃をできるだけ小さくするため、リンの含有量を5〜12重量%とすることが好ましい。
101 凹状容器
102 封口板
103 接続端子A
104 接続端子B
105 セパレータ
106 正極活物質
107 負極活物質
1081 第一のニッケルめっき層
1082 第三のニッケルめっき層
1083 第ニのニッケルめっき層
109 金属リング
1111 導電性接着剤
1112 導電性接着剤

Claims (5)

  1. 正極および負極からなる一対の電極と、セパレータと、電解液からなる発電要素と、
    前記発電要素を収納し、底面に一対の接続端子を有するセラミックス製の凹状容器と、
    前記凹状容器の上端に設けられた金属リングと、
    前記金属リング上に形成された第一のニッケルめっき層と、
    前記凹状容器を密閉する封口板と、
    前記凹状容器表面に形成された第ニのニッケルめっき層と、
    前記第ニのニッケルめっき層上に形成され、リンを含有する第三のニッケルめっき層と、
    前記第一のニッケルめっき層と前記第三のニッケルめっき層が溶融して形成される接合部と、
    前記接合部を介して前記金属リングと前記封口板とが接合され、前記正極または前記負極のいずれか一方が封口板と金属リングとを介して前記接続端子のいずれか一方に電気的に接続されている電気化学セル。
  2. 前記第一のニッケルめっき層がリンを含有する請求項1に記載の電気化学セル。
  3. 前記接合部に含まれるリンの量が10重量%以下である請求項1に記載の電気化学セル。
  4. 前記第一のニッケルめっき層と前記第三のニッケルめっき層が無電解めっきにより形成されている請求項1に記載の電気化学セル。
  5. 前記凹状容器がアルミナ製である請求項1に記載の電気化学セル。
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