図1は、本発明の画像形成装置としてのカラーレーザプリンタの一実施形態を示す要部側断面図である。
図1において、このカラーレーザプリンタ1は、複数のプロセス部27が水平方向において並列的に配置される、横置きタイプのタンデム方式のカラーレーザプリンタであって、本体ケーシング2内に、用紙3を給紙するための給紙部4、給紙された用紙3に画像を形成するための画像形成部5、画像が形成された用紙3を排紙するための排紙部6を備えている。
本体ケーシング2は、上側が開口される側面視略矩形状のボックス形状をなし、その上側にはトップカバー7が設けられている。このトップカバー7は、本体ケーシング2の背面側(以下の説明において、図1における左側を背面側、右側を正面側とする。)に設けられるヒンジ(図示せず。)を介して回動可能に支持されており、本体ケーシング2に対して開閉自在に設けられている。
また、本体ケーシング2は、図17に示すように、幅方向(正背方向(正面側と背面側との間に延びる方向)および上下方向に直交する方向、以下同じ。)において、互いに間隔を隔てて対向配置される左側板8および右側板9と、それらの間に架設される複数(4つ)の仕切板10および正面側板11とを備えている。各仕切板10および正面側板11は、左側板8および右側板9の間の正背方向の空間を、後述するプロセス部27ごとに仕切るように、各仕切板10が、本体ケーシング2の正背方向途中において、互いに間隔を
隔てて設けられ、正面側板11が、各仕切板10よりも正面側に設けられている。
各仕切板10および正面側板11は、正背方向(後述する画像形成位置での用紙3の搬送方向と同じ。)および上下方向に対して、上端部が正面側、下端部が背面側に、傾斜するように配置されている。また、各仕切板10および正面側板11は、図1に示すように、その上端部がトップカバー7と上下方向に間隔が隔てられるように配置され、その下端部が後述する転写部28と上下方向に間隔が隔てられるように配置されている。
そして、この本体ケーシング2では、互いに隣接する各仕切板10および正面側板11と、左側板8および右側板9とで、図17に示すように、各色ごとのプロセス部27が配置される複数(4つ)のプロセス収容部12が区画されている。
各プロセス収容部12は、図18に示すように、後述するドラムカートリッジ31および後述する現像カートリッジ32を収容し、後述するドラムカートリッジ31のホルダ部43が装着されるドラム収容部13と、後述する現像カートリッジ32が装着される現像収容部14とを備えている。
ドラム収容部13は、各仕切板10よりも下方に設けられ、正背方向においては、各仕切板10および正面側板11を、そのまま傾斜方向下方に延長した仮想延長平面で区画され、幅方向においては、左側板8および右側板9で区画されている。そして、それらで区画された内部空間が、後述するドラムカートリッジ31のホルダ部43を収容するためのドラム収容空間15とされている。
また、現像収容部14は、ドラム収容部13に対して後述するドラムカートリッジ31の装着方向上流側、すなわち、ドラム収容部13の上方において、後述するドラムカートリッジ31および後述する現像カートリッジ32の装着方向に沿ってドラム収容部13と連続するように設けられ、正背方向においては、各仕切板10および正面側板11で区画され、幅方向においては、左側板8および右側板9で区画されている。そして、それらで区画された内部空間(ただし、後述する延出部収容空間18を除く。)が、後述する現像カートリッジ32を収容するための現像収容空間16とされている。
また、現像収容部14には、図17に示すように、仕切板10の幅方向両端部において、後述するドラムカートリッジ31の各ツノ部51が摺擦するレール部17が設けられている。各レール部17は、ドラムカートリッジ3 1 の着脱方向に沿って、厚さのある帯状に形成されている。
給紙部4は、図1に示すように、本体ケーシング2内の底部において、本体ケーシング2に対して正面側から水平方向に着脱自在に装着される給紙トレイ21と、その給紙トレイ21の正面側上方に設けられる供給手段としてのピックアップローラ22および給紙ローラ23と、給紙ローラ23の正面側上方に設けられる給紙側U字パス24と、給紙側U字パス24の途中に設けられる搬送ローラ25およびレジストローラ26とを備えている。
給紙トレイ21内には、用紙3がスタックされており、その最上位にある用紙3は、まず、ピックアップローラ22によってピックアップされて、正面側に搬送され、次いで、給紙ローラ23によって給紙側U字パス24に給紙される。
給紙側U字パス24は、上流側端部が、下方において給紙ローラ23に隣接し、用紙3が正面側に向かって給紙されるように、下流側端部が、上方において後述する搬送ベルト168に隣接し、用紙3が背面側に向かって排紙されるような、略U字状の用紙3の搬送
経路として形成されている。
そして、給紙ローラ23によって、給紙側U字パス24の上流側端部に、正面側に向かって給紙された用紙3は、その給紙側U字パス24内において、搬送ローラ25により搬送され、搬送方向が反転され、レジスト後に、レジストローラ26により、背面側に向かって排紙される。
画像形成部5は、プロセス部27、転写部28および定着部29を備えている。プロセス部27は、複数色のトナーの各色ごとに設けられている。すなわち、プロセス部27は、イエロープロセス部27Y、マゼンタプロセス部27M、シアンプロセス部27Cおよびブラックプロセス部27Kの4つからなる。これらプロセス部27は、本体ケーシング2の各プロセス収容部12に配置され、正面側から背面側に向かって互いに間隔を隔てて、水平方向において重なるように、順次並列して配置されている。
各プロセス部27は、スキャナユニット30と、感光カートリッジとしてのドラムカートリッジ31と、ドラムカートリッジ31に対して着脱自在に装着される現像カートリッジ32とを備えている。なお、ドラムカートリッジ31と、そのドラムカートリッジ31に装着される現像カートリッジ32とで、プロセスカートリッジが構成される。
スキャナユニット30は、スキャナケーシング35と、そのスキャナケーシング35内に、レーザ発光部(図示せず)、ポリゴンミラー36、2つのレンズ37および38および反射鏡39とを備えている。
スキャナケーシング35は、図17に示すように、各仕切板10の幅方向中央部において、各レール部17がスキャナケーシング35を幅方向に挟んで対向するように配置され、かつ、スキャナケーシング35の背面壁が仕切板10の正面に当接され、スキャナケーシング35の正面壁34が、仕切板10から正面側に向かって膨出するように、各仕切板10に設けられている。このようにスキャナケーシング35が、仕切板10から正面側に向かって膨出するように配置されているので、スキャナユニット30と、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32とを近接して配置することができる。そのため、装置の小型化を図ることができる。
また、このようにスキャナケーシング35が、仕切板10から正面側に向かって膨出するように配置されているので、現像収容部14では、ドラムカートリッジ31に現像カートリッジ32が装着された状態では、現像収容部14でのドラムカートリッジ31の通過が規制され、ドラムカートリッジ31から現像カートリッジ32が分離された状態では、現像収容部14において、現像収容空間16でのドラムカートリッジ31の通過が許容されるようになる。
つまり、現像収容部14は、図18に示すように、スキャナケーシング35によって、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32の装着方向および幅方向と直交する方向(装着されるドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32の厚さ方向、以下、単に「厚さ方向」とする。)において、ドラム収容部13よりも、狭く形成される。
また、現像収容部14におけるスキャナケーシング35の幅方向両側および上側と、スキャナケーシング35の正面壁34の近傍(スキャナケーシング35の正面壁34と現像収容空間16との間であって、後述する中板54が配置される空間)とには、ドラムカートリッジ31の後述する延出部44が収容される延出部収容空間18が形成されている。
また、スキャナケーシング35の正面壁34には、図1に示すように、レーザ光を出射
するための出射窓40が開口されている。
そして、スキャナユニット30では、レーザ発光部から発光される画像データに基づくレーザ光が、ポリゴンミラー36で反射され、レンズ37、反射鏡39、レンズ38を、順次通過または反射して、出射窓40から出射される。
ドラムカートリッジ31は、図2および図3に示すように、ドラム筐体41と、そのドラム筐体41に設けられる感光体としての感光ドラム42およびスコロトロン型帯電器62(図1参照)とを備えている。
ドラム筐体41は、ホルダ部43と、ホルダ部43から延出される延出部44とを備え、樹脂材料から一体成形されている。
なお、図2ないし図7を参照するドラムカートリッジ31の説明では、ドラムカートリッジ31が装着された状態において、ドラムカートリッジ31の厚さ方向における背面側に位置される側を「天面側」、正面側に位置される側を「底面側」とし、ドラムカートリッジ31の装着方向下流側を「前側」、ドラムカートリッジ31の装着方向上流側を「後側」とする。
ホルダ部43は、幅方向に間隔を隔てて対向配置される2つのホルダ側壁45と、各ホルダ側壁45の上端部に架設されるホルダ天壁46と、ホルダ天壁46の前端部から各ホルダ側壁45の厚さ方向途中まで設けられるホルダ前壁47とを備えている。
なお、ホルダ部43の厚さは、現像カートリッジ32の現像筐体64の厚さよりも、厚く形成されている。
また、ホルダ部43の厚さは、延出部44の厚さよりも、厚く形成されている。ホルダ部43を、延出部44よりも厚く形成することで、感光ドラム42およびスコロトロン型帯電器62を確実に収容することができる。
各ホルダ側壁45には、図6および図7に示すように、その底面側部分に、後方に向かって開放される略U字状の現像位置決め溝48が形成されている。また、現像位置決め溝48の前方には、感光ドラム42のドラム軸60が挿通される挿通部49が形成されている。
ホルダ天壁46には、図2に示すように、幅方向にわたって、後述するクリーナ63がスライド自在に嵌合するクリーナ嵌合部50が形成されている。
また、ホルダ天壁46の幅方向両端部には、図6および図7に示すように、前端部において、天面側に突出する側面視略三角形状のツノ部51がそれぞれ形成されている。
延出部44は、図2および図3に示すように、ホルダ部43がドラム収容部13に装着された状態で、現像収容部14において、スキャナケーシング35の上端部より上方に延出するように、ホルダ部43から後方に向かって延設されている。
延出部44は、幅方向に間隔を隔てて対向配置される2つの延出側部52と、各延出側部52の後端部に架設される延出後壁53と、ホルダ部43と各延出側部52と延出後壁53とで囲まれる部分に設けられる中板54とを備えている。
各延出側部52は、図2に示すように、底面側が開放される断面略コ字状をなし、各外側面が各ホルダ側壁45の現像位置決め溝48の天面側から、連続して後方に延びるよう
に、ホルダ部43の幅方向両側から、後方に向かって延びるように形成されている。
また、各延出側部52には、図3に示すように、コ字状とされた内側に、底面視略X字状の補強部としての補強リブ55が前後方向に沿って2つ設けられている。
また、各延出側部52の外側面には、長手方向途中に、幅方向外方に向かって突出するドラムボス部56が設けられている。
延出後壁53は、各延出側部52の後端部を連結するように幅方向に沿って延び、その幅方向中央部には、ドラムカートリッジ31を把持して、ドラムカートリッジ31のドラム収容部13に対する着脱を操作するためのドラム取っ手57が設けられている。
中板54は、平面視略矩形平板状をなし、図2に示すように、ホルダ部43と各延出側部52と延出後壁53とで囲まれる部分において、各延出側部52および延出後壁53の天面側表面から、底面側に窪む位置において、ホルダ部43、各延出側部52および延出後壁53と連結されるように設けられている。
この中板54には、スキャナケーシング35の出射窓40から出射されるレーザ光を通過させるための開口部58が形成されている。この開口部58は、図4に示すように、前側が幅広く後側が幅狭い平面視台形状に形成されている。
感光ドラム42は、図2に示すように、ホルダ部43内に幅方向に沿って収容されている。この感光ドラム42は、円筒形状をなし、最表層がポリカーボネートなどからなる正帯電性の感光層により形成されるドラム本体59と、このドラム本体59の軸心において、ドラム本体59の軸方向に沿って延びるドラム軸60とを備えている。ドラム軸60は、軸方向両端部が、各ホルダ側壁45の挿通部49に挿通され、各ホルダ側壁45の幅方向外方に突出するように、各ホルダ側壁45において回転不能に支持されている。
ドラム本体59の軸方向両端部には、回動支持部材61が相対回転不能に嵌入されており、各回動支持部材61は、ドラム軸60の周りにおいて、相対回転可能に支持されている。これによって、ドラム本体59がドラム軸60に対して回転自在に支持される。この状態において、感光ドラム42は、図5に示すように、ホルダ部43において、ホルダ前壁47の底面側からその前面が露出するように、配置される。
スコロトロン型帯電器62は、図1に示すように、ツノ部51よりも上方において、ホルダ部43内に幅方向に沿って収容されている。このスコロトロン型帯電器62は、ワイヤおよびグリッドを備え、コロナ放電を発生させる正帯電型のスコロトロン型帯電器であり、感光ドラム42の後方において、ホルダ天壁46に支持されており、感光ドラム42と接触しないように間隔を隔てて対向配置されている。また、このスコロトロン型帯電器62には、図2に示すように、ワイヤをクリーニングするためのクリーナ63が、ホルダ天壁46のクリーナ嵌合部50にスライド自在に嵌合するように、設けられている。
現像カートリッジ32は、図8および図16に示すように、現像筐体64と、その現像筐体64内に設けられる、アジテータ69、供給ローラ66、現像剤担持体としての現像ローラ67および層厚規制ブレード68とを備えている。
なお、図8ないし図16を参照する現像カートリッジ32の説明では、現像カートリッジ32が装着された状態において、現像カートリッジ32の厚さ方向における背面側に位置される側を「天面側」、正面側に位置される側を「底面側」とし、現像カートリッジ32の装着方向下流側を「前側」、現像カートリッジ32の装着方向上流側を「後側」とす
る。
現像筐体64は、図8に示すように、前側が開放される薄型ボックス形状として形成されており、図15に示すように、天面側が開放される箱部材70と、箱部材70と別体で形成され、箱部材70の開放される天面側を閉鎖する蓋部材71とを備えている。
箱部材70は、幅方向に沿って互いに間隔を隔てて対向配置される1対の側壁72と、各側壁72の後端部を連結する後壁73と、各側壁72および後壁73で囲まれる部分を被覆するように、各側壁72および後壁73の底面側端部に連結される底壁74とを一体的に備えている。
1対の側壁72は、図14に示すように、前後方向に延びる平板状をなし、前側壁75、傾斜壁76および後側壁77を、前後方向において連続するように一体的に備えている。
各前側壁72は、前端縁から前後方向途中まで延び、現像ローラ67、層厚規制ブレード68、供給ローラ66およびアジテータ69の両端部であって、これらを挟む前方位置において、前後方向の対向距離が互いに等しくなるように、平行して配置されている。
各後側壁77は、後端縁から前後方向途中(各前側壁72の後端縁とは前後方向において間隔が隔てられる前後方向途中)まで延び、アジテータ69に対して現像ローラ67の反対側の後方位置において、各前側壁72間の対向距離よりも長い対向距離で、前後方向の対向距離が互いに等しくなるように、平行して配置されている。
各傾斜壁76は、前後方向において、各前端縁が各前側壁72と連続し、各後端縁が各後側壁77とに連続するように、これらの間に配置され、その対向距離が、各前端縁から各後端縁に向かって次第に長くなるように傾斜して配置されている。各傾斜壁76の内壁面は、図15に示すように、トナーの排出を案内するための傾斜面178とされている。各傾斜面178によって、各前側壁75間の対向距離が各後側壁77間の対向距離よりも短くても、それらの間に段差がなく、それらの間でトナーを滞留させることなく、トナーを円滑に案内して、後述するトナー収容室92から排出することができる。
なお、各側壁72の後側壁77の後端部天面側には、図9に示すように、幅方向外方に向かって突出する現像ボス部95が設けられている。
また、後壁73は、図9および図15に示すように、幅方向に延びる細長矩形板状に形成されている。
また、底壁74は、図16に示すように、平板状をなし、その前方位置(すなわち、各前側壁75が対向している現像カートリッジ32の装着方向上流側部分)には、アジテータ69の回転軌跡に対応するように、天面側に向かって断面円弧状に突出する排出壁78と、供給ローラ66の外径に沿って断面円弧状に湾曲する供給ローラ収容壁79と、現像ローラ67を露出させる斜め底面側前方に向かって傾斜する舌壁80とが、後側から前側に向かって順次連続して形成されている。
また、底壁74の外壁面には、図14に示すように、後方位置(すなわち、各後側壁77が対向している現像カートリッジ32の装着方向下流側部分)から、前方位置と後方位置との間(すなわち、各傾斜壁76が対向している現像カートリッジ32の装着方向途中部分)にかけて、幅方向中央部に、ユーザの把持領域を示すための底側把持部96が設けられている。この底側把持部96は、底面視略矩形状に形成された凹凸部分からなり、ユ
ーザが現像カートリッジ32を把持しやすいように、目印として設けられている。
なお、底壁74の外壁面には、図9に示すように、後側両端部において、底面側に向かって小さく突出する当接突起94が形成されている。
また、底壁74の内壁面には、図15に示すように、前方位置と後方位置との間であって、幅方向中央部において、上方に向かって立設する支柱部材81が設けられている。
この支柱部材81は、底壁74の外壁面に設けられた底側把持部96と対向する底壁74の内壁面に設けられ、図16に示すように、後壁73の厚さ方向長さとほぼ同じ長さで立設され、図15に示すように、各側壁72、後壁73および後述する仕切壁83のいずれからも離間するように、後述するトナー収容室92の幅方向および前後方向の中央部に配置されている。
また、この支柱部材81は、断面略雫形状の筒状に形成されており、その略断面雫形状の先細り形状とされる一方側端部が後側に配置され、略断面雫形状の丸底形状とされる他方側端部が前側に配置されるように、設けられている。
そして、後側に配置される一方側端部において、先細り形状として形成されている略V字形状の両テーパ面が、トナーを排出方向(現像カートリッジ32の装着状態における下方)に案内するための案内面82とされている。この案内面82によって、トナーを排出方向の下流側に向けて円滑に案内することができるので、トナーが補強柱65に引っ掛かって滞留することを防止することができる。
また、各前側壁75の前後方向途中には、図16に示すように、各前側壁75の間に架設される仕切壁83が設けられている。
この仕切壁83は、幅方向に延びる細長矩形板状をなし、各前側壁75の天面側端縁から厚さ方向中途まで設けられ、天面側に向かって突出する、排出壁78の前端部と供給ローラ収容壁79の後端部との接続部分と、厚さ方向において間隔を隔てて対向するように形成されている。
そして、この仕切壁83の底面側端部と、排出壁78の前端部と供給ローラ収容壁79の後端部との接続部分との間には、幅方向に沿って細長く延びる排出口84が形成されている。
なお、この箱部材70において、各側壁72の天面側端縁部、仕切壁83の天面側端縁部および後壁73の天面側端縁部には、図15に示すように、蓋部材71の周縁部を当接させるための鍔部85が形成されている。
蓋部材71は、仕切壁83、各側壁72および後壁73で囲まれる空間に対応する略平板状をなし、その周縁部には、箱部材70の鍔部85に当接し、面一で形成される当接部86と、その当接部86に囲まれ、天面側に向かって窪むように形成される天壁87とを一体的に備えている。
天壁87は、前方位置に対向配置される幅狭矩形平板状の前天壁88と、後方位置に対向配置され、前天壁88に対してより深く窪む幅広矩形平板状の後天壁89と、前後方向においてそれらの間に設けられる略台形平板状の中天壁90とを一体的に備えている。
天壁87の外壁面には、後天壁89から中天壁90にかけて、図8に示すように、幅方向中央部において、ユーザの把持領域を示すための天側把持部97が設けられている。
この天側把持部97は、平面視略矩形状に形成された凹凸部分からなり、ユーザが現像カートリッジ32を把持しやすいように、目印として設けられている。
また、天壁87の内壁面には、図15に示すように、中天壁90における幅方向中央部に、支柱部材81の天面側端部を嵌合する嵌合筒部91が設けられている。
この嵌合筒部91は、天壁87の外壁面に設けられた天側把持部97と対向する天壁87の内壁面に設けられ、図16に示すように、中天壁90から底面側に向かって、後天壁89の当接部86に対する窪み距離よりも、長く突出するように形成されている。また、この嵌合筒部91は、その断面形状が、支柱部材81の断面略雫形状よりも若干大きい相似形状の断面略雫形状をなし、嵌合筒部91を嵌合できるように、筒状に形成されている。また、この嵌合筒部91には、支柱81の案内面82に対応して、案内面82が形成されている。
そして、現像筐体64は、箱部材70に蓋部材71を被せて、箱部材70の鍔部85に、蓋部材71の当接部86を当接させて溶着するとともに、支柱部材81の天面側端部を、嵌合筒部91内に挿入して嵌合させることにより、形成されている。
この現像筐体64は、底側把持部96と天側把持部97とが厚さ方向において対向配置される薄型に形成されており、ユーザは、この底側把持部96と天側把持部97とを、片手で挟むように把持して、保持することができる。
また、支柱部材81が嵌合筒部91に嵌合されることで、これら支柱部材81と嵌合筒部91とで、底壁74と天壁87との間に架設される補強柱65が形成される。これによって、天壁87と底壁74との間で圧縮方向の応力が作用しても、補強柱65によってその応力を受け止めることができる。その結果、次に述べるトナー収容室92の剛性の向上を図ることができる。
このような現像筐体64において、天壁87と、その天壁87と厚さ方向に間隔を隔てて対向配置される排出壁78を含む部分の底壁74と、これらの間に配置される各側壁72(すなわち、後側壁77から前側壁75の前後方向途中部分まで)と、後壁73と、仕切壁83とで、現像剤収容部としてのトナー収容室92が形成されている。
また、トナー収容室92より前方の、供給ローラ収容壁79および舌壁80を含む底壁74と、その前方の底壁74と連続する各側壁72(すなわち、前側壁75の前端縁から前後方向途中部分まで)と、仕切壁83とで、現像室93が形成されている。
トナー収容室92では、前天壁88および後天壁89は、底壁74に対して、後天壁89と底壁74との対向距離が、前天壁88と底壁74との対向距離よりも長くなり、かつ、底壁74と平行するように配置されている。また、中天壁90は、底壁74に対して、前方から後方に向かって天面側に傾斜するように配置されている。
また、このトナー収容室92には、一方の後側壁77に、厚み方向を貫通する側面視略円形状の充填口としてのトナー充填口98が形成されている。
なお、トナー充填口98は、常時は、図8に示すように、キャップ165によって閉塞されている。
また、このトナー収容室92には、図11および図12に示すように、このトナー収容室92内に収容されるトナーの残量を検知するための検知光を通過させる検知窓100が、各前側壁75に、幅方向において対向するように、それぞれ形成されている。
各検知窓100は、各前側壁75を切り欠いて、その切り欠いた部分に、透明樹脂板を嵌め込むことにより、前後方向に長い側面視略楕円形状に形成されている。各検知窓100を、前後方向に長い側面視略楕円形状に形成することにより、後述するように、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着された状態において、離間状態および接触状態の両方の状態で、後述する光センサ182の検知光の通過を可能として、後述する検知光通過ポイントを2箇所で確保できるようにしている。
各検知窓100における前端部は、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着された状態(つまり、トナー収容室92内のトナーが、自重により鉛直方向下方の排出口84側に移動した状態)において、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量まで消費されたときに、検知光が通過可能となる位置に、配置されている。
また、各検知窓100における後端部は、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着された状態(つまり、トナー収容室92内のトナーが、自重により鉛直方向下方の排出口84側に移動した状態)において、各検知窓100における前端部に対して、鉛直方向上方に間隔を隔てて配置され、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量には至っていないが、その交換すべき残量よりも少し多い程度の残量まで消費されたときに、検知光が通過可能となる位置に、配置されている。
また、各検知窓100は、図16に示すように、前後方向においては、次に述べるアジテータ69の攪拌部材152の回転軌跡の投影面と、回転軸151の軸方向において重なり、厚さ方向においては、次に述べるアジテータ69の回転軸151と重なるように、各前側壁75に、互いに幅方向において対向するように形成されている。
また、補強柱65は、互いに幅方向において対向配置される各検知窓100の間を通過する検知光の光路上に位置しないように、光路より後方に配置されている。
アジテータ69は、トナー収容室92内において、排出口84の近傍に配置されている。このアジテータ69は、各前側壁75に回転自在に支持される回転軸151と、その回転軸10の軸方向にわたって設けられ、回転軸151から径方向外方に延びる、格子枠板状(図15参照)の攪拌部材152とを備えている。このアジテータ69は、排出壁78に沿って攪拌部材152が回転駆動されるように、排出口84の近傍に配置され、回転軸151の軸方向において、その攪拌部材152の回転軌跡の投影面内に、上記したように、各検知窓100が配置されている。
また、補強柱65は、攪拌部材152の回転軌跡の投影面と、回転軸151の軸方向において重ならず、回転駆動される攪拌部材152と接触しないように、アジテータ69よりも後方に配置されている。
なお、トナー充填口98も、図15に示すように、攪拌部材152の回転軌跡の投影面と、回転軸151の軸方向において重ならなうように、アジテータ69よりも後方に配置されている。
そして、このトナー収容室92には、各色ごとの現像剤としてのトナーが収容されている。すなわち、トナー収容室92内には、トナーとして、各プロセス部27ごとに、イエロープロセス部27Yにはイエロー、マゼンタプロセス部27Mにはマゼンタ、シアンプロセス部27Cにはシアンおよびブラックプロセス部27Kにはブラックの色を有する正帯電性の非磁性1成分の重合トナーが、それぞれ収容されている。
より具体的には、各色ごとのトナーは、重合法により得られた略球形の重合トナーが用いられている。重合トナーは、スチレンなどのスチレン系単量体や、アクリル酸、アルキル(C1〜C4)アクリレート、アルキル(C1〜C4)メタアクリレートなどのアクリル系単量体を、懸濁重合などの公知の重合方法によって共重合させることにより得られる結着樹脂を主成分とし、これに、着色剤、荷電制御剤、ワックスなどが配合されることによりトナー母粒子が形成され、さらにこれに、流動性の向上を図るべく外添剤が添加されてなるものである。
着色剤としては、上記した、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの各着色剤が配合されている。また、荷電制御剤としては、たとえば、アンモニウム塩などのイオン性官能基を有するイオン性単量体と、スチレン系単量体やアクリル系単量体などのイオン性単量体と共重合可能な単量体との共重合によって得られる荷電制御樹脂が配合されている。
また、外添剤としては、たとえば、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸ストロンチウム、酸化セリウム、酸化マグネシウムなどの金属酸化物の粉末や、炭化物の粉末、金属塩の粉末などの無機粉末が配合されている。
現像室93は、図16に示すように、トナー収容室92と排出口84を介して連通するように、トナー収容室92の前方において隣接配置されている。
現像室93には、天面側から前方にかけて開放される開口部159が形成されている。
また、現像室93において、舌壁80の前端部には、図8に示すように、トナーの漏れを防止するために、現像ローラ67の周面に底面側から圧接するように対向配置されるアゴ部153が、幅方向の全体にわたって形成されている。
また、アゴ部153と幅方向において対向する各前側壁75の底面側前端部には、図11および図12に示すように、側面視において、アゴ部153よりも前方から底面側にかけて突出するような、湾曲略L字板状のソリ部154が形成されている。
供給ローラ66は、図16に示すように、現像室93内において、排出口84の前方に配置され、供給ローラ収容壁79に収容されるように、幅方向に沿って設けられている。
この供給ローラ66は、各前側壁75に回転自在に支持される金属製の供給ローラ軸155と、その供給ローラ軸155の周りを被覆する導電性のスポンジ部材からなる供給ローラ層156とを備えている。
現像ローラ67は、現像室93内において、供給ローラ66に対して斜め天面側前方に配置され、舌壁80と対向するように、幅方向に沿って設けられている。この現像ローラ67は、各前側壁75に回転自在に支持される金属製の現像ローラ軸157と、その現像ローラ軸157の周りを被覆する導電性のゴム部材からなる現像ローラ層158とを備えている。より具体的には、現像ローラ層158は、カーボン微粒子などを含む導電性のウレタンゴム、シリコーンゴムまたはEPDMゴムなどからなる弾性体のローラ層と、そのローラ層の表面に被覆され、ウレタンゴム、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂などが主成分とされるコート層との2層構造からなる。
また、現像ローラ67は、供給ローラ66と、互いに圧接するように配置されており、かつ、図8に示すように、現像室93の前端部において、その前面が開口部159から露出するように配置されており、その露出している底面側端部が、上記したように、アゴ部
153と圧接されている。
層厚規制ブレード68は、仕切壁83の前壁面において、幅方向の全体にわたって設けられている。この層厚規制ブレード68は、図16に示すように、金属の板ばね部材からなるブレード160と、ブレード160の天面側端部を挟持して、仕切壁83の前壁面に固定する固定部材161と、ブレード160の底面側端部に設けられる絶縁性のシリコーンゴムからなる断面半円形状の押圧部162とを備えている。この層厚規制ブレード68は、ブレード160が厚さ方向に配置され、その天面側端部が、固定部材161によって仕切壁83の前壁面に固定される一方、その底面側端部に設けられる押圧部162が、現像ローラ67の現像ローラ層158を、ブレード160のばね力によって、後側から押圧するように、設けられている。
なお、この現像カートリッジ32には、図8および図11に示すように、一方の側壁72の外壁面から突出する回転軸151の端部に設けられる図示しないアジテータ駆動ギヤ、一方の側壁72の外壁面から突出する供給ローラ軸155の端部に設けられる図示しない供給ローラ駆動ギヤ、および、一方の側壁72の外壁面から突出する現像ローラ軸157の端部に設けられる図示しない現像ローラ駆動ギヤに、駆動力を伝達するための図示しないギヤ列や、そのギヤ列に駆動力を入力するためのカップリング雌部163が、一方の側壁72の前側壁75の外壁面に設けられている。これらギヤ列やカップリング雌部163は、前側壁75の外壁面に設けられるギヤカバー164内において、このギヤカバー164によって保持されている。
なお、ギヤカバー164には、一方の検知窓100と幅方向において対向する位置に、一方の検知窓100に対応する前後方向に長い側面視略楕円形状のカバー検知孔179が形成されている。
また、本体ケーシング2において、各プロセス収容部12には、図17に示すように、ドラムカートリッジ31の着脱を案内するために、ドラムカートリッジ31のドラム軸60が挿通される案内溝101が形成されている。この案内溝101は、左側板8および右側板9において、互いに幅方向外側に窪むように対向して設けられ、上方から下方に向かって後側に傾斜するようなドラムカートリッジ31の着脱方向に沿って配置されている。
各案内溝101の下端部(最深部)が、ドラム軸60を受ける受け部102(図18
参照)とされている。受け部102は、正背方向においてドラム軸60が丁度嵌合する凹状に形成され、ドラム軸60が突き当たったときに、感光ドラム42と後述する搬送ベルト168とが接触するように、配置されている。
また、各案内溝101の長手方向途中には、背面側に向かって側面視矩形状に窪むドラム位置決め溝103が形成されている。このドラム位置決め溝103は、ドラムボス部56を受けることができるように、左側板8および右側板9の幅方向対向位置に、それぞれ形成されている。
また、各案内溝101の上側には、現像カートリッジ32の現像ボス部95が挿通されるボス挿通溝133が、左側板8および右側板9を切り欠くように形成されている。このボス挿通溝133は、左側板8および右側板9の上端部から、現像カートリッジ32の着脱方向、より具体的には、現像カートリッジ32の着脱時に、現像ボス部95が装着方向および離脱方向に移動する移動経路に沿って、斜め背面側下方に略U字状にストレートに切り欠くように形成されている。
また、左側板8の内側面および右側板9の内側面には、図22および図23に示すよう
に、発光部180および受光部181がそれぞれ設けられており、これら発光部180および受光部181によって、現像カートリッジ32のトナー収容室92内の、トナーの残量を検知するための現像剤量検知手段としての光センサ182が構成されている。
これら発光部180および受光部181は、幅方向において、現像カートリッジ32の現像収容部14を挟んで、互いに対向配置されている。
より具体的には、発光部180および受光部181は、正背方向においては、図22に示す現像カートリッジ32の後述する離間状態、および、図24に示す現像カートリッジ32の後述する接触状態の両方の状態において、幅方向において各検知窓100と対向するように配置されている。
また、上下方向(鉛直方向)においては、図23に示す現像カートリッジ32の後述する離間状態、および、図25に示す現像カートリッジ32の後述する接触状態の両方の状態において、幅方向において各検知窓100と対向するように配置されている。
さらに具体的には、発光部180および受光部181は、図23に示す現像カートリッジ32の後述する離間状態においては、各検知窓100の下端部(現像カートリッジ32が現像収容部14に収容された状態での下端部)と対向し、図25に示す現像カートリッジ32の後述する接触状態においては、各検知窓100の上端部(現像カートリッジ32が現像収容部14に収容された状態での上端部)と対向するように配置されている。
発光部180は、発光素子からなり、他方の検知窓100にレーザなどの指向性の強い光を検知光として入射する。受光部181は、受光素子からなり、一方の検知窓100から出射する検知光を受光する。
また、左側板8および右側板9には、図19に示すように、ドラムカートリッジ31に対して現像カートリッジ32を接離させる接離手段としての接離機構106が設けられている。
この接離機構106は、左側板8および右側板9の外側面において、ボス挿通溝133の近傍にそれぞれ設けられ、現像ボス部95を装着方向に向けて押圧する第1押圧部材116と、第1押圧部材116を付勢する第1付勢ばね117と、現像ボス部95を離脱方向に向けて押圧する第2押圧部材118と、第2押圧部材118を付勢する第2付勢ばね119と、第1押圧部材116および第2押圧部材118と対向するカム120とを備えている。
第1押圧部材116は、一方片と他方片とが屈曲部を介して連続する略V字状をなし、後述する離間状態において、一方片がボス挿通溝133と並行して配置され、他方片が正背方向に沿って配置されている。一方片の一端部には、現像ボス部95と当接するボス当接部121が、離間状態において、一端部から正面側に屈曲して延びるように形成されている。ボス当接部121の下面は、現像ボス部95を上側から押圧する上側押圧面134として形成されている。この上側押圧面134は、現像ボス部95との当接時には、現像ボス部95を装着方向に向けて押圧する押圧力と、現像ボス部95をボス挿通溝133の正面側端縁に向けて押圧する押圧力とが同時に発生するように、現像ボス部95に対して斜めに当接するように、形成されている。また、他方片の他端部には、カム120と当接するカム当接部122が、離間状態において、他端部から上方に突出する突起として形成されている。
この第1押圧部材116は、屈曲部が、左側板8および右側板9の外側面においてボス
挿通溝133の下端部(最深部)の後方から幅方向外側に突出するように設けられる支持軸123に、回転自在に支持されている。これによって、ボス当接部121が、ボス挿通溝133、すなわち、現像ボス部95の移動経路に対して正背方向から進退自在となり、カム当接部122が、支持軸123に対するボス挿通溝133の反対側において、カム120と下側から接離自在となるように、設けられる。
なお、このような配置において、支持軸123は、第1押圧部材116のボス当接部121よりも、現像ボス部95の装着方向下流側に配置される。
第1付勢ばね117は、引張りばねからなり、その一端が、左側板8および右側板9の外側面においてボス挿通溝133の下端部(最深部)の下方から突出するように設けられる第1固定軸124に固定されている。また、他端が、カム当接部122に係止されている。これによって、第1押圧部材116は、常には、第1付勢ばね118の付勢力によって、ボス当接部121が現像ボス部95の移動経路に対して進出する方向(前方)、かつ、カム当接部122がカム120と近接する方向(上方)に、付勢される。
第2押圧部材118は、略矩形板状をなし、離間状態において、上端部正面側には、斜め正面側上側に突出し、現像ボス部95と当接するボス当接爪部125が設けられている。また、離間状態において、下端部正面側には、斜め正面側下側に突出し、第1固定軸124と当接可能な回転規制爪部126が設けられている。また、離間状態において、上端部背面側には、上方に突出し、カム120と当接するカム当接突起127が設けられている。また、離間状態において、下端部背面側には、下方に突出し、第2付勢ばね118の他端を係止するばね係止突部128が設けられている。
この第2押圧部材118は、正背方向途中が、支持軸123に回転自在に支持されることにより、ボス当接爪部125が、第1押圧部材116のボス当接部121よりも、現像ボス部95の装着方向下流側において、ボス挿通溝133、すなわち、現像ボス部95の移動経路の途中に臨み、その移動経路において、現像ボス部95の装着方向および離脱方向に移動自在となり、回転規制爪部126が第1固定軸124と接離自在となり、カム当接突起127が、支持軸123に対するボス挿通溝133の反対側において、カム120と下側から接離自在となるように、設けられる。
第2付勢ばね119は、引張りばねからなり、その一端が、左側板8および右側板9の外側面において第1固定軸124の下方から幅方向外側に突出するように設けられる第2固定軸129に固定されている。また、他端が、ばね係止突部128に係止されている。これによって、第2押圧部材118は、常には、第2付勢ばね119の付勢力によって、ボス当接爪部125が現像ボス部95の移動経路において現像ボス部95を離脱方向に押圧する方向(上方)、回転規制爪部126が第1固定軸124に近接する方向(上方)、かつ、カム当接突起127がカム120と離間する方向(下方)に、付勢される。
なお、第2付勢ばね119のばね定数は、第1付勢ばね117のばね定数よりも、小さくなるように、設定されている。
また、支持軸123には、図22に示すように、第1押圧部材116および第2押圧部材118がともに回動自在に支持されているが、第1押圧部材116は、第2押圧部材118に対して幅方向外側に配置されている。また、第1押圧部材116のボス当接部121は、幅方向内側に向かって膨出するように形成され、第2押圧部材118のボス当接爪部125は、幅方向外側に向かって膨出するように形成されている。そのため、ボス当接部121の上側押圧面134と、ボス当接爪部125の下側押圧面135とは、現像ボス部95の移動方向において重なるように配置されている。
カム120は、図19に示すように、略扇形状に形成され、左側板8および右側板9において、支持軸123の背面側上側から幅方向外側に突出するように設けられ、回転自在に支持されるカム軸130に、相対回転不能に連結されている。このカム120は、外周面において、円弧状の当接面131と、カム軸130に対して当接面131と反対側の、中心角を形成する略V字状の離間面132とが連続して形成されている。
カム120では、カム軸130の回転により、第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127に対して、当接面131と離間面132とが選択的に対向する。
そして、現像カートリッジ32が、現像収容部14に装着されてはいるが、非画像形成動作時には、感光ドラム42と現像ローラ67とが離間する離間状態となるように、カム120の当接面131が第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と当接し、これらを下方に向かって押し下げている。
これによって、第1押圧部材116は、離間状態において、第1付勢ばね117が引っ張られ、その第1付勢ばね117の付勢力に抗して、ボス当接部121が現像ボス部95の移動経路に対して退避する方向に、回動されている。
また、第2押圧部材118は、離間状態において、第2付勢ばね119が圧縮され、その第2付勢ばね119の付勢力よりも大きい押圧力で、ボス当接爪部125が現像ボス部95を離脱方向に押圧する方向、回転規制爪部126が第1固定軸124と近接する方向に、回動されている。この離間状態において、ボス当接爪部125は、現像ボス部95の移動経路において、後述する接触状態に対して、現像ボス部95の装着方向上流側に配置される。
なお、接離機構106では、図26(a)に示すように、各プロセス収容部12ごとに、カム軸130が、左側板8および右側板9の間に架設され、左側板8および右側板9において回転自在に支持されており、そのカム軸130の両端部にカム120が1対として連結されている。また、図示しないが、各プロセス収容部12ごとに、1対のカム120に対応して、第1押圧部材116および第2押圧部材118が、それぞれ1対として設けられている。
そして、左側板8において、左側板8の外側に突出する各カム軸130の端部には、カム駆動ギヤ136が相対回転不能に連結されており、また、各カム駆動ギヤ136の間には、隣り合う各カム駆動ギヤ136に噛合する中間ギヤ137が設けられている。これによって、図26(b)に示すように、各カム駆動ギヤ136と各中間ギヤ137とで構成される歯車列に、モータ138からピニオンギヤ109を介して駆動力が入力されることで、歯車列を介して各カム軸130に駆動力を入力して、各カム軸130を回転させることにより、1対のカム120を同時に回転させて、1対の第1押圧部材116のカム当接部122および1対の第2押圧部材118のカム当接突起127に対して、1対のカム120の当接面131および離間面132を選択的に対向させるようにしている。
そして、このカラーレーザプリンタ1では、図18に示すように、各プロセス収容部12において、まず、各色ごとのドラムカートリッジ31を、対応するドラム収容部13にそれぞれ装着することにより、本体ケーシング2に各ドラムカートリッジ31が装着され、次いで、各色ごとの現像カートリッジ32を、対応する現像収容部14にそれぞれ装着することにより、本体ケーシング2に装着された各ドラムカートリッジ31に、各現像カートリッジ32が装着される。
より具体的には、まず、ドラム取っ手57を操作して、ドラムカートリッジ31の各ドラムボス部56を、各案内溝101に挿通させて、ドラムカートリッジ31を下方へ押し下げる。そうすると、ドラムカートリッジ31は、現像収容部14を通過するように案内された後、ドラム収容部13に装着される。
ドラムカートリッジ31のホルダ部43が、現像収容部14の現像収容空間16を通過するときには、ドラムカートリッジ31の各ツノ部51が、現像収容部14の各レール部17と対向して、装着途中において、度々互いに摺擦される。このように、各ツノ部51と各レール部17とを摺擦させれば、スキャナケーシング35の正面壁34とホルダ天壁46との間に隙間を形成して、これらが互いに摺擦されることを阻止することができる。
そして、各ドラムボス部56を各ドラム位置決め溝103に受け入れさせれば、ドラムカートリッジ31が、ドラム収容空間15に収容され、延出部44が現像収容部14の延出部収容空間18に収容されることにより、本体ケーシング2に装着される。
このカラーレーザプリンタ1では、各プロセス収容部12において、スキャナケーシング35の正面壁34が、現像収容空間16に向かって膨出するように配置されており、現像収容部14においては、ドラムカートリッジ31に現像カートリッジ32が装着された状態では、現像収容部14でのドラムカートリッジ31の通過が規制されている。しかし、現像収容部14においては、ドラムカートリッジ31から現像カートリッジ32が分離された状態では、現像収容空間16でのドラムカートリッジ31の通過が許容されている。
そのため、スキャナケーシング35の正面壁34が、現像収容空間16に向かって膨出することにより、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32の着脱経路を単純に加算したスペースが確保されていなくても、ドラムカートリッジ31を、現像カートリッジ32と分離した状態で、スキャナケーシング35の正面壁34と干渉することなく現像収容空間16の現像収容空間16に通過させて、ドラム収容部13に装着してドラム収容空間15に収容することができる。そして、その後、後述するように、現像カートリッジ32を、現像収容部14に装着して現像収容領域16に収容すれば、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32を装着することができる。
そして、ホルダ部43がドラム収容部13のドラム収容空間15に収容された状態では、各ツノ部51が、各レール部17を乗り越えて、スキャナケーシング35の下方に配置される。また、スコロトロン型帯電器62の天面側部分も、スキャナケーシング35の下方に配置される。また、感光ドラム42が、後述する搬送ベルト168と接触する。
次いで、現像カートリッジ32の底側把持部96と天側把持部97とを、片手で挟むように把持して、図19に示すように、各現像ボス部95を、各ボス挿通溝133に対向させて、現像カートリッジ32を下方へ押し下げる。そうすると、各現像ボス部95が、各ボス挿通溝133に挿通され、図20に示すように、各現像ボス部95の移動経路に臨む各ボス当接爪部125と当接する。各ボス当接爪部125は、各現像ボス部95によって装着方向に向けて押圧されるが、カム当接部122がカム120の当接面131に当接しているため、第2押圧部材118の回動は規制される。そのため、各現像ボス部95は、それ以上、装着方向へ向かうことが規制され、各ボス当接爪部125との当接位置で止まり、その結果、現像カートリッジ32が、ドラムカートリッジ31に対して、感光ドラム42と現像ローラ67との間に間隔が隔てられる離間状態で保持される。これによって、現像カートリッジ32は、現像収容部14の現像収容空間16に収容され、本体ケーシング2に装着されたドラムカートリッジ31に装着される。
そして、このレーザプリンタ1では、非画像形成動作時には、現像カートリッジ32がドラムカートリッジ31に対して、感光ドラム42と現像ローラ67とが離間する、このような離間状態を保持し、画像形成動作時には、感光ドラム42と現像ローラ67とが接触する接触状態となるように、動作される。
すなわち、このレーザプリンタ1において、現像カートリッジ32を、離間状態から接触状態へと移動させるには、まず、離間状態において、カム120の当接面131が第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と当接している状態から、カム120を回転させて、カム120の離間面132が第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と対向する状態にする。
各カム120を回転させるには、図26に示すように、モータ138から、ピニオンギヤ139と、各カム駆動ギヤ136および各中間ギヤ137で構成される歯車列とを介して各カム軸130に駆動力を入力し、各カム軸130を回転させる。これによって、1対のカム120が同時に回転され、1対の第1押圧部材116のカム当接部122および1対の第2押圧部材118のカム当接突起127に対して、1対のカム120の離間面132が対向する。
カム120の離間面132が、第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と対向すると、図21に示すように、カム120の当接面131の押し下げ力が解除される。そうすると、第1押圧部材116は、第1付勢ばね117が自ら復元して縮み、その第1付勢ばね117の付勢力により、支持軸123を支点として、ボス当接部121が現像ボス部95の移動経路に対してより進出する方向に回動される。また、第2押圧部材118は、第2付勢ばね119が自ら復元して伸び、第2付勢ばね119の付勢力により、支持軸123を支点として、現像ボス部95の移動経路において、ボス当接爪部125が、離間状態に対して現像ボス部95の装着方向下流側に向かう方向に回動される。
そして、第1押圧部材116の回動によって、ボス当接部121の上側押圧面134が現像ボス部95と当接し、その現像ボス部95を、現像ボス部95を装着方向とボス挿通溝133の正面側端縁とに向けて押圧する。また、第2押圧部材118の回動によって、ボス当接爪部125が、離間状態に対して現像ボス部95の装着方向下流側に移動され、その状態において、ボス当接爪部125の下側押圧面135が、ボス当接部121の上側押圧面134によって押圧されている現像ボス部95と当接して、現像ボス部95を、第2付勢ばね119の付勢力によって弾性的に受ける。
そして、第2付勢ばね119のばね定数が、第1付勢ばね117のばね定数よりも小さく設定されているため、現像ボス部95は、ボス当接部121の上側押圧面134からの押圧力により、離間状態に対して装着方向下流側に移動され、その状態において、ボス当接爪部125の下側押圧面135によって受けられる。そして、現像ボス部95の装着方向下流側への移動により、現像ローラ67が感光ドラム42に接触され、これによって、感光ドラム42と現像ローラ67とが接触する接触状態となる。
また、この接触状態では、現像ボス部95が、上側押圧面134からの押圧力により、ボス挿通溝133の正面側端縁に当接される。
また、接触状態においては、第1押圧部材116および第2押圧部材118が、第1付勢ばね117および第2付勢ばね119によって、それぞれ付勢されるので、カム120
の離間面132と、第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127との間に、隙間が形成される。
また、接触状態においては、現像カートリッジ32の各検知窓100には、図21および図25に示すように、発光部180および受光部181が、各検知窓100の上端部において対向する。
そして、後述するように、現像カートリッジ32が離間状態から接触状態へと移動したときに、光センサ182によるトナーの残量検知が実行され、発光部180から、後述するように、上側検知光通過ポイントとなるトナー収容室92における各検知窓100の上端部を通過するように、受光部181に向けて、検知光が発光される。
また、現像カートリッジ32を、接触状態から離間状態へと移動させるには、まず、接触状態において、カム120の離間面132が第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と隙間を隔てて対向している状態から、上記と同様に、カム120を回転させて、カム120の当接面131が第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と当接する状態にする。
カム120の当接面131が、第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と対向すると、図20に示すように、カム120の当接面131が第1押圧部材116のカム当接部122および第2押圧部材118のカム当接突起127と当接し、これらを下方に向かって押し下げる。そうすると、第1押圧部材116は、第1付勢ばね117が引っ張られ、その第1付勢ばね117の付勢力に抗して、支持軸123を支点として、ボス当接部121が現像ボス部95の移動経路に対して退避する方向に回動される。また、第2押圧部材118は、第2付勢ばね119が圧縮され、その第2付勢ばね119の付勢力よりも大きい押圧力で、支持軸123を支点として、現像ボス部95の移動経路において、ボス当接爪部125が、接触状態に対して現像ボス部95の装着方向上流側に向かう方向に回動される。
そして、第1押圧部材116の回動によって、ボス当接部121の上側押圧面134が現像ボス部95から離間する。また、第2押圧部材118の回動によって、ボス当接爪部125が、接触状態に対して現像ボス部95の装着方向上流側に移動され、それに伴って、ボス当接爪部125の下側押圧面135が、現像ボス部95を、離脱方向に押圧する。そして、現像ボス部95の装着方向上流側への移動により、現像ローラ67が感光ドラム42から離間され、これによって、感光ドラム42と現像ローラ67とが離間する離間状態となる。この離間状態において、現像カートリッジ32を現像収容部14から離脱させることができる。
また、離間状態においては、現像カートリッジ32の各検知窓100には、図20および図23に示すように、発光部180および受光部181が、各検知窓100の下端部において対向する。
そして、後述するように、現像カートリッジ32が接触状態から離間状態へと移動したときに、光センサ182によるトナーの残量検知が実行され、発光部180から、後述するように、下側検知光通過ポイントとなるトナー収容室92における各検知窓100の下端部を通過するように、受光部181に向けて、検知光が発光される。
また、このように、画像形成動作時に、現像ローラ67と感光ドラム42とを接触させ、非画像形成動作時に、現像ローラ67と感光ドラム42とを離間させれば、現像ローラ
67と感光ドラム42とが必要なときにのみ接触するので、これらの寿命を延命することができる。
そして、現像収容部14において、離間状態および接触状態に選択的に配置できるように、ドラムカートリッジ32に装着された現像カートリッジ32では、現像ローラ67の現像ローラ軸157が、ドラム筐体41の位置決め溝48に嵌合することにより、現像カートリッジ32がドラムカートリッジ32に対して位置決めされる。
また、現像筐体64の底壁74の当接突起94が、仕切板10の背面33と当接することで、現像カートリッジ32が現像収容部14に対して位置決めされる。
そして、ドラムカートリッジ31がドラム収容部13に装着されると、図示しない接点間の接続により、感光ドラム42がアース接続され、画像形成動作時には、スコロトロン型帯電器62に帯電バイアスが印加される。また、図示しないギヤの噛合により、画像形成動作時には、モータ138からの駆動力が入力され、感光ドラム42が回転される。
また、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着されると、図示しない接点間の接続により、画像形成動作時には、現像ローラ67の現像ローラ軸157に現像バイアスが印加される。また、図示しないカップリングの結合により、画像形成動作時には、モータ138からの駆動力が入力され、アジテータ69、供給ローラ66および現像ローラ67が回転される。
そして、各プロセス部27では、画像形成動作時には、図1に示すように、各現像カートリッジ32においては、トナー収容室92に収容されている各色ごとのトナーが、自重によって鉛直方向下方となる排出口84に移動し、アジテータ69によって攪拌されながら、排出口84から排出される。
排出口84から排出されたトナーは、供給ローラ66に供給される。供給ローラ66に供給されたトナーは、供給ローラ66の回転により、現像ローラ67に供給され、このとき、供給ローラ66と、現像バイアスが印加されている現像ローラ67との間で正に摩擦帯電される。
現像ローラ67に供給されたトナーは、現像ローラ67の回転に伴って、層厚規制ブレード68の押圧部162と現像ローラ67の現像ローラ層158との間に進入し、一定厚さの薄層として現像ローラ層158の表面に担持される。
一方、ドラムカートリッジ31では、スコロトロン型帯電器62が、帯電バイアスの印加により、コロナ放電を発生させて、感光ドラム42の表面を一様に正帯電させている。感光ドラム42の表面は、感光ドラム42の回転に伴って、スコロトロン型帯電器62により一様に正帯電された後、スキャナユニット30からのレーザ光の高速走査により露光され、用紙3に形成すべき画像に対応した静電潜像が形成される。
さらに感光ドラム42が回転すると、次いで、現像ローラ67の表面に担持されかつ正帯電されているトナーが、現像ローラ67の回転により、感光ドラム42に対向して接触するときに、感光ドラム42の表面に形成されている静電潜像、すなわち、一様に正帯電されている感光ドラム42の表面のうち、レーザ光によって露光され電位が下がっている露光部分に供給される。これにより、感光ドラム42の静電潜像は、可視像化され、感光ドラム42の表面には、各色ごとに、反転現像によるトナー像が担持される。
転写部28は、図1に示すように、本体ケーシング2内において、給紙部4の上方であ
って、各プロセス収容部12の下方において正背方向に沿って配置され、駆動ローラ166、従動ローラ167、搬送ベルト168および転写ローラ169を備えている。
駆動ローラ166は、イエロープロセス部16Yが収容されるプロセス収容部12よりも正面側に配置されている。従動ローラ167は、ブラックプロセス部16Kが収容されるプロセス収容部12よりも背面側に配置されている。
また、搬送ベルト168は、エンドレスベルトからなり、カーボンなどの導電性粒子を分散した導電性のポリカーボネートやポリイミドなどの樹脂によって形成されている。この搬送ベルト168は、駆動ローラ166と従動ローラ167との間に巻回されている。
そして、駆動ローラ166の駆動により、従動ローラ167が従動され、搬送ベルト168が、これら駆動ローラ166および従動ローラ167の間を、各プロセス部27の感光ドラム42と対向して接触する画像形成位置において、感光ドラム42と同方向に回転するように、周回移動される。
また、転写ローラ169は、駆動ローラ166および従動ローラ167の間に巻回されている搬送ベルト168内において、各プロセス部16の感光ドラム42と、搬送ベルト168を挟んで対向するように、それぞれ設けられている。この転写ローラ169は、金属製のローラ軸に、導電性のゴム材料などの弾性部材からなるローラ層が被覆されている。また、転写ローラ169は、搬送ベルト168と対向して接触する画像形成位置において、搬送ベルト168の周回移動方向と同方向に回転するように、回転可能に設けられており、転写時には、転写バイアスが印加される。
そして、給紙部4から給紙された用紙3は、駆動ローラ166の駆動および従動ローラ167の従動により周回移動される搬送ベルト168によって、正面側から背面側に向かって、搬送ベルト168と各プロセス部27の感光ドラム42との間の画像形成位置を、順次通過するように搬送され、その搬送中に、各プロセス部27の感光ドラム42に担持されている各色毎のトナー像が、順次転写され、これにより、用紙3にカラー像が形成される。
すなわち、たとえば、イエロープロセス部27Yの感光ドラム42の表面に担持されたイエローのトナー像が、用紙3に転写されると、次いで、マゼンタプロセス部27Mの感光ドラム42の表面に担持されたマゼンタのトナー像が、既にイエローのトナー像が転写されている用紙3に重ねて転写され、同様の動作によって、シアンプロセス部16Cの感光ドラム42の表面に担持されたシアンのトナー像、ブラックプロセス部16の感光ドラム42の表面に担持されたブラックのトナー像が重ねて転写され、これによって、用紙3にカラー像が形成される。
このようなカラー像の形成において、このカラーレーザプリンタ1は、各プロセス部27において、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32を1組として、異なる色に対応して複数組設けられているタンデム方式の装置構成であるため、モノクロ画像を形成する速度とほぼ同じ速度で、各色毎のトナー像を形成して、迅速なカラー像の形成を達成することができる。そのため、小型化を図りつつ、カラー画像を形成することができる。
定着部29は、本体ケーシング2におけるブラックプロセス部16Kが収容されるプロセス収容部12よりも背面側であって、感光ドラム42と搬送ベルト168とが接触する画像形成位置と、正背方向において対向するように配置されている。この定着部29は、加熱ローラ170および加圧ローラ171を備えている。
加熱ローラ170は、その表面に離型層が形成される金属素管からなり、その軸方向に沿ってハロゲンランプが内装されている。そして、ハロゲンランプにより、加熱ローラ170の表面が定着温度に加熱される。また、加圧ローラ171は、加熱ローラ170を押圧するように設けられている。
そして、用紙3上に転写されたカラー像は、次いで、定着部29に搬送され、用紙3が加熱ローラ170と加圧ローラ171との間を通過する間に、熱定着される。
排紙部6は、排紙側U字パス172、排出手段としての排紙ローラ173、および、排紙トレイ174を備えている。
排紙側U字パス172は、上流側端部が、下方において定着部29に隣接し、用紙3が背面側に向かって給紙されるように、下流側端部が、上方において排紙トレイ174に隣接し、用紙3が正面側に向かって排紙されるような、略U字状の用紙3の搬送経路として形成されている。
排紙ローラ173は、排紙側U字パス172の下流側端部に、1対のローラとして設けられている。
排紙トレイ174は、本体ケーシング2の上面に、正面側から背面側に向かって下方に傾斜する傾斜壁として形成されている。
定着部29から搬送されてくる用紙は、排紙側U字パス172の上流側端部に、背面側に向かって給紙され、その給紙側U字パス84内において、搬送方向が反転され、排紙ローラ173により、正面側に向かって排紙トレイ174上に排紙される。
そして、このような画像形成動作において、各現像カートリッジ32では、画像形成すべき色に対応して、トナーが消費される。一方、トナー収容室92内のトナーは、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着された状態では、自重により鉛直方向下方の排出口84側に移動するので、トナーの消費が進むにつれて、当初満杯状態にあったトナーのレベル(水位)が、鉛直方向下方へ徐々に降下する。そして、やがて、現像カートリッジ32を交換すべき残量には至っていないが、その交換すべき残量よりも少し多い程度の残量まで消費されたニアエンプティレベルに到達する。
ニアエンプティレベルに到達すると、後述するように、現像カートリッジ32の接触状態において(図25参照)、発光部180から発光した検知光が、後述する上側検知光通過ポイントであるトナー収容室92における各検知窓100の上端部を、通過可能となる。
さらに、トナーが消費されると、トナーは、ニアエンプティレベルよりもさらに鉛直方向下方に降下して、現像カートリッジ32を交換すべき残量まで消費されたエンプティレベルに到達する。
エンプティレベルに到達すると、後述するように、現像カートリッジ32の離間状態において(図23参照)、発光部180から発光した検知光が、後述する下側検知光通過ポイントであるトナー収容室92における各検知窓100の下端部を、通過可能となる。
そして、このカラーレーザプリンタ1では、各プロセス部12において、光センサ182によって、非画像形成動作時における現像カートリッジ32の離間状態と、画像形成動
作時における現像カートリッジ32の接触状態との両方の状態で、発光部180および受光部181によって、トナー収容室92の各検知窓100を介する検知光の検知の有無により、ニアエンプティレベルおよびエンプティレベルを検知し、これによって、トナー収容室92内のトナーの残量を判断するようにしている。
図27は、トナーの残量を判断するための制御系統を示すブロック図、図28は、トナーの残量を判断するためのトナー残量判断プログラムのフロー図である。
次に、図27および図28を参照して、このカラーレーザプリンタ1におけるトナーの残量を判断する制御について説明する。なお、以下に説明する制御は、各プロセス部12において、各現像カートリッジ32毎に、個別(他の現像カートリッジ32とは無関係に)になされている。
図27において、光センサ182を構成する発光部180および受光部181は、判断手段としてのCPU183に接続されている。
CPU183は、各種の制御プログラムが格納されるROM184と、制御プログラムの実行時に一時的な数値が格納されるRAM185とを備えている。ROM184には、トナーの残量を判断するためのトナー残量判断プログラムが格納されている。
CPU183は、発光部180に発光信号を入力し、受光部181からの受光信号が入力される。CPU183では、光センサ182を制御して、トナー収容室92内のトナーの有無を判断する。すなわち、CPU183では、光センサ182での検知タイミングにおいて、発光部180に発光信号を入力する。発光部180では、CPU183からの発光信号の入力により、検知光を他方の検知窓100に入射する。このとき、トナー収容室92内を通過する検知光が一方の検知窓100から出射して、受光部181において受光されれば、受光部181は、CPU183に受光信号を入力する。CPU183では、受光信号の入力により、「トナー無し」と判断する。一方、このとき、トナー収容室92内を通過する検知光が、トナー収容室92内のトナーによって遮光されれば、検知光は、一方の検知窓100から出射されず、受光部181で受光されないので、受光部181は、CPU183に受光信号を入力せず、CPU183では、受光信号が入力されないので、「トナー有り」と判断する。
また、CPU183には、報知手段としてのトナー残量表示部186が接続されている。このトナー残量表示部186は、本体ケーシング2の上方に設けられる図示しない操作パネルに設けられている。トナー残量表示部186は、エンプティランプ187とニアエンプティランプ188とを備えており、CPU183からの第1点灯信号および第2点灯信号が入力される。
エンプティランプ187は、CPU183からの第1点灯信号の入力により、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量まで消費されたエンプティレベルで点灯する。
ニアエンプティランプ188は、CPU183からの第2点灯信号の入力により、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量に近づいたニアエンプティレベルで点灯する。
また、CPU183には、上記した各カム120に駆動力を入力するためのモータ138が接続されている。CPU183は、画像形成時には、モータ138の駆動を制御して、カム120の回転により、現像カートリッジ32を接触状態に移動させ、また、非画像
形成時には、モータ138の駆動を制御して、カム120の回転により、現像カートリッジ32を離間状態に移動させる。
次に、図28を参照して、トナー残量判断プログラムによるトナー収容室92内のトナーの残量の判断処理について説明する。
図28において、トナー残量判断プログラムの処理は、CPU183に印刷ジョブが入力されたとき、CPU183によってイニシャル動作を開始したときなど、現像カートリッジ32が離間状態から接触状態へと移動するタイミングをトリガとして、開始される。なお、処理開始時は、現像カートリッジ32は離間状態にある。
処理が開始されると、まず、CPU183によって、図23に示す現像カートリッジ32の離間状態での、光センサ182の検知を実行して(S1)、トナーの有無が判断される(S2)。
現像カートリッジ32の離間状態において、光センサ182の検知が実行されると、図20に示すように、発光部180から、トナー収容室92における各検知窓100の下端部(以下、「下側検知光通過ポイント」という。)を通過するように、受光部181に向けて、検知光が発光される。
そして、受光部181が検知光を受光して、「トナー無し」と判断されれば(S2:NO)、CPU183は、エンプティランプ187に第1点灯信号を入力して、エンプティランプ187を点灯させ(S3)、処理を終了する。
すなわち、下側検知光通過ポイントは、トナー収容室92内のトナーが、自重により鉛直方向下方の排出口84側に移動した状態において、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量まで消費されたエンプティレベルで、検知光が通過可能となる位置に配置されている。そのため、発光部180から発光した検知光が、下側検知光通過ポイントを通過して、受光部181で受光したときには、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量まで消費されているので、エンプティランプ187を点灯させて、現像カートリッジ32を交換すべきことを、ユーザに報知する。
一方、受光部181が検知光を受光せず、「トナー有り」と判断されれば(S2:YES)、モータ138の駆動によりカム120を回転させて、現像カートリッジ32を離間状態から接触状態へと移動させる(S4)。そして、図25に示す現像カートリッジ32の接触状態での、光センサ182の検知を実行して(S5)、トナーの有無が判断される(S6)。
現像カートリッジ32の接触状態において、光センサ182の検知が実行されると、図21に示すように、発光部180から、トナー収容室92における各検知窓100の上端部(以下、「上側検知光通過ポイント」という。)を通過するように、受光部181に向けて、検知光が発光される。
そして、受光部181が検知光を受光して、「トナー無し」と判断されれば(S6:NO)、CPU183は、ニアエンプティランプ188に第2点灯信号を入力して、ニアエンプティランプ188を点灯させた後(S7)、そのまま、印刷ジョブを実行する(S8)。
すなわち、上側検知光通過ポイントは、トナー収容室92内のトナーが、自重により鉛
直方向下方の排出口84側に移動した状態において、トナー収容室92内のトナーが、現像カートリッジ32を交換すべき残量には至っていないが、その交換すべき残量よりも少し多い程度の残量まで消費されたニアエンプティレベルで、検知光が通過可能となる位置に、配置されている。そのため、発光部180から発光した検知光が、上側検知光通過ポイントを通過して、受光部181で受光したときには、トナー収容室92内のトナーが、交換すべき残量よりも少し多い程度の残量まで消費されているので、ニアエンプティランプ188を点灯させて、現像カートリッジ32の交換が近いことを、ユーザに報知し、ユーザの注意を喚起する。
一方、受光部181が検知光を受光せず、「トナー有り」と判断されれば(S6:YES)、CPU183は、ニアエンプティランプ188に第2点灯信号を入力せず、ニアエンプティランプ188が点灯されずに、印刷ジョブを実行する(S8)。
すなわち、発光部180から発光した検知光が、上側検知光通過ポイントを通過せず、トナー収容室92内のトナーによって遮光されたときには、トナー収容室92内のトナーが、ニアエンプティレベルよりも、多量に残存している。そのため、ユーザに対して、トナーの残量に関して注意喚起をしなくても、通常通りの画像形成を確保することができる。
印刷ジョブの実行後、モータ138の駆動によりカム120を回転させて、現像カートリッジ32を接触状態から離間状態へと移動させ(S9)、処理を終了する。
このようなトナーの残量の判断処理においては、発光部180から発光される検知光を、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントにおいて通過させて、受光部181により受光する。そのため、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントのうち、いずれかの一方の検知光通過ポイントに異常が生じて、それによって誤検知を生じても、他の正常な検知光通過ポイントで、正常に検知することができる。その結果、トナーの残量の精度のよい検知を達成することができる。
また、上記したトナーの残量の判断処理においては、CPU183は、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントから得られるそれぞれの受光結果に基づいて、トナーの残量を判断することができる。そのため、トナーの残量を精度よく判断することができる。より具体的には、CPU183は、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントと、上側検知光通過ポイントに対応する受光結果および下側検知光通過ポイントに対応する受光結果とに基づいて、これらを組み合わせて、トナーの残量を判断しているので、詳細にトナーの残量を判断することができる。
また、上記したトナーの残量の判断処理においては、トナーの残量にそれぞれ対応して、トナーの残量が、ニアエンプティレベルに到達したときには、ニアエンプティランプ188を点灯させ、エンプティレベルに到達したときには、エンプティランプ187を点灯させる。そのため、ユーザに、CPU183のトナー残量の判断結果に基づいたトナーの残量を、的確かつ段階的に認識させることができる。
また、上記したトナーの残量の判断処理では、1対の検知窓100において、その上端部が上側検知光通過ポイントとなり、その下端部が下側検知光通過ポイントとなるように、検知光を通過させるので、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントに対応して、2対の検知窓100を互いに独立して設けた場合に比べて、トナーの検知窓100からの漏れを生じる割合を減少させることができる。
また、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとは、互いに鉛直方向に間隔
を隔てて設けられているので、トナーの消費に従って降下するトナーのレベルに対応した正確なトナーの残量の検知を達成することができる。そのため、トナーの残量をより一層精度よく検知することができる。
また、上記したトナーの残量の判断処理では、現像カートリッジ32の離間状態と接触状態との間の移動によって、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとが切り替わるので、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとに対応して、光センサ182をそれぞれ設けることを、不要とすることができる。そのため、装置構成の簡略化およびコストの低減化を図ることができる。
とりわけ、現像カートリッジ32は、正面側上方から背面側下方に向かって斜め上下方向において、現像収容部14に装着され、その装着方向に沿って、非画像形成時と画像形成時とにおいて、離間状態と接触状態との間を移動する。そして、この現像カートリッジ32の斜め上下方向の移動に伴って、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとが、結果的に、鉛直方向において切り替わるので、簡易な構成で、検知光の高精度の検知を達成することができる。
また、接離機構106による現像カートリッジ32の移動に伴って、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとが切り替わるので、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとを切り替えるための格別の切り替え手段を不要して、簡易かつ確実な構成により、低コストで、上側検知光通過ポイントと下側検知光通過ポイントとの切り替えを達成することができる。
しかも、上記したトナーの残量の判断処理では、接離機構106による現像カートリッジ32の移動に伴って、現像カートリッジ32が離間状態から接触状態に移動するタイミング、すなわち、下側検知光通過ポイントから上側検知光通過ポイントに切り替わるタイミングで、CPU183がトナーの残量を判断する。そのため、適切なタイミングでトナーの残量を検知して、トナーの残量をより一層精度よく検知することができる。
また、上記したトナーの残量の判断処理では、光センサ182は、現像カートリッジ32の離間状態および接触状態、つまり、現像カートリッジ32の最大移動範囲の上下方向両端にそれぞれ到達したときに、長孔に形成される検知窓100の上端部および下端部に対応する上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントに、検知光を通過させて、トナーの有無を検知する。そのため、トナーの残量が検知される範囲を、広範に確保することができる。その結果、トナーの残量を適切に検知することができる。
すなわち、この現像カートリッジ32では、各検知窓100は、側面視略楕円形状に形成されているので、簡易な構成により、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントが設け易くされており、しかも、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着された状態において、上下方向に長い側面視略楕円形状に形成されているので、トナーのレベルを、精度よく検知することができる。そのため、トナーの残量をより一層精度よく検知することができる。
また、各検知窓100は、各前側壁75に、幅方向において対向するように、それぞれ形成されているので、他方の側壁75に設けられる検知窓100から検知光を入射させて、その検知光を一方の側壁75に設けられる検知窓100から出射させることができる。そのため、トナー収容室92内のトナーの残量を正確に検知することができる。
なお、上記の説明では、トナー残量判断プログラムの処理によって、上側検知光通過ポイントおよび下側検知光通過ポイントにおいて、それぞれ検知光を通過させて、トナーの
有無を検知したが、たとえば、現像カートリッジ32が離間状態と接触状態との間を移動するときに、光センサ182によって、各検知窓100の上端部と下端部との間を、鉛直方向に沿って連続的にトナーの有無を検知して、トナー収容室92内のトナーの残量を、たとえば、パーセントでレベル表示することもできる。
図29は、そのような処理を実行するための参考例としてのトナー残量表示プログラムの制御系統を示すブロック図、図30は、トナー残量表示プログラムのフロー図である。
図29において、図27と同様の部材には、同一の符号を付しその説明を省略する。
図29において、トナー残量表示部186には、上記したエンプティランプ187およびニアエンプティランプ188に代えて、エンプティレベルゲージランプ189が設けられている。このエンプティレベルゲージランプ189は、CPU183からのトナーの残量に対応したレベル信号の入力により、トナー収容室92内のトナーの残量を、パーセントでレベル表示する。
次に、図30を参照して、トナー残量表示プログラムによるトナー収容室92内のトナーの残量の表示処理について説明する。
図30において、トナー残量表示プログラムの処理は、トナー残量判断プログラムと同様に、CPU183に印刷ジョブが入力されたとき、CPU183によってイニシャル動作を開始したときなど、現像カートリッジ32が離間状態から接触状態へと移動するタイミングをトリガとして、開始される。なお、処理開始時は、現像カートリッジ32は離間状態にある。
処理が開始されると、まず、CPU183によって、図23に示す現像カートリッジ32の離間状態での、光センサ182の検知を実行して(S11)、トナーの有無が判断される(S12)。「トナー無し」と判断されれば(S12:NO)、CPU183は、エンプティレベルゲージランプ189に、エンプティレベル信号(現像カートリッジ32を交換すべきパーセント範囲(エンプティレベル)にある特定のパーセントに対応するレベル信号)を入力し、エンプティレベルゲージランプ189にて、そのエンプティレベルの特定のパーセントをレベル表示させ(S13)、処理を終了する。
一方、「トナー有り」と判断されれば(S12:YES)、CPU183に内臓されているタイマーのカウントを開始させ(S14)、これと同時に、光センサ182の検知を開始する(S15)。その後、モータ138の駆動によりカム120を回転させて、現像カートリッジ32を離間状態から接触状態へと移動させる(S16)。光センサ182は、現像カートリッジ32の移動中、連続的に検知を実行してトナーの有無を判断する(S17:YES)。
そして、「トナー無し」と判断された時点で(S17:NO)、光センサ182の検知を終了し(S18)、これと同時に、CPU183に内臓されているタイマーのカウントを終了する(S19)。CPU183では、タイマーのカウント値、つまり、トナー収容室92内における検知光の通過時間から、トナー収容室92内のトナーの残量をパーセントにて算出し(S20)、そのパーセントに対応したレベル信号を、エンプティレベルゲージランプ189に入力する。エンプティレベルゲージランプ189では、CPU183からのレベル信号に対応した、トナー収容室92内のトナーの残量のパーセントを、レベル表示する(S21)。
その後、印刷ジョブを実行した後(S22)、モータ138の駆動によりカム120を
回転させて、現像カートリッジ32を接触状態から離間状態へと移動させ(S23)、処理を終了する。
上記のトナー残量表示プログラムによれば、現像カートリッジ32が離間状態から接触状態へと移動する移動中に、光センサ182が、各検知窓100に対して、現像カートリッジ32の移動経路に沿って、連続して検知光通過ポイントに検知光を入射して、トナーの有無を連続して検知する。そのため、トナー収容室92内のトナーの残量を、パーセントでレベル表示することができるので、より正確なトナーの残量の検知を達成することができる。
そして、このカラーレーザプリンタ1では、上記したように、給紙部4におけるピックアップローラ22の、正面側に向けての用紙3のピックアップ方向と、各画像形成位置での背面側に向けての用紙3の搬送方向とが反対方向で、また、各画像形成位置での背面側に向けての用紙3の搬送方向と、排紙部6における排紙ローラ173の、正面側に向けての用紙3の排紙方向とが反対方向となるように、配置されている。そのため、用紙3の搬送経路を確保しつつ、装置の小型化を図ることができる。
また、このカラーレーザプリンタ1では、各プロセス収容部12において、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32は、ドラム収容部13および現像収容部14に、正背方向および上下方向(用紙3の厚さ方向)に対して傾斜する方向、つまり、上方から下方に向かって背面側に傾斜する方向に沿って着脱される。そのため、ドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32の着脱の操作性の向上を図ることができる。
また、このカラーレーザプリンタ1では、正背方向において、複数組のドラムカートリッジ31および現像カートリッジ32と、それに対応する複数のスキャナユニット30とが、交互に配置されている。そのため、これらの効率的な配置により、装置の小型化を図ることができる。
なお、上記の実施形態では、検知窓100を、現像カートリッジ32が現像収容部14に装着された状態において、上下方向に長い側面視略楕円形状に形成したが、たとえば、上下方向に長い側面視略矩形状に形成してもよい。
また、上記の実施形態では、各検知窓100に対する検知光の通過または遮光により、トナーの有無を判断しているが、たとえば、アジテータ69が回転している場合には、光の通過時間に基づいて、トナーの有無を判断することができる。すなわち、アジテータ69が回転している場合には、アジテータ69により攪拌されたトナーが、アジテータ69の回転に同期して、各検知窓100を周期的に塞ぐので、検知光が周期的に遮光され、検知光の通過時間が断続的に制限されるが、この検知光の通過時間に閾値を設けておけば、その閾値を基準として、トナーの有無を判断することができる。
また、上記の参考例および実施形態では、トナー残量表示部186において、エンプティランプ187やニアエンプティランプ188、あるいは、エンプティレベルゲージランプ189にて、トナーの残量を報知したが、トナーの残量の報知方法は、これに限定されず、たとえば、このカラーレーザプリンタ1を操作するためのホストコンピュータに対して、トナーの残量に関する信号の入力によって報知したり、音声(ブザーなど)などにより報知することもできる。
また、上記の実施形態では、接触状態と離間状態に移動する現像カートリッジ32に対して、1つの光センサ182によって、トナーの残量を検知したが、光センサ182は、複数設けてもよく、たとえば、現像カートリッジ32を移動させずに、各検知窓100に
対向するように、上下方向において互いに間隔を隔てて複数の光センサ182を設けることもできる。但し、光センサ182を複数設けるよりも、上記した実施形態のように、1つの光センサ182によってトナーの残量を検知するほうが、低コストである。
また、上記の実施形態では、ドラムカートリッジ31と現像カートリッジ32とは、別体として構成されているが、これらが一体的に構成されていてもよい。
また、上記の実施形態では、現像カートリッジ32における、感光ドラム42に対する現像ローラ67の接離動作に併せて、CPU183によってトナーの残量を検知したが、別途、トナーの残量を検知するために、現像カートリッジ32を移動させるように、制御することもできる。但し、現像カートリッジ32の接離動作に併せて、トナーの残量を検知するほうが、制御の単純化を図ることができる。
また、上記の実施形態では、光センサ182は、本体ケーシング2に固定したが、たとえば、現像カートリッジ32を移動させずに、光センサ182を移動させるようにすることもできる。但し、光センサ182を移動させるよりも、上記した実施形態のように、現像カートリッジ32を移動させるほうが、構成の簡略化を図ることができる。
また、上記の説明では、各感光ドラム42から、直接、用紙3に転写するタンデム方式のカラーレーザプリンタ1を例示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、たとえば、各色毎のトナー像を、各感光体から一旦中間転写体に転写し、その後、用紙に一括転写する中間転写タイプのカラーレーザプリンタとして構成することもでき、さらには、モノクロのレーザプリンタとして構成することもできる。